JPH043585B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気テープ記録再生装置に関する。

従来の技術 装着されたテープカセツトより磁気テープを引
き出してドラムに巻装させて記録再生を行なう磁
気テープ記録再生装置は、テープ装填機構、ピン
チローラ圧着機構、リール軸駆動機構、リール軸
制動機構等の各種の機構を有する。近年、装置は
小型計量化が図られてきており、このため各機構
の動作させるためのプランジヤソレノイドに代わ
つてカム盤が用いられてきている。

発明が解決しようとする問題点 従来のカム盤を使用した装置は、複数のカム盤
を使用し、これらを分散して配設してなる構成で
あり、カム盤設置用スペースが広くなり、装置の
小型化を効果的に図ることが難しく、また各機構
の制御が分散して行なわれるため、各動作のタイ
ミング等の点で信頼性が劣るという問題点があつ
た。

本出願人は上記問題点を解決すべく、先に特願
昭58−230362号、発明の名称「磁気テープ記録再
生装置」を提案した。この装置は、上記分散して
配されていた複数のカム盤を一つにまとめて単一
のカム盤とし、この単一のカム盤により各機構を
動作させる構成である。この装置によれば、カム
盤設置用スペースが狭くなり、カム盤に関しては
上記問題点は一応は解決出来た。しかし、カム盤
にカム溝が複数形成してあり、各カム溝毎に一の
制御杆が設けてあり、各制御杆が別々の機構を動
作させる構成であるため、制御杆の配置に関して
はスペース効率が十分でなく、且つ各機構の動作
のタイミングの点で信頼性が十分でないという問
題点があつた。

本発明は上記問題点を解決した磁気テープ記録
再生装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本発明は、略渦巻状のカム溝が形成された単一
の回動盤と、モード設定操作により、回動盤を設
定したモードに対応する位置に正逆に回動させる
回動手段と、回動盤の回動に応じて上記カム溝に
案内されて直線的に移動する第１の制御板と、こ
の第１の制御板上に積重して瞬時に移動可能に設
けた第２の制御板とよりなり、 且つ、第１、第２の制御板に複数のカムを形成
し、第１の制御板に形成した複数のカムにより、
磁気テープの走行に関連する機構として例えばピ
ンチローラを支持するピンチローラアーム、ガイ
ドポールを支持するアーム、テンシヨンアーム、
供給側及び巻取側のリール軸補助制動部材などの
各種構成部材を動作させ、第２の制御板に形成し
た複数のカムにより供給側及び巻取側のリール軸
主制動部材を瞬時に動作させることを構成とした
ものである。

作 用 第２の制御板を第１の制御板上に設けた構成
は、設置スペースを小とするように作用する。

第２の制御板を瞬時に移動させる構成及びこの
第２の制御板の瞬時の移動によつてリール軸主制
動機構を動作させる構成は、リール軸主制動機構
を瞬時に動作させることを可能とするように作用
する。

第１の制御板と第２の制御板とを並設した構成
は、第２の制御板が瞬時に移動することとも相俟
つて、磁気テープの走行に関連する機構を精度良
いタイミングで動作させるように作用する。

実施例 第１図は本発明になる磁気テープ記録再生装置
１（以下VTRという）の要部の停止モード時の
状態を示し、第２図、第３図は夫々VTR１の停
止モード時及び再生モード時の状態を示す。第１
５図Ａ乃至ＩはVTR１の各機構の各モード時に
おける動作状態を示す。

VTR１は、シヤーシ２の下面側の単一のカム
ギヤ３が、モータ４によりウオームギヤ機構５を
介して正逆回動することにより、単一の制御板組
立体６が往復方向（矢印X₁，X₂方向）に直線的
に移動し、各機構が動作して、第２図に示す停止
モード、第３図に示す再生（記録）モード等に設
定されるように構成してある。VTR１には、図
示はしないが、カムギヤ３の回動位置を検出し
て、カムギヤ３をモード設定操作に対応した回動
位置に停止させる手段が設けてある。尚、矢印
X₁は往路方向の移動を示し、矢印X₂は復路方向
の移動を示す。

まず、カムギヤ３及び制御板組立体６について
説明する。

カムギヤ３には、上面側に、制御板組立体６を
移動させる単一の渦巻状のカム溝３ａが形成して
あり、下面側に、第８図に示すように、ローデイ
ングアームギヤ７を回動させる単一の渦巻状のカ
ム溝３ｂが形成してある。

制御板組立体６は、第４図に示す第１の制御板
８と、第５図に示す第２の制御板９とが、第１図
及び第６図に示すように積重して組み合わされた
構成である。第２の制御板９は、その一対の長孔
９ａ，９ｂが夫々第１の制御板８の切り起こし部
８ａ，８ｂに嵌合しており、第１の制御板８に対
して独立に摺動可能であり、ばね１０により矢印
X₂方向に付勢されている。第２の制御板９には、
第７図Ａに併せて示すように、係止部材１１が軸
１２に支持されて設けてある。この係止部材１１
は、ばね１３により矢印H₁方向に回動付勢され、
係止片９ｃにより係止された略水平の回動位置に
あり、先端が第１の制御板８の折曲部８ｃに当接
している。これにより、第２の制御板９は、ばね
１０に抗して、第１の制御板８に対して矢印X₁
方向に摺動した位置にあり、長孔９ｄと長孔８ｄ
とは一致している。上記の制御板組立体６は、第
１図に示すように、長孔９ｄ（８ｄ）をピン１４、
長孔８ｅをピン１５、側縁８ｆをピン１６により
夫々案内されて矢印X₁，X₂に摺動可能に、シヤ
ーシ２の下面側に設けてある（第６図参照）。

第１の制御板８に植設してあるピン１７がカム
溝３ａに嵌合しており、第１の制御板８はカムギ
ヤ３の回動に応じて矢印X₁，X₂方向に移動する。
第２の制御板９は、早送り／巻戻しモード時に停
止操作をした場合を除き、第１の制御板８と一体
的に移動する。

ピンチローラ機構及びリール軸制動機構等の
VTR１の各機構は、制御板組立体６の周囲に配
設してあり、制御板組立体６には、それらの機構
を動作させる複数のカムが形成してある。第１の
制御板８には、ピンチローラアーム２１を回動さ
せる第１のカム２２と、供給リール軸２３に作用
する補助制動部材２４を回動させる第２のカム２
５と、巻取リール軸２６に作用する補助制動機構
２７を動作させる第３のカム２８と、キヤプスタ
ン２９の近傍のガイドポール３０を支持するアー
ム３１を回動させる第４のカム３２と、供給リー
ル軸側のテンシヨンアーム３３を回動させる第５
のカム３４とが形成してある。第２の制御板９に
は、供給リール軸２３に作用する主制動部材３５
と巻取リール軸２６に作用する主制動部材３６と
を回動させる第６のカム３７が形成してある。

ここで、説明の便宜上、テープ装填動作につい
て簡単に説明する。VTR１が停止モードにある
とき、テープ装填機構４０は第８図に示す状態に
ある。記録又は再生操作をすると、カムギヤ３が
矢印I₁方向に第９図に示す位置まで回動する。カ
ムギヤ３の回動によりカム溝３ｂがピン４１を案
内し、ローデイングアームギヤ７が反時計方向に
回動し（第１５図Ｂ参照）、ギヤ４２が時計方向
に回動し、これと噛合しているギヤ４３が反時計
方向に回動する。ギヤ４２と共にアーム４４が時
計方向に回動し、ポールベース４５がリンク４６
により押されてシヤーシ２のガイド溝４７に沿つ
て矢印Ｊ方向に移動する。別のギヤ４３と共にア
ーム４８が反時計方向に回動し、ポールベース４
９がリンク５０により押されてガイド溝５１に沿
つて矢印Ｋ方向に移動する。最終的には、第９図
に示すように、ローデイングポール５２，５３が
夫々ストツパ５４，５５に係止される。ローデイ
ングポール５２，５３は、第３図に示すように、
装着されたカセツト５６より磁気テープ５７を引
き出し、磁気テープ５７は、回転磁気ヘツドを有
するガイドドラム５８に所定角度範囲に亘つて巻
装されると共に、インピーダンスローラ５９、全
幅消去ヘツド６０、及びオーデイオ・コントロー
ルヘツド６１に添接するテープパスに装填され
る。この状態で磁気テープ５７がピンチローラと
キヤプスタンとにより挾持駆動されて順方向及び
逆方向に走行し、記録再生動作及びサーチリワイ
ンド動作が従来と同様に行なわれる。この動作の
詳細については説明を省略する。

次に、各モード時における前記制御板組立体６
の移動状況及び制御板組立体６の移動により各機
構が如何に動作するかについて説明する。

制御板組立体６（第１５図Ａ参照） カムギヤ３は、第１５図に示すように、第１図
に示す位置を基準として、矢印I₁方向に、早送
り／巻戻し操作時には、67.5゜、記録ポーズ操作
時には410゜、サーチリワインド操作時には455゜、
記録／再生操作時には505゜回動する。約100゜〜
200゜に亘る回動範囲で、上記の前半のテープロー
デイング動作、約200゜〜380゜に亘る回動範囲で後
半のテープローデイング動作が行なわれる。カム
ギヤ３が回動すると、カム溝３ａがピン１７を案
内し、制御板組立体６は、第１図に示す位置Ａを
基準として第１、第２の制御板８，９が一体とな
つて矢印X₁方向に第１５図Ａに示すように移動
する。

カムギヤ３が67.5゜回動すると、第１０図に示
す状態となり、制御板組立体６は位置Ｂに到る。
カムギヤ３が100゜回動すると、制御板組立体６は
位置Ｃに到り、255゜回動すると位置Ｄに到る。カ
ムギヤ３が410゜回動すると、第１１図に示す状態
となり、制御板組立体６は位置Ｅに到る。カムギ
ヤ３が455゜回動すると、第１２図に示す状態とな
り、制御板組立体６は位置Ｆに到る。カムギヤ３
が505゜回動すると、第１３図に示す状態となり、
制御板組立体６は位置Ｇに到る。

カムギヤ３を矢印I₁方向に回動させるために第
７図Ａに示すように、ウオーム７０は矢印L₁方
向に回転する。ウオーム７０は、４個の爪７１ａ
を有する爪車７１と共に軸７２に支持されてい
る。７３はコイルばねであり、一端の折曲部７３
ａをウオーム７０の端面の孔７０ａに係合し、且
つ爪車７１の円柱部７１ｂの周面に軽く接触した
状態で円柱部７１ｂを囲撓している。このコイル
ばね７３の巻き方向は、折曲部７３ａ側より先端
に向かつてみて、上記L₁方向とは逆方向である。
ウオーム７０が矢印L₁方向に回転するとき、コ
イルばね７３は径ｄが拡大する方向に変形する。
ウオーム７０は、第７図Ｂに示すように一の爪７
１ａが係止部材１１の突部１１ａに当接してお
り、矢印L₁方向の回動が制限されている爪車７
１とは独立に回動し、カムギヤ３の回動開始時に
何ら不都合は無い。

例えば再生モード中に停止操作をすると、モー
タ４が逆転し、ウオーム７０が矢印L₂方向に回
転し、カムギヤ３は矢印I₂方向に回転し、制御板
組立体６は矢印X₂方向に移動する。早送り／巻
戻しモード中に停止操作をしたときにも、モータ
４が逆転し、ウオーム７０が矢印L₂方向に回転
する。このときには、コイルばね７３は径ｄが縮
小する方向に変形し、円柱部７１ｂを締め付け、
爪車７１はウオーム７０と一体化される。ウオー
ム７０と一体的に回転する爪車７１は、爪７１ａ
により突部１１ａを蹴り上げ、係止部材１１は第
６図中ばね１３に抗して矢印H₂方向に回動せし
められる。これにより、係止部材１１が第１４図
Ａ，Ｂに示すように折曲片８ｃより外れ、第２の
制御板９がばね１０により第１の制御板８とは独
立に矢印X₂方向に初期の位置まで瞬時に移動す
る。制御板組立体６は第１４図Ａ，Ｂに示す状態
となる。引き続いて、第１の制御板８がカムギヤ
３により矢印X₂方向に移動して初期の位置Ａに
戻り、係止部材１１は再び折曲片８ｃを係止し、
制御板組立体６は、第１図及び第６図に示す元の
状態となる。

ピンチローラ７４（第１５図Ｃ参照） 第１図に示すように、ピンチローラ７４を先端
に支持するアーム２１は、軸７５に支持されてお
り、コイルばね７６により反時計方向に附勢され
ている。停止モード時には、同図に示すように、
アーム２１の折曲部２１ａが第１のカム２２に係
止されており、ピンチローラ７４はキヤプスタン
２９より離間している。制御板組立体６が位置
Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅにあるときには、即ち、早送り／
巻戻しモード及び記録ポーズモード時には、折曲
部２１ａは、第１０図及び第１１図に示すように
第１のカム２２に対する係止状態を維持して矢印
X₁方向に移動する。ピンチローラ７４はキヤプ
スタン２９に近ずく方向に変位するも、キヤプス
タン２９に圧着はしていない。制御板組立体６が
位置Ｅを越えて位置Ｆ、更には、位置Ｇに到る
と、第１２図及び第１３図に示すように、第１の
カム２２が折曲部２１ａより離れ、ピンチローラ
７４は伸張したコイルばね７６のばね力により第
３図に示すようにキヤプスタン２９に圧着する。

補助制御部材２４（第１５図Ｉ参照） 第１図及び第２図に示すように、補助制動部材
２４は、軸７７に支持されて、ばね７８により時
計方向に付勢されている。部材２４の一端の垂下
ピン部２４ａは、第２のカム２５より離間してお
り、部材２４は供給リール２３に当接してこれを
小なる制動力で制動している。制御板組立体６が
位置Ｆに到るまでは、第１０図乃至第１２図に示
すように、第２のカム２５は上記ピン部２４ａよ
り離間しており、補助制動部材２４は供給リール
軸２３を制動し続ける。制御板組立体６が位置Ｆ
を越えて位置Ｇに到ると、第１３図に示すよう
に、第２のカム２５がピン部２４ａを押し、補助
制動部材２４が第３図に示すようにばね７８に抗
して反時計方向に回動して供給リール軸２３より
離れ供給リール軸２３に対する制動が解除され
る。

補助制動機構２７（第１５図Ｈ参照） 第１図に示すように、補助制動機構２７は、補
助制動部材７９と制動力可変部材８０とがピン８
１に軸承され、両部材の間に部材７９を時計方向
に付勢するトーシヨンコイルばね８２を設けてな
る構成である。第３のカム２８は、部材７９の垂
下ピン部７９ａに作用するカム部２８ａと、部材
８０の垂下ピン部８０ａに作用する山形のカム部
２８ｂとよりなる。制動板組立体６が位置Ａと位
置Ｆとの間に位置しているときには、第１図及び
第１０図乃至第１２図に示すように、カム部２８
ａはピン部７９ａより離間しており、補助制動部
材７９は巻取リール軸２６に当接し、これを小な
る制動力で制動し続ける。制動板組立体６が位置
Ｆを越えて位置Ｇに到ると、第１３図に示すよう
に、カム部２８ａがピン部７９ａを押し、補助制
動部材２４が第３図に示すように反時計方向に回
動して巻取リール軸２６より離れ、巻取リール軸
２６に対する制動が解除される。また制動板組立
体６が位置Ｃと位置Ｅとの間にあるときに、山形
のカム部２８ｂがピン部８０ａを押し、部材８０
を時計方向に回動させ、ばね８２を撓ませる。こ
れにより、ばね８２のばね力が第１５図Ｈ中破線
で示すように変化し、巻取リール軸２６に対する
制動力もこれに対応して変化する。

ガイドポール３０（第１５図Ｄ参照） 第１図乃至第３図に示すように、アーム３１
は、ピン８３に支承されており、ばね８４により
反時計方向に回動付勢されている。またアーム３
１には、ピン８５が垂下して植設してある。略山
形の第４のカム３２はこのピン８５に作用する。
制御板組立体６が位置Ａ乃至Ｄに位置するときに
は、第１図乃び第１０図に示すように、カム３２
はピン８５より離間しており、ガイドポール３０
は、第１図及び第３図に示すようにカセツト５６
の切欠５６ａ内に位置している。制御板組立体６
が位置Ｅに到ると第１１図に示すようにカム３２
がピン８５を押し、アーム３１がばね８４に抗し
て時計方向に第３図中二点鎖線で示すように回動
し、ガイドポール３０は切欠５６ａより抜け出
し、ピンチローラ２９とカセツト５６内のポール
８６との間で磁気テープ５７を案内する。制御板
組立体６が位置Ｆに到つたときにも、第１２図に
示すように、カム３２の頂部がピン８５を係止し
ており、ガイドポール３０は上記の位置に保たれ
る。制御板組立体６が位置Ｆを越えて位置Ｇに到
ると、第１３図に示すようにピン８５がカム３２
の頂部より外れ、アーム３１はばね８４により反
時計方向に回動して第３図中実線で示す状態とな
り、ガイドポール３０は切欠５６ａ内に進入す
る。

テンシヨンポール８７（第１５図Ｅ参照） テンシヨンポール８７が先端に植設されたテン
シヨンアーム３３は、ピン８８に軸承されてお
り、ばね８９により反時計方向に付勢されてい
る。停止モード時には、第２図に示すように、テ
ンシヨンアーム３３はポールベース４５に係止さ
れて時計方向に回動している。第５のカム３４
は、アーム３３の他端の垂下ピン９０に対向して
いる。ポールベース４５が移動を開始した後は、
ピン９０がカム３４に当接し、ピン９０は第１０
図乃至第１３図に示すように制御板組立体６の移
動に追従して変位し、アーム３３が半時計方向に
回動し、第３図に示すようにポール８７はテープ
テンシヨンを検出しうる位置に到り、ブレーキバ
ンド９１が緊張する。またテープアンローデイン
グの初期の段階、即ち、制御板組立体６が矢印
X₂方向に移動して位置Ｄに到つた段階では、カ
ム３４がピン９０を係止して、アーム３３は第３
図の位置より時計方向に、戻つてくるポールベー
ス４５により係止されうる位置まで回動する。

主制動部材３５，３６（第１５図Ｇ，Ｆ参照） 第１図乃至第３図に示すように、主制動部材３
５，３６は、夫々ピン９２，９３に軸承されてお
り、コイルばね９４により反時計方向及び時計方
向に回動付勢されている。各主制動部材３５，３
６の一端のピン９５，９６に作用する第６のカム
３７は、隣接する二つのＶ字状の凹部３７ａ，３
７ｂと、この凹部の間のＶ字状の凸部３７ｃと、
凹部７３ａより矢印X₂方向に延在する凸段部３
７ｄとよりなる。

制御板組立体６が位置Ａに位置するときには、
ピン９５，９６は夫々凹部３７ａ，３７ｂ内にあ
り、主制動部材３５，３６は夫々反時計方向及び
時計方向に回動し、第１図及び第２図に示すよう
に供給リール軸２３及び巻取リール軸２６に押圧
し、両リール軸２３，２６を制動している。

制御板組立体６が矢印X₁方向に移動して位置
Ｂに到ると、第１０図に示すように、ピン９５は
凹部３７ａより押し出されて凸段部３７ｄにより
係止され、主制動部材３５が第３図に示すように
ばね９４に抗して時計方向に回動して供給リール
軸２３より離れ、供給リール軸２３に対する制動
が解除される（第１５図Ｇ参照）。制御板組立体
６が更に矢印X₁方向に移動して位置Ｇに到る過
程では、第１１図乃至第１３図に示すように、凸
段階３７ｄがピン９５を係止し続け、第１５図Ｇ
に示すように、供給リール軸２３は制動が解除さ
れた状態を維持する。

制御板組立体６が上記の位置Ｂに到ると、第１
０図に示すように、別のピン９６は凹部３７ｂよ
り押し出されて凸部３７ｃに係止され、主制動部
材３６が第３図に示すように、ばね９４に抗して
反時計方向に回動して巻取リール軸２６より離
れ、巻取リール軸２６に対する移動が解除される
（第１５図Ｆ参照）。制御板組立体６が位置Ｃに到
ると、ピン９６は別の凹部３７ａ内に入り、主制
動部材３６は時計方向に回動し巻取リール軸２６
を再度制動する（第１５図Ｆ参照）。制御板組立
体６が更に矢印X₁方向に移動して位置Ｄに到る
と、ピン９６は凹部３７ａより押し出されて凸段
部３７ｄにより係止され、主制動部材３６は再び
反時計方向に回動し、巻取リール軸２６に対する
制動が再び解除される（第１５図Ｆ参照）。制御
板組立体６が更に矢印X₁方向に移動して、位置
Ｅ，Ｆを経て位置Ｇに到る過程では、第１１図及
び第１３図に示すように、凸段部３７ｄがピン９
６を係止し続け、第１５図Ｆに示すように、巻取
リール軸２６は制動が解除された状態を維持す
る。

制御板組立体６が矢印X₂方向に移動して位置
Ｂに到り、この位置Ｂより更に矢印X₂方向に移
動するとき、第１４図Ａ，Ｂに示すように、第２
の制御板９だけが矢印X₂方向に瞬時に移動する。
この第２の制御板９の瞬時の移動により、ピン９
５は凸段部３７ｄより凹部３７ａ内に進入し（第
１５図Ｇ参照）、ピン９６は凸部３７ｃより凹部
３７ｂ内に進入し（第１５図Ｆ参照）、主制動部
材３５，３６が夫々リール軸２３，２６を瞬時に
制動する。

上記のように、制御板組立体６の移動により各
機構部が動作し、VTR１は、早送り／巻戻しモ
ード、記録ポーズモード、キヤプスタンによるサ
ーチリワインド、記録／再生モードに設定され
る。

なお、供給リール軸２３及び巻取リール軸２６
はリールモータ９７により首振りアイドラ９８を
介して夫々テープ巻取方向に回転される。

また上記構成によれば、第１の制御板９のカム
形状を適宜変更することにより、即ち主要な構成
部分は、キヤプスタンサーチ方式に代わつてリー
ルサーチ方式を採用したVTRにもそのまゝ適用
しうるという実際の製品を製造する上での効果も
有する。

上述の如く、本発明になる磁気テープ記録再生
装置によれば、以下に挙げる特長を有する。

第２の制御板を第１の制御板上に設けた構成
としたため、設置スペースを小とすることが出
来る。

第２の制御板を瞬時に移動させる構成及びこ
の第２の制御板の瞬時の移動によつてリール軸
主制動機構を動作させる構成としたため、リー
ル軸主制動機構を瞬時に動作させることが出来
る。

第１の制御板と第２の制御板とを並設した構
成としたため、第３の制御板が瞬時に移動する
構成と相俟つて、磁気テープの走行に関連する
機構を精度良いタイミングで動作させることが
出来、各機構の動作に関する信頼性の向上を図
ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になる磁気テープ記録再生装置
の一実施例の要部の停止モード時の状態を示す平
面図、第２図及び第３図は夫々本発明の磁気テー
プ記録再生装置の停止モード時及び記録再生モー
ド時の状態を示す平面図、第４図は第１図中第１
の制御板をカムギヤと併せて示す平面図、第５図
は第１図中第２の制御板を取り出して示す平面
図、第６図は第１、第２の制御板が組み合わさせ
た状態の立面図、第７図Ａ，及びＢは第１図及び
第６図中係止部材及びこれに関連する部材を示す
分解斜視図及び側面図、第８図及び第９図は夫々
テープ装填機構のテープ装填前及びテープ装填完
了後の状態を示す平面図、第１０図乃至第１３図
は夫々早送り／巻戻しモード時、記憶ポーズモー
ド時、サーチリワインド時、記録／再生モード時
におる制御板組立体の移動状況と、各カムとこれ
により動作される各機構の一部との関係を示す
図、第１４図Ａ，Ｂは夫々制御板組立体の早送
り／巻戻しモード中に停止操作をした直後の状態
を示す平面図及び正面図、第１５図Ａ，Ｂは夫々
カムギヤにより動作される制御板組立体及びロー
デイングアームギヤの各モード時における動作状
態をカムギヤの回動角と対応させて示す図、第１
５図Ｃ乃至Ｉは夫々制御板組立体のカムにより動
作される各機構の動作状態をカムギヤの回動角と
対応させて示す図である。 １……磁気テープ記録再生装置（VTR）、３…
…カムギヤ、３ａ……カム溝、４……モータ、５
……ウオームギヤ機構、６……制御板組立体、８
……第１の制御板、９……第２の制御板、１７…
…ピン、２１……ピンチローラアーム、２２……
第１のカム、２３……供給リール軸、２４……補
助制動部材、２５……第２のカム、２６……巻取
リール軸、２７……補助制動機構、２８……第３
のカム、３０……ガイドポール、３２……第４の
カム、３４……第５のカム、３５，３６……主制
動部材、３７……第６のカム、４０……テープ装
填機構、５２，５３……ローデイングポール、５
６……カセツト、５７……磁気テープ、５８……
ガイドドラム、７９……補助制動部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 供給リール軸及び巻取リール軸に嵌合させて
   装着されたテープカセツトより磁気テープを引き
   出して回転する磁気ヘツドを有するドラムに巻装
   させ、該巻装された磁気テープをピンチローラと
   キヤプスタンとにより挟持駆動して走行させて記
   録及び／又は再生を行なう磁気テープ記録再生装
   置において、 カム溝が形成してある単一の回動盤と、 モード設定操作により該回動盤を設定したモー
   ドに対応して正逆回動させる回動手段と、 複数のカムが形成してあり、その一部を該回動
   盤のカム溝に嵌合させて設けてあり、該回動盤の
   正逆回動に応じて直線的に往復移動し、且つ往路
   方向に移動する時に該複数のカムによつてピンチ
   ローラ機構及びリール軸補助制動機構等の磁気テ
   ープの走行に関連する機構を設定したモードに適
   合するように動作させる第１の制御板と、 複数のカムが形成してあり、該第１の制御板に
   積重して直線移動可能に設けられ、且つスプリン
   グ部材で該第１の制御板の復路方向に付勢されな
   がら係止手段によつて該第１の制御板に係止さ
   れ、該第１の制御板が往路方向に移動する時に該
   第１の制御板に係止されたままで該第１の制御板
   と一体に往路方向に移動し、該第１の制御板が復
   路方向に移動する時に係止解除手段により該第１
   の制御板から係止解除されると共に、該スプリン
   グ部材の復帰力により該第１の制御板に対して独
   立に復路方向に瞬時に移動して該複数のカムがリ
   ール軸主制動機構を瞬時に動作させる第２の制御
   板とを具備してなり、 該第１の制御板と該第２の制御板とで２重構造
   の制御板組立体を構成したことを特徴とする磁気
   テープ記録再生装置。