JPS6110055Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアウトサイドシール技術に係るメカニ
カルシールに関し、さらに詳しくはシール性能が
安定し取り扱い法が簡便で、かつ廉価に生産でき
るメカニカルシールを提供することを目的とする
ものである。

従来、メカニカルシールとしては、第１図に示
すごとくその固定環においてフローテイングシー
ト１にＯリング溝２を設けてＯリング３を装着
し、該Ｏリング３をもつてフローテイングシート
１とハウジング４とをシールし、かつ上記フロー
テイングシート１外端面に切欠け部５，５……を
設けて、該切欠け部５，５……と嵌み合うべく突
起６，６……を設けた座金７を上記フローテイン
グシート１を押さえるようにハウジング４に固定
したものが多種使用されている。しかしながらこ
の種のシール装置は、(イ)Ｏリング３がＯリング溝
２から外れ易く、当該装置のハウジング４への挿
入が困難であり、(ロ)フローテイングシート１の外
周面が直接ハウジング４に当接する構成であるた
めその形状が複雑になり、かつ精度を要求され、
特に硬質材料を使用する場合にはその製造に手間
がかかり、(ハ)またそのためフローテイングシート
１が欠ける虞れがあり、(ニ)さらに座金７が直接フ
ローテイングシート１に当接しこれを押さえ、該
フローテイングシート１外周部に略軸方向に押圧
力を加えるためフローテイングシート１に歪みが
生じ、その結果軸８とのシール効果が減退すると
いう致命的な欠点を有していた。

本考案は上記欠点を一掃するとともにシール性
能に優れたメカニカルシールを提供することを目
的とするもので、メカニカルシール固定環のフロ
ーテイングシート外周に、外端面に突起部を設け
た緩衝ゴムを一体的に形成し、一端をハウジング
に固定した座金の他端部に形成した孔部を上記突
起部に嵌合し上記緩衝ゴムを押接してなるメカニ
カルシールである。

以下、本考案の実施例を図面にしたがつて説明
すると、第２図はメカニカルシールの半裁正断面
図である。１ａは当該メカニカルシール固定環の
フローテイングシートであり、ハウジング４ａと
の当接面９を、該ハウジング４ａに密着するよう
に形成する。該フローテイングシート１ａの外周
には緩衝ゴム１０が一体焼付加硫され、上記ハウ
ジング４ａのフローテイングシート挿入部周面１
１に当接する。また該緩衝ゴム１０外端面には突
起部１２，１２……が設けられ、該突起部１２，
１２……に嵌合する孔部１３，１３……を有する
座金７ａが、該突起部１２，１２……と、該孔部
１３，１３……を嵌合した状態で緩衝ゴム１０を
押さえるようにボルト１４，１４……をもつてハ
ウジング４ａに固定される。なお１５は当該メカ
ニカルシールの回転側である。

上記構成になるメカニカルシールはフローテイ
ングシート１ａの外周に一体的に緩衝ゴム１０を
焼付加硫してなるため、該緩衝ゴム１０の有する
弾性によつてフローテイングシート１ａのハウジ
ング４ａへの挿入が容易になり、またフローテイ
ングシート１ａ外周の欠けることを防止でき、さ
らにはフローテイングシート１ａが直接ハウジン
グ４ａのフローテイングシート挿入部周面１１に
当接しないため、該フローテイングシート１ａ外
周面の精密なる加工が不要となり、特に硬質材料
を使用する場合においてもその製造に手間がかか
らず、かつ廉価に製造できる。また緩衝ゴム１０
を座金７ａで押さえ、該座金７ａをボルト１４，
１４……をもつてハウジングに固定したためハウ
ジング４ａ内側からの圧力によつてフローテイン
グシート１ａが外方へ移動することを防止できる
のみでなく座金７ａが緩衝ゴム１０を押さえ、該
緩衝ゴム１０を介してフローテイングシート１ａ
を押さえる構成からなるためフローテイングシー
ト１ａに直接押圧力が加わらず、よつて該フロー
テイングシート１ａに歪みが生ずることなく安定
したシール性能を得ることができる。さらにこの
シール性能は緩衝ゴム１０外端面に設けた突起部
１２，１２……とハウジング４ａに固定された座
金７ａに設けた孔部１３，１３……を嵌合させた
ためにフローテイングシート１ａが回転しないこ
とからもより向上される。

本考案は以上のような構成からなるためシール
性能が安定し取り扱い法が簡便で、かつ廉価に生
産することのできるメカニカルシールを提供でき
るものであり、その実用的効果は極めて大であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は従来のメカニカルシールの半裁正断面図、第２
図は本考案のメカニカルシールの半裁正断面図で
ある。 １，１ａ……フローテイングシート、２……Ｏ
リング溝、３……Ｏリング、４，４ａ……ハウジ
ング、５……切欠け部、６……突起、７，７ａ…
…座金、８……軸、９……当接面、１０……緩衝
ゴム、１１……フローテイングシート挿入部周
面、１２……突起部、１３……孔部、１４……ボ
ルト、１５……メカニカルシール回転側。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. メカニカルシールの固定環において背面をハウ
   ジングに当接するフローテイングシートと、該フ
   ローテイングシートの外周に一体的に形成すると
   ともに外端面に突起部を設けた緩衝ゴムと、一端
   をハウジングに固定するとともに他端部に形成し
   た孔部を上記突起部に嵌合し上記緩衝ゴムを押接
   する座金とからなることを特徴とするメカニカル
   シール。