JPH054696Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えばケーブル、変圧器、回転器等
の高電圧用電気機器の絶縁特性試験用測定器に用
いられる高電圧コネクタに関するものである。

［従来の技術］ 例えば、高電圧用電気機器は高度の絶縁抵抗、
絶縁耐電圧等の絶縁特性が要求される。これらの
絶縁特性の劣化の初期においては、規定の高電圧
を印加中に電気的弱点部において部分放電を呼ば
れる極めて微小な電荷のコロナ放電を生ずること
が知られており、この現象を応用した絶縁特性の
監視法が近年広く用いられるようになつている。
部分放電測定用のリード線は、被測定電気機器に
印加されている高電圧に耐え得ると共に、微小な
コロナ放電によるパルス性の信号を忠実に伝達す
る必要がある。

しかし、高電圧が印加されるリード線の端末部
は、例えば測定用のリード線であつても、十分な
耐電圧特性を満すためのかなりの沿面距離を必要
とし、ブツシングを使用する場合には大きな容積
のものとなり、しかも着脱に時間を要するという
欠点がある。

また、測定用のリード線端末部としては、迅速
に着脱でき、取り扱いに便利なコネクタ形式のも
のが有利であるが、その場合にレセプタクルの挿
込接続端子は突出しているために変形し易い問題
がある。

［考案の目的］ 本考案の目的は、上述の問題点にを解消し、沿
面距離を大きくして耐電圧特性を良好にすると共
に、レセプタクルの挿込接続端子を周囲の絶縁部
材、金属部材により保護するようにした小型の高
電圧コネクタに関するものである。

［考案の概要］ 上述の目的を達成するための本考案の要旨は、
円筒状の受接続端子と該受接続端子に嵌合するピ
ン状の挿込接続端子とをそれぞれ収納したプラグ
とレセプタクルから成り、該プラグには前記受接
続端子の周囲を保持するための電気絶縁材料から
成る第１の内装部材と該第１の内装部材の周囲に
離隔的に配置した金属製の第１のガイドスリーブ
とを設け、前記レセプタクルには前記挿込接続端
子を保持するための電気絶縁材料から成り前記挿
込接続端子の周囲に離隔的に配置し前記プラグの
第１の内装部材の外側に位置する円筒状の第２の
内装部材と該第２の内装部材の周囲に離隔的に配
置し前記プラグの第１のガイドスリーブの外側に
位置する金属製の第２のガイドスリーブとを設
け、前記レセプタクルの前記挿込接続端子、第２
の内装部材、第２のガイドスリーブの各前端部を
ほぼ同一の突出位置とし、前記第１、第２のガイ
ドスリーブを互いに係合する回転方向位置決め手
段を設け、前記第１、第２のガイドスリーブを連
結する連結手段を設けたことを特徴とする高電圧
コネクタである。

［考案の実施例］ 本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

図面第１図、第２図において、１はリード線を
取り付けるためのプラグであり、２はパネル側に
取り付けるレセプタクルであつて、それぞれ例え
ば４個ずつの円筒状のソケツトコンタクト３、ピ
ン状のピンコンタクト４を有している。

プラグ１においては、ソケツトコンタクト３は
合成樹脂材から成る絶縁部材５により覆われ、つ
まり円柱状の第１絶縁部材５ａの４個の孔部内に
それぞれ挿入され、この第１絶縁部材５ａの後部
に連接する板状の第２絶縁部材５ｂによつて固定
され、更にその後部にソケツトコンタクト３のリ
ード線接続部３ａを覆う円筒状の第３絶縁部材５
ｃが連接されている。そして、第１絶縁部材５
ａ、第２絶縁部材５ｂの周囲には第３図ａ，ｂに
示すように前端部にキー溝６ａを有する金属製の
第１ガイドスリーブ６が離隔的に周設され、更に
第１ガイドスリーブ６の周囲には金属製の外装部
材７がねじ込みにより取り付けられている。この
外装部材７の前端部には、金属製のカツプリング
ナツト８が回転自在に取り付けられ、後端部には
リード線固定用のクランプ９が設けられている。

一方、レセプタクル２においては、ピンコンタ
クト４はプラグ１と同様に合成樹脂材から成る絶
縁部材１０により支持されているわけであるが、
ピンコンタクト４はプラグ１の第１絶縁部材５ａ
の周囲に嵌まり込む円筒部を有する第４絶縁部材
１０ａにより囲まれ、第４絶縁部材１０ａの後部
に板状の第５絶縁部材１０ｂが取り付けられてピ
ンコンタクト４を固定するようになつており、更
にその後部にピンコンタクト４のリード線接続部
４ａを覆う円筒状の第６絶縁部材１０ｃが取り付
けられている。そして、これらの絶縁部材１０の
周囲にはレセプタクル２をパネルに固定するため
のフランジ１１ａを有し、プラグ１の第１ガイド
スリーブ６の外側に位置する金属製の第２ガイド
スリーブ１１が周設されている。この第２ガイド
スリーブ１１には、第４図に示すように第１ガイ
ドスリーブ６のキー溝６ａに嵌まり込むキー１１
ｂが設けられている。また、ピンコンタクト４、
第４絶縁部材１０ａの円筒部、第２ガイドスリー
ブ１１の各前端部はほぼ同一の突出位置とされて
いる。

このように構成したプラグ１とレセプタクル２
とを、第２ガイドスリーブ１１のキー１１ｂを第
１ガイドスリーブ６のキー溝６ａに嵌め込むこと
により、回転方向の位置決めをして押し込みなが
ら嵌合し、カツプリングナツト８を第２ガイドス
リーブ１１の前端面に螺合することによりプラグ
１とレセプタクル２の連結が完了する。

このとき、ピンコンタクト４はソケツトコンタ
クト３に嵌入し、これらの嵌合部の周囲には、外
側に向つて第１絶縁部材５ａ、第４絶縁部材１０
ａ、第１ガイドスリーブ６、第２ガイドスリーブ
１１が順次に配置されることになり、機械的に十
分な強度が得られる。また、第１絶縁部材５ａと
第４絶縁部材１０ａとは互いに嵌まり込むため、
十分な沿面距離が得られ耐電圧特性が向上する。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る高電圧コネク
タは、レセプタクルにおいて、絶縁部材同志の重
ね合わせにより十分な沿面距離が得られるため小
型化も可能となり、更には挿込接続端子、絶縁部
材の円筒部、ガイドスリーブの各前端部がほぼ同
一位置にあるために取扱時に挿込接続端子が損傷
を受ける虞れがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る高電圧コネクタの一実施例
を示し、第１図はその一部を断面とした状態の縦
断面図、第２図はレセプタクルの背面図、第３図
ａはプラグのガイドスリーブの正面図、ｂは縦断
面図、第４図はレセプタクルのガイドスリーブの
正面図である。 符号１はプラグ、２はレセプタクル、３はソケ
ツトコンタクト、４はピンコンタクト、５，１０
は絶縁部材、６，１１はガイドスリーブ、６ａは
キー溝、７は外装部材、８はカツプリングナツ
ト、１１ｂはキーである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 円筒状の受接続端子と該受接続端子に嵌合す
   るピン状の挿込接続端子とをそれぞれ収納した
   プラグとレセプタクルから成り、該プラグには
   前記受接続端子の周囲を保持するための電気絶
   縁材料から成る第１の内装部材と該第１の内装
   部材の周囲に離隔的に配置した金属製の第１の
   ガイドスリーブとを設け、前記レセプタクルに
   は前記挿込接続端子を保持するための電気絶縁
   材料から成り前記挿込接続端子の周囲に離隔的
   に配置し前記プラグの第１の内装部材の外側に
   位置する円筒状の第２の内装部材と該第２の内
   装部材の周囲に離隔的に配置し前記プラグの第
   １のガイドスリーブの外側に位置する金属製の
   第２のガイドスリーブとを設け、前記レセプタ
   クルの前記挿込接続端子、第２の内装部材、第
   ２のガイドスリーブの各前端部をほぼ同一の突
   出位置とし、前記第１、第２のガイドスリーブ
   を互いに係合する回転方向位置決め手段を設
   け、前記第１、第２のガイドスリーブを連結す
   る連結手段を設けたことを特徴とする高電圧コ
   ネクタ。 ２ 前記回転方向位置決め手段はキー及びキー溝
   とした実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   高電圧コネクタ。