JPH0444464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、スプリングタワーを室内に突出さ
せたホイルハウスインナを有する四輪独立懸架タ
イプの自動車の車体構造に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、第４図及び第５図に示すように、スプリ
ングタワー１が室内Ｒに突出形成したホイルハウ
スインナ２の場合、タイヤからの入力はシヨツク
アブソーバ、サスペンシヨンスプリングを通して
前記スプリングタワー１に集中的にその上下荷重
が加わる。

そこで、ホイルハウスインナ２の内倒れ防止と
制振材として、左右のホイルハウスインナ２，２
をアツパバツクパネル３とクロスメンバ４から成
る閉断面部材５でつないでいる。

しかし、そのつなぎ部の構造はサスペンシヨン
サポート部材締めつけ作業性確保のため、第５図
のように前記閉断面部材５はホイルハウスインナ
２に対し、くの字状に曲つた形状で連結されてい
る。

また、第６図は実開昭52−80912号公報に開示
される「自動車の車体構造」であつて、『左右の
リヤホイールハウス間に横通部材４０を配設し、
上記横通部材４０をリヤシエルフ３０に接合させ
て閉断面を形成するとともに、同横通部材４０の
端部をブラケツト８を介してリヤホイールハウス
またはリヤホイールハウスに設けられたアブソー
バハウス１０に連結した』ものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、第４図および第５図の場合、アツパバ
ツクパネル３とクロスメンバ４から成る閉断面部
材５がくの字状に曲つた形状であると、外力によ
る閉断面部材５の撓みが大きくなる。

また第６図の実開昭52−80912号公報の場合、
リヤシエルク３０と接合して閉断面を形成してい
る横通部材４０は、本願考案のスプリングタワー
１に相当するアブソーバ１にブラケツト１０を介
し高さ方向でオフセツトした状態で取り付けられ
る構造である為、第４図、第５図の場合同様に外
力に対し、撓みが生じやすい取り付け構造に成つ
ている。

そこで、このような問題点を解決するため、こ
の考案は、アツパバツクパネルとクロスメンバか
ら成る閉断面部材を工夫改良することにより、ホ
イルハウスインナの内倒れを防止して、車体の強
度、剛性を向上させることにある。

〔課題を解決するための手段〕

そのためこの考案は、スプリングタワーを室内
に突出形成させた左右のホイルハウスインナ間
に、アツパバツクパネルとクロスメンバから成る
閉断面部材を略直線状に配設して成る自動車の車
体構造において、前記アツパバツクパネルとクロ
スメンバから成る閉断面部材を前記ホイルハウス
インナ上面を覆うように当着形成するとともに、
前記閉断面部材のアツパバツクパネルとクロスメ
ンバ間にサスペンシヨンサポート部材締結ボルト
挿入用のスペーサを設けて、このスペーサ内を貫
通するボルトにより前記閉断面部材が、ホイルハ
ウスインナ上面を介しサスペンシヨンサポート部
材と共締めされることを特徴とする自動車の車体
構造とするものである。

〔作用〕

上述の手段によれば、左右のスプリングタワー
すなわちホイルハウスインナの上面を覆うように
当着形成された閉断面部材のアツパバツクパネル
とクロスメンバ間にサスペンシヨンサポート部材
締結ボルト挿入用スペーサが設けてあり、このス
ペーサ内を貫通するボルトにより前記閉断面部材
がホイルハウスインナの上面に締結されるから、
左右のホイルハウスインナ間を略直線状に連結す
ることが可能となり、この結果、例えタイヤから
の入力荷重によるホイルハウスインナの内倒れが
生じても、剛性の高い閉断面部材による突つ張り
力が作用し、内倒れが阻止される。

〔実施例〕

以下、添付図面に基づいて、この考案の実施例
を説明する。

第１図から第３図までの図面は、この考案の実
施例を示しており、第１図から分かるように、ス
プリングタワー１を室内Ｒに突出形成させた四輪
独立懸架タイプの左右のホイルハウスインナ２，
２間には、アツパバツクパネル３とクロスメンバ
４から成る略直線状の閉断面部材５が連結され
る。また、この閉断面部材５を構成するアツパバ
ツクパネル３とクロスメンバ４間には、複数個の
パイプ状のスペーサ６が設けてあり、図示してい
ないリヤサスペンシヨンのシヨツクアブソーバ上
部に設けられるサスペンシヨンサポート部材に設
けられた締結用ボルトが、このパイプ内部を挿通
し前記閉断面部材５のアツパバツクパネル３側で
図示されていないナツトにより締め付け固定され
る。

このようにサスペンシヨンサポート部材をスプ
リングタワー１の上部に取り付け固定する過程
で、閉断面部材５をもスプリングタワー１の上部
に同時に締め付け固定される。

なお、前記アツパバツクパネル３は図示してな
いルーフサイドインナと溶接されている。

〔考案の効果〕

この考案は上述のように、左右のホイルハウス
インナの上面と覆うように当着して取付けられる
略直線状に形成された閉断面部材は、この閉断面
部材の構成部材であるアツパバツクパネルとクロ
スメンバ間にサスペンシヨンサポート部材締結ボ
ルト挿通用スペーサが設けられ、サスペンシヨン
サポート部材取り付け時に、このスペーサにボル
トが貫通して前記閉断面部材をホイルハウスイン
ナの上面に共締めするようにしたため、スプリン
グタワーにタイヤからの入力荷重が作用しても剛
性の高い閉断面部材による突つ張り力によりホイ
ルハウスインナの内倒れ防止できるし、また、ボ
デー側取り付け面の振動レベルにおいても、ホイ
ルハウスインナの上面に剛性を有する閉断面部材
が覆うように当着固定されているため、取付面の
剛性アツプによる制振効果も図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図までの図面は、この考案の実
施例を示しており、第１図は斜視図、第２図は第
１図の−線断面図、第３図は第１図のー
線断面図、第４図から第６図までの図面は、従来
例をそれぞれ示しており、第４図は第１図相当の
斜視図、第５図は第４図のー線断面図、第６
図は他の従来例を示す図面である。 １……スプリングタワー、２……ホイルハウス
インナ、２ａ……上面、３……アツパバツクパネ
ル、４……クロスメンバ、５……閉断面部材、６
……スペーサ、７……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプリングタワーを室内に突出形成させた左右
   のホイルハウスインナ間に、アツパバツクパネル
   とクロスメンバから成る閉断面部材を略直線状に
   配設して成る自動車の車体構造において、前記ア
   ツパバツクパネルとクロスメンバから成る閉断面
   部材を前記ホイルハウスインナ上面を覆うように
   当着形成するとともに、前記閉断面部材のアツパ
   バツクパネルとクロスメンバ間にサスペンシヨン
   サポート部材締結ボルト挿入用のスペーサを設け
   て、このスペーサ内を貫通するボルトにより前記
   閉断面部材が、ホイルハウスインナ上面を介しサ
   スペンシヨンサポート部材と共締めされることを
   特徴とする自動車の車体構造。