JPS626730B2 - - Google Patents

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JPS626730B2
JPS626730B2 JP58175694A JP17569483A JPS626730B2 JP S626730 B2 JPS626730 B2 JP S626730B2 JP 58175694 A JP58175694 A JP 58175694A JP 17569483 A JP17569483 A JP 17569483A JP S626730 B2 JPS626730 B2 JP S626730B2
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JP
Japan
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less
steel
strength
toughness
temperature
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JP58175694A
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English (en)
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JPS6067621A (ja
Inventor
Munetaka Oda
Kenichi Amano
Chiaki Shiga
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP17569483A priority Critical patent/JPS6067621A/ja
Publication of JPS6067621A publication Critical patent/JPS6067621A/ja
Publication of JPS626730B2 publication Critical patent/JPS626730B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/02Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は低温靭性と溶接性に優れた溶接用非
調質高張力鋼に関し、特に大型溶接構造物の製作
に適した大入熱溶接時における継手強度低下の少
ない非調質高張力鋼の製造方法に関するものであ
る。 近年、大型溶接構造物の製作に当つては、溶接
工数を減らしてコスト低減を図るため、片面一層
サブマージアーク溶接やエレクトロスラブ溶接あ
るいはエレクトロガス溶接などの如く、大入熱を
用いる自動溶接を採用する機運が高まつている。 ところで上述のような大入熱溶接を考慮した場
合、鋼成分の炭素当量を低下させること、とりわ
け低C化を図ることが、熱影響部の硬化を防止し
て熱影響部の靭性を良好にする点から極めて有利
であることが知られている。しかしながら鋼中の
Cは強度に著しい影響を与えるものであるから、
低C鋼では母材の高強度が得られないという問題
がある。そこで低C鋼にNbを0.01〜0.10%添加
し、制御圧延、制御冷却を適用することによつて
低温靭性と溶接性に優れた高張力鋼を製造するに
ついて、既に特開昭57−134514号および特開昭57
−134518号にて提案している。このようにNbを
添加することによつて充分な母材強度と大入熱溶
接時の継手強度を得ることが可能である。しかし
ながら0.02%を越えるNbを添加した場合、大入
熱溶接時のボンド靭性に大きな悪影響を及ぼすと
いう新たな問題が生じており、一方0.02%以下の
微量のNb添加では母材の強度および継手強度低
下対策に有効であるか否かについては明らかにさ
れていなかつた。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、母材強度および大入熱溶接時の継手強度が
充分に高くしかも大入熱溶接時のボンド靭性が優
れた、大入熱溶接に適した非張質高張力鋼を提供
することを目的とするものである。 本発明者等は上述の目的を達成するべく、低C
鋼に微量のNbを添加した鋼について種々実験・
検討を重ねたところ、低C鋼に対するNb添加量
を0.02%以下としかつ0.015%以下のTiを添加す
ることによつて、低温靭性と溶接性が優れ、とり
わけ大入熱溶接時の継手軟化の量が少なくかつボ
ンド靭性の低下も少ない、大入熱溶接に適した非
調質高張力鋼が得られることを見出し、この発明
をなすに至つたのである。 具体的には、本願の第1発明の非調質高張力鋼
の製造方法は、C0.02〜0.15、Si0.02〜0.80%、
Mn0.60〜2.50%、酸可溶Al 0.005〜0.060%、
Nb0.005%以上0.020%未満Ti0.005〜0.015%、
N0.006%以下を含有し残部がFeおよび不可避的
不純物よりなるスラブを、900〜1150℃の温度に
加熱した後、Ar3点+120℃以下の温度域におい
て累積圧下率60%以上に熱間圧延し、かつその熱
間圧延をAr3点+20℃以下、Ar3点−60℃以上の
温度域で終了させ、その後直ちに2℃/秒以上の
冷却速度で600℃以下、400℃以上の温度まで加速
冷却することを特徴とするものである。また第2
発明の非調質高張力鋼の製造方法は、前記第1発
明におけるスラブ成分に加えて、Cu0.50%以
下、Ni1.00%以下、V0.10%以下、B0.002%以
下、REM0.010%以下、Ca0.004%以下のうちか
ら選ばれた1種以上を含有するスラブを用い、前
記第1発明の場合と同様な条件でスラブ加熱、熱
間圧延および加速冷却を行うものである。 以下この発明の非調質高張力鋼製造方法をさら
に詳細に説明する。 先ずこの発明の製造方法で使用するスラブの成
分限定理由を説明する。 C:Cは母材強度を高めるには有効であるが、そ
の反面、溶接割れ感受性、溶接部の靭性の点か
らは好ましくない。この種の溶接構造用鋼とし
て必要な強度を得るためには最低0.02%必要で
あり、一方、大入熱溶接時の割れ感受性および
大入熱溶接部の靭性の点からは0.15%以下とす
る必要があり、したがつてCは0.02〜0.15%の
範囲に限定した。 Si:Siは通常の製鋼過程で脱酸元素として添加さ
れるものであり、また母材の強度向上にも有効
である。脱酸および強度向上の目的から最低
0.02%以上必要であるが、一方0.80%を越えれ
ば母材の靭性を損うから、Siは0.02〜0.80%の
範囲に限定した。 Al:Alも通常の製鋼過程で脱酸元素として添加
されるものであり、そのためには最低0.005%
の添加含有が必要であるが酸可溶Al(sol Al)
として0.060%を越えれば溶接熱影響部の靭性
のみならず溶接金属の靭性を著しく劣化させ
る。したがつて酸可溶Alは0.005〜0.060%の範
囲内に限定した。 Nb:Nbは前述のようにこの発明において重要な
意味を持つ元素である。Nbは制御圧延材に
て、未再結晶オーステナイト域を拡大したり、
累積的に加えられた圧延歪を有効に蓄積させる
ために添加させ、Nbの固溶や炭窒化物の析出
による効果を併せて利用するのが一般的であ
る。しかしながら過剰なNb添加は、大入熱溶
接の際の熱影響部の焼入性を高め、熱影響部を
フエライト・パーライトの混合組織でない組織
にしてしまうため、衝撃特性を低下させてしま
う。そこで本発明者等は低C鋼に対するNb添
加量の影響、特に微量Tiを添加した場合の微
量Nbの効果を明らかにするべく、次のような
実験を行つた。すなわち、C0.07%、Si0.3%、
Mn1.5%、P0.016%、S0.003%、Al 0.030%、
N0.005%を含有しかつ0.007〜0.015%のTiを添
加したTi添加鋼およびTi無添加鋼について、
0〜0.04%までの種々の量のNbを添加し、各
試験片について板厚20mmで234KJ/cmの入熱の
サブマージアーク溶接を施したボンド位置での
破面遷移温度vTrsを調べた。その結果を第1
図に示す。 第1図に示すように、Ti無添加鋼と比較し
てTi添加鋼は0.015%以下という微量のTi添加
であるにもかかわらず、破面遷移温度vTrsが
顕著に低下しており、さらにTi無添加鋼では
添加Nb量の増大に比例して破面遷移温度が高
くなるのに対し、Ti添加鋼の場合には添加Nb
量が0.020%付近までは破面遷移温度が上昇せ
ず、良好な低温靭性が確保されることが明らか
となつた。しかしながら0.02%以上のNbを添
加した場合には、Nb量の増大に伴つて破面遷
移温度が上昇し、靭性が低下する。このような
事実から、この発明では添加Nb量を0.02%未
満に限定した。 一方、母材強度に関しては、従来は0.02%以
下程度の微量のNb添加では強度改善に効果が
ないとされていた。しかしながら本発明者等の
研究によれば、0.02%未満の微量Nb添加でも
母材強度を向上させ得ることが判明した。すな
わち、前記同様な成分に加えて種々の量のNb
を添加したTi添加鋼のスラブを1000℃に加熱
し、Ar3点+120℃以下の温度域で累積圧下率
で85%の熱間圧延を施し、かつその熱間圧延仕
上げ温度をAr3点−40℃とし、直ちに600℃ま
で10℃/秒の冷却速度で制御冷却し、得られた
鋼板の下部降伏強さと引張強さを調べたとこ
ろ、第2図に示す結果が得られた。第2図に示
すように、降伏強さおよび引張強さはいずれも
添加Nb量が増すにつれて大きくなつている
が、その効果はNb量が0.01%程度までであ
り、それ以上の量のNbを添加しても降伏強
さ、引張強さはさほど大きくならない。したが
つて0.02%未満のNb添加でも充分にNbによる
母材強度向上効果が得られていることが明らか
である。 さらに大入熱溶接した場合の継手強度の軟化
に対しても同様に0.02%未満の微量Nb添加で
効果があることが本発明者等の研究により判明
した。すなわち、前記同様な成分に加えて、
Nb量が0.02%未満のTi添加鋼につき、20mmの
板厚で234KJ/cmの入熱のサブマージアーク溶
接により溶接した継手の表面下0.5mmの位置の
ビツカース硬さをボンドから母材にかけて測定
したところ、第3図に示す結果が得られた。第
3図に示すようにNb無添加の鋼では、ボンド
の位置から母材にかけて硬度が大きく減少し、
Nb添加量が0.010%の鋼およびNb添加量が
0.017%の鋼と比較して、母材の硬度よりも低
硬度の領域の幅、すなわち軟化幅が広く、しか
も硬度の最低値も低い。そしてボンドから母材
にかけての硬度の最低値を添加Nb量に対して
まとめれば第4図に示すようになり、この第4
図から継手軟化に効果が増加するのは0.010%
のNb量までであり、それ以上Nb量が増加して
ももはや継手軟化防止効果は増大しない。 以上のように0.02%未満の微量Nb添加で
も、母材強度を上昇させるとともに継手軟化量
を小さくし、かつ大入熱溶接時の靭性劣化を防
止できることが明らかである。なお0.005%未
満のNb量ではこれらの効果が顕著ではなく、
したがつてNb量は0.005%以上、0.020%未満の
範囲とした。 Ti:前述したNb添加量についての第1図の実験
結果から明らかなように、Tiの添加は大入熱
溶接時のボンド靭性改善に欠くことができな
い。しかしながらその効果もTi添加量が0.005
%未満では充分ではなく、一方0.015%を越え
て添加すれば大入熱溶接の場合Tiが鋼中に固
溶して著しく靭性を劣化させるから、Ti添加
量は0.005〜0.015%の範囲に限定した。 N:Nは通常の製鋼過程により不可避的に含有さ
れるが、0.006%を越えれば母材および大入熱
溶接時の靭性を損うから、0.006%以下に限定
した。 この発明の製造方法で使用するスラブは、上述
のようにして規定されるC、Si、Mn、酸可溶
Al、Nb、Ti、Nのほか、さらに必要に応じて
Cu、Ni、V、B、およびREM(希土類元素)の
うちの1種以上が含有される。これらの元素の適
正な量の添加はこの発明の主要な特徴をなんら損
うことなく、高張力化あるいはその他の諸特性の
向上に寄与する。以下にこれらの成分元素の添加
目的および添加量限定理由を説明する。 Ni:Niは溶接熱影響部の硬化性および靭性に悪
影響を与えることなく、母材の強度および靭性
を向上させるに有効であるが、高価であるため
1.0%を上限とした。 Cu:Cuの添加はNiの添加と同様な効果があるば
かりでなく、耐食性向上に有効であるが、0.50
%を越えれば熱間脆性が生じ易く、鋼板の表面
性状を劣化させるので、0.50%を上限とした。 V:Vは強度と靭性の向上、および溶接継手強度
確保のために添加するが、0.10%を越えて添加
すれば母材と溶接熱影響部の靭性を著しく劣化
させるから、0.10%を上限とした。 B:Bは炭素当量を上昇させることなく高張力化
が可能であるが、0.002%を越えて添加すれば
溶接熱影響部の靭性を著しく劣化させるから、
Bを添加する場合の上限を0.002%とした。 Ca、REM:これらは鋼中介在物MnSの形態制御
を行つて圧延直角方向の靭性向上に効果があ
り、いずれか一種または両者の複合添加のいず
れでも効果があるが、それぞれ0.004%を越え
るCaおよび0.010%を越えるREMの添加は鋼の
清浄度を低下させ、内部欠陥の原因となるか
ら、Caの上限を0.004%、REMの上限を0.010
%とした。 この発明の方法では上述のような成分のスラブ
を加熱し、熱間圧延するが、このスラブ加熱、熱
間圧延および圧延後の冷却の各条件もこの発明で
は極めて重要な要素となつている。すなわち、こ
の発明で対象としている低C鋼は高強度を得にく
い材料であり、熱間圧延後空冷の如き遅い冷却速
度にした場合、降伏強さは所期の値が得られたと
しても、引張強さは所期の値を満足するのが困難
となり、一方圧延後強制冷却すれば引張強さは所
期の値が得られるが、降伏強さは降伏現象が消失
してしまうために充分な値が得られない。そこで
この発明ではNb、Tを含有させてフエライト粒
を微細にし、これにより降伏応力を上昇させ、か
つ第2相を加速冷却により硬質なフエライト・ベ
イナイト組織に変えることによつて引張応力を増
大させるのであり、そのためにスラブ加熱−熱間
圧延−冷却の各条件が規定される。以下にこれら
の各条件を説明する。 先ずスラブ加熱は900〜1150℃の範囲内の温度
とする。スラグ加熱温度が1150℃を越えれば、加
熱時のオーステナイト粒が粗大になり過ぎ、続く
圧延によつてもオーステナイトが微細化せず、そ
のためそのオーステナイト粒から生じるフエライ
ト粒も微細とならないから、充分に高い降伏応力
が得られず、低温靭性も不充分となる。したがつ
てスラブ加熱温度の上限を1150℃と規定した。一
方スラブ加熱温度の下限はNbの固溶量と関係し
ている。すなわちこの発明の方法においてはNb
をスラブ加熱時に固溶させておき、圧延中にNb
を微細に析出させてオーステナイトの再結晶を遅
らせ、結果としてオーステナイトの再結晶域をよ
り低温側に拡大させる必要があり、このようにオ
ーステナイトの再結晶域を低温側へ拡大させるこ
とにより、オーステナイトの未再結晶域において
高い累積圧下率での圧延が可能となり、変形帯の
密度が増加して冷却時のオーステナイト粒が実質
的に微細化され、その結果冷却後の鋼板が充分な
靭性を示すことになる。このような効果をもたら
すスラブ加熱時のNbの固溶量は0.005%以上あれ
ば良く、そのための最低のスラブ加熱温度は、C
量とN量によつて異なるが、この発明の成分範囲
の場合900℃あれば良い。したがつてスラブ加熱
温度の下限は900℃と規定した。 上述のような条件で加熱したスラブは、これを
Ar3点+120℃以下の温度範囲で60%以上の圧延
を行ない、かつ圧延仕上げ温度をAr3点+20℃以
下、Ar3点−60℃の範囲内の温度とする。これに
よつてオーステナイトに多量の変形帯を導入で
き、これがフエライトの核となり、その結果圧延
後のフエライト粒が微細化する。ここでAr3点以
下で圧延を仕上げた場合でもAr3−60℃以上であ
れば靭性の劣化なしに高強度を得ることが可能と
なる。仕上げ温度がAr3−0℃未満では、変態し
た後加工されたフエライト量が多くなつて靭性が
劣化し、一方仕上げ温度がAr3+20℃よりも高い
場合またはAr3点+120℃以下の累積圧下率が60
%未満の場合には、変形帯の導入が不足して圧延
後のフエライト粒の微細化が不充分となる。した
がつて圧延条件を上述のように定めた。 上述のような熱間圧延を行つた後には、直ちに
2℃/秒以上の冷却速度で加速冷却し、かつその
2℃/秒以上の冷却速度を600℃以下の任意の温
度まで持続させる。冷却速度が2℃/秒未満で
は、加速冷却の効果、すなわち第2相として硬質
なベイナイトを生成させ、これによりフエライ
ト・ベイナイトの組織を生成させることによる強
度(引張強さ)増大の効果が得られない。また加
速冷却を600℃よりも高い温度で停止させた場合
にも加速冷却による強度上昇効果がほとんど得ら
れない。一方加速冷却を400℃より低い温度まで
継続した場合には、第2相としてマルテンサイト
が混入し、靭性が低下するおそれがあるととも
に、上部降伏点(YP)が消失して降伏応力が充
分に得られなくなり、造船材などにおける降伏応
力要求値を満足し得ないことがある。すなわちこ
の発明では、加速冷却の停止温度を400℃以上と
いう高い温度とし、これによつてマルテンサイド
が可及的に混入していないフエライト・ベイナイ
トの組織を得、これによつて強度と靭性のバラン
スが良くしかも降伏応力が充分にある鋼板を得る
ものである。したがつて2℃/秒以上の冷却速度
での加速冷却の停止温度を600℃以下、400℃以上
の範囲内の温度とした。なおこの加速冷却は熱間
圧延終了後直ちに行う必要がある。 以下に実施例を記す。 第1表の鋼番1〜5に示す成分組成の鋼を高周
波真空溶解により溶製し、その鋼塊を鍛造してス
ラブとした後、第2表中に示す加熱−圧延−冷却
条件で処理した。また第1表の鋼番6〜10に示す
成分組成の鋼スラブを連続鋳造によつて得、第2
表中に示す条件で処理した。なお第1表において
供試鋼1、2、3は比較鋼、供試鋼6は従来鋼、
供試鋼4、5、7〜10はこの発明の成分範囲内の
鋼である。 得られた各鋼板について、母材強度と靭性、大
入熱溶接後のボンド靭性、および継手強度をそれ
ぞれ第2表中に示す。強度、靭性の試験片はそれ
ぞれ圧延直角方向に採取し、引張試験および2mm
Vノツチ衝撃試験を施した。また実継手は入熱
234KJ/cmのサブマージアーク溶接にて作製し、
溶接継手強度はゲージ長さ200mm、平行部幅40mm
のJIS 1号の長ゲージ試験片で求めた。なお第2
表において各鋼板における数字1〜10は第1表に
示す鋼1〜10を用いたことを意味し、サフイツク
スのA〜Gはそれぞれ異なる製造条件を適用した
ことを意味する。
【表】
【表】 第2表に示すように、Nbを添加していない鋼
板1、2はいずれも母材強度が不足し、またNb
は含有するがTiを添加していない鋼板3は、強
度は本発明鋼と同等であるが、大入熱溶接後のボ
ンド位置の衝撃特性が著しく劣つている。一方
Nbをこの発明の限定範囲を越えて添加した鋼板
6は、母材の強度および靭性、継手強度は優れて
いるが、大入熱溶接後のボンド位置の衝撃特性が
本発明鋼と比べて劣つている。 また同一成分組成の鋼板4A〜4Gのうち、4Dは
スラブ加熱温度、4EはAr3+120℃〜Ar3−60℃で
の累積圧下率、4Fは圧延仕上温度、4Gは圧延後
の冷却速度においてそれぞれこの発明の条件範囲
を外れるものであり、一方4A、4B、4Cはこの発
明の条件範囲内で処理した鋼板であり、第2表中
においてこの発明の範囲を外れる条件には下線を
附した。これらの鋼板4A〜4Gのうち、圧延条件
においてこの発明の範囲を外れている鋼板4D、
4E、4Fは、いずれも本発明鋼4Aに比べて靭性が
劣つている。また圧延後空冷した鋼板4Gと、10
℃/秒で加速冷却を行なつた鋼板4Aとを比較す
れば、鋼板4Aの方が強度において大きく上まわ
つており、しかも靭性は同等であり、このことか
ら加速冷却の効果が明らかである。さらにこのほ
かの本発明法による鋼4B、4C、7、8、9、10
も、いずれも強度、靭性ともに優れ、かつ継手強
度も充分な値を示している。 ここで本発明鋼7は本発明鋼4の成分にCu、
Ni、V、B、REMを、本発明鋼8は同じく本発
明鋼4の成分にCu、Niを、さらに本発明鋼9は
本発明鋼4の成分にREMを、また本発明鋼10は
本発明鋼4の成分にVを、それぞれこの発明の範
囲内で添加したものであるが、これらのうち0.30
%Cuおよび0.31%Niを添加した本発明鋼8は、
ボンド靭性と母材鋼板を劣化させることなく、母
材強度が本発明法による鋼4Aと比較して降伏強
さ(Y.S.)で1.7Kgf/mm2、引張強さ(T.S.)で
3.2Kgf/mm2、継手強度で2.1Kgf/mm2上昇してお
り、このことからCu、Niの添加が強度向上に有
効であることが明らかである。また0.039%のV
を添加した本発明鋼板10も、ボンド靭性および母
材靭性を劣化させることなく、鋼4Aと比較して
母材強度が降伏強さで1.3Kgf/mm2、引張強さで
2.6Kgf/mm2、継手強度が1.5Kgf/mm2、それぞれ
上昇しており、この事実からVの添加効果が明ら
かである。さらにREMを0.005%添加た本発明鋼
9の場合、鋼4Aと比較して母材の靭性が優れて
いることが明らかである。そしてまた0.18%
Cu、0.48%Ni、0.037%V、0.0017%B、0.005%
REMを添加した本発明鋼7の場合、鋼4Aと比較
して母材の強度が降伏強さで4.0Kgf/mm2、引張
強さで3.4Kgf/mm2、継手強度が引張強さが1.8Kg
f/mm2、それぞれ上昇している。 以上の実施例からも明らかなように、この発明
の製造方法によれば、0.005〜0.020%の範囲の微
量なNbを0.005〜0.015%のTiとともに添加し、か
つ特定のスラブ加熱−圧延−冷却条件を適用する
ことによつて、高強度、高靭性で降伏応力も充分
にありしかも大入熱溶接特性、とりわけ大入熱溶
接した場合の継手強度の低下が少なくかつボンド
靭性の優れた鋼板を得ることができる。また第2
発明にしたがつてCu、Ni、V、B、Ca、REMの
1種以上を添加することにより、より高強度の鋼
板を、大入熱ボンド靭性および母材靭性を劣化さ
せることなく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はNb含有量と大入熱溶接ボンド部の破
面遷移温度との関係を示す相関グラフ、第2図は
Nb含有量が母材強度および母材靭性に及ぼす影
響を示す相関グラフ、第3図および第4図は、
Nb含有量が大入熱溶接時の継手軟化に及ぼす影
響を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C0.02〜0.15%(重量%、以下同じ)、Si0.02
    〜0.80%、Mn0.60〜2.50%、酸可溶Al 0.005〜
    0.060%、Nb0.005%以上0.020%未満、Ti0.005〜
    0.015%、N0.006%以下を含有し残部がFeおよび
    不可避的不純物よりなるスラブを、900〜1150℃
    の範囲内に加熱した後、Ar3点+120℃以下の温
    度域において累積圧下率60%以上に熱間圧延し、
    かつその熱間圧延をAr3点+20℃以下、Ar3点−
    60℃以上の温度域で終了させ、その後直ちに2
    ℃/秒以上の冷却速度で600℃以下400℃以上の温
    度まで加速冷却することを特徴とする非調質高張
    力鋼の製造方法。 2 C0.02〜0.15%、Si0.02〜0.80%、Mn0.60〜
    2.50%、酸可溶Al 0.005〜0.060%、Nb0.005%以
    上0.020%未満、Ti0.005〜0.015%、N0.006%以
    下を含有し、さらにCu0.50%以下、Ni1.00%以
    下、V0.10%以下、B0.002%以下、REM0.010%
    以下、Ca0.004%以下のうちから選ばれた1種以
    上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よ
    りなるスラブを、900〜1150℃の範囲内に加熱し
    た後、Ar3点+120℃以下の温度域にて累積圧下
    率60%以上に熱間圧延し、かつその熱間圧延を
    Ar3点+20℃以下、Ar3点−60℃以上の温度域に
    て終了させ、その後直ちに2℃/秒以上の冷却速
    度で600℃以下400℃以上の温度まで加速冷却する
    ことを特徴とする非調質高張力鋼の製造方法。
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