JPS592533Y2 - 部分放電測定器用リ−ド線コネクタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電線ケーブル、変圧器、回転器等の高電圧用電
気機器の絶縁特性試験用測定器に用いられる測定器用リ
ード線コネクタに関するものである。

高電圧用電気機器な高度の絶縁抵抗、絶縁耐圧等の絶縁
特性が要求される。

これらの絶縁特性の劣化の初期においては、規定の高電
圧を印加中に、電気的弱点において部分放電と呼ばれる
極めて微小な電荷のコロナ放電を生じることが知られて
おり、この現象を応用した絶縁特性の監視法が近年広く
用いられるようになった。

前記の部分放電測定用リード線は、被測定電気機器に印
加されている高電圧に耐えるとともに微小なコロナ放電
によるパルス性の信号を忠実に伝える必要がある。

ところで高電圧の印加されるリード線の端末部は、例え
ば測定用のリード線であっても、充分な耐圧特性を満す
ためかなりの沿面距離を必要とし、ブッシングを使用す
る場合、大きい容積のものとなり、しかも着脱に時間を
要するという欠点がある。

従って測定用のリード線端末としては、迅速に着脱でき
、取扱いに便利なコネクタ形式のものが有利であるが、
その場合、パネル面において占める面積の小さな小型の
構造が望ましい。

上記のような要求を一応満足させる測定器用高電圧コネ
クタとして第１図に示す構造のものが市販されている。

この高電圧用コネクタは同軸構造として形成されたもの
でプラグ１とレセプタクル２からなる。

測定リード用ケーブルの中心導体３Ａは、プラグ１の内
部で、絶縁体４Ａにより外殻５Ａに対して離隔支持され
ている接触子６Ａに半田付されており、測定リード用ケ
ーブルの端部はケーブルの遮蔽導体とともに外殻５Ａに
より遮蔽されている。

ケーブルの中心導体３Ａは接触子６Ａに接続されている
。

レセプタクル２の外部導体５Ｂは測定器パネルに取付け
られ、中心導体の接触子６Ｂは測定器内リード線の中心
導体３Ｂと接続される。

このような構造のコネクタにおいては、中心導体３Ａ、
３Ｂ、接触子６Ａ、６Ｂと、外部導体となる外殻５Ａ、
５Ｂとの間の沿面距離が十分とれない欠点を元来布する
ものであるが、特に接触子６Ａ、６Ｂ、外殻５Ａ、５Ｂ
に不連続個所があり、突起、稜角等の電界集中部が多く
存在することと、絶縁体４Ａ、４Ｂ同志の間の不連続部
中には薄い空気層が存在することにより、コネクタ内部
に部分放電を生じやすい局部的弱点部を備えているもの
である。

従って、かかるコネクタを部分放電に使用すると、被測
定物が部分放電を生ずる以下の電圧において測定器のコ
ネクタが部分放電を生じるため、測定結果に大きな誤差
を伴なうことは避けられない。

ここにおいて本考案の目的は、上述の欠点を解消し、コ
ネクタ部分における部分放電の発生を皆無にする部分放
電測定器用リード線コネクタを提供することにあり、そ
の要旨は、抜挿自在に接続し得る挿込部と受部とから構
成され、前記挿込部は、測定用リード線の遮蔽導体に接
続固定される導電性外殻と、一端に錐体部が形成され他
端は前記外殻内に固着され、かつ前記リード線の周囲に
密着して記けられている棒状絶縁部材と、該棒状絶縁部
材の錐体部より突出している前記リード線の先端に前記
外殻と十分な距離を隔てて設けられ、がつリード線の中
心導体に接続された第１の接触子と、前記棒状絶縁部材
内に埋設され、外殻側においてリード線の遮蔽導体と接
続されリード線に先端に向って拡開する導電性の円錐状
遮蔽体とからなり、前記受部は、パネルにその取付フラ
ンジ部を介して取付けられ、かつ前記挿込部の棒状絶縁
部材を抜挿自在に挿入し得る内径を有し前記外殻と接続
する導電性筒体と、該筒体から十分な距離を隔てて絶縁
離隔して設けられ前記第１の接触子と接続可能なばね弾
性を有する第２の接触子とからなることを特徴とするも
のである。

本考案を第２図に示す実施例により詳細に説明する。

７は挿込部を構成する棒状絶縁部材で、ストレスコーン
９、円柱状のストレスコーン押え１０からなる。

前記棒状絶縁部材７の組立は次のようにして行なわれる
。

例えばケーブル最先端に内部導体３と接続して半田上げ
した接触子１１を設けた先端部を若干残して、内部導体
３とその絶縁層１２からなるリード線の上に絶縁体から
なる紡錘型のストレスコーン９が挿着される。

そしてこのストレスコーン９のケーブル端部反対側のテ
ーパ部に漏斗状に拡開されたケーブル外部遮蔽層１３が
形設され、絶縁体からなるストレスコーン押え１０によ
って固定される。

また、このストレスコーン押え１０の後部には前記外部
遮蔽層１３と電気的に接続した外殻５が前記接触子１１
と十分距離をおいて被着されていて、後述する導電性筒
体１４とカップリングできるようになっている。

一方、受部としては前記外殻５と接続する筒体１４と、
絶縁材１５により支持され筒体１４と十分距離をおいて
配置された例えばコイルスプリングからなる灯色接触子
１６とから構成されている。

筒体１４は前記棒状絶縁部材７の外径よりも僅かに大き
い内径を有し、取付フランジ部１７により測定器パネル
１８に構設されていて、ストレスコーン押え１０を介し
て棒状絶縁部材７を保持し、外殻５と筒体１４を係合す
るとその先端の接触子１１と灯色接触子１６が接続する
ようになっている。

従って、棒状絶縁部材７を筒体１４に挿込んだ場合に、
漏斗状の外部遮蔽層の先端部が筒体１４よりも十分内部
に達していれば、筒体１４の内部導体３に対する影響を
無視することができるし、外部遮蔽層１３自体もストレ
スコーン９に沿って立上っているので電界集中部がない
。

また、筒体１４と灯色接触子１６周辺の導電部との距離
をも十分とれば筒体１４の突起部の影響も除くことがで
きることになる。

例えば外殻５の径２５ｍｍ、筒体１４と灯色接触子１６
の距離を約７９ｍｍとした小型の高電圧コネクタを試作
したところ、約１０ｋｖ程度まで部分放電を防止したも
のが得られた。

ストレスコーン等の絶縁介在物は実施例のように組立型
でも、あるいはモールドやテープ処理によってもよい。

このように本考案に係る部分放電測定器用リード線コネ
クタは、外殻内でケーブルを接続することなくしかもパ
ネル取付部の近傍においては漏斗状に形成した円錐状体
により電界強度を緩和しているので、コネクタにおける
部分放電の発生が殆どなく、充分な精度のもとに部分放
電測定が可能となる。

また、構造が簡単で保守が容易であり、パネル占有面積
の小さい小型軽量ののものが実現可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高電圧コネクタの一例を示す縦断面図、
第２図は本考案に係る高電圧コネクタの実施例の縦断面
図である。 符号 １はプラグ、２はレセプタクル、３は内部導体、
５は外殻、７は棒状絶縁部材、９はストレスコーン、１
０はストレスコーン押え、１１は接触子、１３は遮蔽層
、１４は筒体、１６は灯色接触子、１７は取付フランジ
部、１８は測定器パネルである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 抜挿自在に接続し得る挿込部と受部とから構成され、 前記挿込部は、測定用リード線の遮蔽導体に接続固定さ
   れる導電性外殻と、一端に錐体部が形成され他端は前記
   外殻内に固着され、かつ前記リード線の周囲に密着して
   設けられている棒状絶縁部材と、該棒状絶縁部材の錐体
   部より突出している前記リード線の先端に前記外殻と十
   分な距離を隔てて設けられ、かつリード線の中心導体に
   接続された第１の接触子と、前記棒状絶縁部材内に埋設
   され、外殻側においてリード線の遮蔽導体と接続されリ
   ード線に先端に向って拡開する導電性の円錐状遮蔽体と
   からなり、 前記受部は、パネルにその取付フランジ部を介して取付
   けられ、かつ前記挿込部の棒状絶縁部材を抜挿自在に挿
   入し得る内径を有し前記外殻と接続する導電性筒体と、
   該筒体から十分な距離を隔てて絶縁離隔して設けられ前
   記第１の接触子と接続可能なばね弾性を有する第２の接
   触子とからなることを特徴とする部分放電測定器用リー
   ド線コネクタ。