JPH0440962B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は機体の前部に除雪機やモアーやスイー
パー等を装着して庭園等の農作業を行う、小形特
殊農用トラクターに関するものである。

(ロ) 従来技術 従来から農用トラクターの機体前端に三点リン
ク式の作業機装着装置や二点リンク式の作業機装
着装置を具備した技術は公知とされているのであ
る。例えば、実開昭57−1505号公報、実開昭57−
28601号公報、実開昭56−166923号公報、実開昭
55−168484号公報、実開昭54−11838号公報、実
開昭54−3433号公報に記載の技術の如くである。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明は上記の従来技術を改良するものであ
り、座席に座つたオペレーターの前方視界を良好
にし、かつ簡単な構成により前部作業機装着装置
を構成し、更に離れた位置の油圧シリンダーより
ワイヤーを介して、ロアリンクの上下操作を可能
としたのである。

(ニ) 課題を解決する為の手段 本発明の目的は以上の如くであり、該目的を達
成する為の構成を説明すると。

左右の機体フレーム１２Ｌ，１２Ｒの、前後中
央位置に座席７を配置し、該座席７の後部にエン
ジン室２ａを設け、該エンジン室２ａの内部にエ
ンジン２を配置し、更に該エンジン２の下方に油
圧シリンダー１８を配置した構成において、該油
圧シリンダー１８よりワイヤー１９を機体前方へ
延長し、前端を機体前方の前部作業機装着装置を
構成するロアリンク１３Ｌ，１３Ｒに連結したも
のである。

(ホ) 実施例と作用 本発明の目的・構成は以上の如くであり、添付
の図面に示した実施例の構成及び発明の作用を説
明すると。

第１図は本発明の農用トラクターの全体側面
図。第２図は同じく前部作業機装着装置の拡大側
面図。第３図は同じく平面図。第４図は機体フレ
ームの平面図。第５図はトツプリンクホルダー３
２を固定した場合と回動可能にした場合を示す側
面図。第６図はトツプリンクホルダー３２を回動
可能とした場合の前面図。第７図はトツプリンク
ホルダー３２を固定した場合の前面図である。

第１図において全体的な構成から説明すると。
１はキヤビンであり、内部にオペレーターが乗車
し、座席７に座り、操作コラム１５から突出した
ステアリングハンドル６を操作するものである。
座席７の後部にエンジン室２ａが別体に設けられ
ており、エンジン室２ａの内部にラジエーター２
ｂ付きのエンジン２が配置されている。

エンジン２より機体フレーム１２上のHST変
速装置３へＶベルトとＶプーリーにより動力が伝
えられている。該エンジン２の下方または座席７
の下方の位置に油圧シリンダー１８を配置し、ワ
イヤー１９を介して、前部作業機装着装置のロア
リンク１３Ｌ，１３Ｒに、該ワイヤー１９を連結
している。

HST変速装置３の無段変速後の出力軸より走
行用ミツシヨンケース４へ動力が伝えられてい
る。走行用ミツシヨンケース４内のデフ装置によ
り、動力が左右に分岐され、後車輪ひいては後輪
１０が駆動される。走行用ミツシヨンケース４の
上部に油圧シリンダー３６が配置され、リフトア
ーム１７により後部作業機装着装置のロアリンク
１６を上下に回動している。又、走行用ミツシヨ
ンケース４の左前部より前輪駆動軸が突出され、
中間軸２１を介して、フロントデフ装置８を駆動
している。フロントデフ装置８より動力が左右に
分岐され、前輪９，９が駆動されている。

前部作業機装着装置はトツプリンク１１とロア
リンク１３，１３とクイツクヒツチ装置１４とユ
ニバーサルジヨイント軸２０より構成されてい
る。

そしてロアリンク１３を回動上下動するワイヤ
ー１９がベルクランク１８ａと連結されている。
ベルクランク１８ａは油圧シリンダー１８により
回動させられる。５はPTOクラツチ装置であり、
HST変速装置３より無段変速しない回転が入力
軸の延長により伝えられる。そして動力伝達軸２
６を介して、前部のPTO軸２５へ伝えられてい
る。該PTO軸２５にユニバーサルジヨイント軸
２０を結合している。

第２図において示す如く、油圧シリンダー１８
にて、ベルクランク１８ａを回動し、ワイヤー１
９を引つ張るのである。該ワイヤー１９が前方ま
で延設されて、ロアリンク１３Ｌ，１３Ｒの上下
昇降を行つている。

２２，２３はワイヤーのテンシヨンプーリーで
ありワイヤー１９の先端は、左右のロアリンク１
３Ｌ，１３Ｒを連結する連結杆２７と連結されて
いる。

機体フレーム１２Ｌ，１２Ｒの先端を「ハ」の
字形に絞つてその先端にロアリンク１３Ｌ，１３
Ｒの枢支点を設け、この枢支点からロアリンクは
「ハ」の字形に拡大させている。結果として機体
の両側に凹部Ａが２ケ所できるのである。そして
この凹部Ａ内で前輪９を操向回動可能としてい
る。

第４図において２９は、左右の機体フレーム１
２Ｌ，１２Ｒの連結補強体であり、この連結補強
体２９にドラツグアーム軸が枢支されている。

左右の機体フレーム１２Ｌ，１２Ｒの間に渡架
固設した前後のセンターピンブラケツト３０，３
１に左右一対のトツプリンクブラケツト２４Ｌ，
２４Ｒの基部であるフロントアクスルブラケツト
を固設したものである。更にトツプリンクブラケ
ツト２４Ｌ，２４Ｒ兼フロントアクスルブラケツ
トは延長して、連結補強体２９にも固設されてい
る。

ワイヤー１９のテンシヨンプーリー２２，２３
の軸はトツプリンクブラケツト２４Ｌ，２４Ｒ間
に渡架されている。

第５図・第６図・第７図より更に詳しく説明す
ると。

左右一対のトツプリンクブラケツト２４Ｌ，２
４Ｒ間に、ワイヤーガイド３９，４０が渡架固設
され、油圧シリンダー１８からのワイヤー１９を
ガイドすると共にトツプリンクホルダー３２の前
後の回動幅を規制している。トツプリンク１１は
その後端のボールジヨイントをトツプリンクホル
ダー３２の上のピン３３又は３４に枢結されてい
る。そしてトツプリンクホルダー３２の下の方は
テンシヨンプーリーの枢支軸３７にて枢支されて
いる。

第６図の如くトツプリンクホルダー３２の上の
ピン３３がトツプリンクブラケツト２４Ｌ，２４
Ｒに届かない短い長さの場合には、トツプリンク
１１とクイツクヒツチはロアリンク１３の先端の
枢支ピンを中心に前後に回動するのである。この
ようにトツプリンクホルダー３２をフリーにして
作業するのはモアー作業やスイーパー作業の場合
であり、作業機が地表面の凹凸に応じて上下動可
能である。

これに対して、第７図の如くピン３４が長い場
合にはトツプリンクホルダー３２は固定されるの
である。この場合は除雪作業の如く固定する必要
のある場合に使われるのである。

(ヘ) 発明の効果 本発明は以上の如く構成したので、次のような
効果を奏するものである。

第１に、座席７を機体フレーム１２Ｌ，１２Ｒ
の前後中央部に配置し、その後方にエンジン室２
ａを構成したので、座席７に座つたオペレーター
の前方への視界が良くなり、前部作業機装着装置
に付設した作業機の昇降操作を、オペレーターが
確認しながら作業をすることが出来るのである。

第２に、エンジン２が後部にある場合に、前方
に油圧シリンダー１８を配置すると、エンジンＥ
部分の油圧ポンプから油圧シリンダー１８までの
間に高圧パイプを配管する必要があるが、本発明
は油圧シリンダー１８を後部に配置し、前部のロ
アリンク１３Ｌ，１３Ｒとの間は、ワイヤー１９
により連結したので、高価な配管を複雑に配置す
る必要が無くなつたのである。

第３に、油圧シリンダー１８とロアリンク１３
Ｌ，１３Ｒの間の連結昇降機構を簡単な構成とす
ることができて、農用トラクターの前部作業機装
着装置全体を簡便な構成とすることが出来たので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の農用トラクターの全体側面
図。第２図は同じく前部作業機装着装置近辺の拡
大側面図。第３図は同じく平面図。第４図は機体
フレームの平面図。第５図はトツプリンクホルダ
ー３２を固定した場合と回動可能とした場合とを
示す側面図。第６図はトツプリンクホルダー３２
を回動可能とした場合の前面図。第７図はトツプ
リンクホルダー３２を固定した場合の前面図であ
る。 ２…エンジン、７…座席、１２Ｌ，１２Ｒ…左
右の機体フレーム、１３Ｌ，１３Ｒ…ロアリン
ク、１８…油圧シリンダー、２４Ｌ，２４Ｒ…ト
ツプリンクブラケツト、２７…連結杆。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 左右の機体フレーム１２Ｌ，１２Ｒの、前後
   中央位置に座席７を配置し、該座席７の後部にエ
   ンジン室２ａを設け、該エンジン室２ａの内部に
   エンジン２を配置し、更に該エンジン２の下方に
   油圧シリンダー１８を配置した構成において、該
   油圧シリンダー１８よりワイヤー１９を機体前方
   へ延長し、前端を機体前方の前部作業機装着装置
   を構成するロアリンク１３Ｌ，１３Ｒに連結した
   ことを特徴とする農用トラクターの前部作業機装
   着装置。