JPH0465099B2 - - Google Patents

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JPH0465099B2
JPH0465099B2 JP60291018A JP29101885A JPH0465099B2 JP H0465099 B2 JPH0465099 B2 JP H0465099B2 JP 60291018 A JP60291018 A JP 60291018A JP 29101885 A JP29101885 A JP 29101885A JP H0465099 B2 JPH0465099 B2 JP H0465099B2
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JP
Japan
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flame
retardant
compound
bis
polyolefin composition
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JP60291018A
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JPS62156152A (ja
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Nobuo Goto
Yoichi Nakajima
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Publication of JPS62156152A publication Critical patent/JPS62156152A/ja
Publication of JPH0465099B2 publication Critical patent/JPH0465099B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、難燃性ポリオレフイン組成物に関す
る。さらに詳しくは、溶融混練時および実用時の
ポリオレフインの酸化劣防止性に優れた難燃性ポ
リオレフイン組成物に関する。 [従来の技術] 一般にポリオレフインを難燃化する目的で各種
のハロゲン系難燃剤を該ポリオレフインに配合す
ることが行われているが、成形加工される際の溶
融混練時の熱により該ハロゲン系難燃剤からハロ
ゲンラジカルが生成し、該生成ハロゲンラジカル
により、ポリオレフインが酸化劣化すなわち該ポ
リオレフインの分子鎖の切断または架橋が起こ
る。従つて、該ポリオレフインの架橋の起因する
加工性の低下、分子鎖の切断に起因する機械的強
度の低下ならびにハロゲンラジカルの酸化作用に
起因する着色の問題が起こる。 また、ポリオレフイン特にポリプロピレン系重
合体は、該重合体中に酸化を受け易い第3級炭素
を有するため、実用時の耐熱酸化劣化性(以下、
実用時の熱的安定性という。)に問題がある。特
にハロゲン系難燃剤を配合してなる組成物は、上
述の如くハロゲンラジカルによつて実用時の熱的
安定性が著しく低下する問題がある。このため、
従来よりハロゲン系難燃剤を配合してなる難燃性
ポリオレフインの溶融混練時、実用時の熱酸化劣
化および得られる成形品の着色を防止する目的で
各種の酸化防止剤、金属石鹸(特開昭49−31749
号公報)またはエポキシ化合物(特開昭52−
119655号公報)またはエポキシ系安定剤とトリア
ルキルフオスフアイトもしくはトリアリールフオ
スフアイト系化合物からなるフオスフアイト系安
定剤(特開昭53−31752号公報)がそれぞれ単独
にまたは併用して用いられている。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、近年電気・電子用品または自動
車部品などの用途において難燃性の要求がますま
す厳しくなつてきており、難燃性ポリオレフイン
の用途が多用化、大型化するに伴つて巾広い成形
条件にわたつて成形加工できる難燃性ポリオレフ
イン組成物が要望されている。また該難燃性ポリ
オレフイン組成物を成形して得られる成形品の実
用時の使用条件(耐熱安定性、電気絶縁性など)
に対する要求も厳しくなつてきている。すなわ
ち、従来以上に耐熱酸化劣化性に優れた難燃性ポ
リオレフインの開発が必要である。 これらの問題点を解決するため従来より各種の
フエノール系、チオエーテル系またはリン系など
の酸化防止剤がそれぞれ単独にまたは併用して用
いられているが、いずれも充分満足できるもので
はない。これはハロゲン系難燃剤から生成するハ
ロゲンラジカルの捕捉作用が不十分であるためと
考えられる。また特開昭49−31749号公報に提案
された金属石鹸を併用してなる難燃性組成物は、
該難燃性組成物の着色防止効果はある程度は認め
られるものの未だ充分ではなく、さらに該組成物
を用いて成形品としたときの該成形品の実用時の
熱的安定性も満足できるものでなく併用による相
乗効果はほとんど認められない。また特開昭52−
119665号公報に提案されたエポキシ化合物を配合
してなる難燃性組成物は、該難燃性組成物の着色
防止効果はかなり認められるものの該エポキシ化
合物を単独にまたは金属石鹸と併用して用いた場
合、多量に該エポキシ化合物を用いなければ所望
の効果は得られず、逆に得られる成形品にベタツ
キが生じるといつた問題が起こる。さらに該エポ
キシ化合物を単独にまたは金属石鹸と併用した組
成物を用いて成形品としたときの該成形品の実用
時の熱的安定性も満足できるものでない。また特
開昭53−31752号公報に提案されたエポキシ系安
定剤とトリアルキルフオスフアイトもしくはトリ
アリールフオスフアイト系化合物からなるフオス
フアイト系安定剤を配合してなる難燃性組成物
は、該難燃性組成物の着色防止効果はかなり認め
られるものの、溶融混練時の熱酸化劣化の防止効
果は十分満足できるものでない。さらに該組成物
を用いて成形品としたときの該成形品の実用時の
熱的安定性はほとんど認められず、実用に供し得
ないという問題がある。 本発明者らは、上述のハロゲン系難燃剤を配合
してなる難燃性ポリオレフイン組成物に関する上
述の問題点を解決するため鋭意研究した。 その結果、ポリオレフインおよびハロゲン系難
燃剤からなる難燃性組成物に、該ポリオレフイン
100重量部に対して、下記一般式[]で示され
るフオスフアイト系化合物(以下、化合物Aとい
う。)およびエポキシ化合物をそれぞれ0.01〜1
重量部配合してなる組成物が上述の難燃性ポリオ
レフインの問題点を解決することができることを
見い出し、この知見に基づき本発明を完成した。 [ただし、式中R1は水素、炭素数1〜3のアル
キル基または−CH2−CH(CH3)−R4{R4は、−O
−P(OR52(R5は、炭素数8〜18のアルキル基)}
を示す。R2およびR3は炭素数1〜8の同種また
は異種のアルキル基を示す。] 以上の記述から明らかなように、本発明の目的
は難燃性ポリオレフイン組成物の溶融混練時の耐
熱酸化劣化性(以下、熱的加工安定性という。)、
成形品したときの該成形品の実用時の熱的安定性
および用いた難燃剤に起因する着色性を改善する
効果に優れた難燃性ポリオレフイン組成物を提供
することである。 [問題点を解決するための手段] 本発明は下記の構成を有する。 ポリオレフインおよびハロゲン系難燃剤からな
る難燃性組成物に、該ポリオレフイン100重量部
に対して、下記一般式[]で示されるフオスフ
アイト系化合物(以下、化合物Aという。)およ
びエポキシ化合物をそれぞれ0.01〜1重量部配合
してなる難燃性ポリオレフイン組成物 [ただし、式中R1は水素、炭素数1〜3のアル
キル基または−CH2−CH(CH3)−R4{R4は、−O
−P(OR52(R5は、炭素数8〜18のアルキル基)}
を示す。また、R2およびR3は炭素数1〜8の同
種または異種のアルキル基を示す。] 本発明で用いるポリオレフインとしては、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、
4−メチル−ペンテン−1などのα−オレフイン
の単独重合体、該α−オレフインの2以上からな
るランダム共重合体もしくはブロツク共重合体、
これらα−オレフインと酢酸ビニル、アクリル酸
エステルなどとの共重合体もしくはそのケン化物
またはこれらα−オレフインと不飽和カルボン酸
もしくはその無水物との共重合体もしくは該共重
合体と金属イオン化合物との反応生成物などを例
示することができる。さらにポリオレフインに不
飽和カルボン酸もしくはその誘導体をグラフト重
合した変性ポリオレフインまたは該変性ポリオレ
フインと未変性ポリオレフインとの混合物も用い
ることもできる。また上記ポリオレフインと各種
合成ゴム(例えばエチレン−プロピレン共重合体
ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重
合体ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、スチ
レン−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロツク共重合体、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロツク共重合体、スチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレンブロツク共重合体な
ど)または熱可塑性合成樹脂(例えばポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、
ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなど)
との混合物を用いることもできる。プロピレン単
独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−プロピレンブロツク共重合体、エ
チレン−プロピレン−ブテン−1 3元共重合
体、プロピレン−ヘキセン−ブテン−1 3元共
重合体などのプロピレン系重合体が特に好まし
い。 本発明で用いられる化合物Aとしては1,1′−
ビス(4−ジ−ノニルフオスフアイト−3,5−
ジ−t−ブチルフエニル)メタン、1,1′−ビス
(4−ジ−トリデシルフオスフアイト−3,5−
ジ−t−ブチルフエニル)メタン、1,1′−ビス
(4−ジ−ステアリルフオスフアイト−3,5−
ジ−t−ブチルフエニル)メタン、1,1′−ビス
(3−メチル−4−ジ−ノニルフオスフアイト−
5−t−ブチルフエニル)メタン、1,1′−ビス
(3−メチル−4−ジ−トリデシルフオスフアイ
ト−5−t−ブチルフエニル)メタン、1,1′−
ビス(3−メチル−4−ジ−ステアリルフオスフ
アイト−5−t−ブチルフエニル)メタン、4,
4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフエニル−ジ−ノニルフオスフアイト)、4,
4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフエニル−ジ−トリデシルフオスフアイト)、
4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t
−ブチルフエニル−ジ−ステアリルフオスフアイ
ト)、1,1′−ビス(2−ジ−ノニルフオスフア
イト−3−t−ブチル−5−メチルフエニル)メ
タン、1,1′−ビス(2−ジ−トリデシルフオス
フアイト−3−t−ブチル−5−メチルフエニ
ル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−ステアリル
フオスフアイト−3−t−ブチル−5−メチルフ
エニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−ノニル
フオスフアイト−3−t−ブチル−5−エチルフ
エニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−トリデ
シルフオスフアイト−3−t−ブチル−5−エチ
ルフエニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−ス
テアリルフオスフアイト−3−t−ブチル−5−
エチルフエニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ
−ノニルフオスフアイト−3,5−ジ−t−ブチ
ルフエニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−ト
リデシルフオスフアイト−3,5−ジ−t−ブチ
ルフエニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−ス
テアリルフオスフアイト−3,5−ジ−t−ブチ
ルフエニル)メタン、2,2′−ビス(1−ジ−ノ
ニルフオスフアイト−4,6−ジ−t−ブチルフ
エニル)エタン、2,2′−ビス(1−ジ−トリデ
シルフオスフアイト−4,6−ジ−t−ブチルフ
エニル)エタン、2,2′−ビス(1−ジ−ステア
リルフオスフアイト−4,6−ジ−t−ブチルフ
エニル)エタン、1,1′−ビス(2−ジ−ノニル
フオスフアイト−3−t−オクチル−5−メチル
フエニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ−トリ
デシルフオスフアイト−3−t−オクチル−5−
メチルフエニル)メタン、1,1′−ビス(2−ジ
−ステアリルフオスフアイト−3−t−オクチル
−5−メチルフエニル)メタン、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ジ−ノニルフオスフアイ
ト−5−t−ブチルフエニル)ブタン、1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフ
オスフアイト−5−t−ブチルフエニル)ブタン
または1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ
−ステアリルフオスフアイト−5−t−ブチルフ
エニル)ブタンなどを例示することができる。特
に4,4−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−
t−ブチルフエニル−ジ−トリデシルフオスフア
イト)または1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ジ−トリデシルフオスフアイト−5−t−ブ
チルフエニル)ブタンが好ましい。 本発明で用いるエポキシ化合物としては、溶融
混練時に著しく揮発散失あるいは分解してしまう
ものでなければ特に限定されず、エピクロルヒド
リンもしくはエピクロルヒドリンの誘導体とビス
フエノールもしくはビスフエノールの誘導体との
縮合物、エポキシ化油脂(例えばエポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油な
ど)、エポキシ化油脂酸またはエポキシ化油脂酸
のアルキルエステル(例えばエポキシ化ステアリ
ル酸オクチル、3,4−エポキシシクロヘキシル
メタノールの脂肪酸エステル、3,4−エポキシ
シクロヘキシルカルボン酸のアルキルエステル、
4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカ
ルボン酸のジアルキルエステル、3,4−エポキ
シ−6−メチルシクロヘキシルメヂルおよび3,
4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボ
キシレートなど)などを例示することができる。
特にエピクロルヒドリンとビスフエノールAとの
縮合物、2−メチルエピクロルヒドリンとビスフ
エノールAとの縮合物およびエポキシ化大豆油が
好ましい。これら化合物Aおよびエポキシ化合物
の配合割合は、ポリオレフイン100重量部に対し
てそれぞれ0.01〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5
重量部である。0.01重量部未満の配合では所望の
効果が充分に発揮されず、また1重量部を越えて
も構わないが、それ以上に効果の向上が期待でき
ずベタツキが生じ、実際的でないばかりでなくま
た不経済である。 本発明で用いるハロゲン系難燃剤としては臭化
アンモニウム、塩化アンモニウム、2−クロルテ
トラブロモブタン、2,2−ビス[p−(クロロ
ホルミルオキシ)フエニル−3]プロパン、1,
2−ジブロモ−3−クロロプロパン、1,2,3
−トリブロモプロパン、1,1,2,2−テトラ
ブロモエタン、テトラブロモブタン、ヘキサブロ
モシクロドデカン、ヘキサブロモオクタン、ヘキ
サブロモブタン、ペンタブロモシクロヘキサン、
トリブロモトリクロロシクロヘキサン、ペンタブ
ロモクロロシクロヘキサン、1,2−ジブロモ−
1,1,2,2−テトラクロロエタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロ
モフエニル)プロパン、ビニルクロロアセテー
ト、2,4,6−トリブロモフエニルメタクリレ
ート、2,3,3′−トリブロモアリルホーメー
ト、2,2−ジブロモプロピルメタクリレート、
ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジ
ブロモフマレート、トリブロモフエニルアクリレ
ート、クロロエンド酸、クロロエンド酸ジアリ
ル、無水クロロエンド酸、ブロモスチレン、テト
ラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル
酸、クロロプロパンジオール、3−ブロモ−2,
2−ビス(ブロモメチル)プロパノール、2,2
−ジブロモブテン−1,4−ジオール、トリブロ
モフエノール、ジブロモネオペンチルグリコー
ル、トリブロモネオペンチルアルコール、2,3
−ジブロモプロパノール、2,3,3′−トリブロ
モアリルアルコール、クロロペンタブロモフエニ
ルアリルエーテル、ペンタクロロフエノキシグリ
セリンエーテル、ブロモフエニルアリルエーテ
ル、トリブロモフエノールアリルエーテル、ペン
タブロモフエノールアリルエーテル、ペンタブロ
モフエニルアリルエーテル、ブロモアルケニルエ
ーテル、ソルビトール−1,6−ビス(2,3−
ジブロモプロピル)エーテル、デカブロモジフエ
ニルエーテル、1,2−ビス(2,3,4,5,
6−ペンタブロモフエノキシ)エタン、ヘキサブ
ロモフエニルエーテル、ジブロモクレジルグリシ
ジルエーテル、ペンタブロモアリルエーテル、
1,2−ジブロモプロピル−トリブロモフエニル
エーテル、デカクロロジフエニルカーボネート、
デカブロモジフエニルカーボネート、2,3,3
−トリブロモアリルカルボキシレート、2,3,
5,6,2′,3′,5′,6′−オクタクロロ−4,4′

ジオキシジフエニル、テトラブロモベンゼン、
α、β−ジブロモエチルベンゼン、2−ブロモ−
α、β−ジブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモ
ベンゼン、パークロロペンタシクロデカン、ドデ
カクロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロオ
クテン、ドデカクロロオクタヒドロジメタノベン
ゾフラン、テトラブロモビスフエノールA、テト
ラブロモビスフエノールAジエトキシレート、ビ
ス(2−ヒドロキシエチルエーテル)テトラブロ
モビスフエノールA、テトラブロモビスフエノー
ルAビス(2,3−ジ−ブロモプロピルエーテ
ル)、テトラブロモジフエニルスルフオン、テト
ラブロモジフエニルスルフオンビス(2,3−ジ
−ブロモプロピルエーテル)、デカブロモフエニ
ルオキシド、ペンタブロモトルエン、トリブロモ
アニリン、アセチレンテトラブロミド、1−(p
−トシル)−3−(2−ブロモ−4,4,4−トリ
クロロブチル)尿素、2,3−ジブロプロパノー
ルエステル、塩素化パラフイン、塩素化ポリエチ
レンまたは塩素化ポリプロピレンなどの無機およ
び有機のハロゲン系難燃剤である。これらハロゲ
ン系難燃剤の配合割合は特に限定されず、目的と
する難燃性に応じて配合すればよく、通常ポリオ
レフイン100重量部に対して好ましくは5〜30重
量部である。 また本発明の組成物にはさらに難燃助剤を用い
ることができる。該難燃助剤としてはアンチモン
化合物(例えば三酸化アンチモン、四酸化二アン
チモン、三塩化アンチモン、三塩化アンチモン、
オキシ塩化アンチモン、二塩化アンチモンパーク
ロロペンタン、アンチモン酸カリウムなど)、ジ
ルコニウム酸化物またはホウ素化合物などであ
る。これら難燃助剤の配合割合は限定されない
が、用いるハロゲン系難燃剤100重量部に対して
20〜60重量部が好ましい。該難燃助剤の配合は本
発明組成物中において相乗的に作用して難燃性を
高めることから、難燃剤の配合量を減少させるこ
とができるので該難燃助剤を配合することが好ま
しい。 本発明の組成物にあたつては、通常ポリオレフ
インに添加される各種の添加剤例えばフエノール
系、チオエーテル系、リン系などの酸化防止剤、
光安定剤、透明化剤、造核剤、滑剤、帯電防止
剤、防曇剤、アンチブロツキング剤、無滴剤、顔
料、重金属不活性化剤(銅害防止剤)、過酸化物
の如きラジカル発生剤、金属石鹸類などの分散剤
もしくは中和剤および無機充填剤(例えばタル
ク、マイカ、クレー、ウオラストナイト、ゼオラ
イト、アスベスト、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、
ケイ酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊維など)
あるいはカツプリング剤(例えばシラン系、チタ
ネート系、ボロン系、アルミネート系、ジルコア
ルミネート系など)の如き表面処理剤で表面処理
された前記無機充填剤または有機充填剤(例えば
木粉、パルプ、故紙、合成繊維、天然繊維など)
を本発明の目的を損なわない範囲で併用すること
ができる。 本発明の組成物はポリオレフインに前記化合物
A、エポキシ化合物およびハロゲン系難燃剤必要
に応じて難燃助剤ならびに通常ポリオレフインに
添加される前述の各種添加剤の所定量を通常の混
合装置例えばヘンセルミキサー(商品名)、スー
パーミキサー、リボンブレンダー、バンバリミキ
サーなどを用いて混合し、通常の単軸押出機、2
軸押出機、ブラブンダーまたはロールなどで、溶
融混練温度150℃〜250℃、好ましくは180℃〜230
℃で溶融混練ペレタイズすることにより得ること
ができる。得られた組成物は射出成形法、押出成
形法、ブロー成形法などの各種成形法により目的
とする成形品の製造に供される。 本発明の組成物は成形加工の段階での溶融混練
時の熱的加工安定性に優れ、また用いた難燃剤に
起因する着色もなくかつ該組成物を用いて製造さ
れた成形品は、実用時の熱的安定性に優れている
ので各種の成形分野の難燃性を要求される製品に
有用に使用することができる。 [作用] 本発明において、前記化合物Aとエポキシ化合
物との併用がハロゲン系難燃剤を配合してなる難
燃性ポリオレフイン組成物の溶融混練時におい
て、どのような作用をするのかその作用機構自体
は明らかではない。しかしながら、化合物Aで示
されるフオスフアイト系化合物からなるリン系酸
化防止剤は過酸化物分解剤として作用し、ポリオ
レフインの溶融混練時の耐熱酸化劣化性すなわち
熱的加工安定性に優れていることが一般に知られ
ている。ところが前記難燃性ポリオレフイン組成
物に化合物Aのみを配合した場合には熱的加工安
定性が低下する。しかるに化合物Aとエポキシ化
合物を組み合わせて使用することにより、難燃性
ポリオレフイン組成物において化合物Aの優れた
効果が阻害されることなく、さらに従来公知のエ
ポキシ化合物との組み合せからは到底予測できな
い驚くべき相乗効果が発揮されることが見い出さ
れた。 また本発明の組成物が用いた難燃剤に起因する
着色性の防止および実用時の熱的安定性に優れて
いるのは、用いるエポキシ化合物が生成するハロ
ゲンラジカルを捕捉する能力に著しく優れている
ためと考えられる。 [効果] 本発明の組成物は、公知のハロゲン系難燃剤を
配合してなる難燃性ポリオレフイン組成物にくら
べて、(1)熱的加工安定性および着色防止性が著し
く優れている。(2)の成形品としたときの該成形品
の実用時の熱的安定性が著しく優れている。 [実施例] 以下、実施例、比較例および参考例によつて本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれによつ
て限定されるものではない。 尚、実施例、比較例および参考例で用いた評価
方法は次の方法によつた。 () 熱的加工安定性:得られたペレツトのメル
トフローレート(MFR)を測定(JIS K6758
に準拠)し、これを第1MFRとする。そして得
られたペレツトを用いて溶融混練を繰り返し、
これによつて得られたペレツトのMFRを測定
し、第2MFRとする。 第2MFRの数値および ΔMFR=第2MFR−第1MFR このΔMFRの数値の大小より評価した。 これらの数値が小さい程、繰り返し押出時言
い換えると成形加工時での熱的安定性が優れて
いることを示す。 () 着色防止性:得られたペレツトのYI
(Yellowness Index)を測定(JIS K7103に準
拠)し、このときのYI地を第1YIとする。そし
て得られたペレツトを用いて溶融混練を繰り返
し、これによつて得られたペレツトのYIを測
定し、第2YIとする。 第2YIの数値および ΔYI=第2YI−第1YI このΔYIの数値の大小より評価した。 これらの数値が小さい程、着色防止性が優れ
ていることを示す。 () 実用時の熱的安定性:オーブンライフ試験
により評価した。すなわち得られたペレツトを
用いて長さ50mm、巾25mm、厚み1mmの試験片を
射出成形法により作成し、該試験片を温度150
℃に調節した循環熱風オーブンに入れ、試験片
が完全劣化するまでの時間(引張強度が0にな
るまでの時間)を測定(JIS K7212に準拠)す
ることにより評価した。 () 難燃性:UL サブジエクト 94
(Underwriters Laboratories Inc.)に準拠し
て難燃性の試験を行つた。すなわち得られたペ
レツトを用いて長さ125mm、巾12.5mm、厚み
1.56mmの燃焼用試験片を射出成形法により作成
し、該燃焼用試験片を用いてUL 94垂直燃焼試
験法に準拠して燃焼試験を行ない難燃性を評価
した。 実施例1〜4、比較例1〜13 実施例1〜4として、ポリオレフインとして、
MFR6.0g/10分の粉末状プロピレン単独重合体
100重量部に、ハロゲン系難燃剤として、デカブ
ロモジフエニルエーテル、難燃剤として、三酸化
アンチモン、化合物A、エポキシ化合物および後
述の第1表に記載の配合成分のそれぞれ所定量を
ヘンセルミキサー(商品名)に入れ、3分間撹拌
混合した後、口径30mmの二軸押出機で溶融混練温
度200℃で溶融混練しペレタイズした。 また比較例1〜13として、MFR6.0g/10分の
粉末状プロピレン単独重合体100重量部に、後述
の第1表に記載の配合成分のそれぞれ所定量をヘ
ンセルミキサー(商品名)に入れ、実施例1〜4
に準拠して撹拌混合、溶融混練しペレタイズし
た。 実施各例および比較各例で得られたペレツトを
用いて、射出成形法により樹脂温度230℃で射出
成形し、オーブンライフ測定用試験片および燃焼
性測定用試験片を調製した。得られた試験片を用
いてオーブンライフ試験および燃焼性試験を実施
した。 また、得られたペレツトを用いて溶融混練温度
230℃で溶融混練を繰り返し、熱的加工安定性お
よび着色防止性を評価した。 その結果をまとめて第1表に示した。 実施例5〜8、比較例14〜26 実施例5〜8として、ハロゲン系難燃剤とし
て、テトラブロモビスフエノールAビス(2,3
−ジ−ブロモプロピルエーテル)を用いる以外は
実施例1〜4に準拠して後述の第2表に記載の配
合割合に各配合成分の所定量をそれぞれヘンセル
ミキサー(商品名)に入れ、実施例1〜4に準拠
して撹拌混合、溶融混練しペレタイズした。 また比較例14〜26として、ハロゲン系難燃剤と
して、テトラブロモビスフエノールAビス(2,
3−ジ−ブロモプロピルエーテル)を用いる以外
は比較例1〜13に準拠して後述の第2表に記載の
配合割合に各配合成分の所定量をそれぞれヘンセ
ルミキサー(商品名)に入れ、実施例1〜4に準
拠して撹拌混合、溶融混練ペレタイズした。 実施各例および比較各例で得られたペレツトを
用いて、射出成形法により樹脂温200℃で射出成
形し、オーブンライフ測定用試験片および燃焼性
測定用試験片を調製した。得られた試験片を用い
てオーブンライフ試験および燃焼性試験を実施し
た。 また、得られたペレツトを用いて溶融混練温度
200℃で溶融混練を繰り返し、熱的加工安定性お
よび着色防止性を評価した。その結果をまとめて
第2表に示した。 実施例9〜12、比較例27〜39 実施例9〜12として、ハロゲン系難燃剤とし
て、テトラブロモジフエニルスルフオンビス
(2,3−ジ−ブロモプロピルエーテル)を用い
る以外は実施例1〜4に準拠して、後述の第3表
に記載の配合割合に各配合成分の所定量をそれぞ
れヘンセルミキサー(商品名)に入れ、実施例1
〜4に準拠して撹拌混合、溶融混練しペレタイズ
した。 また、比較例27〜39として、ハロゲン系難燃剤
として、テトラブロモジフエニルスルフオンビス
(2,3−ジ−ブロモプロピルエーテル)を用い
る以外は比較例1〜13に準拠して、後述の第3表
に記載の配合割合に各配合成分の所定量をそれぞ
れヘンセルミキサー(商品名)に入れ、実施例1
〜4に準拠して撹拌混合、溶融混練しペレタイズ
した。 実施各例および比較各例で得られたペレツトを
用いて実施例5〜8に準拠してオーブンライフ測
定用試験片および難燃性測定用試験片を調製し、
オーブンライフ試験および燃焼性試験を実施し
た。 また、得られたペレツトを用いて実施例5〜8
に準拠して熱的加工安定性および着色防止性を評
価した。その結果をまとめて第3表に示した。 実施例13〜16、比較例40〜52 実施例13〜16として、ハロゲン系難燃剤とし
て、ドデカクロロドデカヒドロジメノジベンゾシ
クロオクテンを用いる以外は実施例1〜4に準拠
して、後述の第4表に記載の配合割合に各配合成
分の所定量をそれぞれヘンセルミキサー(商品
名)に入れ、実施例1〜4に準拠して撹拌混合、
溶融混練しペレタイズした。 また比較例40〜52として、ハロゲン系難燃剤と
して、ドデカクロロドデカヒドロジメタノジベン
ゾシクロオクテンを用いる以外は比較例1〜13に
準拠して、後述の第4表に記載の配合割合に各配
合成分の所定量をそれぞれヘンセルミキサー(商
品名)に入れ、実施例1〜4に準拠して撹拌混
合、溶融混練しペレタイズした。 実施各例および比較各例で得られたペレツトを
用いて実施例1〜4に準拠してオーブンライフ測
定用試験片および燃焼性測定試験片を調製し、オ
ーブンライフ試験および燃焼性試験を実施した。 また、得られたペレツトを用いて実施例1〜4
に準拠して熱的加工安定性および着色防止性を評
価した。その結果をまとめて第4表に示した。 参考例 1〜12 ポリオレフインとしてMFR6.0g/10分の粉末
状プロピレン単独重合100重量部に、化合物A、
エポキシ化合物および他の添加剤を後述の第5表
に記載の配合割合に各配合成分のそれぞれ所定量
をヘンセルミキサー(商品名)に入れ、3分間撹
拌混合したのち、口径30mmの二軸押出機で溶融混
練温度200℃で溶融混練ペレタイズした。 参考各例で得られたペレツトを用いて、射出成
形法により樹脂温度230℃で射出成形し、オーブ
ンライフ測定用試験片を調製した。得られた試験
片を用いてオーブンライフ試験を実施した。 また、得られたペレツトを用いて溶融混練温度
230℃で溶融混練を繰り返し、熱的加工安定性お
よび着色防止性を評価した。 その結果をまとめて第5表に示した。 第1〜5表に示される本発明に係わる化合物お
よび添加剤は下記の通りである。 化合物A[](フオスフアイト系化合物):4,
4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−
ブチルフエニル−ジ−トリデシルフオスフアイ
ト) 化合物A[](フオスフアイト系化合物):1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデ
シルフオスフアイト−5−t−ブチルフエニ
ル)ブタン エポキシ化合物[]:エピクロルヒドリンとビ
スフエノールAとの縮合物と、2−メチルエピ
クロルヒドリンとビスフエノールAとの縮合物
の混合物(商品名 MARK EP−17;アデ
カ・アーガス化学社製) エポキシ化合物[]:エポキシ化大豆油(商品
名 ADK CIZER O−130P;アデカ・アーガ
ス化学社製) ハロゲン系難燃剤[]:デカブロモジフエニル
エーテル ハロゲン系難燃剤[]:テトラブロモビスフエ
ノールAビス(2,3−ジ−ブロモプロピルエ
ーテル) ハロゲン系難燃剤[]:テトラブロモジフエニ
ルスルフオンビス(2,3−ブロモプロピルエ
ーテル) ハロゲン系難燃剤[]:ドデカクロロドデカヒ
ドロジメタノジベンゾシクロオクテン 難燃助剤[]:三酸化アンチモン フエノール系化合物1:2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール フエノール系化合物2:テトラキス[メチレン−
3−(3′−5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシ
フエニル)プロピオネート]メタン フオスフアイト系化合物1:トリス(ノニルフエ
ニル)フオスフアイト フオスフアイト系化合物2:ペンタエリスリトー
ル−ジフオスフアイト フオスフアイト系化合物3:ビスフエノールA−
ペンタエリスリトール−フオスフアイトポリマ
ー フオスフアイト系化合物4:ビス(p−オクチ
ル)フエニル−ビス[2−t−ブチル−5−メ
チル−4−[α−(3−t−ブチル−6−メチル
−4−ヒドロキシフエニル)]ブチルフエニル]
−1,6−ヘキサンジオール−ジフオスフアイ
ト チオエーテル系化合物:ジステアリルチオジプロ
ピオネート Ca−St:ステアリン酸カルシウム
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 第1表に記載の実施例および比較例はハロゲン
系難燃剤としてデカブロモジフエニルエーテル、
難燃助剤として三酸化アンチモンを用いた場合で
ある。第1表からわかるように、実施例1〜4は
本発明に係わる化合物Aとエポキシ化合物とを用
いたものであり、実施例1〜4と比較例1(従来
公知である酸化防止剤の組み合わせ)をくらべて
みると、実施例1〜4は熱的加工安定性、着色防
止性および実用時の熱的安定性(オーブンライ
フ)のいずれも優れていることがわかる。特に着
色防止性を表すΔYIの値からも明らかなようにエ
ポキシ化合物を用いない比較例1は、着色防止性
が著しく劣ることがわかる。またエポキシ化合物
のみを用いた比較例2と実施例1〜4をくらべる
と、比較例2は着色防止性はかなり改善されるも
のの未だ充分ではなく、熱的加工安定性および実
用時の熱的安定性についての効果はほとんど認め
られないことがわかる。また比較例3(比較例1
と比較例2との組み合わせすなわちエポキシ化合
物と従来公知である酸化防止剤の併用系)と実施
例1〜4をくらべると、いずれの点においても比
較例3が劣つていることがわかる。さらに比較例
4(エポキシ化合物と化合物A以外のフオスフア
イト系化合物との組み合わせ、すなわち特開昭53
−31752号公報に開示された併用系)と実施例1
〜4をくらべると、着色防止性はかなり改善され
るものの、熱的加工安定性は未だ十分満足できる
ものではない。しかも実用時の熱的安定性につい
ての効果はほとんど認められず、従来公知である
エポキシ化合物とフオスフアイト系化合物との組
み合わせでは本発明の効果を奏し得ないことがわ
かる。すなわち本発明の効果は本発明の化合物A
およびエポキシ化合物とを併用したことによる特
有の効果であることがわかる。 また比較例5〜6(化合物A以外のフオスフア
イト系化合物とエポキシ化合物との組合せ)と実
施例1〜4をくらべてみると、比較例5〜6は着
色防止性はかなり改善されるものの、熱的加工安
定性は未だ充分満足できるものでなく、実用時の
熱的安定性についての効果もほとんど認められな
い。比較例7(フエノール性水酸基を有する化合
物Aに類似したフオスフアイト系化合物とエポキ
シ化合物との組合せ)と実施例1〜4をくらべて
みると、比較例7は熱的加工安定性および実用時
の熱的安定性についてはかなり改善されるもの
の、着色防止性は未だ充分満足できるものでな
い。また実施例1〜2および比較例4〜7におい
てエポキシ化合物を用いない比較例8〜13と実施
例1〜2および比較例4〜7とをくらべてみる
と、比較例8〜13はエポキシ化合物を用いないこ
とによつて熱的加工安定性、着色防止性および実
用時の熱的安定性のいずれもが劣ることがわか
る。従つて本発明にかかわる化合物Aおよびエポ
キシ化合物の配合を満たさない比較各例は、本発
明の効果を奏さないことが明らかである。すなわ
ち、本発明で得られる熱的加工安定性、着色防止
性および実用時の熱的安定性は、本発明において
ハロゲン系難燃剤を配合してなる難燃性ポリオレ
フイン組成物に、化合物Aおよびエポキシ化合物
を併用したときにはじめてみられる特有の効果で
あるといえる。 さらに、第5表に記載の参考例はハロゲン系難
燃剤を用いずに、化合物Aもしくは化合物A以外
のフオスフアイト系化合物、必要によりエポキシ
化合物を用いたものである。ハロゲン系難燃剤を
用いた比較例8〜13と参考例1〜6(比較例8〜
13においてハロゲン系難燃剤を用いないもの)と
をくらべてみると、比較例8〜13はハロゲン系難
燃剤を用いたことによつて熱的加工安定性、着色
防止性および実用時の熱的安定性のいずれもが著
しく低下することがわかる。また参考例1〜6と
参考例7〜12(参考例1〜6にエポキシ化合物を
併用したもの)とをくらべてみると、参考例7〜
12はエポキシ化合物併用によつて熱的加工安定
性、着色防止性および実用時の熱的安定性がわず
かに改善されることがわかる。それに対しハロゲ
ン系難燃剤を用いた場合、実施例1〜4および比
較例1〜13からも明らかなようにエポキシ化合物
を併用することによつて熱的加工安定性、着色防
止性および実用時の熱的安定性のいずれもが著し
く改善されることがわかる。このことからエポキ
シ化合物は、ハロゲン系難燃剤を配合してなる難
燃性ポリオレフイン組成物において顕著な相乗効
果を示すことがわかる。 また本発明の化合物Aおよびエポキシ化合物を
用いた難燃性組成物は、従来公知の難燃性組成物
とくらべて難燃性が何ら遜色ないものであること
が確認された。 第2〜4表は、ハロゲン系難燃剤としてそれぞ
れテトラブロモビスフエノールAビス(2,3−
ジ−ブロモプロピルエーテル)、テトラブロモジ
フエニルスルフオンビス(2,3−ジ−ブロモプ
ロピルエーテル)、ドデカクロロドデカヒドロジ
メタノジベンゾシクロオクテンを用いたものであ
り、これらについても上述と同様の効果が確認さ
れた。 このことから本発明の難燃性組成物が、従来か
ら知られた添加剤の単独あるいは併用による難燃
性組成物にくらべて全ての点で優れていることが
わかり本発明の難燃性組成物の顕著な効果が確認
された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリオレフインおよびハロゲン系難燃剤から
    なる難燃性組成物に、該ポリオレフイン100重量
    部に対して、下記一般式[]で示されるフオス
    フアイト系化合物(以下、化合物Aという。)お
    よびエポキシ化合物をそれぞれ0.01〜1重量部配
    合してなる難燃性ポリオレフイン組成物。 [ただし、式中R1は水素、炭素数1〜3のアル
    キル基または−CH2−CH(CH3)−R4{R4は、−O
    −P(OR52(R5は、炭素数8〜18のアルキル基)}
    を示す。また、R2およびR3は炭素数1〜8の同
    種または異種のアルキル基を示す。] 2 R2およびR3で示されるアルキル基がメチル
    基またはt−ブチル基である特許請求の範囲第1
    項に記載の難燃性ポリオレフイン組成物。 3 化合物Aとして、4,4−ブチリデン−ビス
    (3−メチル−6−t−ブチルフエニル−ジ−ト
    リデシルフオスフアイト)または1,1,3−ト
    リス(2−メチル−4−ジ−トリデシルフオスフ
    アイト−5−t−ブチルフエニル)ブタンを用い
    る特許請求の範囲第1項に記載の難燃性ポリオレ
    フイン組成物。 4 エポキシ化合物として、エピクロルヒドリン
    もしくはエピクロルヒドリンの誘導体とビスフエ
    ノールもしくはビスフエノールの誘導体との縮合
    物、エポキシ化油脂、エポキシ化油脂酸およびエ
    ポキシ化油脂酸のアルキルエステルのなかから選
    ばれた一以上のものを用いる特許請求の範囲第1
    項に記載の難燃性ポリオレフイン組成物。 5 エポキシ化合物として、エピクロルヒドリン
    もしくはその誘導体とビスフエノールAとの縮合
    物またはエポキシ化大豆油を用いる特許請求の範
    囲第1項に記載の難燃性ポリオレフイン組成物。 6 ハロゲン系難燃剤としてデカブロモジフエニ
    ルエーテル、パークロロペンタシクロデカン、ド
    デカクロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロ
    オクテン、ドデカクロロオクタヒドロジメタノジ
    ベンゾフラン、テトラブロモビスフエノールA、
    テトラブロモジフエニルスルフオン、テトラブロ
    モビスフエノールAビス(2,3−ブロモプロピ
    ルエーテル)およびテトラブロモジフエニルスル
    フオンビス(2,3−ジ−ブロモプロピルエーテ
    ル)のなかから選ばれた一以上のものを用いる特
    許請求の範囲第1項に記載の難燃性ポリオレフイ
    ン組成物。 7 ハロゲン系難燃剤をポリオレフイン100重量
    部に対して、5〜30重量部配合してなる特許請求
    の範囲第1項に記載の難燃性ポリオレフイン組成
    物。
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