JPH04358050A - 合金化溶融Znめっき鋼材の製造方法 - Google Patents
合金化溶融Znめっき鋼材の製造方法Info
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- JPH04358050A JPH04358050A JP534991A JP534991A JPH04358050A JP H04358050 A JPH04358050 A JP H04358050A JP 534991 A JP534991 A JP 534991A JP 534991 A JP534991 A JP 534991A JP H04358050 A JPH04358050 A JP H04358050A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車用外板、家電
製品用外板等に用いられる合金化溶融Znめっき鋼板等
の鋼材の製造方法に係わるもので、特に外観品質の極め
て優れた合金化溶融Znめっき鋼材の製造方法に関する
。
製品用外板等に用いられる合金化溶融Znめっき鋼板等
の鋼材の製造方法に係わるもので、特に外観品質の極め
て優れた合金化溶融Znめっき鋼材の製造方法に関する
。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融Znめっき鋼材とは、鋼材に
溶融Znめっき処理を施した後、加熱してめっき層表面
のZn層と鋼材素地との間に相互拡散を行わせ、めっき
層全体をFe−Zn合金としたものである。この合金化
溶融Znめっき鋼材は、塗装性、耐食性、溶接性等に優
れており、自動車用外板、家電製品用外板等に広く用い
られている。
溶融Znめっき処理を施した後、加熱してめっき層表面
のZn層と鋼材素地との間に相互拡散を行わせ、めっき
層全体をFe−Zn合金としたものである。この合金化
溶融Znめっき鋼材は、塗装性、耐食性、溶接性等に優
れており、自動車用外板、家電製品用外板等に広く用い
られている。
【0003】溶融Znめっき処理の工程で溶融Zn浴を
使用していると、溶融Zn浴中のFeがその溶解度の限
界を超え、Znと反応してFe−Zn合金をつくる。こ
のFe−Zn合金は溶融Zn浴よりも比重が僅かに大き
いため、溶融Zn浴槽の底に砂粒状に沈殿する。これを
ボトムドロスという。 このボトムドロスは溶融Zn浴との比重差が僅かであり
、鋼材やシンクロールによる随伴流で巻き上げられる。 巻き上げられたボトムドロスは鋼材やシンクロールに付
着し、シンクロールにより鋼材の表面に押しつけられ、
めっき層表面に外観上悪影響を及ぼす。さらに鋼材の表
面にボトムドロスが付着したままプレス成形を行うと、
ボトムドロスが付着した側の鋼材の表面の外観品質が悪
くなるのみならず、ボトムドロスが付着した側と反対側
の鋼材の表面にもこのボトムドロスが転写され、著しく
外観品質を損なう。このようにボトムドロスの付着によ
る外観品質の悪化をドロス欠陥という。
使用していると、溶融Zn浴中のFeがその溶解度の限
界を超え、Znと反応してFe−Zn合金をつくる。こ
のFe−Zn合金は溶融Zn浴よりも比重が僅かに大き
いため、溶融Zn浴槽の底に砂粒状に沈殿する。これを
ボトムドロスという。 このボトムドロスは溶融Zn浴との比重差が僅かであり
、鋼材やシンクロールによる随伴流で巻き上げられる。 巻き上げられたボトムドロスは鋼材やシンクロールに付
着し、シンクロールにより鋼材の表面に押しつけられ、
めっき層表面に外観上悪影響を及ぼす。さらに鋼材の表
面にボトムドロスが付着したままプレス成形を行うと、
ボトムドロスが付着した側の鋼材の表面の外観品質が悪
くなるのみならず、ボトムドロスが付着した側と反対側
の鋼材の表面にもこのボトムドロスが転写され、著しく
外観品質を損なう。このようにボトムドロスの付着によ
る外観品質の悪化をドロス欠陥という。
【0004】溶融Znめっき鋼材の表面にドロス欠陥が
発生するのを防止するために、一般的には溶融Znめっ
き処理の工程において、溶融Zn浴に0.10〜0.2
0重量%(以下、「%」は「重量%」を意味する)程度
のAlを添加する。Alを添加すると溶融Zn浴中の鋼
材がZnと反応するより先にAlと優先的に反応し、鋼
材表面に薄いFe2Al5あるいはFe−Al−Znの
合金層を形成して鋼材表面からのFeの溶解を抑制する
。同時に、溶融Zn浴中に溶解しているFeもAlと優
先的に反応してFe2Al5となる。このFe2Al5
は溶融Zn浴よりも比重が小さいため、溶融Zn浴槽の
表面に浮上する。これをトップドロスという。このトッ
プドロスは溶融Znめっき処理中に定期的かつ簡単に除
去されるものであり、鋼材表面にトップドロスが付着す
ることは防止される。
発生するのを防止するために、一般的には溶融Znめっ
き処理の工程において、溶融Zn浴に0.10〜0.2
0重量%(以下、「%」は「重量%」を意味する)程度
のAlを添加する。Alを添加すると溶融Zn浴中の鋼
材がZnと反応するより先にAlと優先的に反応し、鋼
材表面に薄いFe2Al5あるいはFe−Al−Znの
合金層を形成して鋼材表面からのFeの溶解を抑制する
。同時に、溶融Zn浴中に溶解しているFeもAlと優
先的に反応してFe2Al5となる。このFe2Al5
は溶融Zn浴よりも比重が小さいため、溶融Zn浴槽の
表面に浮上する。これをトップドロスという。このトッ
プドロスは溶融Znめっき処理中に定期的かつ簡単に除
去されるものであり、鋼材表面にトップドロスが付着す
ることは防止される。
【0005】このように、溶融Zn浴にAlを添加して
トップドロスを積極的につくり、ボトムドロスの生成を
減少させてドロス欠陥の発生を防止している。
トップドロスを積極的につくり、ボトムドロスの生成を
減少させてドロス欠陥の発生を防止している。
【0006】一方、溶融Znめっき処理を施した後、め
っき層全体をFe−Zn合金とする合金化処理の工程に
おいて、鋼材表面に形成している薄いFe2Al5ある
いはFe−Al−Znの合金層は、合金化反応を抑制し
、合金化反応速度のムラを発生させて合金化反応時間を
増加させるばかりでなく、鋼材表面の外観品質を劣下さ
せる。したがって、美麗な外観を有する合金化溶融Zn
めっき鋼材を製造する場合には、溶融Znめっき処理の
工程で溶融Zn浴に含まれるAl濃度をできるだけ下げ
なければならない。
っき層全体をFe−Zn合金とする合金化処理の工程に
おいて、鋼材表面に形成している薄いFe2Al5ある
いはFe−Al−Znの合金層は、合金化反応を抑制し
、合金化反応速度のムラを発生させて合金化反応時間を
増加させるばかりでなく、鋼材表面の外観品質を劣下さ
せる。したがって、美麗な外観を有する合金化溶融Zn
めっき鋼材を製造する場合には、溶融Znめっき処理の
工程で溶融Zn浴に含まれるAl濃度をできるだけ下げ
なければならない。
【0007】通常その濃度は、溶融Znめっき処理の工
程において必要なAl濃度の範囲の下限値付近とされて
いる。
程において必要なAl濃度の範囲の下限値付近とされて
いる。
【0008】このように、溶融Znめっき処理の工程で
ドロス欠陥の発生を防止するために溶融Zn浴に添加さ
れるAlは、その後の合金化処理の工程で逆に鋼材表面
の外観品質を劣下させているのである。
ドロス欠陥の発生を防止するために溶融Zn浴に添加さ
れるAlは、その後の合金化処理の工程で逆に鋼材表面
の外観品質を劣下させているのである。
【0009】近年、合金化溶融Znめっき鋼材の需要の
増加に比例して合金化溶融Znめっき鋼材の本来の特質
である塗装性、耐食性、溶接性に加え、外観の美麗さが
ますます強く要求されている。特公昭63−58225
号公報には、溶融Zn浴に浸漬する前の段階であるい
は溶融Zn浴に浸漬中の段階で、軟化焼鈍した鋼板表面
にワイヤブラシ、砥粒ベルトによる研磨、研削またはシ
ョットブラスト等の機械加工を施して新生面を付与し、
溶融Znめっき処理の工程でAl富化層の形成を抑制し
、これにより合金化処理の工程で合金化反応速度を向上
させる方法が開示されている。また特開昭58−104
163号公報には、溶融Zn浴へ浸漬する前の還元焼鈍
に先立って硫酸浴、塩化物浴等の中で鋼板の表面に厚さ
0.1〜 2.0μmの鉄めっきを施し、溶融Znめ
っき処理の工程で溶融Zn浴中のAlを鉄めっき中の酸
素と反応させ、鋼板表面近傍の溶融Zn浴のAl濃度を
低下させて緻密なFe−Al合金層の生成を防止し、こ
れにより合金化処理の工程において合金化反応速度を向
上させる方法が開示されている。これらの方法には、合
金化処理の時間が短縮したり、合金化溶融Znめっき層
の耐剥離性が向上するという利点はあるものの、この方
法で製造した合金化溶融Znめっき鋼板としての外観品
質は未だ不充分である。
増加に比例して合金化溶融Znめっき鋼材の本来の特質
である塗装性、耐食性、溶接性に加え、外観の美麗さが
ますます強く要求されている。特公昭63−58225
号公報には、溶融Zn浴に浸漬する前の段階であるい
は溶融Zn浴に浸漬中の段階で、軟化焼鈍した鋼板表面
にワイヤブラシ、砥粒ベルトによる研磨、研削またはシ
ョットブラスト等の機械加工を施して新生面を付与し、
溶融Znめっき処理の工程でAl富化層の形成を抑制し
、これにより合金化処理の工程で合金化反応速度を向上
させる方法が開示されている。また特開昭58−104
163号公報には、溶融Zn浴へ浸漬する前の還元焼鈍
に先立って硫酸浴、塩化物浴等の中で鋼板の表面に厚さ
0.1〜 2.0μmの鉄めっきを施し、溶融Znめ
っき処理の工程で溶融Zn浴中のAlを鉄めっき中の酸
素と反応させ、鋼板表面近傍の溶融Zn浴のAl濃度を
低下させて緻密なFe−Al合金層の生成を防止し、こ
れにより合金化処理の工程において合金化反応速度を向
上させる方法が開示されている。これらの方法には、合
金化処理の時間が短縮したり、合金化溶融Znめっき層
の耐剥離性が向上するという利点はあるものの、この方
法で製造した合金化溶融Znめっき鋼板としての外観品
質は未だ不充分である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】溶融Znめっき処理の
工程で溶融Zn浴のAl濃度を増加させ、合金化溶融Z
nめっき鋼材の表面にドロス欠陥が発生するのを防止す
ると、生成した鋼材表面の薄いFe2Al5あるいはF
e−Al−Znの合金層が、つぎの合金化処理の工程で
合金化反応を抑制し、合金化反応時間を増加させるのみ
でなく、合金化反応を不均一に進行させる。その結果、
合金化反応が進んだ部分は凸になり、合金化反応が遅れ
た部分は凹になり、合金化反応が終了した時点で鋼材の
表面は凹凸状の外観を呈し(これを凹凸欠陥という)、
製品として極めて外観品質の劣るものになる。溶融Zn
浴のAl濃度を増加させて溶融Znめっき処理を施した
例として、前記の特公昭63−58225 号公報には
溶融Zn浴のAl濃度を 0.2%とした実施例が、特
開昭58−104163号公報には溶融Zn浴のAl濃
度を0.16%とした実施例がある。しかし、実質的に
は溶融Zn浴のAl濃度を高めに設定して溶融Znめっ
き処理を施す合金化溶融Znめっき鋼材の製造は行われ
ていない。通常、溶融Zn浴のAl濃度を溶融Znめっ
き処理の工程におけるAl濃度の管理範囲の下限付近で
ある0.10%程度としている。
工程で溶融Zn浴のAl濃度を増加させ、合金化溶融Z
nめっき鋼材の表面にドロス欠陥が発生するのを防止す
ると、生成した鋼材表面の薄いFe2Al5あるいはF
e−Al−Znの合金層が、つぎの合金化処理の工程で
合金化反応を抑制し、合金化反応時間を増加させるのみ
でなく、合金化反応を不均一に進行させる。その結果、
合金化反応が進んだ部分は凸になり、合金化反応が遅れ
た部分は凹になり、合金化反応が終了した時点で鋼材の
表面は凹凸状の外観を呈し(これを凹凸欠陥という)、
製品として極めて外観品質の劣るものになる。溶融Zn
浴のAl濃度を増加させて溶融Znめっき処理を施した
例として、前記の特公昭63−58225 号公報には
溶融Zn浴のAl濃度を 0.2%とした実施例が、特
開昭58−104163号公報には溶融Zn浴のAl濃
度を0.16%とした実施例がある。しかし、実質的に
は溶融Zn浴のAl濃度を高めに設定して溶融Znめっ
き処理を施す合金化溶融Znめっき鋼材の製造は行われ
ていない。通常、溶融Zn浴のAl濃度を溶融Znめっ
き処理の工程におけるAl濃度の管理範囲の下限付近で
ある0.10%程度としている。
【0011】本発明の目的は、表面にドロス欠陥が発生
しない高Al濃度の溶融Zn浴中で溶融Znめっき処理
を行い、その後合金化処理を施しても、凹凸欠陥のない
優れた外観品質を有する合金化溶融Znめっき鋼材を製
造する方法を提供することにある。
しない高Al濃度の溶融Zn浴中で溶融Znめっき処理
を行い、その後合金化処理を施しても、凹凸欠陥のない
優れた外観品質を有する合金化溶融Znめっき鋼材を製
造する方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、Alを
含む溶融Zn浴中で溶融Znめっき処理を施す前に、鋼
材表面にFe−Zn合金層を形成させて合金化溶融Zn
めっき鋼材を製造する製造方法にある。
含む溶融Zn浴中で溶融Znめっき処理を施す前に、鋼
材表面にFe−Zn合金層を形成させて合金化溶融Zn
めっき鋼材を製造する製造方法にある。
【0013】本願発明の方法は、ドロス欠陥を発生させ
ないために相当量のAlを含む溶融Zn浴中で溶融Zn
めっき処理を施すことを前提とする。本発明は、予め鋼
材表面にFe−Zn合金層を形成しておけば、その後の
合金化処理は迅速に進行し、表面に凹凸欠陥のない優れ
た外観品質を有する合金化溶融Znめっき鋼材を得るこ
とができるという知見に基づいてなされたものである。
ないために相当量のAlを含む溶融Zn浴中で溶融Zn
めっき処理を施すことを前提とする。本発明は、予め鋼
材表面にFe−Zn合金層を形成しておけば、その後の
合金化処理は迅速に進行し、表面に凹凸欠陥のない優れ
た外観品質を有する合金化溶融Znめっき鋼材を得るこ
とができるという知見に基づいてなされたものである。
【0014】ここで、鋼材とは、主に冷延鋼板、冷延鋼
帯、熱延鋼板および熱延鋼帯を意味する。
帯、熱延鋼板および熱延鋼帯を意味する。
【0015】
【作用】Alを含む溶融Zn浴中で溶融Znめっき処理
を施す前に、鋼材表面にFe−Zn合金層を形成する理
由は以下のとおりである。
を施す前に、鋼材表面にFe−Zn合金層を形成する理
由は以下のとおりである。
【0016】外観品質の優れた合金化溶融Znめっき鋼
材を得るためには、第一に、溶融Znめっき処理の工程
で鋼材の表面にドロス欠陥が発生するのを防止する必要
がある。
材を得るためには、第一に、溶融Znめっき処理の工程
で鋼材の表面にドロス欠陥が発生するのを防止する必要
がある。
【0017】そのために、溶融Zn浴のAl濃度をでき
るだけ高めに設定して溶融Znめっき処理を施す。これ
はAlが溶融Zn浴中に溶解しているFeと優先的に反
応してトップドロスを生成させ、ドロス欠陥の原因であ
るボトムドロスの生成を減少させるからである。溶融Z
n浴のAl濃度は0.14〜 3.0%が望ましい。
るだけ高めに設定して溶融Znめっき処理を施す。これ
はAlが溶融Zn浴中に溶解しているFeと優先的に反
応してトップドロスを生成させ、ドロス欠陥の原因であ
るボトムドロスの生成を減少させるからである。溶融Z
n浴のAl濃度は0.14〜 3.0%が望ましい。
【0018】通常Al濃度が0.14〜 3.0%とい
うように高い溶融Zn浴中で溶融Znめっき処理を施し
た後、合金化処理を施すと鋼材表面に凹凸欠陥が発生す
る。その理由は、Al濃度が低い場合に比べて、溶融Z
nめっき処理の工程で鋼材の表面に形成されるFe2A
l5あるいはFe−Al−Znの合金層が厚くなるため
、その厚い合金層が合金化処理の工程で合金化反応を抑
制し、合金化反応速度を不均一にさせるからである。
うように高い溶融Zn浴中で溶融Znめっき処理を施し
た後、合金化処理を施すと鋼材表面に凹凸欠陥が発生す
る。その理由は、Al濃度が低い場合に比べて、溶融Z
nめっき処理の工程で鋼材の表面に形成されるFe2A
l5あるいはFe−Al−Znの合金層が厚くなるため
、その厚い合金層が合金化処理の工程で合金化反応を抑
制し、合金化反応速度を不均一にさせるからである。
【0019】したがって第二に、合金化処理の工程で鋼
材の表面に凹凸欠陥が発生するのを防止する必要がある
。そのために本願発明の方法では、溶融Zn浴に浸漬す
る前に予め鋼材表面にFe−Zn合金層を形成しておく
のである。予め鋼材表面にFe−Zn合金層を形成する
ことによりなぜ合金化反応が均一の速度で促進されるの
か正確な原因は不明であるが、その原因を次のように推
定することができる。Alを含む溶融Zn浴中での溶融
Znめっき処理において鋼材の表面に形成されるFe2
Al5が合金化反応を抑制すると考えると、溶融Znめ
っき処理を施す前に、予め鋼材の表面にFe−Zn合金
層を存在させることにより、溶融Znめっき処理におい
て合金化反応を抑制するFe2Al5の形成を防止して
いると考えられる。即ち、合金化処理の直前でのめっき
被膜と鋼材の界面に存在する合金層は、予め鋼材の表面
にFe−Zn合金層を存在させない場合、Fe2Al5
に近いもの(若干のZnを含む)であるのに対し、本願
発明の製造方法のように予め鋼材の表面にFe−Zn合
金層を存在させた場合には、FeZn7 またはFeZ
n13に近いものとなり、合金化反応を抑制するものが
存在しないためであろう。
材の表面に凹凸欠陥が発生するのを防止する必要がある
。そのために本願発明の方法では、溶融Zn浴に浸漬す
る前に予め鋼材表面にFe−Zn合金層を形成しておく
のである。予め鋼材表面にFe−Zn合金層を形成する
ことによりなぜ合金化反応が均一の速度で促進されるの
か正確な原因は不明であるが、その原因を次のように推
定することができる。Alを含む溶融Zn浴中での溶融
Znめっき処理において鋼材の表面に形成されるFe2
Al5が合金化反応を抑制すると考えると、溶融Znめ
っき処理を施す前に、予め鋼材の表面にFe−Zn合金
層を存在させることにより、溶融Znめっき処理におい
て合金化反応を抑制するFe2Al5の形成を防止して
いると考えられる。即ち、合金化処理の直前でのめっき
被膜と鋼材の界面に存在する合金層は、予め鋼材の表面
にFe−Zn合金層を存在させない場合、Fe2Al5
に近いもの(若干のZnを含む)であるのに対し、本願
発明の製造方法のように予め鋼材の表面にFe−Zn合
金層を存在させた場合には、FeZn7 またはFeZ
n13に近いものとなり、合金化反応を抑制するものが
存在しないためであろう。
【0020】予め鋼材表面にFe−Zn合金層を形成す
る方法としては、鋼材表面にZnを真空蒸着、イオンプ
レーティングあるいはスパッタリング等のドライプレー
ティング法により凝固させその後拡散処理する方法、ま
たは電気Znめっきを行いその後拡散処理する方法、さ
らには直接Fe−Zn合金の電気めっきを施す方法があ
る。これらの方法における処理条件は、工業的に実施さ
れている通常の条件でよい。なお、ドライプレーティン
グ後または電気Znめっき後の拡散処理については、雰
囲気温度 420〜 570℃、処理時間 2秒以下で
行うことが望ましい。形成するFe−Zn合金層の厚み
は、均一で切れ目が無ければよく、厚みを均一とするた
めに0.10μm以上とし、Fe−Zn合金層の形成の
前処理を簡易にするために1.0 μm以下とするのが
望ましい。また、Fe−Zn合金層の組成は、Fe濃度
が 1〜20%、Zn濃度が99〜77%、その他が不
純物であることが望ましい。不純物としてAl濃度が
3%程度まで許容される。
る方法としては、鋼材表面にZnを真空蒸着、イオンプ
レーティングあるいはスパッタリング等のドライプレー
ティング法により凝固させその後拡散処理する方法、ま
たは電気Znめっきを行いその後拡散処理する方法、さ
らには直接Fe−Zn合金の電気めっきを施す方法があ
る。これらの方法における処理条件は、工業的に実施さ
れている通常の条件でよい。なお、ドライプレーティン
グ後または電気Znめっき後の拡散処理については、雰
囲気温度 420〜 570℃、処理時間 2秒以下で
行うことが望ましい。形成するFe−Zn合金層の厚み
は、均一で切れ目が無ければよく、厚みを均一とするた
めに0.10μm以上とし、Fe−Zn合金層の形成の
前処理を簡易にするために1.0 μm以下とするのが
望ましい。また、Fe−Zn合金層の組成は、Fe濃度
が 1〜20%、Zn濃度が99〜77%、その他が不
純物であることが望ましい。不純物としてAl濃度が
3%程度まで許容される。
【0021】
【実施例】板厚 0.8mm、板幅 500mm、長さ
500mmの低炭素アルミキルド鋼の鋼板の表面にZ
nを真空蒸着させ、その後雰囲気温度 520℃、圧力
10−6Torr、処理時間約 2秒で拡散処理を行い
、あるいは前記鋼板の表面に電気Znめっき処理を行い
その後雰囲気温度 520℃、処理時間約 2秒で拡散
処理を行って、表1に示すFe−Zn合金層を形成した
。合金層のFe濃度およびAl濃度をX線マイクロアナ
ライザーで解析したところ、合金層の組成はFeZn7
およびFeZn13であることもわかった。なお、合
金層の厚みを走査形電子顕微鏡で確認した。
500mmの低炭素アルミキルド鋼の鋼板の表面にZ
nを真空蒸着させ、その後雰囲気温度 520℃、圧力
10−6Torr、処理時間約 2秒で拡散処理を行い
、あるいは前記鋼板の表面に電気Znめっき処理を行い
その後雰囲気温度 520℃、処理時間約 2秒で拡散
処理を行って、表1に示すFe−Zn合金層を形成した
。合金層のFe濃度およびAl濃度をX線マイクロアナ
ライザーで解析したところ、合金層の組成はFeZn7
およびFeZn13であることもわかった。なお、合
金層の厚みを走査形電子顕微鏡で確認した。
【0022】
【表1】
【0023】Fe−Zn合金層を形成させた後、鋼板の
表面にフラックス処理を施し、次いで浴温が 460℃
で、Al濃度が表1に示す濃度の溶融Zn浴に鋼板を浸
漬し、目付量を70g/m2とする溶融Znめっき処理
を施した。その後雰囲気温度 520℃、処理時間10
秒で合金化処理を行った。
表面にフラックス処理を施し、次いで浴温が 460℃
で、Al濃度が表1に示す濃度の溶融Zn浴に鋼板を浸
漬し、目付量を70g/m2とする溶融Znめっき処理
を施した。その後雰囲気温度 520℃、処理時間10
秒で合金化処理を行った。
【0024】得られた合金化溶融Znめっき鋼板の表面
を光学顕微鏡により10倍の倍率で観察し、外観品質の
良否を表面のドロス欠陥および凹凸欠陥の発生状況から
判断した。ドロス欠陥は1m2あたりの鋼板表面に存在
するドロスの個数で判定し、「ドロス欠陥が皆無(表1
では記号『◎』)」、「ドロス欠陥が5個/m2未満(
表1では記号『○』)」および「ドロス欠陥が10個/
m2未満(表1では記号『△』)」ならば良とし、「ド
ロス欠陥が10個/m2以上が存在して商品価値に問題
あり(表1では記号『×』)」ならば不良とした。また
、凹凸欠陥は鋼板表面に凹凸模様の存在有無で判定し、
「凹凸模様が皆無で美麗な外観を有する(表1では記号
『◎』)」および「凹凸模様が殆どない(表1では記号
『○』)」ならば良とし、「凹凸模様が存在して商品価
値に問題あり(表1では記号『×』)」ならば不良とし
た。その結果を表1に併記した。
を光学顕微鏡により10倍の倍率で観察し、外観品質の
良否を表面のドロス欠陥および凹凸欠陥の発生状況から
判断した。ドロス欠陥は1m2あたりの鋼板表面に存在
するドロスの個数で判定し、「ドロス欠陥が皆無(表1
では記号『◎』)」、「ドロス欠陥が5個/m2未満(
表1では記号『○』)」および「ドロス欠陥が10個/
m2未満(表1では記号『△』)」ならば良とし、「ド
ロス欠陥が10個/m2以上が存在して商品価値に問題
あり(表1では記号『×』)」ならば不良とした。また
、凹凸欠陥は鋼板表面に凹凸模様の存在有無で判定し、
「凹凸模様が皆無で美麗な外観を有する(表1では記号
『◎』)」および「凹凸模様が殆どない(表1では記号
『○』)」ならば良とし、「凹凸模様が存在して商品価
値に問題あり(表1では記号『×』)」ならば不良とし
た。その結果を表1に併記した。
【0025】試験No.1〜15は本発明例である。い
ずれもAl濃度が0.14〜 3.0%と高い溶融Zn
浴中で溶融Znめっき処理を施したのでドロス欠陥は少
ない。しかも事前に鋼板表面にFe−Zn合金層を形成
したため、Al濃度の高い溶融Zn浴中で溶融Znめっ
き処理を施したにもかかわらず、その後の合金化処理は
10秒という短時間で十分に進行し、鋼板の表面には凹
凸欠陥も発生していない。即ち、優れた外観品質を有す
る合金化溶融Znめっき鋼板を得ることができた。
ずれもAl濃度が0.14〜 3.0%と高い溶融Zn
浴中で溶融Znめっき処理を施したのでドロス欠陥は少
ない。しかも事前に鋼板表面にFe−Zn合金層を形成
したため、Al濃度の高い溶融Zn浴中で溶融Znめっ
き処理を施したにもかかわらず、その後の合金化処理は
10秒という短時間で十分に進行し、鋼板の表面には凹
凸欠陥も発生していない。即ち、優れた外観品質を有す
る合金化溶融Znめっき鋼板を得ることができた。
【0026】試験No.16 も本発明例である。0.
10%のAl濃度の溶融Zn浴中で溶融Znめっき処理
を施したので、ややドロス欠陥は増加したものの、事前
に鋼板表面にFe−Zn合金層を形成したため、合金化
処理による凹凸欠陥がなく、実用上問題のない合金化溶
融Znめっき鋼板を得ることができた。
10%のAl濃度の溶融Zn浴中で溶融Znめっき処理
を施したので、ややドロス欠陥は増加したものの、事前
に鋼板表面にFe−Zn合金層を形成したため、合金化
処理による凹凸欠陥がなく、実用上問題のない合金化溶
融Znめっき鋼板を得ることができた。
【0027】試験No.17 は比較例である。Al濃
度が0.15%と高い溶融Zn浴中で溶融Znめっき処
理を施したので、ドロス欠陥は少ない。しかし、予め鋼
板表面にFe−Zn合金層を形成しなかったため、合金
化処理によって凹凸欠陥が発生し、部分的に合金化され
ていない部分がみられた。
度が0.15%と高い溶融Zn浴中で溶融Znめっき処
理を施したので、ドロス欠陥は少ない。しかし、予め鋼
板表面にFe−Zn合金層を形成しなかったため、合金
化処理によって凹凸欠陥が発生し、部分的に合金化され
ていない部分がみられた。
【0028】なお、この実施例における合金化処理時間
は、10秒としたが、この合金化処理時間は、従来の合
金化溶融Znめっき鋼板の製造方法における合金化処理
時間に比べてやや短時間である。
は、10秒としたが、この合金化処理時間は、従来の合
金化溶融Znめっき鋼板の製造方法における合金化処理
時間に比べてやや短時間である。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法によれば、表面にドロス欠
陥のみならず合金化反応の不均一に起因する凹凸欠陥も
ない、美麗な外観を有する合金化溶融Znめっき鋼材を
製造することができる。
陥のみならず合金化反応の不均一に起因する凹凸欠陥も
ない、美麗な外観を有する合金化溶融Znめっき鋼材を
製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 Alを含む溶融Zn浴中で溶融Znめ
っきを施す前に、鋼材表面にFe−Zn合金層を形成さ
せることを特徴とする合金化溶融Znめっき鋼材の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP534991A JPH04358050A (ja) | 1991-01-21 | 1991-01-21 | 合金化溶融Znめっき鋼材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP534991A JPH04358050A (ja) | 1991-01-21 | 1991-01-21 | 合金化溶融Znめっき鋼材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04358050A true JPH04358050A (ja) | 1992-12-11 |
Family
ID=11608724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP534991A Pending JPH04358050A (ja) | 1991-01-21 | 1991-01-21 | 合金化溶融Znめっき鋼材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04358050A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006257472A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Takayuki Abe | 表面処理物、表面処理方法及び表面処理装置 |
CN111979506A (zh) * | 2020-07-29 | 2020-11-24 | 华南理工大学 | 一种热镀锌防漏镀的方法 |
-
1991
- 1991-01-21 JP JP534991A patent/JPH04358050A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006257472A (ja) * | 2005-03-16 | 2006-09-28 | Takayuki Abe | 表面処理物、表面処理方法及び表面処理装置 |
CN111979506A (zh) * | 2020-07-29 | 2020-11-24 | 华南理工大学 | 一种热镀锌防漏镀的方法 |
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