JPH0510455B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ≪産業上の利用分野≫ この発明は、開閉式の屋根構造に関し、特に天
候に応じて部分的に開閉できる開閉式屋根構造に
関する。

≪従来技術と問題点》 周知のように、野球場、陸上競技場などの運動
競技用の構造物には、屋根が取付けられていな
い。

これは運動競技をできるだけ自然環境下で行え
るように配慮しているのであるが、雨天や競技中
に降雨があると競技を中断あるいは中止しなけれ
ばならない。

そこで、近時全天候型の競技場が提案されてお
り、例えば空気膜構造が注目されている。

しかしながら、空気膜構造には以下の問題があ
る。

すなわち、空気膜構造は、合成樹脂などで作ら
れた膜材で屋根部分を構成し、内部に大気圧より
も若干高い加圧空気を密封するものであるが、こ
の構造では加圧空気が外部に漏出しないようにす
るため出入口構造が複雑となる。

また、内部の採光や換気が難しくなるだけでな
く、自然環境の下で競技を行なつたり、あるいは
これを観るといつた趣旨が損われてしまう。

この発明は上述した従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであつて、天候に応じて屋根部を部分的
に開閉し、晴天時には自然の採光、換気を可能に
して自然環境下で運動競技などができるととも
に、雨天時にもこれを可能とし、且つこれらの開
閉操作が容易に行なわれる開閉式屋根を提供する
ことにある。

≪問題点を解決するための手段》 上記目的を達成するため、この発明は、中心に
円形開口を有し周縁を外壁に固設した固定屋根
と、該円形開口の中心から放射状に架設された大
梁と、該大梁および該大梁と該開口との交点から
隣接する他の大梁と平行に固定屋根上に敷設され
たガイドレールと、該大梁で該開口を分割したほ
ぼ同一の扇形状の複数の可動屋根と、各可動屋根
の先端と扇形外端とに取付けられた該ガイ＝ドレ
ールに沿つて転動するローラーと、可動屋根の移
動装置とからなることを特徴とする。

≪実施例および作用》 以下、本発明の好適な実施例について添附図面
を参照にして詳細に説明する。

第１図から第３図は、本発明に係る開閉式屋根
の一実施例を示している。

同図に示す開閉式屋根は、中心部に同心円状の
開口１０を有し、周縁を立設された円筒状外壁に
固設されたリング状の固定屋根１２と、開口１０
を開閉する８枚の可動屋根１４ａ〜１４ｈとで概
略構成されている。

上記開口１０は、固定屋根１２の内周縁に固設
されたリング梁１５によつて画成され、その中心
から円周を等角度間隔に分割するようにして８本
の大梁１６，１６……が放射線状に架設され、中
心部には環状梁１８が設けられている。

開口１０の半径は、上記固定屋根１２の幅Ｗと
ほぼ同じに設定され、上記大梁１６は環状梁１８
から固定屋根１２上をその外端まで延長されてい
る。

各大梁１６上には、第２図および第３図に示す
ように、Ｈ形断面の鋼材２を段状に積み重ねた
上・下段ガイドレール２０１，２０２からなる第
１のガイドレール２０ａが敷設されている。

また、固定屋根１２上には、各大梁１６と開口
１０との交点から、周方向に隣接する他の大梁と
平行になるようにして小梁２２上に上記第１のガ
イドレール２０ａと同じ構成の第２のガイドレー
ル２０ｂが敷設されるとともに、各大梁１６の開
口１０に架設された長さの中点から第１および第
２のガイドレール２０ａ，２０ｂに平行に小梁２
２を架設し、その上面に第１および第２のガイド
レール２０ａ，２０ｂと同じ構成の第３のガイド
レール２０ｃが敷設されている。

上記可動屋根１４ａ〜１４ｈは、上記開口１０
を大梁１６で８分割した扇形とほぼ同じ平面形状
であつて、両側辺は斜め上方に折曲されていて、
各可動屋根１４ａ〜１４ｂで開口１０を閉塞した
際に隣接する可動屋根間で、側辺が相互に重な
り、構造物内に雨水の侵入を防止するようになつ
ており、各可動屋根１４ａ〜１４ｈの下面には、
その先端部および側辺の中点、円弧辺の両端およ
び円弧辺の中点に、それぞれ第１、第２、第３の
ガイドレール２０ａ，ｂ，ｃに沿つて転動するロ
ーラー２４が６カ所ずつ取付けてあつて、第２図
Ａに示す矢印方向に平行移動する。

ローラー２４とガイドレール２０ａ〜２０ｃと
の取り合いの一例を第３図に示す。

この例では、ローラー２４はガイドレール２０
ａ〜２０ｃの上段ガイドレール２０１のフランジ
を、両側から挟むようにして配設された一対ずつ
の上・下ローラー２４ａ，２４ｂの４個で構成さ
れ、上ローラー２４ａは一端が可動屋根１４ａ〜
１４ｈの骨組２６に固設され、下端が開口した箱
状のフレーム２８にスピンドル３０でもつて回転
可能に軸支され、下ローラー２４ｂはスピンドル
３０に支持された一対のプレート３２，３２にス
ピンドル３４，３４を介して回転可能に軸支され
ている。

そして、第１および第３のガイドレール２０
ａ，２０ｃに沿つて設けられるフレーム２８は、
連結軸３６と継手３８を介して相互に繋がれてい
る。

なお、第３図Ｂに示す符号４０の部材は、上記
一対のプレート３２，３２を連結するピンであ
る。

一方、各ガイドレール２０ａ〜２０ｃの下段ガ
イドレール２０２のウエブには、適宜個所に回転
シーブ４２が軸支され、回転シーブ４２にはワイ
ヤー４４が捲回されており、ワイヤー４４の一端
は各可動屋根１４〜１４ｈに係止され、その他端
は図示しないウインチの捲取ドラムに捲かれてい
る。

以上の如く構成された開閉式屋根では、第１図
に示すように、各可動屋根１４ａ〜１４ｈが固定
屋根１２上に位置した開口１０の開放状態から、
上記回転シーブ４０に捲回されたワイヤー４４
を、ウインチで所定の方向に捲取ると、ローラー
２４がガイドレール２０ａ〜２０ｃに沿つて転が
り、各可動屋根１４ａ〜１４ｈは、中心に向けて
平行移動し、開口１０を閉塞する。一方、ウイン
チを逆転させればこれとは逆に開口１０を開放で
きる。

この開放・閉塞状態は、例えば上記環状梁１８
に可動屋根１４ａ〜１４ｈが当接した際に作動す
るリミツトスイツチなどを設けておいて検出し、
ウインチによる捲取りを制御する。

各可動屋根１４ａ〜１４ｈの開閉途中において
は、それぞれの可動屋根１４ａ〜１４ｈがローラ
ー２４によつて５点で支持されつつ移動するた
め、安定した状態で容易に移動できる。

なお、上記実施例の小梁２２と、この上面に敷
設した第３のガイドレール２０ｃは必ずしも必要
とせず、第１および第２のガイドレール２０ａ，
２０ｂと、４ないし３個のローラー２４とで各可
動屋根１４ａ〜１４ｈを支持してもよい。

≪発明の効果》 以上、実施例で詳細に説明したように、本発明
に係る開閉式屋根にあつては、可動屋根を中心側
に移動して開口を閉塞することで、構造物内に雨
水の侵入や太陽光の遮断ができるため、雨天時や
炎天下での運動競技や催場の開催を可能にする。

一方、中間季や晴天時には、可動屋根を固定屋
根上に移動して開口を開放し、天空下での運動競
技などを可能にする。

また、夜間などに開口を可動屋根で塞ぐと、内
部の照明光が反射して、照明効果を高めることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の屋根の全体平面図、第２図Ａ
は第１図の要部拡大図、第２図Ｂは可動屋根の側
面図、第３図はローラーとガイドレールとの取付
状態の一例を示しており、同図Ａはその断面図、
同図Ｂは側面図である。 １０……開口、１２……固定屋根、１４ａ〜１
４ｈ……可動屋根、１６……大梁、１８……環状
梁、２０ａ，ｂ，ｃ……ガイドレール、２２……
小梁、２４……ローラー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中心に円形開口を有し周縁を外壁に固設した
   固定屋根と、該円形開口の中心から放射状に架設
   された大梁と、該大梁および該大梁と該開口との
   交点から隣接する他の大梁と平行に固定屋根上に
   敷設されたガイドレールと、該大梁で該開口を分
   割したほぼ同一扇形状の複数の可動屋根と、各可
   動屋根の先端と扇形外端とに取付けられ該ガイド
   レールに沿つて転動するローラーと、該可動屋根
   の移動装置とからなることを特徴とする開閉式屋
   根。