JPH0478861B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は車両における変速機の遠隔操作機構に
関するものである。

［従来の技術］ 特開昭58−192118号公報の第２図に開示される
変速機の遠隔操作機構は、傾動腕の基端部を基枠
に左右傾動可能に軸支持し、変速レバーの中間部
を傾動腕の先端部に前後傾動可能に軸支持し、変
速レバーの下端部に金具によりケーブルの端部を
連結し、アウタチユーブを結合する案内筒の端部
にコ字形の金具を結合し、金具の前後方向の溝
に、変速レバーの下端部を係合している。

上述の遠隔操作機構では、案内筒は別の基枠に
変速レバーの軸支持部と同軸に回動可能に支持
し、金具の溝と変速レバーの端部との間に多少の
隙間（ガタ）を設ける必要があるので、変速レバ
ーの左右傾動に対する案内筒の回動はやや円滑性
を欠くのを免れない。特に、案内筒と傾動腕の軸
の同心性に組付誤差があると、案内筒は単に回動
されるだけでなく、左右にゆさぶられ、耐久性に
問題が生じる。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明の目的は上述の問題に鑑み、係合部にガ
タや無理がなく、作動が確実かつ円滑で、組立が
容易であり、変速レバーの変速操作をアウタチユ
ーブの回動とケーブルの押引きにより変速機の制
御ロツドへ伝達する、変速機の遠隔操作機構を提
供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明の構成は基
枠の端壁に回動可能に支持した中空軸の一端に、
Ｌ字形に湾曲した傾動腕を結合し、他端にアウタ
チユーブの端部を結合し、傾動腕の端部に変速レ
バーを前後傾動可能に軸支持し、アウタチユーブ
と中空軸に挿通したケーブルの端部を変速レバー
の軸支持部から離れた部分に連結したものであ
る。

［作用］ 変速レバーを左右に傾動すると、揺動腕と一緒
に中空軸とアウタチユーブが回動される。アウタ
チユーブの回転は制御ロツドへ伝達され、制御ロ
ツドのシフト腕が回動して所定のシフトブロツク
に係合し、セレクト操作を達する。

変速レバーを前後に傾動すると、ケーブルが押
引きされ、制御ロツドが軸方向へ移動し、シフト
ブロツクを結合するシフトロツドが軸方向へ移動
し、所定の変速歯車が噛み合い、シフト操作を達
する。

［発明の実施例］ 第１図に示すように、運転室の床板２２に基枠
９が固定され、基枠９の端壁９ａに軸受３が押え
２１により支持される。軸受３に支持した中空軸
６は、端部にセレーシヨン２０を形成され、断面
逆Ｌ字形をなす傾動腕２の端部を嵌合され、かつ
ロツクナツト１６により締結される。傾動腕２は
端壁９ａに沿つて上方へ延び、かつほぼ水平に折
り曲げられた端部に溝２ａを設けられる。変速レ
バー１は中間部を、溝２ａの内部にピン１７によ
り前後傾動可能に支持される。

変速レバー１はカバー３３に設けたシフトパタ
ーンと同じスリツト３４に沿つて左右・前後傾動
可能に案内される。変速レバー１は下端部にピン
１８により口金７を結合され、口金７はケーブル
４の端部を連結される。ケーブル４を挿通するア
ウタチユーブ５は、端部を中空軸６に結合され
る。中空軸６と口金７との間に結合したベローズ
１９は、ケーブル４の端部を覆う。

第２図に示すように、中空軸６の一端部はアウ
タチユーブ５を嵌合しかつかしめて固定され、中
空軸６の他端側は軸受３に嵌合される平滑な軸部
３ａとセレーシヨン２０ａとナツト１６を螺合す
るねじ軸部１６ａとを構成される。

第３図は変速機側の作動機構を示す側面図であ
る。歯車箱２４に摺動可能に支持した制御ロツド
１４は、ピン２３によりシフト腕１５を支持さ
れ、シフト腕１５が制御ロツド１４と一緒に回動
するると、複数のシフトブロツクの１つに係合さ
れる。シフトブロツクを結合するシフトロツドが
制御ロツド１４と一緒に軸方向に移動すると、所
定の変速歯車の噛合いが達せられる。歯車変速機
におけるシフト腕１５とシフトブロツクとの構成
は公知であるので説明を省略する。

ケーブル４の端部は制御ロツド１４に口金２６
により結合される。アウタチユーブ５の端部は口
金７に嵌合固定される。口金７は軸受３１によ
り、基枠３２の端壁３２ａに回動可能に支持され
る。軸受３１は押え３０により端壁３２ａに支持
される。口金７と口金２６との間に結合したベロ
ーズ２７は、ケーブル４の端部を覆う。揺動腕１
１は口金７にセレーシヨン結合され、かつロツク
ナツト３６により固定される。揺動腕１１はピン
２９によりリンク１２の一端を連結され、リンク
１２の他端はピン２８によりリンク１３に連結さ
れる。リンク１３は制御ロツド１４にピン２５に
より連結される。

次に、本発明による変速機の遠隔操作機構の作
動について説明する。第１図に示す中立位置から
変速レバー１を左右に傾動すると、傾動腕２と一
緒に中空軸６が軸受３を中心として回動され、ア
ウタチユーブ５も回動される。第３図においてア
ウタチユーブ５の回転は制御ロツド１４へ伝達さ
れ、シフト腕１５が回動されて所定のシフトブロ
ツクに係合し、セレクト動作を達する。

変速レバー１を前後に傾動すると、ケーブル４
が前後に押引きされ、制御ロツド１４が軸方向へ
移動し、シフト腕１５に係合するシフトブロツク
のシフトロツドが移動し、所定の変速歯車が噛み
合い、シフト動作を達する。

リンク１２，１３はケーブル４の軸方向運動に
対し、ピン２８を支点として屈曲するだけで、ア
ウタチユーブ４の回動を制御ロツド１４へ伝達す
る役目を果す。

第４図に示す第２の実施例では、傾動腕２とア
ウタチユーブ５を結合する中空軸６は、基枠９の
端壁９ａに軸受により回動可能に支持される。傾
動腕２は下方へ延び、水平に延びる端部の溝２ａ
に、変速レバー１の下端部をピン１７により連結
される。変速レバー１は中間部をピン１８により
口金７に連結され、口金７はケーブル４の端部を
結合する。

第５，６図に示す第３の実施例では、水平断面
Ｕ字形の板からなる傾動腕３９は両端部３９ａ
を、基枠９の端壁９ａに中空軸６とピン３８によ
り支持される。変速レバー１は中間部を、傾動腕
３９にピン１８により前後傾動可能に支持され
る。変速レバー１は下端部にピン１８により口金
７を連結される。口金７はアウタチユーブ５と中
空軸６を貫通するケーブル４の端部を結合され
る。第６図に示すように、中空軸６は端壁９ａに
軸受３により支持され、かつ傾動腕３９の端部３
９ａに結合される。

この実施例では、変速レバー１を左右に傾動す
ると、中空軸６とピン３８を中心とする傾動腕３
９の回動は、中空軸６とアウタチユーブ５へ伝達
される。変速レバー１をピン１８を中心に前後に
傾動すると、ケーブル４が押引きされる。

［発明の効果］ 本発明は上述のように、基枠の端壁に回動可能
に支持した中空軸の一端に、Ｌ字形に湾曲した傾
動腕を結合し、他端にアウタチユーブの端部を結
合し、傾動腕の端部に変速レバーを前後傾動可能
に軸支持し、アウタチユーブと中空軸に挿通した
ケーブルの端部を変速レバーの軸支持部から離れ
た部分に連結したものであるから、次のような効
果が得られる。

(a) アウタチユーブにケーブルを挿通してなる遠
隔操作ケーブルにより、変速レバーと変速機と
が連動連結されるから、遠隔操作ケーブルの配
策が容易であり、変速操作に伴う遠隔操作ケー
ブルの姿勢が安定であり、仮にアウタチユーブ
が床板などに接しても、僅かに回動摺動する程
度であるから、アウタチユーブの損耗の度合は
極めて少ない。

(b) 傾動腕とアウタチユーブが中空軸に直接結合
され、変速レバーと傾動腕と中空軸とアウタチ
ユーブは一体的に回動し、変速レバーの前後傾
動はケーブルに軸方向運動をもたらすので、伝
動部にガタがなく、動作が確実かつ円滑であ
る。

(c) 基枠の端壁に回動可能に支持した中空軸の一
端にアウタチユーブが、他端に傾動腕がそれぞ
れ結合されるので、両者の同心的組立が正確か
つ容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る変速機の遠隔操作機構の
側面断面図、第２図は同遠隔操作機構の要部を示
す斜視図、第３図は同遠隔操作機構により操作さ
れる歯車変速機側の作動機構の側面断面図、第４
図は本発明の第２実施例に係る遠隔操作機構の側
面断面図、第５図は本発明の第３実施例に係る遠
隔操作機構の斜視図、第６図は同平面断面図であ
る。 １……変速レバー、２，３９……傾動腕、４…
…ケーブル、５……アウタチユーブ、６……中空
軸、９……基枠、９ａ……端壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基枠の端壁に回動可能に支持した中空軸の一
   端に、Ｌ字形に湾曲した傾動腕を結合し、他端に
   アウタチユーブの端部を結合し、傾動腕の端部に
   変速レバーを前後傾動可能に軸支持し、アウタチ
   ユーブと中空軸に挿通したケーブルの端部を変速
   レバーの軸支持部から離れた部分に連結したこと
   を特徴とする、変速機の遠隔操作機構。