JPH05100388A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその処理方法

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JPH05100388A
JPH05100388A JP28726191A JP28726191A JPH05100388A JP H05100388 A JPH05100388 A JP H05100388A JP 28726191 A JP28726191 A JP 28726191A JP 28726191 A JP28726191 A JP 28726191A JP H05100388 A JPH05100388 A JP H05100388A
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silver halide
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coupler
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JP28726191A
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English (en)
Inventor
Masato Taniguchi
真人 谷口
Mamoru Sakurazawa
守 桜沢
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真処理液からホルムアルデヒドを除去して
も画像堅牢性が悪化せず、かつ粒状性を悪化させないカ
ラー写真感光材料、及びおよびその処理方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、該感光材料を構成する少なくとも一層のハロゲン化
銀乳剤層が、下記化1に示される一般式(I)で表わさ
れるカプラーを含むことを特徴とするハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なハロゲン化銀カ
ラー写真用カプラーを含むハロゲン化銀カラー写真感光
材料、及びその処理方法に係り、詳しくは写真処理液中
からホルマリンを除去しても画像堅牢性が悪化すること
のないハロゲン化銀カラー写真用カプラーを含むハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料、及びその処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー写真感光材料メーカーは、
感光材料の高感度化、高画質化を進め、ユーザーのニー
ズに応えてきた。これらのうち、高画質化に関しては、
主として粒状性の改良、鮮鋭度の改良、色再現性の改良
を進めてきた。これらは感光材料の性能を決める上で極
めて重要なものであり、今後もさらに改良を続けること
が必要なことは、論を待たない。
【0003】一方、カラー撮影材料(カラーネガ、カラ
ーリバーサル)の現像処理工程の最終浴には、マゼンタ
画像の堅牢性を改良するために、ホルムアルデヒドが含
有されていることは、広く知られている。
【0004】このホルムアルデヒドの役割については、
既に多くの研究がなされており、例えばP.W.Vittum,F.
C.Duennebier,J,Am.Chem.Soc.72,1536(1950)には、ピラ
ゾロンカプラーがアゾメチン色素と反応して色素の退色
を引き起こすことが記載されている。一方、R.W.G.Hun
t, “The Reproduction of Color ”2nd Ed,J,Willeyan
d Sons.,Ins.,New York, p 306(1967)には、未反応のカ
プラーが色素と反応して退色するのを防止するために、
安定浴中にホルムアルデヒドを添加し、未反応のカプラ
ーが色素と反応するのを防ぐとの記載がある。また、Th
e Journal of Photographic Sience 36 巻,64(1988)に
も同様な記載がある。
【0005】このように、ホルムアルデヒドは画像堅牢
性に大きな役割を担っている。しかし、ホルムアルデヒ
ドは、環境保全上の問題があり、写真処理液から除去す
ることを強く求められている。
【0006】現像処理工程においてホルムアルデヒド処
理を行わなくても、画像の堅牢性を悪化させない技術
は、従来いくつか知られている。
【0007】この一例として特開昭60−98435号
には、2当量ピラゾロンカプラーを用いると、ホルムア
ルデヒドが実質的に含有されなくても色像堅牢性が損な
われない、との記載がある。更に特開昭62−5426
1号には、ピラゾロアゾール型カプラーにおいても2当
量型を用いることにより、安定浴からホルムアルデヒド
を除去しても色像堅牢性が損なわれない、との記載があ
る。しかしながら、これらのカプラーは、粒状性の悪化
を招くという大きな問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、写真処理液からホルムアルデヒドを除去しても画像
堅牢性が悪化せず、かつ粒状性を悪化させないカラー写
真感光材料、及びおよびその処理方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、特定の置換基を有する5−ピラゾロンカプラー
を用いることにより、本発明の目的が達成されることを
見い出した。
【0010】即ち、本発明は、支持体上に少なくとも一
層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料において、該感光材料を構成する少なくとも
一層のハロゲン化銀乳剤層が、下記化2に示される一般
式(I)で表わされるカプラーを含むことを特徴とする
ハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。
【0011】
【化2】 式中、R1 は置換基を表わす。nは0〜4の整数を表わ
す。R2はアルキル基またはアリール基を表わす。R3
は式R4 (R5 )N−又はR6 O−で表わされる基であ
る。このときR4 およびR5 は同一でも異なっていても
よく、各々水素原子、アルキル基またはアリール基を表
わし、R6 はアルキル基を表わす。R2 とR4 、R2
5 、R2 とR6 、R4 とR5 は各々共同で環を形成し
ていてもよい。
【0012】更に本発明は、上記ハロゲン化銀カラー写
真感光材料を、実質的にホルマリンを含まない処理液で
処理することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
材料の処理方法を提供する。
【0013】次に、本発明の特徴をなす、前記一般式
(I)で表わされるカプラーにおけるR1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 およびnについて、詳しく述べ
る。
【0014】R1 は置換基であり、更に詳しくはR1
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、
シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ
基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スル
ファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド
基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル
基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ
基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリル
基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホス
ホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基を表
わす。
【0015】更に詳しくR1 の置換基の例を示す。ハロ
ゲン原子としては例えば、弗素原子、塩素原子である。
アルキル基としては炭素数1〜16の直鎖、分岐鎖また
は環状のアルキル基でこれらはアルケニル基、アルキニ
ル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、イ
オウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置換して
いてもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、t−ブチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒド
ロキシプロピル、ベンジル、2−メタンスルホンアミド
エチル、3−メタンスルホンアミドプロピル、2−メタ
ンスルホニルエチル、2−メトキシエチル、シクロペン
チル、2−アセトアミドエチル、2−カルボキシルエチ
ル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピ
ル、n−ヘキシル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒド
ロキシブチル、2−カルバモイルアミノエチル、3−カ
ルバモイルアミノプロピル、4−カルバモイルアミノブ
チル、4−カルバモイルブチル、2−カルバモイル1−
メチルエチル、4−ニトロブチルである。
【0016】アリール基としては炭素数6〜24のアリ
ール基で、これらはアルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シア
ノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、
イオウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置換し
ていてもよく、例えば、フェニル、ナフチル、p−メト
キシフェニルである。ヘテロ環基としては炭素数1〜5
の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含
む5員または6員環の芳香族または脂肪族のヘテロ環で
あって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1
つでも複数であっても良く、またこれらのヘテロ環基は
さらに炭素数1〜16のアルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、
シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原
子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置
換していてもよく例えば、2−フリル、2−チエニル、
2−ピリミジニル、2−ベンズトリアゾリル、イミダゾ
リル、ピラゾリルである。
【0017】シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カ
ルボキシル基も各々R1 の置換基として含まれる。アル
コキシ基としては炭素数1〜16のアルコキシ基でこれ
らはアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロ
キシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはそ
の他酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子
で連結する置換基で置換していてもよく例えば、メトキ
シ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスル
ホニルエトキシである。アリールオキシ基としては炭素
数6〜24のアリールオキシ基でこれらはアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他
酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で連
結する置換基で置換していてもよく例えば、フェノキシ
である。アシルアミノ基としては炭素数1〜16のアシ
ルアミノ基でこれらはアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シ
アノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原
子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置
換していてもよく例えば、アセトアミド、2−メトキシ
プロピオンアミドである。
【0018】アルキルアミノ基としては炭素数1〜16
のアルキルアミノ基でこれらはアルケニル基、アルキニ
ル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、イ
オウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置換して
いてもよく例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノで
ある。アニリノ基としては炭素数6〜24のアニリノ基
でこれらはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハ
ロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、イオウ原
子もしくは炭素原子で連結する置換基で置換していても
よく例えばアニリノ、m−ニトロアニリノである。ウレ
イド基としては炭素数1〜16のウレイド基でこれらは
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原
子またはその他酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしく
は炭素原子で連結する置換基で置換していてもよく例え
ば、メチルウレイド、N,N−ジエチルウレイドであ
る。
【0019】スルファモイルアミノ基としては炭素数0
〜16のスルファモイルアミノ基でこれらはアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロ
キシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはそ
の他酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子
で連結する置換基で置換していてもよく例えば、ジメチ
ルスルファモイルアミノである。アルキルチオ基として
は炭素数1〜16のアルキルチオ基でこれらはアルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニ
トロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原
子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結する
置換基で置換していてもよく例えば、メチルチオ、エチ
ルチオである。アリールチオ基としては炭素数6〜24
のアリールチオ基でこれらはアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニト
ロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、
窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結する置換
基で置換していてもよく例えば、フェニルチオである。
アルコキシカルボニルアミノ基としては炭素数2〜16
のアルコキシカルボニルアミノ基でこれらはアルケニル
基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニト
ロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、
窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結する置換
基で置換していてもよく例えば、メトキシカルボニルア
ミノ、エトキシカルボニルアミノである。
【0020】スルホンアミド基としては炭素数1〜16
のスルホンアミド基でこれらはアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニト
ロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、
窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結する置換
基で置換していてもよく例えば、メタンスルホンアミド
である。カルバモイル基としては炭素数1〜16のカル
バモイル基でこれらはアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シ
アノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原
子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置
換していてもよく例えば、N,N−ジメチルカルバモイ
ル、N−エチルカルバモイルである。スルファモイル基
としては炭素数0〜16のスルファモイル基でこれらは
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原
子またはその他酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしく
は炭素原子で連結する置換基で置換していてもよくたと
えば、ジメチルスルファモイルである。
【0021】スルホニル基としては炭素数1〜16の脂
肪族または芳香族のスルホニル基でこれらはアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロ
キシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはそ
の他酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子
で連結する置換基で置換していてもよく例えば、メタン
スルホニル、エタンスルホニルである。アルコキシカル
ボニル基としては炭素数1〜16のアルコキシカルボニ
ル基でこれらはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、イ
オウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置換して
いてもよく例えば、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニルである。ヘテロ環オキシ基としては炭素数1〜5
の酸素原子、窒素原子、もしくは硫黄原子を1個以上含
む5員または6員環の芳香族または脂肪族のヘテロ環オ
キシ基であって環を構成するヘテロ原子の数及び元素の
種類は1つでも複数であっても良く、またこれらのヘテ
ロ環基はさらに炭素数1〜16のアルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニ
トロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原
子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結する
置換基で置換していてもよく例えば、1−フェニルテト
ラゾリル−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキ
シである。
【0022】アゾ基としては炭素数1〜16のアゾ基で
これらはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロ
ゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、イオウ原子
もしくは炭素原子で連結する置換基で置換していてもよ
く例えば、フェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパ
ノイルフェニルアゾである。アシルオキシ基としては炭
素数1〜16のアシルオキシ基でこれらはアルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシ
ル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他
酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で連
結する置換基で置換していてもよく例えば、アセトキシ
である。カルバモイルオキシ基としては炭素数1〜16
のカルバモイルオキシ基でこれらはアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、
ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原
子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結する
置換基で置換していてもよく例えば、N,N−ジメチル
カルバモイルオキシである。
【0023】シリル基としては炭素数3〜16のシリル
基でこれらはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、イ
オウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置換して
いてもよく例えば、トリメチルシリルである。シリルオ
キシ基としては炭素数3〜16のシリルオキシ基でこれ
らはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン
原子またはその他酸素原子、窒素原子、イオウ原子もし
くは炭素原子で連結する置換基で置換していてもよく例
えば、トリメチルシリルオキシである。アリールオキシ
カルボニルアミノ基としては炭素数7〜24のアリール
オキシカルボニルアミノ基でこれらはアルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル
基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸
素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結
する置換基で置換していてもよく例えば、フェノキシカ
ルボニルアミノである。
【0024】イミド基としては炭素数4〜16のイミド
基でこれらはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、イ
オウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置換して
いてもよく例えば、N−スクシンイミドである。ヘテロ
環チオ基としては炭素数1〜5の酸素原子、窒素原子、
もしくは硫黄原子を1個以上含む5員または6員環の芳
香族または脂肪族のヘテロ環チオ基であって環を構成す
るヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であっ
ても良く、またこれらのヘテロ環基はさらに炭素数1〜
16のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ
ール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲ
ン原子またはその他酸素原子、窒素原子、イオウ原子も
しくは炭素原子で連結する置換基で置換していてもよく
例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチオ
である。
【0025】スルフィニル基としては炭素数1〜16の
スルフィニル基でこれらはアルキル基、アルケニル基、
アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ
基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒
素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基
で置換していてもよく例えば、エタンスルフィニルであ
る。ホスホニル基としては炭素数2〜16のホスホニル
基でこれらはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、イ
オウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置換して
いてもよく例えば、メトキシホスホニルである。アリー
ルオキシカルボニル基としては炭素数7〜24のアシル
アミノ基でこれらはアルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シア
ノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、
イオウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置換し
ていてもよく例えば、フェノキシカルボニルである。ア
シル基としては炭素数1〜16のアシル基でこれらはア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子ま
たはその他酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭
素原子で連結する置換基で置換していてもよく例えば、
アセチル、ベンゾイルである。
【0026】nは0〜4の整数を表わす。
【0027】R1 において例示した置換基のうち、好ま
しいR1としてはハロゲン原子、アルキル基、シアノ
基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル
アミノ基、ウレイド基、スルホンアミド基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、ス
ルホニル基である。さらに好ましいR1 についてその置
換位置、nの値を含めて例示すると(このとき置換位置
とは一般式(I)において、R1 の連結するベンゼン環
の置換位置を意味し、該ベンゼン環がピラゾロン環を連
結している位置を1位、一般式(I)にて既に表示され
ているクロル原子の連結位置を2位とする)、4,6−
ジクロル、このときn=2(これを以下、4,6−ジク
ロル;n=2と表わす)、5−クロル;n=1、4−ア
ルコキシ−6−クロル;n=2、4−シアノ−6−クロ
ル;n=2、4−アセトアミド;n=1、4,6−ジア
ルキル;n=2、4−ウレイド−6−クロル;n=2、
4−スルファモイル−6−クロル;n=2、4−アルコ
キシ;n=1、4−アセトアミド−6−クロル;n=
2、4−ウレイド;n=1であり、なかでも4,6−ジ
クロル;n=2,5−クロル;n=1、4−アルコキシ
−6−クロル;n=2、4−アセトアミド−6−クロ
ル;n=2のR1 、nの組合せが最も好ましい。
【0028】R2 はアルキル基またはアリール基であり
更に詳しくはR2 はアルキル基(炭素数1〜40の直
鎖、分岐鎖または環状のアルキル基でこれらはアルケニ
ル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニ
トロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその他酸素原
子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子及び連結す
る置換基で置換していてもよく例えばメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、t−ブチル、シクロヘキシ
ル、2−ヒドロキシエチル、ベンジル、3−(2,4−
ジ−t−ペンチルフェノキシ)プロピル、4−(4−テ
トラデカンアミドフェニル)ブチル、2−エチルヘキシ
ル、2−メトキシエチル、3−アセトアミドプロピル、
n−ヘキシル、3−カルバモイルアミノプロピル)、ア
リール基(炭素数6〜40のアリール基でこれらはアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒ
ドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子また
はその他酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素
原子で連結する置換基で置換していてもよく例えばフェ
ニル、ナフチル、p−メトキシフェニル、3−ヘキサデ
カンアミドフェニル、4−ヘキサデシルオキシフェニ
ル、2−クロル−5−テトラデカンアミドフェニル)を
表わす。
【0029】これらのうち、好ましいR2 はメチル、エ
チル、プロピル、2−エチルヘキシル、フェニル、p−
メトキシフェニル、2−クロル−5−テトラデカンアミ
ドフェニルである。
【0030】R3 はR4 (R5 )N−およびR6 O−か
らなる群より選ばれた基であり、R4 (R5)N−が好
ましい。
【0031】R4 およびR5 は、同一でも異なっていて
もよく各々水素原子、アルキル基またはアリール基を表
わす。R4 およびR5 は少なくともそのどちらか一方が
水素原子でない場合が好ましい。
【0032】更に詳しくはR4 およびR5 は同一でも異
なっていてもよく各々水素原子、アルキル基(炭素数1
〜40の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基でこれら
はアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヒドロキ
シル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子またはその
他酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭素原子で
連結する置換基で置換していてもよく例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、シクロヘ
キシル、2−ヒドロキシエチル、ベンジル、3−(2,
4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)プロピル、4−(4
−テトラデカンアミドフェニル)ブチル、2−エチルヘ
キシル、オクタデシル、ヘキサデシル、テトラデシル、
ドデシル、2−メトキシエチル、3−アセトアミドプロ
ピル、ヘキシル、3−カルバモイルアミノプロピル、3
−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)プロピル、
アリール基(炭素数6〜40のアリール基でこれらはア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子ま
たはその他酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくは炭
素原子で連結する置換基で置換していてもよく例えばフ
ェニル、ナフチル、p−メトキシフェニル、3−ヘキサ
デカンアミドフェニル、4−ヘキサデシルオキシフェニ
ル、2−クロル−5−テトラデカンアミドフェニル)を
表わす。
【0033】これらのうち、好ましいR4 およびR5
各々同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1
〜20の更に置換基を有さない直鎖アルキル基、3−
(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)プロピル基、
3または4−アミドフェニル基である。
【0034】R6 はアルキル基を表わし、更に詳しくは
6 はアルキル基(炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖また
は環状のアルキル基でこれらはアルケニル基、アルキニ
ル基、アリール基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ
基、ハロゲン原子またはその他酸素原子、窒素原子、イ
オウ原子もしくは炭素原子で連結する置換基で置換して
いてもよく例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、t−ブチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシエ
チル、ベンジル、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェ
ノキシ)プロピル、4−(4−テトラデカンアミドフェ
ニル)ブチル、2−エチルヘキシル、オクタデシル、ヘ
キサデシル、テトラデシル、ドデシル、オクチル)を表
わす。これらのうちR6 は炭素数1〜20の更に置換基
を有さない直鎖アルキル基が好ましい。
【0035】R2 とR4 、R2 とR5 、R4 とR5 は各
々共同で環を形成していてもよい。形成される環なら5
員または6員の脂肪族のヘテロ環であることが好まし
く、これらの環はR1 にて例示した置換基により置換さ
れていてもよい。
【0036】次に上記化2で示される一般式(I)で表
わされるカプラーの具体的化合物例を、下記化3〜化1
2に示される一般式I−1ないし30に表わすが、これ
らによって限定されるものではない。
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】 上記化2で示される一般式(I)で表わされるカプラー
の合成は、以下に示す公知の方法によって合成すること
ができる。 (合成例1)下記化13に示される反応式に従い、本発
明の例示化合物(I−1)を合成した。
【0047】
【化13】 (上記化13における化合物(b)の合成)上記化13
における化合物(a)279g(1.00mol )に、メ
チルアミン酢酸塩1003g、酢酸500mlを加え、1
30〜140℃にて20時間加熱撹拌を続けた。その
後、反応液を水に注ぎ、析出した結晶を濾過した。得ら
れた結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精
製後、アセトニトリル−水より再結晶し、化合物(b)
110gを含水結晶として得た。
【0048】(上記化13における化合物(c)の合
成)上記化13における化合物(b)20.4gにトル
エン200mlを加え、化合物(b)に含まれる水を除去
する目的で、溶媒の一部を留去しながら加熱還流を行っ
た。
【0049】その後、p−ニトロクロル炭酸フェニル2
8.0g(1.39×10-1mol )を加え、4時間加熱
還流撹拌した。このようにして得られた化合物(c)は
単離精製を行うことなく後続の反応に用いた。
【0050】(例示化合物I−1の合成)上記化合物
(c)を含む反応液にN−メチル−N−オクタデシルア
ミン39.4g(1.39×10-1mol )を加え、5時
間加熱還流撹拌を続けた。その後、反応系に酢酸エチル
を加え、10%NaOH水溶液、続いて希塩酸、飽和食
塩水にて洗浄し、芒硝により乾燥後、減圧下で溶媒を留
去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て精製後、アセトニトリルより再結晶して、例示化合物
I−1 8.0gを得た。その物性値を以下に示す。 融点:53〜55℃。
【0051】 1H−NMR(CDCl3 ):δ=0.8
7(t,3H)、1.1〜1.4(m,30H)、1.
5〜1.7(m,2H)、2.96(s,3H)、3.
17(s,3H)、3.31(t,2H)、3.82
(s,2H)、7.45(s,2H)。 (合成例2)下記化14に示される反応式に従い、本発
明の例示化合物(I−4)を合成した。
【0052】
【化14】 (上記化14における化合物(d)の合成)化合物
(a)50.7g(1.82×10-1mol )にアセトニ
トリル500ml、クロル炭酸フェニル48.0ml(3.
82×10-1mol )、ピリジン30.9ml(3.82×
10-1mol )を加え、室温にて9時間撹拌後、さらにク
ロル炭酸フェニル24.0ml(1.91×10-1mol
)、ピリジン15.5ml(1.91×10-1mol )を
加え、室温にて5時間撹拌を続けた。その後、水500
mlを加え、静置した後、上澄みをデカンテーションによ
って除き、残渣にアセトニトリルを加えることにより、
結晶が析出した。これを濾過し、化合物(d)60.0
g(化合物(a)よりの収率63%)を得た。
【0053】(化合物(e)の合成)化合物(d)4
5.5g(8.77×10-2mol )にアセトニトリル4
60ml、N−ドデシル−N−2−ヒドロキシエチルアミ
ン80.5g(3.51×10-1mol)を加え、1時間
30分間加熱還流撹拌を続けた。
【0054】その後、反応系に酢酸エチルを加え、水、
飽和食塩水にて洗浄、芒硝乾燥後、減圧下溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精
製し、化合物(e)30.1gを得た。
【0055】(例示化合物I−4の合成)化合物(e)
26.0g(4.87×10-2mol )にN,N−ジメチ
ルアセトアミド104ml、p−トルエンスルホニルクロ
リド20.4g(1.07×10-1mol )、トリエチル
アミン14.9ml(1.07×10-1mol )を加え、6
0℃にて7時間加熱撹拌後、p−トルエンスルホニルク
ロリド4.64g(2.43×10-2mol )、トリエチ
ルアミン3.39ml(2.43×10-2mol )をさらに
加え、3時間60℃にて加熱撹拌を続けた。次に、反応
系を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200ml中に注加
し、10分間室温にて撹拌後、酢酸エチルにて抽出し、
飽和食塩水にて洗浄し、更に芒硝により乾燥後、減圧下
で溶媒を留去した。残渣にテトラヒドロフラン140m
l、t−ブトキシカリウム5.46g(4.87×10
-2mol )を加え、室温にて5時間撹拌後、水酸化ナトリ
ウム9.74g(2.44×10-1mol )、水140ml
を加え、5時間加熱還流撹拌を続けた。その後、塩化ア
ンモニウムを加えて反応系を中和した後、酢酸エチルに
て抽出し、飽和食塩水にて洗浄し、更に芒硝により乾燥
後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにて精製後、酢酸エチル−ヘキサン
より再結晶し、例示化合物I−43.50gを得た。そ
の物性値を以下に示す。 融点:73〜74℃。
【0056】 1H−NMR(CDCl3 ):δ=0.8
9(t,3H)、1.1〜1.4(m,20H)、1.
4〜1.6(m,2H)、3.28(t,2H)、3.
55(dd,2H)、3.82(dd,2H)、4.0
6(s,2H)、7.46(s,2H)。 (合成例3)下記化15に示される反応式に従い、本発
明の例示化合物(I−10)を合成した。
【0057】
【化15】 (化合物(f)の合成)化合物(b)30.0gにトル
エン350mlを加え、化合物(b)に含まれる水を除去
する目的で、溶媒の一部を留去しながら加熱還流を行っ
た。その後、p−ニトロクロル炭酸フェニル42.8g
(2.13×10-1mol )を加え、そのまま5時間加熱
還流撹拌を行った。次に、化合物(g)56.3g
(1.93×10-1mol )を加え、1時間撹拌し、析出
結晶を濾過し、化合物(h)43.0gを得た。
【0058】(例示化合物I−10の合成)化合物
(h)10.3g(2.31×10-2mol )に、N,N
−ジメチルアセトアミド50ml、(g)9.43g
(3.24×10-2mol )を加え、50℃にて4時間加
熱撹拌を続けた。その後、反応系に酢酸エチルを加え、
5%水酸化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、芒硝により乾燥した
後、減圧下で溶媒を留去した。
【0059】残渣にアセトニトリルを加え、析出結晶を
濾過した後、濾液から減圧下で溶媒を留去し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、例示化
合物I−10 3.10g(化合物(h)よりの収率2
2%)をガラス状固体として得た。その物性値を以下に
示す。
【0060】 1H−NMR(CDCl3 ):δ=0.5
4(t,3H)、0.68(t,3H)、1.37
(s,12H)、1.62(dd,2H)、1.74
(dd,2H)、2.0〜2.2(m,2H)、3.2
7(s,3H)、3.53(dd,2H)、3.76
(s,3H)、3.94(t,2H)、6.68(d,
1H)、7.07(dd,1H)、7.15(d,1
H)、7.36(s,2H)、8.00(t,1H)。
【0061】一般式(I)の化合物は、その一部が特公
昭48−28690号、特開昭50−29283号の特
許請求の範囲に含まれるものであるが、該明細書中には
本発明の一般式(I)に含まれる具体例化合物の記載は
全くなく、またホルマリン未処理時において色像堅牢性
の悪化が見られないという本発明の効果を該明細書から
推測することも不可能である。
【0062】また、特開昭53−63377号にも、本
発明の一般式(I)に含まれる化合物の記載はあるもの
の、該明細書中においてその化合物は単に合成中間体と
してのみ用いており、写真用カプラーとして用いる点に
ついての記載はない。
【0063】本発明の一般式(I)で表わされるカプラ
ーの添加層は、緑感性乳剤層以外にそれに隣接した非感
光性中間層でもよい。また一般式(I)で表わされるカ
プラーは、その2種類以上を混合して使用することもで
きる。
【0064】一般式(I)で表わされるカプラーの添加
量は感光材料1m2 当り0.01mmol〜1mmol、好まし
くは0.1mmol〜0.5mmolの範囲が一般的である。
【0065】一般式(I)で表わされるカプラーは、本
発明の効果を損わない限り、公知のマゼンタカプラーと
混合して使用することもできる。
【0066】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に、特に制限は
ない。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色
性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳
剤層からなる感光性層を、少なくとも1つ有するハロゲ
ン化銀写真感光材料であり、該感光性層は、青色光、緑
色光および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性
層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
ては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に
赤感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設置され
る。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、
また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような
設置順をもとり得る。
【0067】上記のハロゲン化銀感光性層の間、および
最上層、最下層には、非感光性層、例えば各種の中間層
を設けてもよい。
【0068】該中間層には、特開昭61−43748
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号明細
書に記載されるような、例えばカプラー、DIR化合物
が含まれていてもよく、通常用いられるように混色防止
剤を含んでいてもよい。
【0069】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように、高
感度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いる
ことができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が
低くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳
剤層の間には非感光性層が設けられていてもよい。ま
た、例えば特開昭57−112751号、同62−20
0350号、同62−206541号、62−2065
43号に記載されているように支持体より離れた側に低
感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置して
もよい。
【0070】具体例として支持体から最も遠い側から、
例えば低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層
(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性
層(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光
性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/R
H/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/
RHの順に設置することができる。
【0071】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、支持体から最も遠い側から青感光性
層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号明細書に記載されているように、支持体から最も遠
い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配
列することもできる。
【0072】また特公昭49−15495号公報に記載
されているように、上層を最も感光度の高いハロゲン化
銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀
乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化
銀乳剤層としてそれぞれ配置し、支持体に向かって感光
度が順次低められた感光度の異なる3層から構成する配
列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構
成される場合でも、特開昭59−202464号明細書
に記載されているように、同一感色性層中において支持
体より離れた側から、中感度乳剤層/高感度乳剤層/低
感度乳剤層の順に配置されてもよい。
【0073】その他、例えば高感度乳剤層/低感度乳剤
層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤
層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。また、
4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0074】色再現性を改良するために、米国特許第
4,663,271号、同第4,705,744号、同
第4,707,436号、特開昭62−160448
号、同63−89850号の明細書に記載の、例えばB
L,GL,RLの主感光層と分光感度分布が異なる重層
効果のドナー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接
して配置することが好ましい。
【0075】上記のように、それぞれの感光材料の目的
に応じて種々の層構成・配列を選択することができる。
本発明に用いられる写真感光材料の写真乳剤層に含有さ
れる好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化
銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭
化銀である。特に好ましいのは約2モル%から約10モ
ル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭
化銀である。
【0076】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
例えば双晶面の結晶欠陥を有するもの、あるいはそれら
の複合形でもよい。
【0077】ハロゲン化銀の粒径は、約0.2ミクロン
以下の微粒子でも投影面積直径が約10ミクロンに至る
までの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳
剤でもよい。
【0078】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.
17643(1978年12月)、22〜23頁、
“I.乳剤製造(Emulsion preparat
ion andtypes)”、および同No.1871
6(1979年11月)、648頁、同No.30710
5(1989年11月)、863〜865頁、およびグ
ラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊
(P.Glafkides,Chemie etPhi
sique Photographique,Paul
Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化
学」,フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,
Photographic Emulsion Che
mistry(Focal Press,196
6))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フ
ォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et
al.,Making and Coating P
hotographic Emulsion,Foca
l Press,1964)に記載された方法を用いて
調製することができる。
【0079】また、例えば米国特許第3,574,62
8号、同3,665,394号および英国特許第1,4
13,748号に記載された単分散乳剤も好ましい。
【0080】更に、アスペクト比が約3以上であるよう
な平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、例
えばガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アン
ド・エンジニアリング(Gutoff,Photogr
aphic Scienceand Engineer
ing)、第14巻、248〜257頁(1970
年);米国特許第4,434,226号、同4,41
4,310号、同4,433,048号、同4,43
9,520号および英国特許第2,112,157号に
記載の方法により簡単に調製することができる。
【0081】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀、酸化鉛というハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒
子の混合物を用いてもよい。
【0082】上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭63−264740号に記載のコア/
シェル型内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シ
ェル型内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59−13
3542号に記載されている。この乳剤のシェルの厚み
は、例えば現像処理によって異なるが、3〜40nmが好
ましく、5〜20nmが特に好ましい。
【0083】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャーNo.17643、同No.18716および同No.
307105に記載されており、その該当箇所を後掲の
表にまとめた。
【0084】本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。
【0085】米国特許第4,082,553号に記載の
粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第
4,626,498号、特開昭59−214852号に
記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイ
ド銀を、感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質
的に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用でき
る。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀乳剤
とは、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様
に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこ
とをいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化
銀粒子の調製法は、米国特許第4,626,498号、
特開昭59−214852号に記載されている。
【0086】粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハ
ロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、同
一のハロゲン組成をもつものでも異なるハロゲン組成を
もつものでもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハ
ロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩
沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのか
ぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サイズには特別な限
定はないが、平均粒子サイズとしては0.01〜0.7
5μm 、特に0.05〜0.6μm が好ましい。また、
粒子形状については特に限定はなく、規則的な粒子でも
よく、また、多分散乳剤でもよいが、単分散(ハロゲン
化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均
粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であるこ
とが好ましい。
【0087】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。
【0088】微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が
0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/
または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を
0.5〜10モル%含有するものである。
【0089】微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面
積の円相当直径の平均値)が0.01〜0.5μm が好
ましく、0.02〜0.2μm がより好ましい。
【0090】微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロ
ゲン化銀と同様の方法で調製できる。この場合、ハロゲ
ン化銀粒子の表面は、光学的に増感される必要はなく、
また分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添
加するのに先立ち、あらかじめ公知の安定剤、例えばト
リアゾール系、アザインデン系、ベンゾチアゾリウム
系、もしくはメルカプト系化合物または亜鉛化合物を添
加しておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒
子含有層に、コロイド銀を好ましく含有させることがで
きる。
【0091】本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g
/m2 以下が好ましく、4.5g/m2 以下が最も好ま
しい。
【0092】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0093】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866 頁 2.感度上昇剤 648 頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄〜 866 〜868 頁 強色増感剤 649 頁右欄 4.増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868 頁 5.かぶり防止剤 24〜25頁 649 頁右欄 868 〜870 頁 安 定 剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649 頁右欄〜 873 頁 フィルター染料、 650 頁左欄 紫外線吸収剤 7.ステイン防止剤 25頁右欄 650 頁左欄〜 872 頁 右欄 8.色素画像安定剤 25頁 650 頁左欄 872 頁 9.硬 膜 剤 26頁 651 頁左欄 874 〜875 頁 10.バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 11.可塑剤、潤滑剤 27頁 650 頁右欄 876 頁 12.塗布助剤、 26〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 13.スタチック 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防 止 剤 14.マット剤 878 〜879 頁 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号や同第
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと
反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加するこ
とが好ましい。
【0094】本発明の感光材料に、米国特許第4,74
0,454号、同第4,788,132号、特開昭62
−18539号、特開平1−283551号に記載のメ
ルカプト化合物を含有させることが好ましい。
【0095】本発明の感光材料に、特開平1−1060
52号に記載の、現像処理によって生成した現像銀量と
は無関係に,かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶
剤またはそれらの前駆体を放出する化合物を含有させる
ことが好ましい。
【0096】本発明の感光材料に、国際公開WO88/
04794号、特表平1−502912号に記載された
方法で分散された染料またはEP317,308A号、
米国特許第4,420,555号、特開平1−2593
58号に記載の染料を含有させることが好ましい。
【0097】本発明の感光材料には種々のカラーカプラ
ーを使用することができ、その具体例は前出のリサーチ
・ディスクロージャーNo.17643、VII −C〜G、
および同No.307105、VII −C〜Gに記載された
特許に開示されている。
【0098】イエローカプラーとしては、例えば米国特
許第3,933,501号、同第4,022,620
号、同第4,326,024号、同第4,401,75
2号、同第4,248,961号、特公昭58−107
39号、英国特許第1,425,020号、同第1,4
76,760号、米国特許第3,973,968号、同
第4,314,023号、同第4,511,649号、
欧州特許第249,473A号に記載のものが好まし
い。
【0099】本発明のカプラーと併用し得るマゼンタカ
プラーとしては5−ピラゾロン系及びピラゾロアゾール
系の化合物が好ましく、例えば米国特許第4,310,
619号、同第4,351,897号、欧州特許第7
3,636号、米国特許第3,061,432号、同第
3,725,067号、リサーチ・ディスクロージャー
No.24220(1984年6月)、特開昭60−33
552号、リサーチ・ディスクロージャーNo.2423
0(1984年6月)、特開昭60−43659号、同
61−72238号、同60−35730号、同55−
118034号、同60−185951号、米国特許第
4,500,630号、同第4,540,654号、同
第4,556,630号、国際公開WO88/0479
5号に記載のものが特に好ましい。
【0100】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、例えば米国特許第
4,052,212号、同第4,146,396号、同
第4,228,233号、同第4,296,200号、
同第2,369,929号、同第2,801,171
号、同第2,772,162号、同第2,895,82
6号、同第3,772,002号、同第3,758,3
08号、同第4,334,011号、同第4,327,
173号、西独特許公開第3,329,729号、欧州
特許第121,365A号、同第249,453A号、
米国特許第3,446,622号、同第4,333,9
99号、同第4,775,616号、同第4,451,
559号、同第4,427,767号、同第4,69
0,889号、同第4,254,212号、同第4,2
96,199号、特開昭61−42658号に記載のも
のが好ましい。さらに、特開昭64−553号、同64
−554号、同64−555号、同64−556号に記
載のピラゾロアゾール系カプラーや、米国特許第4,8
18,672号に記載のイミダゾール系カプラーも使用
することができる。
【0101】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、例えば米国特許第3,451,820号、同第
4,080,211号、同第4,367,282号、同
第4,409,320号、同第4,576,910号、
英国特許2,102,137号、欧州特許第341,1
88A号に記載されている。
【0102】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0103】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643のVII −G項、同No.307105のVII −
G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−
39413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368
号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,77
4,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光
色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、
米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反
応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基と
して有するカプラーを用いることも好ましい。
【0104】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた、本発明で好ましく使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のR
D17643、VII −F項及び同No.307105、VI
I −F項に記載された特許、特開昭57−151944
号、同57−154234号、同60−184248
号、同63−37346号、同63−37350号、米
国特許第4,248,962号、同4,782,012
号に記載されたものが好ましい。
【0105】例えばR.D.No.11449、同242
41、特開昭61−201247号に記載の漂白促進剤
放出カプラーは、漂白能を有する処理工程の時間を短縮
するのに有効であり、特に、前述の平板状ハロゲン化銀
粒子を用いる感光材料に添加する場合に、その効果が大
である。現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を
放出するカプラーとしては、英国特許第2,097,1
40号、同第2,131,188号、特開昭59−15
7638号、同59−170840号に記載のものが好
ましい。また、特開昭60−107029号、同60−
252340号、特開平1−44940号、同1−45
687号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反応に
より、例えばかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶
剤を放出する化合物も好ましい。
【0106】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、例えば米国特許第4,130,
427号に記載の競争カプラー、例えば米国特許第4,
283,472号、同第4,338,393号、同第
4,310,618号に記載の多当量カプラー、例えば
特開昭60−185950号、特開昭62−24252
号に記載のDIRレドックス化合物放出カプラー、DI
Rカプラー放出カプラー、DIRカプラー放出レドック
ス化合物もしくはDIRレドックス放出レドックス化合
物、欧州特許第173,302A号、同第313,30
8A号に記載の離脱後復色する色素を放出するカプラ
ー、米国特許第4,555,477号に記載のリガンド
放出カプラー、特開昭63−75747号に記載のロイ
コ色素を放出するカプラー、米国特許第4,774,1
81号に記載の蛍光色素を放出するカプラーが挙げられ
る。
【0107】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。
【0108】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の
例は、例えば米国特許第2,322,027号に記載さ
れている。水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点が
175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、例え
ばフタル酸エステル類(例えばジブチルフタレート、ジ
シクロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフ
タレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−t−
アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−t−
アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエ
チルプロピル)フタレート)、リン酸またはホスホン酸
のエステル類(例えばトリフェニルホスフェート、トリ
クレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニル
ホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ
−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホス
フェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロ
ロプロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェ
ニルホスホネート)、安息香酸エステル類(例えば2−
エチルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエート、
2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、
アミド類(例えばN,N−ジエチルドデカンアミド、
N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシルピ
ロリドン)、アルコール類またはフェノール類(例えば
イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−ア
ミルフェノール)、脂肪族カルボン酸エステル類(例え
ばビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチル
アゼレート、グリセロールトリブチレート、イソステア
リルラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン
誘導体(例えばN,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−
tert−オクチルアニリン)、炭化水素類(例えばパ
ラフィン、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレ
ン)が挙げられる。
【0109】また、補助溶剤としては、例えば沸点が約
30℃以上、好ましくは50℃以上約160℃以下の有
機溶剤が使用でき、その典型例としては例えば酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテー
ト、ジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0110】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、例えば米国特許第4,19
9,363号、西独特許出願(OLS)第2,541,
274号および同第2,541,230号に記載されて
いる。
【0111】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の各種の防腐剤もしくは防黴剤、例えば1,2−ベンズ
イソチアゾリン−3−オン、n−ブチル、p−ヒドロキ
シベンゾエート、フェノール、4−クロル−3,5−ジ
メチルフェノール、2−フェノキシエタノール、2−
(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールを添加すること
が好ましい。
【0112】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18
716の647頁右欄から648頁左欄、および同No.
307105の879頁に記載されている。
【0113】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm 以下である
ことが好ましく、23μm 以下がより好ましく、18μ
m 以下が更に好ましく、16μm 以下が特に好ましい。
また膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒
以下がより好ましい。膜厚は、25℃相対湿度55%調
湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、膜膨潤速度T
1/2 は、当該技術分野において公知の手法に従って測定
することができる。例えば、エー・グリーン(A.Gr
een)らによりフォトグラフィック・サイエンス・ア
ンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.E
ng.)、19巻、2号、124〜129頁に記載の型
のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより、測
定でき、T1/2 は発色現像液で30℃、3分15秒処理
した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚と
し、飽和膜厚の1/2に到達するまでの時間と定義す
る。
【0114】膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:
(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0115】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μm の親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、例えば前述の光吸収剤、フィル
ター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、
バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を
含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率は1
50〜500%が好ましい。
【0116】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例としては、例えば3−メチル−4−ア
ミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリ
ン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メ
タンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−
アミノ−N−エチル−β−メトキシエチルアニリン及び
これらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン
酸塩が挙げられる。これらの中で、特に、3−メチル−
4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルア
ニリン硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ
2種以上併用することもできる。
【0117】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、
臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチ
アゾール類もしくはメルカプト化合物のような、例えば
現像抑制剤またはカブリ防止剤を含むのが一般的であ
る。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチル
ヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボキ
シメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミ
カルバジド類、トリエタノールアミン、カテコールスル
ホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールのような有機溶剤、ベンジルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、ア
ミン類のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カ
プラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助
現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノ
ポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボ
ン酸に代表されるような各種キレート剤、例えば、エチ
レンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロ
キシエチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N
−テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ
(o−ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表
例として挙げることができる。
【0118】次に発色現像液以外の本発明のカラー反転
感光材料の処理液及び処理工程について説明する。
【0119】本発明のカラー反転感光材料の処理工程の
うち黒色現像から発色現像までの工程は以下の通りであ
る。
【0120】1)黒白現像−水洗−反転−発色現像 2)黒白現像−水洗−光反転−発色現像 3)黒白現像−水洗−発色現像 工程1)〜3)の水洗工程はいずれも、米国特許第4,
804,616号に記載のリンス工程に替えて、処理の
簡易化、廃液の低減を図ることができる。
【0121】次に発色現像以後の工程について説明す
る。
【0122】4)発色現像−調整−漂白−定着−水洗−
安定 5)発色現像−水洗−漂白−定着−水洗−安定 6)発色現像−調整−漂白−水洗−定着−水洗−安定 7)発色現像−水洗−漂白−水洗−定着−水洗−安定 8)発色現像−漂白−定着−水洗−安定 9)発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定 10)発色現像−漂白−漂白定着−定着−水洗−安定 11)発色現像−漂白−水洗−定着−水洗−安定 12)発色現像−調整−漂白定着−水洗−安定 13)発色現像−水洗−漂白定着−水洗−安定 14)発色現像−漂白定着−水洗−安定 15)発色現像−定着−漂白定着−水洗−安定 4)から15)の処理工程において、安定工程の直前の
水洗工程は除去されてもよく、又逆に最終工程の安定工
程は行なわれなくてもよい。前記の工程1)〜3)のい
ずれかひとつと4)〜15)の工程のいずれかひとつと
がつながって、カラー反転工程が形成される。
【0123】次に本発明のカラー反転処理工程の処理液
について説明する。
【0124】本発明に用いられる黒白現像液には、公知
の現像主薬を用いることができる。現像主薬としては、
例えばジヒドロキシベンゼン類(たとえばハイドロキノ
ン)、3−ピラゾリドン類(たとえば1−フェニル−3
−ピラゾリドン)、アミノフェノール類(たとえばN−
メチル−p−アミノフェノール)、1−フェニル−3−
ピラゾリン類、アスコルビン酸及び米国特許第4,06
7,872号に記載の1,2,3,4−テトラヒドロキ
ノリン環とインドレン環とが縮合したような複素環化合
物を、単独もしくは組合せて用いることができる。
【0125】本発明に用いる黒白現像液には、その他必
要により、例えば保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸
塩)、緩衝剤(例えば、炭酸塩、硼酸、硼酸塩、アルカ
ノールアミン)、アルカリ剤(例えば、水酸化物、炭酸
塩)、溶解錠剤(例えば、ポリエチレングリコール類、
これらのエステル)、pH調整剤(例えば、酢酸の如き有
機酸)、増感剤(例えば、四級アンモニウム塩)、現像
促進剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤、粘性付与剤を含
有させることができる。
【0126】本発明に用いる黒白現像液にはハロゲン化
銀溶剤として作用する化合物を含ませる必要があるが、
通常は上記の保恒剤として添加される亜硫酸塩がその役
目を果す。この亜硫酸塩及び他の使用しうるハロゲン化
銀溶剤としては、具体的には、例えばKSCN、NaS
CN、K2 SO3 、Na2 SO3 、K2 2 5 、Na
2 2 5 、K2 2 3 、Na2 2 3 を挙げるこ
とができる。
【0127】このようにして調整された現像液のpH値は
所望の濃度とコントラストを与える十分な程度に選択さ
れるが、約8.5〜約11.5の範囲にある。
【0128】かかる黒白現像液を用いて増感処理を行う
には通常、標準処理の最大3倍程度迄の時間延長を行え
ばよい。このとき処理温度を上げれば、増感処理のため
の延長時間を短縮することができる。
【0129】これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは
9〜12であることが一般的である。またこれらの現像
液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよる
が、一般に感光材料1平方メートル当たり3リットル以
下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させてお
くことにより500ml以下にすることもできる。補充量
を低減する場合には処理槽の空気との接触面積を小さく
することによって液の蒸発、空気酸化を防止することが
好ましい。
【0130】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下に定義する開口率で表わすことができる。
【0131】即ち、 開口率=[処理液と空気との接触面積(cm2 )]÷[処
理液の容量(cm3 )] 上記の開口率は、0.1以下であることが好ましく、よ
り好ましくは0.001〜0.05である。このように
開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液
面に例えば浮き蓋のような遮蔽物を設けるほかに、特開
平1−82033号に記載された可動蓋を用いる方法、
特開昭63−216050号に記載されたスリット現像
処理方法を挙げることができる。開口率を低減させるこ
とは、発色現像及び黒白現像の両工程のみならず、後続
の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定
化の全ての工程において適用することが好ましい。ま
た、現像液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用い
ることにより補充量を低減することもできる。
【0132】黒白現像後に用いられる反転浴には公知の
カブラセ剤を含むことができる。すなわち、例えば第1
スズイオン−有機リン酸錯塩(米国特許第3,617,
282号明細書)、第1スズイオン有機ホスホノカルボ
ン酸錯塩(特公昭56−32616号公報)、第1スズ
イオン−アミノポリカルボン酸錯塩(米国特許第1,2
09,050号明細書)のような第1スズイオン錯塩、
例えば水素化ホウ素化合物(米国特許第2,984,5
67号明細書)、複素環アミンボラン化合物(英国特許
第1,011,000号明細書)のようなホウ素化合物
である。このカブラセ浴(反転浴)のpHは、酸性側から
アルカリ性側まで広い範囲に亘っており、pH2〜12、
好ましくは2.5〜10、特に好ましくは3〜9の範囲
である。反転浴のかわりに再露光による光反転処理を行
なってもよく、又上記カブラセ剤を発色現像液に添加す
ることにより、反転工程を省略することもできる。
【0133】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、発色現像後漂白処理又は漂白定着処理される。これ
らの処理は発色現像後他の処理工程を経ることなく、直
ちに行なわれてもよいし、不用な後現像、空気カブリを
防止し、脱銀工程への発色現像液の持ち込みを低減する
ために、また写真感光材料中に含まれる、例えば増感色
素、染料のような感材部分及び写真感光材料に含浸され
た発色現像主薬の洗い出し、無害化を行なうために、発
色現像処理後、例えば停止、調整、水洗のような処理工
程を経た後漂白処理又は漂白定着処理されてもよい。
【0134】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)のような多
価金属の化合物、例えば過酸類、キノン類、ニトロ化合
物が用いられる。代表的漂白剤としては鉄(III)の有機
錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチル
イミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリ
コールエーテルジアミン四酢酸、のようなアミノポリカ
ルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの
錯塩を用いることができる。これらのうちエチレンジア
ミン四酢酸鉄(III)錯塩、及び1,3−ジアミノプロパ
ン四酢酸鉄(III)錯塩を始めとするアミノポリカルボン
酸鉄(III)錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から好
ましい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は漂
白液においても、漂白定着液においても特に有用であ
る。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用い
た漂白液又は漂白定着液のpHは通常4.0〜8である
が、処理の迅速化のためにさらに低いpHで処理すること
もできる。
【0135】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:例えば米国特許第3,893,858号、西独特
許第1,290,812号、同2,059,988号、
特開昭53−32736号、同53−57831号、同
53−37418号、同53−72623号、同53−
95630号、同53−95631号、同53−104
232号、同53−124424号、同53−1416
23号、同53−28426号、リサーチ・ディスクロ
ージャーNo.17129号(1978年7月)に記載の
メルカプト基またはジスフィド基を有する化合物;特開
昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導体;
特公昭45−8506号、特開昭52−20832号、
同53−32735号、米国特許第3,706,561
号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,127,7
15号、特開昭58−16,235号に記載の沃化物
塩;西独特許第966,410号、同2,748,43
0号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45
−8836号記載のポリアミン化合物;その他特開昭4
9−40,943号、同49−59,644号、同53
−94,927号、同54−35,727号、同55−
26,506号、同58−163,940号記載の化合
物;臭化物イオンが使用できる。なかでもメルカプト基
またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果が大き
い観点で好ましく、特に米国特許第3,893,858
号、西独特許第1,290,812号、特開昭53−9
5,630号に記載の化合物が好ましい。更に、米国特
許第4,552,834号に記載の化合物も好ましい。
これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用
のカラー感光材料を漂白定着するときにこれらの漂白促
進剤は特に有効である。
【0136】漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他
に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させる
ことが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数(p
Ka)が2〜5である化合物で、具体的には、例えば酢
酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸が好ましい。
【0137】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
しては、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエー
テル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩をあげるこ
とができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特に
チオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、
例えばチオ硫酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化
合物、チオ尿素の併用も好ましい。定着液や漂白定着液
の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル
重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第294769A号に
記載のスルフィン酸化合物が好ましい。更に、定着液や
漂白定着液には液の安定化の目的で、各種アミノポリカ
ルボン酸類や有機ホスホン酸類の添加が好ましい。
【0138】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。
好ましい温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ
処理後のステイン発生が有効に防止される。
【0139】脱銀工程においては、撹拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。撹拌強化の具体的な方法
としては、特開昭62−183460号に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62−183461号の回転手段を用いて撹拌効果を上
げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと
乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面
を乱流化することによってより撹拌効果を向上させる方
法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられ
る。このような撹拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、
定着液のいずれにおいても有効である。撹拌の向上は乳
剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱
銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の撹拌向
上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であ
り、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定
着阻害作用を解消させることができる。
【0140】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭60−191257号、同60−19125
8号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手
段を有していることが好ましい。前記の特開昭60−1
91257号に記載のとおり、このような搬送手段は前
浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理
液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は
各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減
に特に有効である。
【0141】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラーのような使用素材による)、用途、更
には水洗水温、水洗タンクの数(段数)、例えば向流、
順流の補充方式、その他種々の条件によって広範囲に設
定し得る。このうち、多段向流方式における水洗タンク
数と水量の関係は、Journal of the S
ociety of MotionPicture a
nd Television Engineers 第
64巻、P.248〜253(1955年5月号)に記
載の方法で、求めることができる。前記文献に記載の多
段向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、
タンク内における水の滞留時間の増加により、バクテリ
アが繁殖し、例えば生成した浮遊物が感光材料に付着す
るという問題が生じる。本発明のカラー感光材料の処理
において、このような問題の解決策として、特開昭62
−288,838号に記載のカルシウムイオン、マグネ
シウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用いるこ
とができる。また、例えば特開昭57−8,542号に
記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、
塩素化イソシアヌール酸ナトリウムのような塩素系殺菌
剤、その他例えばベンゾトリアゾール、堀口博著「防菌
防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編
「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業
技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(19
86年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0142】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗水
温、水洗時間も、例えば感光材料の特性、用途で種々設
定し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10
分、好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選
択される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代
り、直接安定液によって処理することもできる。このよ
うな安定化処理においては、特開昭57−8543号、
同58−14834号、同60−220345号に記載
の公知の方法はすべて用いることができる。
【0143】また、前記水洗処理に続いて、更に安定化
処理する場合もあり、その例として、撮影用カラー感光
材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界面活
性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素安定
化剤としては、例えばホルマリンやグルタルアルデヒド
のようなアルデヒド類、N−メチロール化合物、ヘキサ
メチレンテトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸付加物を
挙げることができる。この安定浴にも各種キレート剤や
防黴剤を加えることもできる。
【0144】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は例えば脱銀工程のような他の工程にお
いて再利用することもできる。
【0145】例えば自動現像機を用いた処理において、
上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、水を
加えて濃縮補正することが好ましい。
【0146】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵し
ても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレ
カーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,
342,597号記載のインドアニリン系化合物、同第
3,342,599号、リサーチ・ディスクロージャー
14,850及び同15,159に記載のシッフ塩基型
化合物、同13,924号記載のアルドール化合物、米
国特許第3,719,492号記載の金属塩錯体、特開
昭53−135628号記載のウレタン系化合物を挙げ
ることができる。
【0147】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型
的な化合物は、例えば特開昭56−64339号、同5
7−144547号、および同58−115438号に
記載されている。
【0148】本発明における各種処理液は10℃〜50
℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度が
標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間
を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液
の安定性の改良を達成することができる。
【0149】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を実施例によって具体的に説
明するがこれに限定されるものではない。 試料101の作製 下塗りを施した厚み127μの三酢酸セルロースフィル
ム支持体上に、下記の組成の各層より成る多層カラー感
光材料を作製し、試料101とした。数字はm2 当りの
添加量を表わす。なお添加した化合物の効果は記載した
用途に限らない。 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.20g ゼラチン 1.9 g 紫外線吸収剤U−1 0.1 g 紫外線吸収剤U−3 0.04g 紫外線吸収剤U−4 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 染料E−1の微結晶固体分散物 0.1 g 第2層:中間層 ゼラチン 0.40g 化合物Cpd−C 5 mg 化合物Cpd−J 5 mg 化合物Cpd−K 3 mg 高沸点有機溶媒Oil−3 0.1 g 染料D−4 0.4 mg 第3層:中間層 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm 、 変動係数18%、AgI含量1モル%) 銀量 0.05g ゼラチン 0.4 g 第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.1 g 乳剤B 銀量 0.4 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.15g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.05g カプラーC−8 0.05g 化合物Cpd−C 10 mg 高沸点有機溶媒Oi1−2 0.1 g 添加物P−1 0.1 g 第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤B 銀量 0.2 g 乳剤C 銀量 0.3 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.2 g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.2 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 添加物P−1 0.1 g 第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤D 銀量 0.4 g ゼラチン 1.1 g カプラーC−1 0.3 g カプラーC−2 0.1 g カプラーC−3 0.7 g 添加物P−1 0.1 g 第7層:中間層 ゼラチン 0.6 g 添加物M−1 0.3 g 混色防止剤Cpd−I 2.6 mg 紫外線吸収剤U−1 0.01g 紫外線吸収剤U−2 0.002g 紫外線吸収剤U−5 0.01g 染料D−1 0.02g 化合物Cpd−C 5 mg 化合物Cpd−J 5 mg 化合物Cpd−K 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g 第8層:中間層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm 、 変動係数16%、AgI含量0.3モル%) 銀量 0.02g ゼラチン 1.0 g 添加物P−1 0.2 g 混色防止剤Cpd−A 0.1 g 第9層:低感度緑感性乳剤層 乳剤E 銀量 0.1 g 乳剤F 銀量 0.2 g 乳剤G 銀量 0.2 g ゼラチン 0.5 g カプラーC−7 0.35g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−C 10 mg 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.02g 化合物Cpd−G 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 第10層:中感度緑感性乳剤層 乳剤G 銀量 0.3 g 乳剤H 銀量 0.1 g ゼラチン 0.6 g カプラーC−4 0.3 g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.05g 化合物Cpd−G 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.01g 第11層:高感度緑感性乳剤層 乳剤I 銀量 0.5 g ゼラチン 1.0 g カプラーC−4 0.5 g 化合物Cpd−B 0.08g 化合物Cpd−C 5 mg 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.02g 化合物Cpd−G 0.02g 化合物Cpd−J 5 mg 化合物Cpd−K 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.02g 第12層:中間層 ゼラチン 0.6 g 第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.07g ゼラチン 1.1 g 混色防止剤Cpd−A 0.01g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.01g 染料E−2の微結晶固体分散物 0.05g 第14層:中間層 ゼラチン 0.6 g 第15層:低感度青感性乳剤層 乳剤J 銀量 0.2 g 乳剤K 銀量 0.3 g 乳剤L 銀量 0.1 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−5 0.2 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−9 0.4 g 第16層:中感度青感性乳剤層 乳剤L 銀量 0.1 g 乳剤M 銀量 0.4 g ゼラチン 0.9 g カプラーC−5 0.3 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−9 0.1 g 第17層:高感度青感性乳剤層 乳剤N 銀量 0.4 g ゼラチン 1.2 g カプラーC−5 0.3 g カプラーC−6 0.6 g カプラーC−9 0.1 g 第18層:第1保護層 ゼラチン 0.7 g 紫外線吸収剤U−1 0.2 g 紫外線吸収剤U−2 0.05g 紫外線吸収剤U−5 0.3 g ホルマリンスカベンジャー Cpd−H 0.4 g 染料D−1 0.1 g 染料D−2 0.05g 染料D−3 0.1 g 第19層:第2保護層 コロイド銀 銀量 0.1 mg 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm 、AgI含量1モル%) 銀量 0.1 g ゼラチン 0.4 g 第20層:第3保護層 ゼラチン 0.4 g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5μ) 0.1 g メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体 (平均粒径1.5μ) 0.1 g シリコーンオイル 0.03g 界面活性剤W−1 0.03g また、すべての乳剤層には上記組成物の他に添加剤F−
1〜F−8を添加した。さらに各層には上記組成物の他
にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化用界面活性剤
W−2、W−3、W−4、W−5を添加した。
【0150】更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,
2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシ
エタノール、フェネチルアルコールを添加した。
【0151】以上の試料101の作製に用いた沃臭化銀
乳剤は、下記表1に示す通りである。
【0152】
【表1】 また、これら乳剤A〜Nの分光増感は、下記表2及び表
3に示す通りである。
【0153】
【表2】
【0154】
【表3】 更に、以上の試料101の作製に用いた各種化合物は、
下記化16〜化29に示す通りである。
【0155】
【化16】
【0156】
【化17】
【0157】
【化18】
【0158】
【化19】
【0159】
【化20】
【0160】
【化21】
【0161】
【化22】
【0162】
【化23】
【0163】
【化24】
【0164】
【化25】
【0165】
【化26】
【0166】
【化27】
【0167】
【化28】
【0168】
【化29】 試料102〜117の作製 試料101において、第9層から第11層に添加したカ
プラーのC−7、C−4のかわりに下記化30に示した
ように、比較化合物A、B、C及び本発明のカプラーと
等モル置き換えして添加した以外試料101と同様にし
て作製した。
【0169】
【化30】 このようにして得られた試料101〜117をストリッ
プス形態に裁断後、光学ウェッジを通して露光を行っ
た。その後下記現像処理工程、及び調整液中からホルム
アルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物を除去しかつ安定
浴からホルマリンを除去した処理工程にて現像した。そ
れぞれの処理工程を前者を処理工程(1)、後者を処理
工程(2)とする。
【0170】 処理工程 時間 温度 タンク容量 補 充 量 第一現像 6分 38℃ 12リットル 2200ミリリットル/m2 第一水洗 2分 38℃ 4リットル 7500ミリリットル/m2 反 転 2分 38℃ 4リットル 1100ミリリットル/m2 発色現像 6分 38℃ 12リットル 2200ミリリットル/m2 調 整 2分 38℃ 4リットル 1100ミリリットル/m2 漂 白 6分 38℃ 12リットル 220ミリリットル/m2 定 着 4分 38℃ 8リットル 1100ミリリットル/m2 第二水洗 4分 38℃ 8リットル 7500ミリリットル/m2 安 定 1分 25℃ 2リットル 1100ミリリットル/m2 各処理液の組成は以下の通りであった。 [第一現像液] [タンク液] [補充液] ニトリロ−N,N,N−トリメチレン ホスホン酸・5ナトリウム塩 1.5g 1.5g ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム塩 2.0g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 30 g 30 g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20 g 20 g 炭酸カリウム 15 g 20 g 重炭酸ナトリウム 12 g 15 g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシ メチル−3−ピラゾリドン 1.5g 2.0g 臭化カリウム 2.5g 1.4g チオシアン酸カリウム 1.2g 1.2g ヨウ化カリウム 2.0mg − ジエチレングリコール 13 g 15 g 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH 9.60 9.60 pHは塩酸又は水酸化カリウムで調整した。 [反転液] [タンク液] [補充液] ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・ 5ナトリウム塩 3.0g タンク液に同じ 塩化第一スズ・2水塩 1.0g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 8 g 氷酢酸 15 ml 水を加えて 1000 ml pH 6.00 pHは塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。 [発色現像液] [タンク液] [補充液] ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・ 5ナトリウム塩 2.0g 2.0g 亜硫酸ナトリウム 7.0g 7.0g リン酸3ナトリウム・12水塩 36 g 36 g 臭化カリウム 1.0g − ヨウ化カリウム 90 mg − 水酸化ナトリウム 3.0g 3.0g シトラジン酸 1.5g 1.5g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3− メチル−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 11 g 11 g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1.0g 1.0g 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH 11.80 12.00 pHは塩酸又は水酸化カリウムで調整した。 [調整液] [タンク液] [補充液] エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 8.0g 8.0g 亜硫酸ナトリウム 12 g 12 g 1−チオグリセロール 0.4g 0.4g ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物 30 g 35 g 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH 6.30 6.10 pHは塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。 [漂白液] [タンク液] [補充液] エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 2.0g 4.0g エチレンジアミン4酢酸・Fe(III)・アンモニウム・2水塩 120 g 240 g 臭化カリウム 100 g 200 g 硝酸アンモニウム 10 g 20 g 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH 5.70 5.50 pHは塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。 [定着液] [タンク液] [補充液] チオ硫酸アンモニウム 80 g タンク液に同じ 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000 ml pH 6.60 pHは塩酸又はアンモニア水で調整した。 [安定液] [タンク液] [補充液] ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02g 0.03g ホルマリン(37%) 5.0ml 5.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニル エーテル(平均重合度10) 0.3g 0.3g 水を加えて 1000 ml 1000 ml pH 7.0 7.0 各試料のマゼンタ濃度を測定した後、60℃,70%R
Hの条件に一週間保存しマゼンタ色像の画像保存性を評
価した。具体的には各々の試料の保存後のマゼンタ色像
の特性曲線を測定し、保存前濃度0.5の位置の残存濃
度の差、即ち (処理工程(1)で処理した試料の残存濃度) −(処理工程(2)で処理した試料の残存濃度) の値により、マゼンタ画像の色像堅牢性に対する処理工
程中のホルマリンの影響を評価した。この値が小さい
程、ホルマリンによる影響が小さい。得られた結果を表
4に示した。
【0171】次に粒状性を評価するために通常用いられ
ているRMS粒状性を測定した。測定アパーチャーは4
8μm φである。結果を下記表4にまとめて示した。
【0172】
【表4】 上記表4より明らかなように、処理工程中においてホル
マリン処理を行わないと、C−4、C−7のカプラーで
は著しいマゼンタ色像の退色が起こる(試料101)。
この問題は比較化合物AあるいはBを用いることによっ
て解決することができるが(試料102,103)その
際には粒状性が悪化するという新たな問題が生ずる。こ
れに対して本発明のカプラーは表7に示す通り、1−フ
ェニル−5−ピラゾロンカプラーの中でも本発明に示す
特定の置換基を持たせることによりこれらの問題を解決
することができることは明らかである。
【0173】尚、ここでいう「ホルマリンを除去する」
の意味は環境問題等が許す限りのホルマリンを含有する
ことを含み、本発明の効果が発現する限り本発明の範囲
内である。この含有量はホルムアルデヒド濃度として1
0ppm 以下、特に1ppm 以下である。 (実施例2) 試料201〜204の作製 実施例1において作製した試料101において第9層か
ら第11層に添加したカプラーC−7、C−4の代わり
に下記化31に示したように、比較化合物D及び本発明
のカプラーと等モル置き換えして添加した以外試料10
1と同様にして作製した。
【0174】
【化31】 得られた試料201〜204を試料101と共にストリ
ップス形態に裁断後、光学ウェッジを通して露光を行っ
た。
【0175】また、別途、露光前の保存性を見る目的で
試料201〜204を試料101と共に60℃、30%
RHの条件に3日間保存後、同様に光学ウェッジを通し
て露光を行った。その後、各試料を実施例1に示した2
つの現像処理工程で現像した後、各試料のマゼンタ濃度
を測定した。このとき得られたDmax 値を下記表5に示
す。次にマゼンタ色像の画像保存性を実施例1と同様の
方法で評価した。得られた結果をまとめて下記表5に示
す。
【0176】
【表5】 *保存後とは露光前に60℃、30%RHの条件に3日
間保存した場合を示し、保存前とは該条件にさらすこと
なく現像処理を施したことを示す。
【0177】表5より、現像処理工程中でホルマリン処
理を行わなくても比較化合物Dではマゼンタ色像の退色
は起こらないかのように受けとれる(試料201)。し
かしながら、本明細書中に引用したようにP.W.Vi
ttumらは、ピラゾロンカプラーが該アゾメチン色素
と反応して退色を引き起こすと指摘している。このこと
は即ち、安定性の低いカプラーにおいては、該カプラー
が色素と反応して退色を引き起こす前にカプラー自身が
分解するため、結果として色素の退色が起こりにくくな
ることを意味する。これを確認するために試料201の
露光前にさらされた保存条件との差を比較してみると、
60℃、30%RHの条件に3日間さらした後で、マゼ
ンタ濃度の著しい低下が見られることから比較化合物D
の安定性が低いことは明らかであり、そのために退色が
起こりにくくなっていると結論づけられる。
【0178】それに対して本発明のカプラーは該保存条
件後に現像処理を行ってもマゼンタ濃度の低下は起こら
ないことから、その後の画像の保存条件下においても残
存した未発色のカプラーは安定に存在していると考えら
れる。それにも拘らずホルマリン処理を施さなくともマ
ゼンタ色像の退色が悪化しないことを表5は述べてお
り、これは比較化合物Dから容易に類推できるものでは
ない。 (実施例3)特開平2−44345号の実施例中におい
て、試料101中のEx−11を等モル量本発明の化合
物I−1、I−8、I−12、I−26に置き換える以
外は試料101と全く同様にして各々試料を作成し、こ
れを露光後、該実施例中の処理工程中から、安定液から
ホルマリンを除去した処理工程にて処理したところ得ら
れたマゼンタ画像は粒状性の点では試料101と同等で
あり、色像堅牢性については試料101より優れた好ま
しいものであった。
【0179】
【発明の効果】本発明のカプラーを用いることにより、
安定浴からホルマリンを除去した場合においても粒状
性、色像堅牢性に優れた画像を与えることは明らかであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
    いて、該感光材料を構成する少なくとも一層のハロゲン
    化銀乳剤層は、下記化1に示される一般式(I)で表わ
    されるカプラーを含むことを特徴とするハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。 【化1】 式中、R1 は置換基を表わす。nは0〜4の整数を表わ
    す。R2はアルキル基またはアリール基を表わす。R3
    は式R4 (R5 )N−又はR6 O−で表わされる基であ
    る。このときR4 およびR5 は同一でも異なっていても
    よく、各々水素原子、アルキル基またはアリール基を表
    わし、R6 はアルキル基を表わす。R2 とR4 、R2
    5 、R2 とR6 、R4 とR5 は各々共同で環を形成し
    ていてもよい。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写
    真感光材料を実質的にホルマリンを含まない処理液で処
    理することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
    料の処理方法。
JP28726191A 1991-10-08 1991-10-08 ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその処理方法 Pending JPH05100388A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6010837A (en) * 1996-04-30 2000-01-04 Eastman Kodak Company Silver halide photographic element comprising image dye-forming couplers

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US6010837A (en) * 1996-04-30 2000-01-04 Eastman Kodak Company Silver halide photographic element comprising image dye-forming couplers

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