JPH0463B2 - - Google Patents

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JPH0463B2
JPH0463B2 JP60190973A JP19097385A JPH0463B2 JP H0463 B2 JPH0463 B2 JP H0463B2 JP 60190973 A JP60190973 A JP 60190973A JP 19097385 A JP19097385 A JP 19097385A JP H0463 B2 JPH0463 B2 JP H0463B2
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formula
compound
aroma
dimethyl
flavor
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JP60190973A
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Masamichi Ito
Minoru Iwamoto
Kunio Kojo
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T Hasegawa Co Ltd
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T Hasegawa Co Ltd
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Publication of JPH0463B2 publication Critical patent/JPH0463B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、それ自体香料として、又他の香料化
合物の合成中間体として期待される有用な従来文
献未記載の新規化合物に関する。又、本発明は該
化合物の製法及びその利用にも関する。
詳しくは、本発明は、下記式(1) 但し式中、−Xは=O又は−OHを示し、点線
はいずれかの一方に2重結合の存在を示し、−X
が−OHの場合は、3位の位置に2重結合が存在
することを示す、 で表わされる1−(4,4−ジメチル−2−メチ
レンシクロヘキサン−1−イル)−2−又は−3
−ブテン誘導体に関する。
更に詳しくは、記式(1)化合物に包含される下記
式(1)−1 で表わされる1−(4,4−ジメチル−2−メチ
レンシクロヘキサン−1−イル)−2−ブテン−
1−オン(以下γ−イソダマスコンという)がロ
−ズ調を基調とする甘い花様、果実様、わずかに
草様の香気香味を有し、該式(1)−1化合物を有効
成分として含有することを特徴とする持続性香気
香味付与乃至変調剤にも関し、又、該式(1)−1化
合物の製法にも関する。
又、本発明は、上記式(1)化合物に包含される下
記式(1)−2 で表わされる1−(4,4−ジメチル−2−メチ
レンシクロヘキサン−1−イル)−3−ブテン−
1−オール及び下記式(1)−3 で表わされる1−(4,4−ジメチル−2−メチ
レンシクロヘキサン−1−イル)−3−ブテン−
1−オンが、上記式(1)−1の合成に有用な中間体
であり、又、該式(1)−2及び(1)−3が花様の香気
香味を有し、式(1)−2又は、式(1)−3を有効成分
として含有することを特徴とする持続性香気香味
付与乃至変調剤にも関する。又、該式の製法にも
関する。
(B) 従来の技術 上記式(1)に構造類似の化合物としては、例え
ば、下記式(A) で表わされるα−イソダマスコンが知られてい
る。上記式(A)化合物は、例えば、Dragoco
Report,1月号,17〜20ページ,1979,に記載
されているが、該化合物の香気特性については記
述されていない。本発明者らの知見によれば、ロ
ーズ調を基調とする花様の香気を有しているが、
甘さ及びこく味に欠け、グリーン感が強い特徴を
有していた。
(C) 発明が解決しようとする問題点 近年、各種の飲食品、香粧品類の多様化に伴
い、各種の飲食品のフレーバ或いは香粧品用の香
料が、従来にない新しい香気に対するニーズが高
まり、特にマイルドでこくがあり、且つ新鮮さが
あり、更に持続性に優れた香料物質の開発が望ま
れている。
このため、既知の種々の香料素材を適宜に、又
その配合量を組合わせ、できるだけ天然らしさを
有するように調合が行われている。従来、このよ
うなマイルドでこくがあり且つ新鮮な天然らしさ
があり、更に持続性を付与できる素材は少なく、
特に容易に且つ安価に入手し得る上記性能を持つ
素材不足している。
(D) 問題点を解決するための手段 本発明者らは、上記事情にかんがみ、香料化合
物として公知の上記式(A)のα−イソダマスコンの
異性体について鋭意研究を行つてきた。
その結果、上記式(1)に包含される式(1)−1のγ
−イソダマスコンが、従来公知の上記式(A)化合物
の香気に比べて、甘さ及びこく味の点で優れたロ
−ズ調を基調とする甘い花様、果実様、わずかに
草様の香気香味特性及び優れた持続性を有し、且
つ上記式(1)−1化合物が容易に合成できることを
発見し且つその合成に成功した。
又、上記式(1)−1化合物を有効成分として、飲
食品(嗜好品を含む)、香粧品、保健・衛生・医
薬品類などの広い分野において、従来公知の上記
式(A)では、得られない新規な持続性香気香味付与
乃至改良補強剤が提供できることを発見した。
又、上記式(1)−2及び(1)−3が上記式(1)−1化
合物の合成中間体として利用できるばかりでな
く、上記式(1)−1とは幾分ニユアンスの違う花様
の香気香味特性及び優れた持続性を有し、各種の
利用分野において新規な持続性香気香味付与乃至
改良補強剤が提供できることを発見した。
本発明の下記式(1) 但し式中、−X及び点線は上記したと同義で表
わされる1−(4,4−ジメチル−2−メチレン
シクロヘキサン−1−イル)−2−又は−3−ブ
テン誘導体は、例えば、下記式(2) で表わされるγ−シクロバンジユラールを有機溶
媒中、ハロゲン化マグネシウムアリルと反応させ
て、上記式(1)に包含される下記式(1)−2 で表わされる1−(4,4−ジメチル−2−メチ
レンシクロヘキサン−1−イル)−3−ブテン−
1−オールを形成させ、該式(1)−2化合物を有機
溶媒中、酸化剤の存在下に酸化反応して上記式(1)
に包含される下記式(1)−3 で表わされる1−(4,4−ジメチル−2−メチ
レンシクロヘキサン−1−イル)−3−ブテン−
1−オンを形成させ、該式(1)−3化合物を有機溶
媒中、酸触媒の存在下に異性化反応させることに
より、上記式(1)に包含される下記式(1)−1化合物 で表わされるγ−イソダマスコンを容易に合成す
ることができる。
本発明の上記式(1)化合物の製造工程図を示す
と、例えば以下の様に表わすことができる。
本発明の上記式(1)化合物の製造態様を上記工程
図に従つて、以下詳しく説明する。
上記工程図において、式(2)の原料化合物γ−シ
クロラバンジユラールは、本発明者らによつて初
めて合成された従来文献未記載の化合物であつ
て、後述の参考例のようにして、例えば、5,5
−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−カルバル
デヒドから4工程で容易に合成することができ
る。該式(2)化合物は、それ自体も香気香味付与乃
至変調剤として広い利用分野で有用な化合物であ
り、該式(2)化合物、その製法及びその利用は、本
願と同日付けの同一出願人の出願に係わる特願昭
60−190972号(特開昭62−51636号)の主題であ
る。
上記式(2)化合物から上記式(1)に包含される式(1)
−2の1−(4,4−ジメチル−2−メチレンシ
クロヘキサン−1−イル)−3−ブテン−1−オ
ールを合成するには、例えば、上記式(2)のγ−シ
クロラバンジユラールを有機溶媒中、あらかじめ
調製したハロゲン化マグネシウムアリルと接触反
応させることにより、容易に合成することができ
る。
上記反応に使用するハロゲン化マグネシウムア
リルの具体例としては、例えば、酸化マグネシウ
ムアリル、ヨウ化マグネシウムアリル、臭化マグ
ネシウムアリルなどを好ましくあげることができ
る。これらハロゲン化マグネシウムアリルの使用
量としては、式(2)化合物に対して、例えば、約1
〜約5モル程度の範囲を好ましくあげることがで
きる。又、上記の有機溶媒としては、例えば、テ
トラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチル
エーテル、ベンゼン、トルエン、ジオキサンなど
を例示することができる。これら有機溶媒の使用
量には、特別の制約はなく適宜に選択して行うこ
とができるが、例えば、式(2)化合物に対して、約
5〜約20重量倍程度の範囲を例示することができ
る。
上記反応は、使用する有機溶媒によつても異な
るが、例えば、約−20〜約50℃程度の温度範囲の
条件下で、例えば、約0.5〜約30時間程度反応す
ることにより、容易に行うことができる。
反応終了後は、生成物を飽和塩化アンモニウム
水溶液中に注入し、有機層を分離し、有機溶媒を
留去し、例えば、蒸留のごとき手段で精製して、
上記式(1)−2化合物を得ることができる。
上記式(1)−3の1−(4,4−ジメチル−2−
メチレンシクロヘキサン−1−イル)−3−ブテ
ン−1−オンを合成するには、例えば、上述の様
にして合成することのできる式(1)−2化合物を酸
化剤の存在下に、例えば、約−10〜約30℃程度の
好ましい温度条件下に、例えば、約0.5〜約2時
間程度反応することにより、容易に行うことがで
きる。
上記反応に使用する酸化剤としては、例えば、
jone′s試薬(クロム酸+硫酸)を例示することが
できる。これらの酸化剤の使用量としては、式(1)
−2化合物に対して、例えば、約2/3〜約2モル
程度の範囲を例示することができる。又、使用す
る有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトン、などを好ましく
例示することができる。これらの有機溶媒の使用
量は、適宜選択すればよいが、例えば式(1)−2化
合物に対して、約5〜約20重量倍程度範囲を好ま
しくあげることができる。
反応終了後は、過剰の酸化剤を還元し、生成物
をアルカリで中和し、有機溶媒を留去して例え
ば、蒸留のごとき手段で精製して、式(1)−3化合
物を得ることができる。
上述の様にして、例えば合成することのできる
式(1)−3から上記式(1)−1を合成するのは、例え
ば、式(1)−3化合物を有機溶媒中、酸触媒の存在
下に反応させることにより、容易に合成すること
ができる。
上記反応に使用する酸触媒としては、例えば、
p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、リン酸な
どを好ましくあげることができる。これら酸触媒
の使用量としては、式(1)−3化合物に対して、例
えば、約0.01〜約20重量%程度の範囲を好ましく
例示することができる。又、有機溶媒としては、
トルエン、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフ
ラン、塩化メチレンなどが好ましく使用でき、こ
れら溶媒の使用量としては、特に制限されること
なく使用できるが、式(1)−3化合物に対して、例
えば、約2〜約100重量倍程度の範囲を好ましく
例示することができる。
反応終了後は、生成物をアルカリ水溶液で中和
洗浄する。有機層を濃縮し、例えば、カラムクロ
マト、蒸留のごとき手段で精製して、式(1)−1化
合物を容易に得ることができる。
上述のようにして得られる上記式(1)化合物に包
含される化合物名、沸点、香気の特徴は下記の通
りである。
(1)−1 γ−イソダマスコン 沸点73〜75℃/2mmHg ローズ調を基調とする甘い花様、果実様、わ
ずかに草様の持続性のある香気香味を有する。
(1)−2 1−(4,4−ジメチル−2−メチレン
シクロヘキサン−1−イル)−3−ブテン−1
−オール 沸点80〜81℃/2mmHg 果実感のある花様の持続性のある香気香味を
有する。
(1)−3 1−(4,4−ジメチル−2−メチレン
シクロヘキサン−1−イル)−3−ブテン−1
−オン 沸点70〜71℃/2mmHg ローズ調を基調とするわずかに甘みのある花
様、果物様の持続性のある香気香味を有する。
上記式(1)化合物は、各種の飲食品、香粧品類、
保健・衛生・医薬品類などの香気乃至香味付与乃
至変調成分として優れた持続性及びユニークな香
気香味を有する。
より具体的には、式(1)化合物を例えば、ベルガ
モツト油、レモン油、ゼラニウム油、ラベンダー
油、マンダリン油などの合成精油中に配合すると
天然精油が本来有するマイルドでこくのある持続
性香気香味付与乃至変調剤が調整できる。又例え
ば、オレンジ、ライム、レモン、グレープフルー
ツなどのごとき柑橘精油に対してもよく調和し、
その精油の特徴を強調することができ、新鮮でさ
わやかなより天然らしさを有する持続性香気香味
付与乃至変調剤効果を与えることができる。更に
例えばストロベリー、レモン、オレンジ、グレー
プフルーツ、アツプル、パイナツプルなどのごと
きフレーバー組成物に配合すると、マイルドでこ
くのある天然らしさがあり且つ持続性の強調され
た香気香味付与乃至変調剤を得ることができる。
更に又、上記式(1)化合物を各種の合成香料、天然
香料とも良く調和し、ユニークで且つ持続性の強
調された香気香味付与乃至変調剤を得ることがで
きる。前記式(1)化合物の配合量としては、その目
的によつても異なるが、例えば一般的には全体の
約0.001〜約30重量%程度の範囲の配合量を例示
することができる。
かくして、本発明によれば式(1)化合物を有効成
分としてなる持続性香気香味付与乃至変調剤もし
くは強化剤を利用して、式(1)化合物を香味成分と
して含有することを特徴とする飲食類、式(1)化合
物を香気成分として含有することを特徴とする化
粧品類、式(1)化合物を香気香味成分として含有す
ることを特徴とする保健・衛生・医薬品類を提供
することができる。
例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料類、炭
酸飲料のごとき飲料類;アイスクリーム類、シヤ
ーベツト類、アイスキヤンデイー類のごとき冷菓
類;和・洋菓子類、ジヤム類、チユーインガム
類、パン類、コーヒー、ココア、紅茶、お茶のご
とき嗜好品類、和風スープ類、洋風スープ類のご
ときスープ類;風味調味料、各種インスタント飲
料乃至食品類、各種スナツク食品類などに、その
ユニークな香気香味付与できる適当量を配合した
飲食物を提供できる。又、例えばシヤンプー類、
ヘアクリーム類、ポマード、その他の毛髪用化粧
料基剤;オシロイ、口紅、その他の化粧用基材や
化粧用洗剤類基剤などに、そのユニークな香気を
付与できる適当量を配合した化粧品類が提供でき
る。更に又、洗濯用洗剤類、消毒用洗剤類、防臭
洗剤類その他各種の保健・衛生用洗剤類;歯みが
き、テイツシユー、トイレツトペーパーなどの各
種の保健・衛生材料類;医薬品の服用を容易にす
るための矯味、付香剤など保健・衛生・医薬品類
に、そのユニークな香味を付与できる適当量を配
合もしくは施用した保健・衛生・医薬品類を提供
できる。
以下に参考例及び実施例をあげて、本発明の数
態様を更に詳細に説明する。
(E) 参考例 (1) 5,5−ジメチル−1−シクロヘキセニルメ
タノールの合成。
フラスコに水素化ホウ素ナトリウム11g(0.29
g)、95%エタノール90ml、水酸化カリウム0.5g
を仕込み、氷冷し、この中に5,5−ジメチル−
1−シクロヘキセンカルバルデヒド50g(0.36モ
ル)と95%エタノール45mlの混合溶液を10〜30°、
30分間で滴下し、温室で2時間かくはんした後、
水中に反応液を注ぎ、エーテル抽出し、有機層を
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後エー
テルを留去し、減圧下に蒸留して目的化合物を
40.6gを得た。収率;80%、沸点70〜71℃/3mm
Hg。
(2) 5,5−ジメチル−1−シクロヘキセニルメ
チルメシレートの合成。
上記で得られたアルコール40g(0.2モル)、乾燥
ジエチルエーテル300g、トリエチルアミン42.4
g(0.42モル)をフラスコに仕込み、氷冷する。
この中に塩化メシル35.3g(0.31モル)を10〜15
℃で1時間かくて滴下する。その後、同温度で1
時間かくはんする。反応液を氷水中に注ぎ有機層
を分離し、有機層を希塩酸で2度洗浄し、更に食
塩水で洗浄を行つた後、アルカリ水溶液で洗浄を
行う。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を留去し、粗製の目的化合物を59g得た。収率;
97%。
(3) 2−(2−メチレン−4,4−ジメチルシク
ロヘキシル)−1−N,N−ジメチルアミノア
セトニトリルの合成。
フラスコに硝酸銀9.35g(55ミリモル) 上記で得られたメシレート59g(0.28モル)に
炭酸カリウム58g(0.42モル)、N,N−ジメチ
ルアセトニトリル25.8g(.01モル)、ジメチル
ホルムアミド260mlを加え2日間温室でかくはん
する。反応終了後、溶媒を留去し、残査に水を加
えヘキサンで抽出する。有機層を水洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥し溶媒を留去して、組製の目
的化合物を40g得た。収率;75.6%。
(4) γ−シクロラバンジユラールの合成。
フラスコに硝酸銀9.35g(55ミリモル)、水110
mlを加える。これに上記で得られたニトリル10.3
g(50ミリモル)とエーテル110mlの混合溶液を
温室で、1時間かけて滴下し、同温で1夜かくは
んする。生成した結晶をろ別し、ろ液を分液し、
有機量を水洗浄し、次いで食塩水で洗浄、アルカ
リ水溶液洗浄、食塩水洗浄を順次行なう。エーテ
ル層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エーテルを留
去し減圧下に蒸留して、γ−シクロラバンジユラ
ールを5.1g得た。収率;67%、沸点;85〜87
℃/20mmHg。
(F) 実施例 (1) 1−(4,4−ジメチル−2−メチレンシク
ロヘキサン−1−イル)−3−ブテン−1−オ
ール式(1)−2の合成 金属マグネシウム4.2g(0.175モル)を乾燥テ
トラヒドロフラン150mlとともに500mlのフラスコ
に仕込む。この中に、塩化アリル11.5g(0.15モ
ル)と乾燥テトラヒドロフラン50mlの混合溶液を
滴下し、グリニアール試薬を調製する。(反応開
始後は、20〜25℃の温度範囲を保つ) 滴下終了後、温室で更に30分攪拌を続ける。次
にγ−シクロラバンジユラール15g(0.1モル)
と乾燥テトラヒドロフラン50mlの溶液を10〜12℃
の温度で滴下する。(滴下時間30分)滴下終了後、
更に1時間空温で攪拌を続け反応を終了する。反
応液を飽和塩化アンモニウム水中に注入し、有機
層を分離、水層をエーテル抽出し、有機層と合せ
る。この溶媒層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶
媒を留去した後、減圧蒸留し、80〜81℃/20mmH
gの沸点を有する留分9.5gを得た。収率;49% (2) 1−(4,4−ジメチル−2−メチレンシク
ロヘキサン−1−イル)−3−ブテン−1−オ
ン式(1)−3の合成 1−(4,4−ジメチル−2−メチレンシクロ
ヘキサン−1−イル)−3−ブテン−1−オール
7.8g(40ミリモル)及びアセトン70gを300mlの
フラスコに仕込む。水浴で冷却し、内温を20〜25
℃に保つ。この中にjone′s試薬24.5g(無水クロ
ム酸5.5g、水10g、濃硫酸9g)を30分間で滴
下する。滴下終了後、同温で更に30分攪拌を継続
した後、イソプロピルアルコールを加え過剰の6
価クロムを還元する。次にソーダ灰水溶液を加え
硫酸を中和する。濾過により固形物を除き、母液
をエバポレータでアセトンを留去する。残液にエ
ーテルを加え食塩水洗浄後、エーテルを乾燥し、
減圧下に蒸留し沸点70〜71℃/20mmHgを有する
留分5.3gを得た。収率;68%。
(3) γ−イソダマスコン式(1)−1の合成 1−(4,4−ジメチル−2−メチレンシクロ
ヘキサン−1−イル)−2−ブテン−1−オン2.5
g(13ミリモル)、P−トルエンスルホン酸0.2g
及びトルエン100mlを仕込み、80°に加温、1時間
30分反応を行う。反応液を冷却し、重ソ水で中和
洗浄する。溶媒層を硫酸マグネシウムで乾燥後、
濃縮し残液をSio2カラムクロマトにより分離精製
する。[Sio2ワコーゲル−200、100g、n−ヘキ
サン/酢酸エチル=4/1(v/v)]目的物1.5g
を得た収率;60%、沸点73〜75℃/2mmHg。
(4) 香料組成物例 ローズタイプの調合香料組成物として下記の各
成分(重量部)を混合した。
フエニルエチルアルコール 200 ゲラニオール 50 ヘリオトロピン 20 シトロネロール 10 ネロール 100 ヒドロキシシトロネラール 30 メチルフエニルカルビニルアセテート 25 ゼラニウム油 10 リナロール 30 ベンジルアセテート 35 ベンジルアルコール 20 ローズフエノン 10 ロジノール 280 ローズ油 10 β−ヨノン 50 ベンジルサリシレート 40 シクロペンタデカノライド 30 グアイヤウツド油 50 合計 1000 上記組成物960gに式(1)−1化合物40gを混合
することにより天然的で新鮮な且つ優れた持続性
を有する新規なローズ調合香料がえられた。又、
上記組成物960gに式(1)−2化合物40gを混合す
ることにより、上記とほぼ同様な結果が得られ
た。しかしながら、この場合は甘さが抑えられて
いた。
(5) 香料組成物 らんタイプの調合香料組成物として下記の各成
分(重量部)を混合した。
シクロペンタデカノリド 50 クマリン 10 ヘリオトロピン 30 イランイラン油 80 メチルイオノン 100 アニスアルデヒド 20 ネロリ油 30 ヒドロキシシトロネラール 50 リナルロール 70 イソブチルサリシレート 110 アミルサリシレート 140 5−シクロヘキサデセン 20 オークモスアブソリユート 3 バニリン 7 フエニルアセトアルデヒド 220 ベンジルアセテート 60 合計 1000 上記組成物910gに式(1)−1化合物90gを加え
ることにより、新鮮でより天然的ならんタイプが
強調された持続性を有する新規な調合香料組成物
がえられた。
又、上記組成物910gに式(1)−3化合物を90g
を加え調合香料組成物を調整した。その結果、式
(1)−1を加えた場合とほぼ同様の結果が得られた
が、この場合は、幾分グリーン感があつた。
(6) 香料組成物例 アプリコツト用香気香味組成物として下記の各
成分(重量)を混合した。
アリルシクロヘキシルカプロエート 0.2 ベンツアルデヒド 11.5 アミルアセテート 7.5 アミルブチレート 7.5 アミルフオメート 10.0 アミルバレレート 15.0 シンナミツクアルデヒド 0.5 エチルアセテート 14.5 エチルブチレート 4.5 エチルヘキサノエート 10.0 エチルバレレート 50.0 ゼラニウム油 0.5 イソアミルフエニルアセテート 0.1 ベンジルアセテート 9.5 レモン油 5.0 オレンジ油 10.5 プロピルシンナメート 0.2 α−ウンデカラクトン 213.0 バニリン 85.0 エタノール 535.0 合計 1000.0 上記組成物1000gに式(1)−1化合物20gを加え
ることによりアプリコツトの香気及び香味成分と
して持続性を有する非常に優れた新規組成物がえ
られた。
(ト) 効 果 本発明の新規化合物である下記式(1) 但し式中、−X及び点線は上記したと同義で表
わされる1−(4,4−ジメチル−2−メチレン
シクロヘキサン−1−イル)−2−ブテン誘導体
がローズ調を基調とする花様、果実様、草様の持
続性のある香気香味を有し、該式化合物を有効成
分として、従来の香料素材では得られない新規な
調合香料組成物が提供できる。該調合香料組成物
を利用して、各種の飲食品類、香粧品類、保健・
衛生・医薬品類の香気香味付与乃至変調剤として
有用である。又、式(1)に包含される式(1)−2及び
式(1)−3化合物は式(1)−1に包含される式(1)−1
化合物の合成中間体としても有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記式(1) 但し式中、−Xは=O又は−OHを示し、点線
    はいずれかの一方に2重結合の存在を示し、−X
    が−OHの場合は、3位の位置に2重結合が存在
    することを示す、 で表わされる1−(4,4−ジメチル−2−メチ
    レンシクロヘキサン−1−イル)−2−又は−3
    −ブテン誘導体。
JP60190973A 1985-08-31 1985-08-31 1−(4、4−ジメチル−2−メチレンシクロヘキサン−1−イル)−2−又は−3−ブテン誘導体 Granted JPS6251662A (ja)

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