JPH0439317A - 活性エネルギー線硬化型高分子材料用表面改質剤及びその製造方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型高分子材料用表面改質剤及びその製造方法

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JPH0439317A
JPH0439317A JP2145184A JP14518490A JPH0439317A JP H0439317 A JPH0439317 A JP H0439317A JP 2145184 A JP2145184 A JP 2145184A JP 14518490 A JP14518490 A JP 14518490A JP H0439317 A JPH0439317 A JP H0439317A
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倫久 山田
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尚生 山本
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は特に紫外線や電子線等の活性エネルギー線が照
射されることにより硬化する塗料、インキ、接着剤、粘
着剤、シール剤、製版材料等の高分子材料用表面改質剤
及びその製造方法に関するものであり、詳しくは優れた
表面配向性を示し、しかも不飽和基を介して表面改質の
対象となる高分子材料に化学結合することにより、含フ
ッ素重合体部分に由来する特性を極めて長期に発現でき
る、活性エネルギー線硬化型高分子材料用表面改質剤及
びその製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕 本発明者らは先に、含フッ素ブロック共重合体を高分子
材料の表面改質剤として適用することにより、高分子材
料表面に含フッ素重合体部分の機能が付与できることを
提案した。例えば特開昭60−22410号公報では、
含フッ素ブロック共重合体を高分子材料に添加すると、
含フッ素ブロック共重合体が表面に配向し、材料表面に
パーフルオロアルキル基の持つ撥水撥油性や防汚性等の
優れた特性か付与でき、その改質効果の持続性に優れて
いることか示されている。またブロッキング防止剤とし
てや(特開平2−4877号公報)、防湿性付与剤とし
ても有用なことが知られている(特開平2−4812号
公報)。
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂だけに限らず、活性エネル
ギー線硬化型樹脂においてもパーフルオロアルキル基の
持つ特性が求められる場合が多い。
例えばUV硬化型塗料では防汚性や撥水撥油性、耐溶剤
性等が求められ、UV硬化型接着剤や粘着剤等では耐水
性や耐酸性、防湿性等が求められる場合がある。さらに
、プラスチックボトル等の印刷に使用されるUV硬化型
インキには耐水性が求められており、またソルダーレジ
スト材料等には防湿性が求められている。本発明者らは
、このような材料に対する改質剤としても含フッ素ブロ
ック共重合体が有用であることを提案してきた(特開平
2−4812公報)。
活性エネルギー線に対して感応性を有する材料について
は極めて数多い提案があるが、その中で、レジスト材料
やコーティング材料として使用することを目的とした、
活性エネルギー線感応型の含フッ素ブロック共重合体に
関する提案も行われている。例えば、特開昭58−21
5411号公報では、側鎖に光2量化反応性を有する単
量体と含フッ素単量体とのラジカル共重合反応により含
フッ素感応性材料が得られることか提案されている。
また、特開昭62−25104号、同63−30126
8号公報では、水酸基含有ビニルエーテルとフルオロオ
レフィンの共重合によって得られる含フッ素重合体と、
イソシアネート基と不飽和基とを有する化合物との反応
により活性エネルギー線−で硬化のできる重合体の得ら
れることを報告している。さらに特開昭62−1902
64号公報では、OH基を有する含フッ素ブロック共重
合体と、イソシアネート化合物と、OH基と不飽和基と
を有する化合物との3成分間の反応より得られる重合物
を含有する塗料組成物が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述したように、表面配向性に優れた含フッ素ブロック
共重合体によって活性エネルギー線硬化型樹脂の表面改
質が可能である。この場合、含フッ素ブロック共重合体
の一方のポリマー鎖であるフッ素を含有しない重合体部
分と改質の対象となる樹脂との高分子のからみあい効果
により、改質効果の良好な持続性が付与されるが、この
両者を貴官結合させることができれば、さらに持続性か
(善される。
このような目的を達成するために特開昭6290264
号公報において、すでに不飽和基を1有する含フッ素ブ
ロック共重合体に関する提案くなされているが、この提
案においては、イソシアネート化合物を用いた反応によ
り不飽和基を導\する方法を採用しているため、反応時
にゲル化く生じやすいという問題点がある。含フッ素プ
ロ/り共重合体と不飽和基含有化合物に対して、多重の
インシアネート化合物を用いることによって一ル化が抑
制できる傾向を示すものの、このよう二多量のイソシア
ネート化合物を用いて合成した基金、含フッ素ブロック
共重合体の多量化か進行、て分子量が増大し、しかも含
フッ素重合体部分)比率が減じるため表面性能か低下す
るという間頁点かある。
この提案のように特定の用途に利用する場合によ、含フ
ッ素ブロック共重合体の機能か発現され=も、広く活性
エネルギー線硬化型樹脂の表面改質剤として用いるには
、表面活性能の点で問題があり、さらに改善か望まれる
段階にあった。
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであ
って、その目的は優れた表面配向性と活性エネルギー線
に対する感応性を合わせ持ち、活性エネルギー線硬化型
高分子材料表面に撥水撥油性やブロッキング防止性、防
湿性等の機能を永続的に付与できる活性エネルギー線硬
化型高分子材料用表面改質剤及びその製造方法を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明における第1の発明では、下記一般式(I)から
誘導される構造単位(A)と、下記−般式(II)から
誘導される重合体部分及び下記−船橋造式(I[I)を
単位とする重合体部分からなる構造単位(B)からなり
、構造単位(B)に占める一般構造式(III)を単位
とする重合体部分の割合が1〜70重量%であり、構造
単位(A)/構造単位(B)の割合が重量比で80/2
0〜10/90であるブロック共重合体からなるという
手段を採用している。
CH2= CRI COORt Rf・・・・・・(I
)式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はCp H
4F  、   C(CpHtp++) H−、−CH
tC(CpHzp++)H−又は−CH2CH20−R
fはC−F2−+l、(CFt)。H,(CFz)PO
C,H2ffiCIF21+1.(CFt)pOc−H
zw C+ F z + H+ NC0C,F2□r、  N5O2C,F2−+tCp
Hzp++      CpHzp+1である。但し、
pは1〜10.nは1〜169mはO〜10.lは0〜
16の整数である。
CH2= CRs R4・・・・・・(II)式中、R
3は水素原子又はメチル基又はCH2COOH,R,は
C00Rs(式中、R5は水素直鎖状又は分岐状のCゎ
R2゜+1.直鎖状又は分岐状のCpHtp++OH,
CH2CH(OH)CHs、(CzH40)−C5H2
S+1゜[CHICH(CHs)0) 、C5H2S+
1である。
但し、Pは1〜10.nは1〜16.rは2〜20、s
はO〜8の整数である。)、−CONR。
R?(式中、R6は水素原子又はCpH2P+I+ R
7は水素原子、直線状又は分岐状のCPI(2P+1、
又はCH20Hである。但し、pは1〜10の整数であ
る。)、−CON  0l−CONHC(CH3) 2
CH2COCH3、−CONHC(CHOCOC、H2
,++ (式中、nは1〜16の整数であり、直鎖状、
分岐状のいずれでもよい。)−(CH−CR8)−・・
・・・・(III)C0(Re)、CRh。
C2H40−又は−CH2CH(CH3)CH3゜はC
H2=CH−、CH2=C(CH3)CH2= CHC
OOC2H40−又はCH2= C(CHa ) CO
OCt H40−である。
但し、t=1〜20の整数である。
また、第2の発明では、第1の発明において前記構造単
位(A)が一般式(1)から誘導される重合体部分40
重量%以上及び一般式(n)から誘導される重合体部分
60重量%以下からなるという手段を採用している。
さらに、第3の発明では、第1又は第2の発明で第1段
重合において、ポリメリックペルオキシドを重合開始剤
とし、前記一般式(II)で表された単量体の1種又は
2種以上と、下記一般式(IV)で表された単量体を、
それらの使用比率が一般式(II)で表された単量体/
−一般式TV)で表された単量体=99/1〜40/6
0の条件下で重合した後、第2段重合において、前記一
般式(I)で表された単量体−の1種又は2種以上を、
第1段重合と第2段重合で使用する単量体の比率が重量
比で90/10〜20/80となる条件下で重合するこ
とにより得られる含フッ素重合体と下記−般式(V)で
示される化合物とを、前記含フッ素重合体中のヒドロキ
シル基と一般式(V )で示される化合物を脱塩酸反応
させることによりブロック共重合体を製造するという手
段を採用している。
CH=CRa−Coo (R9)、H・・・・・・(I
V)式中、Rsは水素原子又はメチル基、RoはC2H
< O−又は−CH2CH(CHs ) 0である。但
し、tは1〜20の整数である。
R+o  COCl  −−(V) 式中R3゜は、CH2=CH−、CH,−C(CHs 
)   CH2= CHC00C2H40−又はCH2
=C(CH3)C00−C,H,0である。
また、第4の発明では、上記第3の発明で、前記第2段
重合において、一般式(I)で表される単量体の1種又
は2種以上を40重量%以上及び一般式(II)で表さ
れる単量体の1種又は2種以上を60重量%以下とを共
重合するという手段を採用している。
次に、本発明の各構成要件について説明する。
まず本発明のブロック共重合体における構造単位(A)
について説明する。ブロック共重合体が充分に表面活性
であり、含フッ素重合体としての機能を発現させるため
に、この構造単位は第1及び第3の発明では前記一般式
(I)から誘導される重合体であり、第2及び第4の発
明では前記−般式(I)から誘導される重合体部分40
重量%以上及び前記一般式(II)から誘導される重合
体部分60重量%以下からなっている。構造単位(A)
が前記一般式(I)から誘導される重合体部分40重量
%未満から構成されると、表面活性能が低下して表面改
質剤としての機能が不足する。
前記一般式(I)において、p、mがlOを越えるとパ
ーフルオロアルキル基に由来する特性が減じるため好ま
しくない。また、n、  lが16を越えると、製造が
容易でなく、しかもパーフルオロアルキル基に由来する
特性が必ずしも良好とはいえないため好ましくない。p
は1〜4、mは0〜4、n及びIは1−10で、かつパ
ーフルオロアルキル基の末端は−CF3であることがさ
らに好ましい。
前記一般式(1)で示される単量体としては、特に製造
の容易性の点から次のようなものが好適に使用できる。
CF 3 (CF 2) 7CHzCHxOCOCH=
 CHt CF a CH20COCH= CHt、CFa (C
F2) 4CHzCHtOCOC(CHa)=CH2 C7FI5CON (CxHs)CH20COC(CH
3) = CH2 CFa (CF2)7SO2N (CHs)CH2CH
20COCH= CHt C2F5SOzN (CaHy)CHxCHz−OCO
C(CH3)=CH。
上記の単量体以外に、以下のような単量体を使用するこ
ともできる。
(CFり2CF  (CF2)6 (、CH2)30 
COCR= CH2 (CF3)2CF  (CF、)10 (CH2)30
 COC(CHa)= CH2 :Fa (CF2)4CH(CH3) −OCOC(CH3)  = CH2 H(CF2)sc  (CtHa)ococ(CH3)
  = CH2 H(CF’2)acHzOcOcH=cHtH(CFz
)<ChzOCOCH=CHtH(CF り  aCH
zOCOC− (CHa)=CtL Z F a CH20CH2CH20COCH= CH
2S 2 F s (CH2CH20)  2 CH2
0CO−CH= CH2 (CF、)2CF○ (CH2)50COCH” CH
2 CFs (CF2)40CH2CH20COC(CH3
)  = CHt C2F5CON−、(C2H5)CH20COCH= 
CH2 CF3 (CF2)zcON  (CH3)CH(CH
3)CHzOCOCH= CH2CF3(CF2)  
フ5O2N  (CHs)  CH2CH20COC(
CHs )  = CH2CF3 (CF、)7SO2
N  (CHa)(CH2)100COCH=CH2 CgFsS○2N  (C2H5)CHtCHx−OC
OC(CHs)=CH2 CF! (CF2)7802N(CH3)(CH2)4
0COCH=CH2 C,F5SO2N  (C2H6)C(C2H6)〜H
CH20COCH= CH2 これらの単量体は1種又は2種以上が適宜選択して使用
される。
次に、一般式(II)で表される単量体は、第2受び第
4の発明では構造単位(A)を構成するのに使用され、
第1〜第4の発明では構造単位(’B )を構成する不
可欠のものである。一般式(II’)で表される単量体
として具体的には、アクリル酸メチル及び/又はメタク
リル酸メチル〔以下(メタ)アクリル酸メチルと総称す
る。以下同様〕、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸n −プロピル、(メタ)アクリル酸イソプ
ロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アク
リル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(
メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル
酸−2〜エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル
、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ス
テアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ
)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−N、N−
ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル
、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸=3
−クロル〜2−ヒドロキシプロピルのような(メタ)ア
クリル酸のヒドロキシエステル、(メタ)アクリル酸ト
リエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸ジ
プロピレングリコールエステルような(メタ)アクリル
酸のポリエチレングリコールやポリプロピレングリコー
ルのエステルを好適に使用することかできる。
これら単量体以外に、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン等の芳香族ビニル型単量体、ギ酸ビニル
、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、(メタ)アクリルア
ミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N、N
〜ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アク
リロイルモルホリン、2−アクリルアミド−2−、メチ
ルプロパンスルホン酸等のアミド基含有ビニル系単量体
、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等を使用することが
できる。これらの単量体は、1種又は2種以上か適宜選
択して使用される。
次に、本発明のブロック共重合体における構造単位(B
)について説明する。
構造単位(B)は、活性エネルギー線に対する感応性を
発現するために前記一般構造式(III)を構成成分と
することが不可欠である。この一般構造式(IIr)を
単位とする重合体部分の構造単位(B)に占める割合は
、1〜70重量%の範囲であって、その範囲内において
本発明のブロック共重合体の使用目的及び不飽和基の種
類等によって適宜決定される。いずれの不飽和基の場合
も一般構造式(III)の占める割合が1重量%に満た
ない場合、感応性が不足する。また、表面改質の対象と
なる高分子材料と化学結合を持たせる点で70重量%を
越える必要はないが、70重量%を越えると不飽和基の
種類によってはポットライフに問題が生じる。この割合
としては、3〜45重量%ると、含フッ素ブロック共重
合体の撥水撥油性等の含フッ素基の特性を阻害し、また
基材等に対する密着性も低下する。
また、構造単位(B)は、改質の対象となる高分子材料
に応じて、適度の混和性が発現できるように、前記一般
式(II)を不可欠の成分として構成される。この混和
性の良否は、高分子材料と本発明の表面改質剤とを混ぜ
合わせ、フィルム化した後目視により判定することがで
きる。即ち、フィルムが透明になるか、透明でな(でも
混ぜ合わせた際の分離がなくて、均一なフィルムが得ら
れれば適度な混和性を有すると判断される。
次に、本発明のブロック共重合体における構造単位(A
)と構造単位(B)の重量比率は80 、、’20〜1
0/90であるゎ構造単位(A)の比率が80重量%を
越えると、活性エネルギー線に対する感応性が低下した
り、樹脂との混和性に問題が生じる場合がある。一方、
構造単位(A)の比率が10重量%に満たない場合、構
造単位(A)に由来するフッ素の機能を充分に発現する
ことかできない。
次に、第3及び第4発明の活性エネルギー線硬化型高分
子材料用表面改質剤の製造方法について説明する。
本発明の表面改質剤は、特に工業的な生産性の容易さ、
多義にわたる性能的な面より、1分子中に2個以上のペ
ルオキシ結合を持つポリメリックペルオキシドを重合開
始剤としたラジカル重合により、側鎖にヒドロキシル基
を有する構造単位(B′)と構造単位(A)とを有する
含フッ素ブロック共重合体を、通常の塊状重合法、懸濁
重合法、溶液重合法、乳化重合法等により合成し、次い
で前記一般式(V)で示される化合物との脱塩酸反応に
より、不飽和基が導入されたものとし、て製造される。
上記ポリメリックペルオキシドは、1分子中に2個以上
のペルオキシ結合を有する化合物であればよく、具体的
には例えば、本発明者らの出願に係る特公昭63−54
239号公報、特開昭6022410号公報等に記載の
ものが好適に使用できる。
表面改質剤としての性能は、前記第1及び第2の発明の
説明の中で述べたように、ブロック共重合体の製造方法
に依存するが、ポリメリックペルオキシドを重合開始剤
として製造する場合にもその製造条件に依存するため、
適切な条件の設定が必要である。しかし、適切な条件で
製造を行えば、ブロック共重合体以外に副生ずる重合体
を除去することなく、充分に表面改質剤としての機能を
発揮することができる。
第1段重合で使用する一般式(II)の単量体と一般式
(IV)の単量体の比率は、99/1〜40/60であ
るが、この比率が99/1を越える場合、一般式(V)
の化合物に基づく不飽和基の導入量が少なくなり、活性
エネルギー線に対する感応性が不足する。また4、0/
60に満たない場合、化合物(V)の種類、含フッ素重
合体と化合物(V)との反応比率によってはポットライ
フに問題が生じる場合があり、また表面改質の対象とな
る高分子材料と化学結合を持たせる点でも問題か生じる
。そのため、この範囲は99/1〜40/60であり、
97/3〜55/45であることが好ましい。
次に、第2段重合は、第1段重合時に仕込んだ単量体が
、はぼ完全に消失した後に開始することが適切である。
このためには、第1段重合をほぼ完結させるか、再沈精
製等によって残存する単量体を除去する方法が好適に採
用される。また、第1段重合時において、第2段重合を
行うのに充分な量のポリメリックペルオキシドに由来す
るペルオキシ結合か残存することが必要である。本発明
の表面改質剤か充分に表面活性であり、第2段重合によ
って形成される重合体部分の機能を有効に発現させるた
めに、第2段重合は、前記一般式(I)を重合するか、
又は前記一般式(I)40重量%以上及び前記一般式(
II)60重量%以下を用いて共重合することか不可欠
である。一般式(I)40重量%未満の場合、得られる
表面改質剤の表面活性か低下して表面改質剤としての機
能が不足する。
また、第1段重合と第2段重合で使用する単量体の使用
比率は重量比で90/10〜20/80である。なお、
この場合使用する単量体とは、第1段及び第2段重合に
おいて、重合体形成に係わったものを指し、未反応の単
量体は含まれない。
この使用比率が90/10を越える場合、表面配向性が
不足してフッ素の機能を充分に発現することかできない
。一方、20/80未満の場合、活性エネルギー線に対
する感応性が低下したり、樹脂との混和性に問題が生じ
る場合がある。
さらに、前記の含フッ素重合体と、前記一般式(V)で
示される化合物との脱塩酸反応により、不飽和基が導入
された含フッ素ブロック共重合体が得られる。反応条件
としては、ブロック共重合体中の構造単位(Bりに含有
されるOH基量と化合物(V)との比率かモル換算で、
110.3〜1/1.3であることか適切である。0.
3未満の場合、必要以上のOH基か含フッ素ブロック共
重合体中に含有されることになり、構造単位(A)によ
って発現する撥水撥油性等の特性を阻害する場合があっ
て好ましくない。また、化合物(〜l)は、その存在比
率が高い程良好な反応性が発現できるが、反面、反応終
了後に過剰に仕込んだ化合物(V)の除去工程が煩雑と
なるので、1.3を越えないことが適切である。
また、充分な反応性が達成でき、しかも不飽和基の熱重
合によるブロック共重合体の高分子量化を防止するため
に、反応温度は10〜60℃が適切である。また、脱塩
酸の方法としては、反応系中にピリジン等を存在させて
塩酸塩として析出させるか、窒素ガス等をバブリングさ
せて、発生する塩酸ガスを排出する等の公知の方法を採
用することが出来る。この反応は非常に早くまた発熱反
応のため、反応のコントロールに留意する必要がある。
この点で、OH基を含有するブロック共重合体の非水溶
液をまず調製し、この溶液中に化合物(V)を滴下する
方法が好適に採用される。なお、化合物(V)は、市販
品として入手して使用することが出来、また、公知の方
法に従って合成して使用することも出来る。
本発明の表面改質剤は、優れた表面配向性を発現するた
めに、分子量が高すぎないことが好ましい。即ち、本発
明の表面改質剤のフッ素を含有しない重合体部分の良溶
剤である非フッ素系有機溶剤例えばジメチルホルムアミ
ド(DMF)又はメチルエチルケトン(MEK)に溶解
又は分散させて30重量%に調整した溶液の粘度が25
℃において7ポイズ以下であることが好ましく、4ポイ
ズ以下であることがさらに好ましい。7ボイズを越える
と、特に活性エネルギー線硬化型樹脂の表面改質剤とし
て使用した場合には表面配向性が不足する。
本発明の不飽和基を含有する含フッ素ブロック共重合体
の組成分析は、N M R1lR1元素分析等の公知の
手段で行うことが出来る。
本発明の表面改質剤は、粉末状であっても、溶剤や反応
性希釈剤で希釈された重合体溶液であってもよい。
本発明の表面改質剤を使用することによって高分子材料
に付与できる特性は、撥水撥油性、ブロッキング防止性
、離型性、防汚性、耐水性、耐酸性、耐溶剤性、防湿性
、非粘着性等の表面改質剤の含フッ素重合体部分の有す
る機能である。
本発明の表面改質剤の対象となる活性エネルギー線硬化
型の高分子材料は、特に限定されず、本発明の表面改質
剤で付与できる特性が求められる全てのものが使用でき
る。例えば、電子線や紫外線で硬化できる塗料、インキ
、接着剤、粘着剤、シール剤、製版材料等であり、活性
エネルギー線照射前に重合体溶液の形態を示し、活性エ
ネルギー線照射後に固体状か、固体に近い形態を示す材
料である。重合体溶液とは、本発明の表面改質剤を添加
する時点において、流動性をもっているものを指し、溶
剤や反応性希釈剤で希釈された状態であっても、無希釈
の状態であってもよい。また、活性エネルギー線に感応
する材料の全てが含まれ、従って活性エネルギー線に感
応する低分子化合物をも含まれる。この中でも、表面改
質剤との充分な化学結合が達成できる点で、活性エネル
ギー線照射前にアクリロイル基又はメタクリロイル基を
有するものが、より好適な高分子材料である。
本発明の表面改質剤は、活性エネルギー線を照射する前
に、改質をしたい高分子材料の重合体溶液中に添加して
使用される。添加量は、求められる改質の度合、高分子
材料の種類によ−)で適宜選択されるか、高分子材料1
00重量部に対して0゜1重量部未満では充分な機能の
付与ができない。
また45重量部を越えると高分子材料自体の有する諸特
性を阻害する場合があるため、0.3〜45重量部の範
囲が好ましい。
〔実施例〕
以下に製造例、実施例及び比較例をあげて本発明を具体
的に説明する。なお、各製造例、実施例及び比較例にお
いて、部は重量部を、%は重量%を表す。
(製造例1) (1)ペルオキシ結合含有重合体の合成温度計、撹拌器
及び還流冷却器を備えた反応器に、メチルエチルケトン
(以下MEKという)150部を仕込み、窒素ガスを吹
き込みながら70℃に加熱し、MEK ] 35部、メ
タクリル酸メチル(以下MMAという)120部、メタ
クリル酸ヒドロキシエチル(以下HE MAという)8
0部、(Co (CH2)4COO(C2H40)sC
o (CH2)4COO○〕to   12部からなる
混合液を2時間かけて仕込み、更に4.5時間重合反応
を行ってペルオキシ結合含有重合体の溶液を得た。
MMA、HEMAの重合転化率は、ガスクロマトダラム
(以下GCという)により残存モノマー量を測定した結
果、いずれも97%以上であった。
この重合体溶液をアセトンで4倍量に希釈し、次いで大
過剰のヘキサン中に攪拌しながら投入して、重合体の再
沈を行った。沈澱した重合体を充分に乾燥して粉末状の
重合体を得た。GC分析の結果、モノマーが残存しない
ことが確認された。この粉末状の重合体の活性酸素量は
0.11%であり、ゲルパーミェーションクロマトグラ
フ(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子
量は16500であった。
(2)ブロック共重合体の合成 前記(1)で得られた粉末状の重合体28部CF3 (
CF2)ycH2cH20cOcH二CH212部、M
EK60部の混合溶液を、温度計、攪拌機及び還流冷却
器を備えた反応器に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら
70℃で10時間重合反応を行った。フッ素モノマーの
重合転化率は98%であった。
得られた重合体溶液をアセトンで4倍量に希釈して大過
剰の水中に攪拌しながら投入し、重合体の再沈を行った
。沈澱した重合体を充分に乾燥して粉末状の重合体を得
た。
この重合体の微粉末30部をメタノール450部、酢酸
ブチル150部からなる混合溶剤に投入し、50℃で8
時間攪拌して、副生じた一方の成分であるフッ素を含有
しないアクリル系重合体の抽出を行った。次に、残った
重合体をトリクロロトリフルオロエタン600部に投入
し、40℃で48時間攪拌して含フッ素重合体の抽出を
行った。
その結果、上記粉末はブロック共重合体/フッ素を含有
しないアクリル系重合体7/含フッ素重合体の構成比率
が7.1 / 2.3 / 0.6から構成されている
ことがわかった。従って、ブロック共重合体における含
フッ素重合体部分〔構成単位(A)〕とフッ素を含有し
ない重合体部分〔構成単位(B)〕の重量比率は34/
66であることがわかった。
また、ブロック共重合体を重水素置換アセトンを用いて
NMR分析を行った結果、フッ素を含有しない重合体部
分の構成成分は仕込み通りMMA/HEMAが60/4
0であることがわかった。
(3)ブロック共重合体への不飽和基の導入反応温度計
、攪拌機及び還流冷却器を備えた反応器中に、前記(2
)で得たブロック共重合体5部、MEKl5部、ピリジ
ン2.37部(ブロック共重合体に含有されるO f(
基のモル量の3倍量)を加えて重合体溶液を作成した。
次いて、窒素ガスを吹き込みながら55℃で、アクリル
酸クロライド0、637部(ブロック共重合体に含有さ
れるOH基のモル量の0.7倍量)とMEKl、363
部の混合溶液を30分かけて滴下し、さらに50°Cで
2時間反応をさせた。反応後ピリジン塩酸塩を濾別除去
し、重合体溶液をアセトンで3倍量に希釈して大過剰の
水/メタノール(1/lの混合溶液)中に攪拌しながら
投入し、重合体の再沈・精製を行った。重合体の粉末を
充分に乾燥した後、DMFを溶離液としたGPC分析を
行ったところ、ピリジン、アクリル酸クロライド等の低
分子化合物かほぼ完全に除去されていることがわかった
この重合体にMEKを加えて20%溶液を調製して、K
Brの透明板上に成膜後充分に乾燥してIR測測定行っ
た結果、1640cm−’付近にCH2=CH−基に由
来する特性吸収か見られ、不飽和基の導入されているこ
とが確認された。
また、重水素置換アセトンを用いてNMR分析を行った
結果、CH2=CH−基に由来するプロトンピークか6
.4 ppm付近に新たに生じ、HEMA成分の−C8
2CH20H基に由来するプロトンピーク(3,8及び
4.2 ppm )が減していることかわかった。M 
M A成分のメチルエステルプロトンのピーク(3,6
ppm)も考慮したピーク面積比から、反応前のHE〜
IA成分の−CHtc H20H基の約65♀6がCH
2=CH−COOCH2CH2−基に置き変わっている
ことが明らかとなった。
この結果、本反応で得られた重合体は、構造単位(B)
に占める一般構造式(III)を単位とする重合体部分
の割合が33%であり、構造単位(A)/構造単位(B
)の割合が重量比で32/68であることが示された。
また、この重合体の粉末にMEKを加えて作成した30
%に調整した溶液は青白色の分散液の外観を呈し、粘度
は25℃において0.8ポイズであった。
(製造例2〜5) 次に、製造例1の(3)の場合と同じ反応器を用い、実
施例1の(2)で得たブロック共重合体と、表−1に示
した塩素化合物との反応により、ブロック共重合体への
不飽和基の導入反応を行った。
反応は、製造例1の(3)に準し、表〜lに示した重合
体溶液中に、表−1に示した滴下溶液を製造例1と同じ
条件で滴下し、さらに反応を継続する方法で行った。
反応後の重合体の分析方法は1.製造例1の(3)と同
じである。精製条件、重合体の分析結果、重合体のME
K溶液粘度を表−1及び表−2に併せて示す。
表−1生塩素化合物は次のものを表す。
+1)CHt =C(CHs)COCzf2)CHt 
=C(CH3)C00C,H40CO’Cz表−2中、
混合溶剤はメタノール(MeOH) /水−工/1の混
合溶剤を表す。
(製造例6,7) (1)ブロック共重合体の合成 製造例Iで使用した反応器と同じ反応器を用い、この反
応器中にMEK150部を仕込み、窒素ガスを吹き込み
ながら70℃に加熱し、MEK204部、MMA80部
、メタクリル酸n−プチル(n−HMA)70部、HE
MA50部、[CO(CH2)4COO(C!H,0)
3CO(CH2) 4C000:] 1o   17部
からなる混合溶液を2時間かけて仕込み、さらに4.5
時間重合反応を行ってペルオキシ結合含有重合体を得た
。GCによる残存モノマー量を測定した結果、重合転化
率は98%以上であった。
引き続いて、MEK160部とCH2=CHC00C2
H4N (CHI)SO2Cm F r□ 86部との
混合溶液を30分かけて滴下し、さらに70℃で3時間
、77°Cで3時間重合反応を行った。
GC分析の結果、モノマーの重合転化率は98%以上で
あった。
(2)不飽和基の導入反応 前記(1)で合成した重合体溶液をMEKで希釈して、
有効成分濃度が25%になるように調整した。次いで、
製造例1に準じた方法で、25%溶液480部にさらに
ピリジンを加えて重合体溶液を作成し、表−3に示した
塩素化合物溶液を60℃で30分かけて滴下し、さらに
同温度で5時間反応させて、不飽和基の導入反応を行っ
た。反応後ピリジン塩酸塩を濾別除去し、重合体溶液を
MEKで2倍量に希釈して大過剰の水又はメタノール中
に攪拌しながら投入し重合体の再沈・精製を行った。
そして、充分に乾燥した重合体の粉末を製造例1と同じ
方法でGPC分析を行ったところ、いずれの重合体にも
低分子化合物が含有されていないことがわかった。また
、IR分析から不飽和基の導入されていることが、さら
にNMR分析により重合体中のOH基の全てか消失して
新たに不飽和基が導入されていることがわかった。
この各重合体の粉末にMEKを加えて30重量%の重合
体溶液を調製した。25℃における粘度の測定結果を表
−4に示す。
(3)副生重合体の除去工程 上記(2)で得た各重合体の粉末100部を各々メタノ
ール400部、l・ルエン1600部からなる混合溶剤
に投入し、50℃で8時間攪拌して、副生じた一方の成
分であるフッ素を含有し7ないアクリル系重合体(不飽
和基は含有する)の抽出を行った。次いで、残った重合
体をトリクロロトリフルオロエタン2000部に投入し
、40°Cで24時間攪拌して含フッ素重合体の抽出を
行った。
抽出物の重量を測定し、粉末中の、ブロック共重合体/
フッ素を含有しないアクリル系重合体/含フッ素重合体
の構成比率を求めた。NMR分析による不飽和基の導入
率と照合しながらブロック共重合体における含フッ素重
合体部分〔構造単位(A)〕とフッ素を含有しない重合
体部分〔構造単位(B)〕の重量比率を算出した。
さらに、副生物抽出後のブロック共重合体を重水素置換
アセトンに溶解・分散させてN M R分析を行って、
製造例1と同様の方法により構造単位(B)に占める一
般構造式(III)を単位とする重合体部分の割合を求
めた。また、ブロック共重合体の粉末にMEKを加えて
作成した30重量%溶液の25℃における粘度を測定し
た。これらの結果を表−4に示す。
表−3 表−3生塩素化合物;J次のものを表す。
fl)CH2=CHC0Cff f2)CH2=Ct(COOC+ lit 0COC1
表−4中の重合体組成物の分析結果1’: −、M 合
体粉末100部中のブロック共重合体/フッ素を含有し
ない重合体/含フッ素重合体の構成比率を表す。
(製造例8) ブロック共重合体を製造する際の第1段重合時にMMA
 129部、n、−HMA70部、HE M A1部を
用いた以外は、製造例6の(1)と同じ条件でブロック
共重合体を製造した。
さらに、不飽和基の導入反応を表−5の条件下で行った
。その後、製造例6の方法に準じて反応を行い重合体の
粉末を得た。得られた重合体粉末を30%MEK溶液と
し、粘度を測定した。その結果を表−6に示す。
(製造例9) ブロック共重合体を製造する際の第1段重合時にMMA
 120部、n−BMA70部、HEMAIO部を用い
た以外は、製造例8と同じ操作でブロック共重合体を製
造した。
(製造例10) 製造に使用した有機溶剤であるMEKの代わりにDMF
を用い、第1段重合時にMMA90部、HEMAIIO
部を用いた以外は、全て製造例6の(1)と同じ条件下
でブロック共重合体を製造した。
さらに、この重合体溶液をMEKで希釈して25%とし
、表−5の条件下で不飽和基の導入反応を行った。
(製造例11) ブロック共重合体を合成する際の第1段重合時にMMA
70部、HEMA 130部を用いた以外は、製造例I
Oと同じ操作でブロック共重合体を製造した。
表 表−5中塩素化合物は表 しである。
3に示したものと同 表−6 表−6中、混合溶剤のはメタノール(MeOH>水=1
/1の混合溶剤を表し、混合溶剤のはメタノール(Me
OH) /ホー3/7の混合溶剤を表す。
また、重合体組成物の分析結果は重合体粉末100中の
ブロック共重合体/フッ素を含有しない重合体/含フッ
素重合体の構成比率を表す。
(製造例12〜16) (1)ペルオキシ結合含有重合体の製造温度計、攪拌機
及び還流冷却器を備えた反応器に、トルエン300部を
仕込み、窒素ガスを吹き込みながら75℃に加熱し、ト
ルエン270部、MMA 200部、アクリル酸ブチル
(以下BAという)100部、アクリル酸ヒドロキシエ
チル(以下HEAという)100部、 [CO(CH2)sCH(C2Hs) (CH2) l0cOOO] IS   30部からな
る混合溶液を3時間かけて仕込み、さらに2時間重合反
応を行ってペルオキシ結合含有重合体を得た。各単量体
の重合転化率は、GCによる残存単量体量を測定した結
果、いずれも98%以上であった。また、得られた重合
体溶液の活性酸素量は0.08%であった。
(2)ブロック共重合体の製造 上記(1)で得た重合体溶液と含フッ素単量体及びトル
エンを表−7に示した量仕込んで、75℃でブロック化
反応を行った。反応時間、重合結果を同じく表−7に示
す。
(3)不飽和基の導入反応 上記(2)で合成した重合体溶液をトルエンで希釈して
、有効成分濃度か25%になるように調整した。次いで
、製造例1に準じた方法で、25%溶液120部にさら
にピリジンを加えて重合体溶液を作成し、表−8に示し
た塩素化合物溶液を50℃で30分かけて滴下し、さら
に同温度で5時間反応させて、不飽和基の導入反応を行
った。
反応後ピリジン塩酸塩を濾別除去し、ポリマー溶液をト
ルエンで2倍量に希釈して大過剰のメタノール中に攪拌
しながら投入し重合体の再沈・精製を行った。
充分に乾燥した重合体の粉末を製造例1と同じ方法でG
PC分析を行ったところ、いずれの重合体にも低分子化
合物が含をされていないことがわかった。また、IR分
析から不飽和基の導入されていることが、さらにNMR
分析により重合体中のOH基の全てか消失して新たに不
飽和基の導入されていることがわかった。
この各重合体の粉末にトルエンを加えて30重量%の重
合体溶液を調製した。25℃における粘度の測定結果を
表−8に示す。
表−8 表−7中の含フン素重合体は次のものを示す。
1)CHI =C(C)(l )COOCH,N−(C
2H5)COCl F+3 (2) CHz ” CHCOOCHt Ct F s
(製造例17) 前記製造例4と対比するために、製造例1の(2)と同
じブロック共重合体と、イソシアネート化合物、HEM
Aの3つの化合物の反応により、不飽和基の導入反応を
行った。
製造例4と同し反応器中で、製造例1の(2)と同じ方
法で得たブロック共重合体40gとMEK120gから
混合溶液を作成し、ヘキサメチレンジイソシアネートの
ビューレット体(旭化成工業株式会社製商品名シュラネ
ー11−24A)52とジブチル錫ジラウレート200
ppmを仕込んで、70℃に加温して反応させたところ
、3時間を経た時点で重合体溶液がゲル状を呈し、その
後予定していたH E M Aとの反応を行うことか出
来なかった。
(製造例18) 製造例6の(2)と対比するために、製造例6の(1)
のブロック共重合体と、イソシアネート化合物、HEA
の3つの化合物の反応により、不飽和基の導入反応を行
った。
製造例6と同し反応器に、MEKで希釈して調製した3
0%重合体溶液を120g仕込み、製造例6で使用した
ものと同じへキサメチレンジイソシアネートのビューレ
ット体52gとジブチル錫ジラウレート200 ppm
を仕込んで、70℃に加温して4時間反応させた。次に
、反応液を室温まで冷却させた後にHEA48g、ハイ
ドロキノンジメチルエーテル50ppmを加えて65°
Cに加温して4時間反応させた。反応終了後、MEKで
2倍量に希釈して大過剰のメタノール中に攪拌しながら
投入し重合体の再沈・精製を行った。
充分に乾燥した重合体の粉末にMEKを加えて30重量
%溶液を調製したか、溶解・分散かしに<<、実施例1
3の場合と比較して長時間を要した。25℃における粘
度を測定したところ、8.6ボイスであった。
(製造例19〜21) 製造例13〜15と対比するために、表−9に示した単
量体を用いてランダム共重合体を合成した。次いで、製
造例13〜15と同じように不飽相系の導入反応を行い
、不飽和基を含有する含フッ素ランダム共重合体を得た
ランダム共重合体は、製造例13と同じ反応器にトルエ
ン181部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80°
Cに加温し、表−9に示した量の単量体、CH3(CH
2)3CH(C2H5)COooC(CH3) 310
部、トルエン180部の混合溶液を2時間かけて滴下し
、さらに同温度で10時間反応することにより得た。G
C分析による各モノマーの転化率は97%以上であった
得られた重合体溶液をトルエンで希釈して25%溶液と
した。
不飽和基の導入反応は製造例13〜15の(3)と同じ
条件、同じ方法で行った。
GPC分析から低分子化合物が含有されていないこと、
IR分析から不飽和基の導入されていることがわかった
。またNMR分析を行ったところ重合体の○H基の約7
0〜85%が消失して不飽和基が導入されていることが
明らかとなった。導入率は製造例7と比較して15〜3
0%程低い値であった。
表−9中の含フッ素単量体(1)、(2)は前記表−7
中の単量体と同じものを表す。
(実施例1〜15及び比較例1〜11)製造例1〜7、
製造例6の(1)及び(2)、製造例7の(1)及び(
2)、製造例8〜21、製造例1の(2)で得た含フッ
素重合体の表面改質剤としての性能を評価した。
エポギシアクリレート(昭和高分子株式会社製商品名5
P−1506)80部、つ1ノタンアクルレート(東亜
合成化学工業株式会社製商品名M1100)60部、ベ
ンゾインイソブチルエーテル10部、MEK350部か
らなる溶液を調製し、この溶液100部に対して前記の
30%含フッ素重合体溶液を所定量加えて試験溶液を調
製した。
なお、この30%含フッ素重合体溶液は、製造例1の(
2)の重合体についてはMEKで30%としたものを、
製造例6の(1)及び製造例7の(1)は合成した重合
体溶液をそのままMEKで希釈して30%溶液としたも
のを、その他は製造例の中の粘度測定に使用したものを
用いた。
次いで、アルミニウム板(日本テストパネル社製商品名
Al100)上に乾燥膜厚が207.zmになるように
バーコーターで塗布後、80°Cで10分加熱乾燥して
試験板を作成した。この試験板に対し、2部wの高圧水
銀灯を20cmの距離から15秒間照射して紫外線(U
V)硬化塗膜を得た。
この硬化塗膜をアセトン、10%硫酸水に48時間浸漬
し、浸漬前後の表面の撥水撥油性を接触角を測定して評
価した。この結果を表−1O〜表−15に示す。
また、幅5 cmの積水化学工業株式会社製の粘着テー
プを2 kgOローラを2往復させて硬化塗膜上に圧着
し、この状態で50°Cに3日間放置後テープを引き剥
かして、テープ表面をESCA分析し、フッ素成分の転
写かないかどうかを評価した。その結果も併せて表−1
0〜表−15に示す。
表 表 表 実施・製造 例91例7 表 表−15 表−14 上記表−10〜表−15の結果から、本発明の表面改質
剤を活性エネルギー線硬化型樹脂に添加した場合、表面
にフッ素の持つ機能である撥水撥油性が付与できること
かわかった。特に、アセトン浸漬後も撥水撥油性はほと
んど低下せず、マトリックスポリマーと化学結合して、
改質効果の持続性が非常に優れていることが明らかとな
った。
また、粘着テープへのフッ素成分の転着も全くないこと
がわかった。実施例6及び7の比較、実施例8及び9の
比較から、表面改質剤にブロック共重合体製造時に副生
ずるホモポリマーか含有されても、表面改質剤としての
機能は同等に優れていることかわかった。
これに対し、比較例3,4に示したように、不飽和基を
有しないブロック共重合体では、硫酸水浸漬後の性能低
下はないものの、アセトン浸漬後に撥水撥油性か低下す
る傾向を示した。また、添加量の高い場合に、粘着テー
プへのフッ素成分のわずかな転着か認められた。さらに
、比較例5〜8では、初期改質効果又は改質効果の持続
性のいずれかが不足する傾向を示した。
また、イソシアネート化合物を使用して不飽和基を導入
したブロック共重合体の場合(比較例2)、初期改質効
果が不足する傾向を示した。ランダムポリマーの場合(
比較例9〜11)、同一の組成からなるブロック共重合
体と比較して表面活性が低く、初期改質効果の低いこと
か示された。
(実施例16〜20、比較例12〜17)製造例6、製
造例6の(2)、製造例13〜15、製造例6の(1)
及び製造例18〜21で得た含フッ素重合体の表面改質
剤とししての性能を評価した。
アクリル酸ネオペンチルグリコール30部、ペンタエリ
スリトールテトラアクリレート30部、アクリル酸−2
−エチルヘキシル20部、オリゴエステルアクリレート
(東亜合成化学工業株式会社製商品名M−6200)2
0部からなる活性エネルギー線硬化型樹脂を調製した。
この樹脂100部に、各製造例の含フッ素重合体粉末を
所定量加えて溶解、分散した。次いで、膜厚が30μn
】となるようにアルミニウム板上に塗布し、ESI社製
のエレクトロカーテンを使用して、窒素雰囲気下で加速
電圧170KVで10Mrad量の電子線を照射して硬
化膜を作製した。得られた硬化膜について、実施例1と
同様の試験を行った。その結果を表−16〜表−18に
示す。
この結果から、本発明のブロック共重合体を活性エネル
ギー線硬化型樹脂に添加した場合、表面にフッ素の持つ
機能である撥水撥油性か付与できることがわかった。特
に、アセトン浸漬後も、撥水撥油性はほとんど低下せず
、マトリックスポリマーと化学結合して、改質効果の持
続性が非常に優れていることがわかった。
これに対し、不飽和基を持たないブロック共重合体(比
較例13)では、アセトン浸漬後の撥水撥油性がやや低
下する傾向を示した。また、イソシアネート化合物との
反応によって不飽和基を導入したブロック共重合体(比
較例14)、ランダム共重合体(比較例15〜17)で
は初期の改質効果が不足する傾向を示した。
表 (実施例21〜26及び比較例18〜21)製造例1.
2.5、製造例7の(1)及び(2)製造例13.14
、製造例j9.20で得た含フッ素重合体の表面改質剤
としての性能を評価した。
前記含フッ素重合体の粉末にテトラヒドロフルフリルア
クリレートを加えて20%の溶液を調製した。また、活
性エネルギー線硬化型樹脂とし、てウレタンアクリレー
ト(根上工業株式会社製の商品名UN−5200)50
部、テトラヒドロフルフリルアクリレート26部、トリ
メチロールプロパントリアクリレート20部、光開始剤
(メルク社製の商品名ダロキュア−1173)4部から
なる溶液を作製した。
次に、活性エネルギー線硬化型樹脂100部に対し、含
フッ素重合体20%溶液を所定量添加し、バーコータで
膜厚が15μmになるようにポリカーボネート板(三菱
ガス化学株式会社製の商品名ニーピロン、板厚1 mm
)に塗布して試験板を用意した。この試験板に対し、2
部wの高圧水銀灯を20 amの距離から25秒照射し
てUV硬化塗膜を得た。
このUV硬化塗膜の表面を、アセトン/エタノール混合
溶剤(1、/ 1重量比)を浸したキムワイプで20往
復擦るラビング試験を行った。この試験前後について下
記の評価を行った。その結果を表−1,9,20に示す
撥油性ニドデカンの接触角を測定した。
耐汚染性:黒マジックインキを塗り、1週間放置後エタ
ノールで拭き取って外観を評価した。
◎:全く跡が残らない。
○:若干の跡か残るが、外観は損なわれない。
△:外観が損なわれる程に跡か残る。
×;完全に跡が残る。
非粘着性:幅5cmの積水化学工業株式会社製の粘着テ
ープを2kgのローラを2往復させて硬化膜上に圧着し
、この状態で30℃に3時間放置後、粘着テープの引っ
張り試験を行い、180度剥離強度(g/Cm)を測定
した。
表−20 表−19 表−19,20の結果から、本発明のブロック共重合体
を活性エネルギー線硬化型樹脂に添加しまた場合、その
表面にフッ素の持つ機能である撥油性、防汚性、非粘着
性かイボ与できることが明らかとなった。ラビング試験
後も、これらの性能はほとんど低下せず、マトリックス
ポリマーと化学結合して改質効果の持続性が非常に優れ
ていることがわかった。
これに対し、不飽和基を有しないブロック共重合体にお
いては、ラビング試験後の撥油性、防汚性、非粘着性が
低下する傾向を示した(比較例19)。また、ランダム
共重合体(比較例15〜17)では、初期の改質効果が
不足する傾向を示した。
〔発明の効果〕
本発明の第1の発明によれば、活性エネルギー線硬化型
高分子材料用表面改質剤が含フッ素重合体部分と活性エ
ネルギー線に感応性を有する不飽和基が導入された重合
体部分とが結合したブロック共重合体からなっているの
で、この表面改質剤を高分子材料に添加すると、表面改
質剤中の含フッ素重合体部分が高分子材料の表面に配向
して含フッ素重合体部分によって撥水撥油性、ブロッキ
ング防止性、離型性、防汚性、耐水性、耐酸性、耐溶剤
性、防湿性等の特性が発揮されるとともに、表面改質剤
中の不飽和基が導入された重合体部分、によって活性エ
ネルギー線の高分子材料に対する混和性が発現され、活
性エネルギー線照射時に高分子材料と化学結合して改質
効果が長期にわたって持続されるという優れた効果を奏
する。
また、第2の発明によれば、ブロック共重合体中の構造
単位(A)が一般式(II)から誘導される重合体部分
を所定量有するものであっても、上記第1の発明の効果
が有効に発揮されるという効果を奏する。
さらに、第3の発明によれば、第1段重合において一般
式(II)で表される単量体と一般式(IV)で表され
る単量体を所定の条件下で重合した後、第2段重合にお
いて一般式(I)で表される単量体を所定の条件下で重
合することにより得られる含フッ素重合体と、一般式(
V)で示される化合物とを反応させることにより、脱塩
酸反応に基づいて不飽和基の熱重合か抑制された状態で
目的とするブロック共重合体からなる表面改質剤か容易
に得られるという優れた効果を奏する。
また、第4の発明によれば、第3の発明において第2段
重合で一般式(I)で表される単量体に加え、一般式(
II)で表される単量体を用いることによっても、第3
の発明と同様の効果を奏する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、下記一般式( I )から誘導される構造単位(A)
    と、下記一般式(II)から誘導される重合体部分及び下
    記一般構造式(III)を単位とする重合体部分からなる
    構造単位(B)からなり、構造単位(B)に占める一般
    構造式(III)を単位とする重合体部分の割合が1〜7
    0重量%であり、構造単位(A)/構造単位(B)の割
    合が重量比で80/20〜10/90であるブロック共
    重合体からなる活性エネルギー線硬化型高分子材料用表
    面改質剤。 CH_2=CR_1COOR_2Rf・・・・・・(
    I )式中、R_1は水素原子又はメチル基、R_2は−
    C_pH_2_p−、−C(C_pH_2_p_+_1
    )H−、−CH_2C(C_pH_2_p_+_1)H
    −又は−CH_2CH_2O−、RfはC_nF_2_
    n_+_1、(CF_2)_nH、(CF_2)_pO
    C_mH_2_mC_1F_2_l_+_1、(CF_
    2)_pOC_mH_2_mC_1F_2_lH、 ▲数式、化学式、表等があります▼ である。但し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜
    10、lは0〜16の整数である。 CH_2=CR_3R_4・・・・・・(II)式中、R
    _3は水素原子又はメチル基又はCH_2COOH、R
    _4はCOOR_5(式中、R_3は水素原子、▲数式
    、化学式、表等があります▼、▲数式、化学式、表等が
    あります▼、▲数式、化学式、表等があります▼、 −CH_2CH_2N(C_sH_2_s_+_1,)
    _2、▲数式、化学式、表等があります▼ 直鎖状又は分岐状のC_nH_2_n_+_1,直鎖状
    又は分岐状のC_pH_2_p_+_1OH,−CH_
    2CH(OH)CH_3,(C_2H_4O)_rC_
    sH_2_s_+_1,〔CH_2CH(CH_3)O
    〕_rC_sH_2_s_+_1である。 但し、Pは1〜10、nは1〜16、rは2〜20、s
    は0〜8の整数である。)、−CONR_6R_7(式
    中、R_6は水素原子又はC_pH_2_p_+_1,
    R_7は水素原子、直線状又は分岐状のC_pH_2_
    p_+_1、又はCH_2OHである。但し、pは1〜
    10の整数である。)、▲数式、化学式、表等がありま
    す▼、−CONHC(C H_3)_2CH_2COCH_3、−CONHC(C
    H_3)_2CH_2SO_3H、▲数式、化学式、表
    等があります▼、−CN又は−OCOC_nH_2_n
    _+_1(式中、nは1〜16の整数であり、直鎖状、
    分岐状のいずれでもよい。)▲数式、化学式、表等があ
    ります▼(III) 式中、R_8は水素原子又はメチル基、R_9は−C_
    2H_4O−又は−CH_2CH(CH_3)O−、R
    _1_0はCH_2=CH−、CH_2=C(CH_3
    )−、CH_2=CH−COO−C_2H_4O−又は
    CH_2=C(CH_3)COO−C_2H_4O−で
    ある。 但し、t=1〜20の整数である。 2、前記構造単位(A)が一般式( I )から誘導され
    る重合体部分40重量%以上及び一般式(II)から誘導
    される重合体部分60重量%以下からなることを特徴と
    する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型高分子材
    料用表面改質剤。 3、第1段重合において、ポリメリックペルオキシドを
    重合開始剤とし、前記一般式(II)で表された単量体の
    1種又は2種以上と、下記一般式(IV)で表された単量
    体を、それらの使用比率が一般式(II)で表された単量
    体/一般式(IV)で表された単量体=99/1〜40/
    60の条件下で重合した後、第2段重合において、前記
    一般式( I )で表された単量体の1種又は2種以上を
    、第1段重合と第2段重合で使用する単量体の比率が重
    量比で90/10〜20/80となる条件下で重合する
    ことにより得られる含フッ素重合体と下記一般式(V)
    で示される化合物とを、前記含フッ素重合体中のヒドロ
    キシル基と一般式(V)で示される化合物を脱塩酸反応
    させることによりブロック共重合体を製造することを特
    徴とする活性エネルギー線硬化型高分子材料用表面改質
    剤の製造方法。 CH=CR_8−COO(R_9)_tH・・・・・・
    (IV)式中、R_8は水素原子又はメチル基、R_9は
    −C_2H_4O−又は−CH_2CH(CH_3)O
    −である。但し、tは1〜_20の整数である。 R_1_0−COCl・・・・・・(V) 式中R_1_0は、CH_2=CH−、CH_2=C(
    CH_3)−、CH_2=CH−COO−C_2H_4
    O−又はCH_2=C(CH_3)COO−C_2H_
    4O−である。 4、前記第2段重合において、一般式( I )で表され
    る単量体の1種又は2種以上を40重量%以上及び一般
    式(II)で表される単量体の1種又は2種以上を60重
    量%以下とを共重合することを特徴とする請求項3に記
    載の活性エネルギー線硬化型高分子材料用表面改質剤の
    製造方法。
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