JPH052801A - 磁気記録再生装置のカセツト着脱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型カセット用のフロントローディング方式
のカセット着脱装置で、カセット装着を安定化させ、か
つＶＴＲセットを大型化しない。 【構成】 （Ａ）の挿入・排出状態ではカセット抑え部
材１２はその突起２４がストッパ３２と係合して前方に
移動するのが規制されており、全開した回転蓋１０と当
接しない。カセット２が挿入され、部材１２がカセット
中心８まで水平移動（Ｂ）し、さらに水平移動してリー
ル台３４の中心とカセット２のリールの中心とが一致
（Ｃ）した後、垂直方向に移動して装着位置に装着
（Ｄ）される。カセット抑え部材１２がカセット２の中
心を押すことによりカセット２が安定して保持される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はＶＴＲ（ビデオテープレ
コーダ）などの磁気記録再生装置（記録のみ又は再生の
みのものも含む）でパネルのカセット挿入口に挿入され
た磁気テープカセットをリール台と係合する装着位置へ
位置決めしたり、装着位置からカセットの一部が挿入口
に突出する挿入・排出位置まで移動させるためのカセッ
ト着脱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＶＴＲのフロントローディング方式のカ
セット着脱装置では、パネルの挿入口にカセットを挿入
すると、カセットはカセットホルダに入り、カセットホ
ルダが奥方向へ移動し、カセットのリールの中心がリー
ル台の中心と一致したところでカセットホルダが下方へ
移動してカセットのリールがリール台に嵌まり込み、停
止する。その停止位置が装着位置である。パネルのカセ
ット挿入口には蓋が設けられており、カセットが挿入さ
れていないとき、又はカセット挿入後にカセットが装着
位置へ移動した後は挿入口の蓋は閉じており、カセット
が挿入されたとき又はカセットが装着位置から挿入・排
出位置まで送られたとき、その蓋が回転して開き、カセ
ットの挿入又は排出ができるようになる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】カセットホルダが装着
位置へ下降してカセットのリールがリール台に嵌まり込
むとき、カセットを下方に押す力が働く。カセットを押
す位置をカセットの中心にすることが負荷に対して安定
にする上で必要である。カセットの大きいＶＨＳ方式や
β方式では、カセットがカセットホルダに挿入された状
態でカセット抑え部材をカセットの中央部に位置するよ
うに配置しても、全開したカセット挿入口の蓋とカセッ
ト抑え部材とが当接することがなく、問題が生じない。

【０００４】しかし、８ｍｍＶＴＲ用カセットのように
カセットのサイズが小さくなると、図５（Ａ）に示され
るように、カセット挿入・排出位置でパネルからのカセ
ット突出量を確保した状態にカセット２をカセットホル
ダ４に挿入すると、カセット抑え部材６とカセットの中
心８とが一致しなくなる。１０はカセット挿入口の回転
蓋である。このようにカセット２を中心からずれた位置
で押すと、カセット２を安定した状態に抑えることがで
きない。

【０００５】もし、図５（Ｂ）のように、カセット抑え
部材６をカセット２の中心位置に配置したとすれば、蓋
１０が全開したときに蓋１０がカセット抑え部材６に当
り、カセット２を挿入できなくなる。カセット抑え部材
６をカセット２の中心位置に配置し、かつカセット２が
挿入できるようにしようとすれば、図５（Ｃ）のように
蓋１０とカセット抑え部材６が重なった状態にならなく
てはならず、これではＶＴＲセットの厚み寸法が増加
し、小型化するうえで妨げになる。

【０００６】本発明は小型カセット用のフロントローデ
ィング方式のカセット着脱装置において、カセット挿入
・排出位置でパネルからのカセット突出量を確保すると
ともに、装着位置へ移動するときはカセットの中心を抑
えて安定したカセット装着を可能にし、かつＶＴＲセッ
トを大型化しないようにすることを目的とするものであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のカセット着脱装
置、カセットを保持し、カセットが前面パネルの挿入口
に一部突出する挿入・排出位置及びカセットが所定の位
置へ装着されてリール台と係合する装着位置との間で移
動するカセットホルダと、カセットホルダを移動させる
移動機構と、カセットホルダの上部でカセット中央部の
位置とそれより奥の位置との間でスライド可能にカセッ
トホルダに支持され、カセットホルダが装着位置へ移動
するときにカセットの中央部を押すカセット抑え部材
と、カセットホルダが挿入・排出位置にあるときにカセ
ット抑え部材を全開したカセット挿入口の蓋と当接する
位置まで移動させないように規制し、少なくとも装着位
置ではカセット抑え部材をカセット中央部に位置決めす
るカセット抑え部材位置決め機構とを備えている。

【０００８】カセット抑え部材位置決め機構は、カセッ
ト抑え部材の前面方向への移動を規制するために、カセ
ット抑え部材を奥方向から前面方向へ付勢するバネ機構
と、カセットホルダが挿入・排出位置へ移動するときに
前記バネ機構の付勢力に抗して、カセット抑え部材を全
開したカセット挿入口の蓋と当接しない位置で停止させ
るストッパとを備えていることが好ましい。

【０００９】

【実施例】図１は一実施例におけるカセットホルダ、カ
セット抑え部材、及びカセット抑え部材をＶＴＲセット
の奥方向から前面方向へ付勢するバネを示す分解正面断
面図であり、図２は同実施例のカセット抑え部材を示す
斜視図である。カセット抑え部材１２はカセットホルダ
１４の上部にスライド可能に取りつけられ、カセットホ
ルダが装着位置へ移動する際にカセットを押すものであ
る。カセット抑え部材１２をＶＴＲセットの前後方向
（図１では紙面垂直方向、図２では矢印１６の方向）に
移動可能にカセットホルダ１４に支持するために、カセ
ット抑え部材１２にはスライド方向に延びる３つの案内
溝１８が設けられており、その溝１８にはカセットホル
ダ１４の上部下面の３つの案内ピン２６が嵌め込まれ、
ワッシャ２７で止められている。

【００１０】カセット抑え部材１２をＶＴＲセットの奥
方向から前面方向へ付勢するコイルバネ２８を取りつ
け、そのコイルバネ２８が伸縮できるように２個の三角
形の穴２０が設けられている。各穴２８の１つの角には
バネ２８の一端を取りつける穴２２が形成されている。
カセット抑え部材１２にはまた、カセットホルダ１４が
挿入・排出位置へ移動するときに外観シャーシのストッ
パ（後述の図３中の３２）と係合し、全開したカセット
挿入口の蓋と当接しない位置でカセット抑え部材１２を
停止させるための突起２４が両端部に設けられている。

【００１１】カセットホルダ１４にはカセット抑え部材
１２の３つの溝１８に嵌め込まれてカセット抑え部材１
２をスライド方向１６に案内する３個の案内ピン２６
と、一端がカセット抑え部材１２の穴２２に取りつけら
れたバネ２８の他端を引っ掛ける引っ掛け部２９が設け
られている。

【００１２】図３はカセットホルダ１４にカセット抑え
部材１２を取りつけ、バネ２８を掛けたものを外観シャ
ーシ３０とともに、カセットホルダ１４の下側から見た
状態で示したものである。（Ａ）は挿入・排出位置の状
態、（Ｂ）はバネ２８が縮むところまでカセットホルダ
１４が奥方向に移動した状態である。図３（Ａ）に示さ
れるように、外観シャーシ３０にストッパ３２が設けら
れており、カセット抑え部材１２の突起２４がストッパ
３２と係合する。案内溝１８の前面側の端は挿入・排出
状態まで案内ピン２６が当たらないように余裕をもって
おり、案内溝１８の奥方向の端はカセットホルダ１４が
奥方向に移動してカセット抑え部材１２がカセットの中
心位置に来たところでちょうど案内ピン２６が当たる位
置に設定されており、それから更に奥方向への移動に対
してはカセット抑え部材１２とカセットホルダ１４が一
緒に移動するようになっている。

【００１３】挿入・排出位置ではカセットホルダ１４が
前面方向（図３では下方向）に移動しており、カセット
抑え部材１２はストッパ３２と突起２４の係合により前
面方向への移動が規制されてバネ２８が延びた状態とな
っている。この状態でカセットがカセットホルダ１４に
挿入され、カセットホルダ１４がＶＴＲセットの奥方向
へ移動すると、カセット抑え部材１２はバネ２８で前面
方向に付勢されているので、図３（Ｂ）に示されるよう
にバネ２８が収縮するまではカセットホルダ１４のみが
奥方向に移動し、カセット抑え部材１２はカセットホル
ダ１４に対して相対的に前面方向に移動する。

【００１４】次に、図４により本実施例の動作について
説明する。 （Ａ）カセット挿入前の状態であり、図３（Ａ）と対応
している。カセット挿入口の回転蓋１０が閉じており、
カセットホルダ１４はカセットを挿入できるように前方
（図４では右側）に移動している。カセット抑え部材１
２はその突起２４が外観シャーシ３０のストッパ３２と
係合して前方に移動するのが規制されており、全開した
回転蓋１０と当接しない位置に停止させられている。こ
のとき、カセット抑え部材１２はバネ２８のバネ力に抗
してカセットホルダ１４に対して相対的に奥方向へ移動
した状態となっている。

【００１５】（Ｂ）カセットホルダ１４にカセット２が
挿入され、カセット抑え部材１２がカセット２の中心位
置８まで奥方向に水平移動した状態であり、図３（Ｂ）
に対応している。すなわち、カセット挿入口にカセット
２が挿入されることにより回転蓋１０が回転して全開す
る。カセット抑え部材１２がカセット２の中心位置８ま
でくるまでは、カセット抑え部材１２はバネ２８の付勢
力によってカセットホルダ１４に対して相対的に前面方
向に移動し、カセット２の中心位置８まできたところで
案内ピン２６と溝１８の奥方向の端とが当り、カセット
ホルダ１４に対するカセット抑え部材１２の相対的な移
動が停止する。

【００１６】（Ｃ）カセットホルダが奥方向の水平移動
の終点まで移動した状態である。すなわち、カセット挿
入後、カセットホルダ１４がカセット２を収納したまま
奥方向に水平方向に移動し、終点まで到達すると、そこ
ではリール台３４の中心とカセット２のリールの中心と
が一致する。その位置でカセットホルダ１４の水平移動
が停止する。このとき、カセット抑え部材１２の突起２
４はストッパ３２から離れている。

【００１７】（Ｄ）カセットが装着位置に装着された状
態である。すなわち、カセットホルダ１４がリール台３
４方向へ移動し、カセット２がリール台３４と係合して
カセット２の磁気テープが動作できるようになる。この
とき、カセットホルダ１４をリール台３４方向へ押す力
はカセット抑え部材１２を通してカセット２の中心に加
わり、カセット２は安定して保持される。装着位置から
カセット２を取り出すときは、カセットホルダ１４が
（Ｄ）→（Ｃ）→（Ｂ）と逆方向に移動した後、カセッ
ト２の一部が前面パネルから突出した状態となる。その
状態でカセット２が人の手によって外部に取り出され
る。

【００１８】実施例ではカセットホルダ１４を水平方向
と垂直方向に移動させる移動機構は図示されていない
が、移動機構は従来から既知のものを用いることができ
る。カセット抑え部材位置決め機構として実施例ではバ
ネ２８、ストッパ３２、突起２４、溝１８及び案内ピン
２６を備え、カセットホルダ１４に対してカセット抑え
部材１２が移動する範囲を規制しているが、必ずしもそ
のような機構に限定されるものではない。例えば、バネ
２８に代えて、カセットホルダ１４が図４の（Ｃ）で示
される水平移動の終点位置にきたときにカセット抑え部
材１２をカセット２の中心位置で固定する他のストッパ
機構を設けてもよい。

【００１９】

【発明の効果】本発明ではカセットホルダが挿入・排出
位置にあるときにカセット抑え部材をカセットホルダに
対して相対的に奥方向に移動させることにより、カセッ
ト挿入口の蓋とカセット抑え部材とが当接するのを防
ぎ、カセットホルダが奥方向に水平移動したときにカセ
ット抑え部材がカセットの中心と一致するところまで移
動するようにしたので、カセットが８ｍｍＶＴＲの如く
小さくなったときでも前面パネルから人の手で引き出せ
るのに十分な突出量を確保しつつ、カセットを挿入した
後カセットホルダが装着位置に向かって移動するときに
カセットの中心を押すことによりカセットを安定して保
持することができるようになる。カセット抑え部材とカ
セット挿入口の回転蓋が重ならないため、ＶＴＲセット
全体の厚みを薄くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例を示す分解正面断面図である。

【図２】同実施例でのカセット抑え部材を示す斜視図で
ある。

【図３】一実施例の動作を示す図であり、（Ａ）は挿入
・排出位置での底面図、（Ｂ）はカセット抑え部材がカ
セットの中心と一致するまで奥方向に移動した状態での
底面図である。

【図４】同実施例の動作を示すＶＴＲセットの概略側面
断面図である。

【図５】小型ＶＴＲにおける問題点を示す断面図であ
り、（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）はそれぞれ考えられるＶＴ
Ｒセットにおけるカセット着脱装置を示す概略側面断面
図である。

【符号の説明】

２ カセット １０ 挿入口の回転蓋 １２ カセット抑え部材 １４ カセットホルダ １８ カセット抑え部材の案内溝 ２４ カセット抑え部材の突起 ２６ 案内ピン ２８ コイルバネ ３０ 外観シャーシ ３２ ストッパ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気記録再生装置でカセットを保持し、
   カセットが前面パネルの挿入口に一部突出する挿入・排
   出位置及びカセットが所定の位置へ装着されてリール台
   と係合する装着位置との間で移動するカセットホルダ
   と、カセットホルダを移動させる移動機構と、カセット
   ホルダの上部でカセット中央部の位置とそれより奥の位
   置との間でスライド可能にカセットホルダに支持され、
   カセットホルダが装着位置へ移動するときにカセットの
   中央部を押すカセット抑え部材と、カセットホルダが挿
   入・排出位置にあるときにカセット抑え部材を全開した
   カセット挿入口の蓋と当接する位置まで移動させないよ
   うに規制し、少なくとも装着位置ではカセット抑え部材
   をカセット中央部に位置決めするカセット抑え部材位置
   決め機構とを備えたカセット着脱装置。
2. 【請求項２】 前記カセット抑え部材位置決め機構は、
   カセット抑え部材の前面方向への移動を規制するため
   に、カセット抑え部材を奥方向から前面方向へ付勢する
   バネ機構と、カセットホルダが挿入・排出位置へ移動す
   るときに前記バネ機構の付勢力に抗して、カセット抑え
   部材を全開したカセット挿入口の蓋と当接しない位置で
   停止させるストッパとを備えている請求項１に記載のカ
   セット着脱装置。