JPH04505103A - 糖タンパク質ホルモン受容体分子 - Google Patents
糖タンパク質ホルモン受容体分子Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
塘タンパク質ホルモン受容体分子
発明の分野
本発明は、黄体形成ホルモン、コリオゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモン、およ
び甲状腺刺激ホルモンに対する細胞受容体(レセプター)分子の精製およびクロ
ーン化に関する。本発明はさらに、精製された上記のホルモン受容体分子の使用
に関する。
発明の背景
1、 下垂体前葉のホルモン類
下垂体前葉(adenohypophys is)は、黄体形成ホルモン(ルト
ロピンモシくは“LH”)、コリオゴナドトロピン(もしくは“CG″)、卵胞
刺激ホルモン(フォリトロピンもしくは“FSH”)、および甲状腺刺激ホルモ
ン(チロトロピンもしくは“TSH″)を含むいくつもの主要な糖タンパク質ホ
ルモン類の起源である。下垂体前葉のホルモン類は、llorman、^、W等
、Hormones、 Acad Press、米国、ニーーヨーク州、198
7年に総括されている。これらのホルモン類は道化して高度に保護されており、
うy)などの動物のLHSCGおよびTSHホルモンの主要なアミノ酸の配列は
ヒトのものと非常に類似している(Strickland、 T、W、等、 L
uteinizing Hormone Action and Recept
ors、 Ascoli M、編集、 CRCPress、米国、フロリダ州。
ポカ・ラドン、1985年)。
黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、ヒトコリオゴナドトロピン(hCG)お
よび甲状腺刺激ホルモンは多くの共通の特性を共有しているので1系統の糖タン
パク質ホルモンのメンバーと考えられている。これらのホルモンはすべて約20
0〜250アミノ酸残基を含有し、共通のαサブユニット(約13〜15kDa
の分子量を有する)および特有のβサブユニット (約13〜22kDaの分子
量を有する)で構成されている。LH,FSHおよびTSHのαサブユニットは
同一であるが、CGのごサブユニットは他のホルモンのものとわずかに異なると
報告されている(Ganong、 W、F、、 Review of Medi
cal Physiology、 9版、 Lange Medical Pu
b、米国、カリフォルニア州、ロス・アルトス、 197ff:)。
これらのホルモン類は、標的細胞の表面に存在する受容体分子に結合することに
よってその生物活性を伝達する。ホルモン類の、αサブユニットとホルモン特異
βサブユニットとの相互作用か、ホルモンの結合特異性を与える原因である。こ
れらホルモン類は、細胞のアデニル酸シクラーゼを活性化して細胞内cAMPレ
ベルを増加させることによって作用する。(de la Llose−Herm
ier等、 Acta Endocrinol、、 118巻、 399〜40
6頁、 1988年)。
黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンはともにゴナドトロピン類である(Asc
oli M、編、 Luteinizing Hormone Action
and Receptors。
CRCPress、米国、フロリダ州ポカ・ラドン、 1985年)、LHは、
ライデイッヒ(間質)細胞の表面に発現される受容体と結合する(Ascoli
、 M、、 The Receptors、 Conn、 P、M、編、2巻、
368頁、 1985年)。男性のヒトにおいて、LHが結合すると、ライディ
ノヒ細胞のテストステロンの合成を増大させる。女性のヒトにおいて、上記の結
合があると、顆粒層、膜、腸管および黄体の細胞の、アンドロゲン類、ニステロ
ゲン類、およびプロゲスチン類、特にプロゲステロンのa度を増大させる。
卵胞刺激ホルモンは配偶子類の発生を調節する。ヒトの男性では、FSHはセル
トリ細胞の表面に存在する受容体と結合して、成熟精子を産生させる発生過程を
補助する。ヒトの女性ではこのホルモンは卵巣の顆粒層細胞の表面に存在する受
容体と結合する。このホルモンは、エストロゲンおよびLHと協動して作用し卵
胞の発生を刺激すると考えられる。FSHは、卵母細胞の発生におけるその役割
を反映して雌性生殖サイクルにおける排卵期に最大に発現される。
そのためFSHの検定は、排卵発生の検出および予測に利用できる。
またFSHは、顆粒層細胞がLH/CG受容体を発現するのを刺激する。
コリオゴナドトロピンは、胎盤の栄養芽層細胞が産生ずるゴナドトロピンである
。このホルモンは、プロゲステロンの産生を刺激することによって、卵巣内の黄
体の成長と発生を刺激する作用を行う。
コリオゴナドトロピンは、妊娠に対する母性代謝をととのえる役割をもっている
6CGの発現は受胎後に急速に増大するので、妊娠の検定法として利用できる。
LHSFSHもしくはCGを投与することによって雌に排卵を誘発させることが
できる。これらのホルモンは不妊症の治療に使用できる。
TSHの基本的な作用は、甲状腺の分泌と成長を刺激する作用である。TSHは
、甲状腺細胞の表面に発現される受容体分子と結合する。TSH受容体と結合で
きるモノクローナル抗体が開発されている。グレーゲス病にかかった個体は、T
SH受容体分子と結合できる自己抗体を産生ずる。抗TSH受容体モノクローナ
ル抗体とは異なり、上記自己抗体が結合することはTSHと似ているので、甲状
腺活性の刺激物質として作用する(Furmaniak、 J、等、 Acta
Endocrinol、 (Suppl) 281巻、 157〜165頁、
1987年)。グレーゲス病の臨床症状は、甲状腺機能亢進が特徴である。
++、下垂体前葉の糖タンパク質ホルモン類(hCGを含む)の受容体黄体形成
ホルモンとコリオ(絨毛)ゴナドトロピンが同じ細胞受容体分子を共有している
ことが研究の結果明らかになった(Ascoli。
M、 li、Luteinizing Hortaone Action an
d Receptors、 CRCPress。
米国、フロリダ州ポカ・ラドン、 1985年)。化学的光親和性架橋剤を使用
することによって、研究者は、受容体のホルモン結合部を研究できるようになっ
た[Ji、1.等、 Proc、 Natl、 Acad、 Sci (U、S
。
A、)、 77巻、 7167頁、 1980年; Rebois、 RJ、等
、 Proc、 Natl、 Acad。
Sci、 (U、S、A、)、 78巻、 2086頁、1981年; Met
sikko、 11等、 Biochet J、 208巻、309頁、 19
82年〕。しかしこれらの研究は、受容体分子の構造の解明にまで至らなかった
。これらの研究に基づいて、いくつもの研究グループは、受容体は約70〜10
5kDaの単一ポリペプチドであると結論している[Ascoli、 M、等、
J、Biol、 Chet。
261頁、 3807頁、 1988年; Rebois、 R,V、等、 P
roc、 Natl、 Acad、 Sci、 (U、S、A、)、 78巻、
2086頁、 1981年; Kellokua+pu、 S、等、 End
ocrinol、、 116巻、707頁、 1985年]。しかし他の研究者
は、類似の研究によって、受容体がいくつものポリペプチドのサブユニットで構
成されていると結論した[Ji、1.等、 Proc、、 Natl、 Aca
d、 Sci、 (U。
S、^、)、 77巻、 7167頁、 1980年;Ji、I等、 Proc
、 Natl、 Acad、 Sci。
(U、S、A、)、 78巻、 5465頁、 1981年HHwang、 J
、等、 J、 Biol、 Chet、 259巻、 1978年、1984年
; Hwang、 J、等、 Proc、 Natl、 Acad。
Sci、 (t!、S、A、)、 81巻、 4667頁、 1984年]。こ
れらの研究者が到達した異なる結論は調停の見込みがない。
LH/CG受容体の精製についてはいくつもの研究グループによって報告されて
いる(Dufau、 M、 L、等、 J、 Biol、 Chew、、 25
0巻、 4822頁、 1975年; Kusuda+ S、等、 J、 Bi
ol、 Cheffi、、 261巻、 6161頁、1986年; Bruc
h、 R,C,等、 J、 Riot、 Cheffl、、 261巻、 94
50頁、 1986年; Minegishi、 T、等、 J、 Biol、
CheIl、、 262巻、 17138頁、 1987年; Wimala
sena、 J、等、 J、 Biol、 Cheta、、 260巻、 10
6g9頁、 1985年; Keinanan、 K、P、等、 J、 Bio
l、 CheIll、、 262巻、 7920頁、 1987年;Datta
treyamurty、 B、等、 J、 Biol、 Chew、、 258
巻、 3140頁、 1983年)。しかし精製タンパク質の報告された特性が
非常に異なっているので、LH/RH受容体の性質またはこの受容体が含有して
いるサブユニットの数について、結論を得るに至らなかった。
またFSH受容体も充分に特性が決定されていない。光親和性法を用いて、研究
書違は、FSH受容体が3つのサブユニットで構成されていると結論した(Sh
ih、 J、等、 Biol、 Chet、 260巻、 12822頁、 1
985年: 5hih、 J、等、 J、 Biol、 Chew、、 260
巻、 1282g頁。
1985年; 5hih、 J、等、 J、 Biol、 CheIll、、
260巻、 14020頁、 1985年; Sm1th、 R,A、等、 J
、 Biol、 Chew、、 260巻、 14297頁、 1985年;
Sm1th、 R,A、等、 J、 Biol、 Chea+、、 260巻、
14297頁、 1985年)。
TSH受容体は約300 kDaのタンパク質であり、そのタンパク質は切断さ
れて少なくとも2つの70 kDaのタンパク質を生成すると報告されている。
その70 kDaのタンパク質はそれ自体切断して50 kDaと20 kDa
のタンパク質を生成する( Ch a n + J、等、 Acta Endo
crinol。
(Suppl、)、 281巻、166頁、 1987年: Sm1th、 R
,A、等+ Endocrinol。
Rev、、 9巻、88頁、 191118年)。
要約すると、下垂体前葉の糖タンパク質ホルモンと胎盤で作られるコリオゴナド
トロピンとは、標的細胞の表面に存在する細胞受容体分子との相互作用によって
その生物活性を伝達することが見出された。精力的な努力にもかかわらず、これ
ら受容体分子の性質と構成は、まだ解明されていない。
これらのホルモン受容体分子は、診断と治療の両方の目的に利用することができ
る。また受容体分子は、合成ホルモン類もしくはホルモン拮抗体を設計するのに
も利用できる。したがって精製ホルモン受容体分子を製造する技術が大いに要望
されている。
発明の要約
本発明は、黄体形成ホルモン、コリオゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモン、およ
び甲状腺刺激ホルモンに対する受容体の精製およびクローン化に関する。本発明
は、さらに、上記の分子の、ヒトの症状に対する診断と治療での使用に関する。
詳しくは、本発明は、LH/CG受容体、FSH受容体およびTSH受容体から
なる群から選択されるホルモン受容体の分子の治療上有効な量を含有する医薬組
成物に関する。
また本発明は、LH/CG受容体、FSH受容体およびTSH受容体からなる群
から選択されるホルモン受容体分子をコードする遺伝子配列を有する組換えDN
A分子に関する。
また本発明は、LH/CG受容体、FSH受容体およびTSH受容体からなる群
から選択されるホルモン受容体分子の治療上有効な量を含有する医薬組成物の治
療上有効な量をヒトに投与することからなる動物もしくはヒトの症状を治療する
方法に関する。
また本発明は、ホルモンを含有していると考えられる試料中のホルモンを検出す
る方法であって:下記工程。
(a)ホルモンに対する受容体の存在下、受容体が、試料中に存在するいずれか
のホルモンと結合し検出可能な変化を受けることができる充分な条件下で、試料
をインキコベートし、次いで、(b)いずれかの受容体が、黄体形成ホルモン、
コリオゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモンおよび甲状腺刺激ホルモンからなる群
から選択されるホルモンの分子と結合して検出可能な変化を受けたか否かを決定
することによってホルモンを検出する、工程からなるホルモンの検出方法に関す
る。
また本発明は、ホルモン受容体の製造方法であって、下記工程:(a)ホルモン
受容体をフードする遺伝子配列を含有するベクターを構築し、
(b)得られたベクターで宿主細胞を形質転換し、(c)形質転換された細胞を
、その細胞が上記遺伝子配列を発現するのに充分な条件下で、培養培地中で培養
し、次(Xで(d)発現されたホルモン受容体を回収すること力・らなり、ホル
モン受容体がLH/CG受容体、FSH受容体、およびTSH受容体からなる群
から選択される、ホルモン受容体の製造方法に関する。
また本発明は、LH/CG受容体、FSH受容体、およ、びTSH受容体からな
る群から選択されるホルモン受容体と結合できる、天然の汚染物を実質的に含有
していない、抗体もしくζよその抗原結合性断片に関する。
図面の簡単な説明
図1は、ラットの卵巣のLH/CGRのcDNAと推定のアミノ酸配列を示す。
図1では化学的に決定されたペプチド配711 iよ対応する配列の上の黒バー
印で示され、予測されるのと異なる残基は白のバー印で示されている。アミノ酸
の番号付けは成熟した無傷の受容体について見出されたN末端配列から始まって
いる。負の番号はコードされているシグナル配列に対する番号である。推定の細
胞外N一連結グリコシル化部位には逆三角形中をつけてあり、提案される膜スパ
ン(膜貫通)の疎水性配列は四角枠で囲んである。上に線をひいた残基は大豆の
レクチンに類似した場所を示す[し、0. Vodkin等。
Ce1l、 34巻、 1023頁、 1983年; D、J、 5chne1
1等、 J、 Biol、 Cheffl−+262巻、 7220頁、 19
87年(Di r 1orus)]。
図2はLH/CG−Hのトランスメンブラン領域(膜貫通領域)の配列を示す。
選択されたGタンパク質が連結した受容体のトランスメンブラン領域は、Fas
tp (D、J、 Lipman等、 5ience、 227巻、 1435
頁、 1985年)とhow、 global (W、M、 Pitch等、
Proc、 Natl、 Acad。
Sci、 USA、 80巻、 1382頁、 1983年)のコンピュータプ
ログラムを用い、最終的に手動で調節して、位置の同定を最少挿入断片で最大に
して位置合わせを行った。数字は残基の番号を示し、()内の数字は5〜6ルー
プ領域で削除された残基の数を示す。四角枠の領域は、各位置における3つ以上
の残基が対になったところを示す。番号をつけたバー印は推定のトランスメンプ
ラン(TM)領域の位置を示す。
RHOはウンロドブンン、 SKRはサブスタンスに受容体:β−2ARはβ−
2アドレナリン受容体; 5HT−2Rは511T−2(セロトニン)受容体(
ロドプシン: J、 Nathans等、 Ce1l、 34巻、807頁、
1983年: SKR; Y、 Magu等、 Nature、 329巻、
836−838頁、 1987年;β−2AR: R,A、F、 DixOn等
、 Nature、 321巻、75頁、1986年; P、R,5chofi
eld等、 Nucl。
Ac1ds Res、、15巻、 3636頁、 1987年; 5HT−2:
D、B、 Pr1tchett等、 。
EMBOJ、、 7巻、 4135頁、 1988年)。
図3は、LH/CG−Hの細胞外ドメインにおける反復モチーフの構造を示す。
パネルAは14の不完全な反復構造の配列を示す。セグメント 〜 中の同一も
しくは保護された残基は四角枠をほどこした。ダッシュ印は周期性を最適化する
ためのギャップの位置を示す。パネルBは、ヒト血清中のロイシン−リッチα−
2−糖タンパク’Jt(LGR) 、ヒト血小板糖タンパク質1b (GPIB
)のα鎖、ショウジヨウバエのTa1l遺伝子(Toll)、および酵母アデニ
ル酸シクラーゼ(^CY)中に観察されたロイシン−リッチの反復モチーフに対
する共通配列を示す[N、 Takabashi等、 Proc、 Natl、
Acad、 Sci、 USA、 82巻。
1906頁、1985年(LRG); J、 Lopez等、 Proc、 N
atl、 Acad、 Sci、 USA。
84巻、 5615頁、1987年(GPlb); C,Hashimoto等
、 Ce1l、 52巻、269頁、1988年(Toll); T、 Kat
aoka等、 Ce1l、 43巻、493頁、1985年(アデニル酸シクラ
ーゼ、酵母); T、 Krusius等、 Proc、 Natl。
Acad、 Sci、 USA、 83巻、 7683頁、 1986年(PG
A1)]。′a″は3つの脂肪族アミノ酸のうちの1つ、すなわちバリン、ロイ
シンもしくはイソロイシンを示す。′X″はいずれかのアミノ酸を示す。
図4はLH/CG−RcDNAの機能発現を示す。発現ベクターpCLHRで過
渡的にトランスフェクトされているか(黒丸印)またはトランスフェクトされて
いない(白丸印> COS細胞中の特異的1 * ’s 1−CG結合量(A)
とCG刺激cAMPの蓄積量(B)を示す。
図5は、各種組織中でのL H/CG−RcD N Aの雑種形成(ハイブリダ
イゼーション)のノーザン分析の結果を示す。各レーンはl(1μgの全RN^
を含有していた。左側の数字は、DNA サイズマーカーから決定したkbを示
す。示した試料は、偽妊娠ラットの卵巣(レーンa)、成熟うy)の卵巣(レー
ンb)、同畢丸(レーンC)%開腔(レーンd)、同腎臓(レーンe)、同肝臓
(レーンf)由来のものである。
パネルAとBはそれぞれ、同じプロットを6時間と一夜露出したものを示す。
図6aと図6bはラット精巣性FSH−RのcDNAと予測アミノ酸の配列を示
す。アミノ酸の番号付けは、予測成熟レセプタータンパク質に対するN末端配列
から始まる。負の番号はシグナル配列を示す。
図7は、ゴナドトロピン受容体間の構造の比較を示す。A)受容体ドメインの配
列の類似性。細胞外ドメインを示すN末端の1/2は、各々約20の残基の14
の不完全な重複ユニットに細分され、C末端の1/2 は7つのトランスメンプ
ランセグメントを示している。潜在グリコジル化部位は黒画角印で示しである。
異なるグレー色は、各種受容体領域における配列保護の程度を示す。B)ワンレ
ターコードにおける受容体の配列比較。FSH−R配列は下方の配列として示し
てあり、LH/CG−Rにおける差異と置換は上方に示しである。点印は、最適
配列に対して導入された挿入断片を示す。細胞外反復には番号をつけ垂直の線で
境界を示した。細胞外ドメイン中の保護されたシスティン残基は黒卵形印で示し
である。
トランスメンプラン領域TMI−TMVI+は四角枠で示しである。小さな矢印
は、受容体の第2と第3の細胞外ループ中の保護されたシスティン残基を示す。
図8は、FSH−Rの細胞外ドメイン中の反復モチーフの配列を示し、かつ反復
部分間の配列保護の各種の程度を示している。N一連結グリコシル化部位は、ハ
ツチをほどこした丸印で示す。配列と番号付けはLH/CG−Rの場合にしたが
って行った。
図9は、FSH−Hの機能発現を示す。発現プラスミドpCFSH−Rで過71
1f的にトランスフェクトされた293の細胞中の、FSHで刺激されたcAM
Pの蓄積量。細胞内c−AMPはホルモン濃度の関数として測定した。各データ
の点は、2回測定値の平均値上範囲を示す。
好ましい実施態様の説明
1.黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、および甲状腺刺激ホルモン
本発明は、黄体形成ホルモン、コリオゴナドトロピン、甲状腺刺激ホルモンおよ
び卵胞刺激ホルモンに対する生物学的受容体の精製、クローン化および使用に関
する。
上記のように、黄体形成ホルモン(LH)とヒトコリオゴナドトロピン(CG)
は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)も含む進化し
て保護された系統の糖タンパク質ホルモンのメンバーである。4つともすべて、
28〜38kDaのへテロニ量体糖タンパク質であり、各々、受容体の特異性を
与える異なるβサブユニ、。
トと連結された共通のαサブユニットで構成されている(Pierce等、An
nual Red、 Biochem、、 50巻、466頁、 1981年)
。LHとCGのβサブユニットは配列が非常に類似しており、これらの2つのホ
ルモンは同じ受容体に結合し、同一の生体反応を誘発する(Pierce等の前
記文献)。椋的細胞の、LHとCGの結合に対する急性応答は、細胞内のメンプ
ラン関連Gタンパク質によって伝達されるアデニル酸シクラーゼ活性の増加であ
る。得られた、増大したレベルのcAMPは、最終的に、ステロイドの合成と分
泌をもたらす(M、■unzicker−Dunn等、 Luteinizin
g Hormone Action and Receptors、 M、 A
scoli 1m集、 CRCPress、ポカ・ラドン、57〜134頁、
1985年)。これらのホルモンの炭水化物の部分は、シグナル形質導入に重要
な役割をはたすようである(Sairam等、 J、 Biol、Chell、
、 264巻、 2409頁、 1989年)。これらのホルモンの炭水化物の
部分も、これらのホルモンが代謝によって失われる速度を低下させることによっ
て、その効力を増大する。
最近、1系統のGタンパク質連結受容体が同定された。そのメンバーは7つのト
ランスメンブランドメインをもっているという共通の構造の特色をもっているこ
とが特徴である(R,J、 Lefkovitz等。
J、 Biol、 Che+++、、 263巻、 4993頁、1988年で
総説されている)。これらホルモンの受容体はこの系統のメンバーと考えられる
。
動物のLH,FSHおよびTSHのホルモンの結合ドメインをヒトのこれらホル
モンの結合ドメインと比べて非常によく似ているのでこれらのホルモンの細胞受
容体分子はヒトのホルモンと結合できるという結論を支持している。したがって
このような動物の受容体分子はヒトの受容体分子と同じ仕方で使用できる。
黄体形成ホルモン/コリオゴナドトロピンホルモン受容体(LH/CG−R)は
、畢丸のライディヒ細胞、卵巣膜細胞、顆粒層細胞、黄体細胞、および間質細胞
に存在している。LH/CG受容体は生殖生理に重要な役割を演じている。男性
と非妊娠の女性において、LH/CG−Rは、下垂体前葉が産生じ分泌する黄体
形成ホルモン(LH)にのみ露出される。しかし妊娠中は、卵巣のLH/CG−
Rも、胎盤で作られるコリオゴナドトロピン(CG)に露出される。
LH/CG−Rの構造の解明の進行が、この受容体の量が少ないことと分解しや
すいということによって妨げられている(M、 Ascali等、 Endoc
rine Rev、、 10巻、27頁、 1989年)。ラットのLH/CG
受容体が最近、偽妊娠のラットの卵巣から精製されたが(1,Rose@bli
t等、 Endocrinology、 123巻、 2284頁、 1!11
88年)、また豚の畢丸から精製されたという報告がある(Jallal、 B
、等、 Reprod、 Nutr。
Dev、、 28巻、 1177頁、1988年)。
精製されたラソ)LH/CG受容体は、分子量が93KDaの単一の糖タンパク
質であることが見出された(N、 Rosemblit等、 Endocrin
ology、 123巻、 2284頁、 1988年; [、−C,Kim等
、 J、 Biol、 Chew、。
261巻、 3807頁、 1986年; M、 Ascoli等、 Endo
crine Rev、、 10巻。
27頁、 1989年)。しかしその他の報告は、LH/CG−Rが複合サブユ
ニットで構成されていることを示唆している(M、Ascoli等。
Endocrine Rev、、 10巻、27頁、1989年で総説)。
11、ホルモン受容体分子の精製
以下に提示する方法と実施例は、LH/CG受容体(LH/CG受容体″)の単
離とcDNAのクローン化とによって説明する。しかしこのような説明は、本発
明の教示事項から逸脱することなく、LH/CG受容体のみならず、FSHとT
SHの受容体の単離とクローン化ができるように適合させることができるという
ことは理解すべきである。
本発明のホルモン受容体は、各種の方法を常法通り適合させて精製することがで
きる。Rosetxblit N、等の方法CEndoct’rno1..12
3巻。
2284〜2289頁、 1988年)を採用するのが好ましい。受容体は、こ
の方法にしたがい、アフィニティクロマトグラフィー、レクチン結合法および5
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を組み合わせることによって単離され
る。
回収を容易にするために、受容体の量が多い細胞源を使用する。
LH/CG受容体の好ましい供給源はラットの黄体細胞である。FSH受容体の
好ましい供給源はセルトーソ細胞である。TSH受容体の好ましい供給源は甲状
腺の組織である。
組織の試料を得るには、動物を殺すかまたは手術によって所望の組織を入手する
。受容体を含有する組織を動物から取出した後、その組織を、150mM Na
C1,20@M HEPES、 pH7,4を含有する緩衝液(“緩衝液A”)
の中に入れるのが好ましい。組織は4°Cに保持するのが好ましい。このタンパ
ク質はタンパク質分解反応に対して極めて敏感なので、使用する緩衝液には、タ
ンパク質分解反応を阻害するために、5mMN−エチルマレイミド、10dフエ
ニルメチルスルホニルフルオリドおよび10mM EDTAを含有させるのが好
ましい(Kellokumpu、 S 等、 Endocrinol、、 11
6巻、707頁、 1985年)。
組織の試料を、組織破砕器を用いて、10倍容積の緩衝液Aに分散させ、次いで
ホモジナイズする(1!動機駆動のテフロン乳棒を使うのが好ましい)。分散さ
せた細胞製剤を遠心分離しく例えば20,000×gで30分間)、20%グリ
セリン(“緩衝液B”)と1%NP−40(受容体の結合活性を安定化する試薬
)を補充した5倍容積の緩衝液Aに再懸濁させる。得られた製剤を、次に高速遠
心分離にかける(xoo、oooxg 、 1時間)。受容体はこの遠心分離で
生じた上澄液中に見出され、−70℃で保存できる。
好ましい態様として、受容体分子は、さらに、リガンドとして精製ホルモンを用
いるアフィニティークロマトグラフィで精製してもよい。高度に精製されたホル
モンの製剤は市販されている。このような製剤由来のホルモンは、(好ましくは
)当該技術分野の公知の方法によって、^ff1−Gel 10(米国、カリフ
ォルニア州、リソチモンド、Bio−Rad社)などのような固定化樹脂に結合
させる。その樹脂を、上記緩衝液(0,5%NP−40と20%グリセリンを補
充したものが好ましい)中で平衡化させ、受容体分子の製剤をその中に入れて接
触させる。樹脂を適切な緩衝?&(0,5%MP−40を含有する緩衝液B、0
.5M NaC1と0.1%NP−40を含有する緩衝液B;0.1%デオキシ
コレートを含有する緩衝液B;0.1%NP−40を含有する緩衝液B; およ
び0.1%NP−40,20%グリセリンおよび5hMグリシンpH3を含有す
る溶液)で連続的に洗浄した後、好ましくは、50mMグリシンpH3,0,1
%NP−40,20%グリセリンおよび100+aM !1ac1の緩衝液で受
容体分子を溶出する。
溶出された物質を受容体分子について検定するために、試料の一部を、過剰の標
識ホルモン分子の存在下でインキユベートする。放射性ヨウ素が好ましい標識で
ある。好ましい受容体検定法はRoche。
P、 C,等、 Endocrinol、、 117巻、790頁、 1985
年に記載されている。
検定した後、例えば、Buettner、 K、等、 J、 Biol、 Ch
ew、、 259巻。
15078頁、 1984年の方法を用いて濾過を行うことが好ましい。受容体
分子を含有することが分かった試料画分のpHはトリスで中和することが好まし
い。
受容体分子をさらに精製するために、コムギ胚芽凝集素による精製を行う。この
精製は、集めた受容体を含有するアフィニティ精製画分を、コムギ胚芽凝集素−
アガロース(米国、カリフォルニア州、バーリントン、Vector Labo
ratories社)の存在下で培養することによって筒便に行うことができる
。吸着をおこさせた後、ゲルを洗浄して不純物を除去する。次に受容体をゲルか
ら溶出しく例えば0゜1%NP−40を含有する緩衝液Bなどの緩衝液中の0.
321 N−アセチルグリコサミンを用いる)、上記の方法で検定する。
分析ゲル電気泳動法もしくは分取ゲル電気泳動法を用いて、さらに精製すること
ができる。適切な電気泳動法、例えばKim、 1.−C,等(J、 Biol
、 Chew、、 262巻、470頁、 1987年)またはLaemmli
、 U、K。
CWature、 227巻、680頁、 1970年)を用いることができる
。電気泳動を行った物質の観察は銀染色法(tray、 W、等、 Anal、
Biochem、 118巻、 197 頁、 1981年)などの方法で行
うことができる。分取ゲル電気泳動法にかける物質は、この方法にかける前に、
Ho1lovay、 P。
W、が報告した方法(Anal、 Bioche+s、、 53巻、304頁、
1973年)で濃縮することが好ましい。
受容体タンパク質は、例えばCentrrcanフィルター濃縮器を用いて濾過
/濃縮を行うことによって精製することができる。試料はアセトンで沈澱させ次
にゲル電気泳動させてさらに精製することができる。このような電気泳動法で得
たバンドは電気溶離を行い、タンパク質のアミ7末端のアミノ酸配列を決定する
のに利用できる。
あるいは、電気溶離を行った受容体タンパク質を、メタノール/クロロホルムを
用いてさらに沈澱させ、エンドペプチダーゼで消化して一組のペプチダーゼの断
片を得ることができる。次にこれらの断片の配列を決定して、そのアミノ酸配列
を明らかにすることができる。
あるいは、電気溶離を行った受容体分子をアセトンで再沈澱させ、緩衝液(例え
ばトリス、pH8,5)に再懸濁させ、次いで牛酸/CN B rで切断するこ
とができる。その切断生成物は、凍結乾燥し、トリシンゲル上で分離して配列を
決定することができる。高度に精製されたホルモン受容体分子(黄体形成ホルモ
ン、コリオゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモンまたは甲状腺刺激ホルモンの受容
体のいずれか)を含有する製品を同定することによって、受容体分子のアミノ酸
配列を決定することができ、さらに、組換えDNA技術を適用して受容体分子を
製造することができる。
したがって、本発明には、高度に精製されたホルモン受容体分子とその使用法が
含まれるだけでなく、これら受容体分子のアミノ酸配列、これらの受容体分子を
コードする遺伝子配列、このような遺伝子配列を含有するビヒクル、そのビヒク
ルで形質転換された宿主、および形質転換された宿主の発現によって産生される
ホルモン受容体分子も含まれる。
ホルモン受容体のアミノ酸配列を得るため、高度に精製された画分中の受容体分
子を適切な方法で回収する。このような回収は次の方法で行うことが最も好まし
い。すなわち、N、 Rosemblit等(End。
crinology、 123巻、 2284頁、 1411118年)に一般
的に記載されているレクチンとホルモンのアフィニティークロマトグラフィーを
行い、次にCentricon−30(A+5icon)を用いて試料を濃縮し
、次いでゲル電気泳動法で分離する方法である。回収した分子を、好ましくは自
動配列決定器を用いて配列を決定して、分子のアミノ酸配列を決定する。
いかなる適切な方法もホルモン受容体分子の配列を決定するのに用いることがで
きるが、配列の決定は、Rodringuezの微小配列決定法(J、 Chr
oo+atog、、 350巻、2I7頁、 1985年)を使用して行うのが
好ましい。あるいは、ホルモン受容体分子は、電気泳動法で精製し、電気溶離を
行った後、臭化シアンまたはリシル−C−エンドペプチダーゼによって切断する
ことができる。次に、得られた断片を好ましくはHPLCもしくはトリシンゲル
法にかけ(H,Shigger等、 Anal。
Biochet、 166巻、368頁、 1987年)、次に電気プロット法
と気相微小配列決定法に付して分離できる。次に完全分子の配列を決定すること
ができる。
II+、ホルモン受容体分子のクローン化ホルモン受容体分子の全配列が解明さ
れると受容体分子を合成できるが(例えばMerrir 1eld合成法などに
よって)、受容体分子をコードする遺伝子配列から組換えDNA法によって受容
体分子を製造する方が好ましい。
この目的を達成するため、その遺伝コードを用い(IIatson、 J、 D
、 。
Mo1ecular Biology of the Gene、第3版、 W
、A、 Benjamin、 Inc。
米国、カリフォルニア州メンロ・パーク、 197ff:、 356〜357
JN)、ホルモン受容体分子の完全アミノ酸配列から、その分子をコードし発現
できるDNA分子の配列を予測することができる。
好ましい態様において、ホルモン受容体分子のペプチド断片のアミノ酸配列が解
明されると、これを用いて、全受容体タンパク質をコードできる遺伝子配列を分
離できる。この態様において、受容体分子のアミノ酸配列は、受容体分子をコー
ドする遺伝子のDNAもしくはより好ましくはcDNAの配列の分析によって決
定される(cDNAの方が好ましいのは、cDNAが、真核ゲノム配列中に存在
し原核宿主中では正しく発現できない介在配列すなわち“イントロン”を含有し
ないからである)。これらの核酸配列を得るために、ホルモン受容体分子の遺伝
子もしくはcDNAの配列を含有する供M源を、ホルモン受容体分子の断片をコ
ードするオリゴヌクレオチドプローブでスクリーニングする。
このオリゴヌクレオチドプローブを製造するために、高度に精製サレタホルモン
受容体分子を回収し、臭化シアンまたはパパイン、キモトリプシン、トリプシン
、リシル−C−エンドペプチダーゼなどのようなプロテアーゼで断片にする(O
ike、 Y、等、 J、 Biol、 Chet。
257巻、 9751〜9758頁、 1982年; Liu、 C,等、 I
nt、 J、 Pept、 Pr。
tein Res、、 21巻、 209−215頁、 1983年)。得られ
たペプチドを、好ましくはHPLCにより、またはトリシンゲル上で分離しPV
DF膜に電気プロットすることによって分離し、次いでアミノ酸配列を決定する
。この作業を行うには、ペプチドは自動配列決定器で分析するのが好ましい。
1つ以上の適切なペプチド断片の配列が決定されると、そのペプチドをコードし
得るDNA配列を試験する。ペプチドが6アミノ酸長さより長ければ、この配列
の情報は、本発明のホルモン受容体分子をコードし得る遺伝子配列のクローン化
を可能ならしめるに充分な情報である。しかし、その遺伝コードは縮重している
ので、1つ以上のコドンを使って特定のアミノ酸をコードさせることができる(
Watson、 J、D、、 Mo1ecular Biology of t
he Gene、第3版、W、A。
Benja+++in、lie、米国カリフtルニア州メンロ・パーク、 19
77年。
356〜357頁)。したがって、特定のホルモン受容体分子ペプチド断片をコ
ードすることができる1つ以上のオリゴヌクレオチドの配・ 列をおそらく同定
できるであろう。
特定のオリゴヌクレオチドが実際に、実際のホルモン受容体分子断片をコードす
る配列を構成する確率は、異常な塩基対の関係と、特定のコドンが(特定のアミ
ノ酸をコードするために)真核細胞内で実際に用いられる頻度を考慮して推定す
ることができる。このような“コドン使用規則”はLathe、 R,等、 J
、 Mo1ec、 Biol、、 183巻。
1〜12頁、 1985年に開示されている。Latheの“コドン使用規則”
を用いて、受容体分子断片のペプチドの配列をコードできる理論的に“最も確率
の高い”ヌクレオチド配列を含有する単一のオリゴヌクレオチドもしくは1組の
オリゴヌクレオチドが同定され合成される。
上記のように、遺伝コードの縮重によって、その各メンバーが特定のペプチド断
片と雑種形成できる1セツトのいくつかのオリゴヌクレオチドを合成できるであ
ろう。重要なことであるが、このオリゴヌクレオチドのセットのメンバーはすべ
てペプチド断片をコードできるオリゴヌクレオチドを含有しているがそのセ、2
トの1つのメンバーだけが遺伝子のヌクレオチド配列と同一のヌクレオチド配列
を含有している。このメンバーはそのセットの中に存在し、そのセ・ットの他の
メンバーの存在下でもDNA と雑種形成できるから、ペプチドをコードする遺
伝子をクローン化するために単一オリゴヌクレオチドを利用するのと同じ方法で
、オリゴヌクレオチドの未分画のセットを利用できる。
ホルモン受容体分子断片ペプチドをコードすることができる理論的に“最も確率
の高い”配列を含有するオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドのセット
は、“最も確率の高い”配列または配列のセットと雑種形成できる、相補オリゴ
ヌクレオチドまたは相補オリゴヌクレオチドのセットの配列を同定するのに使用
される。このような相補配列を含有するオリゴヌクレオチドは、プローブとして
利用して、受容体分子をコードする遺伝子配列を同定し単離することができる(
Maniatig、 T、等、 Mo1ecular Cloning、 A
Laboratory klanual、 Co1d Spring Barb
or Press、米国、二ニーヨーク州、コールドスプリングハーバ−、19
82年)。
DNAプローブは検出可能な基で標識をつけてもよい。このような検出可能な基
は、検出可能な物理的もしくは化学的特性を有する物質であればよい。このよう
な物質は免疫検定法の分野でよく開発されているが、このような方法で一般に最
も有用な標識を本発明に適用できる。特に有用なものは酵素的に活性な基であり
、例えば酵素類(C1in、 Chea+、、 22巻、 1243頁、 19
76年参照): 酵素基質類(英国特許第1,548.741号明細書参照);
補酵素類(米国特許第4.230゜797号および同第4,238.565号
参照): 酵素阻害剤類(米国特許第4.134.792号参照); 発蛍光剤
類(C1in、 Chew、、 25巻、353頁、1979年参照): 発色
団類;発光剤類[例えば、化学的発光剤および生物発光剤(CIin、 Che
w、、 25巻、512頁、 1979年参照): 特異的に結合可能なリガン
ド、近位の相互作用対:ならびに放射性同位元素例えば31. 355. 32
p、ltJおよび14Cがある。二のような標識と標識化対は、それ自体の物理
特性(例えば発蛍光剤、発色団および放射性同位元素)またはその反応特性もし
くは結合特性(例えば酵素、基質、補酵素および阻害剤)に基づいて検出される
。例えば補因子で標識をつけたプローブは、その標識が補因子である酵素および
その酵素の基質を添加することによって検出できる。例えば、基質に作用して測
定可能な物質特性を有する生成物を生成する酵素を利用できる。この酵素の例と
しては、特に限定はないが、βガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼおよ
びペルオキシダーゼがある。
ホルモン受容体分子をコードする遺伝子配列の断片をコードできる適切なオリゴ
ヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドのセット(またはこのようなオリゴヌ
クレオチドもしくはオリゴヌクレオチドのセットに対して相補性のオリゴヌクレ
オチドもしくはオリゴヌクレオチドの七ノド)は、同定され(上記方法を用いて
)、合成され、当該技術分野で公知の方法によって、受容体分子を発現すること
ができる細胞由来のDNA もしくはより好ましくはcDNAの製品と雑種形成
させる。
“最も確率が高い”ホルモン受容体分子ペプチドをコードする配列に相補性の一
本鎖オリゴヌクレオチド分子は、当該技術分野の通常の技術者に公知の方法(B
elagaje R,等、 J、 Biol、 Chem、、 254巻。
5765〜5780頁、 1979年; Maniatis、 T、等、 Mo
1ecular Mechani+vsin the Control or
Gene Expression、 N1erlich、 D、P、等@、 A
cad。
Press、ニューヨーク、1976年; Wu、 R,等、 Prog、 N
ucl、 Ac1dRes、 Mo1ec、 Biol、、 21巻、 101
−141頁、’1978年; Khorana、 R,G、+5cience、
203巻、 1i14−825頁、1979年)を用いて合成することができ
る。さらにDNAの合成は自動合成器を用いて実施できる。
核酸雑種形成法は、Maniatis、 T、等(Molecular Clo
ning、 A Laboratory Manual、Co1d Sprin
g Harbor Laboratories、Co1d Spring Ha
rbor+ ニューヨーク、1982年)とHaymes、 B、D、等、 (
Nucleic Ac1dHybridization、 A Practic
al Approach、 IRL Press、米国、ワシントンDC,19
85年)が開示している。ホルモン受容体分子をコードするDNA配列は各種の
ソースから誘導することができる。これらの受容体分子のいずれかをコードする
1IIRNAは、受容体分子を産生ずるいずれかの種の組織から単離され、ノー
インプロット法(Altins等、 Method Enzymol、 68巻
、 220〜242頁、 1979年)と標識をつけたオリゴヌクレオチドプロ
ーブを用いて同定することができる。このような細胞のa+RNAを、次に、当
該技術分野の熟練者に公知の方法でcDNAに変換する。あるいはゲノムDNA
を単離して使用してもよい。使用するDNA もしくはcDNAの供給源は、受
容体分子をフードする遺伝子配列の量を高めたものが好ましい。このような量を
高めたものは、受容体分子を高濃度で産生ずる細胞からRNAを抽出することに
より得られるcDNAから最も容易に得ることができる。LH,CGについてこ
のような細胞は黄体細胞である。TSHについてこのような細胞は甲状腺細胞が
ある。FSHについて好ましい細胞源はセルh−IJ細胞もしくは未熟の顆粒層
細胞である。
本発明のホルモン受容体分子をコードする遺伝子配列をクローン化するのに、各
種の方法を使用することができる。このような方法の1つでは、受容体分子をコ
ードできる遺伝子配列を含有する挿入断片の存在について、cDNA挿入断片の
シャトルベクターライブラリー(所望の受容体分子を発現する細胞由来)を分析
する必要がある。このような分析は細胞をベクターでトランスフェクトし、次い
で受容体分子の発現を検定することによって行うことができる。
本発明の受容体分子のいずれかをコードすることができる遺伝子配列を同定して
クローン化するために、DNA もしくはより好ましくはcDNAのライブラリ
ィを、上記のオリゴヌクレオチドプローブと雑種形成する性能についてスクリー
ニングする。適切なりNA製剤(例えばヒトのゲノムDNA)は酵素によって切
断するかまたランダムにせん断し、組換えベクターに連結する。次に、これらの
組換えベクターの前記オリゴヌクレオチドプローブと雑種形成する性能を測定す
る。前記の雑種形成を行えることが分かったベクターを、次に分析し、ベクター
が含有している受容体分子の配列の程度と性質を決定する。純粋に統計的な考察
に基づいて、本発明のホルモン受容体分子のいずれかをコードできる遺伝子は、
唯18個のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドプローブを用いて、(雑種
形成スクリーニング法によって)明確に同定することができる。
本発明の受容体分子をコードする遺伝子配列をクローン化する別の方法では、発
現ベクターのライブラリーを、DNA もしくはより好ましくはcDNA (受
容体分子を発現することができる細胞由来)を発現ベクターにクローン化するこ
とによって調製する。次にそのライブラリーを、ホルモン受容体分子特異的抗体
と結合し、受容体分子またはその断片と同じアミノ酸配列を有するポリペプチド
をコードできるヌクレオチド配列を有するタンパク質を発現できるメンバーにつ
いてスクリーニングされる。この態様において、DNA もしくはより好ましく
はcDNAは、受容体分子を発現できる細胞から分離、精製される。精製された
cDNAを断片化しくせん断、エンドヌクレアーゼによる消化などによって)、
DNA もしくはCDNAの断片のプールを作る。次にこのプールからのDNA
もしくはcDNAの断片を発現ベクターにクローン化し、各メンバーが特有の
クローン化DNA もしくはcDNAの断片を含有している発現ベクターのゲノ
ムライブラリーもしくはcDNAライブラリーを調製する。
したがって、結局、ホルモン受容体分子の実質的に純粋な製品を製造すれば、受
容体のペプチド断片の配列を決定することができる。
この情報を用いて、これらの受容体分子のペプチド配列をコードできる理論的に
“最も可能性のある”DNA配列もしくはそのような配列のセットの配列を得る
ことができる。この理論的な配列に相補性のオリゴヌクレオチドを構築すること
によって(または“最も可能性の高い”オリゴヌクレオチドのセットに相補性の
オリゴヌクレオチドのセットを構築することによって)、本発明の受容体分子の
いずれかをコードすることができる遺伝子配列を同定し単離するプローブとして
機能しうるDNA分子(またはDNA分子のセット)が得られる。
上記の方法のような方法またはこれに類似の方法によって、次のものをコードす
る遺伝子をクローン化することに成功している。すなわちヒトアルデヒドデヒド
ロゲナーゼ(Hsu、 L、C,等+ Proc、 Natl。
Acad、 Sci、 USA、82巻、 3771〜3775頁、 1985
等)、フィブロネクチン(Suzuki、 S、等、 Eur、 Mo1. B
iol、 Organ、 J、、 4巻、 2519〜2524頁、 1985
年)、ヒトエストロゲン受容体遺伝子(買alter、 P、等。
Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 USA、 82巻、 788
9〜7893頁、 1985年)、組構形ブラスミ/−ゲン活性化物質(Pen
nica、 D、等、 Nature、 301巻。
214〜221頁、 1983年)、およびヒトターム胎盤アルカリホスファタ
ーゼ相補D N A (Kam、 W、等、 Proc、 Natl、 Aca
d、 Sci、 USA、 82巻、 8715〜8719頁、 1985年)
をコードする遺伝子のクローン化に成功している。
ラットLH/CG受容体分子を精製し、ラフ1−LH/CG受容体をコードでき
る遺伝子配列を得るのに使用したのと同じ方法で、ラットのFSHもしくはTS
Hの受容体を精製することができる。
LH/CG 、FSHおよびTSHホルモンおよびそれらそれぞれの受容体の構
造と配列は哺乳類中に高度に保存されている。したがって例えば、ラッ)LH/
CGの受容体は、ヒトなどの哺乳類のLHとCGに結合することができる。同様
にラットのFSHとTSHの受容体は(それぞれ)、ヒトなどの哺乳類のFSH
とTSHを捕捉することができる。これらのことから、これらのホルモンとそれ
ぞれの受容体に関連する動物と特にヒトの疾患を治療するのにラットのLH/C
G 、FSHおよびTSHの受容体を使用することかできる。
哺乳類LH/CG 、FSHおよびTSHの受容体の保存された構造と配列と、
うyトLH/CG受容体をコードするcDNA配列の解明によって、LH/CG
、FSHまたはTSHの受容体をコードする他の哺乳類からの遺伝子配列をク
ローン化することができるようになる。本発明にとって特に重要なのは、上記の
ラットLH/CG受容体をコードする遺伝子配列を使ってヒトのLH/CG、F
SHおよびTSHの受容体分子をクローン化する性能である。
本発明の好ましい態様において、ラットのFSHもしくはTSHの受容体、また
は他の動物(特にヒト)のLH/CG 、FSHもしくはTSHの受容体をコー
ドする遺伝子を得る第1段階は、このような遺伝子配列を含有する細胞からDN
A を得る段階である(または、より好ましくはcDNAをこのような受容体を
発現する細胞から得る)。このDNA はゲノム(もしくはより好ましくはcD
NA)ライブラリィを作製するのに使用される。このようなライブラリィの製造
方法はManiatis、 T、等が発表している(Molecular Cl
oning、 A Laboratory Manual、 Co1d Spr
ing Harbor Laborat。
ries、Co1d Spring Harbor、 NY、 1982年)。
所望の遺伝子配列を同定し単離するために、次に上記ライブラリィを、上記配列
をコードする全う、1−LH/CG受容体、このような受容体をコードする配列
に相補性の配列、またはこのような配列のいずれかの断片のプローブ配列と雑種
形成する遺伝子配列についてスクリーニングする。したがって、例えば、ヒトF
SH(もしくはTSH)の受容体をコードできるDNA分子を単離するために、
ヒトのFSH(またはTSH)の受容体を発現する細胞を利用してDNA(もし
くはcDNA)ライブラリィを製造する。Maniatis、 T、等が発表し
た方法(Molecular Cloning、 A Laboratory
Mannual、 Co1d Spring Harbor Laborato
ries、 Co1d Spring Harbor、 NY 19g2年)ま
たはHaya+es、 B、D、等が発表した方法(Nucleic Ac1d
Hybridization。
A PracticalApproach、IRL Press、米国ワンント
ンDC,1985年)のような方法を利用して、上記ライブラリィのメンバーが
、上記のうy)LH/CG プローブ配列を雑種形成する性能についてスクリー
ニングする。
このような雑種形成は、一般に当該技術者にとって公知なので、非常に類似した
配列(高い緊縮性(ストリンジエンシー))を有する2つの遺伝子配列間にのみ
安定なハイブリッドを形成することができるように、または、このようなハイブ
リッドをより分岐した配列(低い緊縮性)を有する2つの遺伝子間に形成するこ
とができるように、各種のストリンジエンシー条件下で行うことができる。高緊
縮性の条件は、高温(例えば50〜65°C)と高濃度のホルムアミドのような
試薬(例えば50%ホルムアミド)とを採用する。低緊縮性の条件は、低温(約
42°C)と低濃度のホルムアミドのような溶剤(例えば20〜40%ホルムア
ミド)とを利用する(Lawler、 M、等+ Bone Marrow T
ranspl、、 3巻、473頁、 1988年; Bhattachary
a、 S、等、 Ind、 J、 Med、 Res、、 87巻、144頁、
1988年; Ar1f、 B、M、等+ VirusRes、、 2巻、8
5頁、 1985年; 5aith、 G、E、等、 Virol、、 123
巻、393頁、 1982年; Pr1estly、 J、V等、旧5toch
et、 89巻、467頁、1988年; Rohrmann、 G、F等、
J、 Gen、 Virol、、 62巻、137頁、 1982年)。42°
Cと20%ホルムアミドの雑種形成条件を利用すると、約10%の相同性を有す
る2つの遺伝子配列は安定なハイブリッドを生成することができる(Rohrm
ann、 G、F、等、 J、 Gen、 Virol、、 62巻、137頁
、 1982年)。
プローブと雑種形成することができるライブラリィのメンバーが同定されると、
それがLH/CG 、FSHもしくはTSHの受容体分子(またはその断片)を
コードするか否かを決定する必要がある。このような特性決定は、いくつかの方
法のどれかで簡便に実施することができる。好ましくは、その遺伝子配列を、適
切な宿主細胞に導入し、発現させ、発現した受容体をLH,CG、FSHまたは
TSHと結合する性能について試験する。LH,CGSFSHもしくはTSHと
結合できる受容体を発現する遺伝子配列は、それぞれ、LH,CG、FSHもし
くはTSHの受容体をコードする。あるいは発現された分子と、LH/CG 、
FSHもしくはTSHの受容体に対して反応性の抗体(後記のようにして製造さ
れる)と結合する性質について試験することができる。グレーヴ;病にかかって
いる、史書が産生ずる自己抗体は、発現された受容体ズTSH受容体なのか否か
を決定するのに利用できる。
発現された分子がLH,CG、FSHまたはTSHと結合で−ない場合は、単離
された配列が所望の遺伝子配列の断片だけをコードすると結論することができる
。したがって、単離された遺伝子6列は、所望の遺伝子配列の欠いている断片を
同定し単離するのに月いられる(Bender、 W、等、 J、 Supra
molec、 5truc、、 to (Suppl)。
2頁、 1979年; Chinault、 A、C,等、 Gene、 5巻
、111頁、 1979年:C1arke、 L、等、 Nature、 28
7巻、504頁、 1980年)。このような6列が同定され単離されると、組
換えDNA技術の公知の方法を用いて所望の全受容体分子をコードできる単一の
遺伝子配列を構築することができる。
本発明のホルモン受容体分子の共有結合による修飾法は本発明9範囲に含まれる
。約100までの残基を有する変異体ホルモン受容付分子の断片は、インビトo
合成法で簡便に製造することができる。
ズ このような修飾は、精製または粗製のタンパク質の標的アミノ酸残が 基を
、選択された側鎖もしくは末端の残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させ
ることによって、分子に導入することができる。
き 得られた共有結合誘導体は、生物活性に対して重要な残基を同定す−ること
を目的とするプログラムに有用である。
配 システイニル(システィン)残基は、ごく普通に、クロロ酢酸も用 しくは
クロロアセトアミドのようなα−ハロアセテート類(および3 対応するアミン
類)と反応し、カルボキシメチル誘導体もしくはカニ ルボキシアミドメチル誘
導体を生成する。またシステイニル残基は、記 プロモトリフルオロアセトン、
α−ブロモ−β−(5−イミドジイル)I プロピオン酸、クロロアセチルリン
酸、N−アルキルマレイミド類、C3−二トロー2−ピリジルジスルフィド、メ
チル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロメルクソ安息香酸、2〜クロロメル
クリ−4−二トロフより ノール、またはクロロづ一ニトロベンゾー2−オキサ
ー1.3−ジアゾ一本 ルと反応させて誘導体化される。
ヒスチジル残基は、pH5,5〜7.0にてジエチルプロカルボネートと反応し
て誘導化される。というのは、この試薬は、ヒスチジル側鎖に対して比較的特異
的だからである。p−プロモフェナンルブロミドも有用であるが、その反応は、
pH6,0にて0.1Mのカコジル酸ナトリウム中で実施するのが好ましい。
リシニル残基とアミノ末端残基は、コハク酸などのカルボン酸の無水物と反応す
る。これらの試薬による誘導体化は、ソシニル残基の電荷を逆にする作用がある
。α−アミノ含有残基を誘導体化する他の適切な試薬には、メチルビコリンイミ
ダート、のごときイミドエステル類、ピリドキサールリン酸、ピリドキサール、
クロロボロノーイドライド、トリニトロベンゼンスルホン酸、0−メチルイソ尿
素:2.4ペンタンジオン、およびグリオキシレートとのトランスアミダーゼ触
媒反応がある。
アルギニル残基は、1つもしくはいくつかの通常の試薬、とりわけフェニルグリ
オキサール、2,3−ブタンジオン、l、2−シクロヘキサンジオン、およびニ
ンヒドリンとの反応で修飾される。アルギニン残基を誘導体化するには、そのグ
アニジノ官能基のpKa値が高いためにアルカリ条件で反応を行う必要がある。
さらにこれらの試薬は、す/ンの基およびアルギニンのε−アミノ基と反応する
。
チロシル残基自体の特異的な修飾は広く研究されているが、芳香族ジアゾニウム
化合物またはテトラニトロメタンとの反応によってチロノル残基にスペクトルラ
ベルを導入することに特別の関心が集まっている。N−アセチルイミダゾールと
テトラニトロメタンそれぞれを、0−アセチルチロシル種と3−二トロ誘導体を
生成させるのに使用するのが最も普通である。チロシル残基は、 ′I−もしく
は+311を用いてヨウ素化されて、ラジオイムノアッセイに用いる標識タンパ
ク質が生成されるが、上記のクロルアミンT法が適切である。
カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミル)は、1−シクロヘキシル−
3−(2−モルホリニル−(4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3
(4アゾニア4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドのようなカルボジイミ
ド類(R″−N−C−トR’)との反応が選択的に修飾される。さらにアスパル
チル残基とグルタミル残基は、アンモニウムイオン類との反応によって、アスパ
ラギニル残基とグルタミニル残基に変換される。
二価性試薬による誘導体化は、ホルモン受容体分子融合ポリペプチドを切断して
、切断されたポリペプチドを放出し回収する方法に使用するため、ホルモン受容
体分子を水不溶性支持体のマトリックもしくは表面に架橋するのに有用である。
通常用いられる架橋剤には、例えば1.1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェ
ニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル類、
例えば、4−アゾ−サリチル酸とのエステル、3.3”−ジチオビス(スクシン
イミジルプロピオネート)のようなスクシンイミジルエステル類を含むホモ二価
性イミドエステル類、およびビス−N−マレイミド−1,8−オクタンのような
二価性マレイミド類が含まれる。メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ
]プロビオイミダートのような誘導化試薬は、光の存在下で架橋を作ることがで
きる光活性化性中間体を生成する。あるいは、臭化ソアンで活性化される炭水化
物のような反応性の水に不溶のマトリックス、および米国特許第3.969.2
87号、同第3.691.016号、同第4.195.128号、同第4.24
7.642号、同第4,229、537号、および同第4.330.440号に
記載されている反応性基質が、タンパク質の同定化に用いられる。
グルタミニル残基とアスパラギニル残基は、脱アミド化されて、対応するグルタ
ミル残基とアスパルチル基とすることが多い。あるいは、これらの残基は弱酸性
条件下で脱アミドされる。いずれの形態のこれらの残基も本発明の範囲に含まれ
る。他の修飾としては、プロリンとリシンのヒドロ牛ンル化、セリルもしくはチ
オニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニンおよびヒスチジン
の側鎖のα−アミ7基のメチル化(T、E、 Creighton、 Prot
eins: 5tructure and Mo1ecule Propert
ies、 LL Freeman & Co、、米国サンフランシスコ、79〜
86頁、 1983年)、N末端アミンのアセチル化、およびいくつかの例での
C末端カルボキシル基のアミド化が含まれる。
またホルモン受容体分子のアミノ酸配列変異体はDNAの突然変異によって製造
することができる。このような変異には、例えば図1に示すアミノ酸配列内の残
基からの欠失、またはこの配列への挿入もしくは置換が含まれる。欠失、挿入お
よび置換の組合せは、最終構築物が所望の活性をもっている限り、最終構築物を
得るために実施してもよい。変異体をフードするDNA に行われる突然変異に
よって、変異配列を読み枠辺外の部位に置いてはならず、かつ2次のmRNA構
造を生成することがある相補領域を作らない方が好ましいことは明らかである(
ヨーロッパ特許願公開第75.444号参照)。
遺伝レベルで、これらの変異体は通常、ホルモン受容体分子をコードするDNA
のヌクレオチドに部位特異的突然変異を誘発させ、変異体をコードするDNA
を生成させ、次いでそのDNA を組換え細胞培養で発現させることによって製
造される。その変異体は、一般に、天然に生成する類似体と同じ性質の生物活性
を示す。
アミノ酸配列の変異を導入する部位は予め決めであるが、突然変異自体は予め決
める必要はない。例えば、所定の部位での突然変異の実施を最適化するために、
ランダム突然変異誘発を標的のコドンもしくは領域で実施し、次いで発現された
変異体を、所望の活性の最適の組合せについてスクリーニングする。公知の配列
を有するDNA内の予め決められた部位に置換による突然変異を行う方法は公知
の例えば部位特異的突然誘発法である。本発明によるホルモン受容体分子の変異
体の製造は、そのタンパク質の初期に製造された変異体もしくは非変異体をコー
ドするDNAの部位特異的突然変異誘発法で行うのが好ましい。部位特異的突然
変異誘発法によれば、所望の突然変異のDNA配列をコードする特定のオリゴヌ
クレオチド配列と充分な数の隣接するヌクレオチドを用いてホルモン受容体分子
の変異体を製造することができ、充分な大きさと配列の複雑性を有するプライマ
ー配列が提供され、欠失接合部の両側にわたって横断する安定な二本鎖体が形成
される。一般に長さが約20〜25ヌクレオチドのプライマーが好ましく、変え
られる配列の結合部の両側約5〜10の残基を持つ。一般に部位特異的突然変異
誘発法は当該技術分野では公知であり、例えばAdelman等、DNA、2巻
、183頁、 1983年のような刊行物がある。知られているように、部位特
異的突然変異誘発法は一般に、一本鎖形と二本鎖形の両方で存在するファージベ
クターを利用する。部位特異的突然変異誘発法に有用な代表的なベクターには、
例えば、Messing等、 Th1rd C1eveland Sympos
ium on Macromolecules and Recombinan
t DNA、編者A、 Walton、 Elsevier、 アムステルダム
、 1981年に発表されているM13ファージのようなベクターが含まれる。
これらのファージは、容易に購入することができ、その使用は当該分野の技術者
には周知のことである。あるいは、一本鎖ファージの複製開始点を含有するプラ
スミド(Veira等、 Meth、 Enzymol、、153巻、3頁、
1987年)を利用して一本鎖DNA を得ることができる。
一般に、本発明による部位特異的突然変異誘発法では、まず、関連のタンパク質
をコードするDNA配列を配列内に有する一本鎖ベクターを得る。所望の変異配
列を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、一般に合成法で、例えばCrea
等、 Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 (USA)、75巻、
5765頁、 1978年の方法で製造される。次にこのプライマーを、一本
鎖タンパク質配列を含有するベクターとともにアニーリングに付し、イー・コリ
(大腸菌)ポリメラーゼ■クレノー断片のようなりNA重合(ポリメライジング
)酵素に暴露して、突然変異を有する鎖の合成反応を完成する。したがって突然
変異がなされた配列と第2の鎖は所望の突然変異部をもっている。次にこのヘテ
ロ二本鎖ベクターを用いてJM 101細胞のような適当な細胞を形質転換し、
突然変異がなされた配列の配置をもつ組換えベクターを含有するクローンを選択
する。
このようなりローンを選択した後、突然変異がなされたタンパク質領域を取出し
、タンパク質産生用の適切なベクター内に、一般に、適当な宿主の形質転換に用
いることができる種類の発現ベクター内に配置する。
アミノ酸配列の欠失は一般に約1〜30の残基でより好ましくは1〜10の残基
であり、一般に隣接している。
アミノ酸配列の挿入には、1つの残基ないし特に制限なしの長さのポリペプチド
のアミノ末端および/またはカルボキシル末端への融合と、単一もしくは多数の
アミノ酸残基の配列内挿入がある。配列内挿入(すなわち、完全なホルモン受容
体配列内への挿入)は一般に約1〜lOの残基の範囲であり、より好ましくは1
〜5の残基である。末端挿入の例には、宿主細胞と相同か非相同かにかかわらず
、ホルモン受容体分子のN末端にシグナル配列を融合することが含まれ、この融
合によって、組換え宿主からの成熟ホルモン受容体分子の分泌が容易になる。
第3グループの変異体は、ホルモン受容体分子内の少なくとも1つのアミノ酸残
基、好ましくは1つだけのアミノ酸残基が除かれ、異なる残基がその場所に挿入
された変異体である。このような置換は、ホルモン受容体分子の特性をうまく調
節したい場合、下記の表1にしたがって行うのが好ましい。
表1
元の残基 代表的な置換基
A la gly;set
Arg 1ys
Asn gln;his
Asp glu
G Iy ala;pr。
)(i5 asn;gin
l 1e leu;val
Leu ile;val
L ys arg;gin:glu
Met leu;tyr;1le
Phe met;leu;tyr
Tyr trp、phe
V al i le;leu
機能もしくは免疫学的特性の実質的変更は、表1の基よりも保存性が低い置換基
を選択することによりなされるが、すなわち、(a)例えばシート状もしくはら
せん状形態の、置換領域におけるポリペプチド骨格の構造、(b)標的部位にお
ける分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖のバルクを維持する作用にお
いてより有意に異なる残基を選ぶことによって行われる。この置換は一般に次の
置換と考えられる。すなわち、(a)グリシンおよび/またはプロリンが他のア
ミノ酸によって置換されるかまたは欠失されるかまたは挿入され、(b)親水性
残基の例えばセリルもしくはトレオニルが、疎水性残L 例えばロイシル、イソ
ロイシル、フェニルアラニル、バリルまたはアラニルの代わりに用いられるかも
しくはこの疎水性残基で置換され; (c) /スティン残基が、他の残基の代
わりに用いられるかもしくは他の残基で置換され;(d)電気的陽性の側鎖を有
する残基、例えばゾシル、アルギニルもしくはヒスチジルが、電気的陰性の電荷
を有する残基の例えばグルタミルもしくはアスパルチルの代わりに用いられるか
または上記の電気的陰性の電荷を育する残基で置換され;または(e)かさ高い
側鎖を有する残基、例えばフェニルアラニンが、このような側鎖をもっていない
残基例えばグリシンの代わりに用いられるかまたは後者の基で置換される、置換
である。
はとんどの欠失、挿入および特に置換によって分子の特性が急激に変化するとは
考えられない。しかし、置換、欠失または挿入を行う前にその正確な作用を予測
することか困難な場合、当該技術分野の技術者は、その作用が日常のスクリーニ
ング検定法で評価されることを知っているであろう。例えば、変異体は、一般に
、未変性のホルモン受容体分子をコードする核酸に部位特異的突然変異を起こさ
せ、得られた変異体の核酸を組換え細胞培養で発現させ、次いで、例えば、ポリ
クローナル抗ホルモン受容体分子カラムに免疫アフィニティ吸着させて(変異体
を少なくとも1つの残留免疫エピトープに結合させて吸着させるため)、細胞培
養物から任意に精製することによって製造される。
次に細胞溶解物または精製されたホルモン受容体分子変異体の活性を、所望の特
性についての適切なスクリーニング検定法でスクリーニングする。例えばホルモ
ン受容体分子の免疫学的特性の変化、例えば所定の抗体に対する親和性の変化は
、競合形の免疫検定法で測定される。免疫調節活性の変化は適当な検定法で測定
される。酸化還元に対する安定性もしくは熱安定性、疎水性、タンパク質分解反
応に対する感受性、または担体によって凝集したりもしくは多量体になる傾同の
ごとき、タンパク質の特性の修飾は、当該技術分野の熟練者にとって公知の方法
で検定される。
■、ホルモン受容体分子の発現
LH,CG、FSHまたはTSHに対するホルモン受容体分子をコードするDN
A もしくはcDNA分子は作動可能(機能的)に発現ベクターに連結され、次
に宿主細胞に導入され、該細胞によって受容体分子を発現させることができる。
2つのDNA配列(例えばプロモーター領域の配列および所望の受容体分子をコ
ードする配列)は、これらの配列の連結部の性質が、(1)フレームシフト変異
を導入していないか、(2)所望の受容体分子をコードする遺伝子配列の転写を
指令するブローモーター領域の配列の性能を妨害しないか、または(3)プロモ
ーター領域の配列で転写されるべき所望の受容体分子の遺伝子配列の性能を妨害
しないならば、作動可能に連結されているといえる。
ホルモン受容体分子をコードするDNA配列は、連結するための平滑末端化もし
くはスタガー末端化、受容体分子に適切な末端を与える制限消化、適切な付着末
端の充填、望ましくない連結を避けるためのアルカリホスファターゼによる処理
、および適切なりガーゼによる連結(リゲーション)を含む通常の方法にしたが
って、ベクターDNA によって組換えることができる。
本発明には、原核細胞もしくは真核細胞内での所望の受容体分子の発現が含まれ
る。好ましい真核宿主としては、生体内もしくは組織培養での酵母 [特にサツ
カロミセス(Saccharomyces) FEのもの]、真m[特にアスペ
ルギルスCAspergi 11115)属のものF 、Ili乳類の細胞(例
えばヒトもしくは霊長類の細胞)が挙げられる。
酵母と哺乳類の細胞は本発明の好ましい宿主である。このような宿主を使うと、
グリコジル化を含む翻訳後のペプチドの修飾を実施できるという大きな利点があ
る。これらの宿主で所望のタンパク質を産生させるのに利用できる強力なプロモ
ーター配列と高コピー数のプラスミドを利用する多数の組換えDNA法がある。
酵母は、クローン化された哺乳類遺伝子の生成物上のリーダー配列を認識して、
リーダー配列を有するペプチド(すなわちプレペプチド)を分泌する。哺乳類の
細胞は、正しい部位における正しい折りたたみもしくはグリコリル化を含む、タ
ンパク質分子に対する翻訳後の修飾を行う。
宿主として有用な哺乳類の細胞には、VEROもしくはCHO−Klおよびその
誘導体のような繊維芽細胞起源の細胞が含まれる。哺乳類の宿主用には所望の受
容体分子を発現させるためのいくつもの可能性のあるベクター系を人手できる。
広範囲の転写調節配列と翻訳調節配列が、宿主の種類に応じて採用される。転写
調節シグナルと翻訳調節シグナルは、ウィルス源、例えばアデノウィルス、ウシ
乳頭腫ウィルス、7ミアンウイルスなどから誘導され、この場合には、調節シグ
ナルが、高レベルの発現性を有する特定の遺伝子に連結されている。あるいはア
クチン、コラーゲン、ミオシンなどのような哺乳類の発現産物からのプロモータ
ーが利用される。抑制もしくは活性化を行う転写開始調節シグナルを選択して遺
伝子の発現を調節することができる。温度感受性であるために温度を変えるこ七
によって発現を抑制もしくは開始できる調節シグナル、または化学的調節を受け
易い調節シグナル、例えば代謝生成物は重要である。
所望の受容体分子を真核宿主に発現させるには、真核調節領域を使用する必要が
ある。このような領域は一般に、RNAの合成の開始を指令するのに充分なプロ
モーター領域を含有している。好ましい真核プロモーターは、マウスメタロチオ
ネイン遺伝子(Rawer、 D、等。
J、 Mo1. Appl、 Gen、、 1巻、 273〜28g頁、 19
82年);ヘルペスウィルスのTKプロモータ(McKnight、 S、、
Ce1l、 31巻、 355〜365頁。
1982年); SV40初期プロモーター(Benoist、 C,等、 N
ature (Lond。
n)、 290巻、 304〜310頁、 191111年); 酵母ga14
遺伝子プロモーター (Johnston、 S、A、等、 Proc、 Na
tl、 Acad、 Sci、 (USA)、 79巻、6971〜6975頁
、1982年; 5ilver、 P、A、等、 Proc、 Natl、 A
cad、 Sci、([l5A)、 81巻、 5951〜5955頁、 19
84年)を含有している。
をコードするコドンで開始される。このため、真核プロモーターと、所望の受容
体分子をコードするDNA配列との連結部分は、メチオニンをコードできる介在
コドン(すなわちAUG)を含有していないことが保証されていることが好まし
い。このようなコドンが存在すると、融合タンパク質が生成したり(AUGコド
ンが、所望の受容体分子をコードするDNA配列と同じ読み枠内にある場合)、
またはフレームシフト変異を起こしたりする(^UGコドンが、所望の受容体分
子をフードする配列と同じ読み枠内にない場合)。
ホルモン受容体分子の発現は、原核細胞でも実施することができる。好ましい原
核宿主には、イー・コリ(E、 coli) 、バシラス(堕コリである。特に
重要な細菌宿主には、イー・フリに12菌株294 (ATCC31446)、
イー・コリX1776 (ATCC31537)、イー−)り買3110 (F
−9λ〜および原栄養性(ATCC27325))および他の腸内細胞[例えば
サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimuriu+
++)またはセラチア・マルセyセンス(Serratia marcesce
ns) 、ならびに各種のシュードモナス属の種が含まれる。原核宿主は、発現
プラスミド中のレプリコンと制御配列と適合しなければならない。
所望の受容体分子を原核細胞[例えばイー・コリ、ビー・サチリス(B、 5u
btillis)、シュードモナス属、ストレプトマイセス属などコ中で発現さ
せるには、所望の受容体分子をフードする配列を機能性原核プロモーターに作動
可能に連結する必要がある。このようなプロモーターは、構成プロモーターであ
ってもよく、より好ましくは調節可能なプロモーター(すなわち誘発可能もしく
は抑制解除可能なプロモーター)である。構成プロモーターの例には、バクテリ
オファージλのintプロモーター、およびpBR322のβ−ラクタマーゼ遺
伝子のbaaプロモーターなどが含まれる。誘発可能な原核プロモーターの例に
は、バクテリオファージλの大きな左と右のプロモーター(PLとPR)、イー
・コリのtrp、 recA、1acZ、1acl、 galおよびtacのプ
ロモーター、α−アミラーゼ(Ulmanen、1.等、 J、 Bacter
iol、、162巻、176〜182頁、1985年)、ビー・サチリスのσ−
28−特異的プロモーター(G i Iman、 M、 Z、等、 Gene、
32巻、11〜20.1984年) 、バシラス属のバクテリロファージのプ
ロモーター(Gryczan。
T、 J、、 The Mo1ecular Biology of the
Bacilli、 Academic PressInc、 + 米国ニューヨ
ーク、1982年)、およびストレプトマイセス属のプロモーター(Ward、
J、M、等、 Ii!o1. Gen、 Genet、 203.468〜4
78頁、 1986頁)が含まれる。原核プロモーターについては次のような総
説がある。すなわち、G11ck、 B、R,、J、lnd、 Microbi
ol、 1巻、 277〜2g2頁、 1987年; Cenatiempo、
Y、、 Biochimie、 68巻。
505〜516頁、 1986年:およびGottesman、 S、、 An
n、 Rev、 Genet、。
18巻、415〜442頁、1984年である。
原核細胞内で適切な発現を行うには、遺伝子をコードする配列の上流にリポソー
ム結合部位が存在する必要がある。このようなリポソーム結合部位は、例えばG
old L、等、 Ann、 Rev、 Microbiol、、 35巻、3
65〜404頁、1981年に報告されている。
所望の受容体分子をコードする配列と作動可能に連結されたプロモーターは、非
複製性のDNA(もしくはRNA)分子として(これらは線状分子であってもよ
くまたはより好ましくは閉じた共有結合の円形分子である)宿主の原核細胞もし
くは真核細胞に導入できる。
このような分子は自己複製を行えないので、所望の受容体分子の発現を、導入さ
れた配列の一過性の発現によって起こしてもよい。あるいは、永久発現を、導入
された配列を宿主の染色体に取込ませることによって起こしてもよい。
1つの態様では、所望の遺伝子配列を宿主細胞の染色体に組込むことができるベ
クターが用いられる。導入されたDNAをその染色体に安定に組込まれた細胞は
、発現ベクターを含有する宿主細胞を選択できる1つ以上のマーカーを導入する
ことによって選択することができる。マーカーは、宿主の栄養素要求性(共通の
酵母栄養素要求性マーカーである1eu2もしくはura3のような)、殺生物
剤、例えば抗生物質、または銅などの重金属に対する抵抗性を補足する。
選択可能なマーカー遺伝子は、発現すべきDNA遺伝子配列に直接連結するか、
または同時トランスフェクションによって同じ細胞に導入するとよい。
好ましい態様では、導入された配列は、受容宿主中で自己複製ができるプラスミ
ドもしくはウィルスのベクターに組込まれる。広範囲のベクターのいずれかがこ
の目的に使用できる。特定のプラスミドもしくはウィルスのベクターを選択する
際に重要な因子としては次のものが挙げられる。すなわち、そのベクターを含有
している受領細胞が、そのベクターを含有していない受領細胞から識別されて選
択される容易さ、特定の宿主に望まれるベクターのコピー数;およびそのベクタ
ーが異なる種の宿主細胞間をシャトルすることが望ましいか否かである。
一連の酵母遺伝子発現系を利用することができる。このような発現ベクターの例
には、酵母(2μm円形)、発現プラスミドのYEP13、YCPおよびYRP
など、またはその誘導体が含まれる。このようなプラスミドは当該技術分野では
公知である(Botstein、 D、等、 Miamifntr、 Symp
、、 19巻、 265〜274頁、 1982年; Broach、 J、R
,、、TheMolecular Biology or the Yeast
Saccharomyces: Life Cycle andInheri
tance、 Co1d Spring Harbor Laboratory
、米国、ニューヨーク州、コールドスプリングハーバ−、445〜470頁、
1981年、Broach、 J、R,、Ce11.、28巻、 203〜20
4頁、 1982年)。
哺乳類の宿主については、発現用に可能性があるベクター系を人手できる。第1
のクラスのベクターは、ウシパピローマウィルス、ポリオーマウィルス、アデノ
ウィルスもしくはSV40ウィルスのような動物ウィルス由来の自己複製する染
色体外プラスミドを与えるDNA要素を利用するものである。第2のクラスのベ
クターは、所望の遺伝子配列の宿主染色体への組込みに依存している。導入され
たDNAを染色体に安定に組込んだ細胞は、発現ベクターを含有する宿主細胞を
選択できる1つ以上のマーカーを導入することによって選択される。そのマーカ
ーは、栄養素要求性宿主のプロトトロビイ性、殺生物剤耐性、例えば抗生物質、
または銅などの重金属への耐性を提供する。選択可能なマーカー遺伝子は、発現
すべきDNA配列に直接連結するか、または同時形質転換によって同じ細胞に導
入することができる。またmRNAの最適の合成を行うには追加の要素が必要で
ある。これらの要素には、転写プロモーター、エンハンサ−および終止/グナル
のみならずスプライスシグナルが含まれる。
このような要素を組込むcDNA発現ベクターには、0kayataa、 H,
。
Mo1. Ce11.、 Biol、、 3巻、280頁、1983年などに記
載されているベクターが含まれる。
好ましい原核ベクターは、例えば、pBR322、Co1El、psclol、
pACYCtg4、rrVXのようなイー・コリ中で複製できるプラスミドのご
ときプラスミドである。このようなプラスミドは、例えば、Maniatis、
T、等(Molecular Cloning、^Laboratory j
far+ual、 Co1d Spring Harbor Press、米国
、ニューヨーク州、コールドスプリングハーバ−、1982年)に発表されてい
る。バシラス属細菌のプラスミドには、pc194 、pc221 、pT12
7などがある。このようなプラスミドは、Gryczan、 T、、 The
Mo1ecular Biology of the Bacilli、 Ac
adesic Press、米国ニューヨーク、 307〜329頁、1982
年に開示されている。適切なストレプトマイセス属の細菌のプラスミドには、p
lJIOI (Kendall、 K、J、等、 J、 Bacteriol、
、169巻、 4177〜4183頁。
1987年)、およびfc31のようなストレプトマイセス属の細菌のバクテリ
オファージ(Chater、 K、F、等、 5ixth Internati
onal Sympogiu# 0+1 ActrnomycetaIes B
iology、 Akademiai Kaido、ハンガリー、ブタベスト、
45〜54頁、1986年)が含まれる。シュードモナス属のプラスミドは、J
ohn、 J、 F等、 Rev、Infect、 Dis、 8巻、 693
〜704頁、 1986年と、Izaki+ K、、 Jpn、 J、 Bac
teriol、、 33巻、 729〜742頁、 197g年の総説がある。
構築物を含有するベクターもしくはDNA配列が発現用に製造されると、そのD
NA構造物は適切な宿主中に導入される。例えば原形質体融合法、リン酸カルシ
ウムによる沈澱法、電気穿孔法、またはその他の通常の方法のような各種の方法
が利用される。融合した後、細胞を培地内で増殖させ、適当な活性についてスク
リーニングする。配列が発現されると、ホルモン受容体分子が産生される。
本発明のホルモン受容体分子は、通常の方法、例えば、抽出法、沈澱法、クロマ
トグラフィ、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動法などにしたがって
上記の組換え分子から単離して精製することができる。
■1本発明の分子類
本発明は、黄体形成ホルモン、コリオゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモンおよび
甲状腺刺激ホルモンの受容体に関する。本願で用いる“ホルモン受容体”という
用語には、膜結合受容体分子のみならず、可溶性の(すなわち膜結合性ではない
)全受容体分子(すなわち、ホルモン受容体の完全なアミノ酸配列をもっている
)も含まれる。“ホルモン受容体”という用語には、さらに、このような分子の
機能性誘導体が含まれる。また“ホルモン受容体”という用語には、さらに前記
分子のグルコシル化形と非グリコジル化形の両方が含まれる。
本願で用いられる、分子の“機能性誘導体”という用語はその分子の生物活性と
実質的に同じ生物活性を(機能性もしくは構造性の)もっている化合物を意味す
る。“機能性誘導体”という用語には、分子の、“断片”、”変異体”、“類似
体”または“化学的誘導体”が含まれる。“断片”という用語は、分子のポリペ
プチドのサブセットを意味する。LHSCGSFSHもしくはTSHをそれぞれ
特異的に捕捉することができるLH,CG、FSGもしくはTSHの受容体の断
片は、本発明にとって特に重要である。“変異体“という用語は、構造と機能が
、全分子もしくはその断片と実質的に同じ分子を意味する。2つの分子が実質的
に同じ構造をもっている場合、または2つの分子が同じ生物活性をもっている場
合、一方の分子は他方の分子に対して“実質的に同じ7といわれる。したがって
、2つの分子が同じ活性をもっているならば、一方の分子の構造が他方の分子に
見られなくてももしくはアミノ酸残基の配列が同一でなくても、その用語は本願
で用いられるように、両者の分子は変異体と考えられる。“類似体”という用語
は、機能が、全分子もしくはその断片と実質的に同じ分子を意味する。本願では
、ある分子が通常もっている部分でははない別の化学的部分をもっている場合は
、もとの分子の“化学的誘導体”といわれる。このような化学的部分は、分子の
溶解性、吸収性、生物学的半減期などを改良する。
あるいはこのような部分は、分子の毒性を減らし、分子の望ましくない副作用な
どを除くかまたは軽減する。上記の作用を仲介できる部分はRemington
’s Pharmaceutical 5ciences (1980年)に開
示されている。“毒素誘導体化(toxinderivat 1zed)”分子
は特定のクラスの“化学誘導体”を構成している。“毒素誘導体化”分子は、毒
素部分を含有する分子である。このような分子を細胞に結合すると、毒素部分が
細胞にきわめて接近するので、細胞の死亡が促進される。
適切な毒素部分を利用することができるが、例えばりシン毒素、ジフテリア毒素
、放射性同位体の毒素、メンブラン−チャネル形成毒素などのような毒素を使う
のが好ましい。このような部分を分子に結合する方法は、当該技術分野では、公
知である。
さらに本発明は、受容体分子に結合するホルモンの作用物質(アゴニスト)と拮
抗物質(アンタゴニスト)、およびこのような作用物質と拮抗物質の機能性誘導
体に関する。本発明の作用物質と拮抗物質は、ペプチド類、タンパク質類であり
、または非タンパク質性有機分子である。上記の分子はすべて本発明の分子に含
まれる。
本願で用いる“ホルモン作用物質”という用語は、ホルモン受容体と結合するこ
とができる非免疫グロブリン分子を意味し、この作用物質がホルモン受容体に結
合すると、(1)受容体に結合して生理学的に有意な(すなわち検出可能な)作
用を仲介する他の分子の能力を模して作用するか、または(2)受容体に結合し
生理学的に有意な作用を仲介する他の分子の能力を増大する。ホルモン作用物質
の例は、黄体形成ホルモンの活性を示す有機分子またはLH以外のタンパク質で
ある。
本願で用いる“ホルモン拮抗物質”という用語は、ホルモン受容体と結合できる
非免疫グロブリン分子を意味し、この拮抗物質がホルモン受容体と結合すると、
受容体と結合して生理学的に有意な(すなわち検出可能な)作用を仲介する他の
分子の性能を阻害もしくは弱める。
■1本発明の分子の用途
A、 ホルモンの精製
本発明の分子は、各種の生化学、診断および治療の目的に用いることができる。
本発明の精製受容体分子の1つの大きな用途は、ホルモンの製造と精製における
用途である。本発明の受容体分子にはホルモンと結合する能力があるので、ホル
モンの親和性精製法に利用することができる。
したがって、例えばLH/CG受容体は、LHもしくはCGの精製を促進するの
に使用できる。これらのホルモンは、排卵の誘発、不妊症の治療などに利用でき
る。甲状腺刺激ホルモン受容体(TSH受容体″)はTSHの精製に使うことが
できる。TSHは甲状腺機能不全症の治療、または(毒素誘導体化された場合)
甲状腺癌の治療に用いることができる。卵胞刺激ホルモン受容体は、同様に、不
妊症の治療などに用いるFSHの精製に利用できる。さらに、GPホルモン類は
グリコジル化に基づいた各種の活性を示すことが分かってきたので、これらのホ
ルモンの受容体は、最も高い生物活性の形態のGPホルモンを選択するのに使う
ことができる。
B、 抗受容体抗体
本発明のホルモン受容体分子は、抗ホルモン受容体抗体の生成を誘発するのに利
用できる。このような抗体は、ポリクローナルもしくはモノクローナル抗体、ま
たはこのような抗体の抗原が結合する断片(例えばF(AB)断片もしくはF(
AB)、断片)である。本発明で特に重要なのは、ホルモン受容体分子の細胞外
ドメインに結合する抗体(および抗体の抗原結合性断片)である。最も好ましい
抗ホルモン受容体抗体(およびその抗原結合性断片)は、そのホルモンがそのホ
ルモン受容体と結合するのを防止するかもしくは阻害することができる抗体であ
る。
適切なポリクローナル抗体は、受容体分子の免疫原性量で(好ましくはフロイン
ドアジュバントのようなアジュノマントとともに)、動物もしくはヒトを免疫化
することによって得ることができる。このような免疫化の代わりに、天然に抗受
容体抗体を産生ずる患者(例えば抗TSH受容体抗体を産生ずるグレーグズ病の
患者)を同定するために、患者をスクリーニングしてもよい。
あるいは、モノクローナル抗体は、例えば、肺臓細胞を特定の受容体で免疫化し
、次いで免疫化した細胞をメロノー7細胞と融合させて(Kohler等、 N
ature、 256巻、495頁、 1975年; Kohler等、 Eu
r、J、Immunol、 6巻、 511 a、1976年; Kohler
等、 Eur、J、1mmun。
l 6巻、292頁、 1976年; Hammerling等、 Monoc
lonal Antibodiesand T−Cell Hybridoma
s、 Elsevier、米国ニューヨーク、 563〜681頁、 1981
年)、抗受容体モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を得ることが
できる。
本発明にとって特に重要なのは、人体内で産生される抗体か、または人体内では
抗原性ではないかもしくは受領者の循環血清中に長期間保持されるように、組換
え技術などの方法で“人体に適合させた(humanized)″(すなわち人
体内では非免疫原性である)抗体である。
人体に適合させた抗体は、例えば抗体の免疫原性部分を、対応する非免疫原性部
分 で置換することによって作ることができる(すなわちキメラ抗体)(Rob
inson、 R,R,等2国際特許願公開PCT/US86102269号:
Akira、 K、等、ヨーロッパ特許願第184.187号: Tanig
uchi、 M、 :3−C1,、/パ特許願第171.496号; Mori
sson S、L、等、ヨーロッパ特許願第173.494号; Neuber
ger、 M、S、等、 PCT特許願公開第WO36101533号; Ca
billySo等、:! −Oツバ特許願第125.023号;Better、
M、等、 5cIence、 240巻、 1041〜1043頁、 198
8年; Liu、 A、Y。
等、 Proc、 l1at1. Acad、 Sci、 USA、 84巻、
3439〜3443頁、 191117年:Liu、 A、 Y、等、 J、
Immunol、、 139巻、 3521〜3526頁、 1987年; S
un。
L、 K、等、 Proc、 Natl、 Acad、 Sci、USA、 8
4巻、 214〜21g頁、1987年; NishN15hi、 Y、等、
Cane、 Res、 47巻、 999〜1005頁、 1987年; To
ad、 C,R,等、 Nature、 314巻、 446〜449頁、 1
985年: Sham等、 J、 Natl、 Cancer In5t、、
80巻、 1553〜155!]頁、 1989年)。1人体に適合させた”キ
メラ抗体の総説は、Morrison、 S、L、、 5cinenC8,22
9巻、 1202〜1207頁、 19115年とOi、 V、T、等、 Bi
o Techniques。
4巻、214頁、 1986年に記載されている。
適切な“人体に適合させた”抗体は、あるいは、CDRもしくはCEA置換法(
Jones、 P、 T、等、 Nature、 321巻、 552〜525
頁。
1986年; Verhoeyan等、 5cience、 239巻、 15
34頁、 1988年: Be1dler、 C,B、等、 J、l++mun
o1.、 141巻、 4053〜4060頁、1988年)、または米国特許
第4.816.397号および同第4.816.567号に開示されている方法
で製造することができる。
C1診断の用途
本発明の受容体分子は、ホルモン精製における用途に加えて、ホルモン活性の検
定の基準として用いられる。重要なことには、このような検定は生理学的に有意
な結合反応[すなわ、ち、ホルモンがその受容体と結合し検出可能な変化(例え
ばリン酸化、開裂、化学的修飾など)を受ける]を測定するので、免疫検定法(
イムノアッセイ)(ホルモンの抗ホルモン抗体との生理学的に無意味な結合を検
出する)免疫検定法により、感度が高くより正確なようである。さらに、LH/
CG 5FSHおよびTSHの受容体分子は、それぞれのホルモンを、他のホル
モンから、抗体(構造が類似している分子と交差反応する)より大きい特異性で
識別することができる。
本発明の受容体分子は、抗体より感受性が高く、より正確であるが、抗体を使用
するのと同じ方法で試料中のホルモンの濃度を検定するのに使用することができ
る。
また、本発明の抗受容体抗体は、患者のホルモン受容体の発現と機能を測定する
ような診断の目的に使用できる。また抗受容体抗体は、組織の特性を決定したり
、または転移した受容体発現細胞の存在と部位を明らかにするための映像化に利
用できる。
診断の目的には、受容体と抗受容体抗体を免疫検定法にしたがって使用できる。
免疫検定法の例は、Radioimiune As5ay 1lethod:
KirkhamおよびHunter編、 E、 & S、英国、ニブインバラ、
リビングストン、1970年の199〜206頁にWide等が記載している。
したがって第1の態様では、受容体分子に検出可能に標識をつけて、試料ととも
にインキユベートし、次いで試料と結合した受容体分子の量を確認することがで
きる。第2の態様では、受容体またはホルモンに対する抗体を、“偽サンドイッ
チ免疫検定法”を実施することに利用する。このような検定法(“正”検定法)
ではホルモンを含有している疑いのある試料を、固定化抗ホルモン抗体の存在下
でインキュベートする。可溶化され、検出可能に標識をつけたホルモン受容体分
子をその反応混合物に添加し、結合した受容体の量を測定することによって、ホ
ルモンの量が決定される。
通常の技術者にとっては明らかなことであるが、別の各種の方法を考案すること
ができる。この検定法は、ホルモンが存在するが否か(妊娠を決定するためのd
aの検定のように)を決定する単純なイエス/ノーの検定法になるし、または標
識をつけた分子の測定値を、既知量のホルモンを含有する標準試料について得ら
れた測定値と比較して、定量試験を行うことができる。
本発明の抗原に対して、有用である他の種類の検定法において、“同時”検定法
と“逆”検定法が用いられる。同時検定法は、固体支持体に結合させた抗体(も
しくは受容体)と標識をつけた受容体(もしくは抗体)とをともに、同時に、試
験される試料に添加させるので1回のインキュベーション工程で行われる。イン
キュベーションが完了した後、固体支持体を洗浄して液体試料の残渣と複合体を
形成しなかった標識抗体を除去する。次に固体支持体と結合した標識分子の存在
を、そのまま通常のサンドイッチ検定法で測定する。
“逆検定法”では、第一に標識分子(受容体もしくは抗体)の溶液を液体試料に
添加し、次に適切なインキュベション期間が経過した後、固体支持体に結合させ
た非標識分子(抗体もしくは受容体)を添加する。第2インキユベーシヨンの後
、固相を通常の方法で洗浄し、被検試料の残渣と未反応標識抗体の溶液を除去す
る。次に固体支持体と結合した標識抗体の測定を、同時検定法と正検定法で行っ
たようにして行う。
上記のように、本発明のホルモン検定法では、少なくとも1つの分子が“リポー
タ−分子”で標識されていることが必要である。本発明で用いることができる標
識の種類の例には、限定はないが、酵素標識、放射同位元素の標識、非放射性同
位元素の標識、蛍光標識、毒素標識、および化学発光標識がある。
適切な酵素標識の例には、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ状球菌ヌクレアー
ゼ、δ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、α−
グリセロールリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ペルオ
キシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダ
ーゼ、β−ガラクトンダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グ
ルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、アセチルコリンエ
ステラーゼなどが含まれる。
適切な放射性同位元素の標識の例としては、” H、l l l In、125
11311 、3!p 、 35S、 14c 、 SIC,!770、S a
Co、58pe、 ?SSe。
1sffEu、・’ y s ” ’ c u s ” ” CI % 意11
At、 4?3C,寡o*pdなどがある。
適切な非放射性同位元素の標識の例には、+57(H4,115Mn、l1lD
y、”Trs ”Feなどがある。
適切な蛍光標識の例としては、 Is!Eu標識、フルオレセイン標識、インチ
オシアナート標識、ローダミン標識、フイコエリトリン標識、フィコシアニンm
Lアロフィコシアニン標識、0−フタルアルデヒド標識、フルオレサミン標識な
どがある。
適切な毒素ラベルの例としては、ジフテリア毒素、リジン、コレラ毒素がある。
化学発光標識の例には、ルミナール標識、イソルミナール標識、芳香族アクリジ
ニウムエステル標識、イミダゾールラベル、アクリジニウム塩ラベル、シュウ酸
エステル標識、ルシフヱリン標識、ルシフェリナーゼ標識、エクオリン標識など
がある。
当業者は、本発明に用いることができるその他の標識をよく知っているであろう
。これらの標識の抗体もしくはその断片への結合は、当業者が普通知っている標
準の方法を用いて実施することができる。
代表的な方法は、Kennedy、 J、 H,等、 C11n、 Chin、
Acta、 70巻、1〜31頁、 1976年、および5churs、 A
、H,W、M、等、 C11n、 Chis、 Acta。
81巻、1〜40頁、 1977年に記載されている。後者の文献に記載されて
いる連結方法は、グルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸法、シマレイミド法、m−
マレイミドベンジル−N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル法である。
本発明を実施する際には、酵素標識が好ましい態様である。単一の酵素が、考え
られるすべての検定法の標識として使用するのに理想的なわけではない。したが
って、どの酵素が特定の検定法系に適しているかを決定しなければならない。酵
素を選択するのに重要な基準は、純品の酵素の代謝回転数(単位時間当り、酵素
部位に対して生成物に変換される基質分子の数)、酸素製剤の純度、その生成物
を検出する感度、酵素反応検出の容易さと速度、試験液中に妨害因子もしくは酵
素様活性がないこと、酵素およびその接合体の安定性、酵素およびその接合体の
入手可能性と費用などである。本発明の免疫検定法で好ましい標識として用いら
れる酵素には、ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダ
ーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ、グリコアミダーゼ、リンゴ酸デヒ
ロゲナーゼおよびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼが含まれる。とりわ
けウレアーゼが一層好ましい酵素標識である。その理由は、特にウレアーゼがそ
の活性を肉眼に対して容易に目視可能にするクロモゲンpH指示薬だからである
。
ホルモン受容体分子(またはその断片)をコードする核酸分子は、患者の細胞中
でのホルモン受容体の発現の程度と速度を決定するのに用いることができる。こ
のような検定を実施するには、患者の細胞の試料を1nsitu(系中)雑種形
成法か、または他の適切な方法によって処理し、次に分析して、試料が、核酸分
子と雑種を形成することができるmRNA分子を含有しているか否かを決定する
。
D、 治療用途
1、LH/CG/FSH受容体の用途
a、受精能力の治療
黄体形成ホルモン、コリオゴナドトロピンと卵胞刺激ホルモンはヒトと動物の受
精能力に関与している。本発明の受容体は、これらのホルモンに結合できるので
、これらのホルモンが、標的細胞の表面に存在する受容体と結合する可能性を低
下させる。
したがって、本発明のFSHとLH/CG受容体の分子は、女性の卵母細胞の発
生、排卵もしくは妊娠を防止する避妊薬として用いることができる。FSHとL
Hは精子を形成するのに必要であるから、LHとFSHの受容体を男性に投与す
ると不妊になる。したかって本発明のLHとFSHの受容体は、男性と女性のど
ちら(こも、妊娠を防止するのに使用することができる。重要なのは、これらの
薬剤の避妊作用は、可逆的なことである(すなわち治療を中止すれば、患者は生
殖能力のある状態に戻る)。またこれら受容体lよ、女性の排卵を刺激すること
ができる作用物質を同定するの↓こ利用できる。
全受容体分子は避妊薬として利用できるが、受容体分子の細胞外ドメインを含有
する全受容体分子の可溶性断片を用(するの力く好ましい。以下で考察するよう
に、受容体分子の生物学的半減期を増大させるために、前記の断片を非タン/く
り質分解性ポリマーζこ結合させることが好ましい。
避妊は、LH/CGの受容体またはFSHの受容体を、男性と女性の受用者に与
えることによって達成できるが、これらの受容体分子(またはその誘導体)の両
方を受用者に与えることによって増大した避妊効力を得ることができる。同様に
、このような分子のいずれか(また両者)をエストロゲン、プロゲステロンまた
はその他のステロイドホルモンと組合わせて与えることによって避妊効力を増大
させることができる。また、避妊作用をもっているインヒビンのような他のタン
パク質ホルモンを受用者に与えることによって避妊効力を強化することができる
。
受容体分子をコードする組換え分子を利用することによって、ホルモンをよりし
っかりと捕捉するか、または生物活性もしくは半減期を増大された変異体(突然
変異誘発法などの方法による)を単離することができる。同様にこのような分子
は、FSHとLH/CGの両者を捕捉することができるハイブリ・ノド受容体分
子を構築するのに使用することができる。
本発明の避妊薬は、以下に詳細に述べるが、受用者には各種の仕方で与えること
ができる。これらの薬剤は、結合形もしくは非結合形(すなわち可溶性)のいず
れでも与えることができる。
LH/CG とFS)I の受容体の上記の避妊性能に加えて、これら受容体は
、その容量によって、不妊状態を延長させて、患者内で免疫原として作用するこ
とかできる。したがってこれらホルモン受容体分子は、免疫原性の形態で患者に
与えることができ、その結果、患者に、受容体分子に対する抗体を産生させる。
患者の血清中にこのような抗体が存在すると、患者を不妊にする。天然のタンパ
ク質の免疫原性を増大させる各種の方法が開発されており、このような抗体を製
造するために利用することができる(N、 Rosetmblit等、Endo
crinology % 123巻、2284頁、1988年; Coppin
g、 S、等、J、 Endocrinol9.104巻、78頁、1985年
; Pa1a、 A、等、J、 Cl1n、 Endocrinol、 Met
ab、 、67巻、1190頁、1988年)。
受容体の投与は、注射によって行われるが、周期的なブースター注射によって補
充するのか好ましい(注射の間隔は約1〜4ケ月、好ましくは3ケ月間)。
本発明は、特に、FSHがFSH受容体分子と結合するのを防止することができ
る抗FSH受容体抗体を誘発する方法として、FSH受容体を動物とヒトに投与
する方法に関する。このような抗体を男性内に産生させると、精子の形成を阻害
する作用をし、そのため避妊薬として作用する。このような抗体を女性内に産生
させると卵胞の生成を阻害する作用をし、そのため避妊薬として作用する。した
がってこれら受容体の投与は、避妊ワクチンを製造するのに利用される。
b、 乳癌の治療
乳癌は欧米世界の大きな衆知の健康問題である。乳癌(835〜45歳の女性が
死亡する主な原因の一つである。年齢、月経と出産の経過腫瘍の大きさ、陽性の
腋窩リンパ節の存在と数などの多(の因子がこの疾患の予後に影響する。
特に、エストロゲン受容体くER”)タンパク質が存在しているか存在していな
いかがこの疾患の予後を決定するのにとりわけ重要であると考えられている。E
Rのレベルが高い女性は、ERのレベルが中間もしくは低い女性よりも予後が有
利である。この知見から、乳癌の患者には、エストロゲンまたはエストロゲンの
前駆物質をなくすためにエストロゲン類似体が投与される。より重篤な症例では
、副腎摘出法および/またはハイホセクトミイ (hyphosectomy)
が行われる。
個体にFSH受容体を投与することによって個体のFSH分子を捕捉して、卵巣
細胞にエストロゲンを産生させるFSH分子の性質を阻害もしくは弱めることが
できる。したがってこのような投与を行うとエストロゲン受容体分子が誘発され
る。本発明の別の態様について以下に述べるように、この目的を達成するために
、上記の抗FSH受容体抗体もしくは抗LH受容体抗体を投与してもよい。した
がって本発明は上記の従来の治療法の代替法を提供するものである。
C1前立腺癌の治療
前立腺癌は、男性の最も普通の悪性腫瘍の1つで、癌で死亡する一般的な原因で
ある。この疾患の治療法には、前立腺の外科的除去、化学療法および放射線治療
法がある。前立腺の成長が畢丸アンドロゲン類に依存していることから、前立腺
癌に対して別の治療法が提供されている。畢丸アンドロゲンのレベルは去勢もし
くはエストロゲン療法によって低下させている。
本発明はこの疾患に対して別の治療法を提供するものである。先に考察したよう
に、男性におけるLHの主な作用は、ライディヒ細胞にテストステロンを産生さ
せることである。したがって、個体にLH/CG受容体および/またはFSH受
容体を投与することによって、テストステロンの生合成を誘発するのに利用でき
る、血清中のLHの量を減少させることができる。したがって、受容体を投与す
るとテストステロンの合成が減少し、前立腺の成長速度を低下させる。このよう
な治療法は、腫瘍の後退もしくは腫瘍の成長の停止を起こさせるには不充分であ
っても、疾患の進行した段階を示すほとんどの患者の症状である骨の痛みを軽減
するのに有用である。
別の態様において、この目的を達成するために、上記の抗り、H受容体抗体を個
体に投与することができる。
d、 骨粗髪症の治療
月経閉止期の多くの徴候は、女性の一生の月経閉止期間中、女性に存在するFS
HとLHの循環レベルが増大しているのが原因である。月経閉止期の共通の徴候
には、血管運動の不安定性(“のぼせ“)、尿性器上圧と皮膚の萎縮性、乳房の
大きさの減少および骨粗3症がある。
女性の生殖期のFSHとLHのレベルは、月経閉止期の女性に見られるレベルよ
り著しく低い。すなわちFSHのレベルは約8倍に増大し、LHのレベルは約6
,5倍に増大する(Petersdorf、 R。
G5等編集、Harrison’s Pr1nciples of Inter
nal Medicine 第10版、Mcgraw−Hill %米国、ニュ
ーヨーク、1983年、704〜705頁)。
このホルモンの循環lノベルの増大は、FSH受容体および/またはLH/CG
受容体を女性に投与することによって阻止することができる。
骨粗に症という用語は、十分な骨格支持を与えるのに不充分なレベルにまで単位
容積当りの骨の質量が減少することを特徴とする多様な疾病群を述べるのに用い
られる用語である。本発明は、LHおよび/またはFSHのレベルを低下させる
ことによって骨粗髭症を(予防的もしくは治療的に)治療する方法を提供するも
のである。
このような治療法で、女性はFSH受容体および/またはLH/CG受容体の治
療上有効な量を投与され、FSHおよび/LHの血清中のレベルを低下させるこ
とができる。
e、 月経閉止期間中の血管運動の不安定性の治療光に述べたように、月経閉止
期の多くの徴候は、この期間に特徴的な、FSHとLHの循環レベルの増大が原
因である。研究の結果、血管運動の不安定性(“のぼせ”)はLHレベルの上昇
に関連があることが分かった。したがって、FSHおよび/またはLH/CG受
容体の投与は、骨粗髪症を治療する上記の性能に加えて、血管運動の不安定性を
治療する(すなわちこの症状を防止もしくは改善する)のに利用することができ
る。
f、 多嚢胞性卵巣症の治療
正常の女性では、エストロゲンのレベルは生殖周期と厳密に同調している。エス
トロゲンの非同調の産生は、不妊症、多毛症、肥満症および無月経もしくは希発
月経を特徴としている。この症状は、多嚢胞性卵巣症(“PCOD″)と呼ばれ
ている(Petersdorf、 R,G、等編集、Harrison’s P
r1ncipleSorInternal Medicine、第10版、Mc
Gray−旧11.米国、ニューヨーク、1983年、710頁)。この症状は
高LHレベルと低FSHレベルが特徴である。
PCODの治療は、エストロゲンの産生を阻止することを目的としている。この
治療は、卵巣アンドロゲンの分泌を減少させる薬剤またはFSH分泌を促進する
ことによって達成することができる。
本発明は、この疾患の新規な治療法を提供するものである。FSH受容体分子の
短期間投与は、FSHの生合成を増大させる働きがあり、そのためこの投与を中
止するとFSHのレベルが増加する。LH/CG受容体を投与すると、卵巣細胞
のLH/CG受容体と結合するのに利用できるLHの量を減少させる作用がある
ので、アンドロゲンの合成量が減少する。
2、TSH受容体の用途
先に述べたように、グレーグズ病は、TSH受容体と結合できる免疫グロブリン
の産生によって起こる(したがってTSHの作用に似ている)甲状腺機能亢進症
である。この疾病は、患者に抗甲状腺薬剤を放射性ヨウ素とともに投与するか、
または甲状腺を外科で切除することによって治療される。すべての症例で、治療
の方法は、甲状腺によって産生できる甲状腺ホルモンの量を制限する方法である
。
本発明によれば、TSH受容体の治療上の有効量を患者に投与することによって
グレーヴズ病を治療することができる。投与されたTSH受容体は、グレーグズ
病を起こす免疫グロブリンと結合することができる。したがって、受容体を投与
すると、甲状腺細胞の表面上のTSH受容体と結合できる免疫グロブリンの量を
減らす働きがある。したがってTSH受容体の投与は、正常で健康な甲状腺の組
織の破壊を伴わないグレーグズ病の治療法を提供するものである。また、受容体
は、疾病が重篤なために外科手術が選択された場合、特に手術の準備中に、患者
に起こる甲状腺機能亢進症の身体に対する作用を減少させるのに使用できる。あ
るいは、固体の支持マトリックスに結合させたTSH受容体は、選択的血漿搬出
法で体外循環させて甲状腺刺激免疫グロブリンを除去するのに使用することがで
きる。
TSH受容体は、さらに、良性の前立腺肥大症を治療するのに使用できる。
3、 ホルモンの拮抗物質と作用物質の固定LH/CG 、FSHおよびTSH
の受容体は、その有効なことから、それぞれのホルモンの作用物質と拮抗物質の
スクリーニング、同定および特性決定に利用できる。
先に述べたように、ホルモンの作用物質は、ホルモンとその受容体の相互作用に
よって起こる生理作用を増加させる分子か、または、それ自体が、ホルモンとそ
の受容体の相互作用からもたらされる生理作用を仲介することができる分子であ
る。
ホルモンの作用を増大する作用物質(アゴニスト)を同定するには、ホルモンが
受容体と結合する能力を増大させる性能について推定上の作用物質の容量が検定
される。ホルモンの活性に似ている作用物質は、受容体分子と結合する能力と、
ホルモンとその受容体との相互作用の特徴である生理学的に重要な作用を仲介す
る能力とによって同定することができる。ホルモン作用物質は、個体内のホルモ
ンのレベルもしくは有効性を増大させるのに利用できる。そのため、ホルモン作
用物質は、ホルモンの産生が不充分な個体を治療するのに使用できる。
また受容体分子の作用により、ホルモンの拮抗物質を同定することができる。先
に述べたように、このような分子は、ホルモンがその受容体と相互作用する性能
を阻害もしくは弱めるので1.生理学的に有意なくすなわち検出可能な)作用を
仲介する。このような分子は、ホルモンと受容体分子との結合を阻害もしくは弱
める性能によって同定することができる。ホルモンの拮抗物質は、個体内のホル
モンのレベルもしくは有効性を低下させるのに使用することができる。
それ故にホルモンの拮抗物質は、特定のホルモンの過剰産生から起こる症状を治
療するのに使用することができる。
本発明に特に関連する一群の作用物質と拮抗物質は、免疫グロブリンの作用物質
もしくは拮抗物質である。上記の抗受容体抗体は、この抗体の受容体に対する結
合性が、受容体がその未変性のリガンドと結合する能力を与えるかまたは阻害す
るかを決定するために試験される。このような能力を有する抗体は、ホルモンの
拮抗物質であるので、ホルモンの受容体分子と同じしかたで、ホルモンの過剰産
生もしくは過剰作用にみまわれている個体を治療するのに使用することができる
。例えば、LHの拮抗物質である抗体は血管運動不安定症などの治療に使用でき
る。同様にTSHの拮抗物質である抗体は、TSH受容体と結合させるのに使用
し、甲状腺機能亢進症を治療することができる。
同様に、上記の抗受容体抗体は、その受容体との結合性が、ホルモンのその受容
体との結合性と類似しているか否かを決定するために試験される。このような能
力をもっている抗体はホルモンの作用物質であるので、ホルモン産生が不足して
いる個体を治療するのに用いられる。例えば、FSHの作用物質である抗体は、
FSH受容体と結合させて排卵を刺激するのに利用できる。同様に、TSHの作
用物質である抗体は、T S 、H受容体と結合させて甲状腺機能亢進症を治療
するのに使用できる。
ホルモンの作用物質と拮抗物質は、毒素で標識をつけて癌の治療に用いることが
できる。したがって例えば毒素で誘導体化した、TSHの作用物質と拮抗物質は
、悪性の甲状腺細胞(またはTSH受容体を発現する細胞)上のTSH受容体と
結合できるので、このような細胞を殺す手段を提供する。同様に、毒素で誘導体
化したFSH、CGもしくはLHの作用物質もしくは拮抗物質は、FSHもしく
はLH/CGの受容体を発現する腫瘍性細胞を殺すのに使用できる。
TSH、FSHおよびLH/CGの受容体を通常発現する細胞の種類は限定され
ないが、これらの分子をコードする遺伝子配列が利用できて、組織に特異的なプ
ロモーターが存在すれば、多様な別の組織での受容体の発現を仲介できる組換え
ベクターを作ることができる。したがって、本発明の方法は、池の組織の悪性腫
瘍の治療に利用することができる。
■1本発明の薬剤の投与
本発明のホルモン受容体分子、またはホルモン作用物質もしくはホルモン拮抗物
質の分子の治療効果は、全分子またはその治療上活性なペプチド断片を患者に投
与することによって得ることができる。
特に重要なのは、可溶性(すなわち膜結合性でない)の治療上活性なペプチドの
断片である。好ましい断片は、ホルモン受容体の細胞外ドメインをもっている断
片である。
上記の分子とその機能性誘導体は、組換えDNA法、またはタンパク質分解法、
またはこれらの方法を組合わせて用いて、合成によって製造することができる。
このような分子の治療上の利点は、担体との結合を促進したりまたは分子の活性
を増大するために付加された追加のアミノ酸残基を有する機能性誘導体を使用す
ることによって、増やすことができる。ある種のアミノ酸残基を欠いているかま
たは別のアミノ酸残基を含有する、このような分子の機能性誘導体は、本発明の
ホルモン受容体分子またはホルモン作用物質もしくはホルモン拮抗物質の分子が
もっている(もしくは作用を及ぼす)生物活性もしくは医薬活性をもっている(
もしくは作用を及ぼす)限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明のホルモン受容体分子、およびホルモン作用物質もしくはホルモン拮抗物
質の分子は、それを含有する製剤が、これらの生成物が通常天然にともに見出さ
れる物質を実質的に含有していないならば、“天然の異物を実質的に含有してい
ない”といわれる。
本発明の分子は、公知の方法で配合し、これらの物質もしくはその機能性誘導体
は医薬として許容される担体ビヒクルと混合されて、医薬として有用な組成物を
製造することができる。他のヒトタンパク質、例えばヒト血清アルブミンを含む
適切なビヒクルとその配合物は、例えばRemington’s Pharma
ceutical 5ciences (第16版、08o1.^9編集、Ma
ck、米国、ペンシルバニア州、イーストン、1980年)に記載されている。
有効な投与に適した、医薬として許容される組成物を作るために、このような組
成物は、本発明の分子の少なくとも1つの有効量を、担体ビヒクルの適切な量と
ともに含有している。
別の製薬法が作用期間を制御するのに利用される。放出制御製剤は、本発明の分
子と複合するか、本発明の分子を吸収するポリマーを使用することによって得ら
れる。特に好ましい製剤は、本発明の分子を、非タンパク質のポリマーと接合さ
せて、水溶性で他の望ましい特性を示す誘導体分子を製造することによって得ら
れる。非タンパク質のポリマーは、通常親水性の合成ポリマーであり、他の方法
では天然には見られないポリマーである。しかし、天然に存在し、組換え法もし
くは生体外法で製造されるポリマーは、天然物から単離されるポリマーと同様に
有用である。親水性のポリビニルポリマーは本発明の範囲に含まれ、例えばポリ
ビニルアルコールとポリビニルピロリドンである。特に有用なのは、ポリアルキ
レンエーテル類、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリオキシエチンエステル類もしくはメトキシポリエチレングリコール:ポリオ
キシアルキレン類、例えばポリオキシエチレン、ポリオ牛ジプロピレン、および
ポリオキシエチレンとボ1Jオ牛ジプロピレンのブロノクコポワマー(プルロニ
ック類); ポリメタクリレート類:カルボマー類(carbomers) :
次のような糖モノマー類すなわチロ−マンノース、D−およびL−ガラクトース
、フコース、フルクトース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルクロ
ン酸、シアル酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン酸(例えばポリマンヌロ
ン酸またはアルギン酸)、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、D−グルコ
ースおよび/イラミン酸、および次のようなホモ多糖類とへテロ多糖類例えばラ
クトース、アミロペクチン、澱粉、ヒドロキシエチル澱粉、アミロース、デキス
トラン硫酸、デキストラン、デキストリン類、グリコーゲンもしくは酸性ムコ多
糖類、例えばヒアルロン酸の多糖サブユニットを含む分枝もしくは非分岐の多糖
類;ポリソルビトールおよびポリマンニトールのような糖アルコール類のポリマ
ー:ヘパリン;ならびにポリセリンもしくはポリアラニンのようなポリアミド類
である。その多糖が、本発明の分子の組換え発現体固有のグコシル化部もしくは
グリコジル化付随部である場合、その置換部位は通常、このような分子のN−も
しくは〇一連結グリコシル化部位以外のところに位置しているか、または使用さ
れる分子が、付加もしくは置換のN−もしくは〇一連結部位が分子内に導入され
たアミノ酸配列の変異体である場合である。
ポリマーの混合物を使用しても、またはそのポリマーは同一種のものであっても
よい。架橋させる前のポリマーは水溶性である必要はないがその方が好ましい。
しかし最終の接合体(コンジュゲート)は水溶性でなければならない。ざらにポ
リマーは、本発明の分子に接合されたときに免疫原性が高(ではいけないL7、
または静脈がらの注入もしくは注射で投与しようとしたときこれらの投与法に適
合しない粘度であってはいけない。
ポリマーは、本発明の分子と反応性の基を1つだけもっているのが好ましい。こ
のことは、分子の架橋結合を回避するのに役立つ。
しかし、反応条件を最適化して架橋反応を少なくすること、または反応生成物を
ゲル濾過法またはクロマトグラフふるいで精製して実質的に均一な誘導体を回収
することは本発明の範囲に含まれる。
ポリマーの分子量は、約100〜500.000の範囲にあり、好ましくは約1
.000〜20.000である。選択される分子量は、ポリマーの種類と置換度
によって決まる。一般に、ポリマーの親水性が大きくかつ置換度が大きい程、利
用できる分子量が小さい。最適の分子量は日常の試験で決定される。通常、本発
明のポリマー接合体の分子量は約70.000を超えるが、これより小さい分子
量の分子も適切なものである。
ポリマーは、多官能架橋剤によって、本発明の分子と、共有結合で架橋されるが
、この架橋剤は、ポリマー、および分子の1つ以上のアミノ酸もしくは糖の残基
と反応する。しかし、誘導体化したポリマーと分子を反応させるか、もしくはそ
の逆の反応によって、ポリマーとこのような分子を直接架橋結合させることは本
発明に含まれる。また、本発明の分子とポリマーの非共有結合の会合複合体も本
発明に含まれる。このような複合体は、分子と、負の電荷を有するポリマー例え
ばデキストラン硫酸、ヘパリン、ヘパラン、コンドロイチン硫酸などのグリコサ
ミノグリカン類、または負の電荷をもったドメインを有する両性ポリマー類とを
非共有結合的に会合させることによって最も簡便に製造される。アルカリ性pl
によってこれら複合体の生成か容易になり、これらの腹合体は、ポリマーの溶液
もしくは懸濁液を分子と混合し、次いで塩を取出すかまたはポリマーと分子との
会合を加速するために乾燥することによって製造される。
本発明の分子は、ポリマーと共有結合で架橋結合されているのが好ましい。本発
明の分子の共有結合で架橋結合される好ましい部位は、N末端アミ7基とりシン
残基に見られるε−アミ7基であるが、その外のアミノ、イミノ、カルボキシル
、スルフヒドリル、ヒドロキシルなどの親水性基は分子の有用な置換部位として
働く。ポリマーは、多官能(通常三官能)架橋剤を用いずに、分子に直接共有結
合で連結させてもよい。このような架橋剤の例としては、1,1−ビス(ジアゾ
アセチル)−2−フェルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシン
イミドエステル類、例えば、4〜アジドサリチル酸とのエステル類、3.3″−
ジチオビス(スクシンイミジル−プロピオネート)のようなジスクシンイミジル
エステル類を含むホモ2官能イミドエステル類、およびビス−N−マレイミド−
1,8〜オクタンのような2官能マレイミド類が含まれる。メチル−3−[(p
−アジド−フェニル)ジチオ]プロピオイミデートのような誘導体化薬剤は、光
の存在下で架橋を形成することができる光活性化しつる中間体を生成する。ある
いは、臭化シアンで活性化された炭水化物のような反応性で水溶性のマトリック
ス、および米国特許第3.959.080号、同第3゜969、287号、同第
3.691.061号、同第4.195. L2g号、同第4.247.642
号、同第4.229.537号、同第4.055.635号および同第4.33
0.440号に記載されているシステムを、ポリマーと分子を架橋するために適
切に改変する。本発明の分子のアミン基に対する共有結合は、塩化シアヌル、カ
ルボニルジイミダゾール、アルデヒド反応性基(PEGアルコキシド+ブロモア
セトアルデヒドのジエチルアセタール;PEG + DMSOと無水酢酸、また
は塩化PEG + 4−ヒドロキシベンズアルデヒドのフェノキシト)、スクシ
ンイミジル活性エステル類、活性化ジチオカーボネートPEG 、2,4.5−
トワクロロフェニルクロロホーメートもしくはp−ニトロフェニルクロロホーメ
ートで活性化されPEGに基づいた公知の化学的方法で実施される。カルボキシ
ル基は、カルボジイミドを用いて、PEG アミンを結合させることによって誘
導体化される。ポリマーは次のような方法でオリゴ糖の置換基と接合される。す
なわち化学酸化(例えばメタ過ヨウ素酸塩)または酵素による酸化(例えばグル
コースオキシダーゼもしくはガラクトースオキシダーゼ)(炭水化物のアルデヒ
ド誘導体を製造するため)を行い、次いでオリゴ糖をビオチンもしくはアビジン
で標識をつけるために、Heitzmann等、Proc、 Natl、^ca
d、 Sci、 USA、 71巻、3537〜3561頁、 1974年もし
くはBaYer等、 Methods in EnzytaologY、 62
巻、31G頁、 1979年に記載しているのと同じ方法で、ヒドラジドもしく
はアミノ誘導体化ポリマーと反応させる。さらに、オリゴ糖とポリマーを連結す
るために従来用いられてきた他の化学的方法もしくは酵素nによる方法も適切な
方法である。炭水化物の置換基が細胞外ドメインのC末端領域に位置し、ホルモ
ンとの結合に関与しない置換オリゴ糖は、本発明の分子に対して特に有利である
。このことは、本発明の他の目的を達成しながらホルモン結合活性の保持を助け
る。誘導体化のためのアミノ酸部位よりも置換基は少ないのでオリゴ糖生成物は
一般に一層均質である。分子のオリゴ糖置換基は、例えばポリマーの誘導体化の
前に、ノイラミニダーゼで、酵素によって修飾して糖類を除去することができる
。
上記以外の糖タンパク質のオリゴ糖が、その糖タンパク質の治療用途についての
本発明の目的を達成するために、上記したのと同じ方法で、好ましくはPEGで
共有結合にて置換される。
ポリマーは、本発明の分子のアミノ酸側鎖もしくはN−もしくはC−末端と直接
反応性であるか、または多官能性架橋剤と反応性の基をもっている。一般に、こ
のような反応性の基をもっているポリマーは、固定化タンパク質の製造用として
知られている。このような化学反応を使うためには、従来タンパク質の固定化に
用いられてきた不溶性のポリマーと同じしかたで誘導体化された異なる水溶性ポ
リマーを使用しなければならない。臭化7アンの活性化反応は、多糖類を本発明
の分子に架橋結合するのに用いる特に有用な方法である。
接合体について“水溶性”ということは、接合体が、治療上有効な濃度を得るの
に充分な量で、血液のような生理学的液体に可溶性であることを意味する。した
がって、これは、ホルモン精製のためにアフィニティクロマトグラフィに用いら
れるマトリックスで不溶化された分子を除外する。
出発ポリマーについて“水溶性”ということは、接合に用いられるポリマーもし
くはその反応性中間体が、本発明の分子との誘導体化反応に関与するのに充分に
水溶性であることを意味する。
本発明の分子の置換度は、そのタンパク質の反応性部位の数、分子全体かまたは
断片が使われているか否か、分子が本発明の分子に非相同のタンパク質との融合
体であるか否か、ポリマーの分子量、親水性などの特性、および選択された特定
の部位によって変化する。
一般に接合体の分子のドメインは、約1〜10のポリマー分子で置換され、一方
分子に融合されている非相同の配列は、その部分の活性が有意に不利な影響を受
けない限り、特に限定されない数のポリマー分子で置換されてもよい。最適の架
橋度は、時間、温度および他の反応条件を変えて架橋度を変化させ、次いでホル
モンを捕捉する接合体の性能を測定する実験マトリックスによって容易に決定す
ることができる。
好ましい態様において、PEGは、本発明の分子と、リシン残基とN末端アミノ
基によって架橋される。
接合されるポリマー例えばPEGの分子量は、約500〜100.000の範囲
にある。2,000.5,000もしくは20.000の分子量が一般的である
。ポリマー例えばPEGは、それ自体公知の各種の方法で本発明の分子に架橋結
合され、タンパク質がPEGのような非タンパク質で共有結合で修飾される。し
かしこれらの方法のある方法は、本願の目的に対しては好ましくない。塩化シア
ヌルの化学的性質は、タンパク質の架橋反応を含めて多くの副反応をもたらす。
さらに、塩化シアヌルは特にスルフヒドリル基を有するタンパク質の不活性化を
もたらすようである。タンパク質を不活化することができるカルボニルジイダゾ
ールの化学的性質(Beauchamp等、 Anal、 Bioches、。
131巻、25〜33頁、 1983年)は、高いpt(08,5)を必要とす
る。
さらに“活性化されたPEG”中間体は水と反応するので、タンパク質をこえる
大過剰モルの“活性化されたPEG”が必要である。
カルボニルジイミダゾールの化学的性質のために必要な高濃度のPEGによって
精製に対して問題が生じる。というのは、ゲル濾過クロマトグラフィーと疎水性
相互作用クロマトグラフィが不利な影響を受けるからである。一方アルデヒドの
化学的性質(Royer、米国特許第4.002.531号)は−扇動率的であ
る。というのは、アルデヒドは、PEGの40倍過剰モルと1〜2時間のインキ
ュベーションしか必要としないからである。しかしPEG アルデヒドを製造す
るのにRoyerが示唆した二酸化マンガンは問題である。“というのは、PE
Gアルデヒドには金属ベースの酸化剤と複合体を形成する強い傾向があるからで
ある”()Iarris等、 J、 Polym、 Sci、 Polym、
Chem、 Ed、、 22巻、341〜352頁、 1984年)。DMSO
と無水酢酸を利用するモファノト酸化法を用いるとこの問題が除かれる。さらに
、Royerが示唆した水素化ホウ素ナトリウムは、高pH下で用いねばならず
、ジスルフィド結合を還元する有意な傾向がある。−力水素化シアノホウ素ナト
リウムを使うと、これは中性pt+で有効であるが、ジスルフィド結合を還元す
る傾向はほとんどない。
本発明の接合体は、未反応の出発物質から、ゲル濾過法で分離することが好まし
い。受容体分子は、例えば、抗体容体抗体(好ましくはモノクローナル抗体)も
しくはホルモンを用いて吸着法でさらに精製してもよいが、この両者はマトリッ
クスに固定化する方が好ましい。ホルモンを用いる精製法は、ホルモンが接合体
を捕捉するだけで、接合体の置換度もしくは置換の部位がホルモンの結合性を不
活性化しないという利点がある。PEGで置換した分子は、疎水性相互作用クロ
マトグラフィでさらに精製することができる。接合体は、減少する塩の分配液を
使用して、疎水性のクロマトグラフィの媒体、例えばアルキルセファロースから
、最も簡便に溶出される。
この方法と上記のゲル濾過法は、置換度に基づいて接合体を分割するので、PE
Gによるモル置換度が実質的に均一な接合体の製剤を得ることができ、例えば、
特にジ置換分子を特に含有しないモノ置換分子またモノ置換分子を特に含有しな
いジ置換分子が得られる。
またこの分子の誘導体は、はとんどの場合イオン交換クロマトグラフィ (分子
をカチオンもしくはアニオンのイオン交換樹脂に吸着させ次いで溶出するか、ま
たは汚染物をアニオン、もしくはカチオンのイオン交換樹脂に吸着させる)で精
製することができる。
本発明の接合体は、生理学的に許容される担体に配合し、治療用途向けに滅菌濾
過される。組成物は、受用者の患者がその投与に耐えられるならば、“薬理学的
に許容される”といわれる。このような薬剤は、投与量が生理学的に有意である
場合、“治療上有効な量”で投与されているといわれる。薬剤は、それが存在す
ると、受用者の患者の生理に検出可能な変化がもたらされる場合、生理学的に有
意である。
治療用製剤中の本発明の分子の濃度は、厳密なものではないが、一般に約1μg
/ml〜20mg/mlである。接合体は、ツイーン20もしくは80のような
非イオン界面活性剤、塩類、緩衝液およびその外の賦形剤を任意に含有している
。接合体は水溶液として保管されるかまたは凍結乾燥される。
接合体は、皮下、筋肉内、静脈内もしくは脳を髄への注射、肺内もしくは鼻腔内
へのエヤロゾル、皮膚バッチ、脈管内注入などによって投与される。注射で投与
される場合、その投与は、連続の注入または単一もしくは多数の大型火剤で投与
してもよい。
投与量は、臨床の慣行にしたがって決定され、患者の年齢、体重、身長、性別、
一般の医療条件、以前の医療経過などのような要因によって変化する。一般に、
受用者に、−週間に1〜3回、約lO〜約300μg/kg (患者の体重)を
始めの投与量として与えるのが好ましいが、これより高いかまたは低い投与量を
投与してもよい。本発明の接合体の利点は、再々投与しなくてもよく、生体内の
治療投与量を保持するために連続的に注入する必要がないということである。
このような化合物の投与は、“予防”もしくは“治療”を目的とするものである
。予防目的で投与されるときは、疾患の徴候もしくは症状の徴候が現れる前に化
合物が与えられる。化合物の予防的な投与は、その後の疾患もしくは症状を防止
もしくは軽減するのに役立つ。治療を目的として投与する場合、化合物は、既存
の疾患の徴候が始まった時、または既存の症状の徴候を検出するとき(少し遅れ
て)に投与される。化合物の治療を目的とする投与は、徴候、または疾患もしく
は症状を軽減するのに役立つ。
放出を制御した製剤によって、作用期間を制御する他の可能性のある方法は、ポ
リエステル類、ボリアミオ酸類、ヒドロゲル類、ポリ(乳酸)またエチレン−酢
酸ビニルコポリマーのような高分子物質の粒子に、本発明の分子を混合する方法
である。あるいは、これらの薬剤をポリマー粒子に混合する代わりに、例えば、
コアセルベーション法で作製したマイクロカプセル例えばヒドロキシメチルセル
ロースもしくはゼラチンのマイクロカプセル、もしくは界面重合法で作製した例
えばポリ (メチルメタアクリレート)のマイクロカプセル、または、例えばリ
ポソーム類、アルブミン微小球類、マイクロエマルジョン類、ナノ粒子類、およ
びナノカプセル類、またはマクロエマルジョン類のようなコロイド状医薬分配シ
ステムに、封入することができる。このような方法はRemington’s
Pharmaceutical 5ciences (1980年)に開示され
ている。
本発明について一般的に述べてきたが、本発明は下記の実施例を参照して容易に
理解されるであろう。そしてこの実施例は説明のために提供するものであり、特
にことわらない限り、本発明を限定するものではない。
実施例1 ラット黄体LH/CG受容体の精製フィーの前に小麦胚凝集クロマト
グラフィーを行う外はロセンブリ。
トら(Rosesbl it、 N、 )の方法(Endcrinol、123
: 2284−2289 (1988))に従い、ラットL H/CGレセプタ
ー(受容体)を精製した。このようにして得られたLH/CG−Rをレクチンお
よびCGアフィニティークロマトグラフィーで精製し、次いで、Centric
on−30(Amicon)で濃縮しな。
レセプタータンパク質をさらに5倍容量のアセトン中、−20℃で10分間イン
キュベーション(インキュベート)することにより沈降させて精製した。沈殿を
遠心(12,OOOxg、10分間)し、レムリ(Laem@li)ゲルサンプ
ルバフファーに溶解し、ゲル電気泳動で分離した[レムリ(Laema+li、
U、に、 Nature、 277: 680 (1970)]。
精製物質の銀染色により93 kDaタンパク質に相当する優勢なノインドと、
数本のより低分子量の弱く染色されたノ<ンドが明らかになつた。したがって、
レセプターは分子量約93 kDaの単一のポリペプチドで構成されていること
が分かった。
アフィニティーカラムを用いる前に小麦胚カラムを用いると、レセプターの精製
が幾分良好であるとの結果を得た(SDSゲルから判明)。この方法による93
kDaタンパク質の精製は、本発明者らが先に得た、該レセプターの構造に関す
る結果と一致した。しかしながら、Pi 製93 kDaタンパク質がLH/C
Gレセプターであることのさらなる立証は、2つの追加実験により得られた。す
なわち、1つはL H/CGレセプターがダウンレギュレーションされている偽
妊娠ラットの卵巣からのレセプターの精製である。予測されたように、93kD
aタンパク質は、この供給源から精製された物質のSDSゲルの銀染色では観察
されなかった。もう1つの実験は、Itsl−CGを最初の界面活性剤抽出およ
び精製レセプターのSDSゲルから調製したウェスタンプロットと一緒にインキ
ュベーシゴンすることであった。いずれの場合にも、93kDaタンノ(り質に
特異的な結合が観察された。すなわち、本発明者らが精製した9 3 kDa夕
ンバク質は、真にLH/CGレセプターであると結論された。
重要なことは、精製LH/CGレセプターは、還元剤の存在下、非存在下のいず
れの場合でも、SDSゲル上で単一の93 kDaバンドとして現れることであ
る。すなわち、これらのデータもL H/CGレセプターが単一のポリペプチド
であることを示している。
精製L H/CGレセプター製品を用いてレセプター対する抗体を得た。そのた
めに、レセプターを含有する試料をフロイントの完全アジュバントに希釈し、ニ
ューシーラント種の雌性白兎の背中に皮下注射した。6週間後から、5力月間、
毎週、兎から採血した。兎血清はLH/CGレセプターに特異的なポリクローナ
ル抗体を含有していた[ロセンブリノトら(Rosemblit、N、)、En
docrinol、123:2284−2289 (198g)]。しかしなが
ら、この抗体はLHまたはCGのレセプターへの結合を阻止する能力をもってい
なかった。しかし、上記の方法で、CGのレセプターへの結合を阻止する第2の
ポリクローナル抗体標品を得た。CGの細胞外ドメインの配列に対応する合成ペ
プチドと特異的に結合する第3のポリクローナル抗体製品を得た。
上記のLH/CGレセプタータンパク質標品を配列決定のためにさらに精製した
。
N末端アミノ酸の配列を得るために、分離した9 3 kDaレセプターをPV
DFメンプランに電気ブロッティングし[マツダイラ(P。
内部ペプチドフラグメントの配列決定には2つの異なるプロトコルを用いた。電
気溶出(溶離)したレセプタータンパク質をメタノール/クロロホルムで沈殿さ
せてペプチドフラグメント1br26とthr2Bを調製した。タンパク質を2
0mM TrisSpH8,5,0゜1%S D S 1M溶解し、L ysy
lcエンドペプチダーゼで消化した。
この消化で得たフラグメントをさらにHPLCで分離し、配列決定した。
内部ペプチドフラグメント1hr4.1hrk、 1hrcおよび1hrrの配
列は、93kDaレセプターを電気溶出し、得られたタンノくり質を5倍容量の
アセトンで沈殿させることにより決定した。沈殿を20mMTris、pH8,
5に溶解し、ギ酸/ CN B rで処理してタンパク質を開裂した。開裂産物
を3回凍結乾燥し、トリシンゲル電気泳動しシエッガーら(H,Shaegge
r)、 Anal、 Biochet 166 :36g (1987)]のた
めにサンプルバッファーに再溶解した後、電気プロ・ノテイング、気相マイクロ
シーケンシングに付した。
これらの分析により、異なる長さの上記内部ペプチドフラグメントを得、配列決
定した(図1)。これらポリペプチドフラグメントの配列は図1の下方に挿入し
た箱内に記載されている(ポリメラーゼ鎖反応(PCR)に用いたブラーマー配
列には下線を施した)。
遺伝コード[ワトソン(Watson、J、D、)、In: Mo1ecula
r Biology ofthe Gene、3rd、Ed、、Y、A、Ben
jamin、Inc、、Menlo Park、C^(1977)、 I)I)
、 356−357 ]を用い、配列決定したフラグメントをコードし得るオリ
ゴヌクレオチドプローブを製造した、遺伝コードの縮重により、種々のコドンを
用いて複数のプローブを調製した。これらのペプチド配列から構築したオリゴヌ
クレオチドを表2に示す(コドンの相違で異なるヌクレオチドをオリゴヌクレオ
チド配列の相当する位置の下方に示す)。
(AT) (GAI (C)
ks、 rsrcおよびfsrcの各オリゴヌクレオチド(それぞれ500 n
g)の混合物を、偽妊娠ラットの卵巣poly(A) ’黄体RNA [コムチ
ンスから合成したcDNA(25ng)を鋳型に用いるポリメラーゼ鎖反応(P
CR)[フォルクスら(D、M、Fowlkes) Proc、Natl、Ac
ad、Scリメラーゼ(Perkin−Elmer−Cetus Instru
ments)およびDNAサーマルサイクラ−(Techne)を用いて、10
0μl中で行った(67mM Tris、pH8,3,6,7mM EDTA、
2.5mM MgCl2.10mM β−メルカプトエタノール、1.6.mM
硫酸アンモニウム)。蒸発を避けるために鉱油(60μm)を加えた。反応サ
イクル(25)は、インキ二ベーシ1ンを95℃で1.3分間;45℃で2分間
;および72℃で5分間からなる。DNA産物を1%アガロースゲル上で分析し
た。主要なりNA断片を切除してゲルから溶離し、M13ベクターmp19[ビ
エイラら(J、Yieira) Methods in Enzymology
153:3 (1987)]のS l1la 1部位に挿入した。
明瞭な、優勢なりNA産物がポリメラーゼ鎖反応合成によって生成した。配列決
定[サンが−(F、Sanger) Proc、 Natl、Acad、Sci
、 USA、 74:5463 (1977)]で、このDNA産物は622塩
基対を含んでいることが分かった。DNA産物はihr、 1hr26およびt
hr28ペプチドの配列を含めて、L H/CGレセプターの暗号配列の1部を
含有していることが分かった(図1および表2参照)。
このPCR産物をラット黄体cDNAライブラリーのスクリーニングのためのプ
ローブとして用いた[マニアテイスら(T、 Maniatis)、Mo1ec
ular Cloning−A Laboratory Manual、 Co
1d tlarbor Laboratory、 New York (19g
2)] oこのフラグメントを、偽妊娠う’yトの卵巣RNAからλgtlo
[ヤングら(R,D、Young)、 5cience 222: 78g(1
983)]を用いて構築したcDNAライブラリー(108組換えファージ)の
プローブとして用いた。20個のハイブリダイゼーションするファージの内、1
2個のDNA配列をさらに解析しLH/CGcDNAのヌクレオチド配列の決定
に用いた。
ラットLH/CG−RcDNAのヌクレオチド配列および推定のアミノ酸配列を
、その5゛ フランキング領域の43ヌクレオチドと3° フランキング領域の
759ヌクレオチドと共に図1に示す。1位の翻訳開始コドンはそれぞれ独立に
決定されたペプチド配列の全てをコードする2100ヌクレオチド長さのオーブ
ンリーディングフレームの開始点を示す。推定のN−末端アミノ酸配列は26残
基ノシグナルヘプチドからなる[)\イネ(G、von He1jne)、 N
ucleic^cids Res、14°4683(1986)] 、シシグナ
ル配列ドに続く配列は開裂されていないL H/CG −Rポリペプチドから決
定したペプチドに対応している。したがって、成熟LH/CG−RはArgから
始まる要約すると、ラット黄体cDNAのブライミングにN末端配列と内部配列
の1つに基づくオリゴヌクレオチドを用い、ポリメラーゼ鎖反応を行った。得ら
れた624ヌクレオチドのcDNAは1端にN−末端アミノ酸端を、他端に用い
た内部配列をコードして%Xだ。
偶然にも、レセプターから決定された余分の内部アミノ酸配列データをもコード
していた。すなわち、このcDNAはう・ノド黄体LH/CGレセプターの部分
cDNAを表していると結論された。このことから、レセプターの完全な暗号配
列を含有するcDNAが得られたことになる。
このcDNAのオープンリーブイブフレームは2100ヌクレオチドであり、7
00アミノ酸からなるタンパク質をコードしている。
無傷のタンパク質から得たN−末端配列がその後に続くことから、最初の26ア
ミノ酸はシグナル配列を表す。成熟タンノ(り質の分子量計算値は75,000
である。本発明者らは、これと精製レセプターの分子jl(93,000)の相
異はレセプターの糖タンノくり性に帰属できると結論した。
L H/CGレセプターはGsタンパク質と結合するので、該レセプターが、既
にクローン化され、特性化されている他のGプロティン結合(カップリング)性
レセプターとなんらかの構造上の類似性を有するか否かに、当面の興味があった
。これらの他のレセプター(例えば、ロドプシン、およびアドレナリン作動性、
ムスカリン様アセチルコリン、セロトニン、およびサブスタンスにレセプター)
の全ては相互に有意なアミノ酸の同一性を有し、細胞膜に7箇所で7./fニン
グするという共通点を有している[レフコビッッラ((Lefkovitz、R
,J、)、J、 Biol、Chem、263: 4993 (198g)コ。
しかしながら、これらのレセプターはまた、L H/C(:、レセプターと異な
り、比較的小さいリガンドにも結合する点が注目される。L H/CGレセプタ
ーのヒトロバシープロット分析により、事実、タンパク質のC−末端側の半分に
7つの膜スパニングドメインの存在することが示された。L H/CGレセプタ
ーのこの領域のアミノ酸配列を他のGタンパク質結合性レセプターのアミノ酸配
列と比較すると、18−22%の同一性があり、このことは、同類のものに認め
られる値と同様である。しかしながら、これら他のレセプターとの著しい対比点
は、L H/CGレセプターが、比較的大きい(約340アミノ酸長さ)親水性
のN末端ドメインを有していることである。
これらのデータから、LH/CGレセプターは細胞膜を7回横断する領域に連結
した大きいN末端細胞外ドメイ、ンを有し、小さいC末端細胞質内テイルで終了
する推測される。
細胞外ドメインは大きい糖タンパク質ホルモンCGおよびLHとの結合に関与し
ていると思われる。この帰属はL H/CGレセプターの64kDa水溶性断片
がCGと結合することができるという生化学的データ[ケイナネン(Keina
nen、に、P、)、 Biochem、J、 239+ 83(1986)
]およびコラゲナーゼ処理細胞に関するデータと一致する。
レセプターの細胞外領域は多(の注目すべき特徴を有する。まず第1に、6個の
N−末端グリコシル化可能部位がある。予備的なデータではこれら部位の大多数
はグリコジル化されているらしい。第、2に、大豆レクチンのある領域と同じ1
0アミノ酸からなる部位があるUシネルら(Schnell、に、J、)、 J
、Biol、Chem、262ニア2Q (1987)コ。脱グリフシル化形の
CGおよびLHはL H/CGレセプターと結合するが、生物活性を殆んどまた
は全(発揮しないことはよ(知られている。従って、LH/CGレセプターのこ
の部位がホルモンの炭水化物路の認識に関与しているか否かを調べることは興味
深い。
第3に、細胞外ドメインはほぼ25アミノ酸の14回の不完全な繰り返しく反復
)モチーフに配列され得る。このロイシン−リッチモチーフ構成は多くの他のタ
ンパク質に共通する。これらには、酵母アデニレートシクラーゼ(アデニル酸シ
クラーゼ)[カタオカら(Kataoka、TI Ce1l 43: 493−
505 (1985)コ;ドロソフイラ(Dros。
phi la)のTollデベロ、ブメント遺伝子(Toll develop
mental gene)[ハシモトら(Hashimoto、 C,) Ce
1l 42: 269 (198g)] ;ヒト血清アルファ2糖タンパク質[
タカハシら(Takahashi、 N、) 、 Proc、Natl、人ca
d、sei、 USA 83:1906 (1985)コ;フオンウイルブラン
ド(yon Willbrand)因子およびトロンビンのための血小板1bレ
セプター[ロベツら(Lopetz、 J、^、) 、Proc、Natl、A
cad、 Sci、 LISA 84:5615 (1987)]、および細胞
外マトリックスプロテオグリカンPG40[クルジウス(Krusius、T、
) 、 Proc、Natl、Acad、Sci、 USA 84:5615(
198B)]など、広範な異種(または未知)機能のタンパク質が含まれる。こ
れらのタンパク質の内、唯−PG40のみがLH/CGレセプターの細胞外領域
と全アミノ酸の同質性(ホモロジー)を共有するらしいことが指摘される。実際
、このロイシンに富む反復構造の生物学的意義は、未だ知られていない。それに
より両親媒性のへリノクス構造が形成され、その結果、水性環境と細胞質膜の両
者と相互作用し得るということに関与しているのではないかと示唆されている。
これは、CGまたはLHがLH/CGレセプターの細胞外ドメインに結合した際
に、レセプターの膜スバニング領域と相互作用し得ることを示すものである。
上記のごと(、L H/CGレセプターの膜スバニング領域はGタンパク質と結
合するレセプター群と関連性を有すると思われる。既にクローニングされた他の
Gタンパク質結合レセプターの内、ベータアドレナリン作動性レセプターのみが
Gsタンパク質と結合する。
しかしながら、L H/CGレセプターの膜貫通の半分は、Gs結合に関与して
いる領域(即ち、第3の細胞質ループのC末端および細胞質テイルのN末端)に
おいてさえ、他のGタンパク質と結合するレセプターとの相同性以上に、ベータ
アドレナリン作動性レセプターのアミノ酸と相同性を示しているわけではない。
L H/CGレセプターのC末端細胞質テイルを検査して、多(のりん酸化可能
部位(即ち、セリン、スレオニン、およびチロシン)が明らかになった。L H
/CGレセプターの濃度および/または機能はりん酸化によって調節されている
のかもしれない。L H/CGレセプターのこの領域の他の特徴は、隣接する2
個の塩基性アミノ酸クラスターを有する点にある。これは成熟タンパク質がこれ
らのその各々のリガンドは、これらのレセプターと、膜内挿入(インターカレー
ション)、およびトランスメンプランへり、クスとの相互作用、によって結合す
ることが、ロドプシンおよびベータアドレおいて、これら複数の膜スバニング構
造のモチーフはリガンドの結合およびGタンパク質との結合(カップリング)の
両面で重要である。L H/CGレセプターは、さらに、大きい細胞外ホルモン
結合ドメインを宵し、これにより他のレセプターと明確に区別されるが、それは
、1)Tillの膜貫通構造はGタンパク質とのカップリングに絶対に必要であ
り、2)LH/CGレセプター中のGタンパク質カップリングに結合するりガン
トの翻訳は、他のGタンパク質とカップリングするレセプターにおけるそれ(リ
ガンドは膜内部にインターカレーシラン(挿入)される)と本質的に異なってお
り、3)可溶性結合タンパク質の遺伝子とGタンパク質とカップリングしたレセ
プター遺伝子との間の天然の組換えでLH/CGレセプターが生じた、というこ
とを示唆している。
本発明者らが単離したcDNAは組織および細胞特異性のmRNAとハイブリダ
イゼーションし、L H/CGレセプターのcDNAであると予測された。即ち
、偽妊娠ラットの卵巣から得たトータルRNA、および成熟ラットの卵巣、皐丸
、肺、肝臓および腎臓のトータルRNAから調製したノーザンプロットは性腺組
織内でのみ、L H/CGレセプターとハイブリダイゼーションした。これらの
内、黄体組織とのハイブリダイゼーションが最強であった。4.5kbRNAと
のハイブリダイゼーションが最も優勢であり、それより小さい幾つかのRNAと
より弱くハイブリダイゼーションした。妊娠9日目のラットから得た切片を用い
る系中ノーイブリダイゼーションを行うと、黄体との強力なハイブリダイゼーシ
ョンと、抱腹および間質細胞との幾つかのハイブリダイゼーションとが認められ
た。
ヒト腎臓293細胞(ATCCCRL 1573)をサイトメガロウィルスプロ
モーターの転写コントロール下にL H/CGレセプター遺伝子Aを含有する発
現ベクターで一時的に形質転換することで、単離したc D N Aが完全に活
性なL H/CGレセプターをコードしていることが分かった。これらの細胞は
(モック形質転換された293細胞に対し)I霊’I−CGと高度の親和性(K
d80−160pM)をもって特異的に結合し、CGに応答して多量のcAMP
を生産した(EC,。4040−8O9゜これらの応答が現れるのに必要なCG
濃度は正常なL H/CGレセプター含有細胞での観察に匹敵する。さらに、こ
のcDNAによってフードされているレセプターは予測される糖タンパク質ホル
モンとの結合特異性を示し、CGまたはLH,hTSHまたはhFSHでなく、
が高い親和性で結合し、c A M P産生を刺激する。このcDNAによって
発現されたLH/CGレセプターのより完全な特徴づけは現在進行中である。
これらの結果は、本発明者らがクローニングしたcDNAが明らかにL H/C
Gレセプターをコードしていることを証明するものである。さらに、結論として
、これらのデータから、L H/CGレセプターが単一のポリペプチドであり、
ホルモンと結合することができると同時に結合すればcAMPを刺激することが
証明された。
最初、細胞表面L H/CGレセプターの細胞表面のサイズおよび構成の推定は
″’I−CGの標的細胞へのケミカルクロスワンキングによる生産物の分析でな
された[ロンシェら(Roche、 P、 )、 J、 Bi。
1、chet 264: 4636 (1989)] 。この試みでは、MA−
10レイデイツヒ腫瘍細胞(Leydig)またはブタ顆粒層細胞の1次培養の
いずれかと、1!5i CG標識とをアルファまたはベータサブユニットのいず
れかのみの中で培養した。未反応ホルモンを洗浄して除去した後、結合したlt
J (:、Qを2機能性スクシンイミジルエステルを用い、細胞表面ホルモン−
結合成分(類)にクロスワンキングさせ、放射性標識されたクロスワンキング生
産物を還元剤の存在下、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した。
ホルモンがアルファサブユニット内で放射性標識されている場合には、107k
Daおよび132kDaに相当する分子量のポルモンーレセブター複合体が観察
された。ベータサブユニット内で放射性標識されたホルモンを用いて117kD
aおよび132kDaに等しい複合体を観察した。132kDaS 117kD
aおよび107kDaの複合体は、それぞれ、83kDaの同一の細胞成分とク
ロスリンキングした、無傷のホルモン(53kDa) 、ベータサフユニット(
33k D a)およびアルファサブユニット(22kDa)を表していると結
論された。即ち、これらの研究はL H/CGレセプターが、ネズミおよびレイ
ディノヒ腫瘍細胞、およびブタ顆粒層細胞の両者に含有されている分子IMr=
83,000の単一のポリペプチドで構成されていることを示唆するものである
。
また、いずれかの細胞型をCG結合およびクロスワンキングの前にI型コラゲナ
ーゼ(通常、分散組織を用いて調製する)で処理するとL H/CGレセプター
の部分分解が起こることも分かった。即ち、コラゲナーゼ処理細胞は通常の親和
性でCGと結合し、正常なステロイド生産の増大反応を示した。しかしながら、
コラゲナーゼ処理細胞に1151 QGをクロスリンキングさせ、生産物を還元
剤の存在下、SDSゲルで分離すると、より低い分子量のクロスワンキング生産
物(95kDa、75kDaおよび63kDa)が観察された。これら低分子量
バンドの出現はコラゲナーゼ処理濃度と時間に依存している。高純度のコラゲナ
ーゼはタンパク質分解作用を示さないことから、コラゲナーゼによるレセプター
の分解は、実は、フラゲナーゼ製品中の不純物によるものである。興味深1.X
ことには、コラゲナーゼ処理細胞を”’I−CGとクロスリンキングさせ、生産
物を還元剤の不在下でSDSゲル分離に付すとレセプターは無傷のようであった
。これらの結果は、コラゲナーゼによりレセプターがニック(切断)されてもレ
セプターの全構造(および結合活性)は分子内ジスルフィド結合によって維持さ
れていることを示唆している。
151 QGのコラゲナーゼ処理細胞をクロスワンキングし、生産物を還元剤の
存在下で分析することによりレセプターのペプチドマツプを得ることができる。
MA−1o細胞およびブタ顆粒層細胞のフラゲナーゼ処理によって同じレセプタ
ー生産物が得られたことから、これら2種の異なる種(ネズミ対ブタ)の2つの
細胞型(レイデッヒ対顆粒層)のL H/CGレセプターの全構造は同じである
。
L H/CGレセプターの全構造の査定に用いた第2の方法は、生物合成的に標
識されたレセプターをMA−10細胞から特異的に免疫沈降させことであった[
キムら(KiIII、 1.−C)+ J、Biol、Chem、 262:4
70 (19g?)]。免疫沈降はCGに対する抗体を用いてホルモン−レセプ
ター複合体を“関節的”に免疫沈降させて行った。
即ち、MA−10細胞を生物合成的に353−システィンで標識し、未標識CG
とインキュベーションした。細胞を洗浄して未結合ホルモンを除去し、ホルモン
−レセプター複合体を界面活性剤で可溶化した。注意すべきは、CGは温度4°
Cで中性という条件が維持されている限り殆どまたは全くレセプターから外れな
いので、ホルモンと結合したレセプターを脱離させずに界面活性剤で可溶化でき
ることである。ホルモン−レセプター複合体を小麦胚アグルチニン樹脂で部分精
製した後、抗CGおよびプロティンAセファローズで沈澱させた。この時点で、
pH3バツフアーで簡単に処理して放射能標識レセプターを免疫沈降物から特異
的に溶出させ、SDSゲル上で分離し、蛍光光度計で観測することができた。し
たがって、上記の化学クロスリンキング法とは対照的に、この方法は遊離のレセ
プター(ホルモン−レセプター複合体でな()をSDSゲル上で直接観測するこ
とができるという利点を有する。
酸−溶出レセプターがほぼ15,000倍精製されたことが計算された。93k
Daに相当するバンドは同時に行った3つの独立した負対照には観察されなかっ
た。このように、L H/CGレセプターが細胞内でダウンレギュレーションさ
れているとき、CGが結合インキュベーションから除外されているとき、または
免疫前のIgGで免疫抗CGを置換した場合、93kDaタンパク質は観察され
なかった。
免疫沈降したL H/CGレセプターは、還元剤の存在下または非存在下のいず
れで分析しても93kDaの単一のタンパク質として現れたで、レセプターを単
一のポリペプチドと結論した。これらの結果は化学クロスワンキングにおける推
定の分子量が83kDaであったことを除き、該クロスリンキングで観察された
結果と一致する。2つの推定の内、関節的な免疫沈降でめた93kDaの方が、
遊離のレセプター(ホルモン−レセプター複合体でなく)をSDSゲル上で直接
求めているので、より正確と思われる。
この結論をさらに支持するものとして、CG結合に先立ってコラゲナーゼで処理
した35S−システィン標識細胞からL H/CGレセプターを関節的に免疫沈
降させると、無傷の93kDaレセプター濃度が減少(対照細胞に比較して)し
、66kDa、50kDaおよび32kDaの数個の小さいレセプターフラグメ
ントが現れたということがある。
実施例7 LH/CG−Rのドメイン構造ポリペプチド鎖(残基1−341)の
N末端側半分は細胞外ドメインを構成すると推測される(図1)。L H/CG
レセプターの糖タンパク質性と一致して、このドメインに、6個のN−結合グリ
コシル化部位がある。予備的な証拠は、これらの部位の大多数が実際にグリコジ
ル化されており、これが天然LH/CG−R(分子量=約93kDa)と末グリ
コジル化ポリペプチド(分子量=約75kDa)との分子量の相違の原因である
と考えられる。実際、ゲル電気泳動でめたCNB r断片の分子量はオリゴ糖側
鎖によるグリコジル化は部位あたり平均、5−6kDaの寄与をしているという
ことに一致する。
ポリペプチドのC−末端側半分(残基342−674)は膜−スパニング(貫通
)長さの7個の疎水性セグメントを含み、Gタンパク質と結合するレセプター群
の全メンバーと相同な配列を示す。膜貫通トポロジーがロドプシンにおける示唆
[ナサンスら(J、 Nathans)、 Proc、 Natl、 Acad
、 Sci、 USA、 81: 4851 (+984): ヘンダーソンら
(R,Henderson) 、 Nature、 257: 2g(1975
);オチニコフら(Y。
^、0vchinnikov) 、 FEBS、Lett、148: 179(
1982)つと同一と仮定すると、LH/CG−RのC末端68残基は細胞内に
位置する。このC末端ドメインはりん酸化可能な部位(セゾン、スレオニン、お
よびチロシン残基)であって、レセプター活性の細胞コントロールの起こる部位
を含有する[シブレーら(D、R,5ibley)、 Endocrine R
ev、。
!:38 (198号)]。このドメインにはまた、塩基性アミノ酸の2個のク
ラスター(623−625と630−632の位置)があり、成熟レセプターが
翻訳後の開裂を受け、これらの位置のどれか1つで終了する可能性を示している
(KRRにおける翻訳後開裂)。
実施例8 Gタンパク質と結合するレセプターの相同性L H/CG −Rが急
速に増殖するGタンパク質とカップリングする(Gタンパク質結合性)レセプタ
ーのメンバーであることはLHおよびCGがGタンパク質を介する活性なアデニ
レートシクラーゼであるとの見解と一致するしフンジノカー−ダンら(M、 H
unzkker−Dunn)、in Luteinizing Hormone
Action and Receptors、M、Ascoli。
ed、、 CRCPress、 Boca Raton、1985. pp、5
7−134] 。このレセプター群の他のメンバーとLH/CG−Rとの相同性
は、表面上、ヒトロバシープロットから明らかであり、詳細には幾つかのこの群
のメンバーが7個の推定の膜貫通領域を有するという共通点で示される(図2)
。LH/CG−Rのこのドメインは全体に低いが、他のメンバーとの間に有意な
配列同一性を示している。同一性はロドプシンおよびサブスタンスにレセプター
で高く(22%)、古典的な神経伝達物質、例えば、ムスカリン様アセチルコリ
ンおよびセロトニンで低い(1B−20%)[口ドプシン:ナサンスら(J、
Nathans)。
36−838 (1987);β−2AR: ディキソンら(R,A、F、Di
xon) Natur多くの短い配列がこれら全インバーで良く保存されており
、それが推定の膜貫通へリノクスおよび細胞内ループ領域で起きていることが分
かった。保存部位の1つは第3の細胞質ループのC末端の6−7残基にわたって
位置していた。このループはレセプター毎に長さがかなり異なっており、L H
/CG −Rで最短であった。変異およびキメラレセプターの分析に基づいて、
このループのC末端領域はGタンパク質のカップリングに関連あることが示され
た[ドウードら(B、 F、 Dovd) J、 Biol、 Cheffl、
263:15985 (198g) : コビルカら(B、 K。
と他のGsと結合性のレセプター類との間において、その他のGタンパク質と相
互作用する既知のレセプター間でのそれに比較して大きい訳ではない。
実施例9 細胞外ドメイン
細胞外の推定のホルモン結合ドメインは幾つかの有意な配列特徴を表す。これら
の内、最も衝撃的なのは、14回の約25残基からなる不完全な反復配列モチー
フ、C末端の6回の繰り返しは長さおよび配列において保存性が低い、である(
図3a)。同様の構造は他の様々なタンパク質でも認められ、ロイシン豊富反復
と言われる[タカハシら(N、Takahashi) Proc、 Natl、
Acad、Sci、 USA 82:1906(1985)(LPG); Oペ
ラら(J、 Lopez) Proe、 Natl、 Acad、 Sci、
USA 84:5615 (1987XGP lb); /’シモトら(C,H
ashiaoto) CeII 52:269 (118g)(Toll):カ
タオカら(T、Kataoka) Ce1l 43:493 (1985)(A
denylate cyclase、 yeast); クルジウスら(T、
Krusius) Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 Uミ人一
旦旦:7683 (1986)(PGA1)コ 。
細胞外ドメインが最も類似しているタンパク質は結合組織の細胞外マトリクスに
多量に存在するプロテオグリカン、PGA1である。
同様の繰り返しを有する他のタンパク質は血小板糖タンパク1bであって、これ
は2個のグリコジル化ポリペプチド(フォンウィルブランド(von 1lil
lebrand)因子およびトクンビン)と結合することが知られているグリコ
ジル化膜タンパク質である。他の例は酵母アデニレートシクラーゼのような広範
な種々のポリペプチド、およびDorsophila (ショウジヨウバエ)デ
ベロップメント遺伝子産物(Toll)である。
そのようなロイシンに富む(ロイシンリッチ)反復配列を有するタンパク質に共
通の機能は知られていないが、この群のメンバーはおそらく反復構造により形成
された両親媒性により、疎水性および親水性の両表面と相互作用するであろう。
LH/CG−Hの細胞外ドメインはホルモンの結合、および膜貫通領域との相互
作用によるシグナルトランスダクシヲンの両者に関与しているであろう。
細胞外ドメインに認められる他の特徴は大豆レシチンの配列と同一の10残基で
示される部位である[ボドキンら(L、O,Vodkin) CeII 34:
1923 (1983); シネルら(D、J、5hnell) J、Biol
、Chea+、262ニア220 (19g?)(Diflorus)(Fig
、 l参照)コ。この部位はグリコジル化ホルモンの認識とレセプターのGsへ
の機能的なカップリング(これはグリコジル化された形のLHおよびCGとの間
で最大に達成される)に関与しているのであろうしサイラムら(Sairam)
J、Biol、Chem、 264:2409 (1989)]。脱グリコジ
ル化されたホルモンも高い親和性でホルモンと結合するが、この相互作用では殆
どまたは全くアデニレートシクラーゼの活性化が起きない。
実施例10 LH/CG−Rの機能的な発現クロンーン化cDNAが実際にLH
/CG−Rをフードしているかを確認するために、推定のレセプターをコードす
る配列をサイトメガロウィルスのプロモーター[イートンら(D、 L、 Ea
ton) Biochemistry 25:8343 (1986)]のコン
トロール下に含有する発現ベクター(pCLHR)を構築した。
詳しくは、クロンーン化cDNAの全暗号領域とEcoR1断片に含有されてい
る付加的なフランキング領域(ヌクレオチド−43−2559、図1参照)とを
pcrsベクター[イートンら(D、 L、 Eaton) Biochemi
stry 25:8343 (1986)]に導入することにより、発現ベクタ
ーpCLHRを構築した。
指数的に増殖する293細胞をpCLHRで1時的に形質転換した[チェノら(
D、 L、 Chen) Mo1. Ce11. Biol、7:2745 (
1987)]。トランスフェクションの42時間後、無傷の細胞を”’I−CG
結合(図4A)またはCG−刺激cAMP生産(図4B)について分析した。
115■QQ結合の分析(図4A)のために、各国を炭酸ナトリウムヲ含まず、
205M Hepesと1 mg/a+1のウシ血清アルブミンを含有する温W
aymouth MB7521/l培地3+alで4回洗浄し、同じ培地2ml
内に置いた。4℃で2時間後、キムら[(+、−C,Kim)、 J、Biol
、Chem、 261:3807(1986)]の方法でヨウ素化した、高精製
度のCG(CR−123,12,780IU/II1g)ノ一部を、単独テマタ
ハ5IUの粗CGと一緒に加えた(非特異的結合の測定のために)。
4℃で24時間後、結合培地と細胞を水上のプラスチック管に入れた。細胞を遠
心し、ウシ血清アルブミン1 a+g/園lを含有スる冷150n+M NaC
1,20ffiM Hepes2a+1によって1回洗浄し、遠心した。細胞ペ
レットをガンマカウンターで計数した。
CG刺激cAMP生産(図4B)の測定のために、各国を1 +ag/elのウ
シ血清アルブミンを含有する温Way+1outh MB7521/1培地3+
slで4回洗浄し、0.5+M 3−インブチル−1−メチルキサンチンを含有
する同じ培地2+al内に置いた。37℃で15分間予備インキュベーションし
た後、高精製度のCGの一部を加えた後37℃で30分間インキュベーションを
続けた。分析培地を除去した後、細胞を1 mg/mlのテオフィリンを含有す
る冷IN過塩素酸1.5ml中に取った。細胞を急速凍結乾燥および解凍によっ
て溶解し遠心した。上清を中和し、既述のごと<cAMPについて分析した[セ
ガトフら(D、L、Segaloff) J、Biol、Chem、 256:
11420 (1981)]。
図4Aに示すように、無傷の形質転換細胞は、漸増量の+tsI−CGに暴露さ
れる(4℃、−夜)と、ホルモンと濃度依存的な関係で特異的に飽和結合した。
形質転換されていない細胞はいかなる濃度の”’[−CGとの特異的な結合も観
察されなかった。一連の細胞群をホスホジエステルインヒビター3−インブチル
−1−メチルキサンチンの存在下、種々濃度のCGと37°Cで30分間インキ
ュベーションした。結果は非特異的結合について補正してあり、2回の測定の平
均+/−で示されている。
図4Bに示すように、CGに対するcAMP増大反応を示さない非形質転換細胞
と対照的に、形質転換された細胞は、CGに暴露された際、細胞内cAMPの濃
度依存性かつ飽和的な増大を示した。
結果は2回の測定の平均+/−で示されている。
pCLHRで形質転換された細胞内でのCG結合とcAMP蓄積に必要なCG濃
度は、L H/CG −Rを担持する性腺細胞でそれらの応答を惹起する濃度に
匹敵することが分かった[ベレイラら(M、 E。
クローン化cDNAが無傷の機能的なL H/CG −Rをコードしていること
を証明するものである。
実施例11 LH/’CG−RmRNAの組織および細胞特異的発現様々なラッ
ト組織のRNAから調製したノーザンブロノトでLH/ CG −Rm RN
A発現の組織特異性が証明された(図5)。
詳しくは、偽妊娠させた未成熟ラットの卵巣[ロセンブリットらからトータルR
NAを調製した。RNAをホルムアルデヒド含有1%アガロースゲルで分離し、
ナイロンメンプラン(ICN)にプロットした。業者の指示にしたがい、メンプ
ランをプレハイブリダイゼーションした後、PCRで生成したLH/CG−RD
NAを含有する、ニックトランスレーションした”P−41mpCGEM−32
ベクター(プロメガ)を用いて42℃で一夜ハイブリダイゼーションした。プロ
ットを、室温で4回、2xSSCおよび0.1%SDSで4回洗浄した(5分/
洗浄)。得られたプロ・ノドを6時間(図5、パネルA)または−夜(図5、パ
ネルB)強化スクリーンを用いてX線フィルム(−70”C)に露出した。
4.4kbmRNAに相当する独立したバンドが偽妊娠う、トの卵巣並びに成熟
ラットの畢丸から調製したRNAに認められた。4゜4 kb m RN A種
の相対的な量は非妊娠成熟雌性ラットの卵巣または成熟ラット畢丸におけるより
も、偽妊娠うyhの卵巣内において有意に大きい。この発見はこれの組織で認め
られた”’I−CG結合と一致していた[アスコリら(M、 ascolj)
Endocrine Rev、 10:27(1989)]。ラット肺、肝臓ま
たは腎臓から調製されたRNAにはLH/ CG m RN Aを認めながった
。
L H/ CG −Rm RN Aの細胞特異的な発現を調べるために、9日令
の妊娠ラットの卵巣から調製した組織切片へのLH/CG−RcDNAの系中ハ
イブリダイゼーションを行った。
詳細には、ウィルコックス[J、N、Wilcox、 J、Cl1n、Inve
st、 82:1134 (198g)]の方法に以下の改良を加えて組織固定
および系中ハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーションに先立ち
、切片を4%バラホルムアルデヒド(10分間)とプロティナーゼK(5−10
gg/it)で5〜10分間処理した。プレバイブl/ タイl セ−’i a
71t、50%ホルムアルデヒド、0.1M NaCL 20ilTris−
HCI(pH8,0) 、5nM EDTA、lxデンハート溶液、10%硫酸
デキストランおよびlomM DTTを含有するハイブリダイゼーションバッフ
ァー100μl中、42°Cで1時間行った。ハイブリダイゼーションは、バッ
ファー20m1中に標識ブロー1 ブBoo、0OOcpaを加えて開始し、5
5℃で1夜行った。pGEM−3Zベクター(P romega)でクローニン
グしたPCR−生成LH/CG−RDNAから、”S−標識センスおよびアンチ
センスプローブを得た。プローブの比活性はおよそ100 Ci /imolで
あった。暴露時間は1−3週間である(示したマイクログラフは暴露2週間)。
放射性標識アンチセンス鎖への優勢なハイブリダイゼーションが黄体に対して、
および胸膜および間質細胞に対して、観察された。
顆粒層細胞についてはハイブリダイゼーションが認められず、非黄体形成卵胞の
未熟な状態と一致していた。ハイブリダイズするmRNAの相対強度および分布
の観察(即ち、黄体は強度に染色され、胸膜および間質細胞は弱い強度で染色)
は以前に報告されたラット卵巣の115■ QGオートラジオグラフィー[ズレ
ニックら(A、J、 ZeIeznik)、εndocrinology 95
:11g (1974)]と一致した。これらの所見はクローン化cDNAが卵
巣細胞の特異的サブセットで発現された機能的なLH/CG−Rをコードしてい
ることの別の証拠である。
実施例12 レセプターの構造特徴
要約すると、ラット黄体L H/CG−レセプター(LH/CG−R)をコード
するcDNAを、精製レセプタータンパク質のペプチド配列に基づ(プライマー
を用いるポリメラーゼ鎖反応で精製したDNAプローブを用いて単離した。cD
NA配列から予測されたように、LH/CG−レセプターは26残基のシグナル
ペプチド、ロイシンに富む糖タンパク質(LPG)群のメンバーに特徴的な内部
反復構造を示す341残基の細胞外ドメイン、7個の膜貫通セグメントを含有す
る333残基の領域を含む。後者の領域はGタンパク質と力・ノブリングするロ
ドプシン/bアドレナリン作動性レセプター群の全メンバーと配列類似性を示し
た。従って、L H/CG −R遺伝子はLPG遺伝子とGタンパク質結合レセ
プター遺伝子との組換えで生成したのかもしれない。LH/CG−RcDNAを
発現するように操作された細胞は高度の親和性でCGと結合し、ホルモンに暴露
されたとき、高いcAMPを示す。ノーザン分析および系中ハイブリダイゼーシ
ョンで明らかにされたように、4.4kbの同起源の(cognate) mR
N Aはラット卵巣に優勢に存在する。
このように、ラット黄体LH/CG−Hの完全長さのcDNAの分子クローニン
グおよび発現が達成された。このcDNAはホルモンと結合しアデニレートシク
ラーゼを刺激する単一ポリペプチドをコードしている。卵巣におけるレセプター
mRNAの位置はホルモン結合に対応している。推定のアミノ酸配列は、7個の
膜貫通領域の存在から、LH/CG−Rが他のGタンパク質カップリングレセプ
ターと進化論的に関連していることを示唆している。しかしながら、他のそれら
レセプターと異なり、LH/CG−Rはおそらくすガント結合に関与すると思わ
れる大きい細胞外ドメインを有する。
機能的および形態学的証拠はクローン化cDNAによってコードされているタン
パク質配列がラット卵巣LH/CG−Rを表していることを示している。このタ
ンパク質はロイシンに富むプロテオグリカン(細胞外ドメイン)およびGタンパ
ク質結合レセプターの両者の構造上の特徴を示す。Gタンパク質結合レセプター
群の他のメンバーは小さいリガンドと結合する(即ち、セロトニンまたはアセチ
ルコリン)。他方、そのようなリガンドの結合は7個の膜貫通へす1クスの集合
によって形成された部位で起こり[フリールら(T、 F胞外部分と結合すると
考えられている[カイナネンら(K、P、Keinaes、 261:3807
(1986)] 、このように、大きい細胞外ドメインおよびホルモン仲介シ
グナルトランスダクションの特異的な機構によりL H/CG −Rは他のGタ
ンパク質結合レセプターと区別される。
このレセプターはホルモン結合糖タンパク質および7個の膜貫通プロトレセプタ
ーをコードする遺伝子の組換えに起源するのかもしれない。
実施例13 FSH−レセプター(FSH−R)cDNAの単離ラットI!丸セ
ルトリ細胞から単離したポリアデニル化RNAを逆転写酵素の鋳型として用いた
。得られたcDNAを用いてλgtlOでライブラリーを構築した。その1部(
1xlO”)をL H/CG−RcDNAから導いた2個のプローブ(ヌクレオ
チド1−483および1499−2604)との配列類似性に関してスクリーニ
ングした。幾つかの陽性クローンを単離し、クローン化cDNAをM13ベクタ
ー[ドメインら(J、Vieira and J、Messing) Meth
Enzymol、153:3−11 (1987)]にサブクローニングした
後、既述のごとく配列決定した[サンガーら(F、 Sanger) Proc
、 Natl、 Acad、 Sci、 USA 74:5463−5467
(1977)]。このレセプターのヌクレオチド配列jおよび推定のアミノ酸配
列を図6に示す。
1位の翻訳開始コドンは2076ヌクレオチドのオープン1ノーデイングフレー
ム、特に、N末端の17残基のシグナル配ツ11と、それシこ続いて細胞外に位
置すると予測される348残基の大き(A親水性ドメインとを示している。この
ドメイン(ま3つのN−結合グ1ノコシル化部位を含有する。さらに、7つの膜
貫通セグメントを有する26ターの印である。そのような他のレセプターと同様
1n、FSF−Rの63残基C−末端は細胞内に位置するとされ、そのりん酸イ
ヒカ(レセプター活性を制御すると思われる幾つ力)のアミノ酸(Set、Th
r、 Tyr)を含有しているしノでルツエスキーら(L Palczewsk
i)里匹堕1セプターのような、フンセンサスりん酸化部位の1部で6士な(1
゜成熟FSF−Rは675アミノ酸(分子量75K)hAらなり、完全な膜糖タ
ンパクを構成している。
FSF−RとLH/CG−Rとの比較
ゴナドトロピンレセプター類FSF−RおよびL H/CG −Rの比較に際し
、提案された機能類似性を考慮する(図7)。両分子とも同様の大きさであり構
造上の設計は同じである。1次構造のレベルでは、細胞外ドメインは約50%の
配列類似性を、7個の膜貫通セグメントで定義されるドメインは80%の配列同
一性を有する。
配列の相違が最高の部分は最初の膜貫通セグメントに先行するN末端の40残基
と、C末端を取り囲む30残基である。
L H/CG −Rの細胞外ドメインについて既述したように、FSF−R内の
ホモローガスなドメインは、それぞれ約20残基の14の不完全反復単位として
認められる(図8)。この反復を含むモチーフは他のタンパク質にも認められ、
ロイシンリ・ノチ反復として知られている[パラティ(L、Pitthy) J
、Mo1.8io1.198:567−577 (1987)]。ロイシンリッ
チ反復ファミリーのメンバーの特徴は親水性および疎水性タンパク質のいずれの
表面とも相互作用する傾向を持つことである[ロベッら(J、^、 Lopez
) Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 USA 84 :561
5−5619 (19g?)]。この性質はゴナドトロピンレセプターの細胞外
ドメインの機能にとって重要な性質であろう。
両レセプターの細胞外ドメインの比較(図7)は、最高の配列の相違を伴う反復
(反?N12および13)がまた、基礎にるモチーフと比較して最も保存されて
いないことを示している。注目すべきは、この領域はゴナドトロピンレセプター
類および最近特性化されたTSHレセプターの相互間で長さが異なり[バーメン
テイエら(M、 Parmentier) 5cience 246:1620
−1622(1189): リベートら(F、Libert) j3 。
1ocheI++、Biophys、Res、Comm、、 5:1250−1
255 (1989);ナガヤマら(Y、 Nagayama) Bioche
m、Biophys、Res、Como+、 165:1184 (1989)
] 、様々な種の糖タンパク質ホルモンレセプター間で配列が変化している(リ
ベートら、前掲)ことである。これは該領域がホルモンの認識に関与していない
らしいことを示唆するものである。配列の比較はさらに8つの保存されたシステ
ィン残基、その内2個は隣接する、を明らかにした。興味深いことには、これら
の残基の幾つかは13および15の連続したアミノ酸からなるよく保存された領
域に見いだされた。これらシスティンはまた、TSH−Rでも保存されている(
パーメンテイエら、前掲;リベートら、前掲;ナガヤマら、前掲)ので、ジスル
フィド結合の形成は糖タンパク質ホルモンレセプターの細胞外ドメインの立体配
座の完全さに重要と思われる。
7つの膜貫通セグメントにも異なった形の配列保存性が認められる。TMII!
およびTIIIVIIは高度に保存されているがTMIVおよびTIIIVは多
くの置換を有する。しかし、他のGタンパク質結合レセプターと・ の全配列類
似性は低い[マツクファーランドら(K、C,McFarland) 5cie
nce 245:494−499 (29g9)]が、TMII内のアスパラギ
ン醇残基とTMVII内のアスパラギン残基はGタンパク質結合レセプター内で
保存されている2残基であり[マノクファーランドら、前掲;ストレーダら(C
,D、5trader)、 Proc、Natl、Acad、Sci、USA
84:4384−4388 (1987)] 、2つのゴナドトロピンレセプタ
ーにも存在する。TMIV、 VTIIVIおよびTMVII内のプロリン残基
同様、2個のシスティン残基もも多くのG9ンバク質結合レセプター内で第2お
よび第3の細胞外ループ間にジスルフィド架橋を形成すると考えられている。
ゴナドトロピンレセプター内では、TMvおよびTMV lで挟まれた第3の細
胞内ループは短く、全く異なっている。この領域の配列類似性が低いことは他の
Gタンパク質結合レセプターのサブタイプにも見られる[ペラルタら(E、G、
Peralta) EMBOJ、6:3923−3929 (198g)]。こ
れらレセプターの幾つかではTMVおよびTMV Iで囲まれ、かつその1部を
構成する領域はGタンパク質との結合に関与しているらしい[コビルカら(B、
K、 Kobilka) 5cience 240:1310 (198Jl
) ;ディキソン(R,A、f、Dixon) Nature 326:73−
77(1987)]−この細胞内ループのC末端の8アミノ酸配列は両ゴナドト
ロピンレセプターで良(保存されている(ディキソンら、前掲)。G、に結合す
ることが示された同様の配列がβアドレナリン作動性レセプターに見いだされる
(ディキソンら、前掲)。Gタンパク質との相互作用はこのペプチド配列によっ
て形成される両親媒性αヘリックス構造を介して起きるらしい[ストラーダら(
C,D、5trader) EMBOJ、 3:1g25−1832 (198
9)コ。FSHレセプターおよびL H/CGレセプターで保存されている8残
基配列についてヘリックス回転を分析し、α2およびβ2アドレナリン作動性レ
セプターの相同な領域(ストラーダら、前掲)と同様、荷電した側鎖はへワック
スの一側面に存在し、疎水性の鎖は反対側に存在していることが分かった。
/mg) 、hCG (CR−423; 12,780 1U/mg)およびh
TSH(N I DDK−hTSH−1−6; 17 I U/ig)をNID
DK (N、1. H,)のナショナル・ホルモン・アンド・ピツィタリ・プロ
グラム(国立ホルモンおよび脳下垂体プログラム)の好意で入手した。
EcoRI−Bao+H1断片(ヌクレオチド−77から2095)に含まれる
クローン化cDNAの全暗号領域をpcIsベクター[ゴーマンら(C,M、G
orman) Virology、 171:377−385(19g9)Jに
導入して発現ベクターpCFSH−Rを構築した。指数的に増殖するヒト胚腎細
胞293(ATCCCRL1573)を34mmの皿内でこの発現ベクターでト
ランスフェクション(形質転換)した[チェノ(C,Chen)およびオカヤ7
(H,Okayama) Mo1.Ce11.Biol、 7:2745−27
51(1987)]。442時間後無傷の細胞をホルモン誘導cAMP生産につ
いて分析した。合冊を10%0%ラン血清を含有する温DMEM培地31で1回
洗浄し、0.1mM3−イソブチル−1−メチルキサンチンを含有する25mM
HEPES、lH7,4で緩衝化した血清不含DMEM培地1培地1姉l内た
。37℃で15分間インキュベーションした後、高精製度の糖タンパク質ホルモ
ン(oFSH。
hTSHまたはhcc)を加え、37℃で30分間インキュベーションを続けた
。細胞を液体窒素中で急速凍結乾燥および解凍してア、7セイを終了した後、合
冊に冷エタノール1.2a+1を加えた。細胞デブリスおよび沈澱したタンパク
質を遠心除去しく13.OOOxg;10分間)、上清50μlの内5μlをア
マージャム社のキットを用いてcAMPに関して分析した。図9および表3に示
すように、クローン化レセプターを発現する細胞は細胞内cAMPのFSH依存
性および飽和的な増大を示した。形質転換されなかった細胞およびモックトラン
スフェクシゴン(■oak−transfected)された細胞はこの応答を
示さなかった。
表3
F S H−R発現細胞内でのアデニリルシクラーゼ誘導ホルモン(25nM)
cAMP(pmole/10”細胞)なし 9.0
oFSH700,0
表3の説明: pCFSH−R発現構築物を用いて293細胞を1時的に形質転
換し26nMの数個の糖タンパク質ホルモンの存在下でインキュベーシヨンした
。ホルモン刺激30分間の間に蓄積したcAMPはFSH−Rの、その天然のリ
ガンドに対する特異性を反映している。
この応答の172最大誘導を引き起こすのに必要?t F S H濃度(2−3
ng/+1. −80 pM)はhCGとそのレセプターに関して認められた値
に匹敵しくマノクファーランドら、前掲)、十分に、FSHレセプターについて
報告された値[アボウーイノサ(Abou−1ssa)およびレイチャート(L
、E、Re1chert、Jr、) J、Biol、Chem、251:332
6−3337(1976)]の範囲内に収まっている。対照的に、hCGは25
nMという濃度でもFSH−R発現細胞内でのcAMP応答を起こさなかった(
表3)。組換え法で産生されたFSHおよびLHによるデータは無いが、様々な
ゴナドトロピンのレセプター認識は選択的であると結論した。
考察
FSH−RはL H/CG −Rとの構造類似性を示す。L H/CGレセプタ
ーとFSHレセプターは複数のサブユニットからなるという研究もある[レイチ
ャート(L、 E、 Re1chert、 Jr、 )およびダットレイアマー
テ4 (B、Dattatreyamurty) Biology of Re
production、 40:13−26 (1989); シン(J、 5
hin)およびジ(T、H,Ji)、 J、Biol、Chem、、 260:
12822−12827 (1985); スミスら(R,A、Sm1th)、
J、Biol、Ches、、 260:14292−14303 (1985
); シン(J、 5hin)およびジ(T、H,Ji)、 J、Biol、C
et、 261:9850−9853 (1986);シン(J、 5hin)
およびジ(T、H,Ji)、 J、Biol、chem、、 260:1282
8−12831 (1985)、アスコリ(M、 Ascoli)およびセガロ
フ(D、 ’L、 Segalof f)の総論 Endocrine Rev
、、 10:27−44 (1989)]が、L H/CG −Rの生物化学的
研究により、それは、ジスルフィド還元剤の存在下または非存在下でSDSゲル
上で分析したとき分子量92にの単一のポリペプチドであることが分かった[ロ
ゼンブリノトら、Endoceinology、 123:2284−2289
(1989)] 、 L H/ CG −Rは分解されて小サイズのフラグメン
トにされ易い(アスコリおよびセガロフ、前掲の総論参照)ので、FSH−Rも
当然、同様に分解され易いと考えられ、これが、該物質の構造に関する報告の不
一致の原因と思われる。LH/CG−R(マツクファーランドら、前掲)とF
S H−RのcDNAの分子クローニングと機能的な発現は、ゴナドトロピンレ
セプターが正に単一のポリペプチドであることを証明している。
レセプター活性化に特有の機構を反映し、F S H−RおよびLH/CG−H
の両者は、推定の細胞外ドメインの大きいグリコジル化領域であって、7つの膜
貫通セグメントを含有し、Gタンパク質結合レセプターとの相同性を示す領域に
続がるドメインを有することを特徴としてる。同じ構造は、糖タンパク質ホルモ
ンの他のメンバーであるTSH−Rの特徴でもある(パルメンテイエら、前掲、
リベートら、前掲、ナガヤマら、前掲)。他のGタンパク質結合レセプターと比
較すると、この特有の設計は細胞外ドメインが二量体ホルモンの認識および結合
に重要であることを示唆している。
糖9ンパク質ホルモンレセプターの細胞外ドメインの内部反1i造の機能的な意
義はただ憶測にすぎない。反復の両親媒性はホルモンとの相互作用と膜貫通ドメ
インとしての2面性を与えているらしい。そのような相互作用はレセプターの活
性化にとって重要と思われ、その活性化は大多数の他のGタンパク質結合レセプ
ターでは、小さいリガンドが、7つの膜貫通セグメントの特定の部位に結合する
ことで達成されている。進化論的に保存された基本的なレセプター活性化機構を
考慮すると、ゴナドトロピンの選択されたアミノ酸残基側鎖が普通の小リガンド
に置き換った可能性もまったくあり得る。このモデルでは、ホルモンが細胞外ド
メインに結合することによって活性化残基が正しい位置にくる。このモデルの変
形では、細胞外ドメインの残基そのものが、ホルモンと結合することにより膜貫
通セグメントの必須部位に接触する。
G、プロティンの活性化をもたらす糖タンパク質ホルモンと、それぞれのレセプ
ターとの結合のメカニズムを考察する上で重要な因子の1つはこの活性化プロセ
スにおけるホルモンの炭水化物部分の役割である[セイラム(M、R,Sair
am)、 FASEB J、、 3:1915−1926 (19g9);vツ
ノクら(M、M、klatzuk) J、Biol、Chet、 264:24
09−2414 (1989)]。脱グリフシル化糖タンパク質ホルモンは高度
の親和性でそれらのレセプターと結合するが、それらはcAMP産生を殆どまた
は全く活性化しない(マツツクら、前掲)。天然に存在するFSHのグリコジル
化変異体のFSH拮抗作用を説明するために抗ホルモン概念が提示された[ダー
ルら(K、D、Dahl) 5cience、 239ニア2−74(1988
)]。
以上、本発明をその特定の態様について述べたが、さらに改良を加えることが可
能であることが理解されるであろうし、また本出願が総じて本発明の原理に従っ
ており、本発明のあらゆる変化、使用または応用を包含し、本発明の属する技術
分野で知られ、または日常的に実施されるようになる、そして上記のまた後述の
特許請求の範囲に記載の必須要件に適用されるような、本明細書の開示から派生
するものすべてを包含することを意図していることを理解されるであろう。
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oFSH(nM)
国際調査報告
−慴陶*11 AM”cjls” IIs、pσ/υs 90102488国際
調査報告
Claims (59)
- 1.治療有効量のホルモン受容体分子を含有する医薬組成物であって、該ホルモ ン受容体分子がLH/CG受容体、FSH受容体およびTSH受容体からなる群 から選択されるものである医薬組成物。
- 2.該ホルモン受容体分子が該受容体分子の細胞外ドメインを含有している請求 項1の医薬組成物。
- 3.治療有効量のLH/CGホルモン受容体を含有する請求項1の医薬組成物。
- 4.該LH/CGホルモン受容体分子が下記の配列群から選択される少なくとも 1つの配列を含有する請求項2の医薬組成物。 (a)【配列があります】 (b)【配列があります】 (c)【配列があります】 (d)【配列があります】 (e)【配列があります】 (f)【配列があります】 (g)【配列があります】 (h)【配列があります】 (i)【配列があります】 (j)【配列があります】 (k)【配列があります】
- 5.治療有効量のFSHホルモン受容体分子を含有する請求項1の医薬組成物。
- 6.治療有効量のTSHホルモン受容体分子を含有する請求項1の医薬組成物。
- 7.LH/CG受容体、FSH受容体およびTSH受容体からなる群から選択さ れるホルモン受容体分子をコードする遺伝子配列を有する組換えDNA分子。
- 8.該分子が複製可能なベクターである請求項7の組換え分子。
- 9.核酸分子がイントロンを含まないDNAである請求項8のベクター。
- 10.該核酸分子が20%ホルムアミド中、42℃で図1に示すLH/CG受容 体をコードするDNA配列とハイブリダイゼーションし得るものである請求項8 のベクター。
- 11.該核酸分子が20%ホルムアミド中、42℃で図1に示す完全なLH/C G受容体の一部をコードする少なくとも10塩基のDNA配列とハイブリダイゼ ーションし得るものである請求項8のべクター。
- 12.請求項10のベクターを含有する宿主細胞。
- 13.請求項11のベクターを含有する宿主細胞。
- 14.真核性細胞である請求項12の宿主細胞。
- 15.細菌性細胞である請求項12の宿主細胞。
- 16.宿主細胞内に存在するとき、いずれかの該ホルモン受容体分子を発現する 請求項8の組換え分子。
- 17.該宿主細胞が真核性細胞である請求項16の組換え分子。
- 18.該真核性細胞が酵母または哺乳類細胞である請求項17の組換え分子。
- 19.該宿主細胞が原核性細胞である請求項16の組換え分子。
- 20.該原核性細胞が大腸菌細胞である請求項19の組換え分子。
- 21.該遺伝子配列がLH/CGホルモン受容体分子をコードしている請求項7 の組換え分子。
- 22.該LH/CGホルモン受容体分子が下記の配列群から選択される少なくと も1つの配列を含有する請求項21の組換え分子。 (a)【配列があります】 (b)【配列があります】 (c)【配列があります】 (d)【配列があります】 (e)【配列があります】 (f)【配列があります】 (g)【配列があります】 (h)【配列があります】 (i)【配列があります】 (j)【配列があります】 (k)【配列があります】
- 23.該遺伝子配列が20%ホルムアミド中、42℃で、図1に示すLH/CG 受容体をコードするDNA配列とハイブリダイゼーションし得るものである請求 項7の組換え分子。
- 24.該分子が少なくとも10ヌクレオチドを含有する請求項23の組換え分子 。
- 25.該分子が少なくとも20ヌクレオチドを含有する請求項24の組換え分子 。
- 26.該遺伝子配列が20%ホルムアミド中、42℃で、図1に示す完全なLH /CG受容体の1部をコードする少なくとも10塩基のDNA配列とハイブリダ イゼーションし得るものである請求項7の組換え分子。
- 27.該分子が下記の配列群から選択される少なくとも10ヌクレオチドを含有 する請求項9の組換え分子。 (a)【配列があります】 (b)【配列があります】 (c)【配列があります】 (d)【配列があります】 (e)【配列があります】 (f)【配列があります】 (g)【配列があります】 (h)【配列があります】 (i)【配列があります】 (j)【配列があります】 (k)【配列があります】
- 28.該遺伝子配列がFSHホルモン受容体分子をコードしている請求項7の組 換え分子。
- 29.該遺伝子配列がTSHホルモン受容体分子をコードしている請求項7の組 換え分子。
- 30.動物またはヒトの症状を治療する方法であって、LH/CG受容体、FS H受容体およびTSH受容体からなる群から選択されるホルモン受容体分子を治 療有効量含有する医薬組成物の治療有効量を該ヒトに投与することからなる方法 。
- 31.該組成物が生理学的に有効な量のLH/CGホルモン受容体分子を含有し ている請求項30の方法。
- 32.該症状が受精、乳癌、前立腺癌、良性前立腺肥大症、血管運動不安定、骨 粗鬆症、多嚢胞性卵巣症からなる群から選択される請求項31の方法。
- 33.該組成物が生理学的に有効な量のFSHホルモン受容体分子を含有する請 求項30の方法。
- 34.該症状が受精能、乳癌、前立腺癌、血管運動不安定、骨粗鬆症、および多 嚢胞性卵巣症からなる群から選択される請求項33の方法。
- 35.該組成物が生理学的に有効な量のTSHホルモン受容体分子を含有する請 求項30の方法。
- 36.該症状がグレーヴズ病、良性前立腺肥大症、甲状腺機能低下症または甲状 腺症からなる群から選択される請求項35の方法。
- 37.ホルモンを含有すると思われる試料中の該ホルモンを検出する方法であっ て、 (a)該試料を該ホルモンの受容体と共に、該受容体が該試料中に存在するなん らかのホルモンと結合し、検出可能な変化を受けるに十分な条件下でインキュベ ーションし、(b)該受容体がホルモン分子と結合し、かつ該ホルモン分子によ って検出可能な変化を受けたか否かを測定することにより該ホルモンを検出する ことからなり、ここに、該ホルモンは黄体形成ホルモン、コリオゴナドトロピン 、卵胞刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモンからなる群から選択される。
- 38.該ホルモンがCGであり、該ホルモン受容体がLH/CG受容体である請 求項37の方法。
- 39.該ホルモンがLHであり該ホルモン受容体がLH/CG受容体である請求 項37の方法。
- 40.該ホルモンがFSHであり該ホルモン受容体がFSH受容体である請求項 37の方法。
- 41.該ホルモンがTSHであり該ホルモン受容体がTSH受容体である請求項 37の方法。
- 42.ホルモン受容体の製造方法であって、(a)該ホルモン受容体をコードす る遺伝子配列を含有するベクターを構築し、 (b)該ベクターで宿主細胞を形質転換し、(c)該形質転換された細胞を、該 細胞が該遺伝子配列を発現するに十分な条件下で培養し、 (d)該発現されたホルモン受容体を回収することからなり、ここに該ホルモン 受容体はLH/CG受容体、FSH受容体およびTSH受容体からなる群から選 択されるものである。
- 43.該発現されたホルモン受容体が該形質転換された細胞によって該培養培地 に分泌され、該発現されたホルモン受容体が該培養培地から回収される請求項4 2の方法。
- 44.該ホルモン受容体がLH/CG受容体である請求項42の方法。
- 45.該ホルモン受容体がFSH受容体である請求項42の方法。
- 46.該ホルモン受容体がTSH受容体である請求項42の方法。
- 47.該形質転換された細胞が真核性細胞である請求項42の方法。
- 48.該形質転換された細胞が原核性細胞である請求項42の方法。
- 49.実質上、天然の不純物を含有せず、LH/CG受容体、FSH受容体およ びTSH受容体からなる群から選択されるホルモン受容体と結合し得る抗体また はその抗原結合性フラグメント。
- 50.LH、CG、FSHおよびTSHからなる群から選択されるホルモン活性 のアゴニストである請求項49の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
- 51.LH、CG、FSHおよびTSHからなる群から選択されるホルモン活性 のアンタゴニストである請求項49の抗体またはその抗原結合性フラグメント。
- 52.該分子が複製可能なベクターを含有する請求項28の組換え分子。
- 53.該分子がイントロンを含有しないDNAである請求項52のベクター。
- 54.該分子が図6aおよび6bに示したFSH受容体をコードするDNA配列 と、20%ホルムアミド中、42℃でハイブリダイゼーションし得るものである 請求項53のベクター。
- 55.該分子が図6aおよび6bに示したFSH受容体をコードするDNA配列 である請求項54のベクター。
- 56.請求項54のベクターを含有する宿主細胞。
- 57.請求項55のベクターを含有する宿主細胞。
- 58.真核性細胞である請求項56の宿主細胞。
- 59.原核性細胞である請求項56の宿主細胞。
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