JPS63103021A - 低温靭性の優れた鋼板の製造法 - Google Patents

低温靭性の優れた鋼板の製造法

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JPS63103021A
JPS63103021A JP24937686A JP24937686A JPS63103021A JP S63103021 A JPS63103021 A JP S63103021A JP 24937686 A JP24937686 A JP 24937686A JP 24937686 A JP24937686 A JP 24937686A JP S63103021 A JPS63103021 A JP S63103021A
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冨田 幸男
Takeshi Tsuzuki
岳史 都築
Ryota Yamaba
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、低温靭性の優れた鋼板の製造方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
近年、エネルギー開発が寒冷地や極地で行われ、かつ深
海化している。そのため海洋構造物の巨大化が著しい。
これに従い、使用鋼材に従来にない低温靭性が特に靭性
低下の著しい板厚中心部の靭性及び溶接継手の熱影響部
の靭性(HAZ靭性)が要求されている。また、構造物
の大型化に従い、使用鋼材の厚手化が進んでいる。
以上のように、最近の海洋構造物用鋼材では、厚手材に
かかわらず、板厚中心部靭性及びHAZ靭性の良好なも
のが求められている。鋼板の板厚中心部は厚手化(ここ
で言う厚手材とは板厚50mm以上の鋼板を指す、)に
従い、靭性が低下する。
そのため、厚手になっても板厚中心部の靭性が低下しな
い圧延方法、成分系が検討されている。
例えば、提案されたものとして特開昭59−21152
9号公報が公知である。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかるに、これらのものは、鋼板つまり母材についての
みの靭性向上対策である。溶接構造物全体として見た場
合に、その靭性が最も低下している部分の一つはHAZ
である。
それゆえ、構造物の安全性を高めるためには、母材の板
厚中心部の靭性だけでなく、HAZ靭性も向上させる必
要がある。
ところが、この両者の特性を同時に向上させるには、困
難を伴い有効な方法がないのが実情である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、以上の如き問題を解決するため、なされたも
ので、その要旨とするところは、重量比にてC:0.0
2〜0.30%、Si:0.05〜1.0%、Mn :
 0.50〜2.50%、Nb:0.003〜0.01
0%、Ajl:0.005〜010% 残部Fe及び不
可避不純物とした鋼、又は更にCr:1.0%以下、M
o:1.0%以下、V  :0.20%以下、Cu:2
.0%以下、のうち1種または2種以上を含有し、更に
Ni:4.5%以下、Ti:0.20%以下、Ca :
 0.0005〜0.005%のうち1種または2種以
上を含有し、残部Fe及び不可避不純物とした綱を95
0〜1050℃のに加熱し、Ar2〜850℃の温度に
おいて圧下率50〜70%の圧延を行い、圧延後水冷し
たのち焼戻し処理することを特徴とする低温靭性の優れ
た鋼板の製造法である。
〔作用〕
すなわち、本発明者らは、多数の実験の結果得られた知
見に基づき、厚手材の板厚中心部靭性とHAZ靭性の両
者を向上させる方法を見出したものである。
厚手材の板厚中心部靭性向上に関しては、従来は公知の
特開昭59−211529号公報でも述べられているよ
うに、再結晶抑制効果のあるNb添加鋼の制御圧延及び
必要に応じて制御冷却により達成していた。ただし、後
述するように、HAZ靭性向上の面から添加Nb世を極
力低下することが要請されるが、このような微ff1N
b(重量比で0.010%以下)においても再結晶抑制
効果が存在すること、さらに、このような微量Nb1i
では1050℃以下の加熱でも充分Nbが固溶し、その
後の圧延過程で再結晶抑制効果があること、さらに、必
要なNblは従来考えられていたよりもずつと微量(重
量比で0.003%以上)で充分であることを見出した
。これらの点は公知の文献と決定的に異なっている。
HAZ靭性に関しては、最近の厳しい低温靭性の要求、
特にHAZの局部脆化部に大きく支配さ′れる新しい評
価法であるCTOD試験の要求に伴い、従来よりももっ
とミクロな脆化域が問題になってきた。
HAZ靭性に有害だと考えられていたNbに関しては、
従来、単に溶接熱サイクルによりNbが析出し、脆化が
起こると考えられていた。
これらに対し、NbのHAZ靭性に及ぼす影響を詳細に
調べた結果、厚手材で普通行われる多層盛溶接において
、最初の熱サイクルにより、1400℃以上に加熱され
粗粒になった部分が、後続パスの熱サイクルAc、変態
点直上に加熱されると、多数の高炭素の島状マルテンサ
イトが発生し、非常に靭性を低下させる。
実際の多層盛溶接では、さらに、i!t 続バスによζ す、この高炭素マルテンサイトも焼戻されて一部無害化
するが、Nbの存在により、この焼戻しによる島状マル
テンサイトの分解が遅れる。
そのため、Nbの存在によりHA Z靭性が低下する。
このNbの悪影響の限界値を調べた結果、重量比でNb
が0.010%、望むらくは、0.007%である。以
上のような考え方により、板厚中心部靭性とHAZ靭性
の両者が同時に向上する。
本発明はこのような知見をもとになしたものである。
次に、本発明における成分限定理由を述べる。
Cは安価に強度を上昇させる元素で強度確保のため0.
02%以上必要であるが、多量に添加すると、鋼の靭性
及び溶接性を害するので上限を0.30%とした。
Siは鋼の脱酸のため0.05%以上必要であるが、多
くなると溶接性を害するので、上限を0.6%とするe
Mnは強度確保のため0.50%以上必要であるが、多
くなると溶接性、靭性の劣下を招くため上限を2.5%
とする。
Alは脱酸のため、0.005%以上必要であるが、多
くなると靭性が著しく低下するため0.1%を上限とす
る。
Nbは本発明の主要な元素であるが、第1図に示すよう
に0.003%以下でばNbによる再結晶抑制効果がな
くなり、母材靭性が低下する。0.01O%以上では、
HAZ靭性が低下するため、0.003〜0.010%
に限定する。
第1図の試料の化学成分、圧延条件、溶接条件は次の通
りである。
化学成分(wt%) 圧延条件 1050℃加熱、850℃以下圧下率60%、板厚50
鶴、720℃水冷開始、80℃水冷停止、550℃30
m1n焼戻し 溶接条件 潜弧溶接 入熱40KJ/口 本発明は上記の基本成分の他に、要求される綱の特性に
応じて、次の元素を選択的に添付することができる。
■は析出硬化による強度上昇に有効な元素であるが、多
くなると溶接性を阻害するため0.2%以下とする。
Cuは強度上昇に有用な元素であるが、多くなると熱間
加工の際割れを発生しかつ溶接性を害するため2.0%
以下とする。
Crは焼入性を向上させ強度上昇に有用な他、耐食性に
有用な元素であるが、多くなると靭性、溶接性を阻害す
るため1.0%以下とする。
Moは焼入性を向上させ強度上昇に有用な元素であるが
、多くなると溶接性、靭性を低下させるので1.0%以
下とする。
Tiはオーステナイト粒の粗大化を防ぎ、靭性向上に有
用で、また析出硬化により強度上昇にを用な元素である
が、多くなると溶接性を阻害するため0.2%以下とす
る。
Niは靭性、焼入性に有用な元素であるが、高価な元素
であるため4.5%以下とする。
Caは鋼中硫化物の形態制御JによりZ方向の材質改善
に有効であるが、多くなると鋼中介在物が増し靭性、溶
接性を害するため0.01%以下とする。
これらの添加元素のうち、■、Cu SCr sMoは
主に強度上昇に有用な元素で1種又は2種以上添加する
。又、Ti、Ni、Caは主に靭性向上に有用な元素で
、1種又は2種以上添加する。
次に、加熱、圧延、冷却条件について限定理由を述べる
加熱温度は、オーステナイト粒の細粒化のため上限を1
050℃としている。板厚の増大に従い、圧延による細
粒化効果が内部に及びにく(なるため、加熱によるオー
ステナイト粒の細粒化が重要となってくる。そのため上
限を1050℃と低く設定している。下限は低すぎると
Nbが固溶しなくなるので、950℃以上とする。
熱間圧延はAr3〜850℃で50%以上の圧下を施こ
す、これはAr1未満の2相域で圧延すると靭性が低下
し、850″cflの高温で圧延及び50%未満の圧下
率では、細粒化が充分なされないAめである。圧下率の
上限は制御圧延の効果が飽和しだす70%とする。
次に熱間圧延後の冷水は、高温の状態から冷却水を噴射
して、250℃以下の温度まで急冷するもので、これに
よって強度上昇を得るものである。
この冷水はオンライン上で冷却することが最も能率的で
あるが、オフラインで冷水しても良いことは云うまでも
ない。
次に焼戻しは、水冷により強度の上昇が達成されるが、
靭性の低下があるため靭性の回復向上を目的として行う
もので、350〜650℃の範囲に加熱して行うもので
ある。
これによって高強度と高靭性を同時に達成することがで
きる。
(実施例〕 供試材の化学成分を第1表に示し、加熱、圧延、冷却、
焼戻し条件を第2表に示し、得られた鋼板の機械的性質
を併せて第2表に示す。
これらの鋼板は転炉で溶製後、j7さ245 amに連
続鋳造したスラブ及び造塊後分塊圧延して厚さ2451
璽としたスラブを用いて厚板圧延した。
以上の通り本発明法を適用して得た厚鋼板AI、B1、
Dl、Fl、Gl、Hl、I 1.、Jl、K1はいず
れも母材の板厚中心部の靭性が高く、しかも溶接継手部
の靭性も高いことがわかる。
これに対し比較例のA2、G2、は加熱温度が高いため
、母材の靭性が低い、F2、K2は850℃以下の圧下
率が低く、母材の靭性が低い。
■2は焼戻しを行なっていないため、母材の強度は高い
が靭性が低い。C1、El、LlはNb1lが高いため
溶接ボンド部の靭性が低い、MlはNbを添加していな
いため、母材の靭性が低い。
(発明の効果〕 以上の如(本発明は、従来難点であった板厚50鶴以上
の厚鋼板の板厚中心部の靭性を向上させるとともに、溶
接継手部の靭性向上を同時に達成したものであり、低温
靭性を要求される海洋構造物などの鋼板を提供でき、産
業上効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図はNb含有量と母材及び継手靭性の関係を示す説
明図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量比にて C:0.02〜0.30% Mn:0.50〜2.50% Al:0.005〜0.10% Si:0.05〜1.0% Nb:0.003〜0.010% 残部Fe及び不可避不純物とした鋼を950〜1050
    ℃に加熱し、Ar_3〜850℃の温度において圧下率
    50〜70%の圧延を行い、圧延後水冷したのち焼戻し
    処理することを特徴とする低温靭性の優れた鋼板の製造
    法。
  2. (2)重量比にて C:0.02〜0.30% Mn:0.50〜2.50% Al:0.005〜0.10% Si:0.05〜1.0% Nb:0.003〜0.010% を基本成分とし、更に Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、V:0.2
    0%以下、Cu:2.0%以下、のうち1種または2種
    以上を含有し、更に Ni:4.5%以下、Ti:0.20%以下、Ca:0
    .0005〜0.005%のうち1種または2種以上を
    含有し、残部Fe及び不可避不純物とした鋼を950〜
    1050℃に加熱し、Ar_3〜850℃の温度におい
    て圧下率50〜70%の圧延を行い、圧延後水冷したの
    ち焼戻し処理することを特徴とする低温靭性の優れた鋼
    板の製造法。
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