JPS6350425A - 靭性、溶接性に優れた厚手高張力鋼板の製造方法 - Google Patents

靭性、溶接性に優れた厚手高張力鋼板の製造方法

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JPS6350425A
JPS6350425A JP19367386A JP19367386A JPS6350425A JP S6350425 A JPS6350425 A JP S6350425A JP 19367386 A JP19367386 A JP 19367386A JP 19367386 A JP19367386 A JP 19367386A JP S6350425 A JPS6350425 A JP S6350425A
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冨田 幸男
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は低温靭性、溶接性に優れた厚手高張力鋼板の製
造方法に関し、特に、加熱条件、圧延条件並びにその後
の冷却速度を制御して、板厚方向に均一でかつ優れた低
温靭性を有する厚手高張力調板を製造する方法に関する
ものである・〔従来の技術〕 近年、エネルギー開発が極地化、深海化しており・使用
される海洋構造物は年々巨大化が著しく、また効率的な
エネルギー輸送のため、砕氷タンカーなどの使用が必要
とされる。そして、これらに使用される鋼材は板厚が厚
くかつ非常に低温靭性が優れたものが要求される。とこ
ろが板厚が増すと板厚方向の材質差が増し、板厚中心部
の機械的性質が他の部分より劣る。特に、低温靭性の劣
化が大きい。さらに、板厚中心部は拘束応力が最大とな
り、破壊の起点となりやすいので、板厚中心部まで均一
で優れた低温靭性を有することが必要である。
また、これらの巨大構造物に対する安全性確保は重要な
問題であり、溶接割れ性、溶接部継手靭性等の向上のた
めに炭素当量を低く抑えることが必要である。
近年、炭素当量を減少して高強度・高靭性を得る手段と
して、制御圧延と制御冷却を組み合せた材質改善技術が
種々検討され、提案されており、例えば特開昭57−1
69019号公報記載の方法が公知である。しかしなが
ら、前記公報記載の技術はラインパイプや一般造船材を
対象とし、加えて板厚50mm以下の比較的薄いものを
対象とした技術であり、このように板厚の薄い領域では
板厚方向の材質は、もともと比較的均一である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかるに、板厚が50m1以上に厚くなると板厚方向に
材質差が大きくなり、特に板厚中心部の靭性は著しく低
下する。この原因の一つに、従来の加熱、圧延方法では
、第2図に示すように加熱炉で900〜1150℃に加
熱後粗圧延を経て仕上圧延に至る間に鋼板温度は時間と
共に低下し、板厚中心(%t)部と表面直下では温度差
が大きく、特に未再結晶域の圧延を開始する際に、表面
と板厚中心部の温度差が大きくなり、板厚中心部は再結
晶したり、未再結晶域高温側での圧延になってしまうこ
とが考えられる。このため、最善の未再結晶域低温側で
圧延が達成できている%を部などに比べ、板厚中心部の
靭性が低い。一方、圧延温度を低下させれば板厚中心部
の低温靭性の改善は可能であるが、表面側の温度が低下
しすぎ、変態して出来たフェライトを加工することにな
り、表層側の低温靭性が低下するとともに、板厚方向の
ミクロMi織も不均一であり、板厚全体が均質で優れた
低温靭性を有する技術開発が望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記の如き問題点を有利に解決し、板厚5Qm
m以上、引張強さ50 kgf/mm2以上の厚手高張
力鋼板において、板厚方向全域にわたり靭性の均質化と
向上が可能な製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、 (1)重量比にて C: 0.03〜0.20%、Si:0.05〜0.6
0%、Mn:0.50〜2.50%、 Nb : 0.
001〜0.10%、  Al : 0.005〜0.
1%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼
を、900〜1150°Cに加熱し、中間段階厚さ迄圧
延して一旦圧延を中断して冷却するか、あるいは圧延せ
ずスラブ状態のまま冷却し、表面温度がAr3を割る前
に咳鋼をAr++150℃〜Ar=の温度に均一に保熱
し、次いでArz以上で圧下率50〜70%の圧延を行
い、圧延後、冷却速度1〜10℃/secで200℃以
下迄冷却し、350〜650℃の温度で焼戻しすること
を特徴とする靭性、溶接性に優れた厚手高張力鋼板の製
造方法。
(2)重量比にて C:0.03〜0.20%、Si:0.05〜0.60
%、 Mn: 0.50〜2.50%、 Nb : 0
.001〜0.10%、Al:0.005〜0.1%を
基本成分とし、更に、Cr:1.0%以下3Mo : 
1.0%以下、■:0.1%以下、Cu:2.0%以下
のうち1種又は2種以上を含有し、更にNi:4.0%
以下、Ti:0.15%以下、Ca:0.01%以下の
うち1種又は2種以上を含有し残部Feおよび不可避不
純物からなる鋼を、900〜1150℃に加熱し、中間
段階厚さ迄圧延して一旦圧延を中断して冷却するか、あ
るいは圧延せずスラブ状態のまま冷却し表面温度がAr
3を割る前にArz + 150℃〜Ar3の温度に均
一に保熱し、次いでAr3以上で圧下率50〜70%の
圧延を行い、圧延後、冷却速度1〜10℃/secで2
00℃以下迄冷却し、350〜650℃の温度で焼戻し
することを特徴とする靭性、溶接性に優れた厚手高張力
鋼板の製造方法。
を要旨とするものである。
前記したように、従来、板厚50鰭を越えるような厚手
鋼板においては板厚方向に材質差、特に低温靭性の差が
生じるのは圧延温度を管理する制御圧延の宿命であり、
やむを得ない現象と考えられて来た。
しかしながら、発明者らはこの板厚方向の靭性差の要因
につき更に深く追求した結果、圧延時の板厚各部位の塑
性変形、圧延による温度変化等よりも、圧延前の板厚方
向温度分布が最も影響していることを見出した。そして
、スラブ冷却後あるいは若干の圧延後保熱を行なって制
御圧延前に生じた表面〜板厚中心の温度差をなくし、均
一にすることにより、その後の制御圧延−制御冷却後に
も板厚方向に均質なミクロ組織、機械的性質が得られる
ことを知見し、斯かる知見にもとづいて本発明を構成し
たものである。
次に、本発明における成分限定理由を述べる。
Cは安価に強度を上昇させる元素であり、強度確保のた
め0.03%以上必要であるが、多量に添加すると鋼の
靭性および溶接性を害するので上限を0.20%とした
Stは鋼の脱酸のため0.05%以上必要であるが、多
くなると溶接性を害するので上限を0.60%とする。
Mnは強度確保のため0.50%以上は必要であるが、
多くなると溶接性、靭性の低下を招くため上限を2.5
0%とする。
Nbはオーステナイト粒の粗大化防止と再結晶抑制効果
および強度確保のため0.001%以上必要であるが、
多くなると溶接性を阻害するため、0.10%を上限と
する。
Alは脱酸のため0.005%以上必要であるが、多く
なると靭性が著しく低下するため0.1%を上限とする
本発明は上記の基本成分のほかに、要求される鋼の特性
に応じて次の元素を1種または2種以上選択的に添加す
ることができる。
Crは焼入れ性を向上させ強度上昇に有用な元素である
が、多くなると靭性、溶接性を阻害するため1.0%以
下とする。
門0は焼入れ性を向上させ強度上昇に有用な元素である
が、多くなると溶接性、靭性を低下させるので1.0%
以下とする。
Cuは強度上昇に有用な元素であるが、多(なると熱間
加工の際、割れを発生し、かつ溶接性を害するため2.
0%以下とする。
■は析出硬化による強度上昇に有用な元素であるが、多
くなると溶接性を阻害するため0.1%以下とする。
Niは靭性向上に有用な元素であるが、高価な元素であ
るため4.0%以下とする。
Tiはオーステナイト粒の粗大化を防ぎ靭性確保に有用
であり、また析出硬化により強度上昇にも有用な元素で
あるが、多くなると溶接性を阻害するため0.1%以下
とする。
Caは鋼中硫化物の形態制御によりZ方向の材質改善に
有効であるが、多くなると網中介在物が増加し、靭性、
溶接性を害するため0.01%以下とする。
これらの添加元素のうち、V、 Cu、 Cr、 Mo
は主に強度上昇に有用な元素で必要に応じて1種または
2種以上添加する。また、Ti、 Ni、 Caは主に
靭性向上に有用な元素であり、必要に応じて1種または
2種以上添加する。
次に加熱、圧延、冷却条件について限定理由を述べる。
加熱温度はオーステナイト粒の細粒化のため1150℃
以下の低温加熱がよいが、低過き゛ると析出硬化元素が
固溶しなくなるため900°C以上とするが、強度、靭
性の点からは950〜1050°Cの範囲が最も好まし
い。
これらの温度で加熱後、中間段階厚さまで圧延して表面
の温度がAr3より低下する前に一旦圧延を中断し・該
中間段階厚の鋼あるいは圧延しないでスラブ状態のまま
の鋼をAr、+150℃〜Arsの温度に設定した炉等
に装入し、全体を均一温度に保熱する。この後抽出して
すぐ未再結晶域での制御圧延を施す。このような方法に
より、第1図に示すように加熱炉抽出・後粗圧延−仕上
圧延に至る間に生じた板厚中心部(’、4t)と表面直
下との温度差が解消され、未再結晶域での制御圧延開始
時に表面が二相域圧延となることなく、板厚中心部の圧
延温度もAr=直上にすることができる。すなわち、圧
延中の温度が板厚方向でほぼ均一となり、板厚方向の特
性差を小さくでき、これにより板厚中心部も靭性の優れ
た鋼板が製造できる。圧延中の温度はAr=〜Arz+
150℃の範囲とするが、全厚がAr3〜Ar3+50
℃の範囲に入ることが好ましい。
圧延温度をこれらの温度に限定するのは、圧延温度が高
すぎると、細粒化が十分なされず、またAr1未満の温
度で圧延すると、その後の制御冷却時に十分焼きが入ら
ず所要の強度が得られないためである。
これらの温度における圧下率を50%以上とするのは、
これ以下では細粒化が十分なされず、靭性が悪いためで
ある。上限は制御圧延の効果が飽和し始める70%であ
る。
次に熱間圧延後の冷却速度を1℃/sec以上としたの
は、板厚中心部まで焼入れ組織とし、所定の強度を確保
するためであり、これ未満では強度不足となる。上限は
表面硬さの急上昇を抑え、また靭性の悪い中間組織を呈
さない10℃/secとすることが好ましい。
冷却停止温度を200℃以下としたのは、これによって
板厚中心部まで250℃以下となり板厚中心部まで十分
な焼入れ組織とするためで、次いでその後350〜65
0℃で焼戻しするのは、全板厚において焼き入れ、焼戻
し組織とすることによって強度と靭性を良好ならしめる
ためで、350℃未満では強度が高いままで靭性の改善
が不十分となり、650℃を越える焼戻しは強度低下が
太き(なり所要の強度を確保できなくなる問題があり、
避けるべきである。
(実施例) 次に本発明の実施例と比較例を挙げる。
供試材の化学組成を第1表に示し、製造条件を第2表に
、得られた厚鋼板の機械的性質を第3表に示す。
第3表 以上の通り、本発明法を適用して得た厚鋼板AI、B1
.C1,DI、El、Fl、Gl。
Hlはいずれも板厚方向の靭性差が小さく、表面直下、
XLetとも良好な靭性を示している。これに対し、比
較例のA2は焼き戻し温度が高いため、強度が低い。B
2.B2は保熱していないため、板厚中心部の圧延温度
が高く、靭性が悪い。
B2は制御圧延を38%しか行っていないため、板厚全
体の靭性が悪い。F2は板厚全体がAr3より低下して
おり、全体の靭性が悪い。G2は、加熱温度が高いため
、板厚全体の靭性が悪い。C2は表面がAr3以下で保
熱を開始しているため表面の靭性が低い。D2はは保熱
温度が高いため、強度は高いが靭性が低い。
(発明の効果) 以上の如く、本発明は板厚50龍以上で1n+m”当た
り50kgf以上の引張強さを有する鋼板の板厚中心部
の細粒化を加熱、圧延、冷却を制御することにより達成
したもので、板厚中心部まで含めた良好な低温靭性の確
保と成分組成及び含有量の適切な限定により低炭素当量
下での高強度の確保を同時に可能としたもので、工業上
その効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明により保熱した場合の表面直下と%t
の温度履歴を示す説明図、第2図は、再加熱をしない従
来法の温度履歴を示す説明図である。 □時開 吟間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量比にて C:0.03〜0.20%、Si:0.05〜0.60
    %、Mn:0.50〜2.50%、Nb:0.001〜
    0.10%、Al:0.005〜0.1%を含有し、残
    部Feおよび不可避不純物からなる鋼を、900〜11
    50℃に加熱し、中間段階厚さ迄圧延して一旦圧延を中
    断して冷却するか、あるいは圧延せずスラブ状態のまま
    冷却し、表面温度がAr_3を割る前に該鋼をAr_3
    +150℃〜Ar_3の温度に均一に保熱し、次いでA
    r_3以上で圧下率50〜70%の圧延を行い、圧延後
    、冷却速度1〜10℃/secで200℃以下迄冷却し
    、350〜650℃の温度で焼戻しすることを特徴とす
    る靭性、溶接性に優れた厚手高張力鋼板の製造方法。
  2. (2)重量比にて C:0.03〜0.20%、Si:0.05〜0.60
    %、Mn:0.50〜2.50%、Nb:0.001〜
    0.10%、Al:0.005〜0.1%を基本成分と
    し、更に、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、
    V:0.1%以下、Cu:2.0%以下のうち1種又は
    2種以上を含有し、更にNi:4.0%以下、Ti:0
    .15%以下、Ca:0.01%以下のうち1種又は2
    種以上を含有し残部Feおよび不可避不純物からなる鋼
    を、900〜1150℃に加熱し、中間段階厚さ迄圧延
    して一旦圧延を中断して冷却するか、あるいは圧延せず
    スラブ状態のまま冷却し表面温度がAr_3を割る前に
    Ar_3+150℃〜Ar_3の温度に均一に保熱し、
    次いでAr_3以上で圧下率50〜70%の圧延を行い
    、圧延後、冷却速度1〜10℃/secで200℃以下
    迄冷却し、350〜650℃の温度で焼戻しすることを
    特徴とする靭性、溶接性に優れた厚手高張力綱板の製造
    方法。
JP19367386A 1986-08-19 1986-08-19 靭性、溶接性に優れた厚手高張力鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JPH0674455B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63103021A (ja) * 1986-10-20 1988-05-07 Nippon Steel Corp 低温靭性の優れた鋼板の製造法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63103021A (ja) * 1986-10-20 1988-05-07 Nippon Steel Corp 低温靭性の優れた鋼板の製造法
JPH0527687B2 (ja) * 1986-10-20 1993-04-22 Nippon Steel Corp

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