JPH09309755A - ノロの低減が可能なコンクリート混和剤 - Google Patents

ノロの低減が可能なコンクリート混和剤

Info

Publication number
JPH09309755A
JPH09309755A JP12812396A JP12812396A JPH09309755A JP H09309755 A JPH09309755 A JP H09309755A JP 12812396 A JP12812396 A JP 12812396A JP 12812396 A JP12812396 A JP 12812396A JP H09309755 A JPH09309755 A JP H09309755A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
water
weight
formalin
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP12812396A
Other languages
English (en)
Inventor
克 彦 ▲高▼木
Katsuhiko Takagi
Takuji Haraoka
岡 卓 司 原
正 人 ▲高▼木
Masato Takagi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP12812396A priority Critical patent/JPH09309755A/ja
Publication of JPH09309755A publication Critical patent/JPH09309755A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/10Accelerators; Activators
    • C04B2103/12Set accelerators
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/10Accelerators; Activators
    • C04B2103/14Hardening accelerators
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/30Water reducers, plasticisers, air-entrainers, flow improvers
    • C04B2103/302Water reducers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/30Water reducers, plasticisers, air-entrainers, flow improvers
    • C04B2103/32Superplasticisers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】少量の添加量で、セメント分散能を満足しつ
つ、ノロ低減能を付与したコンクリート混和剤の提供。 【解決手段】水100重量部に対して、下記A成分を1
0〜80重量部、B成分を0.005〜5重量部、およ
びC成分またはD成分を0.025〜20重量部を溶解
あるいは分散させた水溶液、あるいはその水性エマルジ
ョンであるノロの低減が可能なコンクリート混和剤。 A成分:減水剤および/または高性能減水剤。 B成分:α−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体
の金属塩。 C成分:凝結硬化促進剤。 D成分:スランプ保持剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートパイ
ル、ポール、鋼管複合杭やヒューム管、鋼管ライニング
などの遠心力を利用して成形するコンクリート製品の製
造で用いられるコンクリート混和剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりコンクリートパイルやポール、
ヒューム管などのコンクリート製品は遠心力によって成
形・締固めして製造されている(以下これらの製品を総
称して遠心成形品とする)。遠心成形工程ではコンクリ
ート中の水が絞り出され緻密な組織が生成するが、この
水にはセメントや骨材中の微粉分などが混じっており、
いわゆるノロとして排出される。特に、高強度を要求さ
れるパイルなどでは高性能減水剤を多量に添加するた
め、ノロの量が多く、かつ、管内面のモルタル層の締ま
りが悪くなる。このノロは強アルカリ性のため、沈降分
離・中和処理の後、固形分は産業廃棄物として処理しな
ければならない。そのため、多額の費用が必要であるば
かりでなく、最近ではノロの廃棄場所の確保も困難にな
っており、遠心成形業界にとって大きな問題になってい
る。
【0003】ノロをコンクリート製品の原料として再利
用する方法が開示されている(特開昭63−2846号
公報)。しかし、この方法ではノロの貯槽やノロをリサ
イクルするための配管などの新規設備投資が必要なこと
は自明であり、ごく一部の企業を除いて実用化されてい
ない。そのため、既に開示されているノロ対策はノロ発
生量の低減策がほとんどである。
【0004】提案されているノロ発生の防止策の原理
は、(1)増粘剤、あるいは保水性のある物質を添加す
ることによってペーストの粘性を高め、ノロの排出を低
減する、(2)成形中に凝集剤を添加することによっ
て、ノロとして分離する粒子を凝集させ水だけが排出さ
れるようにする、(3)凝結硬化促進剤(材)を添加
し、ノロの排出を低減する、(4)その他、の4種に大
別される。
【0005】(1)のペーストの増粘効果を利用したも
のとしては、例えば、セルロース系化合物および/また
はポリアクリルアミド系化合物を添加する方法(特開昭
61−201649号公報)、空気連行剤と微粉シリカ
及び粘土からなる無機微粉末を添加する方法(特開昭6
3−103850号公報)、スチレン−マレイン酸共重
合体の水溶性塩と高性能減水剤とからなる添加剤を添加
する方法(特開平4−254458号公報)、あるいは
モンモリロナイト系粘土鉱物に有機酸類やアミン類など
を配合した添加物を添加する方法(特開平6−1837
99号公報)などが開示されている。
【0006】また、(2)の凝集効果を利用したものと
しては、ポリアクリルアミド系凝集剤とアニオン性界面
活性剤またはノニオン性界面活性剤とを用い特定の泡密
度の気泡を作り、この気泡を成形中に注入する方法(特
開昭63−60141号公報)、分子量が30〜100
万で加水分解率が5〜35%のポリアクリルアミド部分
加水分解物を成形中に添加する方法(特開平5−306
154号公報)などが開示されている。
【0007】また、(3)凝結硬化促進剤(材)を利用
したものとしては、高性能減水剤とチオ硫酸塩からなる
添加物を添加する方法(特開平6−9256号公報)、
カリ明バンまたは硫酸アルミニウムなどの金属硫酸塩を
配合する方法(特公平5−17195号公報)などが開
示されている。
【0008】さらに、(4)のその他の原理を利用した
ものとしては、II型無水石膏と減水剤とポリエチレング
リコールを添加することによって、コンクリート混練時
の水/結合材比を小さくしノロの排出量を低減した方法
(特公平7−115910号公報)などを例示すること
ができる。
【0009】これらの内、スチレン−マレイン酸共重合
体の水溶性塩と高性能減水剤とからなる添加剤(特開平
4−254458号公報)は、スチレン−マレイン酸共
重合体の水溶性塩と高性能減水剤の配合品との記載が有
り、一液タイプの混和剤と読み取ることもできる。しか
しながら、特に好適とされる分子量1万〜30万という
比較的高分子量のスチレン−マレイン酸共重合体の水溶
性塩100重量部に対し、高性能減水剤30〜1000
重量部(スチレン−マレイン酸共重合体の水溶性塩/高
性能減水剤=0.1〜3.3重量比)、好ましくは50
〜200部(スチレン−マレイン酸共重合体の水溶性塩
/高性能減水剤=0.5〜2重量比)を配合し、水溶液
とすると、非実用的な非常に希薄な水溶液としなけれ
ば、実用的な粘度の混和剤を得ることはできない。
【0010】その他の方法は何れも粉末、スラリーある
いは予め粉末を水に溶解させた薬剤をコンクリート混練
時、あるいは成形中に添加して用いるものであり、既存
の設備に粉体あるいはスラリーの計量及び投入設備、あ
るいは粉体の溶解設備を追加しなければならず、設備投
資が必要になる。さらに、これらの方法で使用する薬剤
は所謂「ママコ」になりやすい粉体が多い。そのため、
コンクリート混練水あるいは水に溶解させるのに長時間
を要するため、この点からも製品の製造コストが高くな
り問題が多い。これらのことから、上記の公報に開示さ
れたノロ低減剤はほとんど使用されておらず、大部分は
産業廃棄物として処理されているのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように、
従来技術の欠点は、(1)粉末、スラリーあるいは予め
粉末を水に溶解させた薬剤をコンクリート混練時、ある
いは成形中に添加して用いるため新規の設備投資が必要
であること、並びに(2)コンクリート混練水あるいは
水に溶解させる時に「ママコ」になりやすい粉体を用い
ているため、溶解に長時間が必要でありコスト高になる
こと、(3)一液型とも読み取れる従来技術について
は、混和剤は非実用的な非常に希薄な水溶液でなければ
製造できない、の3点である。
【0012】一般的に粉体の取扱は困難であり、ノロ低
減剤としては液体の薬剤が望まれている。さらに、高性
能減水剤として要求されるセメント分散能を満足しつ
つ、ノロ低減能が付与されており、かつ、実用的な有効
成分濃度と粘度である一液型の薬剤は、従来より用いら
れている高性能減水剤などのコンクリート混和剤用の計
量・投入設備をそのまま転用できるため、ノロ低減剤と
しての工業的価値は非常に高い。しかしながら、そのよ
うな薬剤については何ら知られていない。
【0013】以上のことに鑑み、本発明者らは、ただ一
種の液体薬剤で高性能減水剤として要求されるセメント
分散能を満足しつつ、ノロ低減能を付与したコンクリー
ト混和剤を見い出すことを目的に鋭意検討した結果、本
発明を完成するに到った。すなわち、本発明の目的は、
少量の添加量で、ノロ低減能を付与したコンクリート混
和剤を提供すること、さらには高性能減水剤として要求
されるセメント分散能を満足しつつ、ノロ低減能を付与
したコンクリート混和剤を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者等はコンクリートの流動性を維持しつつ、
ノロ発生量の低減が可能な混和剤を得ることを目標に鋭
意検討の結果、本発明を完成するに到ったものである。
【0015】即ち、本願の第1発明は、水100重量部
に対して、下記A成分を10〜80重量部、B成分を
0.005〜5重量部、およびC成分を0.025〜2
0重量部を溶解、あるいは分散させた水溶液、あるいは
その水性エマルジョンであることを特徴とするノロの低
減が可能なコンクリート混和剤を提供するものである。 A成分:減水剤および/または高性能減水剤。 B成分:α−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体
の金属塩。 C成分:凝結硬化促進剤。
【0016】前記A成分が、ナフタレンスルホン酸ホル
マリン縮合物の水溶性塩、アルキルアリルスルホン酸塩
ホルマリン縮合物、オレフィン−不飽和ジカルボン酸共
重合体の水溶性塩、リグニンスルホン酸塩、リグニンス
ルホン酸とナフタレンスルホン酸とのホルマリン共縮合
物の水溶性塩、クレオソート油のスルホン化物のホルマ
リン共縮合物水溶性塩、およびメラミンスルホン酸ホル
マリン縮合物の水溶性塩より成る群から選ばれた1種以
上の化合物であることが好ましい。
【0017】また、前記B成分の共重合モノマーである
α−オレフィンが、炭素数2〜8のオレフィン、および
スチレンからなる群より選ばれた1種以上の化合物であ
り、B成分の共重合モノマーである不飽和カルボン酸モ
ノマーが、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸、
およびメタアクリル酸からなる群より選ばれた1種以上
の化合物であることが好ましい。さらに、前記B成分の
共重合体の平均分子量が10,000〜5,000,000 であること
が好ましい。
【0018】また、前記C成分の凝結硬化促進剤が、ギ
酸塩、酢酸塩、CaまたはNaまたはKの塩化物、Ca
またはNaまたはKの硝酸塩、CaまたはNaまたはK
の硫酸塩、ジエタノールアミン、およびトリエタノール
アミンからなる群より選ばれた1種以上の化合物である
ことが好ましい。
【0019】さらに、A成分が、ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物の水溶性塩、アルキルアリルスルホン
酸塩ホルマリン縮合物、クレオソート油のスルホン化物
のホルマリン共縮合物水溶性塩、およびメラミンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物の水溶性塩より成る群から選ばれ
た1種以上の化合物であり、かつ、B成分が、炭素数2
〜8のα−オレフィンと無水マレイン酸および/または
マレイン酸との共重合体の金属塩であり、かつ、C成分
がギ酸塩、酢酸塩、およびトリエタノールアミンより成
る群から選ばれた1種以上の化合物であることが特に好
ましい。
【0020】また、本願の第2発明は、水100重量部
に対して、下記A成分を10〜80重量部、B成分を
0.005〜5重量部、およびD成分を0.025〜2
0重量部を溶解、あるいは分散させた水溶液、あるいは
その水性エマルジョンであることを特徴とするノロの低
減が可能なコンクリート混和剤を提供するものである。 A成分:減水剤および/または高性能減水剤。 B成分:α−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体
の金属塩。 D成分:スランプ保持剤。
【0021】前記A成分が、ナフタレンスルホン酸ホル
マリン縮合物の水溶性塩、アルキルアリルスルホン酸塩
ホルマリン縮合物、オレフィン−不飽和ジカルボン酸共
重合体の水溶性塩、クレオソート油のスルホン化物のホ
ルマリン共縮合物水溶性塩、およびメラミンスルホン酸
ホルマリン縮合物の水溶性塩より成る群から選ばれた1
種以上の化合物であることが好ましい。
【0022】また、前記B成分の共重合モノマーである
α−オレフィンが、炭素数2〜8のオレフィン、および
スチレンからなる群より選ばれた1種以上の化合物であ
り、B成分の共重合モノマーである不飽和カルボン酸モ
ノマーが、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸、
およびメタアクリル酸からなる群より選ばれた1種以上
の化合物であることが好ましい。さらに、前記B成分の
共重合体の平均分子量が10,000〜5,000,000 であること
が好ましい。
【0023】また、前記D成分のスランプ保持剤がリグ
ニンスルホン酸塩、フミン酸塩、タンニン酸塩、分子量
500〜5000のポリアクリル酸塩、オキシカルボン
酸塩、および分子量500〜5000のポリエチレング
リコールからなる群より選ばれた1種以上の化合物であ
ることが好ましい。
【0024】さらに、A成分が、ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物の水溶性塩、アルキルアリルスルホン
酸塩ホルマリン縮合物、クレオソート油のスルホン化物
のホルマリン共縮合物水溶性塩、およびメラミンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物の水溶性塩より成る群から選ばれ
た1種以上の化合物であり、かつ、B成分が、炭素数2
〜8のα−オレフィンと無水マレイン酸および/または
マレイン酸との共重合体の金属塩であり、かつ、D成分
が、リグニンスルホン酸塩、フミン酸塩、タンニン酸
塩、およびオキシカルボン酸塩より成る群から選ばれた
1種以上の化合物であることが特に好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明のノロの低減が可能
なコンクリート混和剤(以下、本発明の混和剤とする)
について詳細に説明する。ペーストを増粘することによ
ってノロの低減が可能なことは公知である(例えば、セ
メント工業、(216)33,1989)。したがっ
て、セルロース系やポリアクリルアミド系のようなコン
クリートに関する技術分野で通常よく用いられる増粘剤
を使用すればノロの低減は可能である。しかしながら、
このような通常の増粘剤によってノロ発生を低減するに
は、多量の増粘剤を添加しなければならないため、その
ままではコンクリートの流動性が著しく低下してしま
う。所望の流動性の維持と設計基準強度の維持のため
に、コンクリートの単位水量の増大と他の高強度混和剤
の添加が必要になるが、その結果、コンクリートは高価
なものになってしまい、その工業的価値は低い。さら
に、このような多量添加が必要な通常の増粘剤を減水剤
および/または高性能減水剤(以下、高性能減水剤とす
る)に配合し、一液型の混和剤を製造しようとすると、
ほとんど溶解しないか、溶解しても溶解後の水溶液の粘
度が高くなり実用に供しうる混和剤を得ることができな
い。
【0026】そこで、本発明者らは少量の添加量で高い
ノロ低減効果を示し、かつ、高性能減水剤水溶液に溶
解、あるいは分散させても大きな粘度増加を生じない水
溶性高分子を種々検討した。その結果、本発明のB成分
であるα−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体の
金属塩は少量の添加量で高いノロ低減効果を示し、か
つ、A成分である高性能減水剤水溶液に溶解、あるいは
分散させても大きな粘度増加を生じないことを見い出し
た。さらに、C成分である凝結硬化促進剤またはD成分
としてスランプ保持剤を配合し、かつ、各成分の配合量
を特定範囲とすることにより、高性能減水剤として要求
されるセメント分散能とコンクリートの強度を満足しつ
つ、高いノロ低減能を付与できることを見い出した。本
発明においては上記3成分すなわちA、B、Cあるいは
A、B、Dの3成分が共存していることが、種々のコン
クリート、即ち、種々のコンクリート配合や骨材、スラ
ンプに対しても同等の効果を得るために重要である。
【0027】本発明の混和剤は、通常用いられている高
性能減水剤と同様、コンクリートの製造時に添加して用
いられる。本発明の混和剤は高性能減水剤として要求さ
れるセメント分散能を満足しつつ、ノロ低減能を付与し
た一液型の薬剤であることが特徴である。A成分である
減水剤及び/または高性能減水剤の機能はセメント分散
能を付与することであり、B成分であるα−オレフィン
と不飽和カルボン酸の共重合体の金属塩の機能はノロ低
減能を付与することにある。したがって、仮に、B成分
だけを単独でコンクリートに添加しても従来のノロ低減
材料以上の高いノロ低減能を発現することは自明であ
る。B成分は粉末あるいは水溶液としてもきわめて粘度
が高いので、コンクリート製造時に従来から使用されて
いる液状混和剤の添加設備をそのまま流用することがで
きない。そのため、B成分あるいはその水溶液をコンク
リートに投入するための計量並びに投入設備が別途必要
になり、工業的な優位性は低くなる。
【0028】本発明の混和剤中にA成分は、水100重
量部に対して、10〜80重量部含有されていることが
必要であり、10〜70重量部であると特に好ましい。
10重量部未満では、通常スランプ値として表わされる
コンクリートの流動性が低く、高性能減水剤の基準に配
合しない。A成分が80重量部より大であると流動性は
高いが、ノロ低減効果が低下する。さらに、混和剤が高
価になる欠点も有する。B成分は、水100重量部に対
して、0.005〜5重量部含有されていることが必要
であり、0.01〜3重量部であると特に好ましい。B
成分が0.005重量部未満ではノロ低減に対するB成
分の添加効果がほとんど現れず、5重量部より大である
とノロ低減効果は大きいが流動性が低下する。さらに、
混和剤が高価になる欠点も有する。同じくC成分は、水
100重量部に対して、0.025〜20重量部含有さ
れていることが必要であり、0.05〜12重量部であ
ると特に好ましい。C成分が0.025重量部未満では
コンクリートの流動性は高いがノロ低減効果が低くな
り、20重量部より大であると流動性が低下するばかり
でなく、発生するノロ量は逆に増大する。さらに、混和
剤が高価になる欠点も有する。
【0029】本願の第2発明に使用するD成分は、水1
00重量部に対して、0.025〜20重量部含有され
ていることが必要であり、0.05〜12重量部である
と特に好ましい。C成分が0.025重量部未満ではコ
ンクリートの流動性が不十分であり、20重量部より大
であると流動性は高いが、発生するノロ量が増大する。
また、効果遅延をおこすこともある。さらに、混和剤が
高価になる欠点も有する。
【0030】本発明の混和剤に用いられるA成分として
は、セメント分散剤として用いられるものであればよい
が、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の水溶性
塩、アルキルアリルスルホン酸塩ホルマリン縮合物、オ
レフィン−不飽和ジカルボン酸共重合体の水溶性塩、リ
グニンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸とナフタレン
スルホン酸とのホルマリン共縮合物の水溶性塩、クレオ
ソート油のスルホン化物のホルマリン共縮合物水溶性
塩、およびメラミンスルホン酸ホルマリン縮合物の水溶
性塩より成る群から選ばれた1種以上の化合物であるこ
とが好ましい。塩としては水溶性のアルカリ金属塩であ
ればよいが、Na塩が最も一般に用いられる。具体的に
は、川崎製鉄(株)製の商品名「KFLOW S−11
0」、花王(株)製の商品名「マイテイ150」、サン
フロー(株)製の商品名「サンフローPSR」などを例
示することができる。
【0031】本発明の混和剤に用いられるB成分として
は、α−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体の金
属塩であればよいが、共重合モノマーであるα−オレフ
ィンは炭素数2〜8のオレフィン、およびスチレンから
なる群より選ばれた1種以上の化合物であり、同じく共
重合モノマーである不飽和カルボン酸モノマーは無水マ
レイン酸、マレイン酸、アクリル酸、およびメタアクリ
ル酸からなる群より選ばれた1種以上の化合物であるこ
とが好ましい。炭素数2〜8のオレフィンとしては、エ
チレン、プロピレン、イソブチレン、ブテン、2−メチ
ル−1−ブテン、ヘキセン、オクテン、ジイソブチレン
などを例示することができ、炭素数2〜8のオレフィン
のなかでは炭素数4〜6のオレフィンが安価で、かつノ
ロ低減効果にも優れており、特に好適である。
【0032】B成分の平均分子量は10,000〜5,000,000
であることが好ましく、20,000〜2,000,000 であること
が特に好ましい。B成分の平均分子量が10,000未満では
ノロ低減に対するB成分の効果が不十分であり、平均分
子量が5,000,000 より大であると混和剤の粘度が高くな
り、実用的な混和剤を得ることができない。ここで、実
用に供しえない粘度の混和剤とは、現在通常に用いられ
ている高性能減水剤の粘度よりも高粘性の混和剤であ
り、何ら限定的ではないが、B型粘度計で測定した粘度
が200cP以上のものを非実用的とした。また、平均
分子量が5,000,000 より大であるとコンクリートの流動
性も低下するので、好ましくない。
【0033】B成分の共重合体の金属塩はそれぞれ1種
のモノマーから製造した化合物を本発明の混和剤に使用
することもできるが、それぞれ2種以上のモノマーを用
いて製造した水溶性塩も本発明の混和剤に使用すること
ができる。また、B成分中のα−オレフィンの比率は適
宜選択しうるが、通常、5〜95モル%、好ましくは1
0〜90モル%である。塩としてはアルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩等種々のものが用いられるが、通常、ナト
リウム塩が最も一般に用いられる。塩にする比率(中和
度)は、限定的ではないが、水溶性を付与できればよ
く、通常B成分中の酸基の30モル%以上を塩にして中
和することが好ましい。また、本発明の混和剤には単一
の中和度の共重合体塩だけを用いることもできるが、中
和度の異なる共重合体塩を数種混合して用いることもで
きる。また、不飽和カルボン酸モノマーとしては酸、ま
たはその塩が用いられるが、一部をアルキルエステルな
どの不飽和カルボン酸エステルとすることもできる。こ
の場合、エステルを用いる比率は親水性を維持できれば
よく、何ら限定的ではないが、用いる不飽和カルボン酸
モノマーの内の10モル%以下が好ましい。
【0034】本発明で用いられるB成分である共重合体
の製法は任意であり種々の重合法を採用できるが、通常
は常法にしたがってラジカル重合によって製造される。
また、共重合体の水溶性塩の製法も任意であり、モノマ
ーをアルカリなどによって中和した後重合する方法、共
重合体を合成した後中和する方法の何れも採用できる。
【0035】本発明の混和剤に用いられるC成分として
は、コンクリートに関する技術分野で用いられる凝結硬
化促進剤であればよいが、ギ酸塩、酢酸塩、Caまたは
NaまたはKの塩化物、CaまたはNaまたはKの硝酸
塩、CaまたはNaまたはKの硫酸塩、ジエタノールア
ミン、およびトリエタノールアミンからなる群より選ば
れた1種以上の化合物であることが好ましい。さらに、
鉄筋の防錆の観点からはギ酸塩、酢酸塩、CaまたはN
aまたはKの硝酸塩、CaまたはNaまたはKの硫酸
塩、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミン
からなる群より選ばれた1種以上の化合物であることが
特に好ましい。ギ酸塩、酢酸塩としては水溶性の塩であ
ればよいが、通常、CaあるいはNa塩が用いられる。
【0036】さらに、A成分がナフタレンスルホン酸ホ
ルマリン縮合物の水溶性塩、アルキルアリルスルホン酸
塩ホルマリン縮合物、クレオソート油のスルホン化物の
ホルマリン共縮合物水溶性塩、およびメラミンスルホン
酸ホルマリン縮合物の水溶性塩より成る群から選ばれた
1種以上の化合物であり、かつ、B成分が炭素数2〜8
のα−オレフィンと無水マレイン酸および/またはマレ
イン酸との共重合体の金属塩であり、かつ、C成分がギ
酸塩、酢酸塩、およびトリエタノールアミンより成る群
から選ばれた1種以上の化合物の組み合わせであること
が特に好ましい。
【0037】本願の第2発明の混和剤に用いられるD成
分としては、コンクリートの練り上げ直後の流動性低下
を防止する混和剤であればよいが、リグニンスルホン酸
塩、フミン酸塩、タンニン酸塩、分子量500〜500
0のポリアクリル酸塩、オキシカルボン酸塩、および分
子量500〜5000のポリエチレングリコールからな
る群より選ばれた1種以上の化合物であることが好まし
い。オキシカルボン酸塩としては、グルコン酸塩、グル
コヘプトン酸塩、クエン酸塩などを例示することができ
る。ポリアクリル酸塩やポリエチレングリコールの分子
量が500より小さいと所望の流動性を維持できなくな
り、分子量が5000より大であるとノロが増大する。
【0038】さらに、A成分がナフタレンスルホン酸ホ
ルマリン縮合物の水溶性塩、アルキルアリルスルホン酸
塩ホルマリン縮合物、クレオソート油のスルホン化物の
ホルマリン共縮合物水溶性塩、およびメラミンスルホン
酸ホルマリン縮合物の水溶性塩より成る群から選ばれた
1種以上の化合物であり、かつ、B成分が炭素数2〜8
のα−オレフィンと無水マレイン酸および/またはマレ
イン酸との共重合体の金属塩であり、かつ、D成分がリ
グニンスルホン酸塩、フミン酸塩、タンニン酸塩、およ
びオキシカルボン酸塩より成る群から選ばれた1種以上
の化合物であることが特に好ましい。
【0039】遠心成形で使用されるコンクリートの物性
や遠心成形条件は遠心成形業者によって種々異なるの
で、本発明の混和剤中の上記A、B、CまたはD成分の
含有量やB成分の分子量などは、使用されるコンクリー
トの物性や遠心成形条件によって本発明の混和剤の好適
範囲の中から最適な組成を選択することができる。
【0040】本発明の混和剤は水100重量部に対し
て、上記A、B、C各成分またはA、B、D各成分に水
を加えて溶解、あるいは分散させた水溶液、あるいはエ
マルジョンである。A、B成分は、通常、水溶液として
製造されるので乾燥などの任意の方法で有効成分を得、
さらにC成分またはD成分を加えた後、所定量の水を加
え、攪拌などの任意の方法で水溶液である本発明の混和
剤を製造することができる。攪拌は、限定的ではない
が、通常、室温〜90℃で1〜6時間行われる。また、
上記A、B成分は、通常、水溶液として製造されるの
で、その水溶液にC成分またはD成分と必要な残りの水
を加えて攪拌し、本発明の混和剤を製造してもよい。な
お、溶解にあたり硫酸ナトリウムなどの無機塩類を溶解
助剤として少量添加して製造することもできる。このよ
うな無機塩類としては、硫酸ナトリウムのほかに、炭酸
ナトリウム、アルミン酸ナトリウムなどを例示すること
ができる。本発明の混和剤をエマルジョンとして製造す
るには、何ら限定的ではないが、B成分に適当なる乳化
剤を添加してエマルジョンとすることが好ましい。用い
る乳化剤としてはコンクリートに悪影響を与えないもの
ならよく、これにはアクリル酸系、マレイン酸系、ナフ
タレン系などを例示することができる。
【0041】本発明の混和剤は、他の公知の混和剤、例
えば減水剤、AE剤、AE減水剤、起泡剤、遅延剤、硬
化促進剤、膨張剤、消泡剤、分散剤、界面活性剤などと
の併用も可能である。
【0042】本発明の混和剤は、いずれも通常、セメン
ト類100重量部に対し0.5〜5重量部添加して用い
られる。0.5重量部未満ではコンクリートの流動性、
ノロ低減能共に所望の性能が得られず、5重量部より大
であるとコンクリートに凝結遅延性が認められるように
なるばかりでなく、混和剤価格を含めたコンクリートの
価格が高価になるので好ましくない。添加方法や混練方
法はこの技術分野で通常行われている方法で行えばよ
く、何ら限定されるものはない。
【0043】このようにして混練されたコンクリートは
型枠に投入され、遠心力によって締固められる。遠心成
形条件は、通常行われている条件で良く、例えばポール
やパイルであれば低速2〜5Gで2〜5分間、次いで中
速5〜15Gで2〜6分間、最後に高速15〜35Gで
4〜10分間回転させることにより行う。遠心成形後の
コンクリートは、水中養生、蒸気養生、オートクレーブ
養生などの通常の方法で養生されて製品となる。
【0044】本発明の混和剤はコンクリートに添加する
ものであり、セメント類としては、普通ポルトランドセ
メントのほかに、高炉セメント、フライアッシュセメン
ト、早強セメントなどのセメント類が用いられる。ま
た、セメントの他に各種の混和材、例えばフライアッシ
ュ、シリカフューム、高炉スラグ、膨張材などを含む硬
化材も本発明の混和剤を使用することができ、何ら限定
されるものではない。
【0045】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に記載された特定の詳細
事項に限定されるものではない。 (実施例1)A成分、B成分、およびC成分は表1、表
2及び表3に示す各化合物を使用した(以降、表1、表
2、表3に示した略称で各化合物を記す)。なお、B3
とB4は平均分子量が本発明の好適範囲外の化合物であ
る。ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションク
ロマトグラフ法によりポリスチレンスルホン酸ナトリウ
ム塩基準で測定した。中和度は中和で用いたNaOHの
マレイン酸基に対する仕込み比から算出した。
【0046】本実施例では、必要に応じて水を加えて、
水100重量部に対して表4に示す重量部となるよう
A、B、C各成分を混合、溶解して混和剤を調製した。
各混和剤の粘度をB型粘度計で測定した後、表5に示す
配合のコンクリートを調製した。表4に示した混和剤の
添加率は結合材(セメント+珪石粉)に対する重量%で
ある。なお、混和剤は練り混ぜ水に溶解させて用いた。
【0047】スランプ、空気量の測定後、JIS A
1136に準じて外径20cm×高さ30cmの型枠を
用い、コンクリートの厚さ4cmの遠心成形供試体を作
製した。成形条件を表5に示す。配合−成形条件1の本
発明例および比較例のノロ量は比較例1−1で発生した
ノロ量を100とした相対値で、また、配合−成形条件
2の本発明例のノロ量は比較例1−2で発生したノロ量
を100とした相対値で示した。
【0048】本発明の混和剤を用いた場合、並びに本発
明の効果を明瞭にするために本発明の好適範囲外の組成
の混和剤を用いた場合のスランプ、相対ノロ量を表4に
示す。これより明らかなように、本発明の混和剤を用い
た場合、スランプは比較例1−1、あるいは比較例1−
2と同様目標値を満足しているので、高性能減水剤とし
て必要な高い流動性を維持しているにもかかわらず、相
対ノロ量は配合−成形条件によらず30以下であり顕著
なノロ低減効果を示した。また、混和剤の粘度も分子量
が550万と好適範囲外のB成分を用いた本発明例1−
11を除いて、110cP以下であり、実用上、問題の
ない粘度であった。一方、A、B、C各成分の配合量が
本発明の好適範囲外である混和剤を用いると、スランプ
が著しく低下するか(比較例1−4、1−6、1−
7)、ノロ低減効果が著しく低下する(比較例1−1〜
1−5、1−8)ことから、本発明の効果は明らかであ
る。なお、本発明の混和剤を用いた供試体の圧縮強度
は、混和剤無添加の場合と同等、あるいはそれ以上であ
った。また、凝結・硬化の遅延などの悪影響も示さなか
った。
【0049】
【0050】
【表1】
【0051】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【0056】(実施例2)A成分、B成分、及びD成分
は表6、表7及び表8に示す各化合物を使用した(以
降、表6、表7、表8に示した略称で各化合物を記
す)。なお、B3とB4は平均分子量が本発明の好適範
囲外の化合物である。ここで、重量平均分子量はゲルバ
ーミエーションクロマトグラフ法によりポリスチレンス
ルホン酸ナトリウム塩基準で測定した。中和度は中和で
用いたNaOHのマレイン酸基に対する仕込み比から算
出した。
【0057】本実施例では、必要に応じて水を加えて、
水100重量部に対して表9に示す重量部となるよう
A,B,Dも各成分を混合、溶解して混和剤を調製し
た。各混和剤の粘土をB型粘度計で測定した後、表5に
示す配合のコンクリートを調製した。表9に示した混和
剤の添加率は結合材(セメント+珪石粉)に対する重量
%である。なお、混和剤は練り混ぜ水に溶解させて用い
た。
【0058】スランプ、空気量の測定後、JIS A 1136
に準じて外径20cm×高さ30cmの型枠を用い、コ
ンクリートの厚さ4cmの遠心成形供試体を作製した。
成形条件を表5に示す。配合−成形条件1の本発明例お
よび比較例のノロ量は比較例2−1で発生したノロ量を
100とした相対値で、また、配合−成形条件2の本発
明例のノロ量は比較例2−2で発生したノロ量を100
とした相対値で示した。
【0059】本発明の混和剤を用いた場合、並びに本発
明の効果を明瞭にするために本発明の好適範囲外の組成
の混和剤を用いた場合のスランプ、相対ノロ量を表9に
示す。これより明らかなように、本発明の混和剤を用い
た場合、スランプは比較例2−1、あるいは比較例2−
2と同様目標値を満足しているので、高性能減水剤とし
て必要な高い流動性を維持しているにもかかわらず、相
対ノロ量は配合−成形条件によらず30以下であり顕著
なノロ低減効果を示した。また、混和剤の粘度も分子量
が550万と好適範囲外のB成分を用いた本発明例2−
11を除いて、100cP以下であり、実用上、問題の
ない粘度であった。一方、A,B,D各成分の配合量が
本発明の好適範囲外である混和剤を用いると、スランプ
が著しく低下するか(比較例2−3、2−6、2−
7)、ノロ低減効果が著しく低下する(比較例2−1、
2−2、2−4、2−5、2−8)ことから、本発明の
効果は明らかである。なお、本発明の混和剤を用いた供
試体の圧縮強度は、混和剤無添加の場合と同等、あるい
はそれ以上であった。また、凝結・硬化の遅延などの悪
影響も示さなかった。
【0060】
【0061】
【表5】
【0062】
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
【表8】
【0066】
【発明の効果】本発明の混和剤は、少量の添加量で、高
性能減水剤として要求されるセメント分散能を満足しつ
つ、ノロ低減能を付与した一液型の薬剤であるため、今
まで用いられてきた高性能減水剤を計量するタンクやコ
ンクリートミキサーへの投入口をそのまま使用できる。
したがって、新規の設備投資は全く不要であるため、従
来の技術に比べてノロ処理費が大幅に低減できる。さら
に、産業廃棄物であるノロの発生量が大幅に減少するこ
とから、地球環境の保護にも役立つので、本発明の工業
的価値は非常に大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24/26 C04B 24/26 H G // C04B 103:12 103:30

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水100重量部に対して、下記A成分を1
    0〜80重量部、B成分を0.005〜5重量部、およ
    びC成分を0.025〜20重量部を溶解あるいは分散
    させた水溶液、あるいはその水性エマルジョンであるこ
    とを特徴とするノロの低減が可能なコンクリート混和
    剤。 A成分:減水剤および/または高性能減水剤。 B成分:α−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体
    の金属塩。 C成分:凝結硬化促進剤。
  2. 【請求項2】A成分が、ナフタレンスルホン酸ホルマリ
    ン縮合物の水溶性塩、アルキルアリルスルホン酸塩ホル
    マリン縮合物、オレフィン−不飽和ジカルボン酸共重合
    体の水溶性塩、リグニンスルホン酸塩、リグニンスルホ
    ン酸とナフタレンスルホン酸とのホルマリン共縮合物の
    水溶性塩、クレオソート油のスルホン化物のホルマリン
    共縮合物水溶性塩、およびメラミンスルホン酸ホルマリ
    ン縮合物の水溶性塩より成る群から選ばれた1種以上の
    化合物である請求項1に記載のノロの低減が可能なコン
    クリート混和剤。
  3. 【請求項3】B成分の共重合モノマーであるα−オレフ
    ィンが、炭素数2〜8のオレフィン、およびスチレンか
    らなる群より選ばれた1種以上の化合物であり、B成分
    の共重合モノマーである不飽和カルボン酸モノマーが、
    無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸、およびメタ
    アクリル酸からなる群より選ばれた1種以上の化合物で
    ある請求項1または2に記載のノロの低減が可能なコン
    クリート混和剤。
  4. 【請求項4】B成分の共重合体の平均分子量が10,000〜
    5,000,000 である請求項1〜3のいずれかに記載のノロ
    の低減が可能なコンクリート混和剤。
  5. 【請求項5】C成分の凝結硬化促進剤が、ギ酸塩、酢酸
    塩、CaまたはNaまたはKの塩化物、CaまたはNa
    またはKの硝酸塩、CaまたはNaまたはKの硫酸塩、
    ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンから
    なる群より選ばれた1種以上の化合物である請求項1〜
    4のいずれかに記載のノロの低減が可能なコンクリート
    混和剤。
  6. 【請求項6】A成分が、ナフタレンスルホン酸ホルマリ
    ン縮合物の水溶性塩、アルキルアリルスルホン酸塩ホル
    マリン縮合物、クレオソート油のスルホン化物のホルマ
    リン共縮合物水溶性塩、およびメラミンスルホン酸ホル
    マリン縮合物の水溶性塩より成る群から選ばれた1種以
    上の化合物であり、かつ、B成分が、炭素数2〜8のα
    −オレフィンと無水マレイン酸および/またはマレイン
    酸との共重合体の金属塩であり、かつ、C成分が、ギ酸
    塩、酢酸塩、およびトリエタノールアミンより成る群か
    ら選ばれた1種以上の化合物である請求項1〜5のいず
    れかに記載のノロの低減が可能なコンクリート混和剤。
  7. 【請求項7】水100重量部に対して、下記A成分を1
    0〜80重量部、B成分を0.005〜5重量部、およ
    びD成分を0.025〜20重量部を溶解あるいは分散
    させた水溶液、あるいはその水性エマルジョンであるこ
    とを特徴とするノロの低減が可能なコンクリート混和
    剤。 A成分:減水剤および/または高性能減水剤。 B成分:α−オレフィンと不飽和カルボン酸の共重合体
    の金属塩。 D成分:スランプ保持剤。
  8. 【請求項8】A成分が、ナフタレンスルホン酸ホルマリ
    ン縮合物の水溶性塩、アルキルアリルスルホン酸塩ホル
    マリン縮合物、オレフィン−不飽和ジカルボン酸共重合
    体の水溶性塩、クレオソート油のスルホン化物のホルマ
    リン共縮合物水溶性塩、およびメラミンスルホン酸ホル
    マリン縮合物の水溶性塩より成る群から選ばれた1種以
    上の化合物である請求項7に記載のノロの低減が可能な
    コンクリート混和剤。
  9. 【請求項9】B成分の共重合モノマーであるα−オレフ
    ィンが、炭素数2〜8のオレフィン、およびスチレンか
    らなる群より選ばれた1種以上の化合物であり、B成分
    の共重合モノマーである不飽和カルボン酸モノマーが、
    無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸、およびメタ
    アクリル酸からなる群より選ばれた1種以上の化合物で
    ある請求項7または8に記載のノロの低減が可能なコン
    クリート混和剤。
  10. 【請求項10】B成分の共重合体の平均分子量が10,000
    〜5,000,000 である請求項7〜9のいずれかに記載のノ
    ロの低減が可能なコンクリート混和剤。
  11. 【請求項11】D成分のスランプ保持剤が、リグニンス
    ルホン酸塩、フミン酸塩、タンニン酸塩、分子量500
    〜5000のポリアクリル酸塩、オキシカルボン酸塩、
    および分子量500〜5000のポリエチレングリコー
    ルからなる群より選ばれた1種以上の化合物である請求
    項7〜10のいずれかに記載のノロの低減が可能なコン
    クリート混和剤。
  12. 【請求項12】A成分が、ナフタレンスルホン酸ホルマ
    リン縮合物の水溶性塩、アルキルアリルスルホン酸塩ホ
    ルマリン縮合物、クレオソート油のスルホン化物のホル
    マリン共縮合物水溶性塩、およびメラミンスルホン酸ホ
    ルマリン縮合物の水溶性塩より成る群から選ばれた1種
    以上の化合物であり、かつ、B成分が、炭素数2〜8の
    α−オレフィンと無水マレイン酸および/またはマレイ
    ン酸との共重合体の金属塩であり、かつ、D成分が、リ
    グニンスルホン酸塩、フミン酸塩、タンニン酸塩、およ
    びオキシカルボン酸塩より成る群から選ばれた1種以上
    の化合物である請求項7〜11のいずれかに記載のノロ
    の低減が可能なコンクリート混和剤。
JP12812396A 1996-05-23 1996-05-23 ノロの低減が可能なコンクリート混和剤 Withdrawn JPH09309755A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12812396A JPH09309755A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 ノロの低減が可能なコンクリート混和剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12812396A JPH09309755A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 ノロの低減が可能なコンクリート混和剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09309755A true JPH09309755A (ja) 1997-12-02

Family

ID=14976966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12812396A Withdrawn JPH09309755A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 ノロの低減が可能なコンクリート混和剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09309755A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005022843A1 (de) * 2005-05-18 2006-11-23 Construction Research & Technology Gmbh Phosphor-haltige Monomere, Verfahren zu ihrer Herstellung sowie deren Verwendung
JP2009517308A (ja) * 2005-10-14 2009-04-30 ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット セメント質組成物のスランプ維持
CN102432209A (zh) * 2011-08-25 2012-05-02 王秀贵 一种适用水泥生产节能和增效的添加剂及制备方法
CN104016607A (zh) * 2014-05-30 2014-09-03 山东众森科技股份有限公司 一种复合掺合料专用液体活化剂及其制备方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005022843A1 (de) * 2005-05-18 2006-11-23 Construction Research & Technology Gmbh Phosphor-haltige Monomere, Verfahren zu ihrer Herstellung sowie deren Verwendung
US7902310B2 (en) 2005-05-18 2011-03-08 Construction Research & Technology Gmbh Copolymers based on phosphorous-containing monomers, methods for the production thereof and their use
JP2009517308A (ja) * 2005-10-14 2009-04-30 ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット セメント質組成物のスランプ維持
CN102432209A (zh) * 2011-08-25 2012-05-02 王秀贵 一种适用水泥生产节能和增效的添加剂及制备方法
CN104016607A (zh) * 2014-05-30 2014-09-03 山东众森科技股份有限公司 一种复合掺合料专用液体活化剂及其制备方法
CN104016607B (zh) * 2014-05-30 2015-11-11 山东众森科技股份有限公司 一种复合掺合料专用液体活化剂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4586960A (en) Cement admixture
JPH0474748A (ja) セメント用混和剤
JP2000143313A (ja) セメント添加剤及びセメント組成物
JP2001302307A (ja) セメント添加剤およびそれを用いたコンクリート組成物
JPH0561217B2 (ja)
JPH09309755A (ja) ノロの低減が可能なコンクリート混和剤
JPH05238795A (ja) セメント混和剤及びこれを用いたコンクリートの製造方法
JPH06256056A (ja) セメント系グラウト用ブリージング低減剤
JPS61141652A (ja) レデ−ミクストコンクリ−ト組成物
JPH1036159A (ja) セメント組成物及び遠心力コンクリート成形体の製造方法
JPS61141651A (ja) セメント分散剤
JPH05238796A (ja) セメント混和剤及びこれを用いたコンクリートの製造方法
JP2647864B2 (ja) セメント混和剤
JPH0930852A (ja) ノロの低減が可能なコンクリート混和剤
JP2647848B2 (ja) コンクリート混和剤
JPH08217506A (ja) ノロの低減が可能なコンクリート混和剤
JP2638060B2 (ja) セメント混和剤
JPH0526738B2 (ja)
JPH089496B2 (ja) コンクリ−ト混和剤
JPS61146747A (ja) セメント分散剤
JPH0437021B2 (ja)
JPS61132554A (ja) 減水率の高いレデ−ミクストコンクリ−ト組成物
JPS6210951B2 (ja)
JPH01122948A (ja) ワーカビリティ低下の少ない高強度コンクリート組成物
JPH06279085A (ja) セメント混和剤

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030805