JPH0452771Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案は定着ローラ等にオフセツト防止のため
のオイルを塗布する装置に関する。

＜従来技術＞ 電子写真複写機等においては、用紙上に形成さ
れた未定着像（トナー像）を定着するために、定
着ローラが用いられている。定着ローラとして
は、熱定着あるいは圧力定着を行うものがある。
熱定着を行う定着ローラは、例えばトナー像と対
接する側をヒータランプ等にて加熱しこのローラ
（ヒートローラ）に対し圧接ローラを圧接して構
成される。また圧力定着ローラは、剛性のローラ
を互いに高圧力でもつて圧接させ、トナー像の圧
力にて用紙上に定着するものである。

上記定着ローラには、用紙上の未定像のトナー
像が接するため、このトナーが上記ローラに付着
する。このローラに付着したトナーが再度用紙に
接し、これが用紙に転写されるといつたオフセツ
ト現象が生じる。そのため、熱定着ローラ等にお
いては、トナーと接する側のヒータローラ表面を
トナー等に対し離型性の優れたテフロン等をコー
テイングしたり、圧接ローラをシリコンゴム等に
て構成する等して、オフセツト防止を行つてい
る。また、上記定着ローラの表面にオフセツト防
止液、例えばシリコンオイルを塗布している。

オフセツト防止液をローラ表面に塗布する手段
としては、種々の手段が提案され実施に供されて
いるが、簡単な手段として綿又はフエルト等から
なるパツドにオフセツト防止液を含浸させ、この
パツドをローラに圧接させているものがある。こ
れは構成そのものが非常に簡単であるものの、定
位置にビス等にて固定されているため、上記パツ
ドの交換等が非常に面倒であつた。

＜目的＞ 本考案は定着ローラにオフセツト防止液を塗布
する手段において、その塗布手段の交換を簡単に
することを第１の目的とする。

また本考案は塗布手段をローラ状にしその交換
を簡単にすることを目的とする。

＜実施例＞ 第１図は本考案によるオフセツト防止液の塗布
装置を備えた定着ローラを示す側面図である。図
において、ローラ１は図示していない転写工程に
て転写され用紙上に支持されたトナー像を、かか
る用紙に熱融着させ定着させるヒートローラであ
つて、ローラ内部にヒータランプ等が設けられて
いる。このヒートローラ１はその表面がトナーを
定着するのに必要な温度にヒータランプ等（図示
せず）にて加熱制御されている。またヒートロー
ラ１は、表面がテフロンコーテイングされてお
り、トナーが付着しないように考慮されている。

上記ヒートローラ１に対しトナー像を支持した
用紙を、ヒートローラ表面へ圧接させるための表
面がシリコンゴム等からなる圧接ローラ２が圧接
され、定着ローラが構成されている。この圧接ロ
ーラ２に対向してオフセツト防止液を塗布する塗
布装置３が設けられている。塗布装置３はローラ
状のオフセツト防止液を含浸した塗布部材４を保
持部材５にて保持する構成であつて、塗布部材４
を圧接ローラ２に接触させている。保持部材５は
支点軸６を中心に回転自在に設けられており、ス
トツパー７にて時計方向の回転が規制されてい
る。この保持部材５の回転規制位置（第２図参
照）において、ローラ状の塗布部材４が圧接ロー
ラ２に自重又は付勢手段の作用にて圧接される。

上記保持部材５は第２図にその詳細を示す通
り、塗布部材４の回転軸８０を軸支する軸受８を
挿入する開孔９が形成されている。軸受８は保持
部材５にて保持された際に、回転しないように小
判形状に形成されている。また保持部材５の開孔
９は、小判形状の軸受８に合致する様に形成され
ており、第２図に示す様に保持部材５が圧接ロー
ラ２と対向すれば、下方向に向くように形成され
ている。そして開孔９の軸受８の挿入部側には、
ローラ状の塗布部材４の抜け落ちを防止する突起
１０が形成されており、且つ軸受８の挿入を容易
にするために突起１０と対応して切り欠き１１が
形成されている。そのため、突起１０の部分は、
弾性力が作用し軸受８の挿入及び離脱を容易にし
ている。この保持部材５としてプラスチツク等の
弾性を樹脂にて構成するのであれば、切り欠き１
１を設けなくとも、それ自身のもつ弾性力にて軸
受８の開孔９への着脱を容易に行うことができ
る。更に切り欠き１１を設けることで着脱をより
容易にできる。

一方、本考案にかかる塗布部材４は、第４図及
び第５図に示す様に、ロール状の鉄心１２に綿又
はフエルト等からなる塗布材１３を被覆してお
り、この塗布１３にオフセツト防止液である例え
ばシリコンオイル等が含浸されている。また鉄心
１２には塗布部材４の回転軸８０が一体的に取付
けられており、この回転軸８０に軸受８が設けら
れており、Ｅリング等にて軸受８の脱落が阻止さ
れている。

以上の様に構成されたものにおいて、塗布部材
４を保持部材５に保持させ、この保持部材５を第
２図に示す様に圧接ローラ２と対向する位置に配
置する。これにより、保持部材５はストツパー７
にて回動が規制され、開孔９が下方向に向けられ
る。そのため塗布部材４は自身の自重により圧接
ローラ２側へ移動し、圧接ローラ２に圧接され
る。そして圧接ローラ２の回転に従つて、回転さ
れ、含浸されたオフセツト防止液が圧接ローラ２
に塗布され、且つ圧接ローラ２に付着したトナー
等の汚物が除去される。塗布部材４をローラ状に
していることで、回転しながら圧接ローラ２にオ
イル等を塗布できるため、圧接ローラ２の全面に
塗布部材４が接し、均一塗布が望める。

上記塗布部材４が汚れ、交換する場合には第１
図の破線で示す位置つまり第３図に示す位置へ保
持部材５を回動させる。この状態で塗布装置３が
圧接ローラより離間し、保持部材５の開孔９は上
方向に向く。そのため塗布部材４を上方向に引き
上げることで、軸受８が開孔９より外れる。そし
て、新しい塗布部材４を装着し、保持部材５を時
計方向に支点軸６を中心にストツパー７位置まで
回動させればよい。

上述の様に、塗布部材４の着脱が容易であつ
て、保持部材５を圧接ローラ２と対向する位置に
配置すればよく、塗布部材４の交換操作が非常に
簡単になる。

尚、本実施例では塗布部材４のそのものの自重
で圧接ローラ２に圧接しているが、第２図に示す
様に開孔９の部分にスプリング１４を設け、該ス
プリング１４にて軸受８を圧接ローラ２側に付勢
する構成としてもよい。これであれば、塗布部材
４を重くする必要もなく、且つ圧接ローラ２との
対接時に開孔９を下方向に向くように形成する必
要もなくなる。また、塗布装置３を圧接ローラ２
に対向して設けているが、ヒートローラ１に対向
して設けてもよいことは勿論である。

＜効果＞ 以上説明したように本考案の装置によれば、開
孔が上向きになるためオフセツト防止液の塗布ロ
ーラの着脱作業が定着ローラに触れることなく容
易になり、交換作業が非常に簡単になる。しか
も、塗布ローラが回転するため、定着ローラへの
オフセツト防止液の塗布を均一に行える。この塗
布ローラは小判形状の軸受を介して着脱されるた
め、その着脱を容易にかつ保持部での移動が定着
ローラ方向に規制され長期にわなる回転が非常に
安定する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の塗布装置を備えた定着ローラ
の側面図、第２図及び第３図は本考案の塗布装置
の詳細を示す側面図であつて第２図は塗布装置の
定着ローラの塗布状態を第３図は塗布装置を定着
ローラより解除した状態を示す図、第４図は塗布
装置を構成する塗布部材の一例を示す斜視図、第
５図はその側面図である。 １……ヒートローラ、２……圧接ローラ、３…
…オフセツト防止液塗布装置、４……塗布部材、
５……保持部材、８……軸受、９……開孔、１０
……突起、１１……切り欠き。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 支持部材上に支持された未定着像を定着する定
   着ローラと、 該定着ローラと接触し回転しオフセツト防止液
   を塗布する塗布ローラと、 該塗布ローラを回転支持するための軸の両端部
   に設けられた小判形状の軸受と、 該軸受を着脱可能に保持するために小判形状に
   一致する開孔が形成され、上記塗布ローラを定着
   ローラに接触させる塗布位置と定着ローラより離
   間し塗布ローラの着脱を行う着脱位置とに移動可
   能に設けられ、上記着脱位置への移動により上記
   開孔が上方向に位置するように回動可能に設けら
   れてなる塗布ローラの軸受保持部材と、 上記開孔からの上記塗布ローラの離脱を阻止す
   るために形成され弾性変形可能な突起と、 を具備し上記塗布ローラの着脱を可能に構成した
   定着ローラのオフセツト防止液塗布装置。