JPH0453182B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、ドツトインパクト印字ヘツドに関
する。

［従来の技術］ 第６図は、従来のドツトインパクト印字ヘツド
の一部を省略した要部断面図、第７図は第６図に
示すヨークとアーマチユアバネとの要部拡大平面
図である。図において、５１は円盤状の台座、５
２は台座５１に固着した環状のヨーク、５３はヨ
ーク５２に重合固着した永久磁石、５４は永久磁
石５３に重合固着した環状のヨーク、５５はヨー
ク５４に重合固着され、連結環５５ａとその内方
に等間隔で放射状に配設した複数個の舌片５５ｂ
とを一体形成したヨーク、５６はヨーク５５に重
合固着されたスペーサである。５７は、環状の固
定板部５７ａとその内方に等間隔で放射状に配設
した駆動板部５７ｂとが一体形成され、第７図に
示すように駆動板部５７ｂと前記舌片５５ｂとが
交互に配列されるように、前記スペーサに固着し
たアーマチユアバネである。５８は、印字ヘツド
上部を覆うカバー、５９は前記アーマチユアバネ
５７の駆動板部５７ｂに取り付けたアーマチユ
ア、６０はアーマチユアの先端部に固定した印字
ワイヤ、６１は前記アーマチユアに対応して前記
台座５１に配設され、磁心６１ａにコイル６１ｂ
を捲回してなる電磁石である。

次に作用を示す。

第６図ａは、電磁石６１が励磁を解除されアー
マチユア５９が永久磁石５３により、電磁石６１
の磁心６１ａに吸着されている状態を示す。この
状態で、電磁石６１が励磁されると、永久磁石５
３の磁力が電磁石６１により相殺される。従つ
て、アーマチユア５９は、アヘマチユアバネ５７
の弾性力により、電磁石６１から離開し、つい
で、図において、アーマチユアバネ５７の固定板
部５７ａと駆動板部５７ｂとの境界縁部Ａ（第７
図参照）を支点位置として反時計方向に回転す
る。この回転に伴つて、印字ワイヤ６０は上方に
移動して印打し印字される。（第６図ｂ参照）そ
して、前記電磁石６１の励磁が解除されると、ア
ーマチユア５９は、永久磁石５３により、アーマ
チユアバネ５７の弾性力に抗して電磁石６１の方
向に吸引される。この吸引過程を詳述すると、ア
ーマチユアバネ５７の先端部に対応するアーマチ
ユア５９の裏面が磁心６１ａの上面外周端の角部
に吸着される（第６図ｃ参照）。ついで、アーマ
チユア５９には、永久磁石５３により磁心６１ａ
に引き付ける引力と、アーマチユア５９の駆動板
部５７ｂの弾性力とによりバネクリツクを起こ
し、アーマチユア５９は磁心６１ａの先端面を右
に摺動し、ついで、左に摺動しながら、磁心６１
ａに吸引され、磁心６１ａの先端面全体で吸着さ
れ第６図ａに示す状態になる。

［発明が解決しようとする問題点］ 従来のドツトインパクト印字ヘツドは、電磁石
の励磁を解除したときアーマチユアが磁心の角部
で当接した後、アーマチユアを磁心の上面全体で
吸着する構成にしたから、アーマチユアが磁心の
上面を摺動し、この摺動によりアーマチユアおよ
び磁心の摩耗が促進され印字ワイヤの寿命を短く
するという問題点があつた。

［問題点を解決するための手段］ この発明は、アーマチユアおよび磁心の摩耗を
防止することを目的としており、固定板部１ａと
駆動板部１ｂとを交互に環状に配列し、前記固定
板部はその外端部を第１の可撓片１ｃに連結し、
前記駆動板部はその外端部を第２の可撓片１ｄを
介して前記第１の可撓片に連結し、前記固定板部
の内端部は隣接する前記駆動板部の内端部に連結
してなるアーマチユア作動部材１と、ヨーク舌片
２５ａに前記アーマチユア作動部材の固定板部を
対応して配設するとともに永久磁石３等を介挿し
た磁性体枠２と、前記駆動板部に対応し、かつ、
前記磁性体枠のヨーク２５との間に隙をもつて磁
性体枠に配設した電磁石４と、これら電磁石との
間に隙をもつて前記駆動板部に固定され、先端部
に印字ワイヤ６を有するアーマチユア５と、前記
磁性体枠とアーマチユア作動部材に取り付けら
れ、前記印字ワイヤを整列させる整列体７を上部
に固定し、内面に前記固定板部に対応して凸部８
ａを形成したカバー８とを備えて、アーマチユア
作動部材の固定板部をカバーの凸部とヨーク舌片
とに挟持すると共に、アーマチユアを固定した駆
動板部に連結する第２の可撓片はカバーとヨーク
との間で形成される空間部に変位可能に保持する
ように設け、電磁石の励磁解除時に前記アーマチ
ユア作動部材の駆動板部の内端付近の支点位置Ｂ
を中心としてアーマチユアが回転してアーマチユ
アの下面が磁心の一端に当接可能としたことを特
徴とする。

［実施例］ 第１図は、この発明の一実施例を示す。図にお
いて、１はアーマチユアバネ（アーマチユア作動
部材）で、固定板部１ａ、駆動板部１ｂ、第１の
可撓片１ｃ、第２の可撓片１ｄおよびネツク部
（えり部）１ｅを１枚の板状部材を放射状に打ち
抜いて形成し、前記固定板部１ａと駆動板部１ｂ
とは交互に環状に配列し、固定板部１ａはその外
端部を第１の可撓片１ｃに連結し、前記駆動板部
１ｂはその外端部を第２の可撓片１ｄを介して前
記第１の可撓片１ｃに連結する。そして、固定板
部１ａの内端部はネツク部１ｅおよび舌片１ｇを
介して隣接する前記駆動板部１ｂの内端部に連結
している。第２図ｂに第１図に示すアーマチユア
バネ１の要部平面図を示す。また、２は磁性体枠
で、ベースヨーク２１、リングヨーク２２，２
３、スペーサ２４およびヨーク２５より構成さ
れ、この順に、重合固着して形成するとともに前
記リングヨーク２２，２３との間に環状の永久磁
石３を介挿している。前記ヨーク２５は、前記固
定板部１ａに対応して設けたヨーク舌片２５ａ
と、ヨーク舌片２５ａを環状に連結する連結環２
５ｂとより構成され、ヨーク舌片２５ａと連結環
２５ｂとを一体形成している。第２図ｃに第１図
に示すヨーク２５の要部平面図を示す。４は電磁
石で、磁心４ａと、磁心４ａに捲回したコイル４
ｂとより構成され、ベースヨーク２１に、前記ア
ーマチユアバネ１の駆動板部１ｂに対応し、か
つ、前記ヨーク舌片２５ａとの間に隙をもつて配
設している。５はアーマチユアで、電磁石４との
間に隙をもつて前記アーマチユアバネ１の駆動板
部１ｂに固定している（第２図ｂおよび第３図の
アーマチユアバネ１の×部でスポツト溶接）。６
は印字ワイヤで、前記アーマチユア５の先端部に
固定されている。７は整列体で、カバー８上部に
固定され、印字ワイヤを整列させている。前記カ
バー８は、内面に、前記固定板部１ａに対応して
凸部８ａを形成し、これら凸部８ａと前記ヨーク
舌片２５ａとにより前記固定板部１ａを挟持す
る。第２図ａに第１図に示すカバー８の要部平面
図を示し、第３図にカバー８の凸部８ａ、アーマ
チユアバネ１の固定板部１ａ、駆動板部１ｂおよ
びヨーク舌片２５ａ等の位置関係を示す。また、
第４図ａは第３図におけるＯ−Ｙ線断面図、第４
ｂは第３図におけるＯ−Ｘ線断面図を示す。

次に、作用を説明する。

第５図ａは、電磁石４が励磁されアーマチユア
５が離開したアーマチユアの解除時を示し、アー
マチユア５がアーマチユアバネ１により引き戻さ
れた状態である。この状態から、前記電磁石４の
励磁が解除された場合は、アーマチユア５の電磁
石４の磁心４ａと対向する部分が、永久磁石３に
より磁心４ａ方向に吸引され、アーマチユア５の
先端部が磁心４ａの角部付近に当接する。この時
の状態を詳述すると、アーマチユアバネ１の固定
板部１ａは第４図ａに示すようにカバー８の凸部
８ａとヨーク舌片２５ａおよび連結環２５ｂとに
より挟持され、一方アーマチユアバネ１の駆動板
部１ｂに連結する第２の可撓片１ｄは、第４図ｂ
に示すようにカバー８とヨーク２５の連結環２５
ｂとの空間部で変位可能になつている。また、ア
ーマチユアバネ１の固定板部１ａと駆動板部１ｂ
とは、第２図ｂに示すようにそれぞれ中心に向か
つて放射状に打ち抜かれた穴部１ｆによつて略隔
離されている。従つて、第５図ｂに示すようにア
ーマチユアバネ１の穴部１ｆの内端付近の駆動板
部１ｂ（第３図に示す内端部Ｂ）に偶力（ｐ・ｌ）
が作用しこの部分を支点位置としてアーマチユア
５が反時計方向に回転してアーマチユア５の先端
部が磁心４ａの角部付近に当接する。同時にアー
マチユアバネ１の外端部方向の第２の可撓片１ｄ
はアーマチユア５が磁心４ａに吸引される方向と
は逆方向にカバー８とヨーク２５の連結環２５ｂ
との間の空間部において上方に引張られ、同時に
第１の可撓片１ｃが内方に引張られながら撓み、
その弾性エネルギーを貯えた状態で保持される。
従つて、従来例の如くアーマチユアが磁心に当接
し、ずれをおこし全面で当接するのとは基本的に
相違する所以である。

また、電磁石４が励磁されると、永久磁石３と
電磁石４の各磁束は打ち消されるからアーマチユ
ア５はアーマチユアバネ１の弾性力により容易に
撓みのない状態にもどつて行く。従つて、電磁石
４から離開し、前述の支点位置を中心としてアー
マチユア５が時計方向に回転し、回転に伴つて印
字ワイヤ６は上方に移動して図示しない記録紙に
インクリボンを介して印打する。

［発明の効果］ この発明は、固定板部と駆動板部とを交互に環
状に配列したアーマチユア作動部材の駆動板部に
先端に印字ワイヤを有するアーマチユアを固定し
かつその固定板部はヨーク舌片に対応して配設す
ると共に、永久磁石により、アーマチユアをアー
マチユア作動部材の駆動板部の内端付近の支点位
置を中心として回転させ、かつアーマチユア作動
部材の固定板部をカバーの凸部とヨーク舌片とに
挟持すると共に、その駆動板部に連結する第２の
可撓片はカバーとヨークとの間で形成される空間
部に変位可能に保持するようにしたため、 部品点数を増加させることなく、アーマチユア
は磁心の一端と当接するのみで摺動せず、この当
接によりアーマチユアおよび磁心の摩耗が著しく
軽減されると共に、 高速の繰返動作を行う場合でもアーマチユア作
動部材は安定して作用し、その結果ワイヤが遅れ
て作用することなく長寿命である。

また、多ワイヤを配置する場合にも、駆動板部
のバネ有効長は大きいから、若干の設計変更によ
り印字ヘツドの外径を変えることなく対応できる
等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す分解斜視
図、第２図ａは第１図に示すカバー８の要部拡大
平面図、第２図ｂは第１図に示すアーマチユアバ
ネ１の要部拡大平面図、第２図ｃは第１図に示す
ヨーク２５の要部拡大平面図、第３図は凸部８
ａ、固定板部１ａおよびヨーク舌片２５ａ等の位
置関係を示す要部拡大平面図、第４図ａは第３図
におけるＯ−Ｙ線断面図、第４図ｂは第３図にお
けるＯ−Ｘ線断面図、第５図ａ，ｂはそれぞれ動
作説明図、第６図ａ，ｂ，ｃはそれぞれ従来例を
示す図、第７図は第６図ａ，ｂ，ｃに示すヨーク
５５とアーマチユアバネ５７との要部拡大平面図
である。 図において、１……アーマチユアバネ、１ａ…
…固定板部、１ｂ……駆動板部、１ｃ……第１の
可撓片、１ｄ……第２の可撓片、２……磁性体
枠、３……永久磁石、４……電磁石、５……アー
マチユア、６……印字ワイヤ、７……整列体、２
５……ヨークである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定板部１ａと駆動板部１ｂとを交互に環状
   に配列し、前記固定板部はその外端部を第１の可
   撓片１ｃに連結し、前記駆動板部はその外端部を
   第２の可撓片１ｄを介して前記第１の可撓片に連
   結し、前記固定板部の内端部は隣接する前記駆動
   板部の内端部に連結してなるアーマチユア作動部
   材１と、ヨーク舌片２５ａに前記アーマチユア作
   動部材の固定板部を対応して配設するとともに永
   久磁石３等を介挿した磁性体枠２と、前記駆動板
   部に対応し、かつ、前記磁性体枠のヨーク２５と
   の間に隙をもつて磁性体枠に配設した電磁石４
   と、これら電磁石との間に隙をもつて前記駆動板
   部に固定され、先端部に印字ワイヤ６を有するア
   ーマチユア５と、前記磁性体枠とアーマチユア作
   動部材に取り付けられ、前記印字ワイヤを整列さ
   せる整列体７を上部に固定し、内面に前記固定板
   部に対応して凸部８ａを形成したカバー８とを備
   えて、アーマチユア作動部材の固定板部をカバー
   の凸部とヨーク舌片とに挟持すると共に、アーマ
   チユアを固定した駆動板部に連結する第２の可撓
   片はカバーとヨークとの間で形成される空間部に
   変位可能に保持するように設け、電磁石の励磁解
   除時に前記アーマチユア作動部材の駆動板部の内
   端付近の支点位置Ｂを中心としてアーマチユアが
   回転してアーマチユアの下面が磁心の一端に当接
   可能としたことを特徴とするドツトインパクト印
   字ヘツド。