JPH0688193A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH0688193A
JPH0688193A JP26073092A JP26073092A JPH0688193A JP H0688193 A JPH0688193 A JP H0688193A JP 26073092 A JP26073092 A JP 26073092A JP 26073092 A JP26073092 A JP 26073092A JP H0688193 A JPH0688193 A JP H0688193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
layer
hot
dip galvanized
plating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26073092A
Other languages
English (en)
Inventor
Michitaka Sakurai
理孝 櫻井
Junichi Inagaki
淳一 稲垣
Toyofumi Watanabe
豊文 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP26073092A priority Critical patent/JPH0688193A/ja
Publication of JPH0688193A publication Critical patent/JPH0688193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼鈍時にFeより酸化しやすい元素または表面
濃化傾向の強い元素を含有する鋼板の表面に、不めっ
き、合金化むらが生ぜず、均一性、耐パウダリング性に
優れ且つ押し疵や研削疵等のない美麗な表面外観を有す
る合金化溶融亜鉛めっき層を形成するための方法を提供
する。 【構成】 焼鈍された鋼板を亜鉛めっき浴中に浸漬する
前に、鋼板の表層をドライエッチング法により除去し、
このように表層が除去された鋼板を溶融亜鉛めっき処理
し次いで合金化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Si,Mn,P, Cu, Ni,
Cr 等のような、焼鈍時にFeよりも酸化しやすい元素ま
たは表面濃化傾向の強い元素を含有する鋼板の表面上
に、均一な合金化溶融亜鉛めっき層を形成するための、
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の温暖化を防止する観点か
ら、自動車の燃費向上が求められており、そのために、
自動車車体の軽量化即ち自動車車体用鋼板の薄肉化が要
望されている。一方、自動車車体の安全性確保の観点か
ら、自動車車体用鋼板の高強度化が要求されている。合
金化溶融亜鉛めっき鋼板は、耐食性および電着塗装性に
優れているので、自動車車体用鋼板として、従来から広
く使用されているが、上述した鋼板の薄肉化および高強
度化の要求を満足させるために、高強度の鋼板の表面上
に合金化溶融亜鉛めっき層が形成された合金化溶融亜鉛
めっき鋼板の開発が進められている。一方、その耐食性
を一段と向上させるために、耐食性に優れた鋼板の表面
上に合金化溶融亜鉛めっき層が形成された合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の開発も進められている。
【0003】合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造は、鋼板
を、連続溶融亜鉛めっきライン設備に連続的に通し、同
設備によって、次のようにして行われる。即ち、鋼板を
連続的に焼鈍し、次いで、前記焼鈍された鋼板を、亜鉛
めっき浴中に連続的に通過させ、前記鋼板に溶融亜鉛め
っき処理を施して、前記鋼板の少なくとも1つの表面上
に溶融亜鉛めっき層を形成し、次いで、前記溶融亜鉛め
っき層が形成された鋼板を加熱して、合金化処理を施
し、かくして、前記鋼板の少なくとも1つの表面上に、
合金化溶融亜鉛めっき層を形成する。
【0004】一般に、鋼板の強度を向上させるために
は、鋼中に、Si,Mn,P 等の固溶強化元素を含有させる
ことが行われている。一方、鋼板の耐食性を向上させる
ためには、鋼中に、Cu,P, Cr, Ni 等の元素を含有させ
ることが行われている。
【0005】連続溶融亜鉛めっきライン設備で、上述し
た、Si,Mn,P, Cu, Cr, Ni 等の元素を含有する鋼板の
表面上に合金化溶融亜鉛めっき層を形成すると、ライン
中の焼鈍工程において、鋼中のSi,Mn,P, Cu, Cr, Ni
等の元素が鋼板の表層に濃化し、または、上記元素の酸
化物が鋼板の表面に生成し、めっき層に不めっきや合金
化むら等が生ずる結果、めっき層の不均一や耐パウダリ
ング性の劣化等の欠陥が発生する。また、熱延前におけ
る鋼板表面の不均一性によっても、同様の欠陥が発生す
る。
【0006】上述した問題を解決し、焼鈍工程で鋼板の
表層に濃化する元素の影響を防ぐための方法について従
来から多くの研究がなされており、例えば、下記のよう
な方法が開示されている。 特公昭55-44151号公報に開示された下記からなる方
法:鋼板を焼鈍する前に、鋼板の表面に銅めっき層を形
成し、次いで、銅めっき層が形成された鋼板を焼鈍し次
いで溶融亜鉛めっきする(以下、先行技術1という)。 特公昭60-56418号公報に開示された下記からなる方
法:鋼板を焼鈍する前に、鋼板の表面に鉄めっき層を形
成し、次いで、鉄めっき層が形成された鋼板を、H2ガス
を含有する還元性雰囲気で焼鈍し次いで溶融亜鉛めっき
する(以下、先行技術2という)。
【0007】 特公昭61-9386 号公報に開示された下
記からなる方法:鋼板を焼鈍する前に、鋼板の表面に、
Ni、CoまたはNiCo合金のめっき層を形成し、次いで、こ
のようなめっき層が形成された鋼板を、水素ガスを含有
する還元性雰囲気で焼鈍し次いで溶融亜鉛めっきする
(以下、先行技術3という)。 特開平2-194156 号公報に開示された下記からなる
方法:鋼板を焼鈍する前に、鋼板の表面に、Fe−B 合金
めっき層を形成し、次いで、Fe−B 合金めっき層が形成
された鋼板を溶融亜鉛めっきする(以下、先行技術4と
いう)。
【0008】 特開平3-207845 号公報に開示された
下記からなる方法:鋼板表層部の不純物をブラシロール
等による研削によって除去し、このようにして表層部の
不純物が除去された鋼板に対し、非酸化性雰囲気によっ
て熱処理を施し、次いで、溶融亜鉛めっき処理および合
金化処理を施す(以下、先行技術5という)。 特開昭63-58225号公報に開示された下記からなる方
法:合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造において、軟化焼
鈍後の鋼板の表面に、亜鉛めっき浴通過以前の段階で機
械加工を施して新生面を付与する(以下、先行技術6と
いう)。
【0009】先行技術1〜4によれば、焼鈍工程の前の
鋼板の表面に、Fe、Ni、Cu、Co等の前めっき層が形成さ
れていることにより、鋼板の表面に生じた、熱延以前の
不均一性を、ある程度解消することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1〜4には、次のような問題がある。 焼鈍工程において、鋼中のSi,Mn,P, Cu, Cr, Ni
等の元素が、前めっき層中に拡散し、前めっき層の表層
に濃化して、前めっき層が不均一になる結果、合金化溶
融亜鉛めっき層に生ずる不めっきや合金化むらを防止す
ることができない。上記元素の濃化は、焼鈍条件および
鋼の成分組成によって左右され、特に、焼鈍温度が高い
場合や均熱時間が長い場合に発生しやすい。
【0011】 前めっき層表面に不均一が生じないよ
うにするためには、鋼板の表面に、多量のめっき量の前
めっき層を形成することが必要である。その結果、焼鈍
炉の上流側に、大規模の前めっき設備を設置しなければ
ならず、従って、多額の設備費が必要になる。
【0012】 上記に述べたように、焼鈍工程にお
いて、鋼中のSi,Mn,P, Cu, Cr, Ni等の元素を、前め
っき層表面に濃化させないようにするためには、焼鈍条
件即ち焼鈍温度や均熱時間を制御しなければならない。
また、先行技術4にも記載されているように、溶融めっ
き性を良好にするための、前めっき層のめっき量は、鋼
の成分組成例えば鋼中のSiまたはCrの含有量に左右され
る。従って、Si,Mn,P,Cu, Ni, Cr 等のような、焼鈍
時にFeよりも酸化しやすい元素または表面濃化傾向の強
い元素を含有する鋼板の表面上に、均一な合金化溶融亜
鉛めっき層を形成するためには、通常行われる連続溶融
亜鉛めっきの操業条件のほかに、前めっき層のめっき量
を、めっきすべき鋼板の成分組成およびその焼鈍条件に
応じて制御しなければならず、従って、操業が非常に複
雑になり且つ困難になる。
【0013】先行技術5には、次のような問題がある。
即ち、熱間圧延時に生成する、鋼板表面の不均一性を除
去することはできるが、焼鈍工程において、鋼中のSi,
Mn,P, Cu, Cr, Ni 等の元素の鋼板表層への濃化および
選択酸化を防止することができない。従って、合金化溶
融亜鉛めっき層に生ずる不めっきや合金化むらの発生は
防止されない。
【0014】先行技術6は、1つの連続溶融亜鉛めっき
ライン設備によって、合金化溶融亜鉛めっき鋼板および
合金化処理をしない亜鉛めっき鋼板を製造する際に、高
濃度の一定量のAlを含有する溶融亜鉛めっき浴によっ
て、合金化溶融亜鉛めっき鋼板および亜鉛めっき鋼板を
効率的に製造することを目的とするものであって、その
ために、先行技術6においては、亜鉛めっき浴中を通過
させる以前の、焼鈍後の鋼板に対し、その表面に、ワイ
ヤブラシロール、砥粒ベルト、ショットブラスト等の機
械加工による研削を施して、新生面を付与するものであ
る。
【0015】しかしながら、先行技術6には、次のよう
な問題がある。 ワイヤブラシロール、砥粒ベルト、ショットブラス
ト等による機械研削のために、鋼板表面の研削量は約5
μm 以上であって多い。その結果、研削によって鋼板表
面から除去された鉄粉が、合金化溶融亜鉛めっき設備の
鋼板送り用ロール上に堆積して、鋼板の表面に押し疵が
発生したり、また、除去された鉄粉が、亜鉛めっき浴中
に持ち込まれてドロスが生じ、生成したドロスが鋼板の
表面に付着して、製品の表面外観を劣化させる。 ワイヤブラシロール、砥粒ベルト、ショットブラス
ト等による機械研削のために、鋼板の表面に研削疵が発
生する。従って、自動車車体用鋼板のように、良好な表
面外観を必要とする用途に対しては適用することができ
ない。
【0016】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、Si,Mn,P, Cu, Ni, Cr等のような、焼鈍時
にFeよりも酸化しやすい元素または表面濃化傾向の強い
元素を含有する鋼板の表面上に、合金化溶融亜鉛めっき
層を形成するに際し、不めっき、合金化むら等が生ぜ
ず、均一性および耐パウダリング性に優れ、且つ、押し
疵や研削疵等のない美麗な表面外観を有する合金化溶融
亜鉛めっき層を、大規模な前めっき設備を設置する必要
なく、容易に且つ経済的に形成することができる、特に
高強度で且つ耐食性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
を製造するための方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、焼鈍時にFeよりも酸化しやすい元素または表
面濃化傾向の強い元素を含有する鋼板の表面上に、不め
っき、合金化むら等の生ずることがなく、均一性および
耐パウダリング性に優れ、且つ、押し疵や研削疵等のな
い美麗な表面外観を有する合金化溶融亜鉛めっき層を、
容易に且つ経済的に形成するための方法を開発すべく、
鋭意研究を重ねた。
【0018】本発明者等は、先ず、Si,Mn,P, Cu, Ni,
Cr 等のような、焼鈍時にFeよりも酸化しやすい元素ま
たは表面濃化傾向の強い元素を含有する鋼板の表面上
に、合金化溶融亜鉛めっき層を形成する際に生ずる合金
化むらおよび不めっきの形態およびその発生原因につい
て、詳細に調査を行った。その結果、次のことが判明し
た。
【0019】 スケール性合金化むら:スケール性合
金化むらは、幅約1cmの合金化異常(むら)であって、
塗装後にも痕跡を残すことがあり、外観上好ましくな
い。このようなスケール性合金むらは、スラブの加熱時
に、その表面に部分的に生成した、Si,Mn,P, Cu, Ni,
Crを含む低融点の複合酸化物が、前記スラブを熱間圧
延し次いで酸洗した後の鋼板の表面に残留する結果、こ
の鋼板に溶融亜鉛めっき処理を施した際に、鋼板の複合
酸化物の残留部分に異常合金化反応が生じて発生する。
【0020】 選択酸化性合金化むら:選択酸化性合
金化むらは、約数100 ミクロンの合金化異常(むら)で
あって、合金化溶融亜鉛めっき層中に局部的にめっき量
の増加(異常合金化)が生じ、耐パウダリング性を劣化
させる。このような合金化むらは、めっき直前の鋼板の
表面に、選択酸化によって形成されたSi,Mn,P, Cu, N
i, Cr を含む酸化物の粗密が存在することによって発生
する。
【0021】 合金化むら:合金化むらは、Si,Mn,
P, Cu, Ni, Cr 等の元素が鋼の粒界や表面に濃化し、め
っき後の合金化処理の際に、合金化反応速度が遅くなる
ことによって発生する。更に、上記元素の、鋼の粒界や
表面への濃化が著しい場合には、合金化処理後の鋼板の
表面に細かい筋むらが発生する結果、鋼板の表面外観を
損なうと共に、化成処理性および塗装性に悪影響を及ぼ
す。
【0022】 不めっき 溶融亜鉛と鋼板との濡れ性が悪いために、溶融亜鉛めっ
き層中に生じためっき層の欠落部分であって、このよう
な不めっきは、Si,Mn,P, Cu, Ni, Cr を含む酸化物
が、鋼板の表面に厚く残留して、溶融亜鉛と鋼板とが全
く反応しない場合即ち濡れない場合に発生する。
【0023】上述したように、Si,Mn,P, Cu, Ni, Cr
等の元素を含有する鋼板の表面上に、合金化溶融亜鉛め
っき層を形成する際に、めっき層に生ずる合金化むらや
不めっきは、熱延以前の鋼板表面の不均一性、および、
鋼板の焼鈍時に発生する鋼中の上記成分の濃化や選択酸
化に起因するものであり、下記メカニズムによって発生
すると考えられる。
【0024】 鋼板が亜鉛めっき浴中に浸漬された瞬
間の、鋼板と溶融亜鉛との濡れ性が部分的に悪いため
に、不めっきや合金化むらが発生する。 鋼板が亜鉛めっき浴中に浸漬された瞬間に生成する
初期合金層が、鋼板表面の不均一性により変化して、そ
の後の合金化過程に悪影響を与える結果、合金化むらが
発生する。
【0025】上述した点から、鋼板を焼鈍後、亜鉛めっ
き浴中に通過させる前に、前記鋼板の表層をドライエッ
チング法により除去し、このようにして表層が除去され
た鋼板に対し、0.05〜0.20wt.%のAlを含有する亜鉛めっ
き浴によって溶融亜鉛めっき処理を施し、次いで、合金
化処理を施せば、鋼板がSi,Mn,P, Cu, Ni, Cr 等のよ
うな焼鈍時にFeよりも酸化しやすい元素または表面濃化
傾向の強い元素を含有していても、上記鋼板の表面上
に、不めっき、合金化むら等の生ずることがなく、均一
性および耐パウダリング性に優れ、且つ、押し疵や研削
疵等のない美麗な表面外観を有する合金化溶融亜鉛めっ
き層を、容易に且つ経済的に形成し得ることを知見し
た。
【0026】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、鋼板を連続的に焼鈍し、次いで、前記焼
鈍された鋼板を、亜鉛めっき浴中に連続的に通過させ、
前記鋼板に溶融亜鉛めっき処理を施して、前記鋼板の少
なくとも1つの表面上に溶融亜鉛めっき層を形成し、次
いで、前記溶融亜鉛めっき層が形成された鋼板を加熱し
て、合金化処理を施し、かくして、前記鋼板の少なくと
も1つの表面上に、合金化溶融亜鉛めっき層を形成す
る、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前
記焼鈍された鋼板を、前記亜鉛めっき浴中に通過させる
前に、前記鋼板の表層をドライエッチング法により除去
し、このようにして表層が除去された鋼板に対し、0.05
〜0.20wt.%のAlを含有する亜鉛めっき浴によって溶融亜
鉛めっき処理を施し、次いで、合金化処理を施すことに
特徴を有するものである。
【0027】
【作用】この発明においては、亜鉛めっき浴中を通過す
る前の、焼鈍された鋼板の表層がドライエッチング法に
より除去されているので、鋼板に溶融亜鉛めっき処理を
施す際に、亜鉛めっき浴中に浸漬された瞬間の、鋼板と
溶融亜鉛めっき浴との濡れ性が良好になる。従って、合
金化溶融亜鉛めっき層中に不めっきや合金化むらが発生
することはない。
【0028】また、ドライエッチング法による表層の除
去によって、鋼板の表面が均一になっているので、鋼板
を亜鉛めっき浴中に浸漬した瞬間に、鋼板の表面上に、
初期合金層が均一に生成する結果、その後の合金化過程
も均一になる。従って、合金化溶融亜鉛めっき層に合金
化むらが発生することはない。
【0029】ドライエッチング法による表層の除去は、
熱延以前の鋼板表面の不均一部分や、焼鈍時に発生する
鋼板成分の濃化および選択酸化部分のみを、例えば、0.
1 〜0.5 μm 位の極めて僅かな厚さでよく、表層の除去
条件等が、めっきすべき鋼板の成分組成や焼鈍条件に応
じて左右されることはない。従って、作業は極めて簡単
且つ容易である。
【0030】表層の除去が、上述したようにドライエッ
チング法によって行われ、その除去量は極めて僅かであ
り、機械研削の場合のように、鋼板表層の研削量が多く
なりすぎることはない。従って、研削によって鋼板表面
から除去された鉄粉が、合金化溶融亜鉛めっき設備の鋼
板送り用ロール上に堆積して、鋼板の表面に押し疵が発
生したり、また、除去された鉄粉が、亜鉛めっき浴中に
持ち込まれてドロスが生成し、このドロスの付着によっ
て、製品の表面外観が劣化するようなことは生じない。
更に、鋼板の表面に研削疵が発生して、表面外観が劣化
するようなことも生じない。
【0031】鋼板の表層を除去するドライエッチング法
としては、プラズマ中のイオンを利用するイオンスパッ
タエッチング法および反応性イオンスパッタエッチング
法、イオン源から引き出されたイオンビームを直接利用
するイオンビームエッチング法および反応性イオンビー
ムエッチング法、および、プラズマエッチング法等、公
知のドライエッチング法を使用することができる。この
ようなドライエッチングは、連続溶融亜鉛めっき設備中
の、焼鈍炉と溶融亜鉛めっき槽との間の、例えば、スナ
ウト、冷却炉、均熱炉の出側等で行う。
【0032】金属被覆層が形成された鋼板に溶融亜鉛め
っき処理を施すための亜鉛めっき浴中には、めっき時に
FeとZnとの脆弱な金属間化合物が生成することを抑制す
るために、0.05〜0.20wt.%の量のAlを含有していること
が必要である。めっき浴中のAl含有量が0.05wt.%未満で
は、上述したFe−Zn金属間化合物の抑制効果が得られな
い。一方、めっき浴中のAl含有量が0.20wt.%を超える
と、上述したFe−Zn金属間化合物の抑制効果が強くなり
過ぎる結果、めっき後に行われる合金化処理に支障が生
ずる。
【0033】この発明において、溶融亜鉛めっき層が形
成された鋼板に対する合金化処理は、誘導加熱方式の合
金化炉によって行うことが好ましい。以下に、その理由
について説明する。鋼板中の、Si,Mn,P, Cu, Cr, Ni
等の含有量が多い場合、または、鋼板に対する焼鈍条件
が高温且つ長時間の場合には、鋼板の表面に、熱延以前
の不均一性が存在し、または、焼鈍時に生ずる、Si,M
n,P, Cu, Cr, Ni 等の成分の濃化やこれらの酸化物が
多量に存在することがある。従って、この発明の方法に
従って、焼鈍後の鋼板の表層をドライエッチング法によ
って除去し、次いで、表層が除去された鋼板に対し、溶
融亜鉛めっき処理および通常のガス加熱方式による合金
化処理を施しても、不めっき、合金むら等の発生を防止
し得ない場合が生ずる。
【0034】しかしながら、合金化処理を、誘導加熱方
式の合金化炉によって行った場合には、ガス加熱方式で
合金化処理を行った場合と異なり、鋼板の表面が優先的
に加熱される。従って、このような加熱によって、鋼板
表面の不均一性に拘らず、鋼板の表層における鉄と溶融
亜鉛との反応が強制的に生ずるため、鋼板の表面に存在
する熱延以前の不均一性、および、焼鈍時に生ずる、S
i,Mn,P, Cu, Cr, Ni等の成分の濃化やこれらの酸化物
の存在による影響がなくなる。
【0035】この発明の方法によって合金化溶融亜鉛め
っき層が形成された鋼板の、合金化溶融亜鉛めっき層の
上に、50wt.%以上のFeを含有する、1 g/m2以上の量のFe
-Zn系合金電気めっき層を形成するときは、めっき鋼板
の、プレス加工時におけるめっき層とプレス用工具との
摺動特性、および、塗装時の耐クレータリング性を向上
させることができる。
【0036】上記摺動特性は、皮膜表層の物質と工具と
の凝着性に関係を有しており、皮膜の融点が高いほど、
摺動特性の向上に有効である。Fe-Zn 系合金電気めっき
層のFe含有量を50wt.%以上に規定したのは、これによっ
て皮膜の融点が高められ、摺動特性の向上が図れるから
である。Fe-Zn 系合金電気めっき層のめっき量を1 g/m2
以上に規定したのは、1 g/m2未満では、合金化溶融亜鉛
めっき層の上に、均一にFe-Zn 系合金電気めっき層を形
成することができないからである。Fe-Zn 系合金電気め
っき層のめっき量の上限は特に規定するものではない
が、経済的な観点から5g/m2を上限とすることが好まし
い。
【0037】前述したように、溶融亜鉛めっき層が形成
された鋼板に対する合金化処理を、誘導加熱方式の合金
化炉によって行った場合には、合金化溶融亜鉛めっき層
の表面が酸化されないので、合金化溶融亜鉛めっき層の
上に、Fe-Zn 系合金電気めっき層を適切に形成すること
ができ、且つ、ガス加熱で合金化処理した場合に比べ、
Fe-Zn 系合金電気めっき層のめっき量を少なくすること
ができる。
【0038】図1は、この発明の方法を実施するための
装置の第1実施態様を示す概略説明図である。図1に示
すように、巻戻し機1によって巻戻され、溶融亜鉛めっ
き槽8に向って移動する鋼板2の移動通路に沿って、鋼
板2を焼鈍するための、加熱炉3、均熱炉4および冷却
炉5がこの順序で配置されている。冷却炉5と溶融亜鉛
めっき槽8との間には、冷却炉5によって所定温度に冷
却された鋼板2を、亜鉛めっき浴12が収容された溶融亜
鉛めっき槽8内に導くためのスナウト7が設けられてい
る。スナウト7内には、この発明の方法によって、鋼板
2の表層を除去するためのドライエッチング装置6が配
置されている。
【0039】溶融亜鉛めっき槽8内には、めっき槽8内
に導かれた鋼板2の移動方向を、上方に向って反転させ
るためのシンクロール11が配置されている。溶融亜鉛め
っき槽8の上方には、めっき槽8に近接して、上方に向
って実質的に垂直に移動する鋼板2の表面に付着した亜
鉛めっき浴の付着量を制御するためのガスワイパー9が
設けられ、ガスワイパー9の上方には、合金化炉10が設
けられている。なお、図1においては、加熱炉3、均熱
炉4および冷却炉5が、溶融亜鉛めっき槽8に向って実
質的に水平に配置され、鋼板2が上記各炉を水平に移動
するいわゆる横型炉形式になっているが、加熱炉3、均
熱炉4および冷却炉5が、溶融亜鉛めっき槽8に向って
実質的に垂直に配置され、鋼板2が上記各炉を垂直に移
動するいわゆる縦型炉形式であってもよい。
【0040】図2は、ドライエッチング装置6の概略説
明図である。図2に示すように、ドライエッチング装置
6は、鋼板2が通過する処理室18の、鋼板の入口および
出口の各々に設けられた、電極を兼ねるシールロール13
と、処理室18内に、その中を通る鋼板2を挟んでその上
方および下方に設けられたイオン源またはプラズマ発生
源14と、処理室18内に反応ガスを供給するためのガス供
給管15と、上記反応ガスを処理室18内から排出するため
のガス排出管16とからなっている。
【0041】処理室18内に、ガス供給管15を通して例え
ばArガス等の不活性ガスを供給して処理室18内を一定の
ガス圧に保つ。イオン源またはプラズマ発生源14から、
鋼板2の上面および下面に向けてイオンまたはプラズマ
17を放射する。その結果、放射されたイオンまたはプラ
ズマ17によって、処理室18内を通過する鋼板2の表層は
除去される。
【0042】巻戻し機1によって巻戻され、溶融亜鉛め
っき槽8に向って移動する鋼板2は、加熱炉3、均熱炉
4および冷却炉5を移動する間に、それぞれ所定温度に
加熱、均熱および冷却されて焼鈍される。このようにし
て焼鈍された鋼板2は、スナウト7を通って溶融亜鉛め
っき槽8内に導かれるが、その直前に、スナウト7内に
配置されたドライエッチング装置6によって、上述した
ように鋼板2の表層は除去される。
【0043】このようにして、その表層が除去された鋼
板2は、次いで、溶融亜鉛めっき槽8内に導かれ、めっ
き層8内のシンクロール11により上方に向って実質的に
垂直に移動し、めっき層8から引き出される。めっき層
8から引き出された鋼板2は、ガスワイパー9によって
その表面の亜鉛付着量が調整された後、合金化炉10にお
いて加熱され、かくして鋼板2の表面上に、合金化溶融
亜鉛めっき層が形成される。
【0044】図3は、この発明の方法を実施するための
装置の第2実施態様を示す概略説明図である。第2実施
態様の装置においては、鋼板の表層を除去するためのド
ライエッチング装置6が、冷却炉5内に設けられている
点のみが第1実施態様の装置と相違する。
【0045】図4は、この発明の方法を実施するための
装置の第3実施態様を示す概略説明図である。第3実施
態様の装置においては、鋼板の表層を除去するためのド
ライエッチング装置6が、均熱炉4の出側に設けられて
いる点のみが第1実施態様の装置と相違する。
【0046】
【実施例】次に、この発明の方法を、実施例により、比
較例と対比しながら説明する。 (実施例)表1に示す化学成分組成の鋼A〜Kの各50T
を転炉において溶製し、次いで、スラブに鋳造した。次
いで、スラブを熱間圧延して熱延鋼板を調製し、得られ
た熱延鋼板を酸洗した後、冷間圧延して冷延鋼板を調製
した。
【0047】
【表1】
【0048】このようにして調製された鋼種A〜Kから
なる冷延鋼板を、図1に示した装置に通し、加熱炉3お
よび均熱炉4によって850 ℃の温度で焼鈍し、次いで、
スナウト7内に配置されたドライエッチング装置6で、
イオンスパッタエッチングにより、鋼板2の表層を除去
した。このようにして、表層が除去された冷延鋼板を溶
融亜鉛めっき槽8に導き、0.13wt.%のAlを含有する460
℃の温度の溶融亜鉛めっき浴によって、鋼板の表面上に
溶融亜鉛めっき層を形成した。次いで、溶融亜鉛めっき
層が形成された鋼板を、誘導加熱方式(IH)の合金化炉10
に導き、合金化炉10によって板温500 ℃に加熱して合金
化溶融亜鉛めっき層を形成し、かくして、Fe含有量: 約
10wt.%、めっき量: 片面当り60g/m2の合金化溶融亜鉛め
っき層を有する、表2に示す、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の供試体(以下、本発明供試体という)No. 1〜11を
調製した。
【0049】比較のために、鋼種A〜Kからなる冷延鋼
板に対し、図5に示した、巻戻し機1、加熱炉3、均熱
炉4、冷却炉5、スナウト7、溶融亜鉛めっき槽8、ガ
スワイパー9および合金化炉10からなる従来の装置を使
用し、冷延鋼板に対し、その表層を除去することなく溶
融亜鉛めっき処理および合金化処理を施すことにより、
表2に併せて示す、比較用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
供試体(以下、比較用供試体という)No. 1〜11を調製
した。
【0050】
【表2】
【0051】(実施例2)実施例1と同様の方法によっ
て、冷延鋼板の表面上に合金化溶融亜鉛めっき層を形成
した後、前記合金化溶融亜鉛めっき層の上に、Fe:80w
t.%、Zn:20 wt.%からなる成分組成の5 g/m2の量の上層
としてのFe−Zn合金電気めっき層を形成し、かくして、
表3に示す本発明供試体No. 12〜22を調製した。
【0052】(実施例3)また、合金化炉10による加熱
を、ガス加熱方式(GAS) で行ったほかは、実施例1と同
様の方法によって、同じく表3に示す本発明供試体No.
23〜25を調製した。更に、ドライエッチング装置6にお
いて、プラズマエッチング、イオンビームエッチング、
反応性イオンエッチングまたは反応性イオンビームエッ
チングにより、鋼板2の表層を除去したほかは、実施例
1と同様の方法によって、同じく表3に示す本発明供試
体No. 26〜29を調製した。
【0053】
【表3】
【0054】比較のために、鋼種A〜Kからなる冷延鋼
板に対し、図6に示した、巻戻し機1、前めっき槽19、
加熱炉3、均熱炉4、冷却炉5、スナウト7、溶融亜鉛
めっき槽8、ガスワイパー9および合金化炉10からなる
従来の装置を使用し、冷延鋼板に対し、前めっき槽19に
おいてFeを前めっきし、鋼板の表面上に5g/m2の量のFe
前めっき層を形成した後、これを焼鈍し、次いで、溶融
亜鉛めっき処理および合金化処理を施し、かくして、表
4に示す比較用供試体No.12 〜22を調製した。
【0055】
【表4】
【0056】更に、鋼板の表層の除去を、図7に示し
た、加熱炉3の入側およびスナウト7内に設けられた機
械研削装置20において行ったほかは実施例1と同様の方
法によって、表5示す比較用供試体No.23 〜33を調製し
た。
【0057】
【表5】
【0058】本発明供試体の各々に対する、ドライエッ
チング装置6における鋼板表層の除去手段は、次の通り
である。 イオンスパッタエッチング: 構成 :平行平板型電極装置 加速電圧 :300 〜5 KV 使用ガス :Ar,Ne,Kr等の不活性ガス (不活性イ
オン) ガス圧力 :0.1 〜10 Pa イオンエネルギー:1 〜50 KeV
【0059】 反応性イオンスパッタエッチング: 構成 :平行平板型電極装置 加速電圧 :300 〜5 KV 使用ガス :CF4 +H2、C3F8、CCl4、BCl3 (活性
イオン) ガス圧力 :0.1 〜10 Pa イオンエネルギー:1 〜500 KeV 反応 :Si+CF4 →SiF4+C
【0060】 イオンビームエッチング: 構成 :イオン銃 加速電圧 :300 〜5 KV 使用ガス :Ar,Ne,Kr等の不活性ガス (不活性イ
オン) ガス圧力 :10-3〜10-1 Pa イオンエネルギー:1 〜50 KeV
【0061】 反応性イオンビームエッチング: 構成 :イオン銃 加速電圧 :300 〜5 KV 使用ガス :CF4 +H2、C3F8、CCl4 (活性イオ
ン) ガス圧力 :10-3〜10-1 Pa イオンエネルギー:1 〜50 KeV 反応 :Si+CF4 →SiF4+C
【0062】 プラズマエッチング: 構成 :バレル型装置 高周波電極:13.56 MHZ 、10〜500 ワット 使用ガス :CF4 、CF4 +O2 (ラジカル) ガス圧力 :0.1 〜10 Torr
【0063】上述したようにして調製した本発明供試体
No. 1〜29および比較用供試体No.1 〜33の各々につい
て、めっき性、外観、耐パウダリング性および電着塗装
性を、以下に述べる性能試験によって調査し、その試験
結果を、表2〜4に併せて示した。
【0064】(1) めっき性:不めっきの発生状態を目視
によって調べ、下記によって評価した。 ◎ :不めっきが全く発生せず、非常に良好、 ○ :不めっきが殆ど発生せず、良好、 △ :僅かに点状不めっきが発生、 × :大径の点状不めっきが発生し、不良、 ××:めっきはじきが発生し、極めて不良。
【0065】(2) 外観:合金化むらの発生状態を目視に
よって調べ、下記によって評価した。 ◎ :合金化むらが全く発生せず、非常に良好、 ○ :合金化むらが殆ど発生せず、良好、 △ :微細な筋むらが発生、 × :明瞭な筋むらが発生し、不良、 ××:明瞭な大きな筋むらが発生し、極めて不良。
【0066】(3) 耐パウダリング性:各供試体の表面に
接着テープを貼り、このように接着テープが貼られた供
試体に対し90°曲げ試験を施し、次いで、接着テープを
剥がしたときの合金化溶融亜鉛めっき層の剥離量を調
べ、下記によって評価した。 ○ :めっき層に剥離発生せず、 × :めっき層に剥離発生。
【0067】(4) 電着(ED)塗装性:各供試体の表面を脱
脂した後、化成処理液PB-L3080 (日本パーカライジング
社製) を使用して化成処理を施し、各供試体の表面上に
化成処理被膜を形成した。次いで、塗料E1-2000(関西ペ
イント社製) を使用し、この塗料を29℃の温度で3日間
攪拌してその安定化を図った後、下記条件で電着(ED)塗
装を施して、化成処理被膜の上に、厚さ20μm の塗膜を
形成した。 電圧 :280 V 浴温 : 27 ℃ 焼付け温度:170 ℃ 焼付け時間: 25 分
【0068】このようにして各供試体に形成された塗膜
中におけるクレーターの発生状態を目視によって調べ、
下記によって評価した。 ○:クレーター発生せず ×:クレーター発生
【0069】表2から明らかなように、冷延鋼板に対
し、金属被覆層を形成することなく溶融亜鉛めっき処理
および合金化処理を施した比較用供試体No. 1〜11は、
めっき性、外観、耐パウダリング性および電着塗装性の
全部またはその少なくとも1つが悪かった。
【0070】表4に示した、冷延鋼板に対し、前めっき
槽において、鋼板の表面上にFeを前めっきした後、これ
を焼鈍し、次いで、溶融亜鉛めっき処理および合金化処
理を施した比較用供試体No.12 〜22は、めっき性、外
観、耐パウダリング性および電着塗装性の全部またはそ
の少なくとも1つが悪かった。そして、表5に示した、
鋼板表層の除去を機械研削によって行った比較用供試体
No. 23〜33は、外観および電着塗装性が悪かった。
【0071】これに対し、冷延鋼板を焼鈍後、その表層
をドライエッチングによって除去し、このように表層が
除去された鋼板に対し、溶融亜鉛めっき処理および合金
化処理を施して合金化溶融亜鉛めっき層を形成した、実
施例1の本発明供試体No.1〜11、および、実施例3の本
発明供試体No. 23〜29は、電着塗装性を除いて、めっき
性、外観および耐パウダリング性が何れも良好であっ
た。
【0072】そして、本発明の方法によって、冷延鋼板
の表面上に合金化溶融亜鉛めっき層を形成した後、前記
合金化溶融亜鉛めっき層の上に、Fe−Zn合金電気めっき
層を形成した、実施例2の本発明供試体No. 12〜22は、
めっき性、外観、耐パウダリング性および電着塗装性の
全てにおいて優れていた。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
Si,Mn,P, Cu, Ni, Cr 等のような、焼鈍時にFeよりも
酸化しやすい元素または表面濃化傾向の強い元素を含有
する鋼板の表面上に、合金化溶融亜鉛めっき層を形成す
るに際し、不めっき、合金化むら等が生ぜず、均一性お
よび耐パウダリング性に優れ、且つ、押し疵や研削疵等
のない美麗な表面外観を有する合金化溶融亜鉛めっき層
を、大規模な前めっき設備を設置する必要なく形成する
ことができ、特に高強度で且つ耐食性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を効率的に且つ経済的に製造すること
ができる、工業上有用な効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を実施するための装置の第1実
施態様を示す概略説明図である。
【図2】この発明に使用するドライエッチング装置6の
概略説明図である。
【図3】この発明の方法を実施するための装置の第2実
施態様を示す概略説明図である。
【図4】この発明の方法を実施するための装置の第3実
施態様を示す概略説明図である。
【図5】従来方法の装置の一例を示す概略説明図であ
る。
【図6】前めっき槽において鋼板の表面に前めっきを施
す従来方法の装置の一例を示す概略説明図である。
【図7】鋼板の表層を機械研削で除去する従来の方法の
一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 巻戻し機、 2 鋼板、 3 加熱炉、 4 均熱炉、 5 冷却炉、 6 ドライエッチング装置、 7 スナウト、 8 溶融亜鉛めっき槽、 9 ガスワイパー、 10 合金化炉、 11 シンクロール、 12 亜鉛めっき浴、 13 シールロール、 14 イオン源またはプラズマ発生源、 15 反応ガス供給管、 16 排気管、 17 イオンまたはプラズマ、 18 処理室、 19 前めっき槽、 20 機械研削装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板を連続的に焼鈍し、次いで、前記焼
    鈍された鋼板を、亜鉛めっき浴中に連続的に通過させ、
    前記鋼板に溶融亜鉛めっき処理を施して、前記鋼板の少
    なくとも1つの表面上に溶融亜鉛めっき層を形成し、次
    いで、前記溶融亜鉛めっき層が形成された鋼板を加熱し
    て、合金化処理を施し、かくして、前記鋼板の少なくと
    も1つの表面上に、合金化溶融亜鉛めっき層を形成す
    る、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、 前記焼鈍された鋼板を、前記亜鉛めっき浴中に通過させ
    る前に、前記鋼板の表層をドライエッチング法により除
    去し、このようにして表層が除去された鋼板に対し、0.
    05〜0.20wt.%のAlを含有する亜鉛めっき浴によって溶融
    亜鉛めっき処理を施し、次いで、合金化処理を施すこと
    を特徴とする、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ドライエッチング法として、プラズ
    マエッチング、反応性イオンエッチング、スパッタエッ
    チング、イオンビームエッチング、反応性イオンビーム
    エッチンッグのうちの何れか1つの方法を使用する、請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記溶融亜鉛めっき層が形成された鋼板
    に対する前記合金化処理を、誘導加熱方式の合金化炉に
    よって行う、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの表面上に、合金化溶融
    亜鉛めっき層が形成された前記鋼板の、前記合金化溶融
    亜鉛めっき層の上に、50wt.%以上のFeを含有する、1g/
    m2以上の量のFe-Zn 系合金電気めっき層を形成する、請
    求項1から3の何れか1つに記載の方法。
JP26073092A 1992-09-03 1992-09-03 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Pending JPH0688193A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26073092A JPH0688193A (ja) 1992-09-03 1992-09-03 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26073092A JPH0688193A (ja) 1992-09-03 1992-09-03 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0688193A true JPH0688193A (ja) 1994-03-29

Family

ID=17351959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26073092A Pending JPH0688193A (ja) 1992-09-03 1992-09-03 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0688193A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100519854B1 (ko) * 2003-11-01 2005-10-10 현대하이스코 주식회사 도금 밀착성 및 가공성이 뛰어난 고강도 합금화 용융아연도금강판의 제조방법
US7057272B2 (en) 2002-06-26 2006-06-06 Fujitsu Limited Power supply connection structure to a semiconductor device
JP2008031519A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Kowa Industry Co Ltd 溶融亜鉛系メッキ方法及び亜鉛系メッキ被覆物
EP2145973A1 (en) 2008-07-14 2010-01-20 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Alloyed hot-dip galvanized steel sheet and production method thereof
US8691396B2 (en) 2008-11-06 2014-04-08 Kobe Steel, Ltd. Galvannealed steel sheet and production method thereof

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7057272B2 (en) 2002-06-26 2006-06-06 Fujitsu Limited Power supply connection structure to a semiconductor device
KR100519854B1 (ko) * 2003-11-01 2005-10-10 현대하이스코 주식회사 도금 밀착성 및 가공성이 뛰어난 고강도 합금화 용융아연도금강판의 제조방법
JP2008031519A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Kowa Industry Co Ltd 溶融亜鉛系メッキ方法及び亜鉛系メッキ被覆物
EP2145973A1 (en) 2008-07-14 2010-01-20 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Alloyed hot-dip galvanized steel sheet and production method thereof
US8691396B2 (en) 2008-11-06 2014-04-08 Kobe Steel, Ltd. Galvannealed steel sheet and production method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5270172B2 (ja) コーティングされた鋼板又はストリップ
JP7311040B2 (ja) Fe系電気めっき鋼板の製造方法及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2904809B2 (ja) 溶融亜鉛めっき熱延鋼板の製造方法
JP4506128B2 (ja) 熱間プレス成形品およびその製造方法
US5494706A (en) Method for producing zinc coated steel sheet
JPH0688187A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
KR20150066339A (ko) 도금 밀착성이 우수한 고강도 Zn-Al-Mg 합금용융아연도금강판 제조방법
JPS6055591B2 (ja) 耐経時めつき剥離性に優れた溶融亜鉛合金めつき鋼板の製造法
JPH08170159A (ja) Si添加高張力鋼材の溶融亜鉛めっき方法
JP2964911B2 (ja) P添加高張力鋼材の合金化溶融亜鉛めっき方法
JPH0688193A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPS6056418B2 (ja) 溶融亜鉛メツキ鋼板の製造法
JP2619550B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH0238549A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH06116653A (ja) めっき表面性状およびめっき密着性に優れた低コスト型熱延溶融めっき鋼帯の製造方法および製造装置
JPH051357A (ja) 溶融金属めつき方法
JPH08170160A (ja) Si含有高張力(合金化)溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2576329B2 (ja) 皮膜の均一性および耐パウダリング性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP7265217B2 (ja) ホットスタンプ用めっき鋼板
JP3497353B2 (ja) 溶融金属めっき方法および溶融金属めっき装置
EP0584364A1 (en) Al-Si-Cr-PLATED STEEL SHEET EXCELLENT IN CORROSION RESISTANCE AND PRODUCTION THEREOF
JPH05148604A (ja) 溶融亜鉛系めつき鋼板の製造方法
JPH07197225A (ja) 高張力熱延鋼板の溶融めっき方法
JP3376914B2 (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および装置
JP3411425B2 (ja) 溶融金属めっき鋼板の製造方法