JPH0436156Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はレンズ鏡筒に関し、特に帯形状のフレ
キシブルプリント基板を外径の異なる２つの円筒
状又は多角形状の鏡筒部材の径の差によつて形成
される空間内に配設する場合に好適なレンズ鏡筒
に関するものである。

（従来の技術） 従来よりフレキシブルプリント基板は薄くかつ
可撓性に優れており、自由自在に湾曲させること
ができ、機器内の狭い空間内に効率良く収納する
ことが出来る為多くの電気機器に用いられてい
る。

一般にフレキシブルプリント基板面上にはIC、
抵抗、コンデンサー等の剛体性の電気部品が載置
されており又電気部品間を導通させる為の接続パ
ターンが形成されている。

フレキシブルプリント基板を２つの円筒状又は
多角形状の鏡筒部材の間に収納するときは、まず
帯形状のフレキシブルプリント基板を湾曲させた
状態でレンズ鏡筒内に挿入し、その後フレキシブ
ルプリント基板に設けた穴を利用して鏡筒部材に
直接ビス止めをして固定したり又は保持部材を介
して鏡筒部材に固定する方法が考えられる。

しかしながらこの方法はレンズ鏡筒内に収納し
固定する為の空間を多く必要とし、更にビス止め
部材や保持部材等を必要とする為、構造が複雑化
し、手間がかかる等の欠点があつた。

又、フレキシブルプリント基板をレンズ鏡筒内
に収納する場合、外部からの衝撃や振動等によつ
て、その姿勢が変動しないように強固に固定して
おく必要があり、そうしないとフレキシブルプリ
ント基板面上に設けた電気部品がレンズ鏡筒内の
壁面に衝突したりして電気部品が破損したり、シ
ヨートしたりする場合がある。

（問題点を解決するための手段） 外径の異なる２つの円筒状もしくは多角形状の
鏡筒部材の径の差によつて形成される空間内に、
帯形状のフレキシブルプリント基板を周方向に配
設したレンズ鏡筒において、前記フレキシブルプ
リント基板の長手方向に対して略直交する折り曲
げ部を複数形成することによつて、実装される電
気部品より幅が広くなる少なくとも２つの平面部
を形成し、該平面部に複数の該電気部品を実装
し、更に該フレキシブルプリント基板に長手方向
に対して略直交する突出部を形成し、該突出部を
略Ｕ字状に湾曲させて前記鏡筒部材の内壁面もし
くは外壁面と弾性的に当接させることにより、該
フレキシブルプリント基板を２つの鏡筒部材間に
保持したレンズ鏡筒を特徴とするものであり、実
装される複数の電気部品の接続信頼性を高めると
共に、簡易にレンズ鏡筒内に保持することができ
るレンズ鏡筒を提供する。

（実施例） 第１図Ａは本考案のフレキシブルプリント基板
をレンズ鏡筒内に収納したときの一実施例の概略
図、第１図Ｂは同図ＡのＢ−Ｂ断面図である。

図中１は鏡筒部材としての第１の円筒状の部材
であり、例えばカメラ用のレンズ鏡筒の外装、２
は鏡筒部材としての第２の円筒状部材であり、例
えばレンズ等を保持している。３０はフレキシブ
ルプリント基板、３は帯形状のフレキシブルプリ
ント基板主部であり、ポリエステルやポリイミド
等の合成樹脂のフイルム（25〜50μ）と銅箔
（17.5μ，35μ）を素材としている。

本実施例におけるフレキシブルプリント基板主
部３は例えば第２図に示すような帯形状をしてお
り、同一又は異つた面積の少なくとも２つの平面
部３１が形成されるように点線部３４で折り曲げ
られて多角形状又はその一部となるように構成さ
れている。

８はフレキシブルプリント基板主部３の平面部
３１の片方に形成した出島状の突出片であり、フ
レキシブルプリント基板主部３と同素材より成つ
ている。

突出片８は点線部８１付近の領域が約180度、
Ｕ字形となるように湾曲されるようになつてい
る。

本実施例では各折曲部、湾曲領域を曲げやすく
する為に折曲部、湾曲部近傍領域に図示していな
いが切り欠き部や穴を形成したり又はカバーレイ
を除去している。４は電気部品であり例えばIC
４１、抵抗４２、コンデンサー４３，４４等から
成り、これらの各電気部品４はフレキシブルプリ
ント基板主部３の平面部３１面上であつて、かつ
外径の異なる２つの円筒状部材の径の差によつて
形成される空間５内に位置するように配置してい
る。尚、各平面部３１は実装される電気部品より
幅を広く形成している。

本実施例では帯形状のフレキシブルプリント基
板主部３の各平面部３１の一方に設けた突出片８
を点線部８１に沿つてＵ字形となるように湾曲さ
せ、次にフレキシブルプリント基板主部３を点線
部３４に沿つて多角形状に折り曲げた状態でレン
ズ鏡筒内に挿入している。

そしてこのとき各突出片８が円筒状部材１の内
壁に当接し、突出片８の第１図Ａの矢印９，１０
に示すような内側と外側に向かつて生ずる弾性復
帰力を利用して円筒状部材１と円筒状部材２とか
ら成るドーナツ状の空間内にフレキシブルプリン
ト基板３０を保持している。

特に本実施例では突出片８を大きな曲率を有す
るようにＵ字形に湾曲することにより大きな弾性
復帰力を生じさせ、これによりフレキシブルプリ
ント基板３０を２つの円筒状部材１，２の間の壁
面に沿つて強固に保持している。

尚、突出片８の湾曲方向は外側でも内側であつ
ても良い。又突出片８をフレキシブルプリント基
板主部３の平面部３１の片側に限らず両側に設け
ても良い。

本実施例において突出片８はフレキシブルプリ
ント基板本体３の各平面部３１毎に必ずしも設け
る必要はなく、少なくとも２つ以上設けておけば
良い。

本実施例において突出片８をＵ字形に湾曲させ
たときレンズ鏡筒内に挿入するまでは元に復帰せ
ず多角形状が維持できるように各突出片８の一部
に仮止め用の溝部８２を設けておくのが望まし
い。突出片８には回路パターンがあつてもなくて
も良いが、ない場合にはダミー用のパターンを形
成して基板の強固を図るようにしても良い。

本実施例では電気部品４の大きさよりも幅の広
い平面部３１を形成するように帯形状のフレキシ
ブルプリント基板主部３を折り曲げている。そし
て、この平面部３１と円筒状部材１の内壁面とで
形成される空間５内に所定の大きさの電気部品４
が配置されるように構成している。これにより電
気部品４を取付ける半田がフレキシブルプリント
基板３０の湾曲により浮いてしまうことなく、高
い信頼性をもつてレンズ鏡筒内に吸収することを
可能としている。

（考案の効果） 本考案によれば、外径の異なる２つの円筒状も
しくは多角形状の鏡筒部材の径の差によつて形成
される空間内に帯形状のフレキシブルプリント基
板を周方向に配設したレンズ鏡筒において、該プ
リント基板を複数折り曲げることにより、実装さ
れる電気部品より幅が広くなる少なくとも２つの
平面部を形成し、この平面部に該電気部品を実装
したので、接続の為の半田等が応力により外れて
しまうことを防止でき、又該プリント基板に長手
方向に対して略直交する突出部を形成し、この突
出部を略Ｕ字状に湾曲させて該鏡筒部材の内壁面
もしくは外壁面と弾性的に当接させて保持したこ
とにより、簡易な該プリント基板の保持を果した
レンズ鏡筒を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案のフレキシブルプリント基板
をレンズ鏡筒内に収納したときの一実施例の概略
図、第１図Ｂは第１図ＡのＢ−Ｂ断面図、第２図
は本考案のフレキシブルプリント基板の一実施例
の説明図である。 図中，１は第１の円筒状部材、２は第２の円筒
状部材、３０はフレキシブルプリント基板、３は
フレキシブルプリント基板主部、３１は平面図、
４は電気部品、５は円筒状部材１と円筒状部材２
の径の差から形成される空間部、８は突出片、３
４は折り曲げ部、８１は湾曲部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外径の異なる２つの円筒状もしくは多角形状
   の鏡筒部材の径の差によつて形成される空間内
   に、帯形状のフレキシブルプリント基板を周方
   向に配設したレンズ鏡筒において、 前記フレキシブルプリント基板の長手方向に
   対して略直交する折り曲げ部を複数形成するこ
   とによつて、実装される電気部品より幅が広く
   なる少なくとも２つの平面部を形成し、該平面
   部に複数の該電気部品を実装し、更に該フレキ
   シブルプリント基板に長手方向に対して略直交
   する突出部を形成し、該突出部を略Ｕ字状に湾
   曲させて前記鏡筒部材の内壁面もしくは外壁面
   と弾性的に当接させることにより、該フレキシ
   ブルプリント基板を２つの鏡筒部材間に保持し
   たことを特徴とするレンズ鏡筒。 (2) 上記突出部を上記フレキシブルプリント基板
   の上記平面部に形成したことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のレンズ鏡筒。