JPH0474748A - セメント用混和剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセメント又はセメント配合物の混和剤に関する
ものであり、更に詳しくは水硬性セメント配合物である
コンクリート、モルタル又はセメントペーストの流動性
及び空気量の経時による低下を防止し、その施工性、作
業性を改善し、更には凍結融解性に優れたセメント配合
物を提供し得るセメント用混和剤に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、セメント、水及び砂、砂利、混和材（混和剤）等
を混合して成るセメント配合物は混練り後、時間の経過
と共にセメント粒子の物理的、化学的凝集が一進行する
と共に配合物は流動性を次第に失い、施工性、作業性が
低下する。

このためセメント配合物は施工可能な時間（可使時間）
が限定されるという欠点を有する。

これらの問題を解決するためにセメント配合物のワーカ
ビリティ低下防止方法が種々提案されている。例えば、
低級オレフィンと無水マレイン酸との共重合体の微粒化
物（例えは特公昭６３−５３４６号）やエチレン性不飽
和ジカルボン酸共重合物の不溶性金属コンプレックス（
特開昭６２−８３３４４号）をセメントに配合すること
によリセメント中のアルカリとの反応により水溶性とし
、徐々に流動性向上の効果を発揮させることにより、長
時間流動性を保持する方法がある。

一方、コンクリートの （１）凍結融解に対する抵抗性の向上、（２）ワーカビ
リティーの改善、 （３）ポンプビリティ−の改善、 （４）プリージング水の減少、 （５）単位水量の減少 等の目的を達成するためには、４±１％（日本建築学会
の基準）の空気量が連行され、経時による減少がない方
が好ましい。このために使用される起泡剤としては脂肪
酸エステルのエマルシジン（特開平１−２７０５４８号
）、樹脂酸又は樹脂酸多価金属コンプレックス（特開平
１−２７０５４７号）が挙げられ、これらをコンクリー
トに添加することにより、空気量を長時間一定に保つ方
法がある。

また減水剤と消泡剤を併用する技術（特開昭５０−８２
１２３号、特公昭５７−２６６９号）がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

前述した従来技術の組合せ（特開昭６２−８３３４４号
、特開平１−２７０５４７号）により長時間コンクリー
トの流動性及び空気量を一定に保持することが可能であ
るが、耐凍結融解抵抗性が低下するという問題点を有す
る。これは、起泡剤により連行された気泡径（大部分は
１０〜２００μｍ程度）が減水剤と併用することにより
気泡径が粗大泡（大部分が１００μｍ以上で減水剤の種
類により１０００μ霧以上の場合もある）となり、従っ
て気泡間隔係数が増加し、コンクリートの凍結作用によ
る膨張劣化の程度が大きくなり、凍結融解抵抗性が悪く
なったためと推定される。

〔課題を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために本発明者らは鋭意検討し
た結果、炭素数２〜８のオレフィンとエチレン性不飽和
ジカルボン酸無水物との共重合物又は該共重合物の多価
金属塩の微粒化物とコンクリート用減水剤に、ジメチル
ポリシロキサンを主成分とする消泡剤を併用することに
より、減水剤により連行される粗大泡を消泡させるか又
は微細泡に変えること（整泡性）により凍結融解抵抗性
に優れたコンクリートが得られ、しかも長時間コンクリ
ートの流動性及び空気量を一定（４±１％）に保つ優れ
たコンクリート用混和剤が得られることを見出し、本発
明を完成した。

すなわち本発明は、炭素数２〜８のオレフィンとエチレ
ン性不飽和ジカルボン酸無水物との共重合物又は該共重
合物の多価金属塩の微粒化物、コンクリート用減水剤及
び消泡剤を必須成分としてなる事を特徴とするセメント
用混和剤を提供するものである。

本発明のセメント用混和剤の必須成分である炭素数２〜
８のオレフィンとエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物
との共重合物又はその多価金属塩はスランプロス防止成
分である。かかる共重合物を構成する炭素数２〜８のオ
レフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、ｎブ
テン、イソブチレン、ｎ−ペンテン、シクロペンテン、
２−メチル−１−ブテン、ｎ−ヘキセン、２−メチル−
１−ペンテン、３−メチル１−ペンテン、４−ブチル−
１−ペンテン、２エチル−１−ブテン、ジイソブチレン
及びこれらの混合物が挙げられるが、特にイソブチレン
が好ましい。また、エチレン性不飽和ジカルボン酸無水
物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シ
トラコン酸等が挙げられるが、無水マレイン酸が好まし
い。

本発明における共重合物の平均分子量は５００〜５０．
０００程度が好ましく、この範囲より平均分子量が小さ
いと分散能が不足であり、また、この範囲より平均分子
量が大きいと分散剤としてよりも凝集剤としての効果が
大きくなり、スランプロス防止効果を示さない。本発明
に用いられる共重合物の平均分子量は、ポリスチレンス
ルホン酸を基準物質とする水系ゲルパーミェーションク
ロマトグラフィーにより求められる重量平均分子量を示
す。

本発明で用いられる共重合物の微粒化物の平均粒径は０
．１〜２０μｍであることが望ましく、更に望ましくは
０．１〜５μ糟である。共重合物の平均粒径が０．１μ
ｍ未満では、徐放速度が速すぎてコンクリートのスラン
プ保持性能が得られない。一方、２０μＩ以上では徐放
速度が遅いために添加量を増大しなければならなかった
り、共重合物が局在化してコンクリート物性に悪影響を
与えたりする。

本発明に係る共重合物はコンクリートに使用する場合、
通常水系サスペンションの状態で使用されるが、長期間
保存しておくと加水分解され、スランプ保持性能が低下
する。従って、本発明においてコンクリート用減水剤及
び消泡剤、更に必要に応じて起泡剤を配合して長期間保
存する場合は共重合物と多価金属化合物とを反応させた
共重合物多価金属塩を用いる方が望ましい。この多価金
属塩は水中でも加水分解しがたく、長期間高温保存する
場合に望ましい。

本発明に用いられるコンクリート用減水剤としては、ナ
フタリンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物系、メチ
ルナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物系、
スルホン化メラミン樹脂系、リグニンスルホン酸系、フ
ェノール系、ポリカルボン酸系（ワークシリーズ（日本
ゼオン■製））、ポリカルボン酸の部分エステル系（チ
ューボールシリーズ（第一工業■製））、アニリンスル
ホン酸系（バリンクシリーズ（Ｈ沢薬品株製））等の減
水剤が挙げられる。これらの減水剤は共重合物又は該共
重合物の多価金属塩の微粒化物と１：９９〜９９：１（
重量比）の割合で併用されるのが好ましい。

本発明に用いられる消泡剤としてはジメチルポリシロキ
サンを主成分とする消泡剤が好ましく、その平均分子量
はｓ、ｏｏｏ〜５０，０００であり、ジメチルポリシロ
キサンに微粉末シリカを分散させたコンパウンドの消泡
剤に適当な乳化剤あるいは乳化助剤を用いてエマルショ
ン化したものが用いられる。使用形態としてはジメチル
ポリシロキサンオイルあるいはコンパウンドの形でも使
用可能であるが、この場合も乳化剤を用いて乳化した後
に使用する方が望ましい。また、ジメチルポリシロキサ
ンにエチレングリコール等の親水性物質を付加させ水溶
液とした自己乳化型消泡剤も有効である。

本発明者らは併用する減水剤により連行される粗大泡を
無くす消泡剤をアルコール系、有機極性化合物系、鉱物
油系、シリコーン系の消泡剤につき検討した結果、各県
より優れた効果のある消泡剤を見出した。しかし、これ
ら消泡剤を減水剤、スランプロス防止剤中に長期間保存
した場合、シリコーン系以外の消泡剤は前記効果が半減
又は無くなり好ましくないことがわかった。しかしなが
ら、例えば５Ｈ５５６１，５Ｍ５５７３ＳＨ８７３０（
東し・ダウコーニング■製）　、ＫＭ７２ＦＫＭ７３．
　ＫＭ７５（信越化学■製）　、ＴＳＡ７７０　（東芝
シリコン■製）等のジメチルポリシロキサン系消泡剤は
減水剤による粗大泡を無くすると共に、減水剤及びスラ
ンプロス防止剤中に長期間保存しても、この効果を維持
する優れた消泡剤であることがわかった。かかるシリコ
ーン系の消泡剤は、共重合物又は該共重合物の多価金属
塩の微粒化物とコンクリート用減水剤の総量に対して１
００　：　０．０１〜５（重量比）、好ましくは１００
：０．０２〜２（重量比）の割合で使用される。尚、前
記消泡剤は１種又は２種以上を併用しても良い。

本発明においては、上記必須成分の他に必要に応じて起
泡剤を併用してもよい。

本発明でいう起泡剤とは、樹脂酸又は樹脂酸多価金属塩
（特開平１−２７０５４７号）等の徐放性起泡剤、ある
いは樹脂酸塩（水溶性塩）、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルスルホン酸のトリエタノールアミン塩、
ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、α−オレフィンス
ルホン酸等のアニオン活性剤、これらの塩として１〜３
価の金属塩が可能であるが、好ましくは例えばＮａやに
等のアルカリ金属塩である。あるいはポリオキシエチレ
ンアルキルフェノール、脂肪酸エステルのエマルション
（特開平１−２７０５４８号）等のノニオン活性剤、ア
ルキルベタイン等の両性活性剤を併用することが可能で
ある。しかし、以上述べた活性剤に限定されるものでな
く、コンクリート中に連行された気泡径が１０〜６００
μｍとなるものであれば使用可能である。

起泡剤は、共重合物又は共重合物多価金属塩微粒化物、
コンクリート用減水剤及び消泡剤の総量に対して１００
　　：Ｏ，ＯＯ１〜５（重量比）の割合で使用される。

一般に空気連行性が大きいコンクリート減水剤を主成分
とし、これに上記共重合物又は共重合物の多価金属塩微
粒化物からなるスランプロス防止剤を配合した混和剤は
、前述した消泡剤をコンクリート中の空気量が４±１％
になるまで添加することにより、減水剤の粗大泡を消泡
し微細泡のみ連行するので、起泡剤は特に必要としない
。しかしながら空気連行性の低いコンクリート用減水剤
を使用する場合は、通常コンクリート空気量が４±１％
以下であり、消泡剤を使用しないで起泡剤により４±１
％に調整し使用することも可能であるが、この場合は減
水剤により連行される粗大泡のために凍結融解抵抗性が
悪くなる。従って、消泡剤を併用し減水剤により連行さ
れた粗大泡を消泡させた後に起泡剤を配合し微細泡を連
行させることが重要である。

本発明のコンクリート減水剤、共重合物又は該共重合物
の多価金属塩の微粒化物（スランプロス防止剤）及び消
泡剤を必須成分とし、必要に応じ起泡剤を添加してなる
セメント用混和剤は、従来技術である減水剤と消泡剤の
併用（特開昭５０−８２１２３号、特公昭５７−２６６
９号）とは明らかに相違する技術である。

即ち、従来技術は単に減水剤により連行される初期の空
気量を減少し高強度コンクリートにする技術であり、こ
の様なコンクリートでは長時間流動性を一定に保つこと
は不可能である。

これに対し、本発明のセメント用混和剤は減水剤により
連行された粗大泡を消泡させながら必要に応じ起泡剤を
添加し、コンクリート空気量を長時間一定（４±１％）
に保ち、スランプロス防止剤、即ち徐放性分散剤により
長時間コンクリートの流動性を一定に保ち、凍結融解抵
抗性に優れたコンクリートを提供する混和剤である。

本発明のセメント用混和剤のセメント配合物への添加法
としては混練り水へ添加溶解させる方法及び−旦練り上
がったセメント配合物へ添加する方法がある。本発明の
セメント用混和剤をコンクリートに添加する場合、減水
剤とスランプロス防止剤、消泡剤、起泡剤を別々に添加
しても同時に添加する場合とその効果に差異は認められ
ない。通常は減水剤とスランプロス防止剤、消泡剤、起
泡剤は予め水中に保存され使用されるが、粉末状で配合
し使用してもその効果に差異は認められない。

本発明のセメント用混和剤のセメントに対する使用量は
、必須成分として０．１〜２％（重量比）である。また
、他のセメント添加剤（材）、例えば流動化剤、防水剤
、膨張材（剤）、グラスファイバー、スチールファイバ
ー、フライアッシュ、高炉スラグ等の併用も可能である
。

〔実　施　例〕

以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが
、本発明はこれらに限定されるものでない。

実施例１ 以下に示す減水剤Ａ−Ｄとイソブチレンと無水マレイン
酸共重合物亜鉛塩微粒化物（ＧＰＣによる平均分子量１
３，０００　；平均粒径１．２μｍ）及び消泡剤（ＳＨ
５５６１（東しダウ・コーニング■製））及び起泡剤を
配合し、コンクリート試験を行った。

梗月ユα９記仮剋 Ａ・・・βナフタリンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩 Ｂ・・・スルホン化メラミン樹脂酸塩 Ｃ・・・リグニンスルホン酸塩 Ｄ・・・メチルナフタリンスルホン酸ホルマリン高縮合
物塩 使朋旦亙七七剋 Ｅ・・・ビンソールＷ（由来化学ｅｌ　）Ｆ・・・樹脂
酸Ｚｎ塩微粒化物（平均粒径１．θμ＋１１）コンクリ
ートの　人 賀／Ｃ＝５３．０％ Ｓ／Ｓ＋Ｇ　＝　５０．３％ Ｃ＝３１８ｋｇ／ｍ３ セメント（Ｃ）＝中央ポルトランドセメント細骨材（Ｓ
）＝紀の用度 粗骨材（Ｇ）＝宝塚産砕石 コンクリートの混練りは上記配合に基づき１００２傾胴
ミキサーを用い、５ＯＮのコンクリート材料及び減水剤
溶液を投入して高速で２分混練り後、４ｒｐ…の定速で
アジテートし、所定時間にスランプ、空気量を測定した
。また、混練り後のコンクリートを型枠に詰め、脱型後
２０゛Ｃ水中にて養生し、圧縮強度を測定した。

結果を表１に示す。

更に、凍結融解性の評価としてＡＳＴＭ　Ｃ６６６−７
５に示される相対動弾性係数を測定し、その結果を表２
に示した。

表 結果 本発明品である混和剤（ｌｋｌ〜７）は長時間コンクリ
ートの流動性、空気量を一定に保つと共に凍結融解抵抗
性（動弾性係数が３００サイクルで９０％以上である）
に優れたコンクリートを提供し得る混和剤であることが
わかる。

一方、本発明の混和剤中の必須成分である消泡剤を添加
しないとコンクリート空気量が増加したり（比較例Ｎα
８）、あるいは減水剤の能力が低いと考えられる場合に
起泡剤を併用しても（比較例Ｎ１１１３）長時間空気量
及び流動性を一定に保つことができなく、更には凍結融
解抵抗性が悪くなる。また、必須成分中のイソブチレン
・無水マレイン酸共重合物亜鉛塩を添加しなければ長時
間流動性を一定に保つことができない（比較例Ｎａ１０
．１１）。また、減水剤がなければ当然低−／Ｃ１高強
度のコンクリートが製造できない。

以上の様に本発明の混和剤の必須成分中どれが抜けても
、その機能を十分に発揮しないことがわかる。

実施例２ 実施例１と同様の方法でコンクリート物性を測定した。

使用した減水剤は以下のものを使用した。

結果を表３に示す。

結果 表３に示す様に本発明の混和剤は適切な配合組成にする
ことにより長時間コンクリートの流動性、空気量を一定
に保つことが可能であり、更に凍結融解抵抗性に優れた
コンクリートを製造することが可能であることがわかる
。

一方、消泡剤を添加しないコンクリートでも長時間コン
クリートの流動性及び空気量を一定に保持することが可
能であるが、凍結融解抵抗性が悪くなることがわかる（
ｋｌｏ、１１．１２）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　炭素数２〜８のオレフィンとエチレン性不飽和ジカ
   ルボン酸無水物との共重合物又は該共重合物の多価金属
   塩の微粒化物、コンクリート用減水剤及び消泡剤を必須
   成分としてなる事を特徴とするセメント用混和剤。 ２　更に起泡剤を併用する事を特徴とする請求項１記載
   のセメント用混和剤。 ３　コンクリート用減水剤がナフタレンスルホン酸ホル
   ムアルデヒド高縮合物系、スルホン化メラミン樹脂系、
   リグニンスルホン酸系、メチルナフタレンスルホン酸ホ
   ルムアルデヒド高縮合物系、フェノール系、ポリカルボ
   ン酸系、ポリカルボン酸の部分エステル系及びアニリン
   スルホン酸系の減水剤からなる群より選ばれる１種又は
   ２種以上であり、共重合物又は該共重合物の多価金属塩
   の微粒化物と１：９９〜９９：１（重量比）の割合で使
   用される請求項１又は２記載のセメント用混和剤。 ４　消泡剤の主成分がジメチルポリシロキサンであり、
   共重合物又は該共重合物の多価金属塩の微粒化物とコン
   クリート用減水剤の総量に対して１００：０．０１〜５
   （重量比）の割合で使用される請求項１ないし３の何れ
   か１項記載のセメント用混和剤。 ５　起泡剤がアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤
   又は両性界面活性剤であり、共重合物又は共重合物多価
   金属塩微粒化物、コンクリート用減水剤及び消泡剤の総
   量に対して１００：０．０１〜５（重量比）の割合で使
   用される請求項２ないし４記載の何れか１項セメント用
   混和剤。