JPH0437815Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、足踏式ペダルを踏込み操作してパー
キングブレーキ機構を作動させる足踏式のパーキ
ングブレーキ装置に関する。

（従来技術） 従来、この種のパーキングブレーキ装置として
実開昭58−82975号公報に示されたものが知られ
ている。

これは、車体に固定されたブラケツトに足踏式
ペダルの基端部を回動自在に枢支させ、ペダルの
一端部にブレーキケーブルのインナワイヤの一端
部を連結し、ペダルを踏込んでインナワイヤを引
張り、ペダルに設けられたセクタギヤに爪を噛み
込ませてペダルをロツクすることにより、パーキ
ングブレーキを作動させるようにしてある。

この種パーキングブレーキ装置では、ペダルと
パーキングブレーキ機構とがブレーキケーブルで
連動連結されているが、ペダルの踏み込み量に対
応して所定のブレーキ操作力が作用するようにブ
レーキケーブルの長さを調整できる構成にする必
要がある。

従来のブレーキケーブルの長さを調整する構造
においては、一般にパーキングブレーキケーブル
の一端にネジ部材を設ける一方、ペダルに上記ネ
ジ部材が挿通可能な孔を有する台座部を設け、こ
の台座部の孔に挿通されたネジ部材にナツトを螺
合し、ナツトを調整することにより、ブレーキケ
ーブルの長さの調節を行なうようにしている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来のケーブルの長さ調整機構では、台座
部がブラケツトに枢支されるペダルの枢支部付近
に取付けられているため、台座部の孔に挿通させ
たネジ部材をナツト調整するケーブルの長さ調整
は、ブラケツトとの位置関係から簡単に行うこと
ができずその作業性が悪いという問題があつた。

（問題を解決するための手段） 本考案のパーキングブレーキ装置は、足踏式ペ
ダルを踏込み操作することにより、ブレーキケー
ブルをストロークさせて、パーキングブレーキ機
構を作動させるようにしたパーキングブレーキ装
置において、上記ペダルの基端部を支軸を介して
車体側のブラケツトに枢着し、上記支軸にカウン
タレバーが回動自在に枢着し、上記カウンタレバ
ーの一端部にブレーキケーブルの端部を取付ける
とともに、その他端部にペダルに沿つて配設した
張力調整ロツドの一端部を回動自在に連結し、上
記張力調整ロツドの他端部には張力調整用螺軸部
を形成し、上記螺軸部をペダルに設けた係止ブラ
ケツトにナツトを介して軸方向へ位置調節自在に
係止するように構成したものである。

（作用） 本考案に係るパーキングブレーキ装置は、以上
のように構成されるから、調整ロツドの先端の張
力調整用螺軸部に螺合したナツトを操作して調整
ロツドをその軸方向に進退位置調節し、カウンタ
レバーを揺動調節すれば、ブレーキケーブルの長
さが適宜調節される。

こうしてブレーキケーブルの長さ調整が正しく
行われたパーキングブレーキ装置は、ペダルの踏
込み量に応じたブレーキ操作力がパーキングブレ
ーキ機構に作用する。

（考案の効果） 本考案のパーキングブレーキ装置によれば、以
上に説明したように、ブレーキケーブルの先端部
を連結したカウンタレバーを回動操作してブレー
キケーブルの長さを調整する張力調整ロツドがペ
ダルに沿つてブラケツトの外側まで延びており、
その先端部の張力調整用螺軸部に螺合されたナツ
トを操作するだけでブレーキケーブルの長さ調整
が行えることから、ブレーキケーブルの長さ調整
操作をブラケツトに干渉されることなく簡単に行
うことができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図は、パーキングブレーキ装置のペダル部
分を示すもので、車体（図示略）にＬ字形の固定
部材２を介してブラケツト１が取付けられ、この
ブラケツト１にはペダル３の基端部３ａが支軸４
を介して回動可能に取付けられ、ペダル３は支軸
４の回りに揺動自在になつている。

上記ペダル３のペダル本体６は、第２図に示す
ように金属板をプレス成形して左右対称に形成さ
れた１対の側壁部材５の周縁部同士を突き合せた
状態で溶接することにより形成されており、ペダ
ル本体６の上部の後側部にラチエツト歯７が、下
端部に足踏み部８がそれぞれ設けられている。

上記ペダル本体６の基端の前壁には、支軸４の
前方に位置する開口部が設けられ、ペダル本体６
の基端内部に配設されたカウンタレバー９がペダ
ル３の支軸４に回動自在に枢支され、カウンタレ
バー９の前端部が開口部から前方へ突出してい
る。

このカウンタレバー９は、レバー本体９ａとそ
の前端部にレバー本体９ａを挟持させて固着され
た１対の係止部材１０とからなり、係止部材１０
の上部には前方に開放しているピン孔状の係合孔
１８を有する係止部１１が設けられており、ブレ
ーキ機構（図示略）から導出されたブレーキケー
ブル１２の先端部がこの係止部１１に連結されて
いる。

即ち、ブレーキケーブル１２はアウターケース
１３とインナワイヤ１４とからなり、アウターケ
ース１３の先端部１３ａが上記係止部１１の真下
に位置する固定部材２に設けられた固定具１５に
固着され、インナワイヤ１４の先端部１４ａに固
定された短円柱状の係止片１６が固定部材２のワ
イヤ挿通孔１７を貫通し、カウンタレバー９の係
止部１１の係合孔１８に嵌着されて回動自在かつ
抜止め状に連結されている。

係止部１１の係合孔１８の前部は係止片１６を
嵌着するときにインナワイヤ１４の先端部１４を
通過させるスリツト１９で開放されている。

そして、上記の固定部材２に形成されるワイヤ
挿通孔１７は、第３図に示すように固定具１５か
ら係止部１１のスリツト１９に対面する部分に亘
る長孔で形成してある。

こうして、カウンタレバー９の係止部１１に先
端部１４ａが連結されたインナワイヤ１４は、カ
ウンタレバー９の後端部とペダル本体６の中央部
とに亘つて設けられた張力調整装置２０で長さ調
整されるようになつている。

張力調整装置２０は、カウンタレバー９の後端
部に上端部が回動可能に連結され、下端部に張力
調整用螺軸部２１を有する調整ロツド２２と、ペ
ダル本体６の一方の側壁部材５に固定された係止
ブラケツト２３と、係止ブラケツト２３の案内部
２４に案内され係止ブラケツト２３を挿通して下
方に突出した張力調整用螺軸部２１に螺合された
ナツト２５とで構成されている。

符号２６はパーキングブレーキの解除装置であ
つて、ブラケツト１に揺動可能に枢支されラチエ
ツト歯７に噛み合うラチエツト爪２７ａを有する
ラチエツトレバー２７と、このラチエツトレバー
２７をそのラチエツト爪２７ａがペダル３に設け
られたラチエツト歯７に噛み合う方向に弾性付勢
するスプリング２９と、このスプリング２９の張
力に抗してラチエツトレバー２７を係合解除方向
へ揺動させる解除レバー２８、及び解除レバー２
８を操作する操作杆３０とで構成されている。

符号３１はペダル３の中央部に開けられたナツ
ト調整操作用窓である。

以上の構成において、ブレーキケーブル１２の
先端部にカウンタレバー９の係止部１１に連結す
る場合には、第３図仮想線Ａで示すように、イン
ナワイヤ１４の先端部１４ａに取付けられた係止
片１６を固定部材２の下面部分のワイヤ挿通孔７
に下方より挿通させ、次に仮想線Ｂで示すように
インナワイヤ１４の先端部１４ａが、係止部１１
のスリツト１９に沿うようにインナワイヤ１４を
揺動させてから、インナワイヤ１４の先端の係止
片１６を係合孔１８に嵌合させ、インナワイヤ１
４の先端部１４ａがスリツト１９を通過した後、
実線Ｃで示すように垂直状態にしてアウターケー
ス１３を固定具１５に固定すると、ブレーキケー
ブル１２の係止部１１への連結が終る。

上記のようにカウンタレバー９の係止部１１に
取付けられたブレーキケーブル１２の長さを調整
する場合、例えばインナワイヤ１４が緩んでいる
時はナツト調整操作用窓３１から工具をさし込み
ナツト２５を張力調整用螺軸部２１に締めつけて
ゆくとナツト２５が係止ブラケツト２３に受止め
られているため、調整ロツド２２が下方に引か
れ、カウンタレバー９が時計方向に回動し、係止
部１１に連結されたインナワイヤ１４の先端部１
４ａが引き上げられて調整される。

反対に、インナワイヤ１４が張りすぎている時
は、張力調整用螺軸部２１に螺合したナツト２５
を緩めると調整ロツド２２が上昇し、カウンタレ
バー９が反時計方向に回動してインナワイヤ１４
の張力が緩み側に調整される。

上記パーキングブレーキ装置を作動させる際に
は、ペダル３を踏み込んで回動させると、係止ブ
ラケツト２３、ナツト２５及び調整ロツド２２を
介してカウンタレバー９がペダル３と同行回動
し、インナワイヤ１４を引張り、パーキングブレ
ーキ機構が作動する。これと同時にペダル３に設
けられたラチエツト歯７にスプリング２９で付勢
されたラチエツトレバー２７のラチエツト爪２７
ａが噛み込み、ペダル３の踏込み位置に固定され
る。

パーキングブレーキ機構の作動を解除する際に
は、解除装置２６の操作杆３０を手前に引張る
と、ラチエツトレバー２７が解除レバー２８でス
プリング２９に抗して噛み合い解除方向に操作さ
れる。

ラチエツト歯７とラチエツト爪２７ａとの噛み
合いが解かれると、パーキングブレーキ機構のバ
ネ力でインナワイヤ１４が引き戻されるので、カ
ウンタレバー９とともにペダル３がブレーキ解除
位置に復帰する。

尚、上記実施例のように、ブレーキケーブル１
２のインナワイヤ１４を挿通するワイヤ挿通孔１
７を、アウターケース１３を固定する固定具１５
部分から係止部１１のスリツト１９に対面する部
分にかけて一連に形成すると、上述したように、
インナワイヤ１４の先端部を曲げることなくカウ
ンタレバー９の係止部１１に簡単に連結させるこ
とができ、連結時の曲がりぐせによるインナワイ
ヤ１４の損傷がなく耐久性が向上する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
パーキングブレーキ装置のペダル部分の部分縦断
側面図、第２図はペダルの分解斜視図、第３図は
ブレーキケーブルの先端部をカウンタレバーの係
止部に連結するための構造の要部斜視図である。 １……ブラケツト、３……ペダル、４……支
軸、９……カウンタレバー、１２……ブレーキケ
ーブル、２１……張力調整用螺軸部、２２……調
整ロツド、２３……係止ブラケツト、２５……ナ
ツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 足踏式ペダルを踏込み操作することにより、ブ
   レーキケーブルをストロークさせて、パーキング
   ブレーキ機構を作動させるようにしたパーキング
   ブレーキ装置において、 上記ペダルの基端部が支軸を介して車体側のブ
   ラケツトに枢着され、上記支軸にカウンタレバー
   が回動自在に枢着され、上記カウンタレバーの一
   端部にブレーキケーブルの端部が取付けられると
   ともに、その他端部にペダルに沿つて配設された
   張力調整ロツドの一端部が回動自在に連結され、
   上記張力調整ロツドの他端部には張力調整用螺軸
   部が形成され、上記螺軸部がペダルに設けられた
   係止ブラケツトにナツトを介して軸方向へ位置調
   節自在に係止されていることを特徴とするパーキ
   ングブレーキ装置。