JPH0443698Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は湯沸器等の種々の燃焼装置に用いるバ
ーナに関し、詳しくは、ガス燃料と燃焼用一次空
気との混合ガスを噴出する炎口を設け、その炎口
の一側縁部側から混合ガス噴出方向に延びる燃焼
面形成用壁体を設け、その燃焼面形成用壁体に燃
焼用二次空気の吐出口を、混合ガス噴出方向視で
前記炎口の両側対応箇所夫々に混合ガス噴出方向
に延びる状態に形成しもつて、燃焼炎を燃焼面形
成用壁体の壁面にへばり付く状態に形成して、安
定燃焼を図りながら大能力を得られるようにした
バーナの改良に関する。

〔従来の技術〕

上述の如きバーナを特願昭61−197848号にて先
に提案したが、その際、炎口２の一側縁部は、第
５図に示すように、単にそこから燃焼面形成用壁
体３，４を混合ガス噴出先方に延設するだけの構
造となつていた。

図中９は燃焼用二次空気の吐出口である。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、燃焼炎を燃焼面形成用壁体の壁面にへ
ばり付けた状態で燃焼させることで燃焼の安定
化、並びに、燃焼騒音の低下等、初期の目的をか
なり達成できたものの、炎口２の一側縁部から燃
焼面形成用壁体３，４を単に延設するだけの上述
従来の構造では、同第５図に示すように、燃焼面
形成用壁体３，４の基部部分、すなわち、炎口２
からの混合ガス噴出の直後の部分でリフト現象的
な状態が生じて、燃焼面形成用壁体３，４の壁面
に対する燃焼炎Ｆのへばり付き、並びに、燃焼炎
Ｆの形成そのものが不十分となり、そのために、
燃焼用空気供給量の変動や混合ガスにおける空気
比の変動等の外乱に対し、燃焼状態が多少不安定
となつたり、又、それに伴い燃焼騒音の発生を招
く等、未だ改善の余地があつた。

本考案の目的は、合理的な改良により、燃焼面
形成用壁体の基部部分における燃焼炎の形成状態
を改善する点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案によるバーナの特徴構成は、ガス燃料と
燃焼用一次空気との混合ガスを噴出する炎口を設
け、その炎口の一側縁部側から混合ガス噴出方向
に延びる燃焼面形成用壁体を設け、その燃焼面形
成用壁体に燃焼用二次空気の吐出口を、混合ガス
噴出方向視で前記炎口の両側対応箇所夫々に混合
ガス噴出方向に延びる状態に形成する構成におい
て、 前記炎口と前記燃焼面形成用壁体との間に、燃
焼用二次空気を前記燃焼面形成用壁体の壁面に沿
う方向でかつ混合ガス噴出方向に沿う方向に噴出
する保炎用吐出口を設けたことにあり、その作
用・効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、第３図に示すように、炎口２の一側縁
部側から混合ガス噴出方向に延びる燃焼面形成用
壁体３，４を設けて、混合ガスを燃焼面形成用壁
体３，４の壁面に沿う方向に噴出するという、こ
の種バーナの前提的構造に加え、上述の如き炎口
２と燃焼面形成用壁体３，４との間において、燃
焼用二次空気を燃焼面形成用壁体３，４の壁面に
沿う方向でかつ混合ガス噴出方向に沿う方向に噴
出する保炎用吐出口１６を設けることにより、混
合ガスの噴出流動と燃焼用二次空気の吐出流動と
の干渉をもつてそれらの噴出直後に渦流が生じ、
その渦流の保炎作用により、燃焼面形成用壁体
３，４の基部部分での燃焼炎Ｆのリフト的現象が
効果的に抑制できるとともに、噴出混合ガス及び
吐出二次空気を燃焼面形成用壁体３，４の壁面に
対し極めてスムーズに沿わせることができる。

〔考案の効果〕

その結果、燃焼面形成用壁体の基部部分におい
ても燃焼炎を良好に、かつ、燃焼面形成用壁体の
壁面に対して適切にへばり付けた状態に形成でき
て、燃焼用空気供給量の変動や混合ガスにおける
空気比の変動等の種々の外乱に対しても、燃焼状
態を安定的に維持できるようになり、又、燃焼騒
音の発生を回避ないし効果的に抑制できるように
なり、全体として、安定燃焼性に一層優れ、か
つ、極めて低騒音の実用性の高いバーナにでき
た。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を第１図ないし第３図に基
づいて説明する。

ケーシング１内部において、開口形状が長方形
の上向き炎口２を、その長辺方向に多数並べて炎
口列を形成し、その炎口列を適当間隔離した平行
配列で２列設けてある。

ガス燃料と燃焼用一次空気との混合ガスを噴出
する炎口列の夫々に対し、それら列の全長にわた
る燃焼面形成用の壁体３，４を、炎口列方向視に
おいて炎口２の上方延長相当箇所Ａの外側に位置
させる状態で、かつ、上側ほど炎口２の上方延長
相当箇所Ａから離れる傾斜姿勢で、夫々、各列の
炎口２の外側縁部側から上方に延設し、それら対
向する壁体３，４の間を燃焼空間５としてある。

各列の炎口２の外側縁部側において、炎口２と
燃焼面形成用壁体３，４との間には、燃焼用二次
空気を燃焼面形成用壁体３，４の壁面に沿う方向
でかつ混合ガス噴出方向に沿う方向に噴出する保
炎用吐出口１６を、炎口２の個々に各別に対応位
置させる状態で炎孔列方向に多数並べて同じく列
状に設けてあり、炎口２の夫々と燃焼面形成用壁
体３，４との間において燃焼用二次空気を、炎口
２からの燃焼面形成用壁体３，４の壁面に沿う噴
出混合ガスに沿わせる状態で、保炎用吐出口１６
から燃焼面形成用壁体３，４の壁面に沿う方向に
噴出させるようにしてある。

燃焼面形成用壁体３，４夫々の裏面側には、燃
焼用二次空気の供給路を形成する制限空間６を壁
体３，４とケーシング１壁とをもつて形成し、そ
れら制限空間６の下部開口には燃焼用空気供給フ
アン７からの空気供給路８を連通させてある。

又、燃焼面形成用壁体３，４の下方延設部分３
ａ，４ａと、それらに対し各別に平行姿勢で設け
た仕切壁１７とにより、前記の保炎用吐出口１６
と制限空間６とを連通する保炎用二次空気の供給
路１８を形成してある。

燃焼面形成用壁体３，４の夫々には、制限空間
６内を上昇流動する燃焼用二次空気を壁体３，４
の表面側（すなわち、燃焼空間５側）に吐出させ
る吐出口９を、各炎口列の炎口２夫々に対しそれ
ら炎口２の外側縁部の長辺方向両端に対応位置す
る箇所夫々から壁体３，４の面上で上方に延ばし
た仮想線に沿つて線状に形成してあり、炎口列
において隣り合う炎口２に対し、それらの間に位
置する線状吐出口９を兼用させるようにしてあ
る。

両炎口列の配設箇所下方には、両列の炎口２に
連通する混合ガス供給室１０、及び、その下方に
位置させてガス燃料供給管１１を、夫々炎口列の
全長にわたらせて設け、ガス燃料供給管１１には
ガス燃料を上向きに噴出する噴出孔１１ａを炎口
列方向に並べて形成し、又、そのガス燃料供給管
１１の周部には前記の空気供給路８から燃焼用一
次空気を導入する一次空気路１２を仕切形成し、
更に、混合ガス供給室１０の下部仕切壁には噴出
孔１１ａからの噴出ガス燃料と一次空気路１２か
らの一次空気とを混合ガス供給室１０に導入する
給気孔１３を炎口列方向に並べて形成してある。

つまり、ガス燃料と燃焼用一次空気とを給気孔
１３からの導入に伴い混合ガス供給室１０内で攪
拌・予混合して、その混合ガスを各列の炎口２か
ら燃焼面形成用壁体３，４の壁面に沿う方向に噴
出させるようにすると共に、その混合ガス噴出に
対し、燃焼用二次空気を燃焼面形成用壁体３，４
に形成した線状吐出口９の夫々からの燃焼空間５
へ吐出せることにより、第３図に示すように燃焼
炎Ｆが燃焼面形成用壁体３，４の壁面にへばり付
く状態の燃焼を行なわせるようにしてある。

又、混合ガスの燃焼面形成用壁体３，４の壁面
に沿う方向の噴出に対して、炎口２と燃焼面形成
用壁体３，４との間の保炎用吐出口１６から二次
空気を燃焼面形成用壁体３，４の壁面に沿う方向
でかつ混合ガス噴出方向に沿う方向に噴出させる
ことにより、混合ガスの噴出流動とその保炎用の
燃焼用二次空気の吐出流動との干渉をもつてそれ
らの噴出直後に渦流を生じさせ、その渦流の保炎
作用により、燃焼面形成用壁体３，４の基部部分
でのリフト的現象を抑制して、燃焼炎Ｆが燃焼面
形成用壁体３，４の基部部分からその壁面に対し
て適切にへばり付いた状態の安定燃焼を維持する
ようにしてある。

保炎用吐出口１６を形成するに、前記の仕切壁
１７の上端部を燃焼面形成用壁体３，４側に折曲
げると共に、その折曲部１７ａに切欠き開口を形
成して、その切欠開口を個々の保炎用吐出口１６
としてある。

つまり、保炎用の燃焼用二次空気を燃焼面形成
用壁体３，４の壁面に沿う方向でかつ混合ガス噴
出方向に沿う方向に吐出させるにあたつて、折曲
部１７ａの作用により保炎用渦流の形成を促進
し、それによつて、前述のリフト的現象の抑制を
より一層効果的に行なえるようにしてある。

両列の炎口２を形成するに、炎口列方向視にお
ける断面形状がＶ字状で、かつ、そのＶ字形状の
両辺部夫々に炎口列方向で長尺の凹部１４ａと短
尺の凸部１４ｂとを交互に形成した屈曲板状のガ
イド部材１４を、両仕切壁１７どうしの間に、そ
れらの壁面に凸部１４ｂの夫々を線接触させる状
態に配設し、もつて、それら凸部１４ｂを仕切と
する状態で凹部１４ａ夫々と仕切壁１７とによ
り、前記の混合ガス供給室１０に連通する筒状流
路１５を多数形成し、それら筒状流路１５の上端
部筒口の個々を炎口２としてある。

上述保炎用吐出口１６の形成構成、並びに、炎
口２の形成構成において、燃焼面形成用壁体３，
４の下方延設部分３ａ，４ａとそれに対して平行
姿勢に配置した仕切壁１７とにより保炎用吐出口
１６に対する二次空気供給路１８を形成し、又、
仕切壁１７とガイド部材１４とにより炎口２に対
する筒状流路１５を形成することで、それら二次
空気供給路１８並びに筒状流路１５夫々の流路軸
芯を燃焼面形成用壁体３，４夫々の上方延設方向
に沿わせるようにし、もつて、それら二次空気供
給路１８並びに筒状流路１５の夫々を、吐出二次
空気及び噴出混合ガスに方向性を与えて吐出二次
空気及び噴出混合ガスを燃焼面形成用壁体３，４
の壁面に適切に沿わせて上昇させるための吐出な
いし噴出案内路としてある。

尚、混合ガスについては、燃焼面形成用壁体
３，４の壁面にへばり付く状態の燃焼炎形成にあ
たつて噴出混合ガスが骨材的な存在であり、燃焼
面形成用壁体３，４の壁面に沿わせて極力スムー
ズに上昇させる必要があることから、炎口２には
保炎用吐出口１６の如き折曲部１７ａを設けず、
筒状流路１５を介して極力渦流発生を抑制した状
態で円滑に噴出させるようにしてある。

〔別実施例〕

次に本考案の別実施例を列記する。

前述実施例の如く保炎用吐出口１６を、炎口２
の巾と同巾に形成するに代えて、第４図に示すよ
うに、１個の炎口２に対して小巾の保炎用吐出口
１６を複数備えさせるようにしても良い。

保炎用吐出口１６の開口形状は、円形、半円形
あるいは矩形等、種々の改良が可能であり、又、
保炎用渦流の形成を促進するために、開口部に折
曲げ部を設けたり、あるいは、供給路に対して開
口部を大径とする拡径段部を設けたりする等の付
加改良は任意である。

保炎用吐出口１６への二次空気供給構成は種々
の改良が可能であり、前述の実施例構造に限定さ
れるものではない。

炎口２からの混合ガス噴出量に対する保炎用吐
出口１６からの二次空気吐出量の比、並びに、混
合ガス噴出速度に対する保炎用吐出口１６の二次
空気吐出速度の比は、夫々、適宜決定すれば良
い。

ガス燃料と燃焼用一次空気との混合ガスを炎口
２に供給するための混合構成並びに流路構成は
種々の改良が可能である。

炎口２の個数、配置、開口形状は適当に変更し
ても良く、例えば炎口列を１列にして燃焼面形成
用壁体を１個だけとしたり、又、炎口２の開口形
状を半円形や円形にしても良い。

炎口２の一側縁部側から延設する燃焼面形成用
壁体３，４の形状は適宜変更が可能であり、例え
ば傾斜姿勢とする壁体３，４の上半部と下半部と
で傾斜角度を異ならせたたり、又、下半部を傾斜
姿勢として上半部を鉛直姿勢で連ならせても良
い。

使用するガス燃料は都市ガス、天然ガス、プロ
パンガス、その他いかなるものであつても良く、
又、本考案によるバーナの用途は不問である。

本考案によるバーナは、混合ガス噴出向きを上
向きとする上向き設置の他、横向きに設置した
り、下向きに設置したり、あるいは、傾斜姿勢に
設置しても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にするために符号を記すが、該記入によ
り本考案は添付図面の構造に限定されるものでは
無い。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施例を示し、
第１図は断面図、第２図は一部省略斜視図、第３
図は燃焼状態を説明する図である。第４図は本考
案の別実施例を示す拡大図である。第５図は従来
構造を示す断面図である。 ２……炎口、３，４……燃焼面形成用壁体、９
……吐出口、１６……保炎用吐出口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガス燃料と燃焼用一次空気との混合ガスを噴出
   する炎口２を設け、その炎口２の一側縁部側から
   混合ガス噴出方向に延びる燃焼面形成用壁体３，
   ４を設け、その燃焼面形成用壁体３，４に燃焼用
   二次空気の吐出口９を、混合ガス噴出方向視で前
   記炎口２の両側対応箇所夫々に混合ガス噴出方向
   に延びる状態に形成してあるバーナであつて、 前記炎口２と前記燃焼面形成用壁体３，４との
   間に、燃焼用二次空気を前記燃焼面形成用壁体
   ３，４の壁面に沿う方向でかつ混合ガス噴出方向
   に沿う方向に噴出する保炎用吐出口１６を設けた
   バーナ。