JPH1074523A - 燃料電池用アノード電極触媒とその製造方法、燃料電池用アノード電極及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池用アノード電極触媒とその製造方法、燃料電池用アノード電極及び燃料電池

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JPH1074523A
JPH1074523A JP8229531A JP22953196A JPH1074523A JP H1074523 A JPH1074523 A JP H1074523A JP 8229531 A JP8229531 A JP 8229531A JP 22953196 A JP22953196 A JP 22953196A JP H1074523 A JPH1074523 A JP H1074523A
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JP
Japan
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fuel cell
platinum
catalyst
alloy
anode
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JP8229531A
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English (en)
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Nobukazu Suzuki
信和 鈴木
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高活性かつ長寿命な燃料電池用アノード電極
触媒とその製造方法、高活性かつ長寿命な燃料電池用ア
ノード電極及び大出力・長寿命の燃料電池を提供する。 【解決手段】 PtまたはPt合金を導電性カーボン粉
末担体上に分散担持させた担持触媒粒子からなる燃料電
池用アノード電極触媒において、この担持触媒粒子上の
PtまたはPt合金微粒子の表面もしくは近傍に、水素
吸蔵合金を被着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高活性・長寿命の
電極触媒を提供すべく改良を施した燃料電池用アノード
電極触媒とその製造方法、ならびに前記触媒を用いた燃
料電池用アノード電極と燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、水素または炭化水素のよう
な燃料と、酸素のような酸化剤とを供給し、その酸化還
元反応によって得られる化学エネルギーを直接電気エネ
ルギーに変換する発電装置である。この燃料電池は、一
般に、燃料極(以下、アノードと称する)と酸化剤極
(以下、カソードと称する)から成る一対の多孔質電極
の間に、電解質を含浸したマトリックス層を挟持させて
なる単電池を複数個積層して構成され、前記アノード及
びカソードにそれぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスが供給さ
れるように構成されている。また、前記アノード及びカ
ソードは、通常は炭素材によって構成されており、その
一方の面には触媒層が形成され、この触媒層が前記電解
質を含浸したマトリックス層と接触するように配置され
ている。
【0003】そして、燃料電池作動時には、アノードに
供給された燃料は、電解質の存在下電極触媒上で酸化さ
れて電子を放出し、この電子が外部回路を通じてカソー
ドに供給される。一方、カソードに供給された酸化剤
は、電解質の存在下電極触媒上でアノードから供給され
る電子を消費しながら還元される。この時、外部回路を
流れる電流が一定負荷の下で電力として利用される。
【0004】以上述べたように、燃料電池においては、
電極触媒が重要な役割を演じているため、燃料電池の出
力・寿命は電極触媒の特性に大きく依存している。この
電極触媒としては、初期には貴金属と称される白金(P
t)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニ
ウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(O
s)、銀(Ag)、金(Au)から選ばれた1種または
2種以上を組み合わせたものが、金属ブラックの形で使
用されていた。しかし、これらの成分からなる触媒は金
属表面積が小さいため多量の貴金属を使用する必要があ
り、さらに電解質中で著しくシンタリングし易いため、
触媒寿命が短く経済的ではなかった。その後、貴金属成
分をカーボンブラックのような導電性の粉末担体に分散
担持させたものが用いられるようになり、貴金属の使用
量が大幅に低減し、燃料電池発電の経済性が高まった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、現在、実用
化に最も近いリン酸型燃料電池(PAFC)が発電シス
テムとして広範に普及するためには、一定レベル以上の
出力で4万時間以上の運転寿命が必要とされると共に、
適用範囲の拡大を図るために、使用する燃料ガスの多様
化が要求されている。この燃料ガスの多様化に伴い、燃
料として炭化水素系ガスを用いた場合、その燃料改質時
に発生する一酸化炭素(CO)は、アノードでの電極反
応を被毒し、アノード特性の低下、ひいては電池特性の
低下をもたらしていた。
【0006】このような一酸化炭素(CO)による影響
を除去するために、通常の燃料電池においては、COシ
フトコンバータ(CO変成器)によりCOをCO2 に転
化させることによって一酸化炭素(CO)濃度を低減し
ている。このCO変成反応は190℃より高温で行われ
るため、190℃より高温では、2〜3%のCOの混在
が許容される。
【0007】しかしながら、燃料電池スタック内の低温
領域(160℃程度)では、一酸化炭素(CO)の影響
を大きく受けるため、電池特性の低下が問題となる。ま
た、さらに低温度(60℃〜100℃)で作動する固体
高分子型燃料電池(PEFC)では、その電池特性を維
持するためには、CO濃度は100ppm以下であるこ
とが要求されるため、その影響はさらに大きい。
【0008】以上のような要求から、耐被毒性に優れた
アノード電極触媒の開発が進められている。すなわち、
まず、白金とパラジウムとの担持二元系合金触媒が見出
だされ(USP−4407906)、その後、さらに高
耐CO被毒性化をめざして改良がなされ、特開平4−1
41235号公報に示されているような、白金にニッケ
ルとコバルトを加えた担持白金三元系合金触媒、あるい
は、特開平4−141233号公報に示されているよう
な、白金−パラジウム−ルテニウムからなる担持白金三
元系合金触媒が提案されている。さらに、特開平5−2
08135号公報に示されているような、白金−ニッケ
ル−コバルト−マンガンからなる四元系合金触媒も提案
されている。
【0009】しかしながら、以上のような従来の各種の
カーボン担持合金触媒は耐被毒性には優れているもの
の、前述したような実用的な燃料電池において必要とさ
れる高活性と長寿命の要求を同時に満足させることが困
難であるという問題があった。本発明は、上述したよう
な従来技術の問題点を解決するために提案されたもの
で、その第1の目的は、大出力・長寿命の燃料電池の実
現に貢献可能な、高活性でかつ長寿命な電極触媒を提供
することにある。また、本発明の第2の目的は、そのよ
うな高活性でかつ長寿命な電極触媒の製造方法を提供す
ることにある。
【0010】さらに、本発明の第3の目的は、そのよう
な高活性でかつ長寿命な電極触媒を使用した高活性でか
つ長寿命な電極を提供することにある。
【0011】さらに、本発明の第4の目的は、高活性で
かつ長寿命な電極を使用した大出力・長寿命の燃料電池
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、白金または白金合金を導電性カーボン粉末担体上に
分散担持させた担持触媒粒子上の白金または白金合金微
粒子の表面もしくは近傍に、水素吸蔵合金が被着されて
いることを特徴とするものである。
【0013】このような構成を有する請求項1記載の発
明においては、水素吸蔵合金は、導電性カーボン粉末担
体上に分散担持されているPtまたはPt合金微粒子の
表面もしくは担持周縁に存在することにより、燃料ガス
中の水素と反応して水素化物を生成し、この水素化物中
で水素の選択的拡散及び高濃度化が生じ、PtまたはP
t合金微粒子での水素の酸化反応が促進されるため、触
媒活性が向上する。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の燃料電池用アノード電極触媒において、前記水素吸蔵
合金が、金属結合性水素化物を生成するものであること
を特徴としている。
【0015】このような構成を有する請求項2記載の発
明によれば、次のような作用・効果が得られる。すなわ
ち、これらの水素化物では、水素は原子状で取り込まれ
高密度化していると共に、金属格子中の水素の移動に対
するエネルギ障壁が小さいため、水素は金属中を容易に
拡散・移動することができ、高い触媒活性を得ることが
できる。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の燃料電池用アノード電極触媒におい
て、前記水素吸蔵合金が、周期律表の3A、4A、5A
族のいずれかに含まれる第1の遷移金属に、6A、7
A、8族のいずれかに含まれる第2の遷移金属を添加し
たものであることを特徴としている。
【0017】このような構成を有する請求項3記載の発
明によれば、次のような作用・効果が得られる。すなわ
ち、水素の吸蔵能力の大きい3A、4A、5A族に含ま
れる第1の遷移金属に、6A、7A、8族に含まれる第
2の遷移金属を添加させると、3A、4A、5A族の金
属に吸蔵された水素は、6A、7A、8族の金属に促さ
れて放出能力を備えるものとなり、水素の出入りが容易
となり、高い触媒活性を得ることができる。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の燃料電池用アノード電極触媒において、前記第1の遷
移金属が、ランタン(La)、チタン(Ti)、ジルコ
ニウム(Zr)、バナジウム(V)の少なくともいずれ
か一つであることを特徴とするものである。
【0019】このような構成を有する請求項4に記載の
発明によれば、次のような作用・効果が得られる。すな
わち、これらの遷移金属からなる金属結合性水素化物
は、水素化物を生成しやすく水素吸蔵量が大きいだけで
なく、水素化物の安定性が高いので、長期にわたり高い
触媒活性を得ることができる。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の燃料電池用アノード電極触媒において、前記第2の遷
移金属が、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄
(Fe)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)の少なく
ともいずれか一つであることを特徴とするものである。
【0021】このような構成を有する請求項5に記載の
発明によれば、次のような作用・効果が得られる。すな
わち、これらの遷移金属を添加した金属結合性水素化物
では、水素はH+の形で固溶しやすく金属中の遷移拡散
が容易となるため、水素の吸蔵・放出反応が促進され、
より高い触媒活性を得ることができる。
【0022】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード電極
触媒において、前記水素吸蔵合金が、室温から250℃
の範囲においてその金属水素化物の平衡水素圧の範囲が
0.05〜1MPaであることを特徴とするものであ
る。
【0023】このような構成を有する請求項6に記載の
発明によれば、前記の温度範囲・平衡水素圧範囲におい
て動作可能なリン酸型燃料電池、または固体高分子型燃
料電池では、これらの範囲内において、水素吸蔵合金の
機能を最大限に発揮することができる。
【0024】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請
求項6のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード電極
触媒において、前記白金合金が、白金にルテニウム(R
u)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)のいずれ
かを添加したものであることを特徴としている。
【0025】このような構成を有する請求項7に記載の
発明によれば、次のような作用・効果が得られる。すな
わち、PtにRu、Rh、Pdのいずれかを添加したP
t合金を担持した電極触媒は、高い触媒活性を有するの
で、このようなPt合金微粒子の表面もしくは近傍に水
素吸蔵合金を被着すれば、水素吸蔵合金の機能を最大限
に発揮することができる。
【0026】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請
求項7のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード電極
触媒において、前記燃料電池用アノード電極触媒の含有
金属の組成が、水素吸蔵合金が10重量%以上であり、
かつ、白金材料が20重量%以上であることを特徴とす
るものである。
【0027】このような構成を有する請求項8に記載の
発明によれば、高い触媒活性を得ることができる。
【0028】請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請
求項8のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード電極
触媒において、前記白金または白金合金微粒子は、60
m2/g以上の金属表面積を有する高分散状態で前記導
電性カーボン粉末担体上に分散担持されていることを特
徴とするものである。
【0029】このような構成を有する請求項9に記載の
発明によれば、単位重量当たりの活性を高くすることが
できる。
【0030】請求項10に記載の発明は、請求項1乃至
請求項9のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード電
極触媒において、前記白金材料の担持量が、前記導電性
カーボン粉末担体とこの白金材料の総重量に対して5〜
20重量%であることを特徴とするものである。
【0031】このような構成を有する請求項10に記載
の発明によれば、Pt(Pt合金)を効率良く活性化し
て性能を向上させることができる。
【0032】請求項11に記載の発明は、請求項1乃至
請求項10のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード
電極触媒を製造する方法であって、導電性カーボン粉末
担体上に白金と白金合金の中から選択された白金材料を
分散担持させて担持触媒粒子を形成する担持ステップ
と、前記担持ステップで形成された前記担持触媒粒子上
の白金または白金合金微粒子の表面もしくは近傍に、水
素吸蔵合金を被着する被着ステップとを含むことを特徴
とするものである。
【0033】このような構成を有する請求項11に記載
の発明によれば、水素吸蔵合金を白金または白金合金微
粒子の表面もしくは近傍に被着させることにより、高い
触媒活性を有する燃料電池用アノード電極触媒を製造す
ることができる。
【0034】請求項12に記載の発明は、請求項1乃至
請求項10のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード
電極触媒を製造する方法であって、導電性カーボン粉末
担体を高温加熱処理するステップと、前記導電性カーボ
ン粉末担体上に白金と白金合金の中から選択された白金
材料を分散担持させて担持触媒粒子を形成する担持ステ
ップと、前記担持ステップで形成されたせ前記担持触媒
粒子上の白金または白金合金微粒子の表面もしくは近傍
に、水素吸蔵合金を被着する被着ステップとを含むこと
を特徴とするものである。
【0035】このような構成を有する請求項12に記載
の発明によれば、請求項11に記載の発明と同様の効果
に加えて、リン酸型燃料電池等の腐食性の高い条件下で
の電極触媒担体としての耐蝕性を向上させることができ
る。
【0036】請求項13記載の発明は、請求項11また
は請求項12に記載の燃料電池用アノード電極触媒の製
造方法において、前記被着ステップにおいて、前記水素
吸蔵合金を被着させるための処理剤として、水素吸蔵合
金を構成する元素の塩化物の水溶液を使用することを特
徴とするものである。
【0037】このような構成を有する請求項13に記載
の発明によれば、水素吸蔵合金を容易に効率よく被着さ
せることができる。
【0038】請求項14に記載の発明は、請求項1乃至
請求項10のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード
電極触媒を用いた燃料電池用アノード電極であって、導
電性かつ耐酸性を有する支持部材上に、前記電極触媒と
撥水性結着材とからなる電極触媒層を形成したことを特
徴とするものである。
【0039】このような構成を有する請求項14に記載
の燃料電池用電極は、請求項1〜請求項10のいずれか
一つに記載の高活性・長寿命な燃料電池用アノード電極
触媒を使用しているため、高活性・長寿命であり、特
に、リン酸型燃料電池・固体高分子型燃料電池のアノー
ドとして有用である。また、撥水性結着剤によって、触
媒層を導電性支持部材に結着させると共に、触媒層中で
の水素・酸素のような反応ガスや水のような生成ガスに
対する十分なガス拡散性を与えることができる。請求項
15に記載の発明は、燃料極と酸化剤極、及びこの燃料
極と酸化剤極に対して燃料ガスと酸化剤ガスをそれぞれ
供給する手段を備え、両電極間の電解質としてリン酸を
使用してなるリン酸型燃料電池において、前記燃料極
が、請求項14に記載の燃料電池用アノード電極である
ことを特徴とするものである。
【0040】請求項16に記載の発明は、燃料極と酸化
剤極、及びこの燃料極と酸化剤極に対して燃料ガスと酸
化剤ガスをそれぞれ供給する手段を備え、両電極間の電
解質として固体高分子を使用してなる固体高分子型燃料
電池において、前記燃料極が、請求項14に記載の燃料
電池用電極であることを特徴とするものである。
【0041】以上のような構成を有する請求項15及び
請求項16に記載の発明によれば、高活性・長寿命の燃
料電池用電極を使用しているため、大出力・長寿命の実
用的な燃料電池を実現することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0043】(1)第1実施形態…燃料電池用アノード
電極触媒 本実施形態は、燃料電池用アノード電極触媒に関するも
のであり、請求項1乃至請求項10に記載された発明に
対応するものである。
【0044】すなわち、本実施形態に示す燃料電池用ア
ノード電極触媒は、PtまたはPt合金を導電性カーボ
ン粉末担体上に分散担持させた担持触媒粒子から構成さ
れ、この担持触媒粒子上のPtまたはPt合金微粒子の
表面もしくは近傍に、水素吸蔵合金が被着されているも
のである(請求項1に対応)。
【0045】以上のような構成を有する本実施形態の燃
料電池用アノード電極触媒は、以下のように作用する。
すなわち、導電性カーボン粉末担体上に分散担持されて
いるPtまたはPt合金微粒子の表面もしくは担持周縁
に被着された水素吸蔵合金は、燃料ガス中の水素と反応
して水素化物を生成し、この水素化物中で水素の選択的
拡散及び高濃度化が生じる。その結果、PtまたはPt
合金微粒子において水素の酸化反応が促進されるため、
触媒活性が向上する。特に、水素吸蔵合金がPtまたは
Pt合金微粒子の表面に存在する時には、水素の酸化反
応へのCO被毒の影響がなくなり、触媒活性向上への効
果はさらに大きい。
【0046】また、前記水素吸蔵合金は、燃料ガス中の
水素と反応して金属結合性水素化物(侵入型水素化物)
を生成するものであることが望ましい(請求項2に対
応)。その理由は、これらの水素化物では、水素は原子
状で取り込まれ高密度化していると共に、金属格子中の
水素の移動に対するエネルギー障壁が小さいため、金属
中を容易に拡散・移動することができ、その結果、高い
触媒活性を得ることができるからである。
【0047】さらに、前記金属結合性水素化物(侵入型
水素化物)を生成する水素吸蔵合金としては、周期律表
の3A、4A、5A族に含まれる第1の遷移金属に、6
A、7A、8族に含まれる第2の遷移金属を添加したも
のであることが望ましい(請求項3に対応)。その理由
は、水素の吸蔵能力の大きい3A、4A、5A族に含ま
れる第1の遷移金属に、6A、7A、8族に含まれる第
2の遷移金属を添加させると、3A、4A、5A族の金
属に吸蔵された水素は、6A、7A、8族の金属に促さ
れて放出能力を備えるものとなり、水素の出入りが容易
となるため、高い触媒活性を得ることができるからであ
る。
【0048】また、前記周期律表の3A、4A、5A族
に含まれる遷移金属としては、La、Ti、Zr、Vが
望ましい(請求項4に対応)。その理由は、これらの遷
移金属を含む水素吸蔵合金は水素化物を生成しやすく、
水素吸蔵量が大きいだけでなく、水素化物の安定性も高
いので、長期にわたって高い触媒活性を得ることができ
るからである。
【0049】一方、前記周期律表の6A、7A、8族に
含まれる遷移金属としては、Ni、Co、Fe、Mn、
Crが望ましい(請求項5に対応)。その理由は、これ
らの遷移金属を添加した水素吸蔵合金より生成される金
属結合性水素化物においては、水素はH+ の形で固溶し
やすく、金属中の遷移拡散が容易となるため、水素の吸
蔵・放出反応が促進され、より高い触媒活性を得ること
ができるからである。
【0050】また、前記水素吸蔵合金は、室温から25
0℃の範囲において、その金属水素化物の平衡水素圧の
範囲が0.05〜1MPaであるものが望ましい(請求
項6に対応)。その理由は、リン酸型燃料電池または固
体高分子型燃料電池は、室温から250℃の温度範囲及
び0.05〜1MPaの平衡水素圧範囲において動作可
能であり、これらの範囲内において、前記水素吸蔵合金
の機能を最大限に発揮することができるからである。
【0051】さらに、前記Pt合金としては、PtにR
u、Rh、Pdのいずれかを添加したものであることが
望ましい(請求項7に対応)。その理由は、PtにR
u、Rh、Pdのいずれかを添加したPt合金を担持し
た電極触媒は、高い触媒活性を有することが知られてお
り、このようなPt合金微粒子の表面もしくは近傍に水
素吸蔵合金を被着すれば、水素吸蔵合金の機能を最大限
に発揮することができるからである。
【0052】なお、燃料電池用アノード電極触媒の含有
金属の組成は、前記水素吸蔵合金が10重量%以上であ
り、かつ、Pt材料が20重量%以上であることが望ま
しい(請求項8に対応)。例えば、Pt(Pt合金)−
LaNi5 の組成において、LaNi5 が10重量%未
満の場合、その添加効果は顕著には現れない。また、P
t(Pt合金)が20重量%未満の場合、触媒活性を有
する金属表面積が不足するため、触媒活性が低下する。
従って、水素吸蔵合金を10重量%以上とし、かつ、P
t材料を20重量%以上とすることにより、高い触媒活
性を得ることができる。
【0053】次に、PtまたはPt合金微粒子の分散状
態としては、60m2 /g以上の金属表面積を有する高
分散状態で導電性カーボン粉末担体上に分散担持される
ことが望ましい(請求項9に対応)。その理由は、Pt
またはPt合金微粒子の分散状態が、30m2 /g未満
では、単位重量当たりの活性が不十分であり、経済的で
はないからである。従って、PtまたはPt合金微粒子
が30m2 /g以上、好ましくは、60m2 /g以上の
金属表面積を有する高分散状態でカーボン粉末担体上に
分散担持されることにより、単位重量当たりの活性を高
くすることができる。
【0054】また、Pt材料の担持量は、前記導電性カ
ーボン粉末担体とPt材料の総重量に対して5〜20重
量%であることが望ましい(請求項10に対応)。その
理由は、Pt(Pt合金)の担持量が30重量%を越え
ると、Pt(Pt合金)の担体上での分散度が下がり、
担持量が増す割りには性能の向上が少なく、経済上の利
点が低下するからである。一方、担持量を低くしても分
散度には限界があり、かえって単位触媒質量当たりの活
性は低下するため、多量の触媒が必要となり好ましくな
い。そのため、Pt(Pt合金)の担持量を、担体とP
t(Pt合金)の総重量に対し1〜30重量%、好まし
くは、5〜20重量%とすることにより、Pt(Pt合
金)を効率良く活性化して性能を向上させることができ
る。
【0055】(2)第2実施形態…燃料電池用アノード
電極触媒の製造方法 本実施形態は、燃料電池用アノード電極触媒の製造方法
に関するものであり、請求項11乃至請求項13に記載
された発明に対応するものである。
【0056】まず、担体材料としての導電性カーボンブ
ラックの粉末を、PtまたはPt合金を構成する各金属
成分の化合物を含む水溶液もしくはスラリーと接触さ
せ、各金属化合物またはそのイオンを担体上に吸着また
は含浸させる。ついで、スラリーを高速で攪拌しながら
適当な固定化剤、例えば、アンモニア、ヒドラジン、ギ
酸、ホルマリン等の希釈溶液をゆっくり滴下し、各金属
成分を不溶性化合物として、または一部還元された金属
微粒子として担体上に分散担持させる(担持ステッ
プ)。次に、導電性カーボン粉末担体上に分散担持され
ている担持触媒粒子上のPtまたはPt合金微粒子の表
面もしくは近傍に、水素吸蔵合金を被着させる(被着ス
テップ)。なお、この水素吸蔵合金を被着させるための
処理剤としては、水素吸蔵合金を構成する各種元素の塩
化物の水溶液が使用される。以上のようなPtまたはP
t合金、及び各種水素吸蔵合金の各金属化合物成分を含
有した触媒前駆体スラリーを、ろ過後、窒素気流中で乾
燥させる。
【0057】なお、導電性カーボン粉末担体上に分散担
持されたPtまたはPt合金微粒子の好ましい粒子径は
100オングストローム以下であり、さらに好ましくは
50オングストローム以下である。このような微粒子を
得るには、触媒前駆体上の担持金属またはその化合物の
粒子径が50オングストローム以下に、さらに望ましく
は30オングストローム以下となるように、担持ステッ
プにおけるスラリー濃度、各種水素吸蔵合金の構成金属
を含む溶液の添加速度、攪拌速度、還元金属化処理条件
などを制御する必要がある。
【0058】また、Pt化合物としては2価あるいは4
価の塩化白金酸、塩化白金酸塩等を用いることができ、
Pt合金とする場合は、合金成分としたい各金属の塩化
物、硝酸化合物などを用いることができる。
【0059】なお、上記燃料電池用アノード電極触媒の
製造方法において、導電性カーボン粉末担体を高温加熱
処理するステップを追加しても良い(請求項12)。す
なわち、電極触媒の担持材料として好適な導電性カーボ
ン粉末としては、例えば、導電性カーボンブラック、ア
セチレンブラックやグラファイト粉末などを用いること
ができる。具体的には、Cabot社の商品名Vulc
an XC−72R、XC−72、あるいはGulf−
oil社の商品名Shawinigan Blackと
して市販されているアセチレンブラックなどである。こ
こで、Vulcan XC−72R等の導電性カーボン
粉末担体は、不活性ガス雰囲気下または真空中で高温加
熱処理することにより、部分的にグラファイト化処理す
ることが望ましい。その結果、高温の酸性電解質と酸素
等の酸化剤が共存する腐食性の高い条件下での電極触媒
担体としての耐蝕性を向上させることができる。また、
このようにして高温加熱処理した担体材料は、一般に6
0〜250m2 /gのBET表面積を有する。
【0060】(3)第3実施形態…燃料電池用アノード
電極 本実施形態は、上記第1実施形態に示した電極触媒を用
いた燃料電池用アノード電極に関するものであり、請求
項14に記載された発明に対応するものである。
【0061】すなわち、本実施形態の燃料電池用電極
は、Pt(Pt合金)−水素吸蔵合金系電極触媒と、撥
水性結着剤(例えば、ポリテトラフルオロチレン、ポリ
フルオロエチレンプロピレン等のポリマーバインダ)と
を、導電性かつ耐酸性の支持部材(例えば、予め撥水処
理を施したグラファイトペーパーなど)に結着させて構
成され、特に、リン酸型燃料電池あるいは固体高分子型
燃料電池のアノードとして有用なものである。
【0062】このような燃料電池用電極は、例えば以下
のように製造される。まず、上記第2の実施形態に示し
たような方法によってPt(Pt合金)−水素吸蔵合金
系電極触媒を製造し、次に、この触媒粉末を撥水性結着
剤であるポリテトラフルオロエチレン懸濁液(例えば、
Do Pont社のTFE−30)と混合し、均一な懸
濁液とする。一方、同様な耐酸性のポリマー材料により
予め撥水処理を施したグラファイトペーパーを用意し、
この上に前記触媒と撥水性結着剤との均一混合懸濁液
を、吸引ろ過法またはスプレー法、ロールコータ法等に
より塗布・添着し、ついで不活性ガス雰囲気で焼成する
ことにより製造される。
【0063】以上のような構成を有する本実施形態の燃
料電池用電極は、高活性・長寿命な燃料電池用アノード
電極触媒を使用しているため、高活性・長寿命であり、
特に、リン酸型燃料電池・固体高分子型燃料電池のアノ
ードとして有用である。また、撥水性結着剤を用いるこ
とによって、触媒層を導電性支持部材に結着させると共
に、触媒層中での水素・酸素のような反応ガスや水のよ
うな生成ガスに対する十分なガス拡散性を与えることが
できる。
【0064】なお、本実施形態の燃料電池用電極は、前
述したように、特に、リン酸型燃料電池あるいは固体高
分子型燃料電池のアノードとして有用なものであるが、
酸性電解質燃料電池用電極としてだけでなく、ボタン電
池、ガスセンサ用電極、電解用電極等、一般のガス拡散
電極としても利用できる。
【0065】
【実施例】以下、本発明のより具体的な実施例について
説明し、その電極触媒を用いた燃料電池用電極の性能試
験の結果について説明する。
【0066】(1)燃料電池用電極触媒 (1−1)第1実施例…“Pt−TiCo(重量比7
0:30)電極触媒” 100m2 /gの比表面積を有する熱処理済み導電性カ
ーボンブラック(Cabot,Vulcan XC−7
2R)81gを、氷酢酸4.0gを含有するイオン交換
水1500ml中でスラリー化した。また、Pt9.0
gをH2 Pt(OH)6 として600mlの水溶液中に
アミンと共に溶解させた。そして、前記カーボンスラリ
ーを攪拌しながら、これに白金溶液を添加した後、5%
のギ酸水溶液50gを還元剤として徐々に添加しなが
ら、スラリー温度を約95℃まで徐々に上昇させた。つ
いで、95℃に30分間保持した後、室温まで放冷し、
ろ過後イオン交換水で洗浄したろ過ケークを、窒素気流
中において95℃16時間乾燥させた。これを、10重
量%Pt/C触媒(A1…比較例)とした。
【0067】次に、この10重量%Pt/C触媒(A
1)50gをイオン交換水1000ml中に超音波分散
させて均一スラリーとし、このスラリーを攪拌しなが
ら、これにTiCl4 とCoCl2 を既定量含みかつN
2 CO3 を含む溶液を添加した後、攪拌を続ける。そ
して、30分間攪拌した後、カーボンブラックが沈降す
るまで放置し、ろ過後、イオン交換水で洗浄したろ過ケ
ークを窒素気流中95℃で10時間乾燥させた。つい
で、水素気流中CaH2 と共に150℃で1時間加熱還
元後、室温まで放冷し、カーボン担持Pt−TiCo触
媒(A2)を得た。 (1−2)第2実施例…“Pt−X(重量比70:3
0)電極触媒” (X=TiCo0.5 Fe0.5 、TiCo0.5 Mn0.5
TiFe0.8 Ni0.150.05、LaCo5 、LaN
5 、ZrMn2 、Ti0.5 0.3 、V、Pd)上記第
1実施例における“TiCo”を上記のXに置き換え、
それ以外は第1実施例と同様にして、水素吸蔵合金Xが
それぞれTiCo0.5 Fe0.5 (A3)、TiCo0.5
Mn0.5 (A4)、TiFe0.8 Ni0.150.05(A
5)、LaCo5 (A6)、LaNi5 (A7)、Zr
Mn2 (A8)、Ti0.5 0.3(A9)、V(A1
0)、Pd(A11)であるカーボン担持Pt−X触媒
を製造した。
【0068】(1−3)第3実施例…“Pt合金−Ti
Co(重量比70:30)電極触媒” 上記第1実施例におけるPtをPt合金(Pt:Ru=
50:50…原子比)に置き換え、それ以外は第1実施
例と同様にして、カーボン担持Pt合金−TiCo触媒
(A12)を製造した。
【0069】(1−4)第4実施例…“Pt合金−X
(重量比70:30)電極触媒” (X=TiCo0.5 Fe0.5 、TiCo0.5 Mn0.5
TiFe0.8 Ni0.150.05、LaCo5 、LaN
5 、ZrMn2 、Ti0.5 0.3 、V、Pd)上記第
3実施例における“TiCo”を上記のXに置き換え、
それ以外は第3実施例と同様にして、水素吸蔵合金Xが
それぞれTiCo0.5 Fe0.5 (A13)、TiCo
0.5 Mn0.5 (A14)、TiFe0.8 Ni0.150.05
(A15)、LaCo5 (A16)、LaNi5 (A1
7)、ZrMn2 (A18)、Ti0.5 0.3 (A1
9)、V(A20)、Pd(A21)であるカーボン担
持Pt−X触媒を製造した。
【0070】(1−5)第5実施例…“Pt合金−Ti
Co電極触媒” 上記第3実施例におけるTiCl4 とCoCl2 を含む
溶液中のそれぞれの仕込み重量を変更し、それ以外は第
3実施例と同様にして、(Pt合金:TiCo)重量比
がそれぞれ(40:60)、(50:50)、(60:
40)であるカーボン担持Pt合金−TiCo触媒(そ
れぞれA22、A23、A24とする)を製造した。
【0071】(1−6)比較例…“Pt合金−TiCo
電極触媒” 上記第3実施例におけるTiCl4 とCoCl2 を含む
溶液中のそれぞれの仕込み重量を変更し、それ以外は第
3実施例と同様にして、(Pt合金:TiCo)重量比
がそれぞれ(93:7)、(15:85)であるカーボ
ン担持Pt合金−TiCo触媒(それぞれA25、A2
6とする)を製造した。すなわち、比較例A25におい
ては水素吸蔵合金が7%、比較例A26においてはPt
材料が15%とされている。
【0072】(1−7)比較例…“Pt−Ru(原子比
50:50)合金触媒” 上記第1実施例において、カーボン担持Pt触媒(A
1)にRuを塩化ルテニウムとして含む水溶液を使用し
てRuを担持させた以外は、第1実施例と同様にしてカ
ーボン担持Pt−Ru合金触媒(A27)を製造した。
すなわち、比較例A27は従来と同様Pt合金のみであ
り、水素吸蔵合金を含まないものである。 (2)燃料電池用電極の製造方法 上記の第1実施例乃至第5実施例及び比較例によって得
られた電極触媒(A1〜A27)を、それぞれポリテト
ラフルオロエチレンの水性分散液(Dupont社、T
FE−30)中に超音波で分散させた。この混合スラリ
ーに三塩化アルミニウムを添加することにより、綿状の
塊を凝集、析出させた。それぞれの触媒(A1〜A2
7)とポリテトラフルオロエチレンを乾燥重量比50:
50の割合で含む綿状の塊を、予め撥水処理したグラフ
ァイト紙の支持材上に推積させ、プレス・乾燥後、窒素
気流中350℃、15分間焼成し電極(E1〜E27)
を作製した。これらの電極は、全て電極1cm2 当たり
0.05mgの担持金属を含むように製造されている。
【0073】(3)電極の性能試験 このようにして製造された電極(E1〜E27)を、以
下のような性能試験に供したところ、表1に示すような
結果が得られた。
【0074】[リン酸型燃料電池小型セル発電試験によ
るCO被毒特性評価]上記第1実施例乃至第5実施例及
び比較例によって得られた触媒(A1〜A27)を用い
て作製された電極(E1〜E27)をアノードとし、カ
ソードと組み合わせて小型セル(電極面積30cm2
を構成した。このセルを用い、以下の運転条件(圧力1
ata、温度160℃、ガス利用率Uf=80%、Ua
=60%)にて発電試験を行った。
【0075】CO被毒特性評価は、定格運転時(i=2
00mA/cm2 )において、アノード側の反応ガスを
標準ガスから3%COを含むガスに切り替えた時のセル
電圧の低下ΔVPOIS. (mV;CO被毒による電圧損)
を測定することにより行ない、その結果を、表1に示し
た。
【0076】
【表1】 これらの表から、本発明の実施例であるカーボン担持ア
ノード電極触媒による電極E2〜E24は、Ptのみを
担持したアノード電極触媒による電極(E1)に比べ
て、CO被毒による電圧損は1/5〜1/10と小さ
く、明らかにアノードが高活性を維持していることが判
明した。また、従来から知られているPt−Ru合金触
媒による電極(E27)と比較しても、CO被毒による
電圧損は1/3〜1/6と小さくなっており、高活性で
あった。
【0077】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、大
出力・長寿命の燃料電池の実現に貢献可能な、高活性で
かつ長寿命な燃料電池用アノード電極触媒及びその製造
方法を提供することができる。また、そのような高活性
でかつ長寿命な電極触媒を使用した高活性でかつ長寿命
な燃料電池用アノード電極、ひいては大出力・長寿命の
燃料電池を提供することができる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金または白金合金を導電性カーボン粉
    末担体上に分散担持させた担持触媒粒子上の白金または
    白金合金微粒子の表面もしくは近傍に、水素吸蔵合金が
    被着されていることを特徴とする燃料電池用アノード電
    極触媒。
  2. 【請求項2】 前記水素吸蔵合金が、金属結合性水素化
    物を生成するものであることを特徴とする請求項1に記
    載の燃料電池用アノード電極触媒。
  3. 【請求項3】 前記水素吸蔵合金が、周期律表の3A、
    4A、5A族のいずれかに含まれる第1の遷移金属に、
    6A、7A、8族のいずれかに含まれる第2の遷移金属
    を添加したものであることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の燃料電池用アノード電極触媒。
  4. 【請求項4】 前記第1の遷移金属が、ランタン(L
    a)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジ
    ウム(V)の少なくともいずれか一つであることを特徴
    とする請求項3に記載の燃料電池用アノード電極触媒。
  5. 【請求項5】 前記第2の遷移金属が、ニッケル(N
    i)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マンガン(M
    n)、クロム(Cr)の少なくともいずれか一つである
    ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用アノード
    電極触媒。
  6. 【請求項6】 前記水素吸蔵合金が、室温から250℃
    の範囲においてその金属水素化物の平衡水素圧の範囲が
    0.05〜1MPaであることを特徴とする請求項1乃
    至請求項5のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード
    電極触媒。
  7. 【請求項7】 前記白金合金が、白金にルテニウム(R
    u)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)のいずれ
    かを添加したものであることを特徴とする請求項1乃至
    請求項6のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード電
    極触媒。
  8. 【請求項8】 前記燃料電池用アノード電極触媒の含有
    金属の組成が、水素吸蔵合金が10重量%以上であり、
    かつ、白金材料が20重量%以上であることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の燃料電
    池用アノード電極触媒。
  9. 【請求項9】 前記白金または白金合金微粒子は、60
    m2 /g以上の金属表面積を有する高分散状態で前記導
    電性カーボン粉末担体上に分散担持されていることを特
    徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の
    燃料電池用アノード電極触媒。
  10. 【請求項10】 前記白金材料の担持量は、前記導電性
    カーボン粉末担体とこの白金材料の総重量に対して5〜
    20重量%であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    9のいずれか一つに記載の燃料電池用アノード電極触
    媒。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
    つに記載の燃料電池用アノード電極触媒を製造する方法
    であって、 導電性カーボン粉末担体上に白金と白金合金の中から選
    択された白金材料を分散担持させて担持触媒粒子を形成
    する担持ステップと、 前記担持ステップで形成された前記担持触媒粒子上の白
    金または白金合金微粒子の表面もしくは近傍に、水素吸
    蔵合金を被着する被着ステップとを含むことを特徴とす
    る燃料電池用アノード電極触媒の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
    つに記載の燃料電池用アノード電極触媒を製造する方法
    であって、 導電性カーボン粉末担体を高温加熱処理するステップ
    と、 前記導電性カーボン粉末担体上に白金と白金合金の中か
    ら選択された白金材料を分散担持させて担持触媒粒子を
    形成する担持ステップと、 前記担持ステップで形成されたせ前記担持触媒粒子上の
    白金または白金合金微粒子の表面もしくは近傍に、水素
    吸蔵合金を被着する被着ステップとを含むことを特徴と
    する燃料電池用アノード電極触媒の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記被着ステップにおいて、前記水素
    吸蔵合金を被着させるための処理剤として、水素吸蔵合
    金を構成する元素の塩化物の水溶液を使用することを特
    徴とする請求項11または請求項12に記載の燃料電池
    用アノード電極触媒の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
    つに記載の燃料電池用アノード電極触媒を用いた燃料電
    池用アノード電極であって、導電性かつ耐酸性を有する
    支持部材上に、前記電極触媒と撥水性結着材とからなる
    電極触媒層を形成したことを特徴とする燃料電池用アノ
    ード電極。
  15. 【請求項15】 燃料極と酸化剤極、及びこの燃料極と
    酸化剤極に対して燃料ガスと酸化剤ガスをそれぞれ供給
    する手段を備え、両電極間の電解質としてリン酸を使用
    してなるリン酸型燃料電池において、 前記燃料極が、請求項14に記載の燃料電池用アノード
    電極であることを特徴とするリン酸型燃料電池。
  16. 【請求項16】 燃料極と酸化剤極、及びこの燃料極と
    酸化剤極に対して燃料ガスと酸化剤ガスをそれぞれ供給
    する手段を備え、両電極間の電解質として固体高分子を
    使用してなる固体高分子型燃料電池において、 前記燃料極が、請求項14に記載の燃料電池用電極であ
    ることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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