JP3638412B2 - 穀物乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、穀物を循環流動させながら流動中の穀物に熱風を浴びせて通風乾燥する穀物乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の穀物乾燥装置においては、上段に穀物貯留槽、中段に通風乾燥部、下段に穀物搬出室をそれぞれ設けており、穀物貯留槽に貯留した穀物を通風乾燥部から穀物搬出室を経て穀物貯留槽に環流する経路で循環流動させながら通風乾燥部を流下する過程で通風乾燥するが、通風乾燥部は、穀物貯留槽の前後幅一杯にわたる熱風導入胴と排風胴を、それらの間に穀物流下路を形成するように設けて構成しているので、穀物流下路の前後両端部を流下する穀物は前後端面壁との間に摩擦抵抗を受けて停滞しがちであるうえ、通風乾燥部の隅部にあたるところから通風ムラも生じ、これが乾燥ムラを生じさせる原因となっている。
【0003】
従来、この種の穀物乾燥装置としては、例えば、特公平7−81782号公報または特公平8−3399号公報に記載されているものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、穀物の循環乾燥において、穀物を全体にわたって均等に乾燥するには、通風乾燥部を穀物がムラ無く流下することと通風ムラが生じないようにすることが肝要であることは前述のとおりである。
【0005】
そこで、本発明の技術的課題の一つは、通風乾燥部を構成する熱風導入胴、排風胴および穀物流下路の前後端側をそれぞれ下方に向け内方に傾斜状に形成することにより、穀物流下路の隅部を解消して通風乾燥部における穀物に流下ムラと通風ムラを無くし、もって、穀物を均等に乾燥することができるようにすることにある。
【0006】
一方、従来のこの種の穀物乾燥装置にあっては、図4に示すように、通風乾燥部aが、穀物貯留槽bの前後幅一杯にわたる熱風導入胴cと排風胴dにより、それらの間に穀物流下路eを形成するように構成されているので、通風乾燥部aの前後両端側には、熱風導入胴cに熱風を供給する熱風ダクトfと排風胴dからの排風を排出する排風ダクトgが外方に膨出しているうえ、熱風ダクトfと排風ダクトgにはそれぞれバーナhと吸引排風機iが装着されるので、穀物乾燥装置がその上下中腹部から下方寄りの部分が大きく張り出して穀物乾燥装置全体からみて相当大きい設置スペースを占める欠点がある。
【0007】
そこで、本発明の技術的課題の他の一つは、通風乾燥部を構成する熱風導入胴、排風胴および穀物流下路の前後端側をそれぞれ下方に向け内方に傾斜状に形成し、通風乾燥部の前端側に熱風導入胴に連通する熱風供給室を、かつ後端側に排風胴に連通する排風室をそれぞれ形成することにより、通風乾燥部の熱風導入胴に熱風を供給する熱風供給室と排風胴からの排風を排出する排風室が外方に膨出せず、熱風供給室と排風室にそれぞれ装着するバーナと吸引排風機の外方への張り出しを極力小さくして、穀物乾燥装置の設置スペースの大幅な縮減を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る穀物乾燥装置は、上段に穀物貯留槽、中段に通風乾燥部、下段に穀物搬出室をそれぞれ設け、穀物貯留槽に貯留した穀物を通風乾燥部から穀物搬出室を経て穀物貯留槽に環流する経路で循環流動させながら通風乾燥部を流下する過程で通風乾燥する穀物乾燥装置であって、通風乾燥部は、複数の多孔状の熱風導入胴と多孔状の排風胴とを対向させて複数層の穀物流下路を形成して成り、これら熱風導入胴、排風胴および穀物流下路の前後端側をそれぞれ下方に向け内方に傾斜状に形成して通風乾燥部の前端側に熱風導入胴に連通する熱風供給室を、かつ後端側に排風胴に連通する排風室をそれぞれ形成したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1、図2および図3は、本発明に係る穀物乾燥装置の一実施の形態を示している。図1は穀物乾燥装置の全体を示す縦断正面図、図2は穀物乾燥装置の要部の縦断側面図、図3は要部の模式的斜視図である。
【0010】
図1、図2および図3において、1は穀物乾燥装置であり、この穀物乾燥装置1は、上段に穀物貯留槽2、中段に通風乾燥部3、下段に穀物搬出室4をそれぞれ設け、穀物搬出室4の底部に設けた穀物搬出コンベア5と穀物貯留槽2の上部に設けた穀物均分コンベア6との間を昇降機7により接続して、穀物貯留槽2に貯留した穀物を通風乾燥部3から穀物搬出室4を経て穀物貯留槽2に環流する経路で循環流動させながら通風乾燥部3を流下する過程で穀物に温度制御を伴った熱風を浴びせて通風乾燥する構成となっている。
【0011】
穀物貯留槽2の下方に位置する通風乾燥部3は、複数の多孔状の熱風導入胴8と多孔状の排風胴9とを対向させて複数層の穀物流下路10を形成して成り、穀物流下路10の下端は穀物繰出部11と成っていて、穀物繰出部11には穀物繰出ロール12が設けられている。
【0012】
通風乾燥部3を構成する熱風導入胴8および排風胴9は、その上端が穀物貯留槽2の前後幅一杯にわたる前後長さに形成されており、熱風導入胴8、排風胴9および穀物流下路10の前後端側は、それぞれ下方に向け内方に傾斜状に形成して、通風乾燥部3の前端側には熱風導入胴8に連通する熱風供給室13が、かつ後端側には排風胴9に連通する排風室14がそれぞれ形成されている。穀物乾燥装置1は、その全体が上下方向に略同形状の角筒状を成しており、熱風供給室13および排風室14は、穀物乾燥機1の前後幅内で側面から見て三角形状を成している。
【0013】
熱風供給室13の外面壁にはバーナ15が装着されており、排風室14の外面壁には吸引排風機16が装着されている。そして、バーナ15における発熱および吸引排風機16による吸引風の起成により発生する熱風は、熱風供給室13から通風乾燥部3の熱風導入胴8に供給され、穀物流下路10を横切って排風胴9に吹き抜けて排風室14に至り、排風室14から吸引排風機16により外部に排出される。通風乾燥部3においては、穀物が穀物流下路10を流下する過程で、通風乾燥部3の熱風導入胴8から穀物流下路10を横切って排風胴9に吹き抜ける熱風により通風乾燥される。
【0014】
上記のように、通風乾燥部3を構成する熱風導入胴8、排風胴9および穀物流下路10の前後端側はそれぞれ下方に向け内方に傾斜状に形成されているので、穀物流下路10の前後両端側の隅部が解消して穀物が滞り無く流下する面を形成しており、通風乾燥部3における穀物に流下ムラと通風ムラが生じない。このため、穀物を均等に乾燥することができる。
【0015】
また、通風乾燥部3を構成する熱風導入胴8、排風胴9および穀物流下路10の前後端側はそれぞれ下方に向け内方に傾斜状に形成されているので、通風乾燥部3の前端側に熱風導入胴8に連通する熱風供給室13を、かつ後端側に排風胴9に連通する排風室14をそれぞれ形成することができる。そして、これら熱風供給室13および排風室14は外方に膨出させずにすみ、熱風供給室13および排風室14にそれぞれ装着するバーナ15と吸引排風機16の外方への張り出しを極力小さくして、穀物乾燥装置1の設置スペースの大幅な縮減を図ることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、通風乾燥部を構成する熱風導入胴、排風胴および穀物流下路の前後端側をそれぞれ下方に向け内方に傾斜状に形成することにより、穀物流下路の隅部を解消して通風乾燥部における穀物に流下ムラと通風ムラを無くし、穀物を均等に乾燥することができる穀物乾燥装置が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、通風乾燥部を構成する熱風導入胴、排風胴および穀物流下路の前後端側をそれぞれ下方に向け内方に傾斜状に形成し、通風乾燥部の前端側に熱風導入胴に連通する熱風供給室を、かつ後端側に排風胴に連通する排風室をそれぞれ形成することにより、通風乾燥部の熱風導入胴に熱風を供給する熱風供給室と排風胴からの排風を排出する排風室が外方に膨出せず、熱風供給室と排風室にそれぞれ装着するバーナと吸引排風機の外方への張り出しを極力小さくして、穀物乾燥装置の設置スペースの大幅な縮減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る穀物乾燥装置の全体を示す縦断正面図である。
【図2】本発明に係る穀物乾燥装置の要部の縦断側面図である。
【図3】本発明に係る穀物乾燥装置の要部の模式的斜視図である。
【図4】本発明の課題を説明するための穀物乾燥装置の要部の模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 穀物乾燥装置
2 穀物貯留槽
3 通風乾燥部
4 穀物搬出室
5 穀物搬出コンベア
6 穀物均分コンベア
7 昇降機
8 多孔状の熱風導入胴
9 多孔状の排風胴
10 穀物流下路
11 穀物繰出部
12 穀物繰出ロール
13 熱風供給室
14 排風室
15 バーナ
16 吸引排風機
Claims (1)
- 上段に穀物貯留槽、中段に通風乾燥部、下段に穀物搬出室をそれぞれ設け、穀物貯留槽に貯留した穀物を通風乾燥部から穀物搬出室を経て穀物貯留槽に環流する経路で循環流動させながら通風乾燥部を流下する過程で通風乾燥する穀物乾燥装置であって、通風乾燥部は、複数の多孔状の熱風導入胴と多孔状の排風胴とを対向させて複数層の穀物流下路を形成して成り、これら熱風導入胴、排風胴および穀物流下路の前後端側をそれぞれ下方に向け内方に傾斜状に形成して通風乾燥部の前端側に熱風導入胴に連通する熱風供給室を、かつ後端側に排風胴に連通する排風室をそれぞれ形成したことを特徴とする穀物乾燥装置。
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JP24822997A JP3638412B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 穀物乾燥装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24822997A JP3638412B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 穀物乾燥装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1183322A JPH1183322A (ja) | 1999-03-26 |
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Family Applications (1)
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1997
- 1997-09-12 JP JP24822997A patent/JP3638412B2/ja not_active Expired - Fee Related
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