JPH0445356B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水受容性金属と酸化クロムとを組合
せた表面を使用する新規なスチール製オフセツト
プレートに関する。

ブラツクアイアンのプレートは、特に、たとえ
ばそのプレートの表面に酸化クロムと組合せたク
ロムまたは錫のような水受容性金属を含有する非
常に薄いコーテイングを施した防腐性錫のような
金属製包装材料の製造に関連して、フランス国特
許第1575515号；77／25340，77／25886，78／
09425，78／25140，74／19235および79／21819に
記載されているように、すでに開示されている。

バイメタルプレートとして知られるオフセツト
プレートもまた開示され、使用されているが、こ
のオフセツトプレートはその水受容性表面がクロ
ムまたは場合により、錫から作られている。

さらにまた、その水受容性表面が、ステンレス
スチール、ニツケル−錫またはクロムのような硬
質水受容性材料上に沈着させた無光沢仕上げクロ
ムの約0.5μより薄い、薄層からなつているスチー
ル製オフセツトプレートが示唆されている。

後者のタイプのオフセツトプレートについてさ
らに行なわれた研究によればスチール支持体を有
するプレートにあつては、第一に、スチール支持
体の保護を保証するために硬質の金属コーテイン
グを有し、第二に、前記のような無光沢クロムの
薄い表面コーテイングを有しなければならないこ
とが証明された。

この硬質の金属コーテイングはこのコーテイン
グが持たねばならない相反する性質の故に、生成
せしめるのが困難である。

スチール表面を、さびから保護し、そしてまた
このプレートが受ける如何なる処理または機械的
摩擦に対して保護すべきことが指摘されている。

このものは、また、良好な水受容性ばかりでな
く、また良好な撥インキ（ink−refusing）性を
有しなければならない。

本発明者は、スチール支持体と表面無光沢クロ
ム層との間に配置された中間金属層として前記特
許のいくつかに記載されている防腐性錫の表面の
生成に使用されているようなクロム−酸化クロム
の薄層が有利でありうることが発見され、これが
本発明の目的である。

クロム−酸化クロムの薄層とは、相当な割合
（好ましくは約５％以上）で酸化クロムを含有し、
その厚さが0.5μより薄く、好ましくは0.0016〜
0.1μの厚さの層を意味する。

このようなクロム−酸化クロムの“薄層”は今
まで使用されていたその厚さが常に、約１または
1.5μより、厚いという如何なる層とも明白に差異
のあるものである。

これらのプレートの製造に支持体として使用し
得るスチールとしては普通のスチール、キルド鋼
または軟鋼（ブラツクアイアン）を例示しうる。

スチール支持体としては、その支持体が、オフ
セツトプレートの支持体として要求される性質、
たとえば一定の厚さ、傷がないことあるいは、完
全に平坦な表面というような品質を具備している
かぎり、いずれのスチール支持体も使用すること
ができる。

キルド鋼または軟鋼は、特に好ましいものであ
る。これらは既知文献にも記載されているもので
あり、これらの品質の特異性も証明されている。
本発明の範囲内において、この特定品質のスチー
ルを使用することにより、得られたプレートをこ
のプレートの製造における或る工程（たとえば或
る種の沈着物の脱気を達成する工程）やあるいは
プレートの使用時（たとえば必要が生じた場合に
露光した層を硬化させる時）における１回もしく
はそれ以上の加熱サイクルに処することができる
ということにより、格別の利点が得られることは
特記されるべきことである。

種々のタイプのクロム金属および酸化クロムの
層を使用することができるがこれらの例として
は：クロム金属の薄層を有する支持体上に沈着さ
せた酸化クロム層；クロム金属と酸化クロムの同
時沈着層（この場合に、金属クロムの厚さは被覆
表面の１m²当りに沈着するクロム金属の量に関連
する）；酸化クロムの層を沈着させ、続いてクロ
ム金属と酸化クロムの同時沈着層を形成させたも
のなどがある。

これらのいずれの層についても、銅メツキ酸浴
中で浸漬試験した結果、これらの層がそれらの薄
さにもかかわらず、支持体腐蝕に対しての非常に
優れた障壁を作り出すことが見出された。

同様の試験で、酸化クロムの存在による折曲げ
できる沈着物の“柔軟性”をテストすることがで
きる。この特性はこのプレートを先ず40°に、次
に80°に折曲げ、次いで銅メツキ酸浴中に浸漬す
ることにより証明される。

場合により、クロム−酸化クロムの層をスチー
ル上に直接ではなく、たとえばニツケル−錫層、
鏡青銅（speculum）層、錫層またはリン−ニツ
ケル層のような薄い水受容性金属層上に沈着させ
ることもできる。

薄い水受容性金属中間層の形成に、たとえばニ
ツケル−錫のような硬質で非常に柔軟ではない水
受容性合金を使用する場合に、最良の結果は非常
に薄い、0.5μ以下の、好ましくは0.1μ〜0.0016μの
沈着物を用いるか、または処理中および沈着操作
中にプレートを強く曲げることよりなる技術を用
いることにより得られることも見出された。たと
えば、垂直バツト（verti−cal vat）を用いてリ
ールを作る際に、このスチールシートを120°以上
でありうる曲げ処理に付する。

非常に柔軟ではない沈着物の亀裂は通常自由に
生じるが、酸化クロムが目詰りを形成して、むき
出しになるスチールを保護する。

クロム−酸化クロムの薄層を含むスチールプレ
ートの表面は無光沢クロムの層で被覆される。こ
の層は前述したように0.5μより薄い方が好ましい
が、厚くてもよい。

こうして製造されたプレート、すなわち、クロ
ム−酸化クロムの薄層とクロムの薄層からなるプ
レートは、既知の表面処理剤例えば、アルカリシ
リケートケイ酸、ポリアクリル酸、アルカリフル
オライドなどによる処理（このような処理はアル
ミニウム表面に改善された撥インキ性および感光
性層に対する接着性を付与するために推奨され
る）を有利に受けることができる。事実、クロム
の薄い表面コーテイングの下に酸化クロムが存在
すると、この処理をより効果的にする傾向がある
ことが見出された。

本発明によるプレートに感光性の印刷層が被覆
されることは勿論である。

以下の例は本発明を説明するためのものであ
る。

例 １ オフセツト品質の35/100mm厚さのユジノール
（Usinor）スチールプレートを使用する；水酸化
ナトリウム含有浴中でアノード精錬し、リンスし
た後にこのプレートを次のように処理する： Ａ ３酸化クロム、30ｇ／を含有する浴（PH
0.7）中、 温度：40℃ アンペア数：0.5A／ｄm² 電流は先ずアノードに２秒間、次いでカソー
ドに２秒間、通される。

Ｂ 次に、３酸化クロム250ｇ／、 硫酸 2.5ｇ／ を含有する浴中、 温度：35℃ 沈着層の厚さ：0.04μ Ｃ 次いでリンス処理後に、酸化クロム沈着用
の、 ３酸化クロム 30ｇ／、 硫酸 0.08ｇ／、 フツ化ナトリウム 0.4ｇ／ を含有する第３の浴中、 温度：45℃ アンペア数：5A／ｄm² 継続時間：２秒 Ｄ その後、プレートを無光沢クロム金属沈着物
の薄層用のバツト中に浸漬する。このプレート
を乾燥し、次に感光性印刷層（PACSのP.
R.12）で被覆する。45℃で３分間、次に85℃
で５分間乾燥させてから、このプレートをポジ
前増感プレートとして用いる。

例 ２ 例１における前述のＢ処理およびＣ処理を金属
クロムおよび酸化クロムコーテイング用に次の組
成の浴を使用することに換える以外は例１と同じ
方法を行なう： ３酸化クロム：100ｇ／ 硫酸：0.5ｇ／ 水素フツ素化ホウ酸：１ｇ／ 温度：55℃ アンペア数：20A／ｄm² 継続時間：４秒 リンス処理し、乾燥した後に、例１のとおりに
処理する。

例 ３ フランス、SOLLAC社製の“ソルクローム”
（SOLCHROME）プレートを使用する。このプ
レートは0.45〜0.55μのしわ（rugosity）を有する
冷間圧延したブラツクアイアン（厚さ25/100）か
ら作られている；これを酸化クロム３〜13μｇ／
cm²、およびクロム0.3〜4μｇ／cm²により被覆し、
そしてプレート表面を保護するために、常法に従
い、油を用いて被覆する。

このプレートを固定して、その表面上に無光沢
クロムの約0.4μの層を沈着させ、この無光沢クロ
ム層の上に、市販の感光性印刷層（この最後の層
の厚さ：約1.8μ）を沈着させる。

45℃で３分間、次に85℃で５分間乾燥させてか
ら、このプレートをポジフイルムに露光する。

次に、現像、リンス処理およびガミング（アラ
ビヤゴム溶液の塗布）を行なう。

このプレートは次に230℃で８分間焼成する。

このようにして得たプレート50000プルーフを
超える印刷作業において何らの問題も生じなかつ
た。

EURONORMS（ヨーロツパ スタンダード）
145−146（アメリカ スタンダード：A.S.T.
M.624−626に相当する）によれば、ブラツクア
イアンとは低炭素含有の軟鋼である。このブラツ
クアイアンは錫メツキされてなく、オイリングま
たはその他の処理をされていない；このブラツク
アイアンは、たとえば防腐性錫のような金属包装
材の製造用の支持体として推奨される。

例 ４ 光沢仕上げ（shiny finish）、すなわち0.20〜
0.30μのしわを有する、フランス、SOLLAC社製
の“ソルクローム”プレートを使用する。

このプレートを苛性ソーダ含有アノード浴中に
数秒間浸して、クロムメツキを除去する。

上記浴から取り出すと、このプレートは被覆さ
れていた酸化クロムおよびクロムを明白に有せ
ず、そのブラツクアイアンの表面が露出され、完
全に清浄になつている。

リンス処理した後に、このプレートを例１のと
おりに処理する。

例 ５ 例１に記載したような連続コーテイングにより
処理したキルド鋼製プレートを用いて開始し、良
好なオフセツトプレートを得た： その表面が約1μ厚さの鏡青銅（speculum）の
層で被覆された軟鋼のリール（厚さ25/100mm）； その表面が約0.05μ厚さの鏡青銅（speculum）
の層で被覆された軟鋼のリール（厚さ35/100
mm）； その表面がFeSn₂（錫の層と下に隣接する鉄と
の相互反応により生成）の非常に薄い層で被覆さ
れた軟鋼のプレート（厚さ25/100mm）。

例 ６ 例１に従い得られた、完成プレート（スチール
−クロム、無光沢酸化クロム）を使用し、このプ
レートをリンス処理した後に、85℃の温度の、ケ
イ酸ナトリウム浴（３％）に45秒間浸漬する。

乾燥後に、得られたプレートをネガワイプ−オ
ン（wipe−on）に使用する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 感光性印刷層で被覆されている無光沢クロム
   の水受容性表面を有するスチール支持体を有する
   オフセツトプレートにおいて、このスチール支持
   体と無光沢クロム層との間に、0.5μより薄い厚さ
   のクロム−酸化クロム層を存在せしめたことを特
   徴とするオフセツトプレート。 ２ クロム−酸化クロム層の厚さが0.0016〜0.1μ
   の間である特許請求の範囲第１項に記載のオフセ
   ツトプレート。 ３ 前記の支持体とクロム−酸化クロム層との間
   に、ニツケル−錫層、スペキユルム層、錫層また
   はリン−ニツケル層の薄い水受容性層を具備す
   る、特許請求の範囲第１項または第２項に記載さ
   れたいずれかのオフセツトプレート。 ４ 前記の支持体がキルド鋼または軟鋼から作ら
   れている特許請求の範囲第１項〜第３項のいずれ
   か１つに記載のオフセツトプレート。