JP2749723B2 - 光沢、白色度および耐食性に優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法 - Google Patents

光沢、白色度および耐食性に優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法

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JP2749723B2 JP2409454A JP40945490A JP2749723B2 JP 2749723 B2 JP2749723 B2 JP 2749723B2 JP 2409454 A JP2409454 A JP 2409454A JP 40945490 A JP40945490 A JP 40945490A JP 2749723 B2 JP2749723 B2 JP 2749723B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェライト系、マルテ
ンサイト系ステンレス冷延鋼帯の光沢、白色度および耐
食性を高めるため脱スケールによるステンレス冷延鋼
帯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にステンレス冷延鋼帯は酸化性雰囲
気で焼鈍などの熱処理を行った場合、鋼帯表面に酸化ス
ケールが形成されるので、酸化スケールを除去するため
の脱スケール処理が行なわれる。この脱スケール処理に
は硫酸、塩酸、硝弗酸(硝酸と弗酸の混合酸)などによ
る酸洗が一般に用いられているが、ステンレス冷延鋼帯
に形成される酸化スケールは緻密であるため完全に脱ス
ケールするのは、困難である。そのため、酸洗を容易に
する前処理方法として溶融アルカリ塩への浸漬処理(ソ
ルト処理)を行う方法や、特公昭38−12162号に
示される中性塩水溶液中での電解処理などが開発され実
用化されている。
【0003】また、特にSiを0.2%以上含有するフ
ェライト系ステンレス鋼帯について、本出願人はこれを
950℃以上で焼鈍した後第1脱スケールとして中性塩
電解し、第2脱スケールとして硝弗酸浸漬を実施するこ
とを特徴とする耐食性に優れたフェライト系ステンレス
鋼帯を製造する方法を開示している(特願平2−188
272号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は耐食性
の点に留意した方法であるが、例えば特願平2−188
272号のように、フェライト系、マルテンサイト系ス
テンレス鋼について第2脱スケールとして硝弗酸を用い
ると、良好な金属光沢、白色度が得られず、一般に利用
価値が高いとされる黒光りする表面光沢とならないこと
が判明した。
【0005】本発明は、脱スケールされた表面の金属光
沢、白色度の点で優れているばかりでなく、耐食性にも
優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、Siを0.2〜1.0%、Crを
11.0〜18.0%、Moを0.05%以下、Nbを
0.05%以下含有するフェライト系またはマルテンサ
イト系ステンレス冷延鋼帯に、再結晶完了後7〜15秒
間保持する焼鈍処理を施し、次いで中性塩水溶液濃度1
00〜300g/l、温度70〜90℃、アノードおよ
びカソード反応電流密度2〜15A/dm 2 で中性塩電
解を行い、続いて硝酸濃度5〜20%、温度70℃以
下、アノードおよびカソード反応電流密度18A/dm
2 以下で硝酸電解を行なう光沢、白色度および耐食性に
優れたステンレス冷延鋼帯の製造方法が提供される。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明は、所定の温度で焼鈍したステンレス冷延鋼帯を、
まず第1脱スケールとして中性塩電解脱スケール法によ
りクロム酸化物系のスケールを除去するとともに表面を
シリコン酸化物で被覆したのち、第2脱スケールとして
硝酸電解によりシリコン酸化物層の大きな溶解を与えず
クロム酸化物系スケールの脱スケールを完了し、むしろ
非常に薄く緻密なシリコン酸化物層を残留させることに
より、耐食性の向上と不動態化処理を行うことができる
のが特長である。
【0011】図2は、脱スケール前のフェライト系ステ
ンレス冷延鋼帯(後述する実施例において表2に示す鋼
種C)の表面組成を示すグラフである。この鋼帯を用い
た本発明の中性塩電解−硝酸電解後の表面組成は、図3
に例示するようになり、緻密なシリコン被覆が脱スケー
ル後に形成され、耐食性が良好となる。図4は同じ鋼帯
をソルト処理したときの表面組成の一例であり、表面状
態が図3と全く異なることがわかる。
【0012】なお、図2〜4に示すSi被膜の形成状況
は、いずれも鋼種C以外の鋼帯を用いても、ほぼ同様の
傾向を示すことを確認している。
【0013】本発明においては焼鈍時に生成するクロム
酸化物系スケール層と素地との界面に成形されるシリコ
ン酸化物層を利用するため、鋼中のSiは0.2〜1.
0%含有するものに限定される。
【0014】Si含有料が0.2%未満では、前記第1
脱スケールでの中性塩電解において十分なシリコン酸化
物層が得られない。
【0015】また、第1脱スケール中性塩、第2脱スケ
ール硝酸電解は、脱スケール能力としては弱い方法であ
るため、Siの上限は1.0%以下に限定される。
【0016】同様の理由により、Mo、Nbはほとんど
含有せず0.05%以下が好ましい。11.0未満の場
合、白色度が増加し、18%をこえるとスケールが残る
からCrは11.0〜18.0%が好ましい。
【0017】また、焼鈍温度については、良好な機械的
性質を得るために必要な温度とし、その温度は鋼種によ
り異る。また、十分なシリコン酸化物層を得るため再結
晶完了後その温度に7〜15秒保持するのが好ましい。
【0018】焼鈍雰囲気は、酸化性の雰囲気、例えば燃
焼ガス雰囲気であればよい。
【0019】また、本発明の素材となる冷延鋼帯とし
て、フェライト系またはマルテンサイト系ステンレス鋼
が用いられる。
【0020】本発明の第1脱スケールにおける中性塩電
解では、中性塩として硫酸、硝酸、塩酸などのNa塩、
K塩を単独または複合して使用することができるが、経
済性、表面仕上りの点から硫酸ナトリウムの使用が適し
ている。
【0021】中性塩水溶液の濃度と温度は、それぞれ1
00〜300g/l、70〜90℃が適正である。
【0022】電流密度は、アノード反応電流密度、カソ
ード反応電流密度ともに2〜15A/dm2 が適正であ
る。電解時間は、スケールの程度に応じて、適宜選択す
ればよい。
【0023】本発明の第2脱スケールにおける硝酸電解
では、用いる硝酸に関しては、適用する冷延鋼帯の鋼種
と焼鈍条件に応じて硝酸濃度5〜20%および浴温70
℃以下の範囲から選定され、電流密度はカソード反応電
流密度、アノード反応電流密度ともに18A/dm2
下の範囲とした間接電解方式による処理が好ましい。
【0024】なお、この硝酸電解については、その効用
は定量的に把握できていないが、カソード反応およびア
ノード反応の両方付与させるのが良い。電解時間は、ス
ケールの程度に応じて、適宜選択すればよい。これは、
カソード反応でSi被膜を補強しアノード反応で脱スケ
ールを助長しているためと推定できる。
【0025】図1は、本発明による脱スケール処理を行
った鋼帯表面の白色度と光沢度との関係を、後述する実
施例において表2に示す鋼種C(0.8mm厚さ、80
%Red.)の場合について示したグラフ1である。比
較のために同じ鋼帯を用いソルト処理した場合2も示し
た。図1で、○と●、△と▲および□と■は、それぞれ
同一の鋼帯であることを示す。
【0026】一般に、光沢度:250以上で、かつ白色
度:35未満が好ましいが、本発明によるもの1はいず
れもこの範囲にあることがわかる。
【0027】以上のように本発明により、硝弗酸を使用
することなく光沢の良好な、かつ耐食性に優れた鋼帯が
得られる。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
【0029】(実施例1)表2に示す5種のステンレス
鋼の板厚0.5mmの冷延板を表1に示す各温度で焼鈍
したのち、表1に示す方法、すなわち本発明法(F)、
特願平02−188272号の方法(G)およびソルト
処理法(H)により脱スケールを行なった。焼鈍は、い
ずれも再結晶完了後10秒間その温度に保持した。
【0030】なお、中性塩電解は硫酸ナトリウム200
g/l水溶液、80℃で5A/dm 2 ×10秒の電解処
理とし、硝弗酸浸漬は5%硝酸と1%弗酸から成る浴温
50℃の混酸中で40秒間の浸漬とした。また、硝酸電
解は10%硝酸、50℃でカソード、アノードとも5A
/dm2×5秒の間接電解処理とした。ソルト処理は、
溶融塩処理の後、硫酸(10±2%、60℃)、硝酸
(11±2%、60℃)にそれぞれ浸漬処理して行なっ
た。
【0031】表1中のFは中性塩電解→硝酸電解、Gは
中性塩電解→硝弗酸浸漬、Hはソルト処理→硝酸浸漬→
硝酸電解をそれぞれ示す。
【0032】脱スケール後の表面は、光沢度(JIS
Z8741による(受光角20°))・白色度(ハンタ
ー白色度による)の測定をするとともにサイクル腐食試
験により耐食性を比較した。
【0033】耐食性は、脱スケールのまま下記により1
5サイクルの腐食試験を行ない、評価した。
【0034】35℃塩水噴霧×2時間→乾燥60℃×2
時間→湿潤55℃×2時間
【0035】(評価) 〇…発銹面積率:10%未満 △…発銹面積率:10〜20% ×…発銹面積率:20%超
【0036】表1の結果から、脱スケール性について
は、MoおよびNb添加鋼(比較例1、2)以外につい
てはすべて良好であるが、光沢度、白色度に関しては、
Mo、Nb添加鋼以外では、本法が非常に良好である。
光沢度については、250未満になると悪く、白色度
は、35以上のものは全く良くない。耐食性について
は、本発明および先行技術(特願平02−188,27
2号の方法)ではSi被膜が形成されるため、比較的良
好であるが、本発明ではNb、Mo添加鋼は脱スケール
性が不良で、これによるもらい錆効果で、当然悪化す
る。また、前記先行技術で処理したMo、Nb添加鋼以
外は、第2脱スケールで硝弗酸を使用しているため、S
i被膜が薄くなっているため、完璧とは云えない。
【0037】
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、ステンレス冷延鋼帯の脱スケールについて所
定の温度と時間で焼鈍した後、第1脱スケールとして中
性塩電解、第2脱スケールとして硝酸電解を実施するこ
とにより、光沢、白色度、耐食性の良好なステンレス冷
延鋼帯を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱スケール後の鋼帯表面の白色度と光沢度との
関係を示すグラフである。
【図2】脱スケール前のフェライト系ステンレス冷延鋼
帯(表2の鋼種C)の表面組成を示すグラフである。
【図3】図2に示す鋼帯の中性塩電解−硝酸電解後の表
面組成を示すグラフである。
【図4】図2に示す鋼帯をソルト処理したのちの表面組
成を示すグラフである。
【符号の説明】
1 本発明の処理をした鋼帯 2 ソルト処理した鋼帯

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Siを0.2〜1.0%、Crを11.0
    〜18.0%、Moを0.05%以下、Nbを0.05
    %以下含有するフェライト系またはマルテンサイト系ス
    テンレス冷延鋼帯に、再結晶完了後7〜15秒間保持す
    る焼鈍処理を施し、次いで中性塩水溶液濃度100〜3
    00g/l、温度70〜90℃、アノードおよびカソー
    ド反応電流密度2〜15A/dm 2 で中性塩電解を行
    い、続いて硝酸濃度5〜20%、温度70℃以下、アノ
    ードおよびカソード反応電流密度18A/dm 2 以下で
    硝酸電解を行なう光沢、白色度および耐食性に優れた
    テンレス冷延鋼帯の製造方法。
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