JPH0470549B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は循環型穀物乾燥機の乾燥部に係り、
特に排風路部位への穀物の張り付き防止を果すと
ともに、装置をコンパクトにし得る循環型穀物乾
燥機の乾燥部に関する。

〔従来の技術〕

循環型穀物乾燥機は、揚穀機下部に投入された
穀物を揚穀機により上部まで揚上して貯留部内に
分散し、乾燥部のバーナと排風機との熱風通風作
用によつて穀物の乾燥を行い、集穀部内の穀物を
再び揚穀機により揚上させて穀物の循環乾燥を行
うものである。バーナは、燃料機器を設けた燃焼
部と燃焼制御操作及び運転制御操作を行う制御部
とからなり、穀物乾燥機の機体前面側の乾燥部位
置に設けられている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、従来の循環型穀物乾燥機において
は、穀物乾燥機の中央部位に排気室を有するもの
（特開昭56−53370号公報）や、穀物乾燥機の両側
壁部位に夫々排風室を有するもの（特開昭58−
16178号公報）がある。

しかし、穀物乾燥作業の際に、水分値の高い穀
物が排風路を形成する板材や通気板に張り付く現
象が生じ、張り付いた穀物によつて他の穀物の流
下が妨げられるとともに、乾燥風経路が閉ざさ
れ、乾燥効率を著しく低下させ、実用上不利であ
るという不都合がある。

〔発明の目的〕

そこでこの発明の目的は、上述不都合を除去す
るために、循環型穀物乾燥機の底板と側壁と流穀
板とによつて形成される空間部にバーナを配設
し、前記熱風路を循環型穀物乾燥機の両側壁近傍
に配設するとともにこの熱風路間に排風路を配設
し、この排風路上部には補助熱風路を配設し、前
記バーナからの熱風を前記熱風路と補助熱風路と
に夫々供給すべく少なくとも乾燥部の一側に固着
される箱体とこの箱体内に形成される熱風供給室
と熱風供給室と補助熱風路とを連絡すべく循環型
穀物乾燥機内に設けた誘導筒とからなる熱風供給
機構を配設したことにより、穀物の排風路部位へ
の張り付きを防止し、乾燥効率を向上し得るとと
もに、装置をコンパクトにし得る循環型穀物乾燥
機の乾燥部を実現するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するためにこの発明は、乾燥部
の一側から他側に連なる熱風路と排風路とを夫々
有する循環型穀物乾燥機において、この循環型穀
物乾燥機の底板と側壁と流穀板とによつて形成さ
れる空間部にバーナを配設し、前記熱風路を循環
型穀物乾燥機の両側壁近傍に配設するとともにこ
の熱風路間に排風路を配設し、この排風路上部に
は補助熱風路を配設し、前記バーナからの熱風を
前記熱風路と補助熱風路とに夫々供給すべく少な
くとも前記乾燥部の一側に固着される箱体と、こ
の箱体内に形成される熱風供給室と、この熱風供
給室と前記補助熱風路とを連絡すべく前記循環型
穀物乾燥機内に設けた誘導筒とからなる熱風供給
機構を配設したことを特徴とする。

〔作用〕 上述の如く構成したことにより、穀物
乾燥作業の際には、バーナからの熱風を熱風供給
機構を経て、熱風路と補助熱風路とに夫々供給さ
せ、穀物を乾燥させた後に排風路を経て外部に排
出させ、穀物の排風路部位への張り付きを防止す
ることができるとともに、装置をコンパクトにす
ることができるものである。

〔実施例〕

以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に
説明する。

第１〜３図はこの発明の第１実施例を示すもの
である。第１〜３図において、２は循環型穀物乾
燥機である。この循環型穀物乾燥機２は、貯留部
４、乾燥部６、集穀部８とからなり、揚穀機１０
を有する。この揚穀機１０は、揚穀機１０下部の
図示しないホツパに投入された穀物を穀物乾燥機
２の上部まで揚上し、前記貯留部４中に搬送す
る。貯留部４から流下する穀物は、乾燥部６にお
いてバーナ１２と排風機１４との熱風通風作用に
より乾燥され、集穀部８に導かれる。そして、穀
物を再び揚穀機１０により揚上させて循環を繰返
しつつ、この間に穀物の乾燥を行うものである。

前記循環型穀物乾燥機２は、前後板２ａ，２ｂ
と両側壁２ｃ，２ｄと底板２ｘとからなり、底板
２ｘと側壁２ｃと後述する下部搬送手段５０に穀
物を案内流下させる流穀板１６とによつて空間部
Ａが形成され、この空間部Ａにバーナ１２を配設
する。

また、前記循環型穀物乾燥機２の両側壁２ｃ，
２ｄ近傍には一側から他側につまり前後板２ａ，
２ｂに連なる熱風路１８，１８を通気板２０，２
０によつて配設するとともに、この熱風路１８，
１８間には前後板２ａ，２ｂに連なる排風路２２
を通気板２４，２４よつて配設する。

更に、排風路２２の上部には、排風路２２と同
様に、前後板２ａ，２ｂに連なる補助熱風路２６
を通気板２８によつて配設し、前記バーナ１２か
らの熱風を前記熱風路１８，１８と補助熱風路２
６とに夫々供給すべく熱風供給機構３０を配設す
る。この熱風供給機構３０は、少なくとも乾燥部
６の一側たる例えば前板２ａに固着される箱体３
２と、この箱体３２内に形成される熱風供給室３
４と、この熱風供給室３４と前記補助熱風路２６
とを連絡すべく前記循環型穀物乾燥機２の排風路
２２内に設けた誘導筒３６とにより構成される。

なお符号３８は熱風路１８の開口部、４０は誘
導筒３６の開口部、４２はバーナ１２の燃焼室用
炉体、４４は穀物の流下量を調整する可動調整
板、４６は可動調整板４４の支持部、４８は繰出
バルブ、５０は前記集穀部８に設けた下部搬送手
段である。

次に作用について説明する。

穀物乾燥作業の際には、バーナ１２によつて熱
風を発生させ、燃焼室用炉体４２を介して熱風を
箱体３２内の熱風供給室３４に送給させ、この熱
風供給室３４内に開口する夫々の開口部３８，４
０から熱風路１８や誘導筒３６に熱風を供給させ
る。そして、熱風路１８に供給された熱風は、第
１，２図に示す如く、熱風路１８の通気板２０，
２０の孔部を経て穀物を乾燥させ、一の熱風は前
記排風路２２内に流入するとともに、他の熱風は
前記可動調整板４４の支持部４６を経て排風路２
２内に流入し、この排風路２２を経て排風機１４
に至り、外部に排出される。

また、前記誘導筒３６に供給された熱風は、第
１〜３図に示す如く、前記補助熱風路２６に供給
され、補助熱風路２６の通気板２８の孔部を経て
流下する穀物を乾燥させるとともに、補助熱風路
２６上部及び排風路２２の通気板２８を加熱しつ
つ前記排風路２２内に流入し、排風路２２を経て
排風機５２により外部に排出されるものである。

これにより、補助熱風路によつて排風路上を加
熱でき、穀物の排風路部位への張り付きを確実に
防止することができ、張り付く穀物によつて他の
殻物の流下が妨げられる惧れがないとともに、乾
燥風経路が閉ざされるという不都合を回避でき、
穀物の流下抵抗を小とし、乾燥効率を向上するこ
とができる。

また、循環型穀物乾燥機の排風路内に誘導筒を
設けたことにより、装置をコンパクトにすること
ができ、省スペースに寄与し得て、実用上有利で
ある。

更に、熱風を可動調整板の支持部に供給するこ
とができることにより、支持部内に穀物が張り付
く不都合がなく、可動調整板を確実に動作させる
ことができ、使い勝手を向上させることができる
ものである。

第４図はこの発明の第２実施例を示すものであ
る。この第２実施例において上述第１実施例と同
一機能を果す箇所には同一符号を付して説明す
る。

この第２実施例の特徴とするところは、熱風供
給機構３０の熱風供給室３４内に熱風を略中央部
位に案内すべく仕切板６０を設けた点にある。

つまり、熱風供給機構３０を、箱体３２と、熱
風供給室３４と、仕切板６０と、誘導筒３６とに
より構成し、バーナ１２からの熱風を燃焼室用炉
体４２を介して箱体３２内の熱風供給室３４に供
給させる際に、断面Ｌ字形の仕切板６０によつて
案内路６２を形成し、この案内路６２により熱風
供給室３４内の略中央部位に位置する誘導筒３６
の開口部４０近傍に熱風を案内すべく構成してい
る。なお符号６４は箱体３２側面に設けられた外
気導入口である。

さすれば、穀物乾燥作業の際に、熱風供給室に
供給される熱風を仕切板によつて両側の熱風路と
誘導筒とに夫々略均一に供給させることができ、
穀物乾燥時の熱の均分化を果し得て、効果的な乾
燥作業を行わしめることができ、実用上有利であ
る。

また、熱風供給室内に熱風を略中央部位に案内
する仕切板を設けたことにより、装置外部に案内
路を形成する必要がなく、装置をコンパクトにす
ることができ、省スペースに寄与し得るものであ
る。

〔発明の効果〕

以上詳細に説明した如くこの発明によれば、循
環型穀物乾燥機の底板と側壁と流穀板によつて形
成される空間部にバーナを配設し、前記熱風路を
循環型穀物乾燥機の両側壁近傍に配設するととも
にこの熱風路間に排風路を配設し、この排風路上
部には補助熱風路を配設し、前記バーナからの熱
風を前記熱風路と補助熱風路とに夫々供給すべく
少なくとも乾燥部の一側に固着される箱体とこの
箱体内に形成される熱風供給室と熱風供給室と補
助熱風路とを連絡すべく循環型穀物乾燥機内に設
けた誘導筒とからなる熱風供給機構を配設したの
で、補助熱風路によつて排風路部位を加熱でき、
穀物の排風路部位への張り付きを確実に防止し得
て、張り付く穀物による他の穀物の流下が妨げら
れる惧れがないとともに、乾燥風経路が閉ざされ
るという不都合を回避でき、穀物の流下抵抗を小
とし得て、乾燥効率を向上し得るものである。ま
た、循環型穀物乾燥機の排風路内にバーナからの
熱風を補助熱風路に供給する誘導筒を配設するこ
とにより、装置をコンパクトにでき、省スペース
に寄与し得て、実用上有利である。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図はこの発明の第１実施例を示し、第
１図は循環型穀物乾燥機の一部切欠き斜視図、第
２図は循環型穀物乾燥機の要部拡大断面図、第３
図は循環型穀物乾燥機の熱風供給機構の腰部拡大
断面図である。第４図はこの発明の第２実施例を
示す循環型穀物乾燥機の一部切欠き斜視図であ
る。 図において、２は循環型穀物乾燥機、２ａは前
板、２ｂは後板、２ｃ，２ｄは側壁、２ｘは底
板、４は貯留部、６は乾燥部、８は集穀部、１０
は揚穀機、１２はバーナ、１４は排風機、１６は
流穀板、１８は熱風路、２０は通気板、２２は排
風路、２４は通気板、２６は補助熱風路、２８は
通気板、３０は熱風供給機構、３２は箱体、３４
は熱風供給室、３６は誘導筒、３８，４０は開口
部、４４は可動調整板、４６は支持部、Ａは空間
部である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 乾燥部の一側から他側に連なる熱風路と排風
   路とを夫々有する循環型穀物乾燥機において、こ
   の循環型穀物乾燥機の底板と側壁と流穀板とによ
   つて形成される空間部にバーナを配設し、前記熱
   風路を循環型穀物乾燥機の両側壁近傍に配設する
   とともにこの熱風路間に排風路を配設し、この排
   風路上部には補助熱風路を配設し、前記バーナか
   らの熱風を前記熱風路と補助熱風路とに夫々供給
   すべく少なくとも前記乾燥部の一側に固着される
   箱体と、この箱体内に形成される熱風供給室と、
   この熱風供給室と前記補助熱風路とを連絡すべく
   前記循環型穀物乾燥機内に設けた誘導筒とからな
   る熱風供給機構を配設したことを特徴とする循環
   型穀物乾燥機の乾燥部。 ２ 前記熱風供給機構は、熱風を略中央部位に案
   内すべく前記熱風供給室内に設けられた仕切板を
   有する熱風供給機構である特許請求の範囲第１項
   に記載の循環型穀物乾燥機の乾燥部。