JPH048379Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、電力ケーブルの絶縁試験用シールド
ケースに関するものである。

［考案の技術的背景］ 電力ケーブルの絶縁試験装置として、電力ケー
ブルの直流漏れ電流と部分放電とを同時に測定す
る装置は公知である。この電力ケーブルの絶縁試
験装置では、被測定ケーブル端に、センサ、課電
用リードケーブルが設置される。

第４図は、センサ、課電用リードケーブルの取
付け順序を示したものである。

まず、第４図ａに示したように、被測定ケーブ
ル終端の導体引出棒１にセンサ２を取付け、次い
で第４図ｂに示したように、碍子３の周囲にガー
ド電極４を取付ける。続いて、第４図ｃに示した
ように、センサ２の端部に課電用リードケーブル
５を取付け、次いで第４図ｄに示したように、被
測定ケーブル終端の導体引出棒１とセンサ２およ
びセンサ２と課電用リードケーブル５間の２個所
にアルミ箔６，６を巻付けて作業を終了する。

このように、従来は、電力ケーブルの絶縁試験
に際し、その準備作業が極めて煩雑であり、しか
もシールド効果も完全とはいえなかつた。

［考案の目的］ 本考案の目的は、このような問題点に鑑みて、
電力ケーブルの絶縁試験が容易になり、しかも完
全なシールド効果が得られるシールドケースを提
供することにある。

［考案の概要］ 本考案の電力ケーブルの絶縁試験用シールドケ
ースは、ケーブル終端の先端部に装着されるシー
ルドケースであつて、課電用リード線をケース内
部に挿通させる挿通孔とケース内部に設けられた
絶縁板とを備え、前記絶縁板に前記挿通孔を介し
てケース内部に収納された前記課電用リード線の
接続部が接続されるコネクタと、前記先端部のケ
ーブル導体に嵌着する接触子とを設けたものであ
り、このシールドケースの接触子を被測定ケーブ
ルまたはガード返しケーブルのケーブル端に嵌着
させることによつてシールドケースの開口を被測
定ケーブルまたはガード返しケーブルの碍子に接
してシールドケースを装備させるようにし、もつ
て上記目的を達成している。

［考案の実施例］ 以下図面を参照して本考案を説明する。

第１図は、本考案に係る電力ケーブルの絶縁試
験用シールドケースの代表例を示したものであ
る。

このシールドケース１０は、ケース１１の下端
に開口１２を有し、周壁に同軸ケーブルのような
リード線用孔１３と光フアイバ用孔１４を備えて
いる。また、ケース１１の内部には、絶縁板１５
が固定設置されている。そして、この絶縁板１５
には、その中央にブラシのような接触子１６が配
設され、上面にセンサ回路基板１７および光フア
イバ用コネクタ１８が設置され、さらに下面に同
軸ケーブルのようなリード線用コネクタ１９が設
置されている。

このように構成されたシールドケース１０は、
接触子１６を、第１図に示すように、被測定ケー
ブル２０（第２図）のケーブル終端の導体引出棒
２０ａに嵌着させることによつて、該ケーブル終
端の導体引出棒２０ａに保持させる。このように
した保持されたシールドケース１０は、その開口
１２が碍子２１に密接される。そして、シールド
ケース１０のコネクタ１８には、孔１４に挿通さ
せた光フアイバ２２の一端が連結され、またコネ
クタ１９には、孔１３に挿通させた同軸ケーブル
のようなリード線２３の一端が連結される。コネ
クタ１９とセンサ回路基板１７及びセンサ回路基
板１７と接触子１６とは、それぞれ電気的に接続
されており、リード線２３、コネクタ１９、セン
サ回路基板１７、接触子１６を介して、導体引出
棒２０ａに図示しない高圧直流電圧が印加され、
絶縁試験が行なわれる。なお、光フアイバ２２の
他端は、図示しないモニタに接続され、またリー
ド線２３の他端は、第２図に示したように、ガー
ド返しケーブル２４の測定端に嵌着させたシール
ドケース２５を介して課電用ケーブル２６に接続
される。

なお、上記実施例では、センサを備えたシール
ドケース１０について示したが、本考案は第２図
において符号３０で示した被測定ケーブル２０お
よびガード返しケーブル２４の遠方端に設置され
るシールドケースにも適用できる。

第３図は、そのシールドケース３０を示したも
のである。このシールドケース３０は、ケース３
１の下端に開口３２を有し、周壁にリード線用孔
３３を備えている。また、ケース３１の内部に
は、絶縁板３４が固定設置されている。そして、
この絶縁板３４には、その中央にブラシのような
接触子３５が配設され、下面にリード線用コネク
タ３６が設置されている。

このシールドケース３０は、接触子３５を被測
定ケーブル２０またはガード返しケーブル２４の
ケーブル端に嵌着させることによつてケーブル終
端の導体引出棒に保持させる。このようにして保
持されたシールドケース３０は、その開口３２が
各テーブル終端部の碍子３７，３８に密接され
る。そして、シールドケース３０のコネクタ３６
には、孔３３に挿通させたリード線３９の端部が
連結される。

［考案の効果］ 上記したように、本考案に係る電力ケーブルの
絶縁試験用シールドケースは、その接触子をケー
ブル導体引き出し棒に嵌着するように構成されて
いるので、極めて簡単に被測定ケーブルおよびガ
ード返しケーブル端に装脱着することができ、し
たがつて絶縁試験の準備作業の短縮が図れる。ま
た課電用リード線の接続部とコネクタとがシール
ドケースの内部で接続されることにより、安定し
たシルード効果が得られ、正確な測定結果を得る
ことができる。さらに本考案の絶縁試験用シール
ドケースは課電用リード線を接続するコネクタと
ケーブル導体に嵌着する接触子とが一つの絶縁板
に固定されているので、構造が簡単で、組み立
て、製造が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電力ケーブルの絶縁試験
用シールドケースの一実施例を示した縦断面図、
第２図はそのシールドケースの設置態様を示した
斜視図、第３図は本考案に係る電力ケーブルの絶
縁試験用シールドケースの他の実施例を示した縦
断面図、第４図は従来の電力ケーブルの絶縁試験
における準備作業を示した図である。 １０……シールドケース、１１……ケース、１
２……開口、１３，１４……孔、１５……絶縁
板、１６……接触子、１８，１９……コネクタ、
２０……被測定ケーブル、２１……碍子、２２…
…光フアイバ、２３……リード線、２４……ガー
ド返しケーブル、２５……シールドケース、２６
……課電用ケーブル、３０……シールドケース、
３１……ケース、３２……開口、３３……孔、３
４……絶縁板、３５……接触子、３６……コネク
タ、３７，３８……碍子、３９……リード線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブル終端の先端部に装着されるシールドケ
   ースであつて、課電用リード線をケース内部に挿
   通させる挿通孔とケース内部に設けられた絶縁板
   とを備え、前記絶縁板に前記挿通孔を介してケー
   ス内部に収納された前記課電用リード線の接続部
   が接続されるコネクタと、前記先端部のケーブル
   導体に嵌着する接触子とを設けたことを特徴とす
   る電力ケーブルの絶縁試験用シールドケース。