JPH051026U - キー構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 相嵌合する軸１とボス３との内外周間に挿入
されるキー４が、軸方向一方側で軸１の外周に当接する
と共に軸方向他方側でボス３の内周に当接する。その両
当接位置の軸方向外方位置においてキー４に当接するセ
ットスクリュー７が、軸１とボス３のどちらか一方にね
じ合わされる。 【効果】 キーが梃の機能を有し、キーの寸法精度を高
くすることなく軸とボスとを適度な力で確実に固定し、
分解も容易になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ボスと軸とを固定するキー構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術と考案が解決しようとする課題】

ボスと軸とを連結するためにキーが一般に用いられている。しかし、キーとキ ー溝との間に隙間があるとガタが生じる。また、キーをボスと軸との間に無理に 押し込むと、分解が困難になると共に過剰な力が生じるために破損の原因となる 。これを防止するためにキーやキー溝の寸法精度を向上させるとコストが増大す る。

【０００３】 また、軸とボスの一方にねじ合わせたセットスクリューを他方に押し付けるこ とで連結することも行なわれているが、振動等によりセットスクリューが緩むた めに確実な固定ができない。

【０００４】 本考案は上記従来技術の問題を解決することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の特徴とするところは、相嵌合する軸とボスとの内外周間にキーが挿入 され、そのキーは軸方向一方側で軸の外周に当接すると共に軸方向他方側でボス の内周に当接する形状とされ、その両当接位置の軸方向外方位置においてキーに 当接するセットスクリューが、キーを軸の外周とボスの内周とに押し付けること ができるように軸とボスのどちらか一方にねじ合わされる点にある。

【０００６】

【作用】

本考案の構成によれば、ボスと軸との内外周間に挿入されたキーは、軸方向一 方側で軸の外周に当接し、軸方向他方側でボスの内周に当接し、その両当接位置 の軸方向外方位置においてボスと軸のどちらか一方にねじ合わされたセットスク リューと当接する。そのセットスクリューによりキーは軸の外周とボスの内周と に押し付けられる。これによりキーは、セットスクリューとの当接位置が力点と なり、軸の外周とボスの内周との当接位置の一方が支点となり、他方が作用点と なる梃として機能する。これにより軸とボスとはキーにより確実に固定される。 また、セットスクリューのねじ込み量によってそのキーによるボスの内周と軸の 外周との押し付け力を調節することができる。また、キーの弾性によりセットス クリューにはキーを押し付ける力の反力が作用するのでセットスクリューが緩む ことはない。

【０００７】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。

【０００８】 図２および図３において、回転軸１の外周にキー溝５が形成され、カム２のボ ス３の内周にキー溝６が形成され、両キー溝５、６にキー４が挿入されることで 軸１とボス３とが連結されている。

【０００９】 そのキー４は略四角柱形状であって、図１に示すように、軸方向一方側（図１ において右方側）においてキー溝５の底面５ａと対向する面４ａが、軸方向一方 に向かうに従い径方向外方に向かうテーパー面とされている。これによりキー４ は、軸方向一方側で軸１の外周であるキー溝５の底面５ａに当接すると共に、軸 方向他方側においてボス３の内周であるキー溝６の底面６ａに当接する。

【００１０】 そのキー４が軸１の外周に当接する位置Ａとボス３の内周に当接する位置Ｂの 軸方向外方位置において、キー４に当接するセットスクリュー７がボス３にねじ 合わされている。これにより、セットスクリュー７をボス３にねじ込むことで、 キー４が前記当接位置Ａ、Ｂにおいて回転軸１の外周とボス３の内周とに押し付 けられる。

【００１１】 上記構成によれば、回転軸１とボス３との内外周間に挿入されたキー４は、セ ットスクリュー７に当接する位置Ｃが力点となり、回転軸１の外周に当接する位 置Ａが支点となり、ボス３の内周と当接する位置Ｂが作用点となる梃として機能 し、回転軸１とボス３とを確実に固定することができる。そのキー４を回転軸１ とボス３とに押し付ける力は、セットスクリュー７のねじ込み量を調節すること で調節できるため、過剰な力が回転軸１やボス３に作用することはない。また、 キー４の弾性によりセットスクリュー７にキー４を押し付ける力の反力が作用す るので、セットスクリュー７が緩むことはない。

【００１２】 図４および図５は本考案の第２実施例に係り、回転軸１の外周にキー溝５が形 成され、歯車２のボス３の内周にキー溝６が形成され、両キー溝５、６にキー４ ′が挿入されることで軸１とボス３とが連結されている。

【００１３】 そのキー４′は略四角柱形状であって、軸方向他方側（図１において右方側） においてキー溝６の底面６ａと対向する面４ａ′が、軸方向他方に向かうに従い 径方向内方に向かうテーパー面とされている。これによりキー４′は、軸方向一 方側で軸１の外周であるキー溝５の底面５ａに当接すると共に、軸方向他方側に おいてボス３の内周であるキー溝６の底面６ａに当接する。

【００１４】 そのキー４′が軸１の外周に当接する位置Ｄとボス３の内周に当接する位置Ｅ の軸方向外方位置において、キー４′に当接するセットスクリュー７′が軸１に ねじ合わされている。これにより、セットスクリュー７′を軸１にねじ込むこと で、キー４′が前記当接位置Ｄ、Ｅにおいて回転軸１の外周とボス３の内周とに 押し付けられる。これにより、前述の実施例と同様に回転軸１とボス３とを固定 することができる。

【００１５】 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではない。

【００１６】 例えば、上記各実施例では回転軸１とボス３の双方にキー溝を形成したが、ど ちらか一方にのみキー溝を形成する場合でも軸とボスとの固定を行なうことがで きる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案によれば、軸とボスとをキーにより適度な力で固定することができ、が たつきや破損を防止することができる。また、キーの寸法精度を高くする必要は なく、加工コストを低減することができる。さらに、キーの取外しはセットスク リューを緩めるだけでよいために分解を容易に行なうことができ、しかもセット スクリューは緩むことがないために確実な固定を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第１実施例に係るキー構造の要部の
断面図

【図２】 本考案の第１実施例に係るキー構造の断面図

【図３】 本考案の第１実施例に係る回転軸とボスとの
嵌合状態を示す図

【図４】 本考案の第２実施例に係るキー構造の断面図

【図５】 本考案の第２実施例に係る回転軸とボスとの
嵌合状態を示す図

【符号の説明】

１ 軸 ３ ボス ４、４′ キー ７、７′ セットスクリュー

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 相嵌合する軸とボスとの内外周間にキー
   が挿入され、そのキーは軸方向一方側で軸の外周に当接
   すると共に軸方向他方側でボスの内周に当接する形状と
   され、その両当接位置の軸方向外方位置においてキーに
   当接するセットスクリューが、キーを軸の外周とボスの
   内周とに押し付けることができるように軸とボスのどち
   らか一方にねじ合わされることを特徴とするキー構造。