JPH0510978B2 - - Google Patents

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JPH0510978B2
JPH0510978B2 JP61004717A JP471786A JPH0510978B2 JP H0510978 B2 JPH0510978 B2 JP H0510978B2 JP 61004717 A JP61004717 A JP 61004717A JP 471786 A JP471786 A JP 471786A JP H0510978 B2 JPH0510978 B2 JP H0510978B2
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Shigemitsu Matsuzawa
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は白金合金電極触媒およびそれを使用し
た酸電解質燃料電池用電極に関する。 〔従来の技術〕 燃料電池は水素または炭化水素の如き燃料と酸
素の如き酸化剤とを、低電圧直流に直接変換する
電気化学的装置であり、一般に、燃料電極(アノ
ード)、酸化剤電極(カソード)、電極間の電解
質、および燃料と酸化剤流を、それぞれアノード
およびカソードへ別々に導入する為の手段などか
ら構成されている。 かかる燃料電池の作動時には、燃料はアノード
に供給され、電極触媒と接触し、電解質の存在下
で酸化されて電子を放出する。一方、酸化剤はカ
ソードに供給され、同じく電解質の存在下、電極
触媒表面で還元され、その際、アノードから外部
回路を通じて電子を消費する。 このように、燃料電池においては、アノードお
よびカソードにそれぞれ電極触媒が必要とされ
る。この電極触媒としては、周期律表第8族元素
(Fe、Ru、Os)、第9族元素(Co、Rh、Ir)お
よび第10族元素(Ni、Pd、Pt)のうち、白金族
金属と称される、白金、パラジウム、ロジウム、
ルテニウム、イリジウムおよびオスミウムよりな
る群から選択された1種もしくは2種以上を組み
合せたものが有用であることが見出され、実用に
供されている。その場合、これら金属を例えば導
電性カーボンブラツク粉末のような導電性担体に
分散担持せしめて触媒とし、さらにこの触媒を例
えばニツケルネツト、防湿性グラフアイト紙など
の支持部材に固定することにより電極を構成する
ことが一般的である。 ところで、燃料電池の出力効率は、種々の要因
によつて左右されるが、中でもカソード触媒の活
性度および寿命への依存性はとりわけ大きい。例
えば酸素/水素型リン酸燃料電池においては、カ
ソードにおける酸素還元反応の活性化分極が、ア
ノードにおける水素酸化反応の活性化分極に比べ
て桁違いに大きいことが知られている。そのた
め、上述したような白金族金属を担持するカソー
ド触媒を使用した場合、電解質と酸素の存在下電
池の作動状態で白金族金属(例えば白金)の微結
晶の凝集−粒子成長が進行し、その結果、金属の
活性表面積が著しく低減し、これが電池出力およ
び総合効率における損失を招く原因となる。 このような不都合を解消すべく、触媒の担持金
属に関して種々の研究がなされており、例えば、
白金族金属と、バナジウム、タングステン、アル
ミニウム、チタン、ケイ素、セリウム、ストロン
チウム、クロム等、主に周期律表の第2族〜第6
族の卑金属との合金(米国特許第4186110号、
4202934号、4316944号参照)、さらに、これらの
うちの白金−バナジウムあるいは白金−クロム
に、コバルトを加えた三成分金属合金(米国特許
第4447506号)、および白金族金属とガリウムとの
合金あるいは白金族金属と鉄の超格子合金(特開
昭60−7941号、特開昭60−156551号参照)などの
白金族金属の合金を担持せしめてなる触媒が提案
されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、これらの触媒は、初期活性が充
分であつても比較的短期間のうちに活性低下を来
したり、あるいは、活性の長期安定性には優れて
いるものの活性自体が充分でないなど、必ずしも
満足しうるものではなく未だ改良の余地が残され
ていた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前述した従来技術の問題点を解決
し、前記要請に応えるものとして、40〜80原子%
の白金(Pt)、10〜40原子%の鉄(Fe)および10
〜40原子%のコバルト(Co)を含有する白金−
鉄−コバルト(Pt−Fe−Co)合金が担体に分散
担持されてなることを特徴とする白金合金電極触
媒、および該触媒と該触媒を支持する導電性であ
り、しかも耐酸性の支持部材とからなることを特
徴とする酸電解質燃料電池用電極を提供するもの
である。 まず、本発明の白金合金電極触媒は、Pt−Fe
−Co三成分合金よりなる担持金属と、これを担
持する担体とから構成される。担持金属中の白
金、鉄、コバルトの組成については、鉄およびコ
バルトが原子比で約10原子%未満の場合は、これ
らの成分の添加効果が顕著に現われず、白金単独
の触媒並か、せいぜい白金−鉄または白金−コバ
ルトの二成分合金触媒程度の性能しか示さない。
また鉄またはコバルトの原子比が、40原子%を超
える場合、あるいは、残部白金の組成が40原子%
未満の場合は、白金と合金化しうる鉄あるいはコ
バルトの比率が低下し、触媒上には、三成分合金
以外の鉄および、コバルトの化学種が残留し、添
加の効果よりもむしろ触媒活性に対する阻害効果
が認められるようになる。 そして、このPt−Fe−Co合金は、30m2/g以
上、さらには、60m2/g以上の比表面積を有する
高分散状態で担持されることが好ましい。30m2
g未満では、合金単位重量当りの活性が不十分で
あり、経済的ではない。 一方、かかる合金を担持する担体材料としては
導電性炭素材料が好適であり、例えば、導電性カ
ーボンブラツク、アセチレンブラツク、グラフア
イト、タングステンカーバイドなどをあげること
ができる。具体的には、Cabot社の商品名
Vulcan XC−72R、XC−72またはColumbian
Chemicals社の商品名Conductex975として市販
されている導電性カーボンブラツク、あるいは、
Gulf Oil社の商品名Shawinigan Blackとして市
販されているアセチレンブラツクなどである。
Vulcan XC−72やConductex975等は、不活性ガ
ス雰囲気下または真空中で高温加熱処理を施すこ
とにより部分的にグラフアイト化処理を施し高温
の電解質と酸化剤が共存する条件下における電極
触媒担体としての耐蝕性を向上させることが望ま
しい。 これらの担体材料は、一般に約60〜250m2/g
の比表面積、および約0.1〜50ミクロンの粒度を
有している。 かかる本発明の白金合金電極触媒において、
Pt−Fe−Co合金の担持量は、通常、担体と合金
の総重量に対し、0.1〜30重量%、好ましくは5
〜15重量%に設定される。 担持量が30重量%を超える場合は、相対的に合
金の分散状態が悪くなつて担持金属の比表面積が
減少する結果、合金の使用量が増す割には、触媒
活性の向上がなく、担体を用いる経済上の利点も
低下する。また、逆に担持量を極端に低くして
も、合金の分散度には上限があり、これを超える
と単位触媒重量当りの活性は低下する為、多量の
触媒が必要となり、いずれにしても好ましくな
い。 本発明の白金合金電極触媒は例えば次のように
して製造される。 すなわち、まず、導電性カーボンブラツク粉末
のような粉末状の担体材料を上記合金を構成する
各成分金属の化合物を含む水溶液もしくは水系懸
濁液(スラリー)と接触させ、各金属化合物を担
体上に含浸もしくは吸着させる。ついで、適当な
還元剤の存在下で加熱処理することにより、金属
化合物を金属に還元せしめる。白金化合物として
は2価あるいは4価の塩化白金酸、塩化白金酸
塩、可溶化されたH2Pt(OH)6などの酸もしくは
塩を使用することができる。また、鉄化合物とし
ては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硝酸第一鉄、硝
酸第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄などが、コバ
ルト化合物としては、塩化コバルト、硝酸コバル
ト、硫酸コバルトなどがそれぞれあげられる。 なお、これらの金属化合物を担体に担持せしめ
るにあたり、Pt、FeおよびCoの3種の化合物の
混合溶液による3成分同時担持法を適用してもよ
いが、まず、Ptのみを担持せしめた担持白金触
媒を製造し、しかるのち、FeおよびCoを同時に、
またはFeを担持せしめたのちにCoを、あるいは
その逆にCoを担持せしめたのちにFeを担時せし
める段階的担持法を適用することが有利である。 一般に、白金が他の金属元素と合金化すると、
金属としての格子定数が変化する。格子定数の変
化は、X線回折法にて、回折ピークの位置のシフ
トにより検知される。本発明において、白金が鉄
およびコバルトと合金化すると、合金の格子定数
は、白金の面心立方格子の格子定数d=3.923Å
から、鉄の面心立方格子(鉄は常温では、体心立
方構造を示すが高温での面心立方構造の格子定数
から外挿して)の格子定数d=3.72Å、またはコ
バルトの面心立方格子の格子定数d=3.555Åへ
向けて、組成に応じてシフトする。 合金化処理に必要な温度および時間は、主に、
前記のごとく成分金属またはそれらの化合物を担
持させた触媒前駆体上の各金属または化合物の粒
子径と分散度に依存する。合金化は粒子径が小さ
いほど、高分散であるほど低温で進行し、600℃
程度でもある程度合金化が進むが、充分な合金化
には、900℃程度の温度が必要である。本発明の
組成範囲のPt−Fe−Co合金は、その望ましい合
金化度合において、およそd=3.76〜3.86Å範囲
の格子定数を有する。 ついで、かかる白金合金電極触媒を使用した本
発明の酸電解質燃料電池用電極について述べる。 この燃料電池用電極は、Pt−Fe−Co合金触媒
を防湿性グラフアイト紙やニツケルネツトなどの
導電性でかつ耐酸性の支持部材上に、耐酸性およ
び防湿性のバインダー、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリフルオロエチレンプロピレン、
トリフルオロアルコキシポリエチレン等のポリマ
ーにより支持結合してなるもので、とくに、酸電
解質燃料電池、更にはリン酸燃料電池のカソード
として有用なものである。 前記のバインダーは、触媒層を導電性支持部材
に結着させるとともに、電解質中で電極に水素や
酸素のような反応物ガスに対する透過性を与え、
気・液・固の三相界面を形成させるために必要で
ある。 本発明の電極は次のようにして製造される。 すなわち、まず、上記と同様にしてPt−Fe−
Co合金触媒を製造し、ついで、この触媒をポリ
テトラフルオロエチレン懸濁液(例えばDu Pont
社の商標TEFLONとして市販されているもの)
またはその他の耐酸性ポリマー材料よりなるバイ
ンダーと混合して均一な懸濁液とする。一方で、
同様の耐酸性ポリマー材料により予め防湿化処理
された支持部材を用意し、この上に、上記触媒−
バインダー懸濁液を濾過−吸引法またはスプレー
法などにより沈積し、空気中で焼成することによ
り製造される。 Pt−Fe−Co合金は、電極支持部材上に、触媒
的に有効な量だけ存在することが好ましく、これ
は一般に支持部材の幾何学的表面積1cm2当たり
Pt−Fe−Co合金約0.1〜2mgの範囲であり、好ま
しくは約0.2〜1mg/cm2、更に好ましくは約0.3〜
0.7mg/cm2である。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 製造例 1 110m2/gの比表面積を有する熱処理済導電性
カーボンブラツク(Cabot.Vulcan XC−72R)
81gを、氷酢酸4.0gを含有する脱イオン水1500
g中でスラリー化した。白金9.0gをH2Pt(OH)6
として、全量600gの水溶液中にアミンと共に溶
解させた。カーボンブラツクスラリーを撹拌しな
がらそれに白金溶液を添加した後、5%のギ酸水
溶液50gを還元剤として徐々に添加しながらスラ
リー温度を約95℃まで徐々に上昇させ、次いで95
℃に30分間保持した後、室温まで放冷し、濾過
し、脱イオン水で洗浄し、濾過固形物を窒素気流
中95℃で16時間乾燥させた。このようにして製造
された10重量%の白金を含有するカーボンブラツ
ク担持白金触媒(C−1*とする。)(*印は比較例
であることを示す。以下、同じ。)は120m2/gの
金属比表面積を有するものであつた。 製造例 2 担持Pt−Fe−Co合金触媒の製造(鉄−コバル
ト共沈法)製造例1の担持白金触媒(C−1*)50
gを蒸留水1000ml中に分散させてスラリーとし、
該スラリーを十分に撹拌しながら硝酸鉄()と
して0.72gの鉄と、硝酸コバルト()として
0.79gのコバルトを含有する水溶液150gを添加
した後、ヒドラジン希釈水溶液をゆつくり滴下し
ながらスラリーのPHを8.0に調節した。1時間撹
拌、保持し、鉄およびコバルトの化学種を担持白
金触媒上に吸着担持させた後、スラリーを濾過
し、固形物を窒素中95℃で乾燥した。次いで7容
量%の水素(残部窒素)ガス気流中で900℃、1
時間熱処理することにより、カーボンブラツク担
持Pt−Fe−Co合金(原子比2:1:1)触媒
(C−2)を得た。 Pt−Fe−Co三成分合金の生成は、X線回折法
にて白金単味の触媒で白金の面心立方格子定数d
=3.923Åが、Pt−Fe−Co合金の生成に伴ないd
=3.817Åへシフトすることにより確認された。
結晶粒子径は35Åであつた。また、透過電子顕微
鏡とエネルギー分散微少部分析計を組み合わせた
分析透過電顕観察により、三成分合金粒子の組成
が、白金:鉄:コバルト原子比2:1:1である
ことを確認した。 製造例 3 製造例2において、硝酸鉄()として0.72g
の鉄のみを担持させた点以外は、製造例2に従つ
て、担持Pt−Fe合金触媒(C−3*)を製造した。
X線回折により結晶粒子径33Å、格子定数d=
3.866ÅのPt3Fe超格子合金の生成を確認した。 製造例 4 製造例3の、担持Pt−Fe合金触媒を前駆体と
して、製造例2において、硝酸コバルト()と
して0.79gのコバルトのみを担持させた点以外
は、製造例2に従つてPt−Fe−Co合金触媒(C
−4)を製造した。 X線回折により結晶粒子径34Å、格子定数d=
3.827ÅのPt−Fe−Co合金の生成が確認された。 製造例 5 製造例2において硝酸鉄()と硝酸コバルト
()の仕込重量を種々変えて、Pt:Fe:Coの原
子比が4:1:1:、3:1:1:、3:2:
1、および2:1:2であるPt−Fe−Co合金触
媒(各々、C−5、C−6、C−7およびC−8
とする)を製造した。 これらの合金の格子定数はd=3.812〜3.861Å
の範囲であつた。 製造例 6 製造例2において、硝酸コバルト()として
0.79gのコバルトのみを担持させた点以外は製造
例2に従つてPt−Co合金触媒(C−9*)を製造
した。 X線回折により結晶粒子径32Å、格子定数d=
3.876ÅのPt−Co合金の生成が確認された。 製造例 7 製造例2において、硝酸鉄()と硝酸コバル
ト()の仕込み重量を種々変えてPt:Fe:Co
の原子比が9:1:1、8:4:1および1:
1:1であるPt−Fe−Co合金触媒(各々、C−
10*、C−11*、C−12*とする)を製造した。こ
れらの合金の格子定数はC−10*がd=3.883Å、
C−11*がd=3.839Å、C−12*がd=3.777Åで
あつた。 製造例 8 製造例2において硝酸クロム()として0.73
gのクロムを担持させた点以外は、製造例2に従
つてPt−Cr合金触媒(C−13*)を製造した。 X線回折により結晶粒子径35Å、格子定数d=
3.866ÅのPt−Cr合金の生成が確認された。 製造例 9 製造例2において、硝酸クロム()として
0.73gのクロムと、硝酸コバルト()として
0.79gのコバルトを担持させた点以外は製造例2
に従つて、Pt−Cr−Co合金触媒(C−14*)を製
造した。 X線回折により結晶粒子径36Å、格子定数d=
3.827ÅのPt−Cr−Co合金の生成が確認された。 実施例1〜6、比較例1〜8 (1) 電極の製造 上記した製造例1〜9により得られた触媒C
−1*〜C−14*をそれぞれ、ポリテトラフルオ
ロエチレン水系懸濁液(Dupont TEFLON
TFE−30)の中に超音波で分散させた。この
混合懸濁液に三塩化アルミニウムを添加するこ
とにより綿状の固まりを凝集析出させた。この
乾燥重量基準で50%の触媒と50%のポリテトラ
フルオロエチレンを含む綿状の固まりを、予め
ポリテトラフルオロエチレンで防湿化されたグ
ラフアイト紙の支持部材上に担持させ、プレス
した後乾燥させ、空気中350℃で15分間焼成し、
電極を得た。得られた電極(E−1*〜E−14*
とする)は電極単位面積1cm2当たり0.5mgの白
金を含むように調整された。 (2) 空気極半電池試験 105%リン酸を電解質として、200℃にて、空
気を600ml/min通じながら空気極半電池特性
をE−1*〜E−14*の各電極について測定した。 電流密度200mA/cm2における内部抵抗無し
の半電池電圧(対水素基準電極)を第1表に示
す。表から約40〜80原子%の白金と約10〜40原
子%の鉄および約10〜40原子%のコバルトを含
有する本発明の実施例であるPt−Fe−Co合金
触媒からつくられた電極E−2、E−4、E−
5、E−6、E−7およびE−8は、白金単独
の触媒からつくられた電極E−1*や、Pt−Fe
合金触媒の電極E−3*、Pt−Co合金触媒の電
極E−9*、さらには、Pt−Cr−Co三成分合金
触媒の電極E−14*に比較して、少なくとも8
mV高い電位を示し、特に、Pt:Fe:Coの原
子比2:1:1のPt−Fe−Co合金触媒の電極
E−2およびE−4は、コバルトを添加しない
Pt−Fe合金触媒の電極E−3*に比べて25〜35
mVもの高活性を示した。なお、白金に対する
コバルトのみの添加(E−9*)は活性促進にそ
れほど効果がないこと、また鉄およびコバルト
の組成が、それぞれ10原子%を切る場合(E−
10*)や、白金:鉄の原子比2:1のPt−Fe合
金にコバルトを10原子%未満と少量しか添加し
ない場合(E−11*)は、第三成分の添加の効
果がないこと、また、Pt−Fe−Co合金中の、
白金の割合が40原子%未満で、鉄およびコバル
トの割合が各々30原子%以上と多すぎる場合
(E−12*)も、かえつて活性が低下することが
確認された。
【表】
【表】 下の表においても同じ。
実施例7、比較例9、10 (単電池試験) 電極E−1*をアノードとし、電極E−1*、E−
3*、E−4をそれぞれカソードとして、実験用燃
料電池単電池を組み立て、190℃において水素お
よび空気をそれぞれアノードおよびカソードに供
給しながらリン酸を電解質として、160mA/cm2
で電流密度で運転し、200時間後の内部抵抗なし
の端子電圧を測定、比較した。結果を第2表に示
す。このようにPt−Fe−Co合金触媒は、単電池
試験でも、白金単独の触媒に比べては勿論のこ
と、Pt−Fe合金触媒に比べてもすぐれた性能を
示すことが確認された。また、各単電池試験にお
ける電流−電圧曲線から一定電圧750mVにおけ
る電流密度を比較すると、カソードE−3*の場合
120mA/cm2、カソードE−4の場合160mA/cm2
であり、これは、Pt−Fe−Co合金触媒のカソー
ドを用いる燃料電池がPt−Fe合金触媒のものに
比べて、一定効率の下で33%もの出力密度の向上
が得られることを意味する。
【表】 実施例8、9、比較例11〜15 (触媒安定度試験) 105%のリン酸160ml中に触媒(C−2)2.0g
を分散させたスラリーを空気流通下200±0.5℃
で、毎分200回転の撹拌棒で十分に撹拌、混合し
ながら5時間保持した。室温まで放冷後、純水で
希釈し濾過洗浄し、濾液への白金の溶出量を分析
した。また、乾燥後の触媒残渣の白金または合金
粒子径をX線回折法で調べた。同様の試験を触媒
C−1*、C−3*、C−4、C−9*、C−13*、C
−14*についても行なつた。結果を第3表に示す。
【表】 上記における触媒の200℃における加熱リン酸
スラリーの空気雰囲気下5時間撹拌の条件は、そ
の触媒の焼成度合に与える影響において、通常の
燃料電池作動条件での3000〜4000時間に対応する
ものと考えられる。本発明のPt−Fe−Co合金触
媒においては、白金単独の触媒に比べては勿論の
こと、Pt−Fe合金触媒や、Pt−Cr−CO合金触媒
に比べても、白金の溶出および白金(または合
金)粒子の焼結の両方が抑制されていることがわ
かる。 実施例10、11、比較例16〜19 (電極安定性試験) 電極E−1*、E−2、E−3*、E−4、E−
13*、E−14*のそれぞれを、105%リン酸100mlを
含有する加速エージングセルの中に浸漬し、雰囲
気を純窒素ガスでパージしながら、水素参照電極
に対しプラス700mVの一定電位を負荷しながら、
200℃、50時間保持した後、白金(または白金合
金)の比表面積を測定した。結果を第4表に示し
た。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明の白金
合金電極触媒は第1にそれ自身の安定性が非常に
高く、活性の高いものであるとともに、かかる触
媒を使用した電極、とくに酸電解質燃料電池のカ
ソードとしての性能が従来の白金単独の触媒また
は白金合金触媒を使用したものに比べ、長期安定
性を有することはもちろん、一定効率の下での出
力にして30%以上向上していることが確認され
た。したがつて、かかる電極を使用した電池、と
くに酸電解質燃料電池は高性能、長寿命で、極め
て経済的なものとなるためその工業的価値は高
い。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 40〜80原子%の白金、10〜40原子%の鉄およ
    び10〜40原子%のコバルトを含有する白金−鉄−
    コバルト合金が担体に分散担持されてなることを
    特徴とする白金合金電極触媒。 2 40〜80原子%の白金、10〜40原子%の鉄およ
    び10〜40原子%のコバルトを含有する白金−鉄−
    コバルト合金が担体に分散担持されてなる白金合
    金電極触媒と、該触媒を支持する導電性かつ耐酸
    性の支持部材とからなることを特徴とする酸電解
    質燃料電池用電極。
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