JPH051040B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は例えば貸おむつのような布類を洗濯後
に皺をのばして送り出す場合などに使用される展
開装置に関するものである。

（従来の技術） 前記のように布類を送り出すには、布類を１枚
ずつ処理する必要があり、布類の小皺を延ばして
所定の枚数に重ねるような作業と連繋している。
従来このような作業は殆んど人海戦術で処理され
ているが枚数の過不足があつたり、効率が向上で
きない上、作業上埃により目や喉を痛めまた腕や
手首に障害を起す問題があつた。

（技術的課題） 布類殊に積み重ねる場合には、板上に供給され
た布類を板から落す、所謂落し板方式が公知であ
つた。しかし、薄く柔軟な布類を皺を除きながら
板上へ拡げる工程は困難で不確実であり、さらに
落し板から布類を落す際に板との間に空気が入る
とか、先端が揃わないなどの問題もあり、落し板
を逃がすスペースのため落差が大きく、矯正が困
難であるといつた指摘があつた。

本発明は前記のような実情を解決するためにな
されたものでその目的は、布類を１枚ずつ拡げな
がら皺を取除くことができ、また１枚ずつ適切な
張力で送ることにより確実に展開され、また積み
重ねも乱れなく実行することができる洗濯済み布
類の展開装置を提供することにある。

（技術的手段） 前記目的は、洗濯済みの布類を送り手段に取付
け、送り経路の一側から他側へ向けて展開させる
間に、布類に作用してそれに存在する皺等の変形
を取除くための展開装置であつて、前記送り経路
の一側に配置され、送られる布類の幅方向の開口
を有し、該開口へ向う吸引流により布類を下面か
ら吸引し、布類を引張する吸引手段と、前記開口
よりも他側よりに配置され、送られる布類の概ね
幅方向にのびる接触縁を有し、該接触縁で、前記
吸引されている布類の下面に接触してしごく展延
手段とを備えた洗濯済み布類の展延装置により達
成することができる。

（実施例） 以下図面を参照して説明する。

第１図、第２図に示された処理機は、上部に布
類即ちワークＷの展開装置Ａを有し、下部に該展
開装置で展開されたワークＷを積み重ねまた搬出
するための搬出装置Ｂを有しており、下部機内に
展開装置Ａのための吸引用ブロワなどが設けられ
る。

展開装置Ａは洗濯済みのワークを一定の送り経
路に沿つて送るための送り手段１を有する。該送
り手段１は、送り経路の搬入側に設けられた一対
のスプロケツトから成る回転輪２，３と他側の一
対の同様な回転輪４，５に夫々掛回された一対の
チエンから成る回転索６，７と、両回転索６，７
の所定の箇所に夫々取付けられた、ワークＷの先
端部を取付けるためのクランプ機構８とから成
る。９は駆動側回転輪５と、モータのような駆動
源１０とを連絡した駆動索、１１は送り速度減速
用の第１センサで、送り経路の末端部手前に配置
され、１２は送り停止用第２のセンサで、末端部
後方に設けられ、夫々ワークを定位置で、停止さ
せるために設けられる。

クランプ機構８，８はワーク先端部を挾持して
固定し、挾持の解除によりワークＷを放す機能を
備えている必要があり、例示のクランプ機構８は
第４図に示すように、一方に開いた挿入口１３を
有しそれに続く挾持面１４を設けた枠部１５と、
挾持部１６を先端に有し、中間の軸１７で枠部１
５に軸支された挾持変１８とから成り、挾持片１
８はワークを放す方向へのみ回動可能であり、か
つ挾持方向へばね１９により付勢され、挾持面１
４との間でワークＷを挾持する。２０は挾持端に
軸支された挾持ロール、２１は挾持片外端に軸支
されたガイドロールで、送り経路の末端部付近に
架設されたアンクランプドツグ２２と接触する。

前記送り経路の下部搬入側には、ワークＷに対
する吸引手段２５が設けられる。吸引手段２５は
ワークの下面に接近させて設けられ、ワークＷを
幅方向に吸引するための細長い開口２６を上端に
有する吸引ダクト２７と、下部機体内に設けられ
た前述の吸引用ブロワ２８及びそれらを連絡する
連通ダクト２９を備えている。前記開口２６は概
ねスリツト状であるが、搬入側より見て中央部２
６ｃが高く、相対的に低められた左右両端部は弓
型に形成された拡大口部２６ａになつており、ワ
ーク端部に対する吸引力を増す傾向とされる。吸
引ダクト２７の開口２６を有する上部３１は送り
方向へ傾斜しており、ワークＷに過渡の抵抗を与
えないように配慮されている。開口２６の面は前
記クランプ機構８に抵触しない範囲で高い位置に
あり、それと略同高に次に述べる展延手段３０の
一対の展板３１，３２が設けられる。

展延手段３０は送り経路を幅方向に塞ぎ、また
解放するように設けられる一対の展板３１，３２
を有し、これらの展板３１，３２は円形の略４分
の１の形状に近似した略扇形に形成され、その円
弧の部分が接触縁３３，３３ａ，３３ｂとなるよ
うに、扇の要に当る部分で支軸３４，３５により
旋回可能に軸支される。故に両展板３１，３２は
突状の円弧が連なつて波状の凹入部３６を形成し
ながら送り経路の幅方向に左右から突出した突出
位置と、送り経路の外方へ後退した退避位置との
間で往復可能に装置される。３７は両展板３１，
３２を同期旋回させるコンロツドで、各板３１，
３２を取付ける支軸３４，３５に設けられたリン
クプレート３８，３９を連結している。４０は駆
動側リンクプレート３８を回動させる回動手段
で、シリンダ装置より成り、伸縮ロツド４１の先
端部と連結されている。なお、各展板３１，３２
の旋回支軸３４，３５は、展開装置Ａのケーシン
グ４２の側部で軸承されている。４３はの軸受を
示す。

搬出装置Ｂは前記送り手段１の直下を直交方向
へ通過する搬送面を有すコンベアから成る。該コ
ンベアは多数のベルト４５から成り、ワークＷを
展開装置Ａの下から移動して露出させるため側方
へ張り出した部分４５′を有する。４６は前記ベ
ルト４５の駆動ロール、４７はモータなどの回転
駆動源、４８は該駆動源４７とロール４６を連絡
した駆動索、４９は機体を示す。なお、展開装置
Ａの直下の搬送面はワークＷの積み重ね面５０と
しても利用される。

（作用） 前記の如く構成された本発明の作用を説明する
と、ワークＷは投入位置に停止しているクランプ
機構８，８に先端部で挾持固定され、他の部分は
垂れ下がつた状態で取付けられる（第６図）。

スタートボタンが押され処理機が作動を開始す
ると、ワークは送り手段１により吊り下げられた
状態で送り経路を進む。このとき、吸引手段２５
が作動しており、そのためワークＷは進行しなが
ら常に開口２６に吸引されるので、ワークＷには
常に前後方向へ引張力が作用することになる。

また吸引開口２６の左右は拡大口部２６ａとな
つているので幅方向へ引かれ傾向となる。このよ
うな引張状態のワークＷに対して、クランプ部と
吸引部間に位置する展延手段３０の展板３１，３
２が皺取り作業を行なう。即ち、閉じた展板前縁
の接触縁３３ａ，３３ｂが前記引張状態のワーク
Ｗに接触してこれをしごくように作用し、縮み傾
向にあるワークを伸し、皺を取り除く訳である。

このようにしてワークＷを保持したクランプ機
構８が送り経路の末端に近づくと第１センサ１１
がこれを検知して送り速度を低下させ、さらにア
ンクランプドツグ２２にガイドロール２１が到達
すると、教示片１８が回動し、吸引も停止するの
で、ワークＷは定位置で解放され、そのまま静か
に搬送面上へ落下する。このときクランプ機構８
のワーク解放と吸引手段２５の作動停止の時期が
一致すると、ワークＷの下に空気が入る虞れがあ
るが、積み重ね面５０がベルトから成るコンベア
の場合、ベルト間から抜けるので落下しても問題
は生じない。

（効果） 本発明は以上の如く構成されかつ作用するもの
であるから、布類を１枚ずつ拡げてのばしながら
展開するので、布類の皺を効果的に取り除くこと
ができ、また１枚ずつ適切な張力で確実に送るこ
とができるので仕上りが美しくく、的確に展開さ
れ、積み重ねる場合にも乱れなく正確に重なる
等、扱いにくい布類を理想的に展開し、送ること
ができる顕著な効果が期待される。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る展開装置の実施例を示すも
ので第１図は同装置を組込んだ処理機の側面図、
第２図は平面図、第３図は正面図、第４図はクラ
ンプ機構の説明図、第５図は吸引手段と展延手段
の平面図、第６図、第７図、第８図、第９図は本
発明の作用説明図である。 １……送り手段、８……クランプ機構、２２…
…アンクランプドツグ、２５……吸引手段、２６
……開口、３０……展延手段、３１，３２……展
板、３３，３３ａ，３３ｂ……接触縁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 洗濯済みの布類を送り手段に取付け、送り経
   路の一側から他側へ向けて展開させる間に、布類
   に作用してそれに存在する皺等の変形を取除くた
   めの展開装置であつて、前記送り経路の一側に配
   置され、送られる布類の幅方向の開口を有し、該
   開口へ向う吸引流により布類を下面から吸引し、
   布類を引張する吸引手段と、前記開口よりも他側
   よりに配置され、送られる布類の概ね幅方向にの
   びる接触縁を有し、該接触縁で、前記吸引されて
   いる布類の下面に接触してしごく展延手段とを備
   えた洗濯済み布類の展開装置。 ２ 展延手段は、一対の展板から成り、該展板は
   夫々移送経路の外部に軸支され、送り経路の内方
   へ突出して、送られる布類に接触縁が突出位置
   と、送り経路の外方へ後退して布類が落下可能な
   ように下部を開放する退避位置との間を往復可能
   に構成されたものである請求項第１項記載の洗濯
   済み布類の展開装置。 ３ 一対の展板は円形の略４分の１の形状に近似
   した略扇形を有し、扇の要に当る部分で、回転可
   能に軸支され、突出位置で、一対の円弧の接触縁
   が布類を後方へ押して接触するように構成された
   請求項第１項記載の洗濯済み布類の展開装置。