JP2002509427A - 新規なヒト・レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質 - Google Patents

新規なヒト・レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質

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JP2002509427A JP50826198A JP50826198A JP2002509427A JP 2002509427 A JP2002509427 A JP 2002509427A JP 50826198 A JP50826198 A JP 50826198A JP 50826198 A JP50826198 A JP 50826198A JP 2002509427 A JP2002509427 A JP 2002509427A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なヒト・レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質(LRGRP)を同定し、コードするポリヌクレオチドを提供する。本発明はまた、発現ベクター、宿主細胞、アゴニスト、及びアンタゴニストを提供する。本発明はまた、代謝障害、結合組織障害、及び生殖障害の治療のための方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規なヒト・レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質技術分野 本発明は、新規なヒト・レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質の核酸及び アミノ酸配列と、エネルギー代謝、生殖、結合組織、及び発達の病気や癌の診断 、予防、及び治療におけるこれらの配列の利用とに関するものである。背景技術 肥満(ob)遺伝子産物のレプチンは、体重の調節のための重要な循環シグナル である(Zhang Y.等.(1994)Nature 372:425-432)。マウスの、非機能性ob遺伝 子に対するホモ接合は、過食及び代謝効率の過剰を原因とする病的な肥満や糖尿 をもたらす。1995年、Tartaglia L.A.等.(Cell 83:1263-1271)は、マウス レプチンに対する高いアフィニティーを有するレセプター(OB-R)について記述 した。そして、レプチンの体重減少効果が、視床下部におけるOB-Rを介したシグ ナル伝達により媒介され得ることを示唆する証拠が得られた(Lee G.H.等.(199 6)Nature 379:632-635)。食欲の減少に加えて、レプチンは、ラットにおける体 脂肪を消失させることが分かった(Chen G.等.(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.93: 14795-14799)。レプチンを発現するアデノウイルスベクターの注射したラット では、同量の食物をとっているがレプチンを発現するベクターを注射していない ラットと比較して体脂肪の減少が見られた。 スプライスバリアントの発現の調節は、シグナル伝達分子の活性において重要 な役割を有し得、且つ幾つかの病気の病因に関係する(Khachigian L.M.等.(199 2)Pathology 24:280-290)。例えば、スルホニル尿素レセプター遺伝子の新たな スプライスバリアントを作り出す突 然変異により、家系性の持続的な高インスリン低血糖が分離される(Thomas P.M .等.(1995)Science 268:426-429)。 少なくとも9つの異なるマウスOB-Rのスプライスされた形態が報告されている (Lee等.,前出)。スプライスバリアントB219は、マウスの卵黄嚢、初期の胎児 の肝臓、高濃度の造血幹細胞、種々のリンパー造血株細胞、及び成人の生殖器官 において発現され、造血及び生殖に直接関与し得る(Cilffi J.A.等.(1996)Nat ure Medicine 2:585-589)。造血におけるレプチンの役割についての更なる証拠 が最近Gainsford T等.,により報告された。それによれば、レプチンはマウスの 腹膜マクロファージによる寄生物の食作用やサイトカイン産生を促進することが 分かった(1996,Proc.Narl.Acad.Sci.93:14564-14568)。生殖におけるレプチン の役割についての別の証拠は、Chehab F.F.等が提示した。その報告によれば、 レプチン処理することにより、ob/ob雌マウスにおける生殖不能が修正される(1 996,Nature Genet.12:318-320)。研究者によれば、レプチンは、体脂肪を低減 させるのでなく、必要な視床下部及び下垂体ホルモンの濃度を回復させることに よって生殖不能を増進する。 最近、レプチンが、マウス及びヒトの双方において思春期の誘導に関与してい ることが分かった。レプチンを定期的に注射した処理済み雌マウスは、出生後3 7日で性的成熟に達したが、処理していないマウスは出生後約40日になって性 的成熟の兆候を示す(Chehab F.等.,(1997)Science 275:88-90)。ヒトにおい ては、思春期の少年においてテストストロン濃度が上昇するのと同時にレプチン の濃度が急激に上昇する(Flier J.,未公開)。 異なるスプライス済み転写物を作り出すOB-Rの突然変異は、重症の肥満症及び db/dbマウス(Chen H.等.(1996)Cell 84:491-495)及びfa/faツッカーラット( Zucker rat)(Chua S.C.等.(1996)Science 271:994-996)の糖尿病の表現型に関与している。ヒト及びマウスの染色体間の シンテニーに基づき、ヒトのOB-Rは、ヒト染色体1p31にマッピングされる(Lee 等.,前出)。 線虫及びサッカロミセスセレビシエにおけるゲノムシークエンシングの努力の 結果、推定上の読み枠(ORF)C30B5.2及びYJR044cのそれぞれが分かった(Wilso n R.等.,(1994)Nature 368:32-38;Huang M.E.等.(1995)Yeast 11:775-781)。Y JR044c及びC30B5.2は、27%のアミノ酸配列同一性及び71%のアミノ酸配列 類似性を有し、類似した疎水性グラフのパターンを共通に示す。YJR044cは、推 定上の膜関連タンパク質として特性化された(Wilson等.Supra)。C30B5.2アミ ノ酸配列は、グリセリンの二級炭素基から脂肪酸を放出させる酵素のファミリー であるホスホリパーゼA2に対するコンセンサスパターン(CCxxHxxC)を有する 。 例えばレプチンレセプターのようなシグナル伝達分子の多くの活性は、その分 子のスプライスバリアントの発現により調節されると考えられている。新たなレ プチンレセプター遺伝子関連タンパク質は、癌や、エネルギー代謝障害、生殖障 害、結合組織の障害及び発達における障害の診断及び治療の基礎を提供し得る。発明の開示 本発明は、新規なヒト・レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質(以下LR GRPと称する)を開示する。このLRGRPは、その核酸コーディング配列の 一部が、ヒト・レプチンレセプターcDNA(GI1139595)の非コーディング領 域と共通である。更に、LRGRPは、線虫ORF C30B5.2(GI 733555)及びサッ カロミセスセレビシエORF YJR044c(GI 1197072)の膜関連タンパク質と相同性 を有する。従って、本発明は、配列番号:1のアミノ酸配列を有する、実質的に 精製された レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質を提供する。本発明はまた、配列番号 :1の22番目のMetから131番目のTrpに至るポリペプチド及び配列番号:1 の他の断片に関するものである。 本発明の一実施例は、LRGRPをコードする単離され、実質的に精製された ポリヌクレオチドを提供する。特定の実施例では、このポリヌクレオチドは配列 番号:2のヌクレオチド配列である。更に、本発明は、配列番号:2における、1 63番目のC乃至874番目のAのヌクレオチドからなる断片に対して厳しい条 件下でハイブリッド形成するポリヌクレオチド配列を提供する。 本発明はまた、LRGRPをコードする核酸配列、オリゴヌクレオチド、ペプ チド核酸(PNA)、その断片、一部分、又はそのアンチセンス分子、及びLR GRPをコードするポリヌクレオチド配列を含む発現ベクター及び宿主細胞に関 連する。本発明はまた、LRGRPに特異的に結合する抗体、実質的に精製され たLRGRP、その断片、アゴニスト、又はこの他LRGRPのアゴニストを、 適切な製薬学的担体と共に含む医薬品組成物、LRGRP、その断片、アゴニス ト、又はLRGRPのアンタゴニストの生成方法に関するものである。本発明は また、LRGRPに対するアンタゴニストを投与することにより癌及び結合組織 の疾患を治療するための方法、及びLRGRPに対するアゴニストを投与するこ とにより代謝、生殖、及び発達の疾患を治療するための方法を提供する。図面の簡単な説明 第1A図、第1B図、及び第1C図は、MacDNAsisソフトウエア(日立ソフト ウエアエンジニアリング社)を用いて作製した、新規なレプチンレセプター遺伝 子関連タンパク質LRGRPのアミノ酸配列(配列番号:1)及び核酸配列(配 列番号:2)を示す図である。 第2図は、LIFESEQTMデータベース(Incyte Pharmaceuticals,Palo Alto CA) を用いて電子的に作製した、インサイト社クローンNo.492703(配列番 号:2)のノーザン解析の結果を示した図である。量のパーセンテージは、ライ ブラリーにおいて見いだされた転写物の数に100を乗じ、その積をライブラリ ーにおける転写物の総数で除すことにより計算される。 第3図は、ヒト・レプチンレセプター遺伝子LRGRPのcDNA、及び線虫 ORF C30B5.2のcDNAの模式図であり、選択されたスプライス部位及びコーデ ィング配列における類似性、及び相違点を強調して示してある。 第4図は、DNAStarソフトウエア(DNAStar Inc,Madison WI)のマルチシーケ ンスアライメントプログラムを用いて作製された、LRGRPのアミノ酸配列( 配列番号:1)、線虫ORF C30B5.2のアミノ酸配列(GI 733555;配列番号:3) 及びサッカロミセスセレビシエORFYJR044cアミノ酸配列(GI 1197072;配列番号 :4)の間のアミノ酸配列アライメントを示した図である。 第5図は、LRGRP(配列番号:1)の疎水性プロットグラフ(MacDNAsis ソフトウエアを用いて作製)を示した図であり、X軸はアミノ酸の位置、Y軸は 負の方向に疎水性のレベルを表している(第5図及び第6図)。 第6図は、線虫ORF C30B5.2のアミノ酸配列(配列番号:3)の疎水性プロッ トグラフを示した図である。 第7図は、ヒトLRGRP及びエキソン/イントロン接合部のヌクレオチド配 列をコードする遺伝子のゲノムの構成を示した図である。 第8図は、LRGRP、OB-R、及びB219転写物をPCRプライマーと共に示し た模式図であり、それらの各アニーリング部位が示され、推 定されるPCR産物の長さが示されている。 第9図は、以下のサンプルが走ったアガロースゲルを示した図であり、そのサ ンプルとは、100bpのDNAラダー及び6つの造血性遺伝子(CAM,Raji,HL6 0,HSB2,Jurkat及びK562)、子宮頚癌(Hela)、と褐色前脂肪細胞、及び脂肪細 胞株細胞からのPCR産物である。このPCR産物のサイズは矢印で示されてい る。発明の実施の形態 定義 本明細書において、「核酸配列」とは、一本鎖若しくは二本鎖の、センス鎖、 又はアンチセンス鎖であるゲノムの若しくは合成起源のDNA若しくはRNAや 、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、又はポリヌクレオチド、及びその断片又 は一部分を意味する。同様に、本明細書において「アミノ酸配列」とは、ペプチ ド若しくはタンパク質配列を意味する。 本明細書において「ペプチド核酸」とは、リジンのようなアミノ酸残基及びア ミノ基が加えられたオリゴマーを含む分子を意味する。これらの小分子は、抗遺 伝子剤とも称され、核酸のこれらの相補的な(鋳型の)鎖に結合することにより 転写物の伸張を停止させる(Nielsen PE等(1993)Anticancer Drug Des 8:53-63 )。 本明細書で用いられるとき、LRGRPとは、任意の種、特にウシ、ヒツジ、 ブタ、マウス、ウマ、及び好ましくはヒトを含む哺乳類に由来する、天然の、合 成の、半合成の、又は組換え体を起源とする実質的に精製されたLRGRPのア ミノ酸配列を意味する。 LRGRPの「変異体」は、1又は2箇所以上のアミノ酸の「置換」により異 なるものとなったアミノ酸配列を有し得るものである。この変異体は「保存的」 変化を含むものであり得、この保存的変化においては 例えばロイシンをイソロイシンで置き換える場合のように置換されるアミノ酸が 類似な構造的及び化学的特性を有する。稀に、変異体が「非保存的」に変化する 場合もあり、この非保存的変化では例えばグリシンがトリプトファンで置換され る。類似した小変化には、アミノ酸の欠失、挿入、若しくはその両方も含まれ得 る。例えばDNAStarソフトウエアのような従来より周知のコンピュータプログラ ムを用いて、生物学的或いは免疫学的活性を損なわずに、置換、挿入、又は除去 できるアミノ酸及びそのアミノ酸の数を決定することができる。 用語「生物学的に活性」とは、自然発生のLRGRPの構造的機能、調節機能 、又は生化学的機能を有するLRGRPを意味する。同様に「免疫学的活性」と は、天然の、組換えの、又は合成のLRGRP、若しくはその任意のオリゴペプ チドが適当な動物や細胞における特定の免疫応答を誘発し、特定の抗体に結合す る能力として定義される。 本明細書において、「誘導体」なる用語は、化学的に修飾されたLRGRPを コードする核酸、又はコードされたLRGRPを意味する。このような修飾の例 には、水素からアルキル基、アシル基、又はアミノ基への置換がある。核酸誘導 体は、天然LRGRPの必須の生物学的特性を保持しているポリペプチドをコー ドする。 本明細書において、用語「アゴニスト」とは、LRGRPに結合したとき、L RGRPの活性を変調し、LRGRPに変化をもたらす分子を指す。アゴニスト には、LRGRPに結合するタンパク質、核酸、炭水化物、又は任意の他の分子 が含まれ得る。 本明細書において、用語「アンタゴニスト」又は「インヒビター」とは、LR GRPに結合したとき、LRGRPの生物学的又は免疫学的活性を遮断又は変調 する分子を指す。アンタゴニスト及びインヒビターには、LRGRPに結合する タンパク質、核酸、炭水化物、又は任意の他 の分子が含まれ得る。 本明細書において、「実質的に精製」なる用語は、この天然の環境から取り除 かれ、天然にはそれが結合して存在する少なくとも1つの他の成分から単離又は 分離されて、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは 少なくとも90%遊離した核酸配列又はアミノ酸配列を有する分子を意味する。 「厳格性(stringency)」とは、典型的には、約Tm−5℃(プローブのTm より5℃下)からTmの約20〜25℃下の範囲で発生する。当業者には理解で きるように、厳格性のあるハイブリダイゼーションでは、同一のポリヌクレオチ ド配列を同定、つまり検出したり、或いは類似の、すなわち近縁なポリヌクレオ チド配列を同定、つまり検出するために用いることができる。 本明細書において、用語「ハイブリダイゼーション(ハイブリッド形成)」は「 核酸の鎖が塩基対合を介して相補鎖と結合する過程」(CoombsJ(1994)Dictiona ry of Biotechnology ,Stockton Press社,New York)を含む概念である。増幅と は、核酸配列の複製を作り出すこととして定義され、通常周知のポリメラーゼ連 鎖反応(PCR)法により実行される(Dieffenbach CW and GS Dveksler(1995) ,PCR Primer a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press社,New york)。 本明細書において「欠失」とは、1または2以上のヌクレオチド若しくはアミ ノ酸残基が欠ける、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における変化として定 義される。 本明細書において「挿入」或いは「付加」とは、自然発生のLRGRPと比較 して、結果的に1または2以上のヌクレオチド或いはアミノ酸残基の加わるよう なヌクレオチド配列或いはアミノ酸配列の変化を指す。 本明細書において「置換」とは、1または2以上のヌクレオチド或い はアミノ酸を異なるヌクレオチド或いはアミノ酸に置換することによって生ずる 変化を指す。 説明 本発明は、新規なヒト・レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質(LRGR P)の発見、LRGRPをコードするポリヌクレオチド、及び癌や代謝障害、生 殖障害、結合組織障害、及び発達障害の診断、予防、又は治療のためのこれらの 組成物の利用にその基礎をおいている。 本発明のヒトLRGRPをコードする核酸は、hNT2株細胞cDNAライブラリ ー(HNT2NOT01)から、アミノ酸配列アライメントのコンピュータ検索によって 、インサイト社クローンNo.492703として初めに同定された。コンセン サス配列(配列番号:2)は、インサイトの核酸配列の延長から得られた。 LRGRPの一部をコードするcDNAは、第2図に示す組織及び株細胞に由 来するcDNAライブラリーにおいて見いだされた。LRGRPに対して一義的 なcDNAの一部分は、心臓、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、膵臓、及び脳組 織において見いだされた。また、PCR解析によって、LRGRPを特異的にコ ードするcDNA群及びレプチンレセプターを特異的にコードするcDNA群が 、分化の前及び後の双方におけるヒト前脂肪細胞の株細胞、及び6つの造血性細 胞の株細胞、及び子宮頚癌細胞の株細胞において見いだされた(第8図及び第9 図参照)。LRGRPの自然発生の発現は、それらの細胞及び組織の型に限定さ れる必要はない。 本発明はまた、LRGRP変異体をその範囲に含む。好適なLRGRP変異体 は、LRGRPアミノ酸配列(配列番号:1)と、少なくとも80%のアミノ酸 配列類似性を有するものであり、より好適なLRGRP変異体は配列番号:1と 少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有 するものであり、最も好適なLRGRP変異体は、配列番号:1、少なくとも9 5%のアミノ酸配列同一性を有するものである。 本発明のヒト・レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質をコードする核酸は 、核酸配列アライメントのコンピュータ検索によってインサイト社クローンNo .492703のcDNA(配列番号:2)として初めに同定された。この配列 番号:2の核酸配列は、配列番号:1のLRGRPアミノ酸配列をコードしてお り、ヒト・レプチンレセプターcDNAの非コーディング領域と共通ないくつか のエクソンを有している(Tartaglia等,前出;第3図)。配列番号:2のG1乃 至G162のヌクレオチドは、ヒト・レプチンレセプターcDNAの非コーディン グ領域におけるG12乃至G173のヌクレオチドと同一である(GI 1139595;Tartag lia等,前出)。LRGRPのコーディング配列は独特のものである。LRGR Pにおける推定上のスプライス部位における核酸、ヒト・レプチンレセプターと 同一の領域の3'末端は、関連遺伝子線虫ORF C30B5.2(GI 733555;Wilson等,前 出;第3図)に対する推定上のスプライス部位でコードされたものと完全に同一 のアミノ酸群をコードする。ラットのレプチンレセプターcDNA(GI 1335914 )の非コーディング領域におけるエキソンは、ヒト・レプチンレセプターの非コ ーディング配列と一致するLRGRPコーディング配列の一部と高度の相同性を 有する。LRGRP遺伝子は、レプチンレセプターと同じ部位、ヒト染色体の1p 31にマッピングされる。LRGRPをコードする遺伝子のゲノムの構成、及びエ キソン/イントロン接合部の配列は第7図に示されている。 本発明の或る実施例では、LRGRP mRNAの翻訳が、配列番号:2のA71 の位置で始まるATGから開始される。別の実施例では、LRGRPのmRNA の翻訳が、A134で始まる後続のフレーム内ATGから 開始される。本発明は、LRGRPと、線虫ORF C30B5.2(GI 733555)と、サッカ ロミセスセレビシエORF YJR044c(GI 1197072;Huang等,前出;第4図)との間の 化学的及び構造的相同性に部分的に基礎をおいている。LRGRPは、線虫ORF C30B5.2のアミノ酸配列に対して45%の同一性及び77%の類似性を有してい る。またLRGRPは、サッカロミセスセレビシエORF YJR044cのアミノ酸配列 に対して32%の同一性及び64%の類似性を有している。LRGRP、線虫OR F C30B5.2の疎水性プロット(第5図及び第6図に示す)は、それらがLRGR Pの立体配置及び膜局在化を共通に有していることを示唆している。この新規な LRGRPは、131個のアミノ酸からなる長さを有し、推定上のグリコシル化 部位を有していない。 LRGRPコーディング配列 LRGRPの核酸及び推定アミノ酸配列は第1A図、第1B図、及び第1C図 に示されている。本発明によれば、LRGRPのアミノ酸配列をコードする任意 の核酸配列を用いて、LRGRPを発現する組換え体分子を作り出すことができ る。ここに開示する特定の実施例では、LRGRPの一部分をコードする核酸配 列は、hNT2細胞cDNAライブラリー(HNT2NOT01)からインサイト社クローン No.492703として初めに単離されたものである。 遺伝暗号の縮重の結果、既知の又は自然発生の遺伝子のヌクレオチド配列に対 して最小限の相同性しか有していないものも含まれる多数のLRGRPコード化 ヌクレオチド配列が作り出され得る、ということは当業者には明らかであろう。 本発明は、特に、可能なコドン選択に基づく組み合わせの選択によりなされ得る 全ての可能な核酸配列の変化をその範囲に含んでいる。それらの組み合わせは、 自然発生のLRGRPのヌクレオチド配列に当てはまる標準的なトリプレット遺 伝暗号に基づいて 作り出されるものであり、このような全ての変異は、ここに具体的に示されたも のと考えられたい。 LRGRP及びその変異体をコードするヌクレオチド配列は適切に選択された 厳格性の条件の下で、自然発生配列のヌクレオチド配列とハイブリッド形成可能 なものであるのが好ましいが、概ね異なるコドン使用を有するLRGRP又はそ の変異体をコードするヌクレオチド配列を作り出すことは有益であり得る。コド ン選択は、特定のコドンが宿主によって使用される頻度に従って、特定の原核細 胞の、或いは真核細胞の発現宿主においてペプチドが発現する速度を高めるよう に選択され得る。LRGRP及びその誘導体をコードするヌクレオチド配列を、 コードされるアミノ酸配列を変更することなく実質的に変更する理由は、例えば 天然配列から作り出される転写物よりより長い半減期のようなより望ましい特性 を有するRNA転写物の産生のためである。 現在では、LRGRP又はその誘導体をコードするDNA配列、若しくはその 一部分を、完全に合成ケミストリにより作製して、その後、その合成遺伝子を任 意の入手可能なDNAベクター及び株細胞に、この出願時点において周知の試薬 を用いて挿入することができる。更に、合成ケミストリを用いてLRGRPをコ ードする配列又はその任意の部分に突然変異を誘発させることができる。 また本発明の範囲に含まれるものとして、種々の厳格性の条件の下で、第1A 図、第1B図、及び第1C図のヌクレオチド配列とハイブリッド形成可能なポリ ヌクレオチド配列がある。ハイブリダイゼーション条件は、Berger及びKimmel(1 987,Guide to Molecular Cloning Technioues.Metods in Enzymology,Vol 152,A cademic Press,San Diego CA)に記載されているように、核酸結合複合体または プローブの融点(Tm)に基づいており、定義された「厳格性」で用いられる基 準を与える。上 記文献は本明細書と一体に引用されたものである。 本発明において用いられ得るLRGRPをコードする変異核酸配列は、異なる ヌクレオチド残基の欠失、挿入並びに置換を含み、結果的に同一の、または機能 的に等価のLRGRPポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとなるもので ある。そのタンパク質も、サイレント変化を生ずるアミノ酸残基の欠失、挿入並 びに置換を含み、結果的に機能的に等価なLRGRPとなる。慎重なアミノ酸置 換は、LRGRPの生物学的活性が保持される限りにおいて、残基の極性、電荷 、溶解度、疎水性、親水性並びにまた両親媒性についての類似性に基づいてなさ れ得る。例えば負に荷電したアミノ酸にはアスパラギン酸及びグルタミン酸が含 まれ、正に荷電したアミノ酸にはリジン及びアルギニンが含まれ、同じ親水値を 持つ荷電していない極性頭基を有するアミノ酸には、ロイシン、イソロイシン、 バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン 、フェニルアラニン並びにチロシンが含まれる。 本発明の範囲に含まれるものとして、LRGRPのアレルがある。ここで用い る「アレル」或いは「アレル配列」とは、LRGRPの別形態である。アレルは 変異、すなわち核酸配列の変化によって生じ、一般に変化したmRNA或いはポ リペプチドを生成するが、そのmRNA或いはポリペプチドの構造或いは機能は 変更される場合もあれば、されない場合もある。遺伝子によっては、アレル形態 が存在しないもの、1つ存在するもの、或いは多数存在するものがある。アレル を生じる変異は一般に、アミノ酸の自然な欠失、付加並びに置換に起因する。こ のタイプの変化はそれぞれ単独で、或いは他の遺伝子の組み合わせて、与えられ た配列内の1又は2箇所以上の部位で生じ得る。 DNA配列決定のための方法は周知であり、例えばDNAポリメラーゼI,Se quenase(商標)のクラノウフラグメント(US Biochemical 社,Cleveland OH)、Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer社,Norwalk CT)、熱安 定性T7ポリメラーゼ(Amersham社,Chicago IL)、或いはGibco BRL(Gaithers burg MD)Methods社から市販されているELONGASE増幅システムのような組換えポ リメラーゼとプルーフリーディングエキソヌクレアーゼとの組み合わせのような 酵素を使用する。好ましくは、この処理は、Hamilton Micro Lab2200(Hamilton 社,Reno NV)、Peltier Thermal Cycler(PTC200;MJ Reserch社,Watertown MA )並びにABI377DNAシーケンサ(Perkin Elmer社)のような装置を用いて自動化 される。 ポリヌクレオチド配列の延長 LRGRPをコードするポリヌクレオチド配列は、部分的なヌクレオチド配列 と、プロモータ及び調節エレメントのような上流配列を検出するための当業者に は周知の様々な方法とを用いて延長することができる。Gobinda等(1993;PCR Me thods Applic 2:318-22)は既知の部位に隣接する未知の配列を検索するために 汎用プライマーを用いる直接的な方法として「制限部位」ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)法を開示している。ここでは、まずゲノムDNAが、既知の領域に対 して特異的なプライマー及びリンカー配列に対するプライマーの存在下で増幅さ れる。増幅された配列は、その同じリンカープライマー及び最初のプライマーの 内部に含まれる別の特異的プライマーを用いてPCRの2巡目にかけられる。P CRの各回の生成物は、適切なRNAポリメラーゼを用いて転写され、逆転写酵 素を用いて配列決定される。 逆PCR法を用いて、既知領域に基づく多様なプライマーを利用した配列の増 幅、または延長を行うことができる(Triglia等(1988)Nucleic Acids Res 16:818 6)。プライマーは、OLIGO(登録商標)4.06(National Biosciences社,Plymouth MN )或いは別の適切なプログラムを用いて 設計され、長さが20〜30ヌクレオチドで、50%以上のGC含有率を有し、 かつ約68〜72℃の温度で標的配列にアニールする。この方法ではいくつかの 制限酵素を用いて、遺伝子の既知領域の適当なフラグメントを生成する。次いで このフラグメントは分子内ライゲーションにより環状にされ、PCR用の鋳型と して使用される。 キャプチャPCR法(Lagerstrom M等(1991)PCR Methods Applic 1:111-19 )は、ヒト及び酵母菌人工染色体(YAC)DNA内の既知の配列に隣接するD NAフラグメントのPCR増幅を行うための方法である。またキャプチャPCR では、多重制限酵素消化及びライゲーションによってPCR前にDNA分子の未 知の部分に、組換え二本鎖配列を配置する必要がある。 未知の配列を検索するために用いることができる別の方法は、Parker JD等の 方法(1991;Nucleic Acids Res 19:3055-60)である。また、PCR法、入れ子 プライマー並びにPromoterFinderのライブラリーを用いて、ゲノムDNA内を歩 行させることができる(PromoterFinderTMClontech社(Palo Alto CA))。この過 程は、ライブラリーをスクリーニングする必要がなく、イントロン/エクソン接 合部を探し出すのに有用である。完全長cDNAをスクリーニングするための好 適なライブラリーは、サイズ選択された、より大きなcDNAを含むライブラリ ーである。またランダムプライマーを与えた(rondom primed)ライブラリーは 、遺伝子の5’及び上流領域を含むより多くの配列を含むという点で好適である 。ランダムプライマーを与えられたライブラリーは、オリゴd(T)ライブラリ ーが完全長cDNAを生成しない場合、特に有用である。またゲノムライブラリ ーは、プロモータ結合領域の5’まで延長するために有用である。 サイズを分析したり、或いは配列決定やPCR処理の産物のヌクレオ チド配列を確認するための新しい方法はキャピラリー電気泳動法である。迅速な 配列決定のためのシステムは、Perkin elmer社、Beckman Instruments社(Fulle rton CA)並びに他の企業から入手できる。キャピラリー電気泳動法では、電気 泳動分離のための流動性ポリマー、レーザで活性化される4つの異なる蛍光色素 (各ヌクレオチドに対して1つ)を使用し、CCDカメラにより放射線の波長の検 出を行う。出力/光強度は適切なソフトウエア(例えばPerkin elmer社製のGeno typer(登録商標)及びSequence Navigator(登録商標))を用いて電気信号に 変換され、サンプルの負荷からコンピュータ解析及び電子データ表示までの全過 程がコンピュータ制御される。キャピラリー電気泳動法は特定のサンプルの限定 された量の中に存在するDNAの小片の配列決定に特に適している。この方法に より30分間でM13ファージDNAの350bpを再現可能な形で配列決定で きたことが報告されている(Ruiz-Martinez MC等(1993)Anal Chem 65:2851-8 )。 ヌクレオチド配列の発現 本発明に従って、LRGRP、そのポリペプチドの断片、融合タンパク質或い はその機能的等価物をコードするポリヌクレオチド配列を、適切な宿主細胞内で のLRGRPの発現を誘導する組換えDNA分子を生成するために用いることが できる。遺伝暗号固有の縮重のために、概ね同一か或いは機能的に等価なアミノ 酸配列をコードする他のDNA配列も、LRGRPのクローニングや発現のため に用いることができる。当業者には理解できるように、非自然発生コドンを有す るLRGRPコード化ヌクレオチド配列を生成することは有益であり得る。特定 の原核細胞或いは真核細胞の宿主において好適なコドン(Murray E等(1989);N ucleic Acids Res 17:477-508)を選択して、例えば、LRGRP発現率を増大 させたり、或いは自然発生配列から生成された転写産 物より長い半減期のような望ましい特性を有する組換えRNA転写産物を生成す ることができる。 本発明のヌクレオチド配列は、様々な目的でLRGRPコード配列を変更する ために組換えられ得るが、このような変更には、限定はしないが遺伝子生成物の クローニング、プロセシング並びにまた発現を修飾するための変更が含まれる。 例えば、特定部位突然変異誘発のような当業者には周知の技術を用いて突然変異 を誘発させることによって、新しい制限部位の挿入、グリコシル化パターンの変 更、コドン選好の変化等をもたらすことができる。 本発明の別の実施例では、天然LRGRPコーディング配列、修飾LRGRP コーディング配列或いは組換えLRGRPコーディング配列を異種の配列に結合 して、融合タンパタ質をコードする配列にする。例えば、LRGRP活性のイン ヒビターを選別すべくペプチドライブラリーをスクリーニングするために、市販 の抗体により認識される異種のペプチドを発現するキメラLRGRPタンパク質 をコード化することが役立ち得る。融合タンパク質はLRGRP配列と異種のタ ンパク質配列との間の位置に切断部位を包含するように設計することもでき、こ れによってLRGRPを切断して、異種の部分から分けて実質的に精製すること が可能となる。 本発明の別の実施例では、LRGRPコーディング配列は、当業者によく知ら れた化学的方法(Caruthers等(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 7:215-223、Crea,H orn(1980)Nuc Acids Res 9:2331、Matteucci,Caruthers(1980)Tetrahedron Lett 21:719、Chow,Kempe(1981)Nuc Acids Res 9:2807-2817参照)を用いて、 全体的に、或いは部分的に合成することができる。別法では、LRGRPアミノ 酸配列を、全体的に或いは部分的に合成する化学的方法を用いてタンパク質自体 を生成 することができる。例えば、種々の固相技術(Roberge JY等(1995)Science 269: 202-204)でペプチド合成を行うことができ、合成の自動化は、例えばABI431Aペ プチドシンセサイザ(Perkin Elmer)を製造者の指示に従って用いることにより 達成することができる。 この新たに合成されたペプチドは、分離用高速液体クロマトグラフィにより精 製することができる(例えばCreighton(1983)Proteins,Structure and Molecu lar Principles,WH Freeman and Co,New York参照)。合成されたペプチドの組 成は、アミノ酸解析或いは配列決定処理により確認することができる(例えばth e Edman degradation procedure;Creighton,上述)。さらにLRGRPのアミ ノ酸配列、或いはその任意の部分を、その直接の合成の際に改変したり、また他 の細胞内メディエータ或いはその任意の部分に由来する配列と化学的方法を用い て結合して、変異体ポリペプチドを生成することができる。 発現系 生物学的に活性のLRGRPを発現するために、LRGRPコーディングヌク レオチド配列或いは機能的等価物は、適切な発現ベクター、すなわち挿入された コード化配列の転写及び翻訳に必要不可欠な要素を含むベクターに挿入される。 LRGRPコーディング配列及び適切な転写や翻訳の制御エレメントを含む発 現ベクターを構成するために当業者に周知の方法が用いられる。これらの方法に は、in vitro組換えDNA技術、合成技術、並びにin vivo組換え、即ち遺伝子 組換え技術が含まれる。このような技術は、Sambrook等(1989)Molecular Clon ing A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Press,Planview NY及びAusubel FM等Current Protocol in Molecular Biology,John Wilky & Sons,New Yorkに記 載されている。 種々の発現ベクター/宿主系を、LRGRPコード化配列を保持し、かつ発現 するために利用することができる。このようなものには、限定はされないが、組 換えバクテリオファージ、プラスミド或いはコスミドDNA発現ベクターで形質 転換した細菌、酵母菌発現ベクターで形質転換した酵母菌、ウイルス発現ベクタ ー(例えばバキュロウイルス)を感染させた昆虫細胞系、ウイルス発現ベクター (例えばカリフラワーモザイクウイルスCaMV、タバコモザイクウイルスTMV)を トランスフェクトした、或いはバクテリア発現ベクター(例えばTi、或いはpBR3 22プラスミド)で形質転換した植物細胞系、或いは動物細胞系が含まれる。 これらの系の「制御エレメント」或いは「調節配列」は、その力及び特異性は 様々で、ベクターの非翻訳領域、エンハンサー、プロモータ及び3′非翻訳領域 であり、これらは転写及び翻訳を実行するために宿主細胞のタンパク質と相互作 用する。利用されるベクター及び宿主に応じて、構成的及び誘導性プロモータを 含む任意の数の適切な転写及び翻訳エレメントが用いられ得る。例えば、バクテ リア系においてクローニングする際には、Bluescript(登録商標)ファージミド (Stratagene社,LaJolla CA)のハイブリッドlacZプロモータ及びptrp-lacハイ ブリッド並びに同様の誘導性プロモータが用いられる。バキュロウイルスポリヘ ドリンプロモータは昆虫細胞において用いられる。植物細胞のゲノム(例えば熱 ショック,RUBISCO及びストレージタンパク質遺伝子)に由来する、或いは植物ウ イルス(例えばウイルス性プロモータ或いはリーダー配列)に由来するプロモー タ或いはエンハンサはベクターにクローン化され得る。哺乳動物細胞では、哺乳 動物遺伝子或いは哺乳動物ウイルス由来のプロモータが最適である。LRGRP の多数の複製を含む株細胞を生成する必要がある場合には、SV40或いはEBVに基 づくベクターを、適切な選択マーカーと共に用いる。 細菌系では、LRGRPの発現の用途に応じて多数の発現ベクターが選択され 得る。例えば抗体を誘発するために大量のLRGRPが必要とされる場合は、容 易に精製される融合タンパク質を高濃度で発現できるベクターが望まれる。その ようなベクターには、限定はしないが、大腸菌クローニングベクター及び発現ベ クターBluescript(Stratagene社)(このベクターでは、LRGRPコード化配 列が、アミノ基末端メチオニン及び後続のβ−ガラクトシダーゼの7残基の配列 を備えたフレーム内においてベクターに結合されてハイブリッドタンパク質が生 成される)や、pINベクター(Van Heeke&Schuster(1989)J Biol Chem 264:550 3-5509)等が含まれる。またpGEXベクター(Promage社、Madison WI)も、グル タチオンS−トランスファーゼ(GST)を有する融合タンパク質として異種ポリペ プチドを発現するため用いられる。一般に、そのような融合タンパク質は可溶性 であり、グルタチオンアガロースビーズへの吸着に続き、遊離グルタチオンの存 在下における溶出により溶解した細胞から容易に精製できる。その系において生 成されたタンパク質はヘパリン、トロンビン或いはXA因子プロテアーゼ切断部 位を含むように設計され、対象となるクローン化ポリペプチドは随意にGST部分 から放出され得る。 酵母菌、サッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)では、α因 子、アルコールオキシダーゼ及びPGHのような構成的或いは誘導性プロモータを 含む多数のベクターが用いられる。再検討する場合には、Ausubel等(前出)及 びGrant等(1987)Methods Enzymol 153:516-544を参照されたい。 植物発現ベクターを用いる場合には、LRGRPをコードする配列の発現は、 多数の任意のプロモータにより促進される。例えばCaMVの35S及び19Sプロモータ (Brisson等(1984)Nature 310:511-514)の ようなウイルス性プロモータは、単独で、或いはTMV(Takamatsu等(1987)EMBO J6:307-311)からのオメガーリーダー配列と共に用いられる。別法では、RUBIS CO(Coruzzi等(1984)EMBO J3:1671-1680)、Broglie等(1984)Science 224:838-8 43)の小サブユニット、或いは熱ショックプロモータ(Winter J及びSinibaldi R M(1991)Results Probl Cell Differ 17:85-105)のような植物プロモータが用い られる。これらの構成は直接DNA形質転換或いは病原体媒介トランスフェクシ ョンにより植物細胞内に導入される。そのような技術を再検討する場合には、Ho bbs S及びMurry LE、McGraw Hill Yearbook of Sience and Technology(1992) McGraw Hill NY,pp191-196及びWeissbach and Weissbach(1988)Methods for P lant Molecular Biology ,Academic Press NY,pp421-463を参照されたい。 LRGRPを発現するために用いることができる別の発現系は昆虫系である。 そのような系の一つでは、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV) がベクターとして用いられ、Spodoptera frugiperda細胞或いはTrichoplusiaの 幼虫において外来遺伝子を発現する。LRGRPコード化配列は、ポリヘドリン 遺伝子のような、ウイルスの非必須領域にクローニングされ、ポリヘドリンプロ モータの制御下に置かれる。LRGRPの挿入が成功した場合には、ポリヘドリ ン遺伝子が不活性にされ、コートタンパク質膜が欠如した変異体ウイルスが生成 される。次いで、この変異体ウイルスは、S.frugiperda細胞或いはTrichoplusia の幼虫への感染させるために用いられ、その中でLRGRPが発現される(Smit h等(1983)J Virol 46:584、Engelhard EK等(1994)Proc Nat Acad Sci 91:32 24-7)。 哺乳類宿主細胞では、多数のウイルス性発現系を利用することができる。発現 ベクターとしてアデノウイルスが用いられる場合には、LRG RPのコード化配列は、後期プロモータ及び三連リーダ配列からなるアデノウイ ルス転写物/翻訳物複合体内に結合される。ウイルス性ゲノムの非必須領域への 挿入により、感染した宿主細胞でLRGRPを発現することができる生存可能な ウイルスになる(Logan及びShenk(1984)Proc Nat Acad Sci 81:3655-3659)。 さらにラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサのような転写エンハンサを哺乳類 宿主細胞内の発現を増加させるために用いることができる。 また、LRGRP配列の効率的な翻訳のためには、特定の開始シグナルも必要 である。これらのシグナルには、ATG開始コドン及び隣接の配列が含まれる。L RGRP及びその開始コドン及び上流配列が適切な発現ベクター内に挿入される 場合には、追加の翻訳制御シグナルは不要である。しかしながらコード化配列、 或いはその一部のみが挿入される場合には、ATG開始コドンを含む外来の翻訳制 御シグナルが与えられなければならない。さらに、開始コドンは正しい読み枠内 にある必要があり、全インサートの転写を確実に行わなければならない。外来転 写エレメント及び開始コドンは、自然及び合成両方の様々な起源に由来するもの であり得る。発現の効果は、その細胞系に適切なエンハンサを含めることにより 強化される(Scharf等(1994)Results Probl Cell Differ 20:125-62、Bitter等( 1987)Methods Enzymol 153:516-544)。 さらに宿主細胞株は、挿入された配列を望ましい形に改変したり、発現したタ ンパク質のプロセシングを行う能力で選択され得る。このようなポリペプチドの 修飾は、限定はしないが、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸 化、脂質化(lipidation)並びにアシル化を含む。またタンパク質の「プレプロ 」形態を切り離す、翻訳後プロセシングは、正しい挿入、折り畳み、並びにまた 機能の発揮のために重要である。CHO,HeLa,MDCK,293,WI38等のような異なる宿主 細胞は、そ のような翻訳後活性のための特定の細胞機構及び特徴的な機構を有しており、導 入される外来タンパク質の修飾やプロセシングを確実に実行するべく選択される 。 長期間にわたって高収率の変異体タンパタ質の生産を確保するためには、安定 した発現が望ましい。例えばLRGRPを安定的に発現する株細胞は、ウイルス 由来の複製物、或いは内在性発現エレメント及び選択マーカー遺伝子を含む発現 ベクターを用いて形質転換される。ベクターの導入に続いて、細胞は、選択培地 に切り替えられる前に、濃縮培地内で1〜2日間成長させられる。選択マーカー は選択物への耐性を与え、導入された配列をDNA内に安定的に結合する細胞を 同定できるようにする。安定的に形質転換された細胞の耐性凝集塊はその細胞型 に適切な組織培養技術を用いて増殖することができる。 形質転換された株細胞を回収するために任意の数の選択系を用いることができ る。限定はしないが、選択系は単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler 等(1977)Cell 11:223-32)及びアデニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ (Lowy等(1980)Cell 22:817-23)遺伝子を含み、それぞれtk-及びaprt-細胞に おいて用いられる。また代謝拮抗物質、抗生物質或いは除草剤への耐性を選択の 基礎として用いることができる。例えばdhfrはメトトレキセートに対する耐性を 与え(Wigler等(1980)Natl Acad Sci 77:3567)、nptはアミノグリコシッド剤、 ネオマイシン及びG-418に対する耐性を与え(Colberre-Garapin等(1981)J Mol Biol 150:1)、als或いはpatはクロルスルフロン(chlorsulfuron)、フォスフィ ノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(phosphinotricin acetyltransferase )に対する耐性を与える(上記Murry)。さらに選択可能な遺伝子として、例え ば細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利用できるようにするtrpB、細 胞がヒスチジンの代わりにヒスチノ ール(histinol)を利用できるようにするhisDが記載されている(Hartman及びM ulligan(1988)Proc Nalt Acad Sci 85:8047)。最近になって、形質転換体を 同定するためばかりではなく、特定ベクター系による一過性の或いは安定なタン パク質発現の量を定量するために広く用いられるβ−グルクロニダーゼ、アント シアニン及びルシフェリンのような標識による可視標識が非常によく用いられる ようになった(Rhodes CA等(1995)Methods Mol Biol 55:121-131)。 本発明のポリヌクレオチド配列を含む形質転換体の同定 マーカー遺伝子発現の存在/不存在は、対象の遺伝子も存在することを示唆す るが、その存在及び発現は確認されるべきである。例えばLRGRPがマーカー 遺伝子配列内に挿入されるなら、LRGRPを含む組換え細胞がマーカー遺伝子 の機能の存在により同定できる。別法ではマーカー遺伝子は、単一プロモータの 制御下でLRGRP配列と直列に配置することができる。誘導または選択に応じ てのマーカー遺伝子の発現は、通常さらにLRGRPの発現をも示す。 この他、LRGRPのコーディング配列を含み、さらにLRGRPを発現する 宿主細胞が、当業者には周知の様々な手順により同定できる。これらの手順は、 限定はしないが、DNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼーション 及び、核酸及びタンパク質の検出並びにまた定量するための膜、溶液或いは破片 ベースの技術を含むタンパク質バイオアッセイ或いはイムノアッセイを含む。 LRGRPポリヌクレオチド配列の存在は、LRGRPのプローブ、一部、或 いはフラグメントを用いるDNA−DNA或いはDNA−RNAハイブリダイゼ ーション或いは、増幅により検出することができる。核酸増幅に基づくアッセイ では、LRGRP配列に基づくオリゴヌクレオチド或いはオリゴマーを使用し、 LRGRPのDNA或いはRNAを 含む形質転換体を検出する。本明細書において「オリゴヌクレオチド」或いは「 オリゴマー」とは、プローブ或いは、PCRで増幅されるセグメントであるアン プリマーとして用いることができる、少なくとも10ヌクレオチド、多い場合に は60ヌクレオチド、好適には15〜30ヌクレオチド、より好適には20〜2 5ヌタレオチドの核酸配列を指す。目的のタンパク質に特異的なポリクローナル 抗体及びモノクローナル抗体のいずれかを用いてLRGRPポリペプチドの発現 を検出し、測定するための種々のプロトコルが当業者には周知である。このよう なプロトコルの例としては、酵素結合免疫検定法(ELISA)、ラジオイムノ アッセイ(RIA)及び蛍光表示式細胞分取器法(FACS)を含む。LRGR Pポリペプチド上で2つの非干渉なエピトープに対して反応するモノクローナル 抗体を利用する二部位モノクローナルベースイムノアッセイ(two-site,monoclo nal-based immunoassay)は好適ではあるが、競合的結合アッセイも用いられる 。これらアッセイの並びに他のアッセイは、Hampton R等(1990,Serologivcal Me thods,a Laboratory Manual,APS Press,St Paul MN)及びMaddox DE等(1983,IExp Med 158:1211)等に記載されている。 さらに多くの標識及び結合技術は当業者には周知であり、種々の核酸及びアミ ノ酸アッセイにおいて用いることができる。LRGRPに関連する配列を検出す るための標識されたハイブリダイゼーション或いはPCRプローブを生成するた めの手段には、オリゴ標識化、ニックトランスレーション法、末端標識化或いは 標識化ヌクレオチドを用いるPCR増幅などがある。別法では、LRGRP配列 、或いはその任意の部分が、mRNAプローブの生成のためにベクターにクロー ニングされる。そのようなベクターは当分野では周知であり、市販されており、 T7,T3或いはSP6並びに標識されたヌクレオチドのような適切なRNAポ リ メラーゼの付加により、in vitroでのRNAプローブ合成のために用いることが できる。 Pharmacia Biotech社(Piscataway NJ)、Promega社(Madison WI)並びにUS Bioc hemical社(Cleveland OH)のようないくつかの企業がこれらの手順に対する商 用のキット及びプロトコルを提供している。適切なリポーター分子、すなわち標 識には、放射性核種、酵素、蛍光性剤、化学ルミネセンス剤或いは色素生成剤や 、基質、補助因子、インヒビター、磁気粒子或いはそれに類似のものが含まれる 。そのような標識の使用について記載している特許には、米国特許第3,817,837 号、第3,850,752号、第3,939,350号、第3,996,345号、第4,277,437号、第4,275, 149号並びに第4,336,241号がある。また、組換え免疫グロブリンの製造について は米国特許第4,816,567号に記載の方法を用いることができ、本明細書とともに 参照されたい。 LRGRPの精製 LRGRPをコードするヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、細胞 培地からコード化タンパク質を発現及び回収するために適切な条件下で培養され る。組換え細胞により生成されるタンパク質は、用いられる配列並びにまたベク ターに応じて、細胞内に分泌、つまり含有されるようにすることができる。当業 者には理解されるように、LRGRPをコードするポリヌクレオチドを含む発現 ベクターは、原核細胞か、真核細胞の細胞膜を通してのLRGRPの分泌を誘導 するシグナル配列を含むように設計される。他の組換え体作製物では、LRGR Pを、可溶性タンパク質の精製を容易にするポリペプチドドメインをコードする ヌクレオチド配列に結合することができる(Kroll DJ等(1993)DNACell Biol 1 2:441-53、融合タンパク質を含むベクターに関する上記論議も参照されたい)。 またLRGRPは、タンパク質精製を容易にするために加えられた1または2 以上の付加的なポリペプチドドメインを備えた組換えタンパク質として発現され る。そのような精製を容易にするドメインには、限定はしないが、固定化金属上 での精製を可能にするヒスチジントリプトファンモジュールのような金属キレー トペプチド(Porath J(1992)Protain Expr Purif 3:263-281)、固定化免疫グ ロブリン上での精製を可能にするプロテインAドメイン、並びにFLAGS延長 /アフィニティ精製システムにおいて用いられるドメイン(Immunex社、Seattle WA)が含まれる。精製ドメイン及びLRGRP間に第XA因子或いはエンテロ キナーゼ(Invitrogen,San Diego CA)のような切断可能なリンカー配列を含め るのは精製を促進するのに役立つ。このような発現ベクターの1つは、LRGR Pを含む融合タンパク質の発現を提供し、かつ6個のヒシチジン残基、それに続 くチオレドキシン及びエンテロキナーゼ切断部位をコードする核酸を含む。ヒシ チジン残基によりIMIAC(固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフ ィー、Porathら(1992)Protein Expression and Purification 3:263-281に記 載)上での精製を促進すると共にエンテロキナーゼ切断部位は、融合タンパク質 からの目的タンパク質の精製のための手段となる。 組換え体の産生に加えて、LRGRPのフラグメントは、固層技術を用いた直 接のペプチド合成で形成することもできる。(Stewartら(1969)Solid-Phase Pet ide Synthesis,WH Freeman Co,San Francisco;Merrifield J(1963)J Am Chem So c 85:2149-2154を参照されたい)。in vitroタンパク質合成は手作業で行えるが 、自動化することもできる。自動的な合成は、例えば、Applied Biosystem 431A ペプチドシンセサイザ(Perkin Elmer,Foster City CA)を製造者の指示に従っ て用いて行うことができる。LRGRPの種々のフラグメントを個別に化学的に 合成し、化学的方法を用いて結合して完全長分子を作り出すことができる。 LRGRPの使用 レクチンレセプター(GI 1139595;Tartaglia等,前出)の非コーディング配列 のポリヌクレオチドとLRGRPのコーディング領域の一部分との間には、共通 のエキソンが存在する。更に、LRGRPと線虫及びサッカロミセスセレビシエ のORFの間には化学的及び構造的相同性が存在し、前記2つの遺伝子は膜に局 在化していると考えられる。従って、LRGRP又はLRGRP誘導体を、癌や 、代謝、生殖、結合組織、及び発達障害の診断及び治療のために用いることが可 能である。更に、ラットにおけるレプチンの発現の誘導の結果、筋肉において脂 肪成分の著しい低下が見られたことから、LRGRP、LRGRP誘導体、又は LRGRPを発現するベクターを用いて、脂肪分の少ない食用の肉を作り出すこ とが可能である。 LRGRPは、膜タンパク質であり可溶性ではないと思われる。従って、これ を必要とする患者に投与できるようにするために、周知の技術によってLRGR Pに対する可溶性のアゴニストを作り出す必要がある。従って、ある実施例では 、LRGRPのアゴニストを患者に投与して、代謝障害を治療する。このような 疾患には、限定を意図するものではないが、肥満症、糖尿病、高コレステロール 血漿、及び高脂血症が含まれる。 別の実施例では、LRGRPのアゴニストを患者に投与して、男性又は女性の 生殖障害の治療を行う。このような疾病には、限定を意図しないが、不妊症、性 腺機能低下症、及び無月経症が含まれ得る。 別の実施例では、LRGRPのアゴニストを患者に投与して、発達障害を治療 することができる。このような疾病には、限定を意図しないが、 2分脊椎、放射線による造血性症候群、免疫不全疾患、小人症、神経管奇形、多 発性関節拘縮症、及び筋骨格欠損が含まれる。 LRGRPは、いくつかの癌細胞系、及び腫瘍組織において発現される。従っ て、LRGRPのアゴニストは、直接又は間接的に腫瘍細胞の増殖に干渉し得る 。従って、ある実施例では、LRGRPのアゴニストを患者に投与して癌の治療 を行い得る。このような癌には、限定を意図しないが、腺癌、肉腫、白血病、リ ンパ腫、及び脳や乳房や膀胱の癌が含まれ得る。 LRGRPは、関節炎の患者の滑膜組織において発現される。従って、別の実 施例では、LRGRPのアンタゴニストを患者に投与して、結合組織の疾患を治 療することができる。このような疾患には、限定を意図しないが、慢性関節リウ マチやシェーグレン症候群が含まれる。 ある実施例では、LRGRP、又はその断片又は誘導体を発現し得るベクター を、患者に投与して、上述の代謝、生殖、又は発達障害の何れかの治療を行うこ ともできる。別の実施例では、LRGRPに対して特異的な抗体をLRGRPの アンタゴニストとして直接に使用することができる。 レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質の活性が望ましくないようなこれら の状態では、細胞にLRGRPをコードするポリヌクレオチドのアンチセンス配 列をトランスフェクトしたり、LRGRPのインヒビターを与えたりすることが できる。 LRGRPの抗体 LRGRP特異的抗体は、LRGRPの発現、及び代謝、生殖、及び発達障害 が関係する疾患及び状態の診断や治療のために役立つ。特に、LRGRP特異的 抗体をLRGRPを発現する細胞又は組織へ薬剤を到達させるためのターゲティ ング又はデリバリー用の手段として用いるこ とができる。このような抗体には、限定はしないが、ポリクローナル抗体、モノ クローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、Fabフラグメント並びにFab発 現ライブラリにより生成されるフラグメントが含まれる。中和抗体、すなわちL RGRPポリペプチドの生物活性を抑制する抗体は、特に診断及び治療に好適で ある。 抗体誘発のためのLRGRPは生物学的活性を有している必要はないが、その タンパク質断片、つまりオリゴペプチドは抗原性でなければならない。特異的抗 体を誘発するために用いられるペプチドは、少なくとも5個のアミノ酸、好まし くは少なくとも10個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する。これらの配列 は、天然タンパク質のアミノ酸配列の一部と同一のものであり、小さい自然発生 の分子の全アミノ酸配列を含み得る。LRGRPアミノ酸の短いストレッチを、 キーホールリンペットヘモシアニン及びキメラ分子に対して産生された抗体のよ うな他のタンパク質の配列に融合することができる。LRGRPに対する抗体の 生成のために、当分野においてよく知られる手順が用いられる。 抗体を産生するために、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス等を含む種々の宿主は 、免疫学的特性を保持するLRGRP或いはその任意の部分、フラグメント或い はオリゴペプチドを注入することにより免疫することができる。宿主の種に応じ て、種々のアジュバントが免疫学的反応を促進するために用いられる。そのよう なアジュバントには、限定はしないが、フロイントのアジュバント、水酸化アル ミニウムのような無機質ゲルアジュバント、リゾレシチンのような表面活性物質 アジュバント、プルロニックポリオルアジュバント、ポリアニオンアジュバント 、ペプチドアジュバント、油性乳剤アジュバント、キーホールリンペットヘモシ ニアンアジュバント並びにジニトロフェノールアジュバントが含まれる。BCG (カルメット‐ゲラン杆菌)及びコリネバクテリウムパルヴム (Corynebacterium parvum)は有用なヒト・アジュバントである。 LRGRPに対するモノクローナル抗体は、培地中の連続株細胞による抗体分 子の産生を行うための任意の技術を用いて調製される。これらは、限定はしない が、Koehler及びMilstein(1975,Nature 256:495-497)に当初掲載されたハイブリ ドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kosbor等(1983)Immunol Today 4:72、Cote等(1983)Proc Natl Acad Sci 80:2026-2030)及びEBV−ハイブ リドーマ技術(Cote等(1985)Monoclnal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R Liss Inc,pp77-96)を含む。 さらに、適切な抗原特異性並びに生物活性を有する分子を得るための「キメラ 抗体」の生成、即ちヒト抗体遺伝子へのマウス抗体遺伝子のスプライシングのた めに開発された技術が用いられる(Morrison等(1984)Proc Natl Acad Sci 81: 6851-6855)、Neuberger等(1984)Nature 312:604-608、Takeda等(1985)Natu re 314:452-454)。別法では、一本鎖抗体の生成のための周知技術(米国特許第 4,946,778号)を、LRGRP特異的一本鎖抗体を生成するために適用する。 また抗体は、リンパ球集団におけるin vivo産生を誘導することにより、或い はOrlandi等(1989,Proc Natl Acad Sci 86:3833-3837)並びにWinter G及びMil stein C(1991,Nature 349:293-299)に開示されているような組換え免疫グロブ リンライブラリー、または高度に特異的な結合試薬のパネルをスクリーニングす ることによっても生成することができる。 LRGRPに対する特異結合部位を含む抗体フラグメントも生成することがで きる。例えばこのようなフラグメントには、限定はしないが、抗体分子のペプシ ン消化により生成することができるF(ab’)2フラグメント及びF(ab’ )2フラグメントのジスルフィド架橋を減ら すことにより生成することができるFabフラグメントが含まれる。別法では、 所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントを迅速に、しかも容易 に同定できるように、Fab発現ライブラリーを構築する(Huse WD等(1989)S cience 256:1275-1281)。 確立された特異性を有するポリクローナル抗体或いはモノクローナル抗体のい ずれかを用いる競合的結合アッセイ或いは免疫放射定量測定法のための種々のプ ロトコルが当分野ではよく知られている。そのようなイムノアッセイでは、一般 に、LRGRPとその特異的抗体(或いは類似のLRGRP結合分子)との間の 複合体の形成、並びに複合体形成の測定が行われる。特異的LRGRPタンパク 質上の2つの非干渉性エピトープに対して反応するモノクローナル抗体を利用す る二部位モノクローナル用イムノアッセイが好適ではあるが、競合結合アッセイ も用いられる。これらの検査法はMaddox DE等(1983,J Exp Med 158:1211)に記 載されている。 LRGRP特異的抗体を用いる診断検査法 特定のLRGRP抗体は、LRGRPの発現の誘発によって特性化される病気 或いは疾病の診断や、LRGRPで治療されている患者のモニタリングのための アッセイにおいて役立つ。LRGRPについての診断アッセイは、ヒトの体液、 細胞或いは組織の抽出物において、LRGRPを検出するための抗体或いは標識 を利用する方法を含む。本発明のポリペプチド及び抗体は、修飾の有無に拘わら ず用いることができる。多くの場合、ポリペプチド及び抗体は、共有結合、或い は非共有結合かのいずれかでそれらをリポーター分子と結合することにより標識 される。種々のリポーター分子が周知となっており、その幾つかについては上記 した。 それぞれのタンパク質に対して特異的なポリクローナル抗体或いはモ ノクローナル抗体を用いて、LRGRPポリペプチドを測定するための種々のプ ロトコルが当分野では周知である。その例として、酵素結合免疫測定法(ELISA )、ラジオイムノアッセイ(RIA)並びに蛍光表示式細胞分取器法(FACS)があ る。LRGRPポリペプチド上の2つの非干渉性エピトープに対して反応するモ ノクローナル抗体を利用する二部位モノクローナル用イムノアッセイは好適では あるが、競合的結合アッセイも用いられる。これらのアッセイは、他にもあるが 、Maddox DE等(1983,I Exp Med 158:1211)に記載されている。 疾病の診断の基礎を提供するために、LRGRP発現についての通常の値、す なわち標準値が確立されなければならない。これは複合体形成のために適切な条 件下で、ヒト或いは動物どちらでもよいが、正常の被験者から得られる体液或い は細胞抽出物と、LRGRPに対する抗体とを結合することにより得ることがで きるが、これは当分野ではよく知られた技術である。標準的な複合体形成量は、 一連のポジティブコントロールの希釈系とそれを比較することにより定量され、 抗体の既知の量が既知の濃度の精製LRGRPと結合される。その後正常サンプ ルから得られた標準値を、LRGRPが関係する疾患を潜在的に患う被験者から のサンプルから得られた値と比較する。標準値と対象値との偏差によって疾病の 存在を確認できる。 薬物スクリーニング LRGRP、その触媒作用性又は免疫原性断片若しくはオリゴペプチドを、種 々の薬物スクリーニング技術の何れかにおいて、治療用化合物を選別するために 用いることができる。このような試験において用いられる断片は、溶液内に遊離 しているもの、固形の支持体に付着しているもの、細胞表面に結合しているもの 、又は細胞内に存在するものであり得る。そしてLRGRPと試験される薬剤と の間の結合複合体の形成量 を測定することができる。 薬物スクリーニングのための別の方法は、LRGRPポリペプチドへの安定的 な結合親和性を有する化合物の高スループットスクリーニングを可能にするもの であり、1984年9月13日公告の欧州特許出願第84/03564号(Guysen)に詳 細に記載されている。この文献を本明細書に一体に参照されたい。概要としては 、多数の別々の小ペプチド試験用化合物をプラスチックピン或いはいくつかの他 の表面のような、固体基質上で合成する。ポリペプチド試験化合物をLRGRP フラグメントと反応させ、洗浄する。次いで結合LRGRPを当分野で周知の方 法により検出する。また精製LRGRPを前述の薬物スクリーニング技術におい て使用するために、プレート上に直接コーティングすることもできる。別法では 、ペプチドを捕捉し、固形支持体上にペプチドを固定するために非中和抗体を用 いる。 また本発明は、LRGRPに結合し得る中和抗体特性が、LRGRPとの結合 について特に試験化合物と競合する競合的薬物スクリーニングアッセイの使用も 意図している。このようにして、抗体を用いて1または2以上の抗原性決定基を LRGRPと共通に有する任意のペプチドの存在を検出することができる。 LRGRPコーディングポリヌクレオチドの使用 LRGRP又はその任意の部分をコードするポリヌクレオチドを、診断や治療 の目的で用いることができる。好適実施例では、診断目的で用いられるポリヌク レオチドは、配列番号:2のC163乃至A874のヌクレオチドである。診断目的の 場合、本発明のLRGRPは、LRGRPの発現が関与する生検組織における遺 伝子発現を検出し、かつ定量するために用いられる。診断試験は、LRGRPが 存在、不存在、及び過剰発現の何れの状態にあるかを区別したり、治療的介入の 際にLRGRP 濃度の調節をモニタリングするのに役立つ。本発明の範囲には、オリゴヌクレオ チド配列、アンチセンスRNA及びDNA分子、及びPNAが含まれる。 本発明の別の側面は、LRGRPまたは近縁な分子をコードするゲノム配列を 含むポリヌクレオチド配列を検出できるハイブリダイゼーションプローブ或いは PCRプローブを提供することである。そして、そのプローブの特異性、すなわ ち非常に高度な保存領域(例えば5’調節領域における10個の独特のヌクレオ チド)か、低度に保存的な領域(例えば特に3’領域におけるシステイン残基の 間の領域)の何れに由来するのかということや、ハイブリダイゼーション或いは 増幅の(高度の、中程度の或いは低度の)厳格性によって、そのプローブが自然 発生LRGRPのみを同定するものであるか、或いはアレル配列や近縁な配列も 同定するものであるかが決まってくる。 プローブは近縁なインヒビターをコードする配列を検出するためにも用いるこ とができ、好ましくは、これらのLRGRPの任意のものをコードする配列から 得られるヌクレオチドを少なくとも50%含むべきである。本発明のハイブリダ イゼーションプローブは、配列番号:2のヌクレオチド配列か、プロモータ、エ ンハンサエレメント及びLRGRPをコードする自然発生配列のイントロンを含 むゲノムの配列に由来するものであり得る。ハイブリダイゼーションプローブは 種々のリポータ分子により標識することができ、この標識には、32Pや35Sのよ うな放射性核種、アビジン/ビオチン結合系によりプローブに結合するアルカリ ホスファターゼのような酵素標識等が含まれる。 LRGRPをコードするDNAに対する特異的ハイブリダイゼーションプロー ブの生成のための他の手段は、mRNAプローブ産生用のベクターにLRGRP やLRGRP誘導体をコードする核酸配列をクローン 化することである。このようなベクターは周知であって市販されており、T7や SP6 RNAポリメラーゼのような適切なRNAポリメラーゼや適切な放射性 標識ヌクレオチドを付加することにより、in vitroでRNAプローブを合成する ために用いることができる。 LRGRPをコードするポリヌクレオチド配列を、LRGRPの発現が関与す る病気や疾病の診断のために用いることができる。例えば、LRGRPをコード するポリヌクレオチド配列を、LRGRP発現を検出するための生検組織や体液 の、ハイブリダイゼーションアッセイ或いはPCRアッセイにおいて用いること ができる。そのような定性的及び定量的方法の形態には、サザンブロット法或い はノーザンブロット法、ドットブロット法或いは他の膜用技術、PCR技術、デ ィップスティック試験法(試験紙法)、ピン或いはチップ技術及びELISA技術が 含まれる。これらの技術は全て、当分野ではよく知られており、実際に市販され ている多くの診断キットの基礎となっている。 ここに開示したLRGRPヌクレオチド配列は、筋肉るいそうに関係する活性 化や誘導を検出するアッセイのための基礎を提供する。LRGRPヌクレオチド 配列は、既知の方法により標識され得、ハイブリダイゼーション複合体の形成に 適した条件の下で、患者の体液や組織のサンプルに加えられる。インキュベーシ ョン時間の経過後、このサンプルを、ヌクレオチドが酵素で標識されている場合 には所望に応じて色素(または他の展開剤を要する標識)を含む適合性の液体で 洗浄する。この適合性の液体をリンスした後、色素を定量して標準値と比較する 。生検サンプルや抽出サンプルにおける色素の量が、比較用対照サンプルの色素 量を著しく上回っている場合には、このヌクレオチド配列はサンプルのヌクレオ チド配列とハイブリッド形成しており、サンプル内に著しく高い濃度のLRGR Pヌクレオチド配列が存在していることは、関連する炎 症及び/または疾患が存在していることを示している。 このようなアッセイは、特定の治療行為の有効性を評価するため、動物実験、 臨床試験、或いは個々の患者の治療をモニタリングする際に用いることができる 。疾患を診断するための基礎を与えるために、LRGRP発現に対する正常な或 いは標準的なプロフィールが確立されなければならない。この標準プロフィール は、正常な被験者、すなわち動物或いはヒトから得られる体液或いは細胞抽出物 を、ハイブリダイゼーション或いは増幅に適切な条件下で、LRGRP或いはそ の一部と結合することにより確立される。標準的なハイブリッド形成は、正常被 験者に対して得られる値と、既知の実質的に精製されたLRGRPの量が用いら れる同一の実験におけるポジティブコントロール希釈系列で得られる値とを比較 することにより定量することができる。正常なサンプルから得られた標準値は、 LRGRP発現に関連する障害或いは疾患を潜在的に患っている被験者からのサ ンプルから得られる値と比較される。標準値と被験者値との偏差から疾病の存在 が確認される。 ひとたび疾患が確認されると、現存する治療用薬剤が投与され、治療プロファ イルが作成される。このようなアッセイは、その数値が正常すなわち標準パター ンに向かって回復しているか否かを評価するために規則的に繰り返される。継続 的な治療プロファイルを用いて数日間或いは数ヶ月の期間にわたる治療効果を示 すことができる。 米国特許第4,683,195号、第4,800,195号並びに第4,965,188号に記載のような PCR法により、LRGRP配列に基づくオリゴヌクレオチドの追加の使用法が 提供される。このようなオリゴマーは一般には化学的に合成されるが、酵素を用 いて発生させたり、或いは組換えソースから生成することもできる。一般にオリ ゴマーは、通常特定の遺伝子或いは状態を同定するために最適な条件下で用いら れる2つのヌクレオチド 配列、即ちセンス方向(5’→3’)のヌクレオチド及びアンチセンス方向(3 ’←5’)のヌクレオチドからなる。同一の2つのオリゴマー、入れ子オリゴマ ーの組、或いはオリゴマーの縮重プールでさえ、近縁なDNAまたはRNA配列 の検出や定量のためのより低い厳格性の条件下であっても用いることができる。 さらに特定の分子の発現を定量するための方法には、放射性標識(radiolabel ing)(Melby PC等1993 J Immunol Methods 159:235-44)或いはビオチン標識(Du plaa C等1993 Anal Biochem 229-36)ヌクレオチドの利用、制御核酸の同時増幅 (coamplification)の利用、並びに実験結果を補完して書かれた標準的なグラ フ曲線の利用が含まれる。多数のサンプルの定量は、ELISA形式のアッセイ を実行することにより迅速に行うことができ、対象のオリゴマーが様々な希釈溶 液中に現れ、分光光度分析或いは比色分析反応により迅速に定量することができ る。例えば、生検組織の抽出物においてLRGRPが比較的高いレベルで存在す ることは、筋肉るいそうの発症を示している。このタイプの確定診断により、健 康の専門家が患者の積極的治療を開始したり、病状の悪化を防ぐことが可能とな る。同様に、当業者に周知のアッセイを用いて、患者の治療の際に、その病状の 進行をモニタリングすることができる。また、まだ開発されていない分子生物学 的技術でも、その新技術が既知のヌクレオチド配列の性質、例えばトリプレット 遺伝暗号、特異的塩基対形成等に基づくものであれば、ここに開示したヌクレオ チド配列をそれに利用することができる。 治療的利用 膜に局在化していると考えられているレプチンレセプター遺伝子関連タンパク 質をコードする遺伝子に対するLRGRPの相同性、レプチンレセプターの非コ ーディング領域とのエキソンの共有、及びその発現プ ロファイルに基づき、LRGRPをコードするポリヌクレオチド配列又はアンチ センスポリヌクレオチドは、リンパ腫、白血病、肺癌、子宮頚癌、及び膀胱癌を 含む癌や、エネルギー代謝、発達、結合組織、又は生殖に関する障害に関する疾 病状態の診断や治療のための基礎を提供する。 レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペス或いはワクシニアウイルスに由来 する発現ベクター、或いは細菌性プラスミドに由来する発現ベクターは、標的の 器官、組織、または細胞群へのヌクレオチド配列の送達のために用いられる。当 業者によく知られた方法は、アンチLRGRPを発現する組換えベクターを構築 するために用いることができる。例えばManiatis等(上記)及びAusubel等(上 記)に記載された技術を参照されたい。 完全長cDNA配列、並びにまたその調節エレメントを含むポリヌクレオチド により、研究者は遺伝子機能のセンス調節(Youssoufian H及びHF Lodish 1993 Mol Cell Biol 13:98-104)、或いはアンチセンス調節(Eguchi等(1991)Annu Rev Biochem 60:631-652)の調査用のツールとしてLRGRPを用いることがで きる。このような技術は、現在当分野ではよく知られており、センス或いはアン チセンスオリゴヌクレオチド、或いはより大きなフラグメントを、コーディング 領域或いは制御領域に沿った様々な位置から設計することができる。 所望のLRGRPコーディング断片を高度に発現する発現ベクターを細胞また は組織にトランスフェクトすることにより、LRGRPをコードする遺伝子の機 能を停止させることができる。このような作製物は、翻訳不可能なセンス或いは アンチセンス配列とともに細胞から溢れ出し得る。DNAへの組み込みがない場 合ですら、このようなベクターは、全ての複製物が内在性ヌクレアーゼにより分 解されるまで、RNA分子を転写し続ける。このような一過性の発現は、非複製 ベクター(Mettler I,personal communication)でも1ヶ月以上、適当な複製エレメントがベクター 系の一部である場合には更に長い期間継続し得る。 上述のように、LRGRPの制御領域、例えばプロモータ、エンハンサ或いは イントロンに対するアンチセンス分子、DNA、RNAまたはPNAを設計する ことにより遺伝子発現を修飾することができる。転写開始部位、例えばリーダー 配列の+10〜−10領域の間に由来するオリゴヌクレオチドが好適である。ま たアンチセンス分子は、転写産物がリボソームへの結合するのを防止することに より、mRNAの翻訳を阻止するように設計される。同様に、抑制は、「三重ら せん」塩基対合法を用いて達成することができる。三重らせん対合は、二重らせ んが、ポリメラーゼ、転写因子、或いは調節分子を結合するべく十分に開かない ようにする。三重らせんDNAを用いた最近の治療法は、Gee JEら(Huber BE a nd BI Carr(1994)Moleular and Immunologic Approaches,Futura Publishing Co ,Mt Kisco NY)により記載されている。 リボザイムはRNAの特異的切断を触媒することができる酵素性RNA分子で ある。リボザイムの作用の仕組みでは、相補的標的RNAへのリボザイム分子の 配列特異的ハイブリダイゼーションが行われ、その後エンドヌクレアーゼによる 切断(endonucleolytic cleavage)がなされる。発明の範囲内には、LRGRP のエンドヌクレアーゼによる切断を、特異的に及び効果的に触媒し得る、人工合 成のハンマーヘッド型リボザイム分子も含まれている。 任意の潜在的なRNA標的内の特異的なリボザイム切断部位の最初の同定は、 配列GUA、GUU並びにGUCが後続するリボザイム切断部位に対する標的分 子を走査することにより行われる。一度同定されると、切断部位を含む標的遺伝 子の領域に対応する15〜20個のリボヌクレ オチドの間の短いRNA配列は、そのオリゴヌクレオチドの機能を停止させる2 次構造の特徴について評価される。また候補の標的の適切性の評価は、リボヌク レアーゼ保護アッセイを用いて相補的なオリゴヌクレオチドとのハイブリッド形 成に対する接触性を試験することにより行われる。 本発明のアンチセンス分子及びリボザイムは、RNA分子を合成するのための 当分野で周知の方法により調製することができる。これらの技術には、固相ホス ホラミダイト(phosphoramidite)化学合成のような化学合成オリゴヌクレオチ ドの技術が含まれる。別法では、RNA分子を、LRGRPをコードするDNA 配列のin vivo及びin vitro転写により生成することができる。このようなDN A配列は、T7或いはSP6のような適切なRNAポリメラーゼプロモータを有 する多種のベクターに組み込まれる。別法では、構造的に或いは誘導的にアンチ センスRNAを合成するアンチセンスcDNA構成物が、株細胞、細胞或いは組 織内に導入される。 RNA分子は細胞内安定性を高め及び半減期を長くするために修飾することが できる。実行可能な修飾には、限定はしないが、その分子の5’並びにまた3’ 末端のフランキング配列の付加、或いは分子のバックボーン内にホスホジエステ ラーゼ連鎖ではなくホスホロチオネート(phosphorothioate)或いは2’O−メ チルを使用することを含む。このコンセプトは、PNAの産生において固有のも のであり、内在性エンドヌクレアーゼにより容易に認識されないアデニン、グア ニン、シチジン、チミン、及びウリジンのアセチル−、メチル−、チオ−、及び 類似の修飾形態とともに、イノシン、キュエオシン(queosine)、及びワイブト シン(Wybutosine)のような従来あまり用いられなかった塩基を含めることによ って、これら全ての分子に拡張することができる。 細胞或いは組織内にベクターを導入するための方法には、以下に議論される方 法が含まれ、これらの方法は、in vivo、in vitro、及びex vivo治療法に対して も適切なものである。ex vivo治療法の場合には、患者から採取された幹細胞に ベクターを導入し、自家移植のためにクローンとして増殖して同じ患者に戻す方 法が、ここで引用されている米国特許第5,399,493号及び第5,437,994号に記載さ れている。トランスフェクションによる送達、リポソームによる送達は、当分野 でよく知られているものである。 更に、ここに開示するLRGRPのヌクレオチド配列は、新技術、即ち、限定 はしないが、それがトリプレット遺伝暗号及び特異的塩基対合相互作用のような 特性を含む、現在周知のヌクレオチド配列の特性に依存する技術であれば、まだ 開発されていない分子生物学的技術においても用いることができる。 医薬品組成物 本発明は、ヌクレオチド、タンパク質、抗体、アンタゴニスト、またはインヒ ビターを、単独で、或いは安定化化合物のような少なくとも1つの他の薬剤とと もに含んでいる医薬品組成物を、その範囲に含む。この医薬品組成物は、任意の 無菌の生体適合性製薬用担体に含めて投与されるが、このような担体には、限定 はしないが、生理食塩水、緩衝食塩水、ブドウ糖或いは水が含まれる。これらの 分子は、患者に対して、単体で、或いは他の薬品やホルモンと結合して、賦形剤 或いは製薬学的に許容される担体と混合される他の薬品組成物に入れて投与され 得る。本発明の一実施例では、製薬学的に許容される担体とは、製薬学的に不活 性なものである。医薬品組成物の投与 医薬品組成物は経口投与、或いは非経口投与される。非経口投与の方 法には、局所的投与、動脈内(腫瘍への直接の)投与、筋肉内投与、皮下投与、 髄内投与、くも膜下内投与、脳室内投与、静脈内投与、腹腔内投与或いは鼻腔内 投与が含まれる。活性成分に加えて、これらの薬品組成物は、薬学的に用いられ 得る調合物内への活性化合物の処理を容易にする賦形剤及び補助剤を含む適切な 製薬学的に許容される担体を含み得る。調合或いは投与に関する技術の詳細は、 “Remington's Pharmaceutical Sciences”(Mack Publishing Co,Easton PA)の 最新版において見出すことができる。 経口投与用の医薬品組成物は、当分野でよく知られる製薬学的に許容される担 体を用いて適切な剤形に製剤される。このような担体により、薬品組成物は、治 療を受ける患者による経口及び鼻腔摂取のための、錠剤、丸剤、カプセル剤、液 体剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤或いは類似の剤形として処方さ れる。 経口投与するための医薬品調製物は、活性化合物と固形の賦形剤とを結合する ことによって得ることができるが、所望に応じて、必要なら適切な補助剤を添加 した後、得られた混合物を粉砕し、顆粒の混合物を処理して、錠剤或いは糖衣剤 核を得ることができる。適切な賦形剤は、ラクトース、サクロース、マンニトー ル或いはソルビトールを含む砂糖のような糖質或いはタンパク質充填剤、とうも ろこし、小麦、米、じゃがいも等からのでんぷん、メチルセルロース、ヒドロキ シプロピルメチルセルロース或いはカルボキシルメチルセルロースナトリウムの ようなセルロース、アラビアゴム或いはトラガカントのようなゴム、並びにゼラ チン或いはコラーゲンのようなタンパク質である。必要ならば、架橋結合したポ リビニルピロリドン、寒天、アルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸或いはア ルギン酸ナトリウムのようなその塩のような、崩壊剤或いは可溶化剤が加えられ る。 糖衣剤核は、濃縮砂糖溶液のような適切な錠皮を与えられるが、溶液はアラビ アゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル剤、ポリエチレングリ コール並びにまた二酸化チタン、ラッカー溶液及び適切な有機溶剤或いは溶剤混 合物が含み得る。錠剤の識別のため、すなわち活性化合物の量、すなわち投与量 を特徴付けるために染料或いは色素が錠剤或いは糖衣錠皮に加えられてもよい。 経口投与可能な製剤は、ゼラチンからなるプッシュフィットカプセル及びゼラ チンからなる柔らかい、密封されたカプセル、並びにグリセロール或いはソルビ トールのような錠皮を含む。プッシュフィットカプセルは、ラクトース或いはで んぷんのような充填剤或いは結合剤、タルク或いはステアリン酸マグネシウムの ような潤滑剤、並びに付加的には安定剤と混合された活性処方組成物を含み得る 。柔らかいカプセルでは、活性化合物は、安定剤があるなしにかかわらず、脂肪 油、液体パラフィン、液体ポリエチレングリコールのような適切な液体に溶解或 いは懸濁される。 非経口投与用の剤形は、水溶性の活性化合物の水溶液を含む。注射用として、 本発明の薬品組成物を水溶液、好適にはハンクの溶液、リンガー溶液或いは生理 緩衝食塩水のような生理学的に適合性の緩衝液に入れて製剤することができる。 水性の注入懸濁剤は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール 或いはデキストランのような懸濁剤の粘性を増加する物質が含み得る。更に、活 性成分の懸濁液は、適切な油性注入懸濁剤として調製される。適切な親油性の溶 媒或いは媒介物は、胡麻油のような脂肪油や、オレイン酸エチル、トリグリセリ ド或いはリポソームのような合成脂肪酸エステルを含む。また懸濁剤は、所望に 応じて、それにより溶解度を増加し、非常に濃縮された溶液の調製ができるよう になる適切な安定剤或いは薬剤を含んでもよい。 局所的投与または経鼻投与用には、浸透される特定の障壁に対して適切な浸透 剤を用いて調合が行われる。このような浸透剤は、一般的に周知である。製造と保管 本発明の薬品組成物は周知の方法、例えば従来の混合処理、溶解処理、顆粒化 処理、糖衣形成処理、研和処理、乳化処理、封入処理(entrapping)処理或いは凍 結乾燥処理により製造される。 この医薬品組成物は塩類として提供されることもあり、限定はしないが、塩酸 、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を含む、多くの酸とともに 形成することができる。塩は、対応する遊離塩基形態である水性或いはプロトニ ック溶剤において、より可溶性が高くなる傾向がある。他の場合には、好適な製 剤は、1mM〜50mMのヒスチジン、0.1%〜2%のショ糖、使用前に緩衝 剤と結合させたpH範囲4.5〜5.5にある2%〜7%のマンニトールにおけ る凍結乾燥粉末である。 製薬学的に許容される担体内に製剤された本発明の化合物を含む組成物は、調 製された後、適切な容器内に入れられて、さらに提示した疾病状態の治療のため にラベル付けされる。LRGRPの投与のため、このようなラベルには、投与の 量、頻度、方法が表示される。治療上効果的な投与量 本発明において使用するために適切な医薬品組成物は、活性成分を所望の目的 を達成するに効果的な量だけ含む組成物である。効果的な投与量の決定は、当業 者の能力の範囲内で行うことができる。 任意の化合物の場合、治療的に有効な投与量は、初めに、新生物細胞、或いは 通常マウス、ウサギ、イヌ、ブタのような動物モデルの何れかの細胞培地のアッ セイから推定される。次いで、このような情報を用いて、 ヒトにおいて効果的な投与量や投与経路を決定することができる。 治療的に有効な投与量とは、疾病状態を寛解するタンパク質、その抗体、アン タゴニスト、またはインヒビターの量である。そのような化合物の毒性及び治療 有効性は、例えばLD50(個体群の50%の致死投与量)及びED50(個体 群の50%において治療的に有効な投与量、50%有効量)を決定するための、 細胞培地或いは実験動物における標準的な製薬学的手順により決定することがで きる。毒性と治療有効性との間の投与量比は治療指数であり、LD50/ED5 0の比として表すことができる。大きな治療指数を示す医薬品組成物が好ましい 。これらの細胞培地のアッセイ及び付加的な動物研究から得られるデータは、ヒ トへの使用に対する投与量の範囲を決める際に用いることができる。そのような 化合物の投与量は、毒性がほとんど或いは全くなく、ED50を達成する循環濃 度の範囲内にあることが望ましい。投与量は、用いられる剤形、患者の感受性並 びに投与経路に応じてこの範囲内で変化する。 正確な投与量は治療されるべき患者を考慮して個々の医師により選択される。 投与量及び投薬量は、十分なレベルの活性部分を与え、かつ所定の効果を維持す るために調整される。考慮すべき付加的な要因は、疾患状態の重症度、または患 者の年齢、体重並びに性別、食事、投与の時間及び頻度、併用する薬剤、反応感 受性、並びに治療への耐性/反応を含む。長期的に作用する薬品組成物は3〜4 日毎に、1週間毎に、或いは半減期及び特定の処方のクリアランス速度に応じて 2週間に1度投与してもよい。 通常の投与量は0.1〜100,000μgの範囲にあって、全投与量は最大 約1gであり、投与経路に応じて変化する。特定の投与量或いは供給の方法に関 するガイダンスは、文献において見出すことができる。米国特許第4,657,760号 、第5,206,344号或いは第5,225,212号を参照 されたい。当業者は、ヌクレオチドに対しては、タンパク質やインヒビター用の 剤形とは異なる剤形を採用するであろう。同様に、ポリヌクレオチドまたはポリ ペプチドの送達は、特定の細胞、状態、位置等によって決まってくる。 以下に本発明の実施例を示す。但し、以下の実施例は単なる例示であって、本 発明をこの実施例に限定しようとするものではない。 産業上の応用 1 cDNAライブラリーの作製 hNT2細胞系は、まだ発達の初期段階にある関係する(committed)ニューロン 前駆体細胞の特性を示す。未処理のhNT2細胞系に対するcDNAライブラリー( HNT2NOT01,Cat.No.937230)はStratagene社(Stratagene,La Jolla CA)から市 販されている。 このライブラリーは、基本的に以下に説明するように作製された。Stratagene はmRNAを単離し、cDNAライブラリーを調製した。cDNAはオリゴd( T)を用いてプライミングされ、サイズ分画化されて、500bp以上の大きさ の断片が単離された。合成アダプターオリゴヌクレオチドをcDNA分子にリゲ ートし、このcDNA分子がUni-ZAP(商標)ベクターシステム(Stratagene) に挿入できるようにした。これによって、高い効率の一方向性(センス方向)の ラムダライブラリーの作製が可能となり、cDNAインサートを有するクローン を検出するための青/白色選択を有するプラスミド系の利便性を利用することが 可能となる。 cDNAライブラリーの質について、DNAプローブを用いてスクリーニング を行い、次にpBluescriptファージミド(Stratagene)を切除した。このファー ジミドにより、インサートの特性化、配列決定、部位特異的突然変異誘発、一方 向性欠失の作製、及び融合ポリペプチドの発 現を容易に行うためのプラスミド系を利用できるようになる。次に、カスタムメ イドで作製されたライブラリーファージ粒子を大腸菌宿主株XL1-Blue(Stratage ne)に感染させた。この細菌株の高い形質転換効率により、このcDNAライブ ラリーが希な少数のクローンを含む可能性を高めることができる。この他の一方 向性ベクターには、限定はしないが、pcDNA1(Invitrogen)や、pSH1ox-1(Nova gen)がある。 2 cDNAクローンの単離 ファージミド形態の個々のcDNAクローンは、Advanced Genetic Technolog ies Corp.,Gaithersburg MDから市販されているミニプレップキット(Catalog N o.77468)を用いて得られた。このキットは、96穴フォーマットのもので、9 60回の精製に十分な量の試薬が付いている。各キットには推奨プロトコルが備 えられているが、以下の変更点を除いてこのプロトコルを採用した。第1に、9 6個のウエルはそれぞれ、25mg/Lのカルベニシン及び0.4%のグリセロ ールを含む滅菌テリフィックブロスの1mlのみで満たした。ウエルに接種した 後、細菌を24時間培養し、60μlの溶解バッファに溶解した。遠心分離処理 (2900rpmで5分間)を行った後に、ブロックの内容物を一次濾板に添加 した。トリスバッファにイソプロパノールを添加するオプションのステップは定 例的には実施しなかった。プロトコルの最終ステップの後、サンプルを保管のた めにBeckman96穴ブロックに移送した。 この他、ファージミドの精製のため、ライブラリーファージとf1ヘルパーファ ージの双方を宿主細胞株に同時感染させるin vivo切除プロセスが用いられる。 ライブラリーの挿入されたファージとヘルパーファージの双方に由来するポリペ プチド又は酵素がDNAにニックを入れて、標的DNA上の決まった配列からの 新たなDNA合成を開始させ、pBluescriptファージミドの全てのDNA配列及 びcDNAインサート を有する小形の一本鎖の環状ファージミドDNA分子が生成される。このファー ジミドDNAは、細胞から遊離して精製され、新たな宿主細胞(SOLR,Stratagen e)に再度感染させるのに用いられ、そこで二本鎖のファージミドDNAが作り 出される。このファージミドはβラクタマーゼの遺伝子を有しているため、新た に形質転換された細菌をアンピシリン含有媒地上で選択することができる。 ファージミドDNAの精製は、QIAGEN DNA Purification System(QIAGEN Inc ,Chatsworth CA)製のQIAWELL-8 Plasmid Purification Systemを用いて行うこ ともできる。この製品は、細菌細胞を溶解し、QIAGEN陰イオン交換樹脂粒子を、 3MのEMPORETMメンブランテクノロジーと共にマルチウエルフォーマットで使用し て高度に精製されたファージミドDNAを単離するための便利で、高速で、高信 頼性かつ高スループットの方法を提供する。このDNAは、精製レジンから溶出 されて、DNAシークエンシングや他の解析操作のために調製された。 3 cDNAクローン及びそれらの推定タンパク質の相同性検索 Applied Biosystems社で開発された検索アルゴリズムを、INHERIT(商標)670 Sequence Analysis Systemに組み込んで用いて、各cDNAの配列をGenBankの 配列と比較した。このアルゴリズムでは、Pattern Specification Language(TR W社、LosAngeles CA)を用いて相同な領域を決定した。配列の比較をどのように 行うかを決定する3つのパラメータは、ウィンドウサイズ、ウィンドウオフセッ ト、及び誤差許容度であった。これら3つのパラメータの組を用いて、対象の配 列に対して相同な領域を含む配列をDNAデータベースから検索し、適切な配列 には、初期値とともにスコアが付けられた。これによって、これらの相同な領域 をドットマトリクスホモロジーブロット法を用いて検定し、 相同な領域と偶然の一致とを区別した。相同性検索の結果は、Smith-Watermanア ライメントを用いて表示した。 ペプチド及びタンパク質配列の相同性は、INHERIT(商標)670配列解析システ ムをDNA配列の相同性検索で用いたのと同様に用いて確かめた。Pattern Spec ification Language及びパラメータウィンドウを用いて、タンパク質データベー スから相同性領域を含む配列を検索し、その結果には初期値とともにスコアを付 けられた。ドットマトリクスホモロジーブロット法を用いて検定し、有意な相同 性を有する領域と偶然の一致とを区別した。 BLASTは、Basic Local Alignment Search Tool(Altschul SF(1993)JMol Evol3 6:290-300;Altschul,SF等(1990)J Mol Blil215:403-10)の略称であり、これを用 いて局部的な配列アライメントを検索した。BLASTはヌクレオチド及びアミノ酸 配列の両方のアライメントを生成して配列類似性を求める。そのアライメントの 局所性のために、BLASTは厳密な一致、すなわちホモログを求める際に特に有効 である。BLASTは間隙を含まない一致を求めるのに役立つ。BLASTアルゴリズム出 力の基本的な単位は、High-scoring Segment Pair(HSP)である。 HSPは2つの配列フラグメントからなり、両フラグメントは任意ではあるが、 そのアライメントが局所的に最大となっている等しい長さものであり、そのアラ イメントスコアはユーザにより設定された閾値すなわちカットオフスコアを満足 、即ち、カットオフスコアを超えている。BLASTアプローチは問い合わせ配列と データベース配列との間のHSPを見つけ出すものであり、見出された任意の一致 の統計的有意性を評価し、そのユーザが設定した有意性の閾値を満足する一致の みを報告するものである。パラメータEはデータベース配列一致を知らせるため の統計的に有意な閾値を確定するパラメータである。Eは全データベース検 索の情況においてHSP(或いはHSPの組)の発生の機会の期待される頻度の上側の 境界として解釈される。その一致がEを満足する任意のデータベース配列がプロ グラム出力において報告される。 4 ノーザン法による解析 ノーザン解析は、標識されたヌクレオチド配列と特定の細胞型または組織に由 来するRNAが結合したメンブランとのハイブリッド形成を伴う、遺伝子の転写 物の存在を検出するために用いられる実験技術である(Sambrookら、上述)。 類似の電子的ノーザン分析ではBLAST(Altschul SF 1993 and 1990,上述)を 用いて、GenBankまたはLIFESEQ(商標)データベース(Incyte,Palo Alto CA)のよ うなデータベースにおける同一のまたは近縁な分子を検索した。この解析は、多 数の膜式ハイブリダイゼーションより非常に短時間で行うことができる。更に、 コンピュータ検索の感度を変更して、ある一致が正確な一致か、相同的であるか の分類を決定することができる。 検索の基準値は、プロダクトスコアであり、これは以下の式で定義されるもの である。 (配列の一致(%)×最大BLASTスコア(%))/100 このプロダクトスコアは、2つの配列間の類似性の程度、及び配列の長さの一致 の双方を考慮している。例えば、プロダクトスコアが40の場合は、一致は誤差 が1〜2%の範囲で正確であり、スコアが70の場合は正確に一致している。相 同な分子は、通常プロダクトスコアとして15〜40を示すものを選択すること により同定されるが、スコアの低いものは近縁関係にある分子として同定される 。 発現情報は逆転写PCR法を用いても得られた。転写処理は、50μlの反応 物におけるランダム六量体を用いて、Superscript逆転写酵素 (Gibco,BRL)を含む1μgの全細胞RNA上で行った。プライマーP1〜P4 は、それぞれ、5'-AAGGCCGCAGGCTCCCCATT-3'、5'-AGCAGCCGCGGCCCCAGTTC-3'、5' -TGACAAGTTAAACGCAGTTATCACAT-3'、及び5'-TCTCTGCCTTCGGTCGAGTTG-3'(第8図 )である。4つのプライマーの濃度は、P1-500nM、P2-250nM、P3-500nM、及びP4 -100nMである。50μlのPCR反応物は、10μlの一本鎖cDNA、200 μの各dNTP、及び0.3UのTaqポリメラーゼ(Promega)を含む。この反応条件 は以下の通りである。即ち、94℃で3分間、94℃で20秒間、62℃で30 秒間、72℃で30秒間、これを34サイクル繰り返し、72℃で4分間処理す る。この反応産物は、臭化エチジウム染色アガロース上で可視化した(第9図) 。 5 完全長まで、又は調節エレメントを回復するまでのLRGRPの延長 完全長LRGRPの核酸配列(配列番号:2)は、部分的ヌクレオチド配列を 完全長まで延長するため、或いはゲノムライブラリから5’配列を得るためのオ リゴヌタレオチドプライマーを設計するために用いることができる。一方のプラ イマーはアンチセンス方向(XLR)の延長を開始するために合成され、他方の プライマーはセンス方向(XLF)に配列を延長するために合成される。これら のプライマーにより、周知のLRGRP配列を「外側に」延長し、対象の制御領 域の新しい未知のヌクレオチド配列を含むアンプリコンを生成できるようになっ た。初期プライマーは、Oligo(登録商標)4.06(National Biosciences社、Ply mouth MN)、或いは他の適切なプログラムを用いて、長さが22〜30ヌクレオ チドで50%以上のGC含有率を有し、かつ約68〜72℃の温度で標的配列に アニールするように設計することができる。結 果的にヘアピン構造及びプライマー−プライマー二量体化を生じる任意のヌクレ オチドのストレッチの延長はが回避される。 元の選択されたcDNAライブラリーか、ヒトゲノムライブラリーを用いて、 配列を延長する。後者のライブラリーは、5’上流配列を得るために最も役立つ 。必要なら、既知領域をさらに延長するために追加のプライマーの組が設計され る。 XL-PCRキット(Perkin Elmer社)のための指示に従って、酵素と反応混合物と を完全に混合することにより、高い忠実度の増幅が得られる。40pmolの各プラ イマーと、推奨された濃度のキットの他の全ての成分とから増幅を開始する場合 、PCRはPeltier Thermal Cycler(PTC200;MJ Reserch社、Watertown MA)を 用いて、以下のパラメータで実行される。 ステップ1 94℃で1分間(初期変性) ステップ2 65℃で1分間 ステップ3 68℃で6分間 ステップ4 94℃で15秒間 ステップ5 65℃で1分間 ステップ6 68℃で7分間 ステップ7 ステップ4〜6をさらに15サイクル反復 ステップ8 94℃で15秒間 ステップ9 65℃で1分間 ステップ10 68℃で7分15秒間 ステップ11 ステップ8〜10を12サイクル反復 ステップ12 72℃で8分間 ステップ13 4℃(その温度を保持) 反応混合物の5〜10μlのアリコットを、低濃度(約0.6〜0. 8%)アガロースミニゲルにおける電気泳動で解析して、反応物が配列を延長す ることに成功したか否かを決定する。最も大きな生成物或いはバンドを選択して 、ゲルから切り出した。さらなる精製には、QIAQuick(登録商標)(QIAGEN社) のような市販のゲル抽出法を用いる。DNA回収の後、クレノウ酵素を用いて一 本鎖ヌクレオチドの延び出しを切り取り、再結合及びクローニングを容易にする 平滑末端を作った。 エタノール沈殿の後、生成物を13μlのリゲーション緩衝液内に再溶解し、 1μlのT4−DNAリガーゼ(15単位)及び1μlのT4ポリヌクレオチド キナーゼを加えて、その混合物を、室温で2〜3時間、或いは16℃で一昼夜イ ンキュベートする。コンピテントな大腸菌細胞(40μlの適切な溶媒内にある )を、3μlのリゲーション混合物を用いて形質転換し、80μlのSOC培地 (Sembrook J等、上記)で培養する。37℃で1時間のインキュベーションの後 、全ての形質転換混合物を、2xCarbを含むLuria Bertani(LB)寒天上 にのせる。後日、いくつかのコロニーを各プレートから無作為に選択し、適切な 市販の無菌の96穴マイクロタイタープレートの個々のウェル内に入れられた1 50μlの液状LB/2xCarb培地で培養する。さらに後日、5μlの各オ ーバーナイト培養物を非無菌96穴プレート内に移し、水で1:10に希釈した 後、各5μlのサンプルをPCRアレイ内に移す。 PCR増幅の場合、rTthDNAポリメラーゼの4単位を含む18μlの濃 縮PCR反応混合物(3.3x)、ベクタープライマー、並びに延長反応に用い られる遺伝子特異的プライマーの一方或いは両方を各ウェルに加える。増幅は以 下の条件に従って行う。 ステップ1 94℃で60秒間 ステップ2 94℃で20秒間 ステップ3 55℃で30秒間 ステップ4 72℃で90秒間 ステップ5 ステップ2〜4をさらに29サイクル反復 ステップ6 72℃で180秒間 ステップ7 4℃(そのまま保持) PCR反応物のアリコットを、分予量マーカーと共にアガロースゲル上で移動 させる。PCR生成物のサイズを元の部分的なcDNAと比較して、適切なクロ ーンを選択し、プラスミドに結合して、配列決定を行う。 6 ハイブリダイゼーションプローブの標識及び使用 配列番号:2の配列に基づくハイブリダイゼーションプローブは、cDNA、 mRNA並びにゲノムDNAをスクリーニングするために用いられる。好適実施 例では、ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号:2のヌクレオチドC1 63とA874との間の配列に由来する。約20の塩基対からなるオリゴヌクレ オチドの標識について特に記すが、大きなcDNAフラグメントの場合でも概ね 同じ手順を用いる。オリゴヌクレオチドを、50pmolの各オリゴマーと、2 50mCiの[γ‐32P]アデノシン三リン酸(Amersham社,Chicago IL)及びT 4ポリヌクレオチドキナーゼ(DuPont NEN(商標)、Boston MA)とを組み合わ せて用いて標識する。標識されたオリゴヌクレオチドを、SephadexG-25超精細樹 脂カラム(Pharmacia社)を用いて精製する。それぞれ毎分107カウントを含む 各部分を、以下のエンドヌクレアーゼ(AseI,Bgl II,EcoRI,Pst I,Xba1或いはPv uII;DuPont NEN(商標))の1つを用いて消化されるヒトゲノムDNAの典型 的な膜ハイブリダイゼーション解析において用いる。 各切断DNAを、0.7%アガロースゲル上で分画化して、ナイロン膜(Nytr an Plus,Schleicher&Schuell,Durham NH)に移す。ハイブ リダイゼーションは40℃で16時間かけて行う。非特異的シグナルを取り除く ために、ブロットは、0.1xクエン酸ナトリウム食塩水及び0.5%ドデシル 硫酸ナトリウムまで段階的に厳格性が増す条件下で、室温にて順次洗浄される。 XOMATAR(登録商標)フィルム(Kodak,Rochester NY)を、数時間かけてPhospho imager cassette(Molecular Dynamics,Sunnyvale CA)においてブロットに露光 された後、ハイブリダイゼーションパターンが視覚的に比較される。 7 アンチセンス分子 LRGRP配列或いはその任意の一部は、天然LRGRPのin vivoまたはin vitro発現を抑制するために用られ得るアンチセンス分子の設計のための基礎と なる。約20塩基対からなるアンチセンスオリゴマーの使用について特に記すが 、大きなcDNAフラグメントの場合でも概ね同じ手順を用いることができる。 第1A図、第1B図、及び第1C図に示すようなLRGRPのコード化配列に基 づく相補的なオリゴヌクレオチド用いて、自然発生LRGRPの発現を抑制する ことができる。この相補的なオリゴヌクレオチドを第1A図、第1B図、及び第 1C図に示す最も一義的な5’配列から設計し、これを用いてプロモーターが結 合するのを阻害することにより転写を抑制したり、リボソームが転写物に結合す るのを阻害することによりLRGRP転写物の翻訳を抑制することができる。配 列番号:2のリーダー配列及び5’配列の適切な部分を用いることにより、効果 的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、第1A図、第1B図、及び第1C図に 示すヌクレオチドのなかの、ポリペプチドのシグナル配列または初めの方のコー ディング配列に翻訳される領域全体にわたる15〜20個のヌクレオチドを含む ようになる。 8 LRGRPの発現 LRGRPの発現は、cDNAを適切なベクター内にサブクローニン グし、そのベクターを宿主細胞にトランスフェクトすることによって行われる。 クローニング用のpBluescriptベクターを、大腸菌株であるXLI-BlueMRF(商標) (Stratagene)においてLRGRPを発現するのに用いる。クローニング部位の 上流には、β−ガラクトシダーゼに対するプロモータが存在し、その後ろにはア ミノ基末端メチオニン及びβ−ガラクトシダーゼの7残基が存在する。直後に続 くこれら8つの残基は、転写に役立つバクテリオファージプロモーターであり、 多くの一義的な切断部位を含むリンカーである。 単離されたIPTGトランスフェクト菌株を標準的な方法を用いて誘導するこ とにより、初めのβガラクトシダーゼの7残基、約5〜15残基のリンカー、及 び完全長LRGRPからなる融合タンパク質を作り出す。このシグナル配列は、 後の行う活性のアッセイにおいて直接用いることができる菌増殖培地へのLRG RPの分泌を誘導する。 LRGRP融合タンパク質は哺乳類細胞において発現された。エプトープ標識 されたヒトLRGRPタンパク質を用いて、LRGRPをコードするcDNAが 、タンパク質に翻訳される傾向を示した。c-mycタンパク質の抗原部分をコード するポリヌクレオチドを、全LRGRPタンパク質をコードするポリヌクレオチ ドの3'末端に融合し、pcDNA3/CMV真核生物発現ベクターに挿入した。組換え体 発現ベクターを、COS-1細胞に導入し、抗c-myc抗体を用いて免疫染色して、推定 LRGRP融合タンパク質の発現を調べた。 LRGRP融合タンパク質は細菌細胞において発現された。グルタチオンS-ト ランスフラーゼ(GST)をコードするポリヌクレオチドを、全LRGRPタンパ ク質をコードするポリヌクレオチドの3'末端に融合し、発現ベクターに挿入し た。組換え体発現ベクターを大腸菌に導入し、抗LRGRP抗体を用いた免疫プ ロットにより、推定LRGRP融合タ ンパク質の発現を調べた。融合タンパク質は、グルタチオンアガロースビーズに 吸収させた後、遊離グルタチオンの存在の下で溶出させることによって溶解細胞 から精製することができる。 9 LRGRP活性 LRGRP活性はレプチンレセプター活性に対するその影響を測定することに よりアッセイすることができる。レプチンレセプターは、JAKチロシンキナー ゼ結合部位を特徴として有する(Lee GH等,前出;Fukunaga R等(1991)EMBO J 10 :2855-2865)。JAKチロシンキナーゼと相互作用するレセプターの活性は、適 切なリガンドによる刺激の後に32Pをタンパク質に組み込み、それを評価するこ とにより測定することができる(例えばWang Y等(1995)Mol Endocrinol 9:303-3 11)。 レプチンレセプター活性へのLRGRPの影響は、レプチンレセプター発現生 成物を、LRGRP発現作製物を同時感染させて、或いはさせないでトランスフ ェクトした細胞系にレプチンを添加した後組み込まれた32Pを測定することによ り確かめることができる。Pチロシンに対する抗体を用いた免疫沈降を行った後 、ゲル電気泳動を行ってブロットする。タンパク質のリン酸化は、LRGRP発 現作製物の同時感染を行った、或いは行わなかった分離されたタンパタ質のサイ ズにおける放射線を測定することにより定量する。 10 LRGRP特異的抗体の産生 標準的なプロトコルを用いたウサギの免疫化及び抗体の産生には、PAGE電 気泳動法(Sambrook前出)を用いて実質的に精製されたLRGRPを用いる。L RGRPから翻訳されたアミノ酸配列をDNAStarソフトウエア(DNASTAR社)を用 いて解析して免疫抗原性の高い領域を決定し、対応するオリゴペプチドを当業者 には周知の手段により合成して、当業者に周知の方法で抗体をを産生するために 用いる。C末端付 近の、或いは隣接する親水性領域内のエピトープのような、適切なエピトープを 選択するための解析法は、Ausubel FM等(上記)の論文に記載されており、第4 図及び第5図に示されている。 通常、約15残基の長さを有するオリゴペプチドを、Applied Biosystemsのペ プチドシンセサイザーModel 431Aを用いてfmoc法ケミストリにより合成し、 M−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS: Ausubel FM等、上記)を用いた反応によりキーホールリンペットヘモシニアン( KLH、Sigma)に結合する。フロイントの完全アジュバントにおけるオリゴペ プチド−KLH複合体を用いてウサギを免疫する。得られた抗血清の抗ペプチド 活性を検査するには、例えばペプチドをプラスチックに結合し、1%BSAを用い てブロックし、ウサギ抗血清と反応させて洗浄し、さらに放射性ヨウ素標識され たヤギ抗ウサギIgGに反応させる。 LRGRPに対する抗血清が作り出された。以下の2つのペプチドを化学的に 合成した。即ちLRGRP内の51番目から62番目のアミノ酸残基であるFIAK RVTYDSDAC、及びLRGRP120番目から131番目のアミノ酸残基を表すKFG RGDDFSWEQW。これらのペプチドのそれぞれは、ウサギに注射され、その後確立さ れた手順を用いて抗LRGRP抗血清を回収した。 11 特異的抗体を用いる自然発生LRGRPの精製 自然発生LRGRP或いは組換え体LRGRPは、LRGRPに対する特異的 な抗体を用いるイムノアフィニティークロマトグラフィにより精製することがで きる。イムノアフィニティーカラムは、CnBr活性化Sepharose(Pharmacia Biote ch社)のような活性化クロマトグラフレジンとLRGRP抗体とを共有結合させ ることにより構成される。結合後、そのレジンを製造者の指示に従って、ブロッ クし洗浄する。 LRGRPを含む培養液をイムノアフィニティーカラムに通し、そのカラムを LRGRPを優先的に吸着できる条件下で(例えば界面活性剤の存在下において 高イオン強度緩衝剤で)洗浄する。このカラムを、抗体/LRGRP結合を切る ような条件下(例えばpH2〜3の緩衝剤、或いは高濃度の尿素またはチオシア ン酸塩イオンのようなカオトロピックイオン)で溶出させ、LRGRPを回収す る。 12 LRGRPと相互作用する分子の同定 LRGRP、或いはその生物学的に活性なフラグメントを、125I ボルトン ハンター試薬を用いて標識する(Bolton,AE及びHunter,WM(1973)Biochem J 13 3:529)。96穴プレートのウェル内に前に入れておいた候補分子を、標識した LRGRPとともに培養し、洗浄し、標識したLRGRP複合体を有する任意の ウェルをアッセイする。異なる濃度のLRGRPを用いて得られるデータを用い て、候補分子とLRGRPの数、アフィニティー並びに会合度の数値を計算する 。 LRGRPに結合する分子を、LRGRPに特異的な抗血清を用いて免疫沈降 させることにより、同定することができる。LRGRPの免疫沈降は、非変性条 件の下で、標準的な方法を用いてポリアクリルアミドゲル上で行うことができる 。LRGRPより高い推定分子量を有するゲル上のタンパク質は、LRGRPの ヘテロマー及びLRGRPと相互作用するタンパク質である。これらのLRGR Pと相互作用するタンパク質を、精製し更に特性化することができる。更に、OB -Rとの相互作用は、OB-R抗血清を含む細胞抽出物を免疫沈降させた後、LRGR P血清でウェスタンブロット解析を行うことにより直接検定することができる。 上記のすべての刊行物及び特許明細書は、本明細書と一体に参照され たい。本発明の記載した方法及びシステムの種々の変更例及び変形例は、本発明 の範囲及び精神から逸脱しないことは当業者には明らかであろう。本発明は特に 好適な実施例に関連して記載されているが、本発明の請求の範囲は、そのような 特定の実施例に不当に制限されるべきではないことを理解されたい。実際には、 本発明を実施するために記載された方法の種々の変更例は、分子生物学或いは関 連する分野の当業者には明らかなように、以下の請求項の範囲内に含まれるもの である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 C07K 14/705 43/00 C12N 1/15 C07K 14/705 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/68 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12Q 1/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AT,BR,CA ,CH,CN,DE,ES,FI,GB,IL,JP, KR,MX,NO,NZ,RU,SE,SG,US

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列番号:1のアミノ酸配列、又はその断片を含む実質的に精製されたヒト ・レプチンレセプター遺伝子関連タンパク質。 2.配列番号:1の22番目のMetから131番目のTrpまでの請求項1に 記載の実質的に精製された断片。 3.請求項1のポリペプチドをコードする単離され、精製されたポリヌクレオチ ド配列。 4.配列番号:2の163番目のCから874番目のAまでの配列を含む請求項 3に記載の単離され、精製されたポリヌクレオチド配列。 5.配列番号:2の配列、又はその縮重変異体からなることを特徴とする請求項 3に記載の単離され、精製されたポリヌクレオチド配列。 6.厳格な条件の下で、請求項4のポリヌクレオチド配列とハイブリッド形成す るポリヌクレオチド配列。 7.配列番号:2の配列、又はその縮重変異体に対して完全に相補的なポリヌク レオチド配列。 8.厳格なハイブリダイゼーション条件の下で、配列番号:2の配列とハイブリ ッド形成するポリヌクレオチド配列からなることを特徴とする請求項4に記載の 単離され、精製されたポリヌクレオチド配列。 9.請求項5のポリヌクレオチド配列を含む組換え体発現ベクター。 10.請求項5のポリヌクレオチド配列を含む組換え体宿主細胞。 11.配列番号:1に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドの精製方法であって 、 (a)ポリペプチドの発現に適切な条件の下で、請求項10の宿主細胞を培養 する過程と、 (b)前記宿主細胞の培地から前記ポリペプチドを回収する過程とを含むこと を特徴とするポリペプチドの精製方法。 12.請求項1のポリペプチドに対して特異的に結合する精製された抗体。 13.請求項1のポリペプチドに特異的に結合し、その活性を変調する精製され たアゴニスト。 14.請求項1のポリペプチドに特異的に結合し、その活性を変調する精製され たアンタゴニスト。 15.実質的に精製された請求項1のポリペプチドを適切な製薬用担体と共に含 む医薬品組成物。 16.請求項13のアゴニストを効果的な量だけ治療が必要な患者に投与する過 程を含むことを特徴とする代謝障害の治療方法。 17.請求項13のアゴニストを効果的な量だけ治療が必要な患者に投与する過 程を含むことを特徴とする生殖障害の治療方法。 18.請求項13のアゴニストを効果的な量だけ治療が必要な患者に投与する過 程を含むことを特徴とする発達障害の治療方法。 19.請求項14のアンタゴニストを効果的な量だけ治療が必要な患者に投与す る過程を含むことを特徴とする癌の治療方法。 20.請求項14のアンタゴニストを効果的な量だけ治療が必要な患者に投与す る過程を含むことを特徴とする結合組織疾患の治療方法。 21.生物学的サンプルにおいて、ヒト・レプチンレセプター遺伝子関連タンパ ク質をコードするポリペプチドを検出する方法であって、 (a)生物学的サンプルの核酸材料と請求項6のポリペプチドをハイブリッド 形成させ、ハイブリダイゼーション複合体を形成させる過程と、 (b)前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する過程とを含むことを特徴 とし、 前記複合体の存在が、前記生物学的サンプルにおけるヒト・レプチンレセプタ ー遺伝子関連タンパク質をコードするポリヌクレオチドの存在 と相関を有することを特徴とするポリヌクレオチドの検出方法。
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