JPH0454734B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0454734B2
JPH0454734B2 JP60112048A JP11204885A JPH0454734B2 JP H0454734 B2 JPH0454734 B2 JP H0454734B2 JP 60112048 A JP60112048 A JP 60112048A JP 11204885 A JP11204885 A JP 11204885A JP H0454734 B2 JPH0454734 B2 JP H0454734B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
steel
toughness
rem
total
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60112048A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61270354A (ja
Inventor
Masao Hirai
Akira Minagawa
Munetaka Oda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP11204885A priority Critical patent/JPS61270354A/ja
Publication of JPS61270354A publication Critical patent/JPS61270354A/ja
Publication of JPH0454734B2 publication Critical patent/JPH0454734B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Arc Welding In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、造船、橋梁、圧力容器、建築などの
分野に用いられる構造用鋼であつて、特に溶接熱
影響部においてすぐれた靭性を有する高靭性溶接
用鋼に関する。 (従来の技術) 近年、溶接用鋼材の材質に対する要求はますま
す厳しくなり、かつ溶接コスト削減のために大入
熱溶接を適用する方法が広くおこなわれている。
このばあいとくに溶接ボンド部近傍の靭性が最も
問題であり、この部分の靭性を改善するための努
力が払われてきた。従来、この部分の靭性改善策
としては、オーステナイト粒の粗大化防止と島状
マルテンサイトなどの脆化組織を低減して、フエ
ライト組織とする方法が検討され、TiN、BN、
AlNなどの窒化物を有効利用する技術が提案さ
れてきた。しかし、これらの窒化物は1350℃以下
に加熱される熱影響部(以下HAZと略称する)
の靭性改善には有効であるが、それ以上に加熱さ
れるボンド近傍ではオーステナイト中に完全固溶
し、かつ冷却過程においても完全には再析出しな
いため、所期の効果が得られないという問題が生
じている。このため、Ca、REMなどのような高
温においても安定な酸化物または硫化物を作る金
属を添加し、この非金属介在物によつて窒化物を
有効利用し、かつフエライト析出核作用を行わせ
る技術(例えば溶接学会誌vol52、No.2、P.121)
も提案されているが、十分な量の微細酸化物ある
いは硫化物を存在させることが困難なため、改善
効果としては小さく、必ずしもボンド脆化の問題
を解決するにはいたつていない。 また最近、特開昭59−185760号によれば粒子径
が0.1〜0.3μのTi酸化物を多量に含有させ、この
酸化物からのフエライト核生成作用によつて溶接
HAZの組織と靭性が改善されることが開示され
ている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、多数のTi酸化物よりなる微細
酸化物は小型鋼塊では得られても、通常凝固速度
の遅い大型鋼塊では粗大化して微細なTi酸化物
の数が減少するために、HAZの組織と靭性の改
善効果は小さい。さらに、溶接金属のごとく、凝
固速度がはやく、微細なTi酸化物が得やすいも
のでも、酸素量が150ppmより低くなつて、Ti酸
化物が少なくなると、微細な針状フエライトは得
がたいことが知られている(溶接学会誌vol50、
No.1、P.24)。すなわち、アルミ脱酸によつて鋼
中の酸素量が50ppm以下となつた完全キルド鋼で
はとりわけ、Ti酸化物単独の効果で溶接HAZの
靭性を改善することは実用上からも困難である。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、従来の欠点ならびに問題点を除去、
改善することのできる高靭性溶接用鋼を提供する
ことを目的とするものであり、特許請求の範囲記
載の高靭性溶接用鋼を提供することによつて前記
目的を達成することができる。 すなわち、この発明は、 重量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.01〜0.50
%、Mn:0.30〜2.0%、P:0.02%以下、S:
0.015%以下、B:0.0003〜0.0030%、N:0.0080
%以下を基本的成分とし、さらに、0.03%以下の
Ti、REM、Caの1種または2種以上を合計で
0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%以下と
することを特徴とする高靱性溶接用鋼である。
(第1発明) また、重量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.01
〜0.50%、Mn:0.30〜2.0%、P:0.02%以下、
S:0.015%以下、B:0.0003〜0.0030%、N:
0.0080%以下を基本的成分とし、さらに0.03%以
下のTi、REM、Caの1種または2種以上を合計
で0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%以下
とし、さらにまたNi:5%以下を含有すること
を特徴とする高靱性溶接用鋼である。(第2発明) また、重量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.01
〜0.50%、Mn:0.30〜2.0%、P:0.02%以下、
S:0.015%以下、B:0.0003〜0.0030%、N:
0.0080%以下を基本的成分とし、さらに0.03%以
下のTi、REM、Caの1種または2種以上を合計
で0.003%〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%以
下とし、 さらにまたNi:5%以下とともにCu:1.0%以
下、Cr:1.0%およびMO1.0%以下のいずれか1
種または2種以上を含有することを特徴とする高
靱性溶接用鋼である。(第3発明) また、重量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.01
〜0.50%、Mn:0.30〜2.0%、P:0.02%以下、
S:0.015%以下、B:0.0003〜0.0030%、N:
0.0080%以下 を基本的成分とし、さらに0.03%
以下のTi、REM、Caの1種または2種以上を合
計で、0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%
以下とし、 さらにまたNi:5%以下とともにCu:1.0%以
下、Cr:1.0%およびMo:1.0%以下のいずれか
1種または2種以上を含有することを特徴とする
高靱性溶接用鋼である。(第4発明) また、重量%で、C:0.03〜0.20%、Si:0.01
〜0.50%、Mn:0.30〜2.0%、P:0.02%以下、
S:0.015%以下、B:0.0003〜0.0030%、N:
0.0080%以下 を基本的成分とし、さらに0.03%
以下のTi、REM、Caの1種または2種以上を合
計で、0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%
以下とし、 さらにまたNi:5%以下とともにNb:0.10%
以下およびV:0.10%以下のいずれか1種または
2種以上を含有することを特徴とする高靱性溶接
用鋼である。(第5発明) そして、重量%で、C:0.03〜0.20%、Si:
0.01〜0.50%、Mn:0.30〜2.0%、P:0.02%以
下、S:0.015%以下、B:0.0003〜0.0030%、
N:0.0080%以下を基本的成分とし、さらに0.03
%以下のTi、REM、Caの1種または2種以上を
合計で0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%
以下とし、 さらにまたNi:5%以下と、Cu:1.0%以下、
Cr:1.0%以下およびMo:1.0%以下のいずれか
1種または2種と、そして、Nb:0.10%以下お
よびV:0.10%以下のいずれか1種または2種を
含有することを特徴とする高靱性溶接用鋼であ
る。(第6発明) 次に本発明を詳細に説明する。 先ず本発明の基本となる技術思想について説明
する。 鉄と鋼vol.63、No.2、P.312によりREM−Bを
添加した大入熱溶接用鋼の溶接HAZでは、高温
においても安定で微細なREM−オキシサルフア
イド(0.3〜1.0μ)の周囲にBNが析出して粒内フ
エライトの析出核となること、および微細な
REM介在物が多いほど組織の改善効果が大きい
ことが明らかにされている。このBNの析出核と
なる介在物は上記のREM−オキサルフアイドだ
けでなく微細なMnSなどもその作用を有してい
る。そこで、BNが最も析出しやすい核サイトと
なる非金属介在物をみつけるために、5TON溶解
炉でAl、Ti、Zr、Si、Mn、Ca、REMなどの酸
化物および硫化物を生成しやすい元素を種々組合
せて添加実験を行つたところ、次の(1)、(2)、(3)に
述べる点が判明した。 (1) Si、Mn、ZrおよびAl単独あるいはこれらの
複合添加だけでは、BNの析出核となる非金属
介在物は生成されないこと、 (2) Ti、REM、Caを単独あるいはこれらの複合
添加の場合にBNの析出核となる酸化物あるい
は酸・硫化物が生成されること、 (3) しかしTi、REM、Caの1種または2種以上
と同時に過剰のAlが添加されている場合は、
これらの非金属介在物のBN析出能が低下する
こと。 さらに詳細に上記(3)項のAl添加量とBN析出能
について実験したところ、Al無添加の場合とAl
が0.003%を超えて鋼材中に含有される場合とで
は顕著にBN析出能が異なることが明らかとなつ
た。つまり、溶接構造用鋼としてはアルミキルド
するのが一般的でその非金属介在物はAl2O3
MnSが主体であるが、Ti、REM、Caの1種また
は2種以上のもので脱酸し、これらの酸化物、硫
化物あるいは酸・硫化物を作り、Al2O3および
MnSを排除すると、前記のTi−、REM−、Ca
−、化合物からBNが顕著に析出することがはじ
めて明らかとなつた。 なお、Ti、REM、Caの酸化物、硫化物あるい
は酸硫化物のみがBNの析出能力を持つている理
由については未だ明らかでないが、これらの非金
属介在物が微細であること、およびマトリツクス
とこれら非金属介在物との整合性がよいことなど
の結晶学的な特性が関与しているものと考えられ
る。 本発明の高靭性溶接用鋼においては、全Alが
0.003%を超えると鋼材中の酸化物はAl2O3主体と
なり、かつ硫化物も圧延鋼板では伸長したMnS
となり、溶接HAZの靭性改善に効果がないため
全Alを0.003%以下にすることが重要である。 脱酸剤としてAlに代えてC、Si、Mn、Ti、
Ca、REMの1種または2種以上を使用する。 Siについては鋼材自身の特性から、0.01%未満
では脱酸不足で高酸素になるため低靭性となり、
逆に0.50%を超えると固液Siによる脆化が生ずる
ので、Siは0.01〜0.50%の範囲にする必要がある。 Mnについても同様に0.30%未満では鋼材の強
度不足と、大入熱溶接による軟化が生じ、逆に
2.0%を超えると鋼材とともにHAZの靭性を劣化
させるので、Mnは0.30〜2.0%の範囲にする必要
がある。 Ti、REM、Caは本発明鋼におけるBN析出核
となる非金属介在物の生成と溶鋼の脱酸のために
必須の元素である。これらの元素の合計が0.003
%未満では鋼の脱酸不足とBN析出核となる酸化
物および硫化物量が少なくHAZ靭性の改善効果
がない。こゝで、Ti、REM、Caは単独でも、あ
るいは併用してもBN析出核となる微細な酸化物
および酸・硫化物を作るが、この場合Tiの添加
量はTi酸・硫化物として鋼材の0.003〜0.005%の
鋼中のN量の3倍とを加えた量が望ましく、Ca、
REMは硫化物の形状調整だけでなく、強力な脱
酸剤であり、Tiと併用して用いると鋼中の非金
属介在物を微細にしてHAZ靭性の改善に効果が
ある。しかし各々0.03%を超えて添加すると連鋳
製造時にノズルづまりなどの製造上の問題が生
じ、それらの合計では0.04%を超えると、鋼の清
浄度を害するだけでなく非金属介在物がクラスタ
ー状に凝集してHAZ靭性の改善効果が低下する
ので、Ti、REM、Caの1種または2種以上の合
計で0.003〜0.04%の範囲にする必要がある。 Bは大入熱溶接HAZの組織と靭性改善のため
に必須の元素である。0.0003%以下ではBNの生
成量が少なく、微細なTi、REM、Caの単味また
は複合の酸化物・硫化物・酸硫化物だけでは
HAZにおいてフエライト生成核としての作用が
非常に小さい。Bの添加によつて溶接冷却過程で
前記非金属介在物の部分でBNが析出すると鋼の
靭性に有害な固液Nを低減する効果を有してお
り、大入熱溶接HAZの靭性改善に大きく寄与す
る。しかし0.003%を超えると、大入熱溶接HAZ
の粗粒部粒界に粗大なボロンカーバイドを生成し
て逆にHAZを脆化させる。また小入熱溶接時の
HAZ硬化を考慮すると、Bは0.0003〜0.003%の
範囲、最も好ましくは0.0004〜0.0010%の範囲に
する必要がある。 なお本発明において Cは低いほど溶接性は良いが、鋼板強度の確保
と大入熱溶接HAZの軟化防止のため0.03%以上
となければならず、0.20%を超えると本発明の目
的とする大入熱溶接時のボンド靭性が著しく劣化
するためCは0.03〜0.20%の範囲にする必要があ
る。 Pについては、母材およびHAZ靭性の上から
低い方が好ましく、上限を0.020%とする必要が
ある。 Sについては、母材の異方性を考えると低いほ
どよく、かつTi、REM、Caと結合した硫化物は
BN析出核として有効であるが、0.015%を超える
と、これが凝集して粗大化するため、上限を
0.015%とした。 Nについては、溶接ボンド部の靭性を確保する
上から低い方が望ましく、0.008%を超えると固
溶Nの増加と島状マルテンサイトの生成を促進し
てHAZ脆化が著しくなるので、Nを0.008%以下
とした。 前述の成分組成が本発明の基本であるが、さら
に母材の組織を改善し、強度と靭性を与える目的
で、Ni、Cr、Mo、Cu、Nb、Vの1種または2
種以上を添加することができる。 Niは母材およびHAZの靭性を高める有効な添
加元素であるが、高価であり、5%を超えると焼
入れ性を高めてHAZ組織をベイナイト化するた
め上限を5%とした。 Cr、Mo、Cuも焼入性を増加する元素であり、
母材の強度を高めるのに有効であるが、1%を超
えるとHAZの硬化をまねくため上限をそれぞれ
1%とした。 Nb、Vは炭・窒化物を形成して母材組織を細
粒化し、強度と靭性を高める元素であるが、0.10
%を超すと多層溶接時のHAZの靭性劣化および
SR脆化をひきおこすために上限をそれぞれ0.10
%とした。 なお、製鋼法は造塊、連鋳およびベルトキヤス
ター法のいずれによつても、前記の効果は変らな
いが、凝固速度の速いものほどHAZ靭性の改善
効果が大きい。また鋼材の製造は通常の厚板圧延
法および鍛造法などであればよく、TiN利用鋼
におけるような微細析出処理は必ずしも必要とし
ない。また、圧延のまゝでも熱処理を施したもの
でも本発明の効果は変らず広い応用範囲がある。 次に本発明を実施例によつてさらに具体的に説
明する。 実施例 1 第1表は本発明の基本成分組成を有する試作鋼
と比較鋼の化学成分であつて、いずれも連鋳法で
スラブを製造したあと、厚板圧延により厚さ32mm
とし、さらに、750℃から10℃/secで加速冷却法
により製造した強度50キロ級鋼である。こゝでA
〜Iは本発明例、J〜Mは比較例である。いずれ
の試作鋼ともX開先による両面一層サブマージ
ド、アーク、ウエルデイング(以下SAWと呼称)
(先行極:1100A×35V、後行極900A×45V、溶
接速度43cm/min、入熱量110KJ/cm)を行い、
第1図に示すごとく、鋼材1を溶接して溶接金属
2を形成し、その継手より溶接ボンド3に切欠き
4をつけた2mmVノツチ シヤルピー試験片5を
採取して−60℃にて試験を行つた。 第2表には鋼材特性、ボンド部の靭性および溶
接熱サイクル再現HAZ試片(Tp=1400℃、800
℃〜500℃、冷却時間100sec)におけるBN分析
値を示した。同表から、本発明鋼は母材特性とし
ては従来鋼相当であるが、大入熱溶接時の靭性に
すぐれ比較鋼との相違が明らかである。すなわ
ち、本発明鋼では、ボンド相当の温度に加熱され
ても一度溶解したBがTi、REM、Ca系の微細な
酸化物、硫化物あるいは酸・硫化物のまわりに
BNとして再析出し、このBNよりフエライトが
核生成して組織改善すること、および固溶Nを
BNとして固定して低減することによりボンド部
の靭性が改善されている。鋼A、F、H、J、
K、LではTi単味の介在物が、鋼B、G、Iで
はTiとREMの複合介在物が、鋼CではTiとCaの
複合介在物がBNの析出サイトとして有効に働い
ている。この本発明鋼ではAl2O3介在物はほとん
ど認められず、酸化物はTi−oxideが主であるこ
とが特長である。つまり、Al2O3が主でこれとTi
−oxideとが共存する場合には微細介在物の部分
へのBNへの析出がほとんど認められなかつた。
一方、比較鋼M、N、PではTi、REM、Caの1
種または2種以上を添加しているが同時にAlも
添加して、鋼材での全Alが0.003%を超えている
ために、BNの析出量も少く、粒内フエライトが
生成されにくく、結果として溶接ボンド部の靭性
が低くなつている。また比較例OではREM、
Ca、Tiの全添加量が0.07%と高いために、鋼の
清浄度が悪く、クラスター状になつた巨大な介在
物欠陥が生じて、溶接構造用鋼としてはラメラテ
アが生じやすいために問題がある。 実施例 2 第3表は本発明の基本組成に更にNi、Cr等を
加えた試作鋼と比較鋼の化学成分表であつて、い
ずれも造塊法で製造した板厚32mmの鋼板である。
【表】
【表】
【表】 (1) 3本の平均値。
(2) 1400℃加熱の再現HAZ試片よりBNとしてのB量
を測定。
第4表に示すごとく、鋼1,2は降伏点42キロ
級鋼になるように制御冷却法で作り、鋼3〜6お
よび14〜16は強度が60〜100キロ級になるよ
う焼入れ焼もどし処理し、また鋼7〜13および
17は含Ni鋼で焼ならし処理したものである。 鋼1,2は実施例1と同じく入熱量110KJ/cm
の両側一層溶接を行い、鋼3,4,14は円筒型
貯蔵タンクの立向溶接を想定して、第2図のごと
く入熱量95KJ/cmの片側一層エレクトロガス
(EG)溶接を行い、また鋼5〜13および15〜
17は第3図に示すごとくこれらの鋼としては比
較的入熱の高い60KJ/cmのL型SAW溶接を行
い、そのボンドの靭性を2mmVノツチシヤルピー
試験によつて測定した。 第4表に母材特性と共にボンド靭性およびそれ
ぞれの溶接に相当した最高加熱温度1400℃の熱サ
イクル再現試験片におけるBN分析値も示した。
【表】 た。
【表】 本発明鋼1〜10は鋼材の引張り強さおよび熱
処理にかかわらず、比較鋼11〜14より高いボ
ンド靭性を有することが明らかである。本発明鋼
のボンド相当部では溶接冷却過程で、BNがBと
して0.0004%以上形成し、組織および靭性が改善
されているが、比較鋼ではBN生成量がBとして
0.0002%以下であり、Bが有効に働いていないば
かりか、むしろBによる焼入れ性を高めて脆化さ
せていることがうかがえる。 (発明の効果) 以上説明した通り、本発明においては鋼中の全
Alを排除し、Ti、REM、Ca化合物を添加するこ
とによつてBNを析出させ、溶接ボンド部近傍の
靭性に優れた高靭性溶接用鋼とし、更にNi、Cr、
Mo等を含む母材においても同様な処理によつて
強度と靭性が増加できることが明らかとなつた。 これらの結果は溶接用鋼材の品質向上に寄与
し、その効果は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図はシヤルピー試験片の
採取位置および継手形状をそれぞれしめす断面説
明図である。 1……被溶接鋼材、2……溶接金属、3……溶
接ボンド部、4……シヤルピー試験切欠位置、5
……シヤルピー試験片。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%で、C:0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.50%、 Mn:0.30〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.015%以下、 B:0.0003〜0.00030%、 N:0.0080%以下を基本的成分とし、さらに0.03
    %以下のTi、REM、Caの1種または2種以上を
    合計で0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%
    以下とすることを特徴とする高靱性溶接用鋼。 2 重量%で、C:0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.50%、 Mn:0.30〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.015%以下、 B:0.0003〜0.0030%、 N:0.0080%以下を基本的成分とし、さらに0.03
    %以下のTi、REM、Caの1種または2種以上を
    合計で0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%
    以下とし、さらにまた Ni:5%以下 を含有することを特徴とする高靱性溶接用鋼。 3 重量%で、C:0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.50%、 Mn:0.30〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.015%以下、 B:0.0003〜0.0030%、 N:0.0080%以下を基本的成分とし、さらに0.03
    %以下のTi、REM、Caの1種または2種以上を
    合計で0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%
    以下とし、 さらにまたNb:0.10%以下およびV:0.10%以
    下のいずれか1種または2種を含有することを特
    徴とする高靱性溶接用鋼。 4 重量%で、C:0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.50%、 Mn:0.30〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.015%以下、 B:0.0003〜0.0030%、 N:0.0080%以下を基本的成分とし、さらに0.03
    %以下のTi、REM、Caの1種または2種以上を
    合計で0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%
    以下とし、 さらにまたNi:5%以下とともに、Cu:1.0%
    以下、Cr:1.0%およびMo:1.0%以下のいずれ
    か1種または2種以上を含有することを特徴とす
    る高靱性溶接用鋼。 5 重量%で、C:0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.50%、 Mn:0.30〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.015%以下、 B:0.0003〜0.0030%、 N:0.0080%以下を基本的成分とし、さらに0.03
    %以下のTi、REM、Caの1種または2種以上を
    合計で0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%
    以下とし、 さらにまたNi:5%以下とともに、Nb:0.10
    %以下およびV:0.10%以下のいずれか1種また
    は2種以上を含有することを特徴とする高靱性溶
    接用鋼。 6 重量%で、C:0.03〜0.20%、 Si:0.01〜0.50%、 Mn:0.30〜2.0%、 P:0.02%以下、 S:0.015%以下、 B:0.0003〜0.0030%、 N:0.0080%以下を基本的成分とし、さらに0.03
    %以下のTi、REM、Caの1種または2種以上を
    合計で0.003〜0.04%含有し、かつ全Alを0.003%
    以下とし、 さらにまたNi:5%以下と、Cu:1.0%以下、
    Cr:1.0%以下およびMo:1.0%以下のいずれか
    1種または2種と、そして、 Nb:0.10%以下およびV:0.10%以下のいずれ
    か1種または2種と、を含有することを特徴とす
    る高靱性溶接用鋼。
JP11204885A 1985-05-27 1985-05-27 高靭性溶接用鋼 Granted JPS61270354A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11204885A JPS61270354A (ja) 1985-05-27 1985-05-27 高靭性溶接用鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11204885A JPS61270354A (ja) 1985-05-27 1985-05-27 高靭性溶接用鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61270354A JPS61270354A (ja) 1986-11-29
JPH0454734B2 true JPH0454734B2 (ja) 1992-09-01

Family

ID=14576714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11204885A Granted JPS61270354A (ja) 1985-05-27 1985-05-27 高靭性溶接用鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS61270354A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105252168B (zh) * 2014-07-16 2018-05-01 徐工集团工程机械股份有限公司 一种功能型Fe基堆焊粉末
JP7260779B2 (ja) * 2019-06-17 2023-04-19 日本製鉄株式会社 大入熱溶接用高強度鋼板

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52104412A (en) * 1976-03-01 1977-09-01 Sumitomo Metal Ind Ltd Temper type high tensile steel superior in weldability
JPS5547366A (en) * 1978-09-30 1980-04-03 Nippon Steel Corp Steel for weld construction having high fracture toughness weld zone
JPS56102551A (en) * 1980-01-22 1981-08-17 Sumitomo Metal Ind Ltd Steel for low temperature use with superior toughness in weld heat-affected zone
JPS581059A (ja) * 1981-06-25 1983-01-06 Sumitomo Metal Ind Ltd 圧力容器用高強度高靭性圧延鋼材
JPS58110658A (ja) * 1981-12-25 1983-07-01 Nippon Steel Corp 溶接部靭性のすぐれた構造用鋼
JPS5935619A (ja) * 1982-08-18 1984-02-27 Sumitomo Metal Ind Ltd 溶接部靭性のすぐれた高張力鋼材の製造方法
JPS59185760A (ja) * 1983-04-07 1984-10-22 Nippon Steel Corp 溶接用高靭性鋼
JPS59190313A (ja) * 1983-04-09 1984-10-29 Nippon Steel Corp 溶接性の優れた鋼材の製造法
JPS59211555A (ja) * 1983-05-16 1984-11-30 Nippon Kokan Kk <Nkk> 高靭性圧力容器用鋼
JPS6017056A (ja) * 1983-07-06 1985-01-28 Nippon Kokan Kk <Nkk> 靭性に優れたCr−Mo鋼
JPS60245768A (ja) * 1984-05-22 1985-12-05 Nippon Steel Corp 溶接用高靭性鋼
JPS61117213A (ja) * 1984-11-10 1986-06-04 Nippon Steel Corp 溶接部靭性の優れた構造用鋼の製造方法
JPS61194113A (ja) * 1985-02-21 1986-08-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 大入熱溶接用高張力鋼板の製造法

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52104412A (en) * 1976-03-01 1977-09-01 Sumitomo Metal Ind Ltd Temper type high tensile steel superior in weldability
JPS5547366A (en) * 1978-09-30 1980-04-03 Nippon Steel Corp Steel for weld construction having high fracture toughness weld zone
JPS56102551A (en) * 1980-01-22 1981-08-17 Sumitomo Metal Ind Ltd Steel for low temperature use with superior toughness in weld heat-affected zone
JPS581059A (ja) * 1981-06-25 1983-01-06 Sumitomo Metal Ind Ltd 圧力容器用高強度高靭性圧延鋼材
JPS58110658A (ja) * 1981-12-25 1983-07-01 Nippon Steel Corp 溶接部靭性のすぐれた構造用鋼
JPS5935619A (ja) * 1982-08-18 1984-02-27 Sumitomo Metal Ind Ltd 溶接部靭性のすぐれた高張力鋼材の製造方法
JPS59185760A (ja) * 1983-04-07 1984-10-22 Nippon Steel Corp 溶接用高靭性鋼
JPS59190313A (ja) * 1983-04-09 1984-10-29 Nippon Steel Corp 溶接性の優れた鋼材の製造法
JPS59211555A (ja) * 1983-05-16 1984-11-30 Nippon Kokan Kk <Nkk> 高靭性圧力容器用鋼
JPS6017056A (ja) * 1983-07-06 1985-01-28 Nippon Kokan Kk <Nkk> 靭性に優れたCr−Mo鋼
JPS60245768A (ja) * 1984-05-22 1985-12-05 Nippon Steel Corp 溶接用高靭性鋼
JPS61117213A (ja) * 1984-11-10 1986-06-04 Nippon Steel Corp 溶接部靭性の優れた構造用鋼の製造方法
JPS61194113A (ja) * 1985-02-21 1986-08-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 大入熱溶接用高張力鋼板の製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61270354A (ja) 1986-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4612735B2 (ja) 脆性破壊伝播停止特性と大入熱溶接熱影響部靭性に優れた厚手高強度鋼板の製造方法、及び、脆性破壊伝播停止特性と大入熱溶接熱影響部靭性に優れた厚手高強度鋼板
JP5076658B2 (ja) 大入熱溶接用鋼材
JP5842314B2 (ja) 大入熱溶接用鋼
JPS601929B2 (ja) 強靭鋼の製造法
EP1533392A1 (en) Steel product for high heat input welding and method for production thereof
JP3256118B2 (ja) 超大入熱溶接熱影響部の靱性に優れた溶接用高張力鋼
WO2016009595A1 (ja) 大入熱溶接用鋼板の製造方法
JPS626730B2 (ja)
JP5526685B2 (ja) 大入熱溶接用鋼
JPH05171341A (ja) 溶接熱影響部靭性の優れた厚鋼板の製造方法
JPH0527703B2 (ja)
JP2005213534A (ja) 溶接熱影響部靭性に優れた鋼材の製造方法
JP3879607B2 (ja) 低温靭性に優れた溶接構造用鋼
JP3323414B2 (ja) 大入熱溶接の熱影響部靭性の優れた鋼材およびその製造方法
JPH03162522A (ja) 大入熱溶接熱影響部靭性の優れた高張力厚鋼板の製造法
KR102508128B1 (ko) 용접 열영향부 저온 충격인성이 우수한 강재 및 그 제조방법
JPH0757886B2 (ja) 溶接熱影響部靭性の優れたCu添加鋼の製造法
JP3464567B2 (ja) 溶接熱影響部靱性の優れた溶接構造用鋼材
JPH0454734B2 (ja)
JP2940647B2 (ja) 溶接用低温高靱性鋼の製造方法
JP2002371338A (ja) レーザー溶接部の靭性に優れた鋼
JP5145616B2 (ja) 溶接熱影響部靭性の優れた低温用溶接構造用高張力鋼
JP3882701B2 (ja) 低温靭性に優れた溶接構造用鋼の製造方法
JP4522042B2 (ja) 高パス間温度溶接性に優れた鋼材およびその溶接継手
JP3502805B2 (ja) 溶接継手部靭性の優れた鋼材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees