JPH0510370B2 - - Google Patents

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JPH0510370B2
JPH0510370B2 JP25719584A JP25719584A JPH0510370B2 JP H0510370 B2 JPH0510370 B2 JP H0510370B2 JP 25719584 A JP25719584 A JP 25719584A JP 25719584 A JP25719584 A JP 25719584A JP H0510370 B2 JPH0510370 B2 JP H0510370B2
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polyarylate
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Tetsuo Matsumoto
Bunpei Imura
Nobuhiro Matsunaga
Eiji Ichihashi
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Nippon Ester Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性に優れたポリアリレートの製
造方法に関するものであり、さらに詳しくは芳香
族ジオールと芳香族ジカルボン酸とから得られる
耐熱性に優れたポリアリレートを経済的かつ操業
性よく製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 従来より、耐熱性高分子として全芳香族ポリア
リレートが知られている。たとえば、4−ヒドロ
キシ安息香酸ホモポリマーや同コポリマー(住友
化学の商品名エコノール)、あるいは2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフエニル)−プロパン(ビス
フエノールA:以下BAと略称する。)とテレフ
タル酸(以下TPAと略称する。)及びイソフタル
酸(以下IPAと略称する。)とからなるポリマー
(たとえばユニチカの商品名Uポリマー)がかつ
て提案され、現在では市販もされている。
特に、後者のポリアリレートについては文献に
も多くの製造方法が記載されており、それらは本
質的に三つの方法に大別される。即ち、(1)芳香族
ジオールをアルカリ金属塩としたものと芳香族ジ
カルボン酸ジハライドとをそれぞれ溶液として
液・液接触させ、溶液中もしくは両相の界面で反
応させる酸ハライド法、(2)芳香族ジオール成分を
ジエステル誘導体とした後、芳香族ジカルボン酸
と反応させるジアセテート法、(3)芳香族ジオール
と芳香族ジカルボン酸のジアリールエステルとを
反応させる方法である。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前記(1)の方法においては必然的
に高価な溶媒を使用するため経済的でないばかり
か、生成物の分離、精製のための工程が必要にな
るなどの欠点がある。
一方、前記(2)、(3)の方法を採用すると、ポリア
リレートの重合度の増大につれて溶融粘度が急上
昇するため、まずプレポリマーを製造し、次い
で、そのプレポリマーを粉砕微粉化した後固相重
合するという方法が採用されていた〔例えば(2)の
方法に対して、米国特許第3684766号明細書、米
国特許第3780148号明細書等〕。かかる方法におい
ては、プレポリマーを結晶化剤と接触させ、ポリ
マーを結晶化させる必要があり、工程が煩雑にな
るという欠点があつた。また、プレポリマーをそ
の融点以下に加熱して固相重合させたのでは、場
合によつてはポリアリレートプレポリマーが固着
し、作業性が極度に悪化するのみならず、反応速
度が著しく低下して実用的な速度で高重合度のポ
リアリレートを得ることはできないという欠点が
あつた。
特開昭57−2331号公報には、この結晶化の工程
を省略するため次のような提案がなされている。
即ち、まず第一段階であるプレポリマーの製造に
おいて、ジフエニルエーテルなどの溶剤を共存さ
せる製造方法が開示されているが、かかる方法に
おいては結晶化の工程を省略することはできて
も、ポリマー本来の良好な物理的特性を損うおそ
れがある。
このように、芳香族ジオールを芳香族ジカルボ
ン酸から得られるポリアリレートは優れた性質を
有しているにも拘わらず、ポリアリレートを経済
的にかつ操業性良く製造する方法は工業的に十分
完成されたものとはいえなかつたのである。
(問題点を解決するための手段、発明の構成) 本発明の主たる目的はプラズマ溶射被覆や、高
温で使用する成形品に特に適する耐熱性ポリアリ
レートを提供することにあり、高温での流れの抵
抗性や、耐クリープ性に優れ、高温耐摩耗性、耐
熱性が良い耐熱性ポリアリレートを経済的かつ操
業性良く製造する方法を提供するものである。
本発明者らは、かかる目的を達成するため耐熱
性ポリアリレートの製造方法について鋭意研究を
重ねた結果、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン
酸および脂肪族カルボン酸の酸無水物を原料と
し、スクリユー型混練ニーダを用いて、特定の混
練条件で反応させることが極めて優れた製造方法
であることを知見し本発明に到達した。
本発明は、次の構成を有する。すなわち、下記
一般式()および/または()で示される芳
香族ジオールの少なくとも一種と、芳香族ジカル
ボン酸の少なくとも一種および炭素数2〜8の脂
肪族カルボン酸の酸無水物を原料とし、スクリユ
ー型混練ニーダを用いて、式()で示す条件で
混練しながら溶融重合させ、平均重合度40以上の
ポリアリレートを生成させることを特徴とするポ
リアリレートの製造方法であり、特に好ましくは
下記一般式()または()で示される芳香族
ジオールが下記式()、()または()で表
される化合物であり、一方、芳香族ジカルボン酸
がIPAであり、また無水脂肪族カルボン酸が無水
酢酸であるポリアリレートの製造方法を要旨とす
るものである。
(式中、R1、R2は炭素原子1〜20個を有するア
ルキル基、炭素原子6〜20個を有するアリール
基、およびハロゲン原子から選ばれた同種または
異種の基を表し、n1、n2はそれぞれ0〜4であ
る。R3は炭素原子1〜8個を有するアルキレン
基、炭素原子2〜8個を有するアルキリデン基、
炭素原子6〜8個を有するアリーレン基、炭素原
子9個以下のシクロアルキレン基、炭素原子9個
以下のシクロアルキリデン基、O、S、SO、
SO2およびCOから選ばれた基を表し、n3は0ま
たは1である。) (式中、R4、R5、R6は炭素原子1〜8個を有す
る低級アルキル基およびハロゲン原子から選ばれ
た同種または異種の基を表し、n4、n5はそれぞれ
0〜4の整数であり、n6は0〜3の整数である。) P/V≧0.1 () (式中、Pはスクリユー型混練ニーダの正味の撹
拌所要動力(K.W.)を、Vはポリマーの重量
(Kg)を示す。) なお、本発明における混練ニーダの正味の撹拌
所要動力とは、混練ニーダに反応物が投入されて
いる反応中の状態での撹拌所要動力から、反応物
が投入されていない空運転状態での撹拌所要動力
を差し引いた、反応物のみの負荷による撹拌所要
動力をいう。
また、ポリマー重量は、混練ニーダ中で反応に
より生成したポリマー全体の重量をいう。
本発明により製造する耐熱性ポリアリレートの
平均重合度(Pn)は40以上であることが必要で
あり、好ましくは40〜300、とくに好ましくは50
〜200、最適には65〜150である。Pnが40より小
さいと前記した耐熱性をはじめとする各種の物理
的、機械的、化学的特性値が劣る。一方、Pnが
300より大きくなると溶融粘度が高くなり流動性
が損われ、溶融重合がしにくくなつたり成形温度
が高くなつたりするので好ましくない。
本発明の耐熱性ポリアリレートの製造法として
は、スクリユー型の、好ましくは二軸混練ニーダ
にまず第一段階として芳香族ジオールと芳香族ジ
カルボン酸と無水脂肪族カルボン酸とを原料とし
て仕込み、加熱下、常圧ないしは微減圧下に反応
させてプレポリマーを生成させる。この時、予め
芳香族ジオールと無水脂肪族カルボン酸とを反応
させてから芳香族ジカルボン酸と反応させてもよ
いが、三者を共存させて直接反応させた方が工程
を短縮する上で好適である。
本発明に用いられる芳香族ジカルボン酸の例と
しては、TPA、IPA、4,4′−ジカルボキシビフ
エニル、ビス(4−カルボキシフエニル)メタ
ン、2,2′−ビス(2−カルボキシフエニル)プ
ロパン、ビス(4−カルボキシフエニル)スルホ
ン、ビス(2−カルボキシフエニル)エーテル、
ナフタル酸等が挙げられ、取り分けIPAが特に好
適に用いられる。必要に応じ、前記芳香族ジカル
ボン酸の混合物を用いてもよい。
一方、本発明に用いられる芳香族ジオールの例
としては、前記一般式()または()で示す
化合物が挙げられ、具体的には前記式()、
()、()で示されるBA、4,4′−(ジヒドロ
キシフエニル)−スルホン(ビスフエノールS:
以下BSと略称する。)9,10−ジヒドロ−9−オ
キサ−10−(2,5−ジヒドロキシフエニル)−ホ
スフアフエナントレン−10−オキシド(以下
HCA/HQと略称する。)が特に好適に用いられ
るが、その他ビス−(2−ヒドロキシフエニル)−
メタン、ビス−(4−ヒドロキシフエニル)−メタ
ン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル
−3−メトキシフエニル)−メタン、1,1−ビ
ス−(4−ヒドロキシフエニル)−エタン、1,1
−ビス−(4−ヒドロキシ−2−クロロフエニル)
−エタン、1,3−ビス−(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフエニル)−プロパン、2,2−ビス−
(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフエニル)−
プロパン、4,4′−(ジヒドロキシフエニル)エ
ーテル、2,2′−ビス−(4−ヒドロキシフエニ
ル)−ペンタン、3,3′−ビス−(4−ヒドロキシ
フエニル)−ペンタン、2,2′−ビス−(4−ヒド
ロキシフエニル)−ヘプタン、4,4′−(ジヒドロ
キシフエニル)−スルフイド、4,4′−(ジヒドロ
キシフエニル)−スルホキシド、4,4′−(ジヒド
ロキシベンゾフエノン)、ヒドロキノン等も用い
ることができる。
本発明に用いられる脂肪族カルボン酸の酸無水
物は、炭素数2〜8個の脂肪族カルボン酸の酸無
水物であり、たとえば無水酢酸、無水クロル酢
酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無
水ブロム酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン
酸、無水コハク酸、無水β−ブロムプロピオン
酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪
酸、無水プロピル酢酸等が挙げられるが、特に無
水酢酸が好ましい。炭素原子数が8個を越える
と、無水脂肪族カルボン酸の沸点が高くなりす
ぎ、後工程の重縮合工程における反応速度が低下
し好ましくない。
本発明に用いられるHCA/HQは、下記式
()で示される9,10−ジヒドロ−9−オキサ
−10−ホスフアフエナントレン−10−オキシドと
ベンゾキノンをエチルセロソルブなどの適当な溶
媒中で反応させることにより製造できる。
本発明において、ポリアリレートプレポリマー
を製造するに際し、芳香族ジオールと芳香族ジカ
ルボン酸と無水脂肪族カルボン酸との仕込時のモ
ル比は、好ましくは1:0.8:1〜1:1.2:10、
とくに好ましくは1:0.9:2〜1:1.1:4、最
適には1:1:2である。
また、本発明においては、エステル化反応、エ
ステル交換反応、重縮合反応が関与する。かかる
各反応を促進するためには通常触媒が用いられる
が、たとえば各種金属化合物、あるいは有機スル
ホン酸化合物の中から選ばれた1種以上の化合物
を用いるのが好適である。かかる金属化合物とし
ては、アンチモン、チタン、ゲルマニウム、ス
ズ、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシ
ウム、マンガン及びコバルトなどの化合物が用い
られ、一方、有機スルホン酸化合物としては、ス
ルホサリチル酸、o−スルホ安息香酸無水物(以
下OSBと略称する。)などの化合物が用いられる
が、ジメチルスズマレート(以下CSと略称す
る。)が特に好適に用いられる。前記触媒の添加
量としては、ポリアリレートの構成単位1モルに
対し、好ましくは0.1×10-4〜100×10-4モル、特
に好ましくは0.5×10-4〜50×10-4モル、最適に
は1×10-4〜10×10-4モル用いられる。
本発明における耐熱性ポリアリレートの製造の
第二段階としては、上記第一段階で得られたプレ
ポリマーを通常、高減圧下あるいは窒素等の不活
性雰囲気下に溶融重合させるのであるが、本発明
にいう特定の混練条件で反応させないと、前記し
たように短時間に、経済的かつ操業性良く高品質
のポリアリレートを製造することができない。本
発明は、溶融重合により平均重合度が40以上のポ
リアリレートを製造するものである。
一般に、ポリエチレンテレフタレートやポリブ
チレンテレフタレートのような汎用ポリエステル
では、通常の重合度レベルのポリマーは溶融粘度
が急上昇しないので、P/V値は高々0.1未満で
十分である。
ところが、ポリアリレートは、重合度の増大に
つれて溶融粘度が急上昇するため、生成ポリマー
量に対する正味の撹拌所要動力を大きくする必要
がある。
このため、混練条件は、前記式()を満足さ
せることが必要である。P/V値が0.1に満たな
いと撹拌所要動力が不足して、実用上必要なポリ
アリレートの平均重合度を40以上に上昇させるの
に通常数十時間以上を要するため、経済的ではな
い。
次に本発明の方法を工程順に更に詳細に説明す
る。
ポリアリレート製造の第一段階においては、通
常、常圧下、前記した無水脂肪族カルボン酸の沸
点以下の温度、好ましくは100〜160℃で1〜8時
間、とくに好ましくは120〜160℃で2〜6時間、
最適には140〜160℃で2〜5時間反応させ、次い
で通常、減圧下(10〜500torr)、最終的に好まし
くは150〜300℃で1〜8時間、とくに好ましくは
200〜280℃で2〜6時間、最適には260〜280℃で
2〜5時間反応させる。このようにして反応させ
ると、ポリアリレート製造の第一段階において
は、平均重合度20程度のポリアリレートプレポリ
マーが得られる。この場合、もしポリアリレート
プレポリマーが反応中に粒状となつて固体で析出
してしまつても本発明の混練条件で反応を操作す
る限り、特に問題はない。
次いでポリアリレート製造の第二段階において
は、得たポリアリレートプレポリマーを溶融状態
のまま徐々に、適当なスケジユール、たとえば昇
温速度20℃/時で順次昇温して、前記式()の
混練条件で生成するポリアリレートの融点以上に
加熱し、4〜15時間程度溶融重合させることによ
つて、Pnが40以上のポリアリレートを製造する
ことができる。
(実施例) 以下、実施例をあげて本発明をさらに詳しく説
明する。なお、例中ポリマーの平均重合度は、ゲ
ルパーミユエーシヨンクロマトグラフイー(東洋
曹達社製HLC801A型)を用い、ヘキサフルオロ
イソプロパノールを2.5mol%含有するクロロホ
ルムを溶媒として39℃の温度で測定した数平均分
子量を繰り返し単位の分子量で割ることにより求
めた。また、ガラス転移点温度および融点は、差
動熱量計(パーキンエルマー社製DSC−2型)
を用い、昇温速度20℃/分で測定した。一方、本
発明によるポリアリレートは、赤外線吸収スペク
トル、NMRスペクトル、ガラス転移点温度およ
び元素分析により同定した。
実施例 1 スクリユー型二軸混練ニーダ(トーシン社製
TKVI−5型減圧式ニーダ)反応装置にBAと無
水酢酸をモル比で1:2およびBAと等モルの
IPAを仕込み、触媒としてCSをポリアリレート
の構成単位1モルに対し、1×10-4モルを加え、
窒素雰囲気下常圧150℃で2時間混合しながら反
応させた。この反応物をさらに常圧下250℃で2
時間、さらに100torrとして、270℃で2.5時間反
応させた。この反応物は、平均重合度21であつ
た。
この反応物をさらに0.1torrの減圧下270℃より
昇温を始め、順次昇温して反応を行い、最終的に
335℃まで温度を上げて、合計8時間溶融重縮合
した。このときP/Vの値は0.6K.W./Kgであつ
た。
得られたポリアリレートは、平均重合度84、融
点323℃で色調、透明性に優れた結晶質ポリマー
であつた。また、このポリアリレートを赤外線吸
収スペクトル、NMRスペクトルおよび元素分析
により分析したところ、次に示すような結果が得
られ、下記の構造の繰り返し単位を有するポリア
リレートであることを確認した。
即ち、赤外線吸収スペクトルにおいては1775κ
に芳香族カルボン酸エステルのC=Oに基づく吸
収が、727κ、774κにパラ置換芳香族の吸収が見ら
れた。また、NMRスペクトルでは、原料の酢酸
エステルに基づくメチル基の水素原子の吸収
(1.5ppmと2.3ppm)は見られなかつた。元素分
析の結果では、C=77.18%(理論値77.08%)、
H=5.02%(理論値5.06%)という結果が得られ
た。
実施例 2 実施例1で用いたスクリユー型二軸混練ニーダ
反応装置にBSと無水酢酸をモル比で1:2およ
びBSと等モルのIPAを仕込み、触媒としてCSを
ポリアリレートの構成単位1モルに対し、1×
10-4モルを加え、窒素雰囲気下常圧150℃で2時
間混合しながら反応させた。この反応物をさらに
常圧下250℃で2時間、さらに100torrとして275
℃で2.5時間反応させた。この反応物は平均重合
度17であつた。
この反応物をさらに0.1torrの減圧下275℃より
昇温をはじめ、順次昇温して反応を行い、最終的
に320℃まで温度を上げて、合計7時間溶融重縮
合した。この時、P/Vの値は0.4kw/Kgであつ
た。
得られたポリアリレートは、平均重合度46、融
点301℃で色調、透明性に優れた結晶質ポリマー
であつた。また、このポリアリレートを赤外線吸
収スペクトル、NMRスペクトルおよび元素分析
により分析したところ、次に示すような結果が得
られ、下記の構造の繰り返し単位を有するポリア
リレートであることを確認した。
即ち、赤外線吸収スペクトルにおいては1781κ
に芳香族カルボン酸エステルのC=Oに基づく吸
収が、744κ、780κにパラ置換芳香族の吸収が見ら
れた。また、NMRスペクトルでは、原料の酢酸
エステルに基づくメチル基の水素原子の吸収
(1.5ppmと2.3ppm)は見られなかつた。元素分
析の結果ではC=61.65%(理論値63.15%)、H
=3.32%(理論値3.18%)、S=8.19%(理論値
8.43%)という結果が得られた。
実施例 3 前記式()で示されるホスフイン酸を、エチ
ルセロソルブ溶媒中で90℃の温度でp−ベンゾキ
ノンと反応させることにより前記式()で示さ
れるHCA/HQを製造した。実施例1で用いた
スクリユー型二軸混練ニーダ反応装置に得られた
HCA/HQと無水酢酸をモル比で1:2で仕込
み、触媒としてOSBをポリアリレートの構成単
位1モルに対し、3×10-4モルを加え窒素雰囲気
下常圧150℃で2時間混合しながら反応させ、
HCA/HQのジアセテートを合成した。
この反応物とIPAをさらに常圧下270℃で2時
間反応を行い、さらに、100torr、270℃で2.5時
間反応させた。この反応物は、平均重合度11であ
つた。
この反応物をさらに0.1torrの減圧下270℃より
昇温を始め、順次昇温して反応を行い、最終的に
350℃まで温度を上げて、合計12時間溶融重縮合
した。このとき、P/Vの値は1.2kw/Kgであつ
た。得られたポリアリレートは、平均重合度69、
ガラス転移点温度219℃で色調、透明性に優れた
非晶質ポリマーであつた。
また、このポリアリレートを赤外線吸収スペク
トル、NMRスペクトルおよび元素分析により分
析したところ、次に示すような結果が得られ、下
記構造の繰り返し単位を有するポリアリレートで
あることを確認した。
即ち、赤外線吸収スペクトルにおいては1783κ
に芳香族カルボン酸エステルのC=Oに基づく吸
収が、735κ、781κにパラ置換芳香族の吸収が、
891κに非対称3置換芳香族の吸収が見られた。ま
た、NMRスペクトルでは、原料の酢酸エステル
に基づくメチル基の水素原子の吸収(1.5ppmと
2.3ppm)は見られなかつた。元素分析の結果で
は、C=69.01%(理論値68.70%)、H=3.26%
(理論値3.33%)、P=6.55%(理論値6.82%)と
いう結果が得られた。
(発明の効果) 本発明によれば、(1)溶媒を用いないので、プレ
ポリマーやポリマーの分離、生成の必要がない。
(2)高価な溶媒を用いないので、経済的にポリアリ
レートを製造できる。(3)ポリアリレートプレポリ
マーを終始溶融状態で処理するので処理が簡単で
あり、極めて操業性が良い。(4)溶融重合法である
ので、固相重合法に比べ安価にかつ短時間で必要
な重合度のポリアリレートを製造できる。など、
耐熱性高分子として優れた物性を有するポリアリ
レートを経済的かつ操業性良く得ることができる
のである。また、本発明によつて得られるポリア
リレートは特に耐熱性を要求される用途に使用さ
れるフイルム、繊維、成形品用素材として有用で
ある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記一般式()および/または()で示
    される芳香族ジオールの少なくとも一種、芳香族
    ジカルボン酸の少なくとも一種および炭素数2〜
    8の脂肪族カルボン酸の酸無水物を原料とし、ス
    クリユー型混練ニーダを用いて、式()で示さ
    れる条件で混練しながら溶融重合させ、平均重合
    度40以上のポリアリレートを生成させることを特
    徴とするポリアリレートの製造方法。 (式中、R1、R2は炭素原子1〜20個を有するア
    ルキル基、炭素原子6〜20個を有するアリール基
    およびハロゲン原子から選ばれた同種または異種
    の基を表し、n1、n2はそれぞれ0〜4である。
    R3は炭素原子1〜8個を有するアルキレン基、
    炭素原子2〜8個を有するアルキリデン基、炭素
    原子6〜8個を有するアリーレン基、炭素原子9
    個以下のシクロアルキレン基、炭素原子9個以下
    のシクロアルキリデン基、O、S、SO、SO2
    よびCOから選ばれた基を表し、n3は0または1
    である。) (式中、R4、R5、R6は炭素原子1〜8個を有す
    る低級アルキル基およびハロゲン原子から選ばれ
    た同種または異種の基を表し、n4、n5はそれぞれ
    0〜4の整数であり、n6は0〜3の整数である。) P/V≧0.1 () (式中、Pはスクリユー型混練ニーダの正味の撹
    拌所要動力(KW)を、Vはポリマーの重量
    (Kg)を示す。) なお、混練ニーダの正味の撹拌所要動力とは、
    混練ニーダの反応物が投入されている反応中の状
    態での撹拌所要動力から、反応物が投入されてい
    ない空運転状態での撹拌所要動力を差し引いた、
    反応物のみの負荷による撹拌所要動力をいう。 また、ポリマー重量は、混練ニーダ中で反応に
    より生成したポリマー全体の重量をいう。 2 式()で示される芳香族ジオールが2,2
    −ビス(4−ヒドロキシフエニル)−プロパンで
    ある特許請求の範囲第1項記載のポリアリレート
    の製造方法。 3 式()で示される芳香族ジオールが4,
    4′−(ジヒドロキシフエニル)−スルホンである特
    許請求の範囲第1項記載のポリアリレートの製造
    方法。 4 式()で示される芳香族ジオールが9,10
    −ジヒドロ−9−オキサ−10−(2,5−ジヒド
    ロキシフエニル)−ホスフアフエナントレン−10
    −オキシドである特許請求の範囲第1項記載のポ
    リアリレートの製造方法。 5 芳香族ジカルボン酸がイソフタル酸である特
    許請求の範囲第1ないし4項のいずれか一つに記
    載されたポリアリレートの製造方法。 6 脂肪族カルボン酸の酸無水物が無水酢酸であ
    る特許請求の範囲第1ないし4項のいずれか一つ
    に記載されたポリアリレートの製造方法。
JP25719584A 1984-12-05 1984-12-05 ポリアリレ−トの製造方法 Granted JPS61136519A (ja)

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