JPH0445767A - 耐久性減臭ニンニク加工方法並びに減臭ニンニク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は耐久性無臭ニンニク加工方法並びに無臭ニン
ニクに係り、特に、生ニンニク球根であって細胞の活性
及び風味を損なわずにニンニク臭を減少させ、すぐれた
耐久性をもたせた耐久性無臭ニンニク加工方法とそれに
よって加工された無臭ニンニクに関する。

〔従来の技術〕

ニンニクは古来がら強精食品として評価され広く食用に
供されているが、特有のニンニク臭があることと、食後
において体臭としても臭う点が大きな難点となっている
。

そのため、古来から様々な国で様々な人によってニンニ
ク臭をニンニク球根から除去する方法が考えられている
が、例えば本出願人の案出に係る特開昭５７年第２９２
６５号公報には、珪酸とフィチン酸を使用した無臭ニン
ニクの加工方法の技術が開示されている。これはニンニ
ク臭を発生させる金属酵素をフィチン酸で不活性化し、
珪酸で悪臭物質を吸着しようとするものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

発明者はニンニクの成分についてさらに研究を重ねた結
果、次のことを確認するに至った。すなわちニンニクの
悪臭成分は、ニンニク油に含まれている数種の硫化アリ
ル（ａｌｌｙｌ　５ｕｌｆｉｄｅ）類、すなわち硫化ジ
アリルｆＩｉａｌｌｙｌ　ｓｕ口１ｄｅ）、二硫化アリ
ル、三硫化アリル、二硫化アリルプロピル（ａｙｌ　ｄ
ｉｓｕｌｆｉｄｅ　ｐｒｏｐｙｌ）かアルカリの作用で
分解されてジスルフィド（ｄｉｓｕｌｆｉｄｅ）、二硫
化イオウ（ＳＵｆｉｄｅ　ｄｉｏｘｉｄｅ）になったも
のであることが判った。

また強精作用を有する物質はアリシン（ａｒｉｃｉｎｅ
）であり、このアリシンはアミノ酸の一種であるアリイ
ン（ａｌｌｉｉｎ）が酵素アリイナーゼ（ａ　ｌ　ｌ　
ｉ　１ｎａｓｅ）の作用で分解され、アリシン、アンモ
ニア（ａｍｍｏｎｉａ）、ピルビン酸（ｐｙｒｕｖｉｃ
　ａｃｉｄ）となるときに生成されることが判った。

このことから、前記特開昭５７年第２９２６５号におけ
るフィチン酸で、アリインを分解する酵素アリイナーゼ
を不活性化すると、アリシン及びアンモニアが生成しな
くなるので、これらアルカリによる硫化アリルの分解か
なくなり、悪臭は発生しなくなるか、栄ＩＩ物質である
アリシンの効果を発揮させる上に多くの問題があった。

この発明はこれらの実情からアリシンは活発に生成され
る状態としておき、硫化アリル顛の分解を図ることでニ
ンニクを無臭化するものであり、しかも生のままで耐久
性にすぐれた耐久性無臭ニンニク加工方法と無臭ニンニ
クを掛供することを目的としているものて゛ある。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は前記課題を解法し、前記目的を達成するなめ
に次のような技術的手段を講じた。

（１）重炭酸ソーダとエタノールを含有するアルカリ性
処理液中に生ニンニク球根を浸漬して一ニンニク油中に
含有されている硫化アリル類を分解させた。

（２）上記工稈後に、有ｌｌ酸を含む酸性処理液中にニ
ンニクを浸漬してアルカリ分を中和させた。

（３）シかる後、ニンニクを脱水乾燥させて含有水分を
５０〜６５重量Ｘとした。

上記処狸汲は水１０ｋｇ当り生ニンニク　５ｋｇを浸漬
するのが標準であり、水１０ｑ当り、重炭酸ソーダ５０
鉦〜２００．．エタノール１０１〜５０「の範囲で使用
する。

前記重炭酸ソーダ、エタノールの量は前記量より多くて
も浸透圧が高められる点でかまわないが、ニンニクの＠
胞が破壊されたり、味が悪くなる等の問題が生じるので
、濃度は淡い方がニンニク本来のうまみを残すことがで
きる。

処理液に浸漬する時間は３日ないし５日であるが、処理
液の濃度によっては７〜８日かけてもよい１重炭酸ソー
ダの濃度を濃くしたからといって１〜２日の浸漬では外
表部と内芯部との処理差が生じるので、均一化するには
濃度（０，５％）の淡い処理液で処理日数を長期（７〜
８日）とする方が好ましい、ただし、ａ断したニンニク
は短時間でも無臭化が可能である。

処理液は初めから終りまで１浴でもよいし、同じ濃度或
いは違う濃度の浴を作り、定時間おきにかえてもよい。

また処理液の濃度は冷温よりも保温した方か浸透性がよ
いが、その温度は鼓高人肌の温度を超えない方がよい。

すなわちニンニクの紀胞が破壊されない温度が選択され
る。荊記浴を途中で変える場合は、冷水晒して２０″Ｃ
前後の処理液に浸す方が効果的である。

上記処理後、冷水晒して前記カルボン酸の処理液に浸漬
する。処理液は水１０に１当りカルボン酸を２０、〜５
０ｇ添加したもので、液温は１５°Ｃ〜４０℃で使用さ
れる。浸漬日数は１〜３日である。

乾燥は天日干しが効率の点でよいが、早期均一乾燥する
には乾燥炉で行うことが好ましい。

この場合減圧室で減圧（１２０ミリバール〜６０ミリバ
ール）脱水させて遠赤外線乾燥するのが効率がよい。

なお、前記処理液に使用する水は通常の水でよいが、電
気分解によりイオン交換をさせたイオン水（アルカリ浴
に陰イオン水、酸浴に陽イオン水）を使用することもで
きる。

〔作用〕

上記のように構成されたこの発明においては次のような
作用を有する。

（１）ニンニク臭の源となる物質はニンニク油中の硫化
アリル類で、これがアルカリで分解してジスルフィド（
ｄｉｓｕｌｆｉｄｅ）を生成し、気化するなめである。

この点本発明にあっては、重炭酸ナトリウム溶液がニン
ニク球根内に浸透すると、アルカリにより硫化アリル類
が分解されて上記同様ジスルフィドが生成するが、該ジ
スルフィドは水に不溶でエタノールに可溶なため、洛中
のエタノールによってニンニク中のジスルフィドは洛中
に抽出（溶出）される、従って洛中の重炭酸ソーダの費
消を伴なうが、長期間ニンニクを洛中に浸しておけばニ
ンニク油中の硫化アリル類はほとんど分解されるなめ臭
は出なくなる。しかしニンニクの長期間浴中浸漬はニン
ニク本来の風味が損われ、かつ重曹臭すら感じられるよ
うになり、好ましくない、かかる見地から本発明ではニ
ンニク臭を６０％減ぐらいに押えることが風味を損わな
い上で最適である。

以上の工程と作用により、脱臭効果をあげることができ
る。

従って前述したように、重炭酸ソーダがニンニク球根内
に長期残存してニンニク本来の風味を損うという欠点が
避けられるばかりでなく、更に腐敗しやすく耐久性に欠
けるという数点を一挙に解決することができる。。

このため本発明においては、カルボン酸等の有ＩＩ酸を
含む酸浴処理液中にニンニクを浸漬することによって、
ニンニク球根中のアルカリ物質を効果的に中和すること
ができ、しかも風味上必要な残存硫化アリルを保持させ
ることができる。上記硫化物の残存はニンニクのもつう
まみの成分であるが、前記のようにしてニンニク中のア
ルカ−り分を中和することによって、アリインがアリイ
ナーゼ（酵素）の作用をその後も受けることができるし
、またアリインが分解することによって生ずるアルカリ
が、残存している硫化アリル額の分解に作用するとして
も、発生するニンニク臭は微少なので、特に問題は生じ
ない。

次に生ニンニクの含有水分について述べる。生ニンニク
は通常７５〜８０％の水分を含有する（ただし前記処理
直後では９０％近くに達する）。

このため含有水分７５〜８０％位で放置しておくと、貯
蔵中、店頭での展示中に重なり合いの重量と擦過等によ
り損傷し、腐敗するため耐久性に欠けるが、含有水分を
５０〜６５重量九まで減じると表面が硬くなり傷つきに
くく、しかも腐敗しにくくなり耐久性か著しく向上する
。特に減圧脱水させるとニンニクにかかる力が外向きに
かかつて脱水されるなめ、ニンニクはいわゆる萎びる状
態にならず形姿とも美しく維持させることができる。

これに対し含有水分を５０％以下に減少させることも考
えられるが、５０％以下にあってはいわゆるボン・ドラ
イ（完全乾燥）にまでなるため生ニンニクの細胞が破壊
されることになるが、前記５０〜６５％の水分なら休眠
状態であり、細胞は生きているのでアリシンの生成も行
なわれて腐敗に対するｐ７ｉＩＩ力ともなる有利性があ
る。

以下この発明の詳細な説明する。

実施例１ 水道水１０嘘当り重炭酸ソータ　１００．とエタノール
２５ｔを添加したアルカリ浴を作り、処理槽に１０００
ｋｇ注入した。これをボイラーにより２５℃に加熱保温
しておき、５００ｋｇの皮付き生ニンニク球根を浸漬さ
せて２４時間経過後、アルカリ浴（温度は同じ）を取り
かえ、液温度を３０℃に上昇させた。２４時間経過後、
更に液温度を３３℃に上昇させて２４時間経過後、処理
槽からニンニク球根を取り出した。

これを水の中に１時間晒してから該ニンニク球根を減圧
室において２００ミリバールの気圧下で３分間脱水させ
て含有水分を８０重量ｘ以下にした。

しかる後、次記の酸浴に浸漬した。

酸性処理液として、水１０ｙに対してクエン酸３０ｇ、
酒石酸２０＋ｒを添加溶解させた。

これを処理槽に１０００ｋｇ注入し、２５℃に保温した
状態で前記アルカリ浴による処理済ニンニクを処理槽に
浸漬した。４８時間経過後、ニンニクを取り出してその
半分は水で１時間晒して脱水させた。

残り半分は別に用意した洗浄浴に１時間浸漬して水洗い
し脱水させた。

前記洗浄浴は、水を電気分解器で電気透析をさせて、陰
電極側に生じた陽イオンを含む陽イオン水１０ｋｇ当り
、市販の酸性珪酸ゾル（商標スノーテックスＱ＝　５ｉ
ｎ２として２０％含有の水性ゾル）を５０、添加したも
のであり、これは前記処理済のニンニク球根の皮に付着
している臭気を除去することが目的て゛ある。

前記脱水は減圧槽にニンニクを容れて２００ミリバール
まで減圧して３分経過後、常圧に戻し熱風と遠赤外線併
用の乾燥室において含有水分が５０〜６５重量πになる
まで乾燥させた。この場合、ニンニク表面温度が４０℃
を超えないように温度管理をした。浸漬処理後のニンニ
クの含有水分は９０〜９３駕もあるが、減圧によって６
５〜７０χまで脱水させられるから、乾燥室での乾燥時
間は１時間以内で充分である。

なお脱水と乾燥を１つの減圧ｍ梢付き乾燥室（金属筒体
に数段の棚を設は輻射熱加熱装置を有する）ですること
ができる、乾燥させたニンニク球根を目視したところ洗
浄浴に浸漬したニンニクは皮が白くきれいであったが洗
浄浴に浸漬しなかったニンニクは皮が少し黄ばんでいた
。また臭を比較してみると洗浄処理したものはほとんど
無臭であったが、未処理のものは、わずかにニンニク臭
がした。これは皮に付着した奥の物質が臭ったものであ
る。

次に未処理生ニンニクと無臭加工処理済ニンニクの臭気
測定をした結果は表−１のとおりである。

これは３人のパネラ−にニンニク（約２０ｇ）を食べて
もらって、食後５分、食後３０分における呼気をガスク
ロマトグラフィーによって分析しなものである。

この分析値から判るように未処理のニンニクは食後３０
分軽過してもなお臭気は変らないことが判る。その原因
はニンニクに含まれている硫化アリル頷が胃關内におい
てなお分解されジスルフィドとなり体温で気化されて出
て来るためである。その点この発明に係る処理方法で処
理されたニンニクはアルカリ処理によって硫化アリル類
があらかじめ分解されているなめ、食後においてもはや
臭うことがない。

一般に臭を感じるのは臭気物質濃度が１ｐｐｎ以上の場
合とされ、実施例１においては、わずかに臭う程度であ
る。これは全く無臭にした場合、ニンニクとしての価値
がなくなるため、敢えて臭いを残しであるためである。

しかして、食後３０分経過後においては、全く臭わない
程度になっている。

実施例２ 前記実施例１の工程中におけるアルカリ処理後の減圧脱
水工程を除いた条件で実施した結果は表−１に示すとお
りである。この数値から推測すると、アルカリ処理をし
た後、減圧脱水させると、ニンニク内に残存しているエ
タノールが硫化アリル頷とともに抽出されるため、減圧
脱水処理をしない実施例２よりも実施例１の方が脱臭効
果が高いことが判る。

実施例３ 前記実施例１の工程中、酸処理工程を省略した条件で実
棒した。この実施例３と実施例１における処理済ニンニ
クの耐久性を検討しな、実施例１のニンニクは室温（２
２℃）で１年経過しても同等腐敗等の気配は見られなか
ったが、実施例３のニンニクは３ケ月後に約３０％が腐
敗しはじめていた。

実施例４ ニンニクをａＵＩｍで数階（厚さ約２■）しアルカリ処
理液中に浸漬（処理液２０嘘にニンニク１０−）した、
該アルカリ処理液は水１０ｋｇ当り重炭酸ソーダ５０ｇ
、エタノール２０Ｉｒを添加したしので、室温（２４℃
）で１０時間浸漬後取出し、冷水に３０分閤漫潰靜装し
て後、これを取出し水切り後、酸性処理液中に浸漬した
。該酸性処理液は水１０ｋｉｒ当り、リンゴ′ｆ１１２
０ｔを添加したもので室ｍ（２５℃）で８時間処理した
。処理後ニンニクを擦りつぶしてベースト状にした。該
ペースト状ニンニクを前記同様パネラに食べさせ、５分
後の呼気を計測した結果は表−１に示すとおりである。

この数値からも判るように、ニンニクをスライスして処
理したため、短時間で処理効果が得られはしても、この
ように薄く数階した場合はニンニクの栄養分も処理液中
に溶出されるという不都合さのあることが判る。

実施例５ 擦りつぶしニンニク１０−に対し、重炭酸ソーダ３０ｇ
、エタノール１５ｇを添加撹拌し、３時間経過後、該ニ
ンニクにクエン酸１０ｔ、乳酸１０ｆを添加した。１時
間経過後、前記同様パネラ−の試食に供したが食後の臭
気測定した結果は表−１に記載のとおり、脱臭効果があ
った。

実施例６ 前記実施例１におけるアルカリ処理後のニンニクを実施
例１の酸処理液（３０℃）に１時間浸漬後、含有水分が
３５〜４０％になるまで減圧脱水させて乾燥し、乾燥ニ
ンニクを得た。また該乾燥ニンニクを粉末とし粉末ニン
ニクを得た。これら乾燥ニンニク粒と粉末ともに、臭気
は前記第１実施例と近似の脱臭効果があった。

（参考） 前記実施例において、処理液を保温し、また温度を変え
ているが、これは浸透性を高めるためであるから、常温
で一定であってもかまわない。

アルカリ浴に重炭酸ソーダ溶液を用いたのは、安価であ
ること、食品衛生上も問題がないこと及び扱いやすいた
めであって、これと同じ上記効果のある他のアルカリ性
物質を使用し得ることはいうまでもない。濃度は０．５
　′ｆｊ！、量％から５重量％の範囲で充分に脱臭効果
があり、１〜２％か適度である。

酸性処理液にはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸等の
カルボン酸が好ましいが、これに限定されるものではな
く、他の有ｍａを使用することができる。また酸化防止
と栄養強化のためにビタミンＥ、ビタミンＣを酸性処理
液中に添加させることもできる。

前記酸性処理液の濃度はカルボン酸類で０．５〜２重量
％で充分である。また処理時間は１時間以上あれば耐久
性に対する処理効果が得られる。

以 下 余 白 〔表−１ 〕 〔発明の効果〕 以上詳述したようにこの発明は次のようなすぐれた効果
を有している。

（１）生ニンニクをアルカリ浴に浸漬してアルカリによ
りニンニク中の硫化アリル類を分解させることによりて
悪臭物質を効果的に除去し得るものであるから、処理後
における生のまま或いはこれを食した後でもニンニク臭
の発生が著しく減少される効果がある。

（２）アルカリの作用による硫化アリル類の分解は生ニ
ンニクの中で常時性なわれている作用であり、それを１
時的に活発化させたにすぎないため、栄養分を損なうお
それがなく、食べるときにはニンニクの風味を損なわな
い効果がある。

（３）含有水分を５０〜６５重量％に減少させた後、低
温乾燥するので、生ニンニクは活きていて休眠状態であ
るため耐久性にすぐれている。特に表面は硬いので擦過
傷、打ち身が生じに＜＜、かつ細菌の繁殖がしにくいた
め、腐敗しにくい。

（４）安価に処理ができるため、栄養のあるニン二りの
需要を増加し、健康増進に寄与することができる。

（５）脱臭後のニンニクは乾燥しなり、粉体としても臭
が出ないなめ、加工ニンニク商品としての拡販が期待で
きる。

平成３年７月２２日

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）重炭酸ソーダとエタノールを含むアルカリ性処理
   液中に生ニンニク球根を浸漬してニンニク中の硫化アリ
   ルを分解させると共に、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等
   のカルボン酸その他有機酸から選択される１種以上の有
   機酸を含む酸性処理液で前記アルカリ処理済のニンニク
   を中和処理して取り出した後、ニンニク球根の含有水分
   を５０〜６５重量％になるよう脱水乾燥させることを特
   徴とする耐久性無臭ニンニク加工方法。
2. （２）前記第１項の方法において、酸性処理液中にビタ
   ミンＣ、ビタミンＥを添加することを特徴とする耐久性
   無臭ニンニク加工方法。
3. （３）前記第１項の方法において、アルカリ処理後のニ
   ンニク球根を、含有水分が８０重量％以下になるよう減
   圧脱水後に酸性処理液で処理することを特徴とする耐久
   性無臭ニンニク加工方法。
4. （４）截断したニンニクを重炭酸ソーダとエタノールを
   含むアルカリ性処理液中に浸漬してニンニク中の硫化ア
   リル類を分解させると共に、該アルカリ処理済のニンニ
   クに酸性中和剤を添加してニンニク中のアルカリ分を中
   和することを特徴とする耐久性ニンニク加工方法。
5. （５）ニンニクをアルカリ処理液に浸漬してニンニク中
   の硫化アリル類を分解させることによってニンニク臭を
   除去したことを特徴とするニンニク。