JPH0461409B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカセツト式消磁装置に係り、カセツト
ケース内に内蔵された消磁ヘツドを磁気ヘツド挿
入口からケース外に突出させて、オープンリール
型磁気再生装置の磁気ヘツドなどの消磁を行える
ようにしたものである。

録音再生装置の磁気ヘツドの消磁を手軽に行え
るようにした装置として、カセツト式消磁装置が
広く使用されている。この種消磁装置の消磁ヘツ
ドはケース内に内蔵されており、その使用にあた
つてはこれをデツキにセツトし、デツキ側のプレ
イボタンを操作して磁気ヘツドをケース内に進入
させ、その前面を消磁ヘツドに当接させることに
より、その消磁を行うようになつていた。したが
つてこの種消磁ヘツドをケース内に内蔵した形式
の消磁装置は、オープンリール型磁気再生装置の
磁気ヘツドやキヤプスタン等の消磁は行えない構
造となつていた。かかる点に鑑み、本出願人は先
きに消磁ヘツドをコードを介してケースに着脱自
在に装着し、上記オープンリール型磁気再生装置
の磁気ヘツドなどの消磁を行うときには、消磁ヘ
ツドをケースから取り出してその消磁を行えるよ
うにした消磁装置を提案したが（実開昭58−2716
号）、このものは消磁ヘツドの取り出し収納作業
がやや面倒であり、また消磁ヘツドをケースに装
着する際に、消磁ヘツドの接続コードをケース内
に収納しにくく、また収納時に接続コードが折曲
してその内部に内装された導電線が断線しやすい
などの難点があつた。

そこで本発明は、上記の点を勘案し、きわめて
簡単な操作により消磁ヘツドをケース外に突出さ
せてオープンリール型磁気再生装置の磁気ヘツド
やキヤプスタンなどの消磁を手軽に行えるように
したカセツト式消磁装置を提供することを目的と
してなされたものであつて、本体ケースの前面に
開設された磁気ヘツド挿入口に臨設された消磁ヘ
ツドと、該消磁ヘツドに接続された消磁回路を備
えたカセツト式消磁装置において、上記消磁ヘツ
ドを上記磁気ヘツド挿入口側へ弾発するバネ材
と、上記消磁ヘツドの上記磁気ヘツド挿入口から
の飛び出し規則手段と、飛び出し規則解除手段と
を設けるようにしたものであり、かくすることに
より上記飛び出し規制解除手段を操作して消磁ヘ
ツドを磁気ヘツド挿入口からケース外へ突出させ
て、オープンリール型磁気再生装置の磁気ヘツド
やキヤプスタンなどの消磁を簡単に行えるように
し、また所定消磁作業が終了したならば、消磁ヘ
ツドをケース内に簡単に収納できるようにしたも
のである。以下、図面を参照しながら本発明の実
施例の説明を行う。

第１図は本発明に係るカセツト式消磁装置を示
すものであつて、１は上ケース２と下ケース３か
ら成り、フイリツプス型コンパクトカセツトと略
同一形状をした本体ケースであり、その前部中央
には磁気ヘツド挿入口５が形成されており、該挿
入口５の両側にはピンチローラ挿入口６，６が形
成されている。７，７はキヤプスタン挿入口であ
る。４は上記挿入口５に臨設された消磁ヘツド部
であり、次に第２図と第３図を参照しながらその
詳細を説明する。４１は上箱４２と下箱４３から
なる矩形箱状ユニツトであり、その内部に消磁ヘ
ツド４４が収納されている。４５は消磁ヘツド４
４の背後に配設されたリミツトスイツチであつ
て、そのレバー４６は消磁ヘツド４４の背面に当
接しており、消磁ヘツド４４が後退するとレバー
４６はオン側へ投入され、消磁回路は閉成して消
磁ヘツド４４に交番漸減磁界を生じ、また消磁ヘ
ツド４４が前進するとレバー４６は開いて消磁回
路は開放される。

４７は線バネであつて、消磁ヘツド４４は該線
バネ４７に前進後退自在に弾持されている。４８
は上箱４２の上面に突設された操作部であつて、
上記上ケース２の上面前部中央に上記挿入口５に
連接して開設された縦長の開口１０に、該開口１
０に沿つて摺動自在に嵌合される（第４図も併せ
て参照）。

１１はユニツト４１の背面に取り付けられた円
筒体であつて、消磁ヘツド部４の接続用導電線１
２は該円筒体１１内を通り、その後方に立設され
た基板壁１３に接続され、更に消磁回路の配線基
板８に接続される。９は電源電池である。１４は
円筒体１１の取り付け杆である。基板１３と円筒
体１１の間にはコイルバネ１５が配設されてお
り、該バネ１５のバネ力により消磁ヘツド部４は
上記挿入口５側へ弾発されている。１６，１６は
上ケース２内面の上記開口１０の両側に突設され
たストツパーであつて、消磁ヘツド部４の前壁上
部に当接し、消磁ヘツド部４が上記バネ１５のバ
ネ力により上記挿入口５からケース１外へ飛び出
すのを規制するものである。消磁ヘツド部４の下
部には押し上げ板１７が配設されており、該押し
上げ板１７のバネ力により消磁ヘツド部４は上方
へ弾発されて上記ストツパー１６，１６に係止さ
れる位置を保持し、その飛び出しを規制されてい
るが（第６図ａ，ｂ参照）、上記操作部４８の上
面を指先にて押圧すると、ヘツド部４は押し上げ
板１７のバネ力に抗して押し下げられ、上記スト
ツパー１６，１６から離れて該ストツパー１６，
１６による飛び出し規制は解除され、そのまま操
作部４８を開口１０に沿つて前方へスライドさせ
るとヘツド部４は上記挿入口５からケース１外へ
突出する。そこでヘツド部４を回転させれば、バ
ネ１５の圧縮力によりユニツト４１の背面はカセ
ツトケース１前面に係止される（第５図および第
７図ａ，ｂ参照）。もちろん上記ストツパー１６
によりユニツト４１の落ちこみは防止できるもの
であるが、ユニツト４１を回転させカセツトケー
ス１の前面部に係止させることで、ユニツト４１
の不意な落ちこみがより確実に防止できるもので
ある。なお回転方向及び角度等は第７図ｃに示さ
れるように任意に選ぶことができる。またヘツド
部４をケース１内に収納するときは、ヘツド部４
を回転させて上記挿入口５に合致させれば、上記
バネ１５の引き込み力によりヘツド部４はケース
１内に復帰し、押し上げ板１７のバネ力により上
方へ弾発されて上記ストツパー１６，１６に係止
され、再びその飛び出しは規制される。以上のよ
うにストツパー１６，１６や押し上げ板１７はヘ
ツド部４の飛び出し規制手段を、また操作部４８
は飛び出し規制解除手段を構成している。１８，
１８はヘツド部４のガイド部材である。上述のよ
うにバネ１５はヘツド部４の収納状態において
は、該ヘツド部４を上記挿入口５側へ弾発する圧
縮バネとして作用し、またヘツド部４の突出状態
においては、該ヘツド部４をケース１内へ引き込
む方向へ弾発する引張バネとして作用している。

本カセツト式消磁装置は上記のような構成より
成り、デツキの磁気ヘツドの消磁を行うときはヘ
ツド部４をケース１内に収納した状態で該ケース
１をデツキにセツトし、プレイボタンを操作すれ
ば磁気ヘツドは前進して消磁ヘツド４４の前面に
当たり、消磁ヘツド４４はこれに押されて後退
し、レバー４６はオン側に投入されて消磁ヘツド
４４に交番漸減磁界を生じ、磁気ヘツドの帯磁は
消去される。

オープンリール型磁気再生装置の磁気ヘツドや
キヤパスタンなどの消磁を行うときは、上述のよ
うに操作部４８を操作してヘツド部４を挿入口５
からケース１外へ突出させ、消磁ヘツド４４の前
面を磁気ヘツドやキヤプスタンなどに押し当てれ
ばよい。また所定作業が終了したならば、上述の
操作を行つてヘツド部４を再びケース１内に後退
させて収納すればよい。

第８図〜第１０図は本発明の他の実施例を示す
ものであつて、５１は上ケース５２と下ケース５
３から成る本体ケースであり、その前面中央には
矩形の磁気ヘツド挿入口５４が一定角度α傾けて
開設されている。５５は消磁ヘツド部であつてそ
の内部構造は上記消磁ヘツド部４と同じであるが
そのユニツト５６の形状が異なつている。すなわ
ちユニツト５６を形成する上箱５７と下箱５７前
部の上面と下面には突部５７１，５８１が突設さ
れており、また上箱５７の上面一側には杆状操作
部５９が突設されている。上ケース５２の前面近
くには縦長孔６０が形成されており、操作部５９
は該縦長孔６０に挿着される。６１はコイルバネ
であつて、上記導電線１２は該バネ６１に内装さ
れている。６２，６３は挿入口５４やや後方の下
ケース５３内面に設けられた突子と板バネであ
り、ヘツド部５５はケース５１内に収納された状
態で突子６２と板バネ６３上に位置して、該板バ
ネ６３のバネ力によりその一側は上方へ弾発され
る。６４は上ケース５２内面に突設された突起で
あり、板バネ６３により上方へ弾発されたヘツド
部５５の一側上面は該突起６４に当たり、ヘツド
部５５は略水平状態を保持する。ヘツド部５５は
ケース５１内に収納された状態で、上記バネ６１
のバネ力により挿入口５４側へ弾発されるが、挿
入口５４の内周縁にはストツパー６５，６５が内
方に突設されており、上記ユニツト５６の突部５
７１，５８１前面は該ストツパー６５，６５に当
たつてケース５１外への飛び出しを規制されてい
る。すなわちストツパー６５，６５や板バネ６３
はヘツド部５５の飛び出し規制手段を、また操作
部５９は飛び出し規制解除手段を構成しており、
操作ボタン５９を指先にて押圧し、板バネ６３に
抗してヘツド部５５を突子６２を支点として挿入
口５４と同一角度α傾斜させて該挿入口５４に合
致させ（第１１図ａ鎖線参照）、操作部５９を開
口６０に沿つてそのまま前方へスライドさせる
と、ヘツド部５５の前部は挿入口５４からケース
５１外へ突出し（第９図鎖線参照）、そこで指先
を操作ボタン５９から離すとヘツド部５５は再度
板バネ６３のバネ力により水平状態に復帰（第１
１図ｂ参照）、上記突部５７１，５８１の後面は
ケース５１前面にバネ６１に引かれて当接し、消
磁ヘツド４４はケース５１外への突出状態を保持
する。そこで消磁ヘツド４４前面を消磁すべき磁
気ヘツドやキヤプスタンなどに押しあてれば、そ
の消磁が行われる。消磁が済んだならば、再度操
作ボタン５９を押してヘツド部５５を傾斜させて
挿入口５４に合致させ、ケース５１内に引き込ん
だ後、操作部５９から指先を離せば、ヘツド部５
５の一側は再び板バネ６３に押し上げられて水平
状態となり、突部５７１，５８１前面はストツパ
ー６５，６５に当接してヘツド部５５の飛び出し
は規制される。以上のように消磁ヘツド部５５前
部をケース５１外へ突出させずに、消磁ヘツド４
４のみを部分的に突出させるようにしてもよい。

上記実施例においては、バネの弾力製を、ヘツ
ド部がケース内へ内装された状態では挿入口側へ
弾発する圧縮バネとして作用させ、ヘツド部が突
出した状態では、ヘツド部をケース内へ引き込む
引張バネとして作用させているが、第１２図ａ，
ｂ，ｃあるいは第１３図ａ，ｂ，ｃに示すよう
に、バネの弾力性を圧縮バネとしてのみ作用させ
たものであつても良い。

すなわち、第１２図ａ，ｂ，ｃは、導電線を内
装したコイルバネ７０の自由長Ｆを基板壁７１か
ら開口部７２までの距離Ａより長く設定させたも
のであり、消磁ヘツド部７３の操作部７７を押し
下げることにより、第１のストツパー７８のロツ
ク手段を解除し、消磁ヘツド部７３を突出させ
る。消磁ヘツド部７３の突出時においては第２の
ストツパー７４及び抜け止め部７５により、消磁
ヘツド部７３の飛び出しは規制される。７６は押
し上げ板であり、常に消磁ヘツド部７３を上方へ
付勢している。

さらには第１３図に示すように第２のストツパ
ー及び抜け止め部を形成せず、消磁ヘツド部７３
の前部を第１のストツパー７９で係止しておき、
操作部７７を押し下げることにより消磁ヘツド部
７３がそのまま本体ケース外部へ飛び出すもので
あつても良い。この場合、第１３図ｃの破線に示
すように消磁ヘツド部７３は上下方向に適度に首
を振ることが可能となり、入り組んだ形状の被消
磁帯をより良好に消磁出来るものである。

本発明に係るカセツト式消磁装置は、フイリツ
プス型コンパクトカセツト形のみならず、８トラ
式カートリツジタイプのものやマイクロカセツト
などの種々の形式の本体ケースに適用できるもの
である。

以上説明したように本発明は、本体ケース１の
前面に開設された磁気ヘツド挿入口５に臨設され
た消磁ヘツド４４と、該消磁ヘツド４４に接続さ
れた消磁回路を備えたカセツト式消磁装置におい
て、上記消磁ヘツド４４を上記磁気ヘツド挿入口
５側へ弾発するバネ材１５と、上記消磁ヘツド４
４の上記磁気ヘツド挿入口５からの飛び出し規制
手段１６，１７と、飛び出し規制解除手段４とを
設けて成るので、簡単な操作により消磁ヘツド４
４をケース１外に突出させてオープンリール型磁
気再生装置の磁気ヘツドやキヤパスタン等の帯磁
しやすい部材の消磁を手軽に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示すものであつて、第１
図はカセツト式消磁装置の斜視図、第２図および
第３図は消磁ヘツド部の分解斜視図および平面
図、第４図は部分断面図、第５図は部分斜視図、
第６図ａ，ｂおよび第７図ａ，ｂ，ｃは取り扱い
中の要部正面図および要部平面図、第８図は本発
明の他の実施例の要部分解斜視図、第９図は要部
断面図、第１０図は要部平面図、第１１図ａ，ｂ
は取り扱い中の要部正面図、第１２図ａ，ｂ，
ｃ、及び第１３図ａ，ｂ，ｃは更に他の実施例の
斜視図及び断面図である。 １，５１……本体ケース、５，５４……磁気ヘ
ツド挿入口、１５，６１，７０……バネ材、１
６，１７，６３，６５，７８，７９……飛び出し
規制手段、４８，，５９，７７……飛び出し規制
解除手段、４４……消磁ヘツド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体ケース１の前面に開設された磁気ヘツド
   挿入口５に臨設された消磁ヘツド４４と、該消磁
   ヘツド４４に接続された消磁回路を備えたカセツ
   ト式消磁装置において、上記消磁ヘツド４４を上
   記磁気ヘツド挿入口５側へ弾発するバネ材１５
   と、上記消磁ヘツド４４の上記磁気ヘツド挿入口
   ５からの飛び出し規則手段１６，１７と、飛び出
   し規制解除手段４とを設けたことを特徴とするカ
   セツト式消磁装置。