JPH0451317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、浴槽中に自動給湯すると共に、その
浴槽内の湯水を循環加熱し得る如くした給湯付風
呂釜に用いられる切替弁付ポンプに関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来のこの種の給湯付風呂釜は、特開昭61−
134539号公報に記載されている。

この種の従来例は、第３図に示すように、器体
１内に給湯用熱交換器２及び追焚用熱交換器３が
内蔵されている所謂二缶二水路の給湯付風呂釜が
一般的であつて、給湯用熱交換器２の入口側に水
制御弁４を設け、出口側の出湯管を一般給湯管５
と風呂用給湯管６とに分岐し、前記風呂用給湯管
６の途中に水量センサー７、水閉止弁８を設け、
その下流にはこの風呂用給湯管６と縁を切つた分
離タンク９を配設し、その分離タンクの下流には
三方切替弁１０を設け、該三方切替弁１０を前記
追焚用熱交換器３とポンプ１１を介して浴槽１２
に連通する追焚用循環配管１３に連結し、前記ポ
ンプ１１の駆動により浴槽１２中へ自動給湯し、
あるいは浴槽１２内の湯水を循環加熱し得るよう
に構成されている。

また、他の従来例として、第４図に示すよう
に、前述の三方切替弁１０を用いる代りに、分離
タンク９の下流を流路切替弁１４を介して追焚用
循環配管１３のポンプ上流側に連結すると共に、
その連結部から浴槽１２に至る配管途中に流路切
替弁１５を配設させたものがある。

次に、上記の構成によりなる従来の給湯付風呂
釜の動作について説明する。

図示を省略したリモコンの操作により風呂自動
給湯の指令を出すと、第３図の三方切替弁１０は
ａ，ｃ側が連通すると共にｂ側が閉止され（第４
図においては流路切替弁１４が連通すると共に流
路切替弁１５が閉止され）、次に水閉止弁８が開
くと共に水制御弁４が開となり、給湯用ガス弁１
６が開弁されて給湯用バーナ１７が燃焼を開始
し、かくして供給された水は給湯用熱交換器２に
より加熱されて水量センサー７、水閉止弁８を通
つて分離タンク９内に供給され、さらにポンプ１
１が運転を開始し、分離タンク９内の湯を追焚用
循環配管１３を経て浴槽１２の中に自動給湯す
る。

その後は、水量センサー７の信号と分離タンク
９に設けられた水位センサー１８，１９との信号
により水制御弁４を制御し、分離タンク９への流
入量と分離タンク９からの流出量とが等しくなる
ように制御する。

一方、水量センサー７では風呂用給湯管６を通
過する流量を積算し、その積算値が浴槽１２への
給湯設定値に達すると水閉止弁８が閉となり、給
湯用ガス弁１６を閉にして給湯用バーナ１７の燃
焼を停止させ、同時に、三方切替弁１０のａ側を
閉止すると共にｂ，ｃ側を連通させ（第４図の場
合は流路切替弁１４を閉止すると共に流路切替弁
１５を開き）、追焚用ガス弁２０を開いて追焚用
バーナ２１を燃焼させることによつてポンプ１１
によつて循環している湯水を追焚用熱交換器３に
より加熱し、かくして浴槽１２内の湯が適温に沸
き上ると、追焚用ガスバーナを停止させると共に
ポンプ１１を停止させる。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記第３図および第４図に示す給湯付風呂釜
は、ポンプ１１と三方切替弁１０、またはポンプ
１１と流路切替弁１４，１５とを別個に組合せ
て、浴槽１２に対する自動給湯と浴槽内の湯水の
循環加熱とを切替えるため、ポンプ１１と三方切
替弁または流路切替弁とを別々に固定した後配管
により互いに接続しなければならず、このため組
立の際の工程数が多くなつてコストが上昇するば
かりでなく、生産性の向上に支障をきたしてい
る。

また、ポンプ１１と三方切替弁１０または流路
切替弁１４，１５とを独立して使用するため、こ
れらを器体１内に配設するためにそれなりの空間
を必要とし、給湯付風呂釜の小型化に支障をきた
している。

また、本考案の先願技術として、給湯器付き風
呂釜の追焚回路の循環ポンプより下流側の戻り管
から分岐して設けたバイパス管を給湯路と追焚き
路とに経路を切換えるための切換弁装置を介して
往き管に接続し、浴槽への給湯時に前記切換装置
を切換えてバイパス管を使用するようにしたもの
がある（実開昭62−97437号公報、実開昭63−
29046号公報参照）。

しかし、この先願技術においても、給湯弁とバ
イパス弁と戻り管路弁との３つの弁を連動して開
閉させる切換装置をポンプとは別に設置する必要
があるため、前記第３図および第４図に示す給湯
付風呂釜と同様に組立の工程数が多くなつてコス
トが上昇し、かつ、切換弁装置を配設する空間が
必要で給湯付風呂釜の小型化に支障を来たしてい
る。

本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善
し、三方切替弁または２つの流路切替弁と同様の
機能を有する部材をポンプと一体化させることに
よつて、給湯付風呂釜の組立の際の工程数の低減
をはかると共に、構成部材の配設空間を少なくし
て給湯付風呂釜の小型化をはからんとするもので
ある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記の如き目的を達成するため、浴
槽水の追焚循環配管の途中に配設され、浴槽への
自動給湯時および浴槽水の循環追焚時に用いられ
る給湯付風呂釜用ポンプにおいて、該ポンプのケ
ーシングにポンプ吸込口と連通する２つの吸込口
を有する切替弁部材を一体的に組付け、かつ該切
替弁部材に前記２つの吸込口の何れか一方を開く
と他方を閉じる選択電磁弁を配設し、該ポンプの
吐出口を追焚循環配管の追焚用熱交換器に至る管
路に対する接続口にすると共に、前記切替弁部材
の２つの吸込口の一方を追焚循環配管の浴槽に至
る管路に対する接続口、他方を浴槽への給湯管路
に対する接続口としたことを特徴とする。

〔作用〕

本考案は、前記の如く、ポンプのケーシングに
ポンプ吸込口と連通する２つの吸込口を有する切
替弁部材を一体的に組付け、かつ該切替弁部材に
前記２つの吸込口の何れか一方を開くと他方を閉
じる選択電磁弁を配設し、該ポンプの吐出口を追
焚循環配管の追焚用熱交換器に至る管路に対する
接続口にすると共に、前記切替弁部材の２つの吸
込口の一方を追焚循環配管の浴槽に至る管路に対
する接続口、他方を浴槽への給湯管路に対する接
続口としたので、本考案のポンプを給湯付風呂釜
に組付ければ、従来のように三方弁や切替弁を使
用することなく、切替弁部材の２つの吸込口のう
ち何れか一方を選択してポンプを駆動することに
より浴槽水の循環加熱または浴槽に対する給湯を
行なうことができ、これにより三方弁や切替弁の
組込みが不要となつて給湯付風呂釜組立時の工程
数を低減させると共に、構成部材の配設空間を少
なくしてその分だけ給湯付風呂釜の小型化をはか
ることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図および第２図
について説明する。

第１図および第２図において、１１はポンプ
で、ポンプケーシング１１１とポンプカバー１１
２とにより囲まれた空間内にインペラー１１３を
収容し、かつ該インペラー１１３をモータ１１４
により回転駆動するように構成されている。そし
て、前記ポンプケーシング１１１の中心部には吸
込口１１５が設けられており、かつ、外周の一部
には吐出口１１６が設けられている。

本考案においては、前記吸込口１１５を有する
ポンプケーシング１１１側に２つの吸込口を有す
る切替弁部材を一体的に組付ける。

すなわち、図示の実施例は、ポンプケーシング
１１１と一体に一方の吸込口２２１を有する切替
弁部材２２を形成し、かつ、該切替弁部材２２の
上部にパツキングを介して他方の吸込口２３１を
有する切替弁部材２３を固定し、さらにその切替
弁部材２２の上にパツキングを介して電磁弁２４
を固定し、その電磁弁２４の弁棒２４１の下端に
上下一対の弁板２４２，２４３を取付け、その下
方の弁板２４３を前記吸込口２２１側の弁口２２
３と対向させると共に、上方の弁板２４２を前記
吸込口２３１側の弁口２３２と対向させ、常態に
おいては、スプリング２４２により弁板２４３を
弁口２２３に圧接させて吸込口２２１を閉じると
共に弁板２４２を弁口２３２から離間させて吸込
口２３１を開き、電磁コイル２４３に通電すると
前記スプリング２４２に抗し弁棒２４１を引上げ
て弁板２４２を弁口２３２に圧接させて吸込口２
３１を閉じると共に弁板２４３を弁口２２３から
離間させて吸込口２２１を開くように構成する。

本考案の給湯付風呂釜用切替弁付ポンプは、上
記の如き構成よりなるので、ポンプの吐出口１１
６を従来例と同様に追焚用熱交換器３に至る管路
に接続し、一方の吸込口２２１を追焚循環管路の
浴槽に至る管路に接続すると共に、他方の吸込口
２３１を浴槽への給湯管路に接続すれば、電磁弁
２４の開放および付勢により浴槽に対する給湯お
よび浴槽内の湯水の循環加熱を切替えることがで
きる。

すなわち、第１図に示すように、電磁弁２４を
付勢しない状態においてポンプ１１を駆動すれ
ば、分離タンク９から流下する湯を吸込口２３１
から吸込み、吐出口１１６を経て浴槽１２中に供
給し、第２図に示すように、電磁弁２４を付勢し
た状態でポンプ１１を駆動すれば、浴槽内の温水
を吸込口２２１から吸込み、吐出口１１６、追焚
用熱交換器３を経て循環加熱させることができ
る。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、ポンプの
吸込口を有するケーシング側に２つの吸込口を有
する切替弁部材を一体的に組付け、かつ該切替弁
部材に前記２つの吸込口の一方を開くと他方を閉
じる選択電磁弁を配設したので、給湯付風呂釜組
立の際の工程数を低減せしめると共に、給湯付風
呂釜構成部材の配設空間を少なくしてその分だけ
給湯付風呂釜の小型化をはかることができ、しか
も浴槽に対する給湯と浴槽内の湯水の循環加熱と
を何等支障なく遂行することができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案による切替弁付ポ
ンプの異なる使用状態を示す断面図、第３図およ
び第４図は従来の給湯付風呂釜のガス・水系統図
である。 ２……給湯用熱交換器、３……追焚用熱交換
器、４……水制御弁、６……風呂用給湯管、９…
…分離タンク、１１……ポンプ、１２……浴槽、
１３……追焚用循環配管、１７……給湯用バー
ナ、２１……追焚用バーナ、１１５……ポンプの
吸込口、１１６……ポンプの吐出口、２２，２３
……切替弁部材、２２１，２３１……吸込口、２
４……電磁弁、２４２，２４３……弁板、２２
３，２３２……弁口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽水の追焚循環配管の途中に配設され、浴槽
   への自動給湯時および浴槽水の循環追焚時に用い
   られる給湯付風呂釜用ポンプにおいて、該ポンプ
   のケーシングにポンプ吸込口と連通する２つの吸
   込口を有する切替弁部材を一体的に組付け、かつ
   該切替弁部材に前記２つの吸込口の何れか一方を
   開くと他方を閉じる選択電磁弁を配設し、該ポン
   プの吐出口を追焚循環配管の追焚用熱交換器に至
   る管路に対する接続口にすると共に、前記切替弁
   部材の２つの吸込口の一方を追焚循環配管の浴槽
   に至る管路に対する接続口、他方を浴槽への給湯
   管路に対する接続口としたことを特徴とする給湯
   付風呂釜用切替弁付ポンプ。