JPH051104A - 塩化ビニル系単量体の懸濁重合法 - Google Patents

塩化ビニル系単量体の懸濁重合法

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JPH051104A
JPH051104A JP3868991A JP3868991A JPH051104A JP H051104 A JPH051104 A JP H051104A JP 3868991 A JP3868991 A JP 3868991A JP 3868991 A JP3868991 A JP 3868991A JP H051104 A JPH051104 A JP H051104A
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Yasumichi Ishii
靖道 石井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、内容積40m3以上の大型重合器を用
いて6時間以内で懸濁重合を完結させるに際し、重合中
の泡立ちによる還流凝縮器への重合体の付着、閉塞、製
品フィッシュアイの増加、かさ比重の低下等の操業上や
品質上の問題がない、改良された塩化ビニル系重合体の
製造法を提供することを目的とした。 【構成】攪拌機、ジャケット及び還流凝縮器を備えた内
容積が40m3以上の重合器を用い、懸濁剤としてそれぞ
れ特定ケン化度と特定平均重合度とを有する3種の部分
ケン化ポリ酢酸ビニルを特定割合で組合せ使用して、塩
化ビニルを主体とする単量体を懸濁重合させ、6時間以
内に重合を完結させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系単量体の
懸濁重合法に関する。さらに詳しくは、還流凝縮器を備
えた大型重合器を用い、特定の懸濁剤処方を用いること
により高品質の塩化ビニル系樹脂を高生産性にて製造す
るための懸濁重合法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂は工業的には加熱・冷却
のためのジャケット、攪拌装置を備えた重合器を用い、
回分式の懸濁重合により生産される。このような回分式
重合において樹脂の生産性を向上するためには、重合器
の除熱能力を上げ、除熱能力の限界まで重合速度を大き
くして短時間に重合を完結させ、しかも重合器を大型化
して1バッチ当りの生産量を大きくすることが重要であ
る。
【0003】重合時間の短縮に関しては、重合温度に応
じた高活性の開始剤を選択し(特開昭53−73280
号)かつその添加量を多くすること、また活性の異なる
開始剤の組合せにより重合速度の均一化を図る(特開昭
56−149407号)ことにより、重合器の除熱能力
の限界まで重合速度を大きくすることが可能となる。
【0004】重合器の大型化は、内容積当りのジャケッ
ト面積を小さくして除熱能力を減少させる。このため重
合器の材質を熱伝導性の良い材質にする(特公昭58−
8405号)、ジャケットの水流の速度を上げる、ある
いはバッフルに通水しかつその流路を改善する(実開昭
58−160241号)等の工夫がなされ、ある程度の
除熱の向上は可能である。
【0005】また、内容積40m3以上の大型重合器を用
いて5時間以下の高速重合を行うために、還流凝縮器を
付加して冷却負荷を大きくすることが提案されている
(特公平1−18082号)。しかしながら還流凝縮器
を使用する場合には、特開昭61−207410号等に
記載のごとく、フィッシュ・アイ(特に、ポリエステル
系等の比較的可塑化能が小さく、粘度が高い高分子可塑
剤系を用いた場合)が多発すること、及び重合中期以降
に著しい発泡現象が生じるという、品質上、操業上の問
題点が多い。
【0006】これら操業上、品質上の問題点を解決する
ために、種々の物理的、化学的手段が提案され、それら
は懸濁剤に関するもの、原料仕込手順に関するもの、機
械的破泡に関するもの、凝縮器での除熱時期制約に関す
るもの等に分類される。
【0007】そのうち懸濁剤に関するものとして、特開
昭54−148092号には、保護コロイド性を有する
分散剤を追添加することにより重合中の水の表面張力を
常に70dyne/cm(25℃)以下に保つ方法が開示され
ている。また特開昭60−158206号には、懸濁安
定剤にケン化度の低いポリビニルアルコールと油溶性界
面活性剤または油溶性セルロースエーテルとを併用し、
かつ塩化ビニルとの接触部分を全面ジャケット冷却でき
る構造を有する還流凝縮器を用いる方法が開示されてい
る。
【0008】特開昭61−115908号には、懸濁安
定剤として平均ケン化度85モル%以上の部分ケン化ポ
リビニルアルコールを用いる方法が開示されている。ま
た、特開昭61−207410号には、HLB値が6〜
14の非イオン性界面活性剤を塩化ビニル系単量体10
0重量部に対して0.001〜0.1重量部添加する方
法が開示されている。さらに、特開平1−256504
号、特開平1−268702号には、分散剤としてケン
化度が70〜76モル%の部分ケン化ポリビニルアルコ
ールと分子量が10万以上のポリエチレンオキサイドあ
るいはポリビニルピロリドンとの併用系を用いる方法が
開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、重合器
のジャケット構造の改善や還流凝縮器の使用技術の進歩
等に伴い、重合器の重合反応熱の除去能力が大幅に向上
したことによって、工業的規模で採用されている内容積
40m3以上の大型重合器においても、除熱能力的には6
時間以内に重合を完結させる、いわゆる高速重合が可能
になった。
【0010】しかしこのような高速重合を実施すると、
フィッシュアイが多発したり、生成重合体が粗粒化する
等の問題が生じ、高品質の樹脂を製造することが一層困
難とされていた。特に還流凝縮器を使用する場合には、
重合中の泡立ちによる還流凝縮器への重合体の付着、凝
縮器の閉塞、水分散系の不安定化、製品フィッシュアイ
の増加、かさ比重の低下等の操業上、品質上の問題点が
多いことは、すでに述べた。その上重合時間が6時間以
内の高速重合においては、単量体のガス化、還流量を多
くする必要があり、そのために重合懸濁液が泡立ちやす
く、分散系が不安定となりがちで、操業上、品質上の問
題点は一層大きくなるのである。
【0011】しかるに、従来技術のいずれの方法も上記
課題を解決するのに十分ではなく、重合懸濁液の泡立ち
を完全に抑え、かつ粒度特性、かつ比重、フィッシュア
イ等の品質要求を完全に満足する塩化ビニル系樹脂を高
生産性にて製造する懸濁重合法は、技術的には未確立の
状態であった。すなわち前記の特開昭60−15820
6号の方法では大型重合器での泡立ちの防止が不十分で
あり、特開昭61−115908号の製法ではポリエス
テル可塑剤を用いた場合のフィッシュアイは極めて多
い。また特開平1−256504号、1−268702
号に示される特定の2種の懸濁剤の併用系でも、操業
上、品質上の問題の解決には充分でない。
【0012】このような事情の下において本発明は、内
容積40m3以上の大型重合器を用いて6時間以内のごと
き短時間に懸濁重合を完結させるに際し、重合中の泡立
ちによる還流凝縮器への重合体の付着、閉塞、製品フィ
ッシュアイの増加、かさ比重の低下等の操業上、品質上
の問題を起こすことがない、改良された塩化ビニル系重
合体の製造法を提供することを目的とした。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、攪拌機、ジャ
ケット及び還流凝縮器を備えた内容積が40m3以上の重
合器を用い、塩化ビニルを主体とする単量体を油溶性重
合開始剤を用いて水性媒体中で懸濁重合させ、6時間以
内に重合を完結させるに際し、懸濁剤として、 (A)ケン化度75〜85モル%、平均重合度1000
〜4000の部分ケン化ポリ酢酸ビニル; (B)ケン化度65〜75モル%、平均重合度500〜
900の部分ケン化ポリ酢酸ビニル; (C)ケン化度15〜54モル%、平均重合度100〜
1200の部分ケン化ポリ酢酸ビニル; の3種を併用し、単量体100重量部当りの(A)と
(B)の合計量が0.03〜0.15重量部で(C)の
量が0.01〜0.1重量部、かつ(A)と(B)の重
量比(A)/(B)が1〜4であることを特徴とする塩
化ビニル系単量体の懸濁重合法を提供するものである。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては内容積40m3以上の重合器が用いられるが、か
かる内容積40m3以上の大型重合器は、塩化ビニル系重
合体の大量生産に適している。こうした大型重合器にお
いて使用される攪拌機、所望により使用されるバッフル
等の攪拌装置の形状は特に限定されるものではなく、従
来から塩化ビニル系単量体の懸濁重合方法で一般的に採
用されている公知の攪拌装置を使用することができる。
すなわち攪拌翼としてはタービン翼、ファンタービン
翼、ファウドラー翼及びブルーマージン翼等、またバッ
フルとしては板型、円筒型、D型、ループ型及びフィン
ガー型等が例示される。
【0015】還流凝縮器は重合器の気相部に取り付けら
れるもので、必要とする除熱能力に対応した伝熱面積、
熱伝導度を有しておれば良く、その構造に特に制限はな
い。一般には多管式還流凝縮器が例示されるが、かかる
還流凝縮器の除熱能力は、重合発熱量に対して10〜6
0%程度とすることが好ましい。
【0016】本発明においては重合時間を、単量体等の
仕込終了後加熱・昇温により内温が所定の重合温度に達
した時間から、重合器内の圧力がその反応温度における
自然圧力でしばらく推移した後未反応単量体の減少に伴
って圧力降下を始め、その降下巾が1.5kg/cm2 にな
るまでの時間と定義する。
【0017】本発明における塩化ビニルを主体とする単
量体の内、塩化ビニルと共重合し得る単量体としては、
例えば酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル類、セチ
ルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、エチ
レン、プロピレン等のα−モノオレフィン類、アクリル
酸メチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル類等が例示されるが、これらに限定さ
れない。
【0018】本発明に用いられる油溶性重合開始剤は、
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ
−(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等
のパーオキシジカーボネート系の開始剤、3,5,5,
−トリメチルヘサキノイルパーオキサイド等のジアシル
パーオキサイド系の開始剤、α,α−アゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物系の開始剤、
及び2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシネオデ
カノエート、ターシャリプチルパーオキシネオデカノエ
ート、ターシャリヘキシルパーオキシピバレート等のパ
ーエステル系の開始剤等が例示されるが、これらの開始
剤に限定されない。
【0019】これらの開始剤は、所定の重合温度におい
て6時間以内の重合時間となるようその種類、量が選択
され、1種または2種以上組合せて用いられる。通常、
単量体100重量部当り0.01〜2重量部仕込むこと
により、6時間以内に重合を完結させることができる。
【0020】本発明において用いられる懸濁剤は、以下
の特徴を有する3種の部分ケン化ポリ酢酸ビニルであ
る。 (A)ケン化度75〜85モル%、平均重合度1000
〜4000; (B)ケン化度65〜75モル%、平均重合度500〜
900; (C)ケン化度15〜54モル%、平均重合度100〜
1200; これら(A),(B),(C)の部分ケン化ポリ酢酸ビ
ニルはいずれも単独では市販され、公知のものである。
【0021】懸濁剤(A)及び(B)は、重合中の単量
体油滴や重合体粒子を水性媒体中に安定して懸濁させ、
粒度及び粒度分布を適度に調節することによりかさ比重
が高く、しかも多孔質な内部構造を有する粒子を製造す
るためのものである。懸濁剤(A)及び(B)のケン化
度、平均重合度が前記した範囲をはずれる場合には、本
願の目的を達成することができない。
【0022】すなわち、懸濁剤(A)のケン化度が75
%未満あるいは平均重合度が1000未満の場合には、
懸濁安定性が不十分で泡立ちが起こりやすく、また得ら
れる粒子のかさ比重が小さくなり、またそのケン化度が
85%を超えあるいは平均重合度が4000を超える場
合には、フィッシュアイが急激に増加する。懸濁剤
(B)のケン化度が65モル%未満あるいは平均重合度
が500未満の場合には、懸濁安定性が不十分となり、
高品質の重合体を得ることができない。またそのケン化
度が75モル%を超える場合あるいは平均重合度が90
0を超える場合には、多孔性が損なわれ、フィッシュア
イが増加する。
【0023】そして単量体100重量部当りの(A)と
(B)の仕込量の合計は0.03〜0.15重量部で、
かつ(A)と(B)の重量比、すなわち(A)/(B)
が1〜4である。(A)と(B)との合計が0.03重
量部に満たないと、重合中の単量体油滴や重合体粒子の
懸濁安定性が損なわれて粗粒分が増加する。また0.1
5重量部を超えると、泡立ちが起こりやすくまた粒度が
細かくなり、かさ比重が小さくなる。(A)と(B)と
の合計は、好ましくは0.04〜0.12重量部であ
る。
【0024】(A)と(B)の仕込重量比が1未満では
重合中の泡立ちが起こりやすく、また得られる重合体粒
子のかさ比重が小さくなる。一方(A)と(B)の仕込
重量比が4を超えると、やはり泡立ちが起こりやすく、
得られる重合体粒子の多孔性が損なわれ、フィッシュア
イや可塑剤吸収性等の品質の低下を招く。
【0025】懸濁剤(A)及び(B)を併用することな
く、それぞれを単味で用いた場合には、泡立ちが激しく
あるいは分散安定性に乏しく、得られる重合体の粒子性
状が悪くて物性が劣ることは、公知文献に記載の通りで
ある。そして、懸濁剤(A)及び(B)を前記のごとく
特定の重量比で用いた時の泡立ち防止効果の機構は明白
ではないが、両懸濁剤が水溶液中、単量体油滴表面及び
重合進行に伴う重合体粒子表面での相互作用により、塩
化ビニル単量体の蒸発で生成する気泡の安定性を阻害
し、発泡現象を抑制しているものと推定している。
【0026】懸濁剤(C)は水に不溶性あるいは難溶性
のものであり、重合体粒子内部の1〜数μオーダーの基
本粒子の凝集を防止することにより多孔性でフィッシュ
アイが少なく、可塑剤吸収性が良好な重合体粒子を生ぜ
しめる。かかる懸濁剤(C)のケン化度、平均重合度が
前記した範囲以外の場合には懸濁安定性が低下し、泡立
ち防止効果が小さく、フィッシュアイの抑制効果が発揮
できない。
【0027】また単量体100重量部当りの(C)の仕
込量が0.01重量部未満では、フィッシュアイの抑制
効果が発揮できない。またその仕込量が0.1重量部を
超えると重合中の泡立ち防止効果が低下し、また得られ
る粒子の粒度が細かくなり、かさ比重が小さくなる。こ
のような(C)の好ましい仕込量は0.02〜0.07
重量部である。
【0028】この懸濁剤(C)が特定範囲の量存在する
場合に、とくに還流凝縮器を使用する際の重合中の泡立
ち防止に効果がある。この機構については明白ではない
が、重合体粒子内部の基本粒子の凝集を防止し多孔性を
発現する効果に関連して、塩化ビニル単量体の粒子内部
からの蒸発で生成する気泡の安定性を阻害し、発泡現象
を抑制しているものと推定している。
【0029】本発明における加熱・冷却のためのジャケ
ットとして、特開昭57−147502号に記載された
ごとく、重合器の内面に内包化した所謂内部ジャケット
を設けることにより伝熱性能を向上させた重合器を用い
ると、本発明をより有利に実施できる。すなわちより高
速重合化が可能となり、例えば5時間以内で重合を完結
することができる。また内部ジャケット方式重合器を用
いる場合には、還流凝縮器の負荷率を軽減することもで
きる。
【0030】重合温度は油溶性重合開始剤の種類に応じ
て設定されるが、通常30〜80℃である。また、水性
媒体の水の量は単量体/水の重量比で通常0.5〜1の
範囲であるが、重合中に注入を行い重合に伴う体積収縮
による液面低下を補うこともでき、その方がフィッシュ
アイの観点から好ましい。
【0031】本発明において、水、塩化ビニル系単量
体、懸濁剤、開始剤の仕込手順は、塩化ビニル系単量体
の通常の懸濁重合において用いられるいかなる方法も採
用することができる。また所望に応じて、その他の添加
剤としてメルカプトアルカノール、チオグリコール酸ア
ルキルエステル等の連鎖移動剤、高級脂肪酸のグリセリ
ンエステルまたは、ソルビタンエステル等の非イオン系
界面活性剤、PH調整剤及び重合禁止剤等を使用しても
良い。
【0032】
【発明の効果】かくして本発明によれば、前記3種の部
分ケン化ポリ酢酸ビニルの特定量を使用することにより
多孔性で空隙率が大きく、かさ比重が0.5g/cc以上
と大きく、粒度特性に優れ、フィッシュアイの少ない高
品質の塩化ビニル系樹脂を、6時間以内の短時間で高生
産性下に操業上の問題なく製造することができる。従っ
て従来の大型重合器及び還流凝縮器の使用技術では達成
困難であった課題を解決することができ、工業的見地か
ら極めて有用である。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、実施例、比較例の中の%は、特に断りの
ない限り重量基準である。なお、各実施例に示した塩化
ビニル系重合体の物性値は、以下の方法により測定し
た。
【0034】(1)平均粒径:JIS基準の金網を使用
した篩分析により、50%通過径として示した。 (2)粗粒分:上記(1)の篩分析により、42メッシ
ュの金網に残留する割合をもって示した。 (3)かさ比重:JIS K6721−1977で定め
る方法に準じて測定した。
【0035】(4)空隙率:カルロエルバ社製の水銀圧
入式ポロシメーター(1250−2型)を使用し、常圧
から120kg/cm2 Gまでの加圧の間に圧入された塩化
ビニル系重合体粒子1g当りの水銀の容積で示した。 (5)フィッシュアイ:塩化ビニル系重合体50gにポ
リエステル可塑剤(三建化工社製SP−105)25
g、ステアリン酸カルシウム1.5g及びカーボンブラ
ック0.2gを加えて混合した後、150℃の8インチ
ロールで7分間混練して厚さ0.2mmのシートに引出
し、そのシートの表面100cm3 中に観察される透明粒
子の数をもって示した。
【0036】実施例1 翼長1.7mのファウドラー型攪拌翼、外径0.22m
のパイプバッフル4本及び伝熱面積100m2の多管式還
流凝縮器を備えた内部ジャケット付きの容積45m3のス
テンレス製重合器を脱気した後、塩化ビニル単量体10
0部(16.5トン)、水130部、ケン化度が80モ
ル%で平均重合度が2500の部分ケン化ポリ酢酸ビニ
ル0.04部、ケン化度が73モル%で平均重合度が8
00の部分ケン化ポリ酢酸ビニル0.02部、ケン化度
が33モル%で平均重合度が300の部分ケン化ポリ酢
酸ビニル0.04部、2,4,4−トリメチルペンチル
パーオキシネオデカノエート0.05部を仕込んだ。
【0037】攪拌回転数を100rpm とし、内温を57
℃に昇温した後、還流凝縮器へ冷却水を通水開始して徐
々に冷却水量を増加させ、1時間目以降の凝縮器による
除熱量を300,000〜400,000Kcal/hrとな
るように調整し、ジャケットへの冷却水量で内温を57
℃に維持しつつ重合を継続した。内部の圧力が8.5kg
/cm2 Gから7kg/cm2 Gに低下した時点で未反応単量
体を回収し、内容物を取り出して脱水乾燥した。重合終
了後還流凝縮器及び導管内への泡立ちの跡はなく、重合
体の付着もみられなかった。
【0038】実施例2〜5、比較例1〜6 部分ケン化ポリ酢酸ビニルの種類、組合せ量を表1に示
した条件に変えた以外は実施例1と同一の条件で重合を
行い、重合体粒子を得た。重合条件及び還流凝縮器への
重合体の付着の有無と得られた重合体粒子の物性値を、
併せて表1に示す。
【0039】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 大川 正久 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 大内 勲 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社内 (72)発明者 若森 秀樹 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社内 (72)発明者 大和 多実男 山口県徳山市晴海町1番2号 サン・アロ ー化学株式会社内 (72)発明者 石井 靖道 岡山県倉敷市児島塩生字新浜2767の1 日 本ゼオン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 攪拌機、ジャケット及び還流凝縮器を備
    えた内容積が40m3以上の重合器を用い、塩化ビニルを
    主体とする単量体を油溶性重合開始剤を用いて水性媒体
    中で懸濁重合させ、6時間以内に重合を完結させるに際
    し、懸濁剤として、 (A)ケン化度75〜85モル%、平均重合度1000
    〜4000の部分ケン化ポリ酢酸ビニル; (B)ケン化度65〜75モル%、平均重合度500〜
    900の部分ケン化ポリ酢酸ビニル; (C)ケン化度15〜54モル%、平均重合度100〜
    1200の部分ケン化ポリ酢酸ビニル; の3種を併用し、単量体100重量部当りの(A)と
    (B)の合計量が0.03〜0.15重量部で(C)の
    量が0.01〜0.1重量部、かつ(A)と(B)の重
    量比(A)/(B)が1〜4であることを特徴とする塩
    化ビニル系単量体の懸濁重合法。
  2. 【請求項2】 ジャケットが、内部ジャケットであるこ
    とを特徴とする請求項1の塩化ビニル系単量体の懸濁重
    合法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001106707A (ja) * 1999-10-07 2001-04-17 Taiyo Vinyl Corp 塩化ビニル系重合体の製造方法

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