JPH0145148B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フレキシブルデイスク駆動装置用の
カセツト装着装置に関するものである。

〔従来の技術〕

この種装置の従来例を、第１図、第２図、第３
図、第４図及び第５図を用いて説明する。これら
の図面において、カセツト装着装置は、基台Ａ
と、フレキシブルデイスク１を収納するカセツト
２と、このカセツト２を収納するカセツト収納体
３と、このカセツト収納体３を基台Ａ上に案内す
る４個の案内板４と、カセツト２をカセツト収納
体３から排出するスライド板５とを備えている。

スライド板５には、２個の長穴５ａ，５ｂを形
成する。スライド板５は、基台上に、長穴５ａ，
５ｂを用いて、カセツト２の挿入方向Ｐに摺動自
在に支持する。２個のコイルばね６，６ａは、ス
ライド板５を、常時カセツト２の排出方向に付勢
するもので、一端をスライド板５に、かつ、他端
を基台Ａにそれぞれ固定する。

カセツト収納体３の両側面には、案内板４に設
けた逆Ｌ字形孔４ａに嵌合するピンを２個ずつ設
ける。逆Ｌ字形孔４ａは、基台Ａ方向にのびる垂
直孔部４ｂとカセツト２の排出方向にのびる水平
孔部４ｃとからなる。ピン７には、回転可能なス
リーブ８を取り付ける。２個の引張ばね９，９ａ
は、一端をカセツト収納体３の側面に形成した突
起体１０に、かつ、他端を基台Ａにそれぞれ取り
付ける。２個の引張ばね９，９ａの一端を取り付
ける突起体１０の位置よりも、２個の引張ばね
９，９ａの他端を基台Ａに取り付ける位置を、カ
セツト収納体３のカセツト挿入口３ａに近づける
ことにより、２個の引張ばね９，９ａは、逆Ｌ字
状孔４ａの水平孔部４ｃにピン７を移動させる水
平ばね力及び逆Ｌ字状孔４ａの垂直孔部４ｂ内に
ピン７を下降移動させる垂直ばね分力が生ずるよ
うになる。

カセツト２には、その上下面に磁気ヘツド挿入
窓２ａを、かつ、その両側面に長溝２ｂを設け
る。磁気ヘツド挿入窓２ａには、シヤツター１０
を取り付ける。シヤツター１０を開閉するための
開閉用操作体１１は、その一端１１ａがカセツト
２の長溝２ｂに臨んでいる。カセツト収納体３の
カセツト挿入口３ａの両側には、開閉用操作体１
１の一端１１ａを操作する操作突起体１２を設け
る。カセツト収納体３内にカセツト２を挿入する
と、操作突起体１２が、長溝２ｂ内を摺動して、
開閉用操作体１１の一端１１ａを押す。開閉用操
作体１１の一端１１ａが、操作突起体１２により
押されて長溝２ｂ内を移動すると、シヤツター１
０が開き、磁気ヘツド挿入窓２ａからフレキシブ
ルデイスク１が露出する。カセツト収納体３のカ
セツト挿入口３ａからカセツト２を引き出すと、
カセツト２内に設けた復帰ばね（図示せず）によ
つて開閉用操作体１１が元の状態に戻り、磁気ヘ
ツド挿入窓２ａをシヤツター１０によつて閉じ
る。長溝２ｂは、カセツト２の後端２ｃに貫き抜
けていない。

カセツト２を、第２図の状態からカセツト収納
体３内に挿入し、カセツト２の前端２ｄによりカ
セツト収納体３の奥壁３ｂを押すと、カセツト収
納体３が、引張ばね９，９ａのばね力に逆つてカ
セツト２の挿入方向に移動する。

カセツト収納体３が移動して、ピン７が案内板
４の逆Ｌ字形孔４ａの水平孔部４ｃから逆Ｌ字形
孔４ａの垂直孔部４ｂ上に移動すると、その垂直
孔部４ｂがスライド板５に設けた斜面部材１４に
よつてふさがれていないため、引張ばね９，９ａ
により、ピン７が垂直孔部４ｂ内を落下して、第
３図に示すように、カセツト収納体３が基台Ａに
装着する。この状態のとき、フレキシブルデイス
ク１と、このフレキシブルデイスク１を回転駆動
するスピンドル１３とが結合する。

第３図に示す状態で、スライド板５を、カセツ
ト２の挿入方向に押すと、スライド板５の両側に
形成してなる斜面部材１４の斜面部１４ａによ
り、ピン７が、逆Ｌ字形４ａの垂直孔部４ｂ内を
上昇するので、カセツト収納体３が基台Ａから離
れ、スピンドル１３からフレキシブルデイスク１
が離れる。

スライド板５を押して、ピン７が逆Ｌ字形孔４
ａの水平孔部４ｃの高さに達すると、引張ばね
９，９ａにより、ピン７が水平孔部４ｃ内に移動
して、第４図に示すように、カセツト収納体３が
カセツト２の排出方向に移動する。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来例では、カセツト２を前後逆にして無
理にカセツト収納体３内に挿入しようとするなど
の誤操作があつた場合、第５図に示すように、カ
セツト２がカセツト収納体３に挿入されていなく
とも、カセツト収納体３が水平方向に移動し、し
かも、逆Ｌ字状孔４の垂直孔部４ｂが斜面部材１
４によつてふさがれていないので、ピン７が垂直
孔部４ｂ内を落下して、カセツト収納体３が基台
Ａ上に装着されてしまう欠点を有している。

本発明の目的とするところは、上記の欠点にか
んがみ、カセツトを前後逆にしてカセツト収納体
内に挿入しようとするなどの誤操作があつても、
カセツト収納体が、基台上に下降して装着される
ことのないカセツト装着装置を提供するにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的は、基台と、この基台方向にのびる垂
直孔部及びカセツト排出方向にのびる水平孔部と
からなる逆Ｌ字状孔を有し、かつ、前記基台に設
けた複数個の案内板と、両側面にピンを設け、こ
のピンを前記逆Ｌ字状孔に嵌合することによつて
前記案内板に支持したカセツト収納体と、常時カ
セツト排出方向に付勢され、かつ、前記逆Ｌ字状
孔の垂直孔部における前記ピンの上下移動を行わ
せる斜面部材を設けたスライド板と、前記逆Ｌ字
状孔の水平孔部に前記ピンを移動させる水平ばね
分力及び前記逆Ｌ字状孔の垂直孔部に前記ピンを
移動させる垂直ばね分力が生ずるように、前記基
台と前記カセツト収納体とに取り付けた引張ばね
と、カセツト挿入方向に前記スライド板を挿入し
てそのスライド板の前端に形成した係合突起が係
合する爪及び前記カセツト収納体に収納したカセ
ツトの前端が接触する立上り片を設けた解除板と
を備えたカセツト装着装置において、前記スライ
ド板の斜面部材は、前記爪と前記係合突起が係合
しているときに前記案内板の垂直孔部をふさぎ、
かつ、前記爪と前記係合突起が係合を解除してい
るときに前記案内板の垂直孔部を開放する構成に
するとともに、前記解除板は、前記立上り片を前
記カセツト収納体に収納したカセツトの前端で押
すと、前記立上り片の根元部を支点として回動
し、前記爪が前記係合突起からはずれるように、
前記基台に設け、しかも、前記立上り片のカセツ
ト接触面側が曲面となるように、前記立上り片の
カセツト接触部分をわん曲させることにより、達
成できる。

〔作用〕

カセツトの挿入方向を誤つて、カセツトの後端
でカセツト収納体の操作突起体を押して、カセツ
ト収納体がカセツト挿入方向に移動させられて
も、案内板の逆Ｌ字状孔の垂直孔部が斜面部材に
よつてふさがれているため、ピンが案内板の垂直
孔部内に落下せず、カセツト収納体が、基台に落
下して装着されない。

また、カセツト収納体にカセツトを収納し、そ
のカセツト前端で、解除板の立上り片を押すと、
その解除板が回動して爪から係合突起が離れ、ス
ライド板の斜面部材が、カセツト排出方向に移動
し、案内板の垂直孔部が開放するため、ピンが垂
直孔部内を落下するので、カセツト収納体が、基
台上に落下して装着される。この場合、立上り片
のカセツト接触面が曲面となるように、立上り片
のカセツト接触部分をめん曲させているため、カ
セツトの前端と立上り片との接触面積が小さいの
で、カセツトをカセツト収納体内で傾くことなく
水平状態で維持できる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第６図、第７図、第
８図、第９図に基づいて説明する。これらの図面
において、第１図から第５図に示す符号と同一符
号の部分は、上記従来例と同一内部を示してい
る。

第６図から第９図において、カセツト装着装置
は、カセツト収納体３の奥側に位置するところ
に、解除板１５を備えている。解除板１５は、基
台Ａに段付ねじ１６により取り付ける。段付ねじ
１６と解除板１５との間には、解除板１５を基台
Ａ側に押し付ける押しばね１７を設ける。

解除板１５は、一端にはスライド板５の前端に
形成した係合突起１８に係合する爪１５ａを有
し、かつ、他端にはカセツト２の前端２ｄが接触
する立上り片１５を有する。立上り片１５ｂのカ
セツト接触部分１５ｃは、カセツト２が接触する
面側が曲面となるように、わん曲させてある。カ
セツト接触部分１５ｃは、立上り片１５ｂの根元
部１５ｄよりもカセツト収納体３側に位置してい
る。

スライド板５の係合突起１８は、第６図及び第
７図に示すように、スライド板５をカセツト２の
挿入方向に押すと、カセツト収納体３からカセツ
ト２が排出した状態で、解除板１５の爪１５ａに
係合する。このとき、案内板４に設けた逆Ｌ字状
孔４ａの垂直孔部４ｂが、スライド板５の斜面部
材１４でふさがれるため、カセツト収納体３のピ
ン７が垂直孔部４ｂ内に落下することなく、カセ
ツト収納体３は、第７図に示すように、基台Ａか
ら上方に離れている。

カセツト収納体３内にカセツト２を押し込み、
そのカセツト２の前端２ｄにより立上り片１５ｂ
のカセツト接触部分１５ｃを押すと、解除板１５
が、立上り片１５ｂの根元部１５ｄを支点とし、
かつ、押しばね１７のばね力に逆つて回動して、
第８図に示すように、解除板１５の爪１５ａが上
方に変位することにより、スライド板１５の係合
突起８と解除板１５の爪１５ａとの係合を解除す
る。

カセツト収納体３のピン７は、係合突起１８と
爪１５ａとの係合が解除される直前に、案内板４
に設けた逆Ｌ字形孔４ａの垂直孔部４ｂ上に位置
する構成になつている。

係合突起１８と爪１５ａとの係合が解除される
と、スライド板５が、そのスライド板５に設けた
コイルばね６，６ａ（第１図を参照）によつて、
第８図のように移動し、案内板４の垂直孔部４ｂ
をふさいでいた斜面部材１４がなくなり、垂直孔
部４ｂを開放する構成にしてある。したがつて、
引張ばね９，９ａのばね力によつて、ピン７が垂
直孔部４ｂ内を落下し、基台Ａ上にカセツト収納
体３及びカセツト２が、第９図に示すように、装
着される。このとき、解除板１５は、押しばね１
７によつて元の状態に復帰する。

カセツト２をカセツト収納体３から排出したい
場合には、スライド板５を押し込むと、そのスラ
イド板５に設けた斜面部材１４の斜面１４ａによ
つて、ピン７が垂直孔部４ｂに沿つて上昇するの
で、カセツト収納体３が基台Ａから離れるととも
に、ピン７が水平孔部４ｃの高さに達すると、そ
のピン７が引張ばね９，９ａによつて水平孔部４
ｃ内に移動し、カセツト収納体３がカセツト２の
排出方向に移動させられ、第７図に示すように、
カセツト２が排出可能な状態となる。この状態で
は、スライド板５の係合突起１８は、解除板１５
の爪１５ａに係合する。

本実施例では、スライド板５が解除板１５に係
合している状態では、カセツト収納体３を押して
も、案内板４の垂直孔部４ｂスライド板５の斜面
部材１４でふさぎ、ピン７が垂直孔部４ｂ内に落
下するのを防止しているので、カセツト収納体３
が下降して基台Ａに装着されることはない。した
がつて、カセツト２の前後逆にした場合の誤挿入
を防止できる。

また、本実施例では、カセツト収納体３にカセ
ツト２を収納し、そのカセツト２の前端で解除板
１５を押すことによつて、はじめて解除板１５の
爪１５ａがスライド板５の係合突起１８からはず
れ、スライド板５がカセツト２の排出方向に移動
して、案内板４の垂直孔部４ｂから斜面部材１４
が離れ、その垂直孔部４ｂが開放される。その結
果、ピン７が垂直孔部４ｂ内を落下し、カセツト
収納体３が基台Ａ上に落下する。この場合、カセ
ツト２の前端２ｄと解除板１５は、わん曲させた
カセツト接触部分１５ｃの一部で接触するのみで
あり、しかもカセツト収納体３は、解除板１５の
立上り片１５ｂに接触しないので、カセツト収納
体３が、傾くことなく、垂直に、かつ円滑に基台
Ａに向つて落下する。

また、本実施例では、押しばね１７の押圧力も
きわめて小さくてすむので、スライド板５の係合
突起１８と解除板１５の爪１５ａの係合をはずす
場合の、カセツト２の挿入力を小さく設定でき
る。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明によれば、カセツトを前
後逆にしてカセツト収納体内に挿入しようとする
などの誤操作があつても、カセツト収納体が基台
上に下降して装着されることないとともに、カセ
ツトをカセツト収納体内に挿入することによつ
て、カセツト収納体を、垂直に、かつ、円滑に、
基台上に装着することのできるカセツト装着装置
がえられる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第５図は、従来例を示し、第１図は
分解斜視図、第２図はカセツト未挿入状態の動作
説明図、第３図はカセツト収納体が基台に装着し
た状態の動作説明図、第４図はカセツトを排出す
る状態の動作説明図、第５図はカセツトを前後逆
さにしてカセツト収納体に挿入しようとした状態
の動作説明図である。第６図から第９図は、本発
明の一実施例を示し、第６図は要部拡大斜視図、
第７図はスライド板と解除板が係合している状態
の動作説明図、第８図はカセツトの前端が解除板
の立上り板を押した直後の動作説明図、第９図は
カセツト収納体が基台上に下降した状態の動作説
明図である。 ２…カセツト、３…カセツト収納体、４…案内
板、４ａ…逆Ｌ字状孔、４ｂ…垂直孔部、４ｃ…
水平孔部、５…スライド板、７…ピン、９，９ａ
…引張ばね、１４…斜面部材、１４ａ…斜面、１
５…解除板、１５ａ…爪、１５ｂ…立上り片、１
５ｃ…カセツト接触部分、１５ｄ…根元部、１８
…係合突起、Ａ…基台。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基台と、この基台方向にのびる垂直孔部及び
   カセツト排出方向にのびる水平孔部とからなる逆
   Ｌ字状孔を有し、かつ、前記基台に設けた複数個
   の案内板と、両側面にピンを設け、このピンを前
   記逆Ｌ字状孔に嵌合することによつて前記案内板
   に支持したカセツト収納体と、常時カセツト排出
   方向に付勢され、かつ、前記逆Ｌ字状孔の垂直孔
   部における前記ピンの上下移動を行わせる斜面部
   材を設けたスライド板と、前記逆Ｌ字状孔の水平
   孔部に前記ピンを移動させる水平ばね分力及び前
   記逆Ｌ字状孔の垂直孔部に前記ピンを移動させる
   垂直ばね分力が生ずるように、前記基台と前記カ
   セツト収納体とに取り付けた引張ばねと、カセツ
   ト挿入方向に前記スライド板を挿入してそのスラ
   イド板の前端に形成した係合突起が係合する爪及
   び前記カセツト収納体に収納したカセツトの前端
   が接触する立上り片を設けた解除板とを備え、 前記スライド板の斜面部材は、前記爪と前記係
   合突起が係合しているときに前記案内板の垂直孔
   部をふさぎ、かつ、前記爪と前記係合突起が係合
   を解除しているときに前記案内板の垂直孔部を開
   放する構成にするとともに、前記解除板は、前記
   立上り片を前記カセツト収納体に収納したカセツ
   トの前端で押すと、前記立上り片の根元部を支点
   として回動し、前記爪が前記係合突起からはずれ
   るように、前記基台に設け、しかも、前記立上り
   片のカセツト接触面側が曲面となるように、前記
   立上り片のカセツト接触部分をわん曲させてなる
   ことを特徴とするカセツト装着装置。