JPS634681Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は舵取装置に関し、より詳しくは舵取装
置における入力軸のダストカバー装置に関する。

従来、ダストカバー装置として、舵取装置のケ
ーシングに回転自在に軸支した入力軸にカツプ状
のダストカバーを設け、上記入力軸のケーシング
挿通部を軸方向に突出させてその突出部を上記ダ
ストカバーで覆うようにしたものが知られてい
る。塵埃や雨水等の浸入を防止するためにはケー
シングとダストカバーとの対向面の間〓を小さく
することが望ましいが、小さく設定しすぎると寸
法誤差から両者が接触してしまうことがあり、そ
の接触の程度によつては操舵力が大きくなりすぎ
たり異音が発生したりする欠点があつた。従来、
この種のダストカバー装置において一層良好なシ
ール効果が必要な場合には、上記間〓を小さくす
る代わりに上記貫通部の突出量を大きくしてダス
トカバーを深く被せるようにしていたが、このよ
うな手段を採るときにはその分舵取装置の全長が
長くなり、またダストカバーもその分だけ大きく
なつていた。

本考案は、このような欠点に鑑み、舵取装置の
ケーシングに回転自在に軸支した入力軸と、この
入力軸に取付けられて入力軸とケーシングとの間
〓を覆うダストカバーとを備えた舵取装置におけ
る入力軸のダストカバー装置を前堤として、上記
ダストカバーとケーシングとの対向面のいずれか
一方に、上記ダストカバーとケーシングとの相対
回転方向に離隔しかつ対向面に向けて突出する複
数個の突起を突出形成したものである。

このような構成によれば、ダストカバーとケー
シングとが接触しても上記突起により両者の接触
面積を可及的に小さくし、これにより上記間〓を
小さくしてシール性の向上を図ると同時に、接触
による悪影響を最小なものとすることができる。

以下図示実施例について本考案を説明すると、
第１図、第２図において、１は動力舵取装置のケ
ーシング、２はケーシング１に挿通して図示しな
い軸受により回転自在に軸支した入力軸で、この
入力軸２は従来周知のようにヨーク３を介して図
示しない舵取ハンドルに連動している。上記入力
軸２を軸支する軸受はケーシング１に螺合したリ
ング状のアジヤスタプラグ４内に支持してあり、
このアジヤスタプラグ４はその外周に螺合したス
トツパリング５によつてケーシング１に固定して
いる。これらアジヤスタプラグ４およびストツパ
リング５は上記ケーシング１の一部を構成してい
る。

カツプ状のダストカバー６はその軸部を入力軸
２の環状溝７に嵌着してあり、このダストカバー
６の筒状部分は上記ケーシング１から入力軸２の
軸方向に突出したアジヤスタプラグ４を、したが
つて入力軸２のケーシング１への挿通部を覆い、
かつその先端面はアジヤスタプラグ４の端面９に
対向している。そして本実施例においては、第３
図、第４図に示すように、ダストカバー６の先端
面すなわちアジヤスタプラグ４の端面９の対向面
複数個所にストツパリング５に向けて0.2mm程度
の微少な突起８を突出形成している。なお、この
突起８の形状としては、軸方向に垂直な方向での
断面形状が上記実施例のように矩形とする以外に
円形等の適宜の形状とすることができ、同様に円
周方向すなわち回転方向に沿う断面形状も半円形
等とすることができる。また突起はケーシング側
に設けてもよい。

以上の構成において、寸法誤差に応じて入力軸
２のケーシング１に対する軸方向位置が変動する
と、入力軸２の環状溝７に取付けたダストカバー
６と端面９との間隔も変動することとなる。本実
施例においては、入力軸２の環状溝７アジヤスタ
プラグ４との端面９との間隔が許容誤差範囲内で
最大となつたときに上記ダストカバー６の突起８
の先端と端面９との間隔が実質的に零となるよう
に設定してあり、したがつて入力軸２の軸方向位
置の如何に拘らずダストカバー６と端面９との間
に形成される間〓は、突起８の弾性変形が僅かに
あるとしても、実質的にその突起８の突出量に一
致した量に維持される。上述したように、その突
起８の突出量を例えば0.2mm程度に設定すれば、
従来に比して常に上記間〓を最少なものに維持す
ることが可能となり、シール性の向上を図ること
ができる。

そして上記入力軸２の環状溝７とアジヤスタプ
ラグ４の端面９との間隔が最少となつたときにダ
ストカバー６の突起８が最も強く端面９に圧接さ
れることとなるが、突起８のない従来装置に比較
して操舵力が増大する程度を小さく抑えることが
可能となり、また異音の発生も抑制することがで
きるようになる。

以上のように、本考案によれば間〓を小さくし
てシール性の向上を図ると同時に操舵力の増大や
異音の発生を抑制することができるという効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す部分断面正面
図、第２図は第１図の−線に沿う断面図、第
３図はダストカバー６の拡大断面図、第４図は第
３図の底面図である。 １……ケーシング、２……入力軸、６……ダス
トカバー、８……突起、９……端面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 舵取装置のケーシングに回転自在に軸支した入
   力軸と、この入力軸に取付けられて入力軸とケー
   シングとの間〓を覆うダストカバーとを備え、か
   つこのダストカバーの先端面を上記ケーシングに
   近接させて配設した舵取装置における入力軸のダ
   ストカバー装置において、 上記ダストカバーとケーシングとの対向面のい
   ずれか一方に、上記ダストカバーとケーシングと
   の相対回転方向に離隔しかつ対向面に向けて突出
   する複数個の突起を突出形成したことを特徴とす
   る舵取装置における入力軸のダストカバー装置。