JPH0320421B2 - - Google Patents

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JPH0320421B2
JPH0320421B2 JP4859788A JP4859788A JPH0320421B2 JP H0320421 B2 JPH0320421 B2 JP H0320421B2 JP 4859788 A JP4859788 A JP 4859788A JP 4859788 A JP4859788 A JP 4859788A JP H0320421 B2 JPH0320421 B2 JP H0320421B2
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JP
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flame
bis
flame retardant
retardant
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JPH01139A (ja
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Nobuo Goto
Yoichi Nakajima
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Chisso Corp
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Publication date
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Publication of JPH0320421B2 publication Critical patent/JPH0320421B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、難燃性ポリオレフイン組成物に関す
る。さらに詳しくは、溶融混練時および実用時の
ポリオレフインの酸化劣化防止性に優れた難燃性
ポリオレフイン組成物に関する。 (従来の技術) 一般にポリオレフインを難燃化する目的で各種
のハロゲン系難燃剤を該ポリオレフインに配合す
ることが行われているが、成形加工される際の溶
融混練時の熱により該ハロゲン系難燃剤からハロ
ゲンラジカルが生成し、ポリオレフインが酸化劣
化すなわち該ポリオレフインの分子鎖の切断によ
る加工性および機械的強度の低下または架橋によ
る加工性の抵下が起こる。またハロゲンラジカル
の酸化作用に起因する着色の問題が起こる。 また、ポリオレフイン特にポリプロピレン系重
合体は、該重合体中に酸化を受け易い第3級炭素
を有するため、実用時の耐熱酸化劣化性(以下、
実用時の熱的安定性という。)に問題がある。特
にハロゲン系難燃剤を配合してなる組成物は、上
述の如くハロゲンラジカルによつて実用時の熱的
安定性が著しく低下する問題がある。このため、
従来よりハロゲン系難燃剤を配合してなる難燃性
ポリオレフインの溶融混練時、実用時の熱酸化劣
化および得られる成形品の着色を防止する目的で
各種の酸化防止剤、金属石鹸(特開昭49−31749
号公報)またはエポキシ化合物(特開昭52−
119655号公報)がそれぞれ単独にまたは併用して
用いられている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、近年電気・電子用品または自動
車部品などの用途において難燃性の要求がますま
す厳しくなつてきており、難燃性ポリオレフイン
の用途が多用化、大型化するに伴つて巾広い成形
条件にわたつて成形加工できる難燃性ポリオレフ
インが要望されている。また該難燃性ポリオレフ
インから得られる成形品の実用時の使用条件(耐
熱安定性、電気絶縁性など)に対する要求も厳し
くなつてきている。すなわち、従来以上に耐熱酸
化劣化性に優れた難燃性ポリオレフインの開発が
必要である。 これらの問題点を解決するため従来より各種の
フエノール系、チオエーテル系またはリン系など
の酸化防止剤がそれぞれ単独にあるいは併用して
用いられているが、いずれも充分満足できるもの
ではない。これはハロゲン系難燃剤から生成する
ハロゲンラジカルの捕捉作用が不十分であるため
と考えられる。また特開昭49−31749号公報に提
案された金属石鹸を併用してなる難燃性組成物
は、該難燃性組成物の着色防止効果はある程度は
認められるものの未だ充分ではなく、さらに該組
成物を用いて成形品としたときの該成形品の実用
時の熱的安定性も満足できるものでなく併用によ
る相乗効果はほとんど認められない。また特開昭
52−119655号公報に提案されたエポキシ化合物を
配合してなる難燃性組成物は、該難燃性組成物の
着色防止効果はかなり認められるものの該エポキ
シ化合物を単独にあるいは金属石鹸と併用して用
いた場合、多量に該エポキシ化合物を用いなけれ
ば所望の効果は得られず、逆に得られる成形品に
ベタツキが生じるといつた問題が起こる。さらに
該エポキシ化合物を単独にあるいは金属石鹸と併
用した組成物を用いて成形品としたときの該成形
品の実用時の熱的安定性も満足できるものではな
い。 本発明者らは、上述のハロゲン系難燃剤を配合
してなる難燃性ポリオレフイン組成物に関する上
述の問題点を解決するために鋭意研究した。 その結果、ポリオレフインおよびハロゲン系難
燃剤からなる難燃性組成物に、該ポリオレフイン
100重量部に対して、下記一般式[]で示され
るフエノール系化合物(以下、化合物Aとい
う。)、およびペンタエリスリトールジフオスフア
イト系化合物(以下、化合物Bという。)、および
エポキシ化合物をそれぞれ0.01〜1重量部を配合
してなる組成物が上述の難燃性ポリオレフインの
問題点を解決することができることを見い出し、
この知見に基づき本発明を完成した。 (ただし、式中R1,R2はそれぞれ水素あるい
は炭素数1〜8の同種または異種のアルキル基を
示す。) 以上の記述から明らかなように、本発明の目的
は難燃性ポリオレフイン組成物の溶融混練時の耐
熱酸化劣化性(以下、加工安定性という。)、成形
品としたときの該成形品の実用時の熱的安定性お
よび用いた難燃性に起因する着色を改善する効果
に優れた難燃性ポリオレフイン組成物を提供する
ことである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は下記の構成を有する。 ポリオレフインおよびハロゲン系難燃剤からな
る難燃性組成物に、該ポリオレフイン100重量部
に対して、下記一般式[]で示されるフエノー
ル系化合物(以下、化合物Aという。)およびペ
ンタエリスリトールジフオスフアイト系化合物
(以下、化合物Bという。)、およびエポキシ化合
物をそれぞれ0.01〜1重量部を配合してなる難燃
性ポリオレフイン組成物。 (ただし、式中R1,R2はそれぞれ水素あるい
は炭素数1〜8の同種または異種のアルキル基を
示す。) 本発明に用いるポリオレフインとしては、エチ
レン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1,
4−メチル−ペンテン−1などのα−オレフイン
の単独重合体、これら2以上のα−オレフインの
ランダム共重合体もしくはブロツク共重合体、ま
たはこれらα−オレフインと酢酸ビニル、アクリ
ル酸エステルなどとの共重合体もしくはそのケン
化物またはそれらα−オレフインと不飽和カルボ
ン酸もしくはその無水物との共重合体もしくは該
共重合体と金属イオン化合物との反応生成物など
を例示することができる。さらにポリオレフイン
に不飽和カルボン酸もしくはその誘導体をグラフ
ト重合した変性ポリオレフインまたは該変性ポリ
オレフインと未変性ポリオレフインとの混合物を
用いることもできる。また上記ポリオレフインと
合成ゴム(例えばエチレン−プロピレン共重合体
ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重
合体ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、スチ
レン−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロツク共重合体、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロツク共重合体、スチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレンブロツク共重合体な
ど)または熱可塑性合成樹脂(例えばポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、
ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルなど)
との混合物を用いることもできる。プロピレン単
独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−プロピレンブロツク共重合体、エ
チレン−プロピレン−ブテン−1 3元共重合
体、プロピレン−ヘキセン−ブテン−1 3元共
重合体などのプロピレン系重合体が特に好まし
い。 本発明で用いられる化合物Aとしてはテトラキ
ス[メチレン−3−(3′−メチル−4′−ヒドロキ
シ−5′−t−ブチルフエニル)プロピオネート]
メタン、テトラキス[メチレン−3−(3′−エチ
ル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフエニル)
プロピオネート]メタン、テトラキス[メチレン
−3−(3′.5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシ
フエニル)プロピオネート]メタン、テトラキス
[メチレン−3−(3′−メチル−4′−ヒドロキシ−
5′−t−オクチルフエニル)プロピオネート]メ
タン、テトラキス[メチレン−3−(3′−t−ブ
チル−4′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフエニ
ル)プロピオネート]メタン、テトラキス[メチ
レン−3−(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t
−ブチルフエニル)プロピオネート]メタン、テ
トラキス[メチレン−3−(2′,5′−ジ−t−ブ
チル−4′−ヒドロキシフエニル)プロピオネー
ト]メタンあるいはテトラキス[メチレン−3−
(2′−t−ブチル−4′−ヒドロキシ−5′−メチルフ
エニル)プロピオネート]メタンなどを例示でき
る。特にテトラキス[メチレン−3−(3′,5′−
ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフエニル)プロ
ピオネート]メタンが好ましい。化合物Bとして
はジステアリルペンタエリスリトール−ジフオス
フアイトの如きジアルキルペンタエリスリトール
−ジフオスフアイト、またはビス(2−t−ブチ
ルフエニル)−ペンタエリスリトール−ジフオス
フアイト、ビス(2−t−ブチル−4−メチルフ
エニル)−ペンタエリスリトール−ジフオスフア
イト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフエニル)
−ペンタエリスリトール−ジフオスフアイト、ビ
ス(2,6−ジ−t−ブチルフエニル)−ペンタ
エリスリトール−ジフオスフアイト、ビス(2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフエニル)−ペ
ンタエリスリトール−ジフオスフアイト、ビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフエニル)
−ペンタエリスリトール−ジフオスフアイト、ビ
ス(2,6−ジ−t−ブチル−4−s−ブチルフ
エニル)−ペンタエリスリトール−ジフオスフア
イト、ビス(2,4,6−トリt−ブチルフエニ
ル)−ペンタエリスリトール−ジフオスフアイト、
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフ
エニル)−ペンタエリスリトール−ジフオスフア
イト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−エト
キシフエニル)−ペンタエリスリトール−ジフオ
スフアイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシメチルフエニル)−ペンタエリスリ
トール−ジフオスフアイト、ビス(2,6−ジ−
t−ブチル−4−メトキシメチルフエニル)−ペ
ンタエリスリトール−ジフオスフアイト、ビス
(2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフエニル)
−ペンタエリスリトール−ジフオスフアイト、ビ
ス(2,6−ジ−t−ブチル−3−エチルフエニ
ル)−ペンタエリスリトール−ジフオスフアイト、
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−3−メトキシフ
エニル)−ペンタエリスリトール−ジフオスフア
イト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−3−エト
キシフエニル)−ペンタエリスリトール−ジフオ
スフアイト、ビス(2−メチル−6−t−ブチル
フエニル)−ペンタエリスリトール−ジフオスフ
アイト、ビス(2,4−ジ−メチル−6−t−ブ
チルフエニル)−ペンタエリスリトール−ジフオ
スフアイト、ビス(2−メチル−4−エチル−6
−t−ブチルフエニル)−ペンタエリスリトール
−ジフオスフアイトあるいはビス(2−メチル−
4,6−ジ−t−ブチルフエニル)−ペンタエリ
スリトール−ジフオスフアイトなどのビス(置換
アリール)−ペンタエリスリトール−ジフオスフ
アイトを例示できる。特にビス(2,4−ジ−t
−ブチルフエニル)−ペンタエリスリトール−ジ
フオスフアイトが好ましい。またエポキシ化合物
としては、溶融混練時に著しく揮発逃失あるいは
分解してしまうものでなければ特に限定されず、
エピクロルヒドリンもしくはエピクロルヒドリン
の誘導体とビスフエノールもしくはビスフエノー
ルの誘導体との縮合物、エポキシ化油脂(例えば
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキ
シ化ヒマシ油など)、エポキシ化油脂酸またはエ
ポキシ化油脂酸のアルキルエステル(例えばエポ
キシ化ステアリン酸オクチル、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメタノールの脂肪酸エステル、
3,4−エポキシシクロヘキシルカルボン酸のア
ルキルエステル、4,5−エポキシシクロヘキサ
ン−1,2−ジカルボン酸のジアルキルエステ
ル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチルまたは3,4−エポキシ−6−メチルシ
クロヘキサンカルボキシレートなど)などを例示
できる。特にエピクロルヒドリンとビスフエノー
ルAとの縮合物、2−メチルエピクロルヒドリン
とビスフエノールAとの縮合物またはエポキシ化
大豆油が好ましい。これら化合物A、和よび化合
物B、およびエポキシ化合物の配合割合は、ポリ
オレフイン100重量部に対してそれぞれ0.01〜1
重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部である。0.01
重量部未満の配合では所望の効果が充分に発揮さ
れず、また1重量部を超えても構わないが、それ
以上の効果の向上が期待できず(エポキシ化合物
が1重量部を超えるとベタツキが生じる。)実際
的でないばかりでなくまた不経済である。 本発明で用いるハロゲン系難燃剤としては臭化
アンモニウム、塩化アンモニウム、2−クロルテ
トラブロモブタン、2,2−ビス[p−(クロロ
ホルミルオキシ)フエニル−3]プロパン、1,
2−ジブロモ−3−クロロプロパン、1,2,3
−トリブロモプロパン、1,1,2,2−テトラ
ブロモエタン、テトラブロモブタン、ヘキサブロ
モシクロドデカン、ヘキサブロモオクタン、ヘキ
サブロモブタン、ペンタブロモシクロヘキサン、
トリブロモトリクロロシクロヘキサン、ペンタブ
ロモクロロシクロヘキサン、1,2−ジブロモ−
1,1,2,2−テトラクロロエタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロ
モフエニル)プロパン、ビニルクロロアセテー
ト、2,4,6−トリブロモフエニルメタクリレ
ート、2,3,3′−トリブロモアリルホーメー
ト、2,2−ジブロモプロピルメタクリレート、
ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジ
ブロモフマレート、トリブロモフエニルアクリレ
ート、クロロエンド酸、クロロエンド酸ジアリ
ル、無水クロロエンド酸、ブロモスチレン、テト
ラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル
酸、クロロプロパンジオール、3−ブロモ−2,
2−ビス(ブロモメチル)プロパノール、2,2
−ジブロモブテン−1,4−ジオール、トリブロ
モフエノール、ジブロモネオペンチルグリコー
ル、トリブロモネオペンチルアルコール、2,3
−ジブロモブロパノール、2,3,3′−トリブロ
モアリルアルコール、クロロペンタブロモフエニ
ルアリルエーテル、ペンタクロロフエノキシグリ
セリンエーテル、ブロモフエニルアリルエーテ
ル、トリブロモフエノールアリルエーテル、ペン
タブロモフエノールアリルエーテル、ペンタブロ
モフエニルアリルエーテル、ブロモアルケニルエ
ーテル、ソルビトール−1,6−ビス(2,3−
ジブロモプロピル)エーテル、デカブロモジフエ
ニルエーテル、1,2−ビス(2,3,4,5,
6−ペンタブロモフエノキシ)エタン、ヘキサブ
ロモジフエニルエーテル、ジブロモクレジルグリ
シジルエーテル、ペンタブロモアリルエーテル、
1,2−ジブロモプロピル−トリブロモフエニル
エーテル、デカクロロジフエニルカーボネート、
デカブロモジフエニルカーボネート、2,3,3
−トリブロモアリルカルボキシレート2,3,
5,6,2′,3′,5′,6′−オクタクロロ−4,4′

ジオキシジフエニル、テトラブロモベンゼン、
α,β−ジブロモエチルベンゼン、2−ブロモ−
α,β−ジブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモ
ベンゼン、パークロロペンタシクロデカン、ドデ
カクロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロオ
クテン、ドデカクロロオクタヒドロジメタノジベ
ンゾフラン、テトラブロモビスフエノールA、テ
トラブロモビスフエノールAジエトキシレート、
ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)テトラブ
ロモビスフエノールA、テトラブロモビスフエノ
ールAビス(2,3−ジ−ブロモプロピルエーテ
ル)、テトラブロモジフエニルスルフオン、テト
ラブロモジフエニルスルフオンビス(2,3−ジ
−ブロモプロピルエーテル)、デカブロモフエニ
ルオキシド、ペンタブロモトルエン、トリブロモ
アニリン、アセチレンテトラブロミド、1−(p
−トシル)−3−(2−ブロモ−4,4,4−トリ
クロロブチル)尿素、2,3−ジブロモプロパノ
ールエステル、塩素化パラフイン、塩素化ポリエ
チレンまたは塩素化ポリプロピレンなどの無機お
よび有機のハロゲン系難燃剤である。これらハロ
ゲン系難燃剤の配合割合は目的とする難燃性に応
じて配合すればよく、特に限定されないが、通常
ポリオレフイン100重量部に対して好ましくは5
〜30重量部である。 また本発明組成物にはさらに難燃助剤を用いる
ことができる。該難燃助剤としてはアンチモン化
合物(例えば三酸化アンチモン、四酸化ニアンチ
モン、三塩化アンチモン、三硫化アンチモン、オ
キシ塩化アンチモン、二塩化アンチモンパークロ
ロペンタン、アンチモン酸カリウムなど)、ジル
コニウム酸化物またはホウ素化合物などである。
これら難燃助剤の配合割合は限定されないが、ハ
ロゲン系難燃剤の配含量100重量部に対して好ま
しくは20〜60重量部である。該難燃助剤の配含は
本発明組成物中において相乗的に作用して難燃性
を高めることから、難燃剤の配合量を減少させる
ことができる。従つて該難燃助剤の配合は好まし
い。 本発明の組成物にあつては、通常ポリオレフイ
ンに添加される各種の添加剤例えばフエノール
系、チオエーテル系、リン系などの酸化防止剤、
光安定剤、透明化剤、造核剤、滑剤、帯電防止
剤、防曇剤、アンチブロツキング剤、無滴剤、顔
料、重金属不活性化剤(銅害防止剤)、過酸化物
の如きラジカル発生剤、金属石鹸類などの分散剤
もしくは中和剤および無機充填剤(例えばタル
ク、マイカー、クレー、ウオラストナイト、ゼオ
ライト、アスベスト、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウ
ム、ケイ酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊維な
ど)あるいはカツプリング剤(例えばシラン系、
チタネート系、ボロン系、アルミネート系、ジル
コアルミネート系など)の如き表面処理剤で表面
処理された前記無機充填剤または有機充填剤(例
えば木粉、パルプ、故紙、合成繊維、天然繊維な
ど)を本発明の目的を損なわない範囲で併用する
ことができる。 本発明の組成物はポリオレフインに前記化合物
A、化合物B、エポキシ化合物およびハロゲン系
難燃剤必要に応じて難燃助剤ならびに通常ポリオ
レフインに添加される前述の各種添加剤の所定量
を通常の混合装置例えばヘンセルミキサー(商品
名)、スーパーミキサー、リボンブレンダー、バ
ンバリミキサーなどを用いて混合し、通常の単軸
押出機、二軸押出機、ブラベンダーまたはロール
などで、溶融混練温度150℃〜250℃、好ましくは
180℃〜230℃で溶融混練ペレタイズすることによ
り得ることができる。得られた組成物は射出成形
法、押出成形法、ブロー成形法などの各種成形法
により目的とする成形品の製造に供される。 〔作用〕 本発明において、(1)化合物Aと(2)化合物Bと(3)
エポキシ化合物との併用が、ハロゲン系難燃剤を
配合してなる難燃性ポリオレフイン組成物の溶融
混練時において、どのような作用をするかその作
用機構自体は明らかではない。しかしながら、化
合物Aで示されるフエノール系酸化防止剤はラジ
カル連鎖禁止剤として、また化合物Bで示される
フオスフアイト系化合物からなるリン系酸化防止
剤は過酸化物分解剤として作用し、前記(1)化合物
Aと(2)化合物Bとの併用系がポリオレフインの加
工安定性に優れていることが一般に知られてい
る。ところが前記難燃性ポリオレフイン組成物に
該併用系を適用した場合加工安定性が低下する。
しかるに該併用系にエポキシ化合物を組み合わせ
て使用することにより、難燃性ポリオレフイン組
成物において該併用系の優れた効果が阻害される
ことなく、さらに従来公知のエポキシ化合物との
組み合せからは到底予測できない驚くべき相乗効
果が発揮されることが見い出された。 また本発明の組成物が用いた難燃剤に起因する
着色を防止する能力および実用時の熱的安定性に
優れているのは、用いるエポキシ化合物がハロゲ
ンラジカルを捕捉する能力に著しく優れているた
めと考えられる。 〔実施例〕 以下、実施例、比較例および参考例によつて本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれによつ
て限定されるものではない。 尚、実施例、比較例および参考例で用いた評価
方法は次の方法によつた。 加工安定性: (a) 用いたポリオレフインがプロピレン系重合体
の場合 得られたペレツトのメルトフローレート
(MFR)を測定(JIS K 6758に準拠)し、これ
を第1MFRとする。そして得られたペレツトを用
いて溶融混練を繰り返し、これによつて得られた
ペレツトのMFRを測定し、第2MFRとする。 第2MFRと第1MFRの差を△MFRとする。第
2MFRの数値と△MFRの数値の大小より加工安
定性を評価した。 これらの数値が小さい程、繰り返し押出時言い
換えると成形加工時の加工安定性が優れているこ
とを示す。 (b) 用いたポリオレフインがエチン系重合体の場
合 得られたペレツトのメルトインデツクス(MI)
を測定(JIS K 6760に準拠)し、これを第1MI
とする。そして得られたペレツトを用いて溶融混
練を繰り返し、これによつて得られたペレツトの
MIを測定し、第2MIとする。第2MIと第1MIの
差を△MIとする。 第2MIの数値と△MIの数値の大小より加工安
定性を評価した。 これらの数値が小さい程、繰り返し押出時言い
換えると成形加工時の加工安定性が優れているこ
とを示す。 着色防止性: 得られたペレツトYI(Yellowness Index)を
測定(JIS K 7103に準拠)し、このときYI値
を第1YIとする。そして得られたペレツトを用い
て溶融混練を繰り返し、これによつて得られたペ
レツトのMIを測定し、第2YIとする。第2YIと第
1YIの差を△YIとする。 第2YIの数値及び△YIの数値の大小より着色防
止を評価した。 これらの数値が小さい程、着色防止性が優れて
いることを示す。 実用時の熱的安定性: オーブンライフ試験により評価した。すなわち
得られたペレツトを用いて長さ50mm、巾25mm、厚
み1mmの試験片を射出成形法により作成し、該試
験片を温度150℃に調節した循環熱風オーブンに
入れ、試験片が完全劣化するまでの時間(引張強
度が0になるまで時間)を測定(JIS K 7212に
準拠)することにより評価した。 難燃性: UL サブジエクト 94(Underwriters
Laboratories Inc.)の垂直燃焼試験法に従い難
燃性の試験を行つた。すなわち得られたペレツト
を用いて長さ125mm、巾12.5mm、厚み1.56mmの燃
焼用試験片を射出成形法により作成し、該燃焼用
試験片を用いて燃焼性区分および溶融滴下の有無
により評価した。 実施例1〜2、比較例1〜6 ポリオレフインとして MFR(230℃における
荷重2.16Kgを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量)6.0g/10分の粉末状プロピレン単独重合
体100重量部に、ハロゲン系難燃剤として、デカ
ブロモジフエニルエーテル、難燃助剤として、三
酸化アンチモン、化合物A、化合物B{ビス(2,
4−ジ−t−ブチルフエニル)−ペンタエリトー
ル−ジフオスフアイト}、エポキシ化合物および
他の添加剤を第1表記載のそれぞれの所定量ヘン
セルミキサー(商品名)に入れ、混合した後口径
30mmの二軸押出機で200℃にて溶融混練しペレタ
イズした。また比較例1〜6としてMFRが6.0
g/10分の粉末状プロピレン単独重合体100重量
部に第1表記載の添加剤のそれぞれの所定量を配
合し、実施例1〜2と同様にしてペレツトを得
た。 オーブンライフ試験および燃焼性試験に用いる
試験片は、得られたペレツトを樹脂温度230℃で
射出成形により調製した。 得られたペレツトを用いて前記の試験方法によ
り溶融混練温度230℃で加工安定性、着色防止性
を、また得られた試験片を用いてオーブンライフ
試験、燃焼性試験の評価を行つた。 これらの結果を第1表に示す。 実施例3〜4、比較例7〜12 ポリオレフインとして、MFR(230℃における
荷重2.16Kgを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量)6.0g/10分の粉末状プロピレン単独重合
体100重量部に、ハロゲン系難燃剤として、テト
ラブロモビスフエノールAビス(2,3−ジ−ブ
ロモプロピルエーテル)、難燃助剤として、三酸
化アンチモン、化合物A、化合物B、エポキシ化
合物および他の添加剤を第2表記載のそれぞれの
所定量ヘンセルミキサー(商品名)に入れ、混合
した後口径30mmの二軸押出機で200℃にて溶融混
練しペレタイズした。また比較例7〜12として
MFRが6.0g/10分の粉末状プロピレン単独重合
体100重量部に第2表記載の添加剤のそれぞれの
所定量を配合し、実施例3〜4と同様にしてペレ
ツトを得た。 オーブンライフ試験および燃焼性試験に用いる
試験片は、得られたペレツトを樹脂温度200℃で
射出成形により調製した。 得られたペレツトを用いて前記の試験方法によ
り溶融混練温度200℃で加工安定性、着色防止性
を、また得られた試験片を用いてオーブンライフ
試験、燃焼性試験の評価を行つた。結果を第2表
に示す。 実施例5〜6、比較例13〜18 ポリオレフインとして、MFR(230℃における
荷重2.16Kgを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量)6.0g/10分の粉末状プロピレン単独重合
体100重量部に、ハロゲン系難燃剤として、テト
ラブロモジフエニルスルフオンビス(2,3−ジ
−ブロモプロピルエーテル)、難燃助剤として、
三酸化アンチモン、化合物A、化合物B、エポキ
シ化合物および他の添加剤を第3表記載のそれぞ
れの所定量ヘンセルミキサー(商品名)に入れ、
混合した後口径30mmの二軸押出機で200℃にて溶
融混練しペレタイズした。また比較例13〜18とし
てMFRが6.0g/10分の粉末状プロピレン単独重
合体100重量部に第3表記載の添加剤のそれぞれ
の所定量を配合し、実施例5〜6と同様にしてペ
レツトを得た。 オーブンライフ試験および燃焼性試験に用いる
試験片は、得られたペレツトを樹脂温度200℃で
射出成形により調製した。 得られたペレツトを用いて前記の試験方法によ
り溶融混練温度200℃で加工安定性、着色防止性
を、また得られた試験片を用いてオーブンライフ
試験、燃焼性試験の評価を行つた。結果を第3表
に示す。 実施例7〜8、比較例19〜24 ポリオレフインとして、MFR(230℃における
荷重2.16Kgを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量)6.0g/10分の粉末状プロピレン単独重合
体100重量部に、ハロゲン系難燃剤として、ドデ
カクロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロオ
クテン、難燃助剤として、三酸化アンチモン、化
合物A、化合物B、エポキシ化合物および他の添
加剤を第4表記載のそれぞれの所定量ヘンセルミ
キサー(商品名)に入れ、混合した後口径30mmの
二軸押出機で200℃にて溶融混練しペレタイズし
た。また比較例19〜24としてMFRが6.0g/10分
の粉末状プロピレン単独重合体100重量部に第4
表記載の添加剤のそれぞれの所定量を配合し、実
施例7〜8と同様にしてペレツトを得た。 オーブンライフ試験および燃焼性試験に用いる
試験片は、得られたペレツトを樹脂温度230℃で
射出成形により調製した。 得られたペレツトを用いて前記の試験方法によ
り溶融混練温度230℃で加工安定性、着色防止性
を、また得られた試験片を用いてオーブンライフ
試験、燃焼性試験の評価を行つた。結果を第4表
に示す。 実施例9〜10、比較例25〜30 ポリオレフインとして、MFR(230℃における
荷重2.16Kgを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量)4.0g/10分の粉末状エチレン−プロピレ
ンブロツク共重合体(エチレン含量8.5重量%)
100重量部に、ハロゲン系難燃剤として、デカブ
ロモジフエニルエーテル、難燃助剤として、三酸
化アンチモン、化合物A、化合物B、エポキシ化
合物および他の添加剤を第5表記載のそれぞれの
所定量ヘンセルミキサー(商品名)に入れ、混合
した後口径30mmの二軸押出機で200℃にて溶融混
練しペレタイズした。また比較例25〜30として
MFRが4.0g/10分の粉末状エチレン−プロピレ
ンブロツク共重合体(エチレン含量8.5重量%)
100重量部に第5表記載の添加剤のそれぞれの所
定量を配合し、実施例9〜10と同様にしてペレツ
トを得た。 オーブンライフ試験および燃焼性試験に用いる
試験片は、得られたペレツトを樹脂温度230℃で
射出成形により調製した。 得られたペレツトを用いて前記の試験方法によ
り溶融混練温度230℃で加工安定性、着色防止性
を、また得られた試験片を用いてオーブンライフ
試験、燃焼性試験の評価を行つた。結果を第5表
に示す。 実施例11〜12、比較例31〜36 ポリオレフインとして、MI(190℃における荷
重2.16Kgを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出
量)5.0g/10分の粉末状チーグラ・ナツタ系エ
チレン単独重合体100重量部に、ハロゲン系難燃
剤として、デカブロモジフエニルエーテル、難燃
助剤として、三酸化アンチモン、化合物A、化合
物B、エポキシ化合物および他の添加剤を第6表
記載のそれぞれの所定量ヘンセルミキサー(商品
名)に入れ、混合した後口径30mmの二軸押出機で
200℃にて溶融混練しペレタイズした。また比較
例31〜36としてMI5.0g/10分の粉末状チーグ
ラ・ナツタ系エチレン単独重合体100重量部に第
6表記載の添加剤のそれぞれの所定量を配合し、
実施例11〜12と同様にしてペレツトを得た。 燃焼性試験に用いる試験片は、得られたペレツ
トを樹脂温度230℃で射出成形により調製した。 得られたペレツトを用いて前記の試験方法によ
り溶融混練温度230℃で加工安定性、着色防止性
を、また得られた試験片を用いて燃焼性試験の評
価を行つた。結果を第6表に示す。 参考例1〜4 ポリオレフインとして、MFR6.0g/10分の粉
末状プロピレン単独重合体100重量部に化合物A、
化合物B、エポキシ化合物および他の添加剤を第
7表記載のそれぞれの所定量ヘンセルミキサー
(商品名)に入れ、混合したあと、口径30mmの二
軸押出機で200℃にて溶融混練しペレタイズした。 オーブンライフ試験に用いる試験片は、得られ
たペレツトを樹脂温度230℃で射出成形により調
製した。 得られたペレツトを用いて前記の試験方法によ
り溶融混練温度230℃で加工安定性、着色防止性
を、また得られた試験片を用いてオーブンライフ
試験の評価を行つた。 これらの結果を第7表に示す。 第1〜7表に示される本発明に係わる化合物お
よび添加剤は下記の通りである。 化合物A(フエノール系化合物);テトラキス
[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−
ヒドロキシフエニル)プロピオネート]メタン 化合物B(ペンタエリスリトール−ジフオスフ
アイト系化合物):ビス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフエニル)−ペンタエリスリトール−ジフオス
フアイト エポキシ化合物[];エピクロルヒドリンと
ビスフエノールAとの縮合物と、2−メチルエピ
クロルヒドリンとビスフエノールAとの縮合物の
混合物(商品名 MARKEP−17;アデカ・アー
ガス化学社製) エポキシ化合物[]:エポキシ化大豆油(商
品名 ADK、CIZER O−130P;アデカ・アー
ガス化学社製) ハロゲン系難燃剤[];デカブロモジフエニ
ルエーテル ハロゲン系難燃剤[];テトラブロモビスフ
エノールAビス(2,3−ジ−ブロモプロピルエ
ーテル) ハロゲン系難燃剤[];テトラブロモジフエ
ニルスルフオンビス(2,3−ジ−ブロモプロピ
ルエーテル) ハロゲン系難燃剤[];ドデカクロロドデカ
ヒドロジメタノジベンゾシクロオクテン 難燃助剤;三酸化アンチモン フエノール系化合物;2.6−ジ−t−ブチル−
p−クレゾール フオスフアイト系化合物(トリアリールフオス
フアイト);トリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
エニル)フオスフアイト チオエーテル系化合物;ジステアリルチオジプ
ロピオネート Ca−St;ステアリン酸カルシウム
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
〔効果〕
各実施例によつて本発明の効果を説明する。 第1表に記載の実施例および比較例は、ポリオ
レフインとしてプロピレン単独重合体を、ハロゲ
ン系難燃剤としてデカプロモジフエニルエーテ
ル、難燃助剤として三酸化アンチモンを用いた場
合である。第1表からわかるように、実施例1〜
2は本発明に係わる化合物A、化合物B、および
エポキシ化合物を用いたものであり、実施例1〜
2と比較例1(従来公知である酸化防止剤の組み
合わせ)をくらべてみると、実施例1〜2は加工
安定性、着色防止性および実用時の熱的安定性
(オーブンライフ)いずれも優れていることがわ
かる。特に着色防止性を表す△YIの値からも明
らかなようにエポキシ化合物を用いない比較例1
は、着色防止性が著しく劣ることがわかる。また
エポキシ化合物のみを用いた比較例2と実施例1
〜2をくらべると、比較例2は着色防止性はかな
り改善されるものの未だ充分ではなく、加工安定
性および実用時の熱的安定性についての効果はほ
とんど認められないことがわかる。比較例3(比
較例1と比較例2との組み合せすなわちエポキシ
化合物と従来公知である酸化防止剤との併用系)
と実施例1〜2をくらべると、いずれの点におい
ても比較例3が劣つていることがわかる。また比
較例4(本発明に係わる化合物B以外のリン系酸
化防止剤、化合物Aおよびエポキシ化合物との併
用系)と実施例1〜2をくらべると、いずれの点
においても比較例4が劣つていることがわかり、
本発明組成物において顕著な相乗効果が認められ
る。 また実施例1および比較例4においてエポキシ
化合物を用いない比較例5〜6と実施例1および
比較例4とをくらべてみると、比較例5〜6はエ
ポキシ化合物を用いないことによつて加工安定
性、着色防止性および実用時の熱的位定性のいず
れもが劣ることがわかる。従つて本発明にかかわ
る化合物A、化合物Bおよびエポキシ化合物の3
成分の配合を同時に満たさない比較各例は、本発
明の効果を奏さないことが明らかである。すなわ
ち、本発明で得られる加工安定性、着色防止性お
よび実用時の熱的安定性は、本発明においてハロ
ゲン系難燃剤を配合してなる難燃性ポリオレフイ
ン組成物に、化合物A、化合物Bおよびエポキシ
化合物を併用したときにはじめてみられる特有の
効果であるといえる。 さらに、第7表に記載の参考例はハロゲン系難
燃剤を用いずに、化合物Aおよび化合物Bまたは
化合物B以外のリン系酸化防止剤、必要によりエ
ポキシ化合物を用いたものである。ハロゲン系難
燃剤を用いた比較例5〜6と参考例1〜2(比較
例5〜6においてハロゲン系難燃剤を用いないも
の)とをくらべてみると、比較例5〜6はハロゲ
ン系難燃剤を用いたことによつて加工安定性、着
色防止性および実用時の熱的安定性のいずれもが
著しく低下することがわかる。また参考例1,3
と参考例2,4(参考例1,3にエポキシ化合物
を併用したもの)とをくらべてみると、参考例
2,4はエポキシ化合物併用によつて加工安定
性、着色防止性および実用時の熱的安定性がわず
かに改善されることがわかる。それに対しハロゲ
ン系難燃剤を用いた場合、実施例1〜2および比
較例1〜6からも明らかなようにエポキシ化合物
を併用することによつて加工安定性、着色防止性
および実用時の熱的安定性のいずれもが著しく改
善されることがわかる。このことからエポキシ化
合物は、ハロゲン系難燃剤を配合してなるポリオ
レフイン組成物において顕著な相乗効果を示すこ
とがわかる。 また本発明の難燃性組成物は、従来公知の難燃
性組成物とくらべて難燃性が同等であることが確
認された。 第2〜4表は、ポリオレフインとしてプロピレ
ン単独重合体を、ハロゲン系難燃剤としてそれぞ
れテトラブロモビスフエノールAビス(2,3−
ジ−ブロモプロピルエーテル)、テトラブロモジ
フエニルスルフオンビス(2,3−ジ−ブロモプ
ロピルエーテル)、ドデカクロロドデカヒドロジ
メタノジベンゾシクロオクテンを用いたものであ
り、これらについても上述と同様の効果が確認さ
れた。また第5〜6表は、ポリオレフインとして
それぞれエチレン−プロピレンブロツク共重合
体、チーグラ・ナツタ系エチレン単独重合体を、
ハロゲン系難燃剤としてデカブロモジフエニルエ
ーテルを用いたものであり、これらについても上
述と同様の効果が確認された。 このことから本発明の難燃性組成物が、従来か
ら知られた添加剤の単独あるいは併用による難燃
性組成物にくらべて全ての点で優れていることが
わかり本発明の難燃性組成物の顕著な効果が確認
された。 すなわち、本発明の難燃性ポリオレフイン組成
物は、従来の難燃性ポリオレフイン組成物にくら
べて、難燃性は低下することなく、成形加工時の
加工安定性および着色防止性に著しく優れてい
る。又本発明の難燃性ポリオレフイン組成物の成
形品の実用時の熱的安定性が著しく優れている。
熱的安定性が良いことは熱による酸化劣化がない
ことを示し、酸化劣化に基づく電気絶縁性の低下
もないことを示す。従つて本発明の難燃性ポリオ
レフイン組成物は難燃性を要求される電気・電子
用品、自動車部品などの各種成形品に好適に使用
できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリオレフインおよびハロゲン系難燃剤から
    なる難燃性組成物に、該ポリオレフイン100重量
    部に対して、下記一般式[]で示されるフエノ
    ール系化合物(以下、化合物Aという。)および
    ペンタエリスリトールジフオスフアイト系化合物
    (以下、化合物Bという。)、およびエポキシ化合
    物をそれぞれ0.01〜1重量部を配合してなる難燃
    性ポリオレフイン組成物。 (ただし、式中R1,R2はそれぞれ水素あるい
    は炭素数1〜8の同種または異種のアルキル基を
    示す。) 2 一般式[]において、R1,R2がメチル基
    またはt−ブチル基である特許請求の範囲第1項
    の難燃性ポリオレフイン組成物。 3 化合物Aがテトラキス[メチレン−3−(3′,
    5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフエニル)
    プロピオネート]メタン、化合物Bがビス(2,
    4−ジ−t−ブチフエニル)−ペンタエリスリト
    ールジフオスフアイトである特許請求の範囲第1
    項の難燃性ポリオレフイン組成物。 4 エポキシ化合物が、エピクロルヒドリンもし
    くはエピクロルヒドリンの誘導体とビスフエノー
    ルもしくはビスフエノールの誘導体との縮合物、
    エポキシ化油脂、エポキシ化油脂酸またはエポキ
    シ化油脂酸のアルキルエステルから選ばれた一以
    上のものである特許請求の範囲第1項の難燃性ポ
    リオレフイン組成物。 5 エポキシ化合物が、エピクロルヒドリンもし
    くはその誘導体とビスフエノールAとの縮合物ま
    たはエポキシ化大豆油である特許請求の範囲第1
    項の難燃性ポリオレフイン組成物。 6 ハロゲン系難燃剤がデカブロモジフエニルエ
    ーテル、パークロロペンタシクロデカン、ドデカ
    クロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロオク
    テン、ドデカクロロオクタヒドロジメタノジベン
    ゾフラン、テトラブロモビスフエノールA、テト
    ラブロモジフエニルスルフオン、テトラプロモビ
    スフエノールAビス(2,3−ジ−ブロモプロピ
    ルエーテル)またはテトラブロモジフエニルスル
    フオンビス(2,3−ジ−ブロモプロピルエーテ
    ル)から選ばれた一以上のものである特許請求の
    範囲第1項の難燃性ポリオレフイン組成物。 7 ハロゲン系難燃剤をポリオレフイン100重量
    部に対して5〜30重量部配合してなる特許請求の
    範囲第1項の難燃性ポリオレフイン組成物。
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