JPH0445098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は傾斜円盤式硬貨処理機の異常厚み硬貨
排除装置に関する。

（従来の技術） 回転駆動自在な傾斜円盤の周縁域に形成される
硬貨保持部により硬貨を保持して該円盤の上部側
へ移動させ、前記円盤の上部域に入口が臨んで配
設される硬貨通路へ前記硬貨を送り込んでは搬送
する間に計数等の処理を行ない、前記硬貨通路に
は、硬貨の周縁下部が接触する下縁レール部と、
硬貨の背面が接触する通路底板部と、この通路底
板部へ硬貨を押圧した状態で硬貨を搬送する搬送
ベルトとを有する傾斜円盤式硬貨処理機が従来か
ら知られている。

上記の硬貨処理機は、一般に硬貨分類機、釣銭
投出機などにおいて使用されるが、硬貨分類機の
場合には硬貨通路上に孔構造等の金種別硬貨分類
部が設けられ、また釣銭投出機の場合には計数セ
ンサや計数ストツプ機構等が硬貨通路上に設けら
れる。

（考案が解決しようとする問題点） ところで上記のような機械において、正規の硬
貨が変形した変形硬貨、処理対象外で厚みが異常
に大きい外国硬貨、厚みが極端に厚い偽硬貨（以
下これらを総称して異常厚み硬貨という）が処理
硬貨中に混入している場合、硬貨通路上で詰りが
生じやすく、また詰りが生じないにしても誤分類
や誤計数等の問題をもたらすことになる。

しかるに従来の傾斜円盤式硬貨処理機において
は、上記のような異常厚み硬貨を未然に排除する
排除手段がなく、前述の問題が残されていた。

本考案は上記従来技術の問題点に着目し、これ
を改善することを目的としてなされたもので、異
常厚み硬貨が硬貨通路へ入つた場合、その搬送初
期段階で硬貨通路から排除するようにして前記問
題点の解消を図つた傾斜円盤式硬貨処理機の異常
厚み硬貨排除装置を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案による排除装
置は、回転駆動自在な傾斜円盤の周縁域に形成さ
れる硬貨保持部により硬貨を保持して該円盤の上
部側へ移動させ、前記円盤の上部域に入口が臨ん
で配設される硬貨通路へ前記硬貨を送り込んで搬
送する間に計数等の処理を行ない、前記硬貨通路
には、硬貨の周縁下部が接触する下縁レール部
と、硬貨の背面が接触する通路底板部と、この通
路底板部へ硬貨を押圧した状態で硬貨を搬送する
搬送ベルトとを有する傾斜円盤式硬貨処理機にお
いて、前記搬送ベルトへの硬貨の進入域に設けら
れ異常厚み硬貨を検出する異常厚み硬貨検知手段
と、前記硬貨通路の入口部近傍の通路底板部の前
記下縁レール部から所定寸法隔てた上方部に形成
され、異常厚み硬貨を排出する排出孔と、この排
出孔と下縁レール部との間に設けられ、通常時に
は通路底板部表面と少なくとも同一面まで後退し
その後退時に硬貨を硬貨通路後流側へ案内する硬
貨面案内部が形成されるとともに異常厚み硬貨排
出時に通路底板部表面より浮上して突出し、その
突出時に異常厚み硬貨の周縁に接触して当該硬貨
を下縁レール部から浮上させ、排出孔へ導くガイ
ド部が形成されてなる異常厚み硬貨排除部材と、
前記異常厚み硬貨検出手段の検出信号に基づいて
作動され、前記異常厚み硬貨排除部材を移動させ
る駆動手段とを具備し、前記搬送ベルトは前記下
縁レール部にそつて移動する硬貨を前記排出孔と
下縁レール部との間の通路底板部に押圧した状態
で搬送し得るように配設したものである。

（作用） 上記の構成により、処理すべき硬貨中に異常厚
み硬貨が混在していた場合、その硬貨が硬貨通路
への進入域に至つたとき異常厚み硬貨検出手段に
より異常厚み硬貨の到来を検出し、この検出信号
により異常厚み硬貨排除部材が硬貨通路上に進入
してそのガイド部により異常厚み硬貨が排出孔側
へ誘導され、この排出孔から排出される。前記検
知手段が異常厚み硬貨の到来を検出しないときは
前記排除部材が少なくとも硬貨通路の通路面と同
一位置に後退してその硬貨面案内部により正常の
硬貨を案内して後流側へ搬送する妨げとなること
がない。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例を参照して説
明する。

傾斜円盤１は、上部が後方に傾斜した傾斜姿勢
に設けられ、軸２を中心に矢印方向に回転駆動さ
れるもので、その表面の周辺部には硬貨Ｃをすく
い上げて上方へ持ち運ぶための硬貨保持部３，３
…が一定の間隔をおいて周方向に配設されてお
り、傾斜円盤１の下半部をカバーするホツパ４内
の硬貨をすくい上げて上方へ搬送するようになつ
ている。

上記傾斜円盤１の上部域には、該円盤１の略真
上位置に入口部が臨む硬貨通路５が横方向に配設
されている。

この硬貨通路５は、硬貨の下縁が接触して案内
される下縁レール部６と、硬貨の背面が接触する
通路底板部７と、この通路底板部７へ硬貨を押し
つけた状態で搬送する搬送ベルト８とを有し、こ
の硬貨通路５の入口部には硬貨の厚みを検出する
異常厚み検知手段９が設けられ、通路底板部７に
は下縁レール部６から所定寸法上方に隔てた位置
に異常厚み硬貨を排出する排出孔１０が、またこ
の排出孔１０と下縁レール部６との間には異常厚
み硬貨排除部材１１が出没自在な設けられてい
る。

搬送ベルト８は、図示実施例においては下縁レ
ール部６にそうように配設される丸ベルト１２
と、これに隣接して配設され外面に一定の間隔
（硬貨１枚が存在し得る間隔）をおいて爪１３Ａ，
１３Ａ…が突設された平ベルト１３とで構成され
ており、この丸ベルト１２は硬貨Ｃの端部上面に
接触し、平ベルト１３は硬貨Ｃの略中央部上面に
接触するように位置され、これらベルト１２，１
３は入口側プーリー１４と図示しない出口側プー
リーとに掛回されて両ベルトとも等速で回動され
るようになされている。

異常厚み検知手段９は、図示実施例においては
第２図および第３図に示しているように、前記入
口側プーリー１４の直前位置に設けられており、
該プーリー１４の軸１５と平行な軸１６にローラ
ー１７が回転自由に支持され、この軸１６は中間
部が該軸１６に直交する軸１８により揺動自在に
支持されており、この軸１６の他端はギヤツプセ
ンサ１９，１９間に位置されていて、ローラ１７
の上下方向の動きをギヤツプセンサ１９，１９で
検出することにより硬貨の異常厚みが検出される
ようになつている。なおこのローラ１７を前記入
口側プーリー１４に代替させるようにすることも
できる。

異常厚み硬貨排出孔１０は、傾斜円盤１から外
れた位置で下縁レール部６から上方に所定の距離
を隔てた位置の通路底板部７に開口されており、
硬貨が落入し得る大きさとされている。

異常厚み硬貨排除部材１１は、前記排出孔１０
と下縁レール部６との間、すなわち本実施例にお
いては丸ベルト１２の直下位置にあつて通常時に
は通路底板部７の表面と少くとも同一面まで後退
し、前記異常厚み検出手段９が異常厚み硬貨C′の
通過を検出したとき通路底板部７の表面から突出
されるよう出没自在に設けられるので、その一側
面は硬貨の進行方向に対し排出孔１０側に傾斜す
る斜面からなるガイド部２０を有し、上面は退没
時に通路底板部７の一部を構成して後流側へ移動
する硬貨の妨げとならないようにする硬貨案内面
２１とされている。

この排除部材１１を出没される駆動手段２２
は、異常厚み硬貨検知手段９の検出信号により作
動されるソレノイド等により構成される。

前記排出孔１０の下部には、この排出孔１０か
ら落入した異常厚み硬貨を戻すための通路２３が
設けられている。図において２４は正常硬貨の後
処理のための識別センサである。

つぎに上記実施例の作用を説明する。

ホツパ４内に投入されている硬貨中に変形硬貨
等の異常厚み硬貨C′が混在していてこれが硬貨保
持部３によりすくい上げられて硬貨通路５の入口
部に至つた場合、あるいは正常硬貨であつても２
枚重ねで進入しようとした場合には、この硬貨は
異常厚み硬貨検知手段９のローラ１７の下に入れ
るので第７図に示すようにローラ１７が押し上げ
られ、このローラ１７の移動が軸１６を通じてギ
ヤツプセンサ１９，１９により検出され、このギ
ヤツプセンサ１９，１９からの検出信号により排
除部材１１の駆動手段２２が動作されて排除部材
１１が通路底板部７から突出される。

前記異常厚み硬貨C′あるいは２枚重ね硬貨が平
ベルト１３の爪１３Ａにより押されて排除部材１
１に到達すると、排除部材１１のガイド部２０に
当り、このガイド部２０により硬貨は排出孔１０
の方向へ誘導され、第５図に示すような軌跡を画
いて第６図示のように排出孔１０から転落し、通
路２３を通じてホツパ４に戻される。

異常厚み硬貨が排出されたのち排除部材１１は
下降し、その上面の案内面２１が通路底板部７と
同一面になつて以後の正常硬貨の搬送に支障をき
たすことがない状態になる。

なお図示実施例では、搬送ベルト８に丸ベルト
１２と平ベルト１３とを用いた場合について説明
してあるが、これは平ベルト１３のみによつても
よく、また排出孔１０から排除された異常厚み硬
貨（変形硬貨、外国硬貨等の処理硬貨以外のも
の）は別途回収し、処理すべき硬貨で２枚重ねで
進入したものはホツパ４へ戻すようにしてもよ
い。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、硬貨通路の入口
域で異常厚み硬貨の進入を検出し、この検出信号
により排除部材を通路底板部から突出させてその
ガイド部により排出孔へ排除することができるの
で、異常厚み硬貨が硬貨通路の後流側へ送られる
ことがなく、これにより硬貨通路での硬貨詰り
や、計数その他の処理部における硬貨詰りおよび
これら処理部の損傷を未然に防ぐことができると
ともに誤選別や誤計数の発生を防止することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の概要を示す正面
図、第２図は第１図の要部拡大図、第３図は第２
図における異常厚み硬貨検出手段の側面図、第４
図は第２図の−線断面図、第５図は異常厚み
硬貨の排出時の状況を示す説明図、第６図は同断
面図、第７図は異常厚み硬貨の検出状況を示す説
明図である。 １……傾斜円盤、３……硬貨保持部、４……ホ
ツパ、５……硬貨通路、６……下縁レール部、７
……通路底板部、８……搬送ベルト、９……異常
厚み検知手段、１０……排出孔、１１……異常厚
み硬貨排除部材、１４……入口側プーリー、１７
……ローラ、１９……ギヤツプセンサ、２０……
ガイド部、２１……案内部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転駆動自在な傾斜円盤の周縁域に形成される
   硬貨保持部により硬貨を保持して該円盤の上部側
   へ移動させ、前記円盤の上部域に入口が臨んで配
   設される硬貨通路へ前記硬貨を送り込んで搬送す
   る間に計数等の処理を行ない、前記硬貨通路に
   は、硬貨の周縁下部が接触する下縁レール部と、
   硬貨の背面が接触する通路底板部と、この通路底
   板部へ硬貨を押圧した状態で硬貨を搬送する搬送
   ベルトとを有する傾斜円盤式硬貨処理機におい
   て、前記搬送ベルトへの硬貨の進入域に設けられ
   異常厚み硬貨を検出する異常厚み硬貨検知手段
   と、前記硬貨通路の入口部近傍の通路底板部の前
   記下縁レール部から所定寸法隔てた上方部に形成
   され、異常厚み硬貨を排出する排出孔と、この排
   出孔と下縁レール部との間に設けられ、通常時に
   は通路底板部表面と少なくとも同一面まで後退し
   その後退時に硬貨を硬貨通路後流側へ案内する硬
   貨面案内部が形成されるとともに異常厚み硬貨排
   出時に通路底板部表面より浮上して突出し、その
   突出時に異常厚み硬貨の周縁に接触して当該硬貨
   を下縁レール部から浮上させ、排出孔へ導くガイ
   ド部が形成されてなる異常厚み硬貨排除部材と、
   前記異常厚み硬貨検出手段の検出信号に基づいて
   作動され、前記異常厚み硬貨排除部材を移動させ
   る駆動手段とを具備し、前記搬送ベルトは前記下
   縁レール部にそつて移動する硬貨を前記排出孔と
   下縁レール部との間の通路底板部に押圧した状態
   で搬送し得るように配設した傾斜円盤式硬貨処理
   機の異常厚み硬貨排除装置。