JPH0438500Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気絶縁材料からなり、表面実装型
トランス・コイルに使用するコイルボビンの構造
に関するものである。

従来、トランス・コイルに用いられているコイ
ルボビンは、第３図に示す様に、電気絶縁材料か
らなるコイルボビンの巻芯１に導線を巻回し、
後、案内溝４を通しボビンの下方に形成した引出
し台部５に植設したピン端子６にリード線を終端
しコイルを組立て、これにEE型、EI型コアを装
着し、台部に植設したピン端子を基板に挿し込み
固定し使用されて来た。

従来構造のコイルボビンは、Ｌ形のピン端子を
植設し使用する場合は高価なボビンとなり、又、
量産性を損なうと云う問題があり、又、基板面に
垂直に差し込む構造であり、面実装を必要とする
コイルボビンに対しては適用出来なかつた。

本考案は、トランス・コイル用コイルボビンに
於て、ピン端子を植設することなく、ボビンを基
板へ取り付ける下方の引出し台部外側面に、先端
にリード線を固定する溝を備えた電気絶縁材料、
或は導電性金属を使用した円柱状突起を形成し、
この突起にリード線をからげ終端させる構造とす
ることにより、安価でしかも量産性のあるトラン
ス・コイル用の、しかも面実装を可能とする新規
なコイルボビンを提供するものである。

以下、本考案によるコイルボビンの実施例を説
明する。

第１図は、本考案のコイルボビンの斜視図、第
２図は、本考案に於けるコイルボビンでＬ字形ピ
ン端子の代わりの樹脂製或は導電性金属の円柱状
のからげ部８にコイルのリード線をからげ取り付
けた構造を示している。

本考案のコイルボビンは、筒状の巻芯１の両端
にボビン枠２，３を有し、ボビン枠２，３の基板
実装面となる下方に引出し台部５を形成して、引
出し台部の横方向に複数の耐熱性樹脂、或は導電
性金属材料で作つた円柱状の突起を形成して、そ
の先端部に、リード線を固定するためにリード線
固定溝９を形成している。

このコイルボビンを用いたトランスは、巻芯１
に巻線を巻き回し、案内溝４を通して、からげ部
８のまわりにリード線を複数回巻回し、リード線
先端をリード線固定溝９にはさみ込み固定し、リ
ード線の余分な部分は切断しからげ部を半田付け
し巻芯１の中央孔にEE型、EI型のコアを挿入突
合せてコイルを構成している。

この様な構造のコイルボビンであるから、Ｌ字
形ピン端子は不用となる。

本考案のコイルボビンの引出し台部に、基板面
に平行に取り付けたからげ部は、からげ部にリー
ド線を巻回した時の巻き外径の面が、丁度基板面
と同一面か、又は幾らか基板との間に空隙がある
様に構成することにより、本考案のコイルボビン
を用いて作つたトランス・コイルは、基板上に置
いた時、巻線端子のからげ部は、丁度基板面に接
する様に置かれ、リード線が巻回されたからげ部
は、トランス・コイルの端子の役割を持ち、面実
装可能なトランス・コイルを構成するものであ
る。

以上に説明したように、本考案によるコイルボ
ビンによれば、Ｌ字形ピン端子が不用となり、ボ
ビンを安価で製作できるとともに、従来発生して
いたピン端子の曲がりによる不良もなくなり、か
つ実装基板への表面実装が可能な新規なコイルボ
ビンの提供が可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるコイルボビンを示す外
観図。第２図は、本考案のからげ部の実施例を示
す部分図。第３図は、従来のＬ字形ピン端子付コ
イルボビンを示す外観図である。 １……巻芯、２，３……ボビン枠、４……案内
溝、５……引出し台部、６，７……ピン端子、８
……からげ部、９……リード線固定溝、１０……
リード線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランス・コイルのコイルボビンに於て、ボビ
   ン枠の両端に設けた引き出し台部に、基板面にコ
   イルのリード線を引き出す案内溝と、案内溝の間
   の引き出し台部の端面に、基板面に平行で、先端
   にリード線の端末を固定するリード固定溝を取り
   つけた形状が円柱状の、外周にリード線を巻回し
   た時リード線の外周が基板面に接するか、わずか
   な空隙を生ずるよう複数個の電気絶縁材料、又は
   導電金属からなるピン端子を設けてなるコイルボ
   ビン。