JPH06257721A

JPH06257721A - 燃焼装置

Info

Publication number: JPH06257721A
Application number: JP4248793A
Authority: JP
Inventors: Yoichi Kimura; 洋一木村; Fumitaka Kikutani; 文孝菊谷; Hideo Tomita; 英夫富田; Junichi Ueda; 順一植田
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1993-03-03
Filing date: 1993-03-03
Publication date: 1994-09-16
Anticipated expiration: 2016-08-06
Also published as: JP3196398B2

Abstract

(57)【要約】【目的】低ＮＯｘ燃焼装置の火炎の安定性を高め、低
ＮＯｘと完全燃焼と低騒音を実現し、ＴＤＲの拡大を図
る。【構成】燃料と燃焼用の空気とを混合した燃料過剰の
濃混合気を噴出する炎口部１６とこれに連通した第一の
混合気室１５を内包するバーナ本体１４が設けられてい
る。また上部に急傾斜な山形形状をした多数の噴出口を
有する噴射板２０と、バーナ本体１４と噴射板２０とに
囲まれて形成される第二の混合気室２２と、これに設け
た空気取り入れ部２７と、さらにバーナ本体１４に燃料
を供給する燃料通路２５と、これの一部を遮断する燃料
切替え弁２４が設けられている。そして第一の混合気室
１５と第二の混合気室２２とを連通する混合気通路２８
を、燃料通路２５の一部が燃料切替え弁２４により遮断
された時、燃焼領域の境界となる第二の混合気室２２−
ａに面するバーナ本体１４には備えず、他の第二の混合
気室２２に面するバーナ本体１４に備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス及び石油を気化さ
せたガスを燃焼する給湯器や暖房器などに用いられる低
ＮＯｘ燃焼装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の低ＮＯｘ燃焼装置は、図６
に示すように、炎口部１に連通する第一の混合気室２を
内包するバーナ本体３を複数本併設して燃焼室４の内部
に収め、隣接するバーナ本体３の間、及びバーナ本体３
と燃焼室４との間に噴射板５を設けている。６はバーナ
本体３と噴出板５とに囲まれて形成される第二の混合気
室、７は第二の混合気室６に連通した空気取入れ口、８
は火炎基部を安定させる保炎板である。９は第一の混合
気室２と第二の混合気室６とを連通する混合気通路であ
る。１０は燃焼用空気供給用のファン、１１は燃料通路
でバーナ本体３に対応してノズル１２が設けられ、燃料
切替え弁１３により燃料通路１１の一部を遮断すること
ができる。

【０００３】上記構成の燃焼装置では、ノズル１２から
第一の混合気室２に吐出した燃料が、ファン１０から送
られた燃焼用空気と第一の混合気室２内で混合した後、
炎口部１より噴出して燃焼し酸素濃度の低い安定した濃
火炎が形成される。また、燃料の一部は混合気通路９よ
り第二の混合気室６に入り空気取入れ口７より送り込ま
れた大量の燃焼用空気とさらに混合して希薄混合気とな
り噴出板５より噴出して炎口部１の上に形成された濃火
炎の熱的影響を受けることによって燃焼してＮＯｘ濃度
が低い希薄火炎を形成していた。

【０００４】濃火炎及び希薄火炎は保炎板８の上に形成
される小さな渦の効果で火炎基部が安定化されており、
ＮＯｘ濃度が低く不安定な特定の希薄火炎を濃火炎で安
定化させ、全体として濃淡燃焼を実現してＮＯｘの発生
を低減させていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、バーナー全部が燃焼している状態におい
ては不完全燃焼を防止し、ＮＯｘを低減する効果の点で
は満足されるものであるが、燃焼量可変幅を広げるため
に、燃料切替え弁１３により燃焼しているバーナーの本
数を切り替える場合には燃焼しているバーナーと燃焼し
ていないバーナーとの境界となる希薄火炎は燃料の供給
が半分になりより空気過剰になるとともに、燃焼してい
ないバーナーの炎口部１より噴出される空気によって吹
き飛び易くなり不完全燃焼を発生し、さらに騒音が高く
なるという課題があった。

【０００６】本発明は上記課題を解決するもので、バー
ナーの本数を切替える場合の火炎の安定性を高め、低Ｎ
Ｏｘと完全燃焼と低騒音を実現し、ＴＤＲの拡大を図る
ことを目的としたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、燃料と燃焼用の空気とを混合した燃料過剰
の濃混合気を噴出する炎口部と、前記炎口部に連通した
第一の混合気室を内包するバーナ本体と、前記バーナ本
体を複数本併設し、前記隣接するバーナ本体の間、及び
バーナ本体と燃焼室両端の燃焼室壁との間に設けた上部
に急傾斜な山形形状をした多数の噴出口を有する噴射板
と、前記バーナ本体と前記噴射板とに囲まれて形成され
る第二の混合気室と、前記第二の混合気室に設けた空気
取り入れ部と、前記バーナ本体に燃料を供給する燃料通
路と、前記燃料通路の一部を遮断する燃料切替え弁を備
え、前記第一の混合気室と前記第二の混合気室とを連通
する混合気通路を、前記燃料通路の一部が遮断された時
燃焼領域の境界と相対した前記第二の混合気室に面する
前記バーナ本体には備えず、他の第二の混合気室に面す
る前記バーナ本体には前記混合気通路を備えたものであ
る。

【０００８】また、第二の課題解決手段としては、第一
の解決手段に加え、前記燃料通路の一部が遮断された時
燃焼領域の境界と相対した第二の混合気室を形成する噴
射板は平面形状とし垂直方向に噴出口を備えたものであ
る。

【０００９】

【作用】本発明は上記手段により、炎口部からは、燃料
と燃焼用の一次空気とを混合した燃料過剰の濃混合気を
噴出するとともに、噴射板の噴出口からは、第一の混合
気室の濃混合気の一部がバーナ本体に設けられた混合気
通路を通り第二の混合気室に流入し空気取り入れ部から
流入する空気と混合した希薄混合気が噴出される。さら
に燃料通路の一部が遮断された時燃焼領域の境界と相対
した第二の混合気室に面した噴射板の噴出口からは、空
気取り入れ部から流入した空気のみが噴出される。よっ
て、燃焼室に形成される火炎の状態は燃焼室上部より見
て希薄火炎、濃火炎、希薄火炎、濃火炎の繰り返しの後
空気層が形成され、さらに濃火炎、希薄火炎の繰り返し
となる。希薄混合気は炎口部の上に形成される濃火炎の
熱的な影響を受けることにより着火し、低ＮＯｘの特性
を持つ希薄燃焼を行う。希薄火炎は燃焼後もなお多量の
酸素を含んでおり、隣接する濃火炎に混合されることに
より濃火炎が高負荷燃焼する。さらに空気層に隣接する
濃火炎は、空気層からも一部酸素を供給され高負荷燃焼
して火炎全体として低ＮＯｘと完全燃焼とを実現してい
る。

【００１０】燃焼量可変幅を広げるために燃焼している
バーナーの本数を切り替えるためには、燃料切替え弁に
より燃料通路の一部を遮断した場合、燃焼しているバー
ナーと燃焼していないバーナーとの境界の噴射板からは
空気が噴出されることになり、燃焼室に形成される火炎
の状態は燃焼室上部より見て希薄火炎、濃火炎、希薄火
炎、濃火炎の繰り返しの後切り替え部は、濃火炎、空気
層となり境界面の火炎が安定な濃火炎とすることで不完
全燃焼を防止し、バーナー全部が燃焼している状態であ
る上記と同様に低ＮＯｘと完全燃焼とを実現する。

【００１１】また、第二の課題解決手段の作用は、前記
燃料通路の一部が遮断された時燃焼領域の境界と相対し
た第二の混合気室を形成する噴射板は平面形状とし垂直
方向に噴出口を備えることで左右の濃火炎に並行に空気
を供給できる。そのため、噴射板上に形成される小さな
渦の効果で濃火炎の火炎基部が安定化し、濃火炎と希薄
火炎間の干渉が防止でき、燃焼騒音を抑制する。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００１３】図１に本発明の第一の実施例の燃焼装置の
一部断面図を示す。図１において、１４は第一の混合気
室１５を内包するバーナー本体であり、バーナー本体１
４の上面には多数のスリットを開口した炎口部１６が、
バーナー本体１４の上流側にはスロート部１７が構成さ
れており、この様なバーナー本体１５が複数本併設され
て燃焼室１８の内部に収納されバーナブロックを構成し
ている。また、図２にも示すようにバーナー本体１４の
両側面には支持金具１９が取りつけられ、この支持金具
１９とバーナ本体１４とで形成する溝に噴射板２０の端
部が挿入され隣合ったバーナ本体１４の間を結合して一
体化している。噴射板２０は平板を山形状に折り曲げて
形成されており、傾斜部には多数の噴出口２１を設けて
いる。隣接するバーナ本体１４の間と噴射板２０で囲ま
れた空間は第二の混合気室２２となる。各バーナー本体
１４のスロート部１７に対向して燃料を噴出するノズル
２３と燃料切替え弁２４とを備えた燃料通路２５が設け
られている。ファン２６が燃焼室１８に設けられ、スロ
ート部１７と各バーナ本体間で形成される空気取り入れ
部２７に空気を供給する。燃焼量可変幅を広げるために
燃焼しているバーナの本数を切り替える場合には、燃料
切替え弁２４を遮断して左側のバーナのみに燃料を供給
することになる。各バーナ本体１４の両側面には第一の
混合気室１５と第二の混合気室２２とを連通する混合気
通路２８を設けているが、バーナの本数を切り替える場
合に境界となる第二の混合気室２２−ａに面するバーナ
面には混合気通路２８は設けていない。

【００１４】上記構成において、ファン２６から供給さ
れた燃焼用空気は、一部がスロート部１７からバーナ本
体１４の内部に流入し、残りの大部分の空気はバーナ本
体１４の間及びバーナケース１８とバーナ本体１４の間
を流れ、それぞれの第二の混合気室２２に供給される。
一方、燃料通路２５から供給される燃料は、各ノズル２
３から各スロート部１７に向かって噴出され、バーナ本
体１４の内部に流入して先の燃焼用空気と第一の混合気
室１５で混合される。第一の混合気室１５の内部の混合
気は一次空気比を２０〜４０％に設定している。この混
合気の一部分は炎口部１６より噴出し濃火炎を形成し、
残りの大部分の混合気は各バーナ本体１４の側面にある
混合気通路２８より第二の混合気室２２の内部に導かれ
空気取り入れ部２７より入ってくる多量の空気と混合す
る。この時一次空気比を１７０〜２５０％程度の希薄な
混合気となるとともに均一化された後、噴出板２０の傾
斜部に設けられた多数の噴出口２１から左右の炎口部１
６の方向に向かって傾斜して噴出される。ただし、混合
気室２２−ａからはこれに面するバーナ本体１４に混合
気通路２８が設けられていないため空気のみが同様に噴
出される。従って、燃焼室１８に形成される火炎の状態
は燃焼室１８の左側の燃焼室壁より希薄火炎（Ａ）、濃
火炎（Ｂ）、希薄火炎（Ａ）の繰り返しで、混合気室２
２−ａの所で濃火炎（Ｂ）、空気層（Ｃ）、濃火炎
（Ｂ）となり、その後は希薄火炎（Ａ）、濃火炎
（Ｂ）、希薄火炎（Ａ）の繰り返しで右側の燃焼室壁と
なる。

【００１５】ここで、希薄火炎の特性とＮＯｘについて
説明する。サーマルＮＯｘは燃焼反応帯の温度が低温で
あるほど発生量は低減する。よって空気を多量に含む希
薄な混合気ほど熱容量が増加して火炎温度が低下し、低
ＮＯｘ化が図れることはよく知られている。しかし、一
方混合気が希薄になる程火炎は不安定となり、火炎基部
が炎口から吹き飛び、不完全燃焼を発生する。

【００１６】よって上記構成において、バーナ全部が燃
焼している場合には、火炎の大部分を占める火炎の連続
面では炎口部１６の上に形成される濃火炎の熱的作用に
よって希薄混合気の雰囲気温度を上げ、かつ噴出板２０
に傾斜部を設け噴出口２１を多数設けることで濃火炎と
希薄火炎との距離を離すことなく火炎面積を大きくして
希薄混合気の流速を低くすることによって、希薄混合気
を完全燃焼させることができ、燃焼室１８の両壁部では
希薄火炎を空気層と遮断することで燃焼性を良好にして
いる。また、境界となる混合気室２２−ａの所では、濃
火炎に空気のみが供給されＮＯｘの発生量は多いが燃焼
性は良好となる。この様にしてバーナ全部として、低Ｎ
Ｏｘと完全燃焼とを実現している。

【００１７】燃焼量可変幅を広げるために燃焼している
バーナの本数を切り替える場合には、燃料切り替え弁２
４を遮断して第二の混合気室２２−ａを境界として左側
のバーナのみに燃料を供給することになる。第二の混合
気室２２−ａからはこれに面するバーナ本体１４に混合
気通路が設けられていないため空気が同様に噴出され
る。従って、燃焼室１８に形成される火炎の状態は図３
に示すように燃焼室１８の左側の燃焼室壁より希薄火炎
（Ａ）、濃火炎（Ｂ）、希薄火炎（Ａ）、濃火炎
（Ｂ）、空気層（Ｃ）となる。つまり、燃焼しているバ
ーナと燃焼していないバーナとの間の境界部は濃火炎に
空気のみが供給されバーナ全部が燃焼している状態であ
る上記と同様に火炎の不連続面から不完全燃焼を起こす
ことはない。

【００１８】図４と図５は本発明の第二の実施例を示す
ものである。各図において図１と図２と同一番号を付し
たものは、前述の第一の実施例と同一部品である。第一
の実施例と相違する点は、第二の混合気室２２−ａを形
成する噴射板２０−ａのみを平面形状とし、噴射板２０
−ａに設けた噴出口２１−ａは垂直方向に開口して設け
られて、左右の濃火炎に並行に空気を供給している。そ
のため、噴射板２０−ａ上に形成される小さな渦の効果
で濃火炎の火炎基部が安定化し、濃火炎と希薄火炎間の
干渉が防止でき、燃焼騒音を抑制することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の燃焼装置に
よれば次の効果が得られる。

【００２０】請求項１では、１）燃焼量可変幅を広げるために燃焼しているバーナの
本数を切り替える場合には、燃焼しているバーナと燃焼
していないバーナとの間の境界部は濃火炎に空気のみが
供給され火炎の不連続面から不完全燃焼を起こすことは
なく、バーナ全部が燃焼している状態であると同様に低
ＮＯｘと完全燃焼とを実現でき、さらに燃焼量の可変幅
（ＴＤＲ）を拡大することができる。

【００２１】２）バーナー本体に内包される第一の混合
気室と第二の混合気室とを連通する混合気通路の有無で
噴射板から空気過剰の希薄混合気を供給するか、燃焼用
の二次空気を供給するかを容易に切り替えることがで
き、バーナ全体の構成が簡単で安価になる。

【００２２】３）燃焼量可変幅を広げるために燃焼して
いるバーナの本数を切り替える場合に境界部となる濃火
炎の基部は、噴射板上に形成される小さな渦の効果で安
定化し、濃火炎と希薄火炎間の干渉を防止して燃焼騒音
を抑制することができ、燃焼装置の運転騒音を低減する
ことができる。

【００２３】請求項２によれば、バーナの本数を切り替
えたときに更に安定した燃焼が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例における燃焼装置の一部
断面図

【図２】同装置の要部斜視図

【図３】同装置の燃料切り替え弁作動時の一部断面図

【図４】本発明の第二の実施例における燃焼装置の一部
断面図

【図５】同装置の燃料切替え弁作動時の一部断面図

【図６】従来の燃焼装置の一部断面図

【符号の説明】

１４バーナ本体１５第一の混合気室１６炎口部１７空気取り入れ部１８燃焼室２０噴射板２１噴出口２２第二の混合気室２４燃料切替え弁２５燃料通路２８混合気通路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者植田順一大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】燃料と燃焼用の空気とを混合した燃料過剰
の濃混合気を噴出する炎口部と、前記炎口部に連通した
第一の混合気室を内包するバーナ本体と、前記バーナ本
体を複数本併設し、前記隣接するバーナ本体の間、及び
バーナ本体と燃焼室両端の燃焼室壁との間に設けた多数
の噴出口を有し上部に急傾斜な山形形状をした噴射板
と、前記バーナ本体と前記噴射板とに囲まれて形成され
る第二の混合気室と、前記第二の混合気室に設けた空気
取り入れ部と、前記バーナ本体に燃料を供給する燃料通
路と、前記燃料通路の一部を遮断する燃料切替え弁を備
え、前記第一の混合気室と前記第二の混合気室とを連通
する混合気通路を、前記燃料通路の一部が遮断された時
燃焼領域の境界と相対した前記第二の混合気室に面する
前記バーナ本体には備えず、他の第二の混合気室に面す
る前記バーナ本体には前記混合気通路を備えた燃焼装
置。
【請求項２】前記燃料通路の一部が遮断された時燃焼領
域の境界と相対した第二の混合気室を形成する噴射板は
平面形状とし垂直方向に噴出口を有する請求項１記載の
燃焼装置。