JPH0511126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の分野 この考案は、例えば、リンゴやメロン、或いは
トマト等の果菜物を箱詰するような果菜物整列装
置に関する。

(ロ) 考案の背景 上述の果菜物を自動装置を用いて箱詰する場
合、搬送途中の搬送ベルト上の果菜物に振動を付
与して、果菜物の吸着可能な滑面を上側に向けた
状態で、搬送ベルトの後段側に集束し、この後、
第１図に示すような吸着ユニツトで果菜物を吸着
して、後段に配置した箱に果菜物を箱詰する。

しかし、例えば、トマトのような果菜物を箱詰
する場合、サイズが大きくなるとトマトは楕円形
を有するので、搬送ベルトの振動でトマトの向が
不揃いとなり、このトマトの向きを一方向に揃え
ないと、吸着ユニツトと、トマトの吸着可能な滑
面との位置がずれて、トマトの吸着が不可能とな
り円滑な箱詰作業が行えない。そこで、整列部に
搬送されるトマトを人為的に整列する作業が必要
となるが、整列部に搬送されるトマトは、箱詰め
の条件が密着箱詰であるので、隣接するトマトと
トマトが密着していて、トマトの間に作業者の手
や、指を差し入れることができない為、果菜物の
向き修正が迅速に行えないという問題を有してい
た。

(ハ) 考案の目的 この考案は、果菜物をカツプに移載する移載位
置および果菜物の向き修正位置で、果菜物を載置
する各カツプの間隔を離間させることで、果菜物
相互間に作業者の指が入つて、果菜物の向き修正
が容易となり、機械的整列手段で整列不可な果菜
物を容易に整列させることができ、加えて果菜物
の移載時に、この果菜物がカツプとカツプとの間
に誤載されるのを確実に防止することができる果
菜物整列装置の提供を目的とする。

(ニ) 考案の構成 この考案は、果菜物を搬送する搬送手段と、上
記搬送手段から搬送された果菜物を加振整列させ
る整列手段と、上記整列手段により整列された果
菜物と対応する列数で、かつ前後左右にそれぞれ
所定の間隔を隔てた状態で無端帯に配設した、果
菜物を受ける複数のカツプとを備え、上記無端帯
の搬送方向後段において、カツプ間の前後左右間
隔を所定の箱詰め間隔に縮少するカツプピツチ可
変手段を設けると共に、上記整列手段からカツプ
への果菜物移載位置における各カツプ間に、カツ
プ上面より高位置に突出する誤載防止突起を設け
た果菜物整列装置であることを特徴とする。

(ホ) 考案の作用 この考案によれば、上述の搬送手段から加振整
列手段に搬送されたトマト等の果菜物は、この整
列手段で加振整列しながら順次前方に移動し、果
菜物移載位置において無端帯上の各カツプに移載
する。

この果菜物移載位置においては上述の誤載防止
突起が広間隔の各カツプ間に突出し、この誤載防
止突起の突出長さはカツプ上面よりも高位置に突
出しているので、カツプ間に誤載されようとする
果菜物は上述の突起に当つて正規の位置としての
カツプ上に移載される。

また果菜物の向きを修正する位置においては各
カツプ間の間隔は上述の広間隔を保ち、かつ無端
帯の搬送方向後段においては、上述の各カツプ間
の間隔は前述のカツプピツチ可変手段により所定
の箱詰め間隔に縮少制御される。

(ヘ) 考案の効果 このため、果菜物移載位置ではトマト等の果菜
物が前後左右の各カツプ間に誤載されるのを、上
述の誤載防止突起により確実に防止して、果菜物
をカツプに移載させることができる効果がある。

また、果菜物向き修正位置における各カツプは
上述の広間隔を保持しているので、各カツプに載
置された果菜物の周囲に手や指を差し込み可能な
隙間が形成され、したがつて、人手による果菜物
の向き修正が容易にできる。

加えて、搬送方向後段の果菜物吸着位置では、
果菜物を載置した各カツプは、果菜物の向きが修
正された状態を保持して吸着可能な間隔に縮少す
るので、例えば、吸着ユニツトと、トマト等の果
菜物の吸着可能な滑面との位置が一致し、吸着ユ
ニツトによる果菜物の吸着が確実となり、円滑な
箱詰作業が行える。

(ト) 考案の実施例 この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述
する。

図面は果菜物整列装置を示し、第１図、第２図
において、果菜物整列装置１は、搬送ベルト２か
ら搬送される果菜物３を、装置前段の整列フイー
ダ４に載置し、同時に、この整列フイーダ４を、
下部に配置した振動発生装置５で振動させて、果
菜物３の吸着可能な滑面を上側に向けて整列さ
せ、次に、装置中央部に張設した果菜物搬送帯６
のカツプ７……に果菜物３を移載し、そして、果
菜物搬送帯６を駆動して果菜物３を装置後段側に
搬送し、この後、この上部に架設した吸着ユニツ
ト８で果菜物３を吸着し、次に、この吸着ユニツ
ト８を移動させて、装置後段に配置した箱９に果
菜物３を箱詰する構成である。

上述の整列フイーダ４には、第２図に示すよう
にその先端部分において若干上方へ突出する果菜
物整列用の軟質突部４ａ……を一体形成し、これ
ら各突部４ａ，４ａ間に果菜物３を整列させるこ
とで、後述する広間隔のカツプ７……位置と果菜
物３とを対応させるように構成している。

上述の振動発生装置５は、第１図に示すよう
に、整列フイーダ４の裏面に固定した各支持杆５
ａ……の端部を、モータ５ｂ及び各枢支部の偏心
した位置に枢着して、整列フイーダ４を果菜物搬
送帯６側へ若干傾斜した状態に架設している。

前述の果菜物搬送帯６は、第１図及び第２図に
示すように、合成樹脂で形成した果菜物３受け用
のカツプ７……を幅方向に６個配列し、そして、
この各カツプ７……のそれぞれの下部に、２本の
支軸１０，１０を水平方向へ平行に挿通すると共
に、この両支軸１０，１０を装置両側部に張架し
た２本のチエーン１１，１１間に架設し、さら
に、この両支軸１０，１０をチエーン１１の長さ
方向へ所定間隔で架設して、４個を一組に構成し
たカツプ７……を升目状に配列して構成してい
る。

上述の各カツプ７……は、第３図及び第４図に
も示すように、上面中央部を窪ませて果菜物受け
部７ａを形成し、下部側面に２個の挿通孔７ｂ，
７ｂを並列して形成して、これら両挿通孔７ｂ，
７ｂに、２本の支軸１０，１０を水平方向に挿通
して、支軸１０に対してカツプ７を軸線方向に摺
動可能に装着している。

また、各カツプ７……の下部底面に、支軸１０
の挿通方向と直交する方向に溝部７ｃ……を成し
ており、この各溝部７ｃ……は、後述する果菜物
搬送帯６下部の受け板１２上に立設した各ガイド
板１３……と係合している。

前述の２本のチエーン１１，１１は、第１図に
示すように、整列フイーダ４の傾斜側下部に枢支
した原動スプロケツト１４と、吸着ユニツト８の
果菜物吸着位置Ｃの下部に枢支した従動スプロケ
ツト１５との間に、カツプ７下部における支軸１
０の前後間隔を可変可能に弛ませて張架し、ま
た、チエーン１１の下部はアイドルスプロケツト
１６に張架している。

なお、上述の原動スプロケツト１４は、側部に
配置した駆動モータ１７の駆動力により果菜物搬
送帯６を搬送方向に回転する。

上述の２本のチエーン１１，１１は、第３図及
び第４図にも示すように、カツプ７……に挿通し
た支軸１０，１０の両端部に、２枚の連結板１
８，１８を個々に枢着し、同様に、この前後位置
に架設した各支軸１０，１０にも連結板１８，１
８を枢着した後、前後の連結板１８，１８の端部
にピン１９……を挿通して屈曲自在に連結し、さ
らに、各ピン１９……の外側端部にガイドローラ
２０……を可回動に枢着している。

さらに、第１図に示すように、両チエーン１
１，１１の後段側の果菜物吸着位置Ｃの上部に、
チエーン１１に枢着したガイドローラ２０……の
転動位置を、支軸１０の挿通位置よりも下部に規
制する位置にガイドレール２１を架設し、また、
チエーン１１中央部の果菜物向き修正位置Ｂの下
部および整列フイーダ４からの果菜物３の移載位
置Ａの下部には、ガイドローラ２０……の転動位
置を、支軸１０と水平となる位置に規制する位置
にガイドレール２２を架設している。

なお、この両ガイドレール２１，２２は、装置
両側部のガイド枠２３，２３に溶着している。

またチエーン１１，１１の下端部におけるスプ
ロケツト１６，１４間には上述のガイドレール２
２とほぼ上下対称構造の下部ガイドレール２２′
を設けている。

前述のガイド板１３……は、第２図にも示すよ
うに、果菜物搬送帯６の果菜物載置側の下部に架
設した受け板１２上に、果菜物搬送帯６の幅方向
に配列したカツプ７……数と対応する６枚のガイ
ド板１３……を、果菜物搬送帯６の張架方向へ始
端側から終端側に向けて徐々に幅狭に立設し、前
述の各カツプ７……の各溝部７ｃ……をこれらガ
イド板１３……の上端に摺動可能に係合してい
る。

また、各ガイド板１３……の間隔は、果菜物吸
着側の終端の間隔を、各カツプ７……が支軸１０
の中央部に集束する間隔に設定し、一方、始端部
および中間部の移載位置Ａおよび果菜物向き修正
位置Ｂの間隔を、各カツプ７……が支軸１０の軸
方向へ等間隔に離間する間隔に設定している。

前述の吸着ユニツト８は、第１図に示すよう
に、角形に形成した枠体８ａに、箱詰する果菜物
３の数量と対応する数の吸着子８ｂ……を縦横に
配列しており、この吸着子８ｂ……は、軟質の合
成ゴムで形成すると共に、負圧吸引装置等（図示
省略）による適度な吸引力で果菜物３を吸着す
る。

上述の吸着ユニツト８は、装置上部に架設した
横送りシリンダ２４により、吸着ユニツト８全体
を、果菜物搬送帯６の果菜物吸着位置Ｃと、装置
後段の箱詰位置Ｄとを水平方向に移動する。

また、吸着ユニツト８は、横送りシリンダ２４
のピストンロツドに固定した昇降シリンダ２５を
備え、果菜物吸着位置Ｃの果菜物３……を箱９に
移載する。

ところで、第１図、第４図に示すように、前述
の果菜物移載位置Ａには、前後、左右の各カツプ
７……間に、該カツプ７上面より高位置に突出す
る誤載防止突起２７……を出没可能に設けてい
る。

上述の各突起２７はチエーン１１の上帯部下域
に設けた原動プーリ２８と従動プーリ２９との間
に張架せしめたエンドレスベルト３０に突設した
もので、このエンドレスベルト３０のチエーン１
１との同期同方向駆動により前述の受け板１２に
穿設した長孔３１を介してそれぞれのカツプ７，
７間上方へ突出する。

このように構成した果菜物整列装置１の動作を
以下説明する。

第１図に示すように、装置の電源をONにし
て、装置前段の搬送ベルト２で果菜物３を搬送
し、振動発生装置５の上部に架設した整列フイー
ダ４上に果菜物３を載置する。

同時に、振動発生装置５を始動して整列フイー
ダ４を振動させて、果菜物３の吸着可能な滑面を
上側にむけた状態で、整列フイーダ４の傾斜側に
果菜物３を移動させ、第２図に示すように、整列
フイーダ４の傾斜側に配列した１列目のカツプ７
……に果菜物３を載せる。

この時、果菜物搬送帯６の前段に位置する１列
目の各カツプ７……は、第４図にも示すように、
チエーン１１に枢着したガイドローラ２０……
が、架設したガイドレール２２で支軸１０の挿通
位置と同位置に転動位置が規制されて転動するの
で、チエーン１１が伸長して前後位置に架設した
支軸１０，１０の間隔を広くしているので、前後
列のカツプ７……の搬送方向の間隔が広くなり、
同時に、底板に立設したガイド板１３……によ
り、幅方向にもカツプ７……の間隔が広くなつて
いるため、整列フイーダ４より供給される果菜物
３は、第２図にも示すように、広間隔を保持した
状態の１列目の各カツプ７……に載置される。

上述の整列フイーダ４からカツプ７に果菜物３
が移載される果菜物移載位置Ａにおいては、広間
隔の各カツプ７，７間に第４図に示す如く誤載防
止突起２７が突出しているので、カツプ７，７間
に誤載しようとする果菜物３は、この突起２７に
当つてカツプ７方向に変向され、正規の移載位置
としてのカツプ７の受け部７ａに移載され、上述
の突起２７により果菜物３の誤載を防止すること
ができる。

しかし突起２７は軟質樹脂又は上部を軟質体で
カバーしているので、果菜物３を傷めることはな
い。

なお、箱詰の初期動作時には、１列目の各カツ
プ７……に果菜物３が載置されたのをセンサ（図
示省略）が検知すると、自動的に果菜物搬送帯６
が回転して、次列の各カツプ７……に果菜物３を
順次載置し、１列目の果菜物３が後段側に達する
まで果菜物搬送帯６を回転する。

このとき、装置中央部の果菜物向修正位置Ｂで
は前述の移載位置Ａと同様にしてチエーン１１に
枢着したガイドローラ２０……が、第３図にも示
すように、架設したガイドレール２２によつて、
支軸１０と水平となる位置を保持するので、支軸
１０，１０の間隔は前述同様広間隔に保持され
て、前後列の各カツプ７……の搬送方向の間隔は
前後に離間した状態を保持し、同時に、底板に立
設した各ガイド板１３……による各カツプ７，
７，７間の幅方向への離間距離も前述同様広間隔
に保持されている。

このように、果菜物搬送帯６の果菜物向き修正
位置Ｂでも、移載位置Ａと同様に各カツプ７……
の間隔を幅方向と、搬送方向とに広間隔に保つの
で、隣接する果菜物３の間に作業ギヤツプが形成
され、果菜物３の向き修正や、不良果菜物３の交
換が容易となり、また、果菜物３が載つていない
カツプ７に、果菜物３の不足分を補うことができ
る。

次に、後段側の果菜物吸着位置Ｃでは、チエー
ン１１に枢着したガイドローラ２０……が、第３
図に示す如く側部に架設したガイドレール２１に
よつて支軸１０の下部に転動位置が規制されるた
め、チエーン１１が収縮し、同時に、底板上の各
ガイド板１３……も間隔が狭くなつているので、
各カツプ７……が幅方向に近接して、第２図に示
すように、各カツプ７……が果菜物３の向き修正
された状態を保持して吸着乃至箱詰め可能な間隔
に集束する。

そして、果菜物３を載せた１列目のカツプ７…
…が果菜物搬送帯６の果菜物吸着位置Ｃに達する
と、これをセンサ（図示省略）が検知して果菜物
搬送帯６の回転を停止する。

次に、果菜物搬送帯６の果菜物吸着位置Ｃの、
１箱分、すなわち、４列分の全カツプ７……（24
個）に果菜物３が載つているのを作業者が確認し
た後、箱詰スイツチ（図示省略）を押すと、昇降
シリンダ２５が下動して吸着ユニツト８全体を果
菜物搬送帯６の果菜物吸着位置Ｃまで降下させ
る。

そして、１箱分の果菜物３を吸着子８ｂ……で
吸着すると、昇降シリンダ２５が上動して吸着ユ
ニツト８を上昇させて定位置に停止する。

この停止と同時に、横送りシリンダ２４が作動
して吸着ユニツト８全体を箱詰位置Ｄまで移動さ
せる。

すると、昇降シリンダ２５が下動して吸着ユニ
ツト８を降下させて、吸着した果菜物３を箱９内
に収納した後、吸着子８ｂ……の負圧吸引力を解
除して、この吸着子８ｂ……から果菜物３を離す
ことで箱詰が完了する。

この後、果菜物３を収納した箱９は搬送ベルト
２６で次段に搬送され、同時に、吸着ユニツト８
は果菜物搬送帯６の果菜物吸着位置Ｃに復帰し、
再び、箱詰スイツチを押すと箱詰動作が順次繰り
返される。

このように、果菜物向き修正位置Ｂで果菜物３
の向きを揃えることで、果菜物３の箱詰作業が円
滑に行える。

以上要するに、果菜物移載位置Ａではトマト等
の果菜物３……が前後、左右の各カツプ７，７間
に誤載されるのを、上述の誤載防止突起２７……
により確実に防止して、果菜物３をカツプ７に適
確に移載させることができる効果がある。

また果菜物向き修正位置Ｂにおける各カツプ７
……は上述の広間隔を保持しているので、各カツ
プ７……に載置された果菜物３の周囲に手や指を
差し入れることが可能で、この結果、人手による
果菜物３の向き修正を容易に行なうことができる
効果がある。

加えて、果菜物吸着位置Ｃでは、果菜物３を載
置した各カツプ７……が吸着可能な狭間隔に縮少
するので、吸着ユニツト８と、果菜物の吸着可能
な滑面との位置が一致し、吸着ユニツト８による
果菜物３の吸着が確実となり、箱詰め作業の円滑
化を図ることができる効果がある。

この考案の構成と、上述の実施例との対応にお
いて、 この考案の搬送手段は、実施例の搬送ベルト２
に対応し、 以下同様に、 整列手段は、整列フイーダ４に対応し、 無端帯は、果菜物搬送体６に対応し、 カツプピツチ可変手段は、溝部７ｃ、ガイド板
１３、ガイドローラ２０およびガイドレール２
１，２２に対応するも、 この考案は、上述の実施例の構成のみに限定さ
れるものではない。

例えば、上述の実施例においては各カツプ７…
…を升目状に配列したが、この配列構造を千鳥状
としてもよいことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は果
菜物整列装置の側面図、第２図は果菜物整列装置
の平面図、第３図は果菜物搬送帯の要部側面図、
第４図は第３図の要部縦断面図である。 ２……搬送ベルト、３……果菜物、４……整列
フイーダ、６……果菜物搬送帯、７……カツプ、
７ｃ……溝部、１３……ガイド板、２０……ガイ
ドローラ、２１，２２……ガイドレール、２７…
…誤載防止突起、Ａ……果菜物移載位置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 果菜物を搬送する搬送手段と、 上記搬送手段から搬送された果菜物を加振整列
   させる整列手段と、 上記整列手段により整列された果菜物と対応す
   る列数で、かつ前後左右にそれぞれ所定の間隔を
   隔てた状態で無端帯に配設した、果菜物を受ける
   複数のカツプとを備えた果菜物整列装置であつ
   て、 上記無端帯の搬送方向後段において、カツプ間
   の前後左右間隔を所定の箱詰め間隔に縮少するカ
   ツプピツチ可変手段を設けると共に、 上記整列手段からカツプへの果菜物移載位置に
   おける各カツプ間に、カツプ上面より高位置に突
   出する誤載防止突起を設けた果菜物整列装置。