JP3376914B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および装置 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および装置

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JP3376914B2 JP10710798A JP10710798A JP3376914B2 JP 3376914 B2 JP3376914 B2 JP 3376914B2 JP 10710798 A JP10710798 A JP 10710798A JP 10710798 A JP10710798 A JP 10710798A JP 3376914 B2 JP3376914 B2 JP 3376914B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車内
外板として用いられる鋼板の表面上に、均一な溶融亜鉛
めっき層または合金化溶融亜鉛めっき層を形成する溶融
亜鉛めっき鋼板または合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車体寿命延長の観点から、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板が車体用素材として使用され始めて久し
い。合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、電気めっき方に比べ
て厚めっき化が容易な溶融亜鉛めっき法により製造され
るため、合金化溶融亜鉛めっき鋼板には、耐食性に優れ
製造コストが低いこと、めっき層が鉄亜鉛合金となって
いるため、塗料密着性、スポット溶接性に優れることな
どの材料的優位性がある。
【0003】近年、地球温暖化防止の観点から自動車の
燃費向上が叫ばれ、車体軽量化と安全性確保の観点から
素材の高強度化・薄物化が強く求められている。一般的
に鋼板の強度上昇にはSi、Mn、P等の固溶強化元素
の添加が行われている。
【0004】しかし、SiまたはPを含有する鋼板をめ
っき原板として使用する場合には、熱延以前の表面不均
一性が原因の合金化ムラや不めっきなどが生じるという
問題がある。とりわけ、Siはめっき前焼鈍時に選択酸
化により鋼板表面を覆うため、溶融亜鉛との濡れ性が悪
くなり不めっきを生じたり、熱延時に生成する赤スケー
ルが原因となるスジムラが発生するため、自動車用外板
へのSiの適用は特に避けられている。また、SiやP
は合金化速度を遅くさせるという問題も有している。一
方、Mnは表面品質や合金化速度に対する大きな悪影響
は見られないが、強化能力が低いことから大量に添加す
る必要がある。
【0005】従来、濡れ性を改善する方法あるいは合金
化反応を促進させる方法としては、溶融めっきに先立っ
て鋼板表面にNi、Fe等の金属あるいは合金をプレめ
っきする方法(例えば、特開昭60−110859号公
報等。以下、従来技術1という。)が提案されている。
また、溶融めっきに先立って鋼板表面に硫黄化合物水溶
液を湿布した後、非酸化性雰囲気で焼鈍する方法(特開
平5−163558号公報。以下、従来技術2とい
う。)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術1では、前処
理として電解処理によりプレめっきを行うため、プレめ
っきのための設備コストが増大する問題点がある。
【0007】従来技術2においては、SがSi、Pの表
面濃化を抑制するため、Si含有鋼、P含有鋼の合金化
速度をある程度促進させることができるうえ、プレメッ
キなのような新たな設備を必要としないので、コストの
増大を押さえることができる。しかしながら、この方法
においては、対象となる硫黄化合物水溶液の鋼板との反
応性が低いため、湿布、加熱後の鋼板表面では付着ムラ
などを生じ、効果が不安定であるという難点を有してい
る。
【0008】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであって、自動車内外板として用いた場合に、表面外
観が良好で、線状マークが生じず、めっき皮膜の均一性
に優れ、さらに密着性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板、お
よびさらに合金化ムラが生じず、耐パウダリング性に優
れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を安定して製造すること
ができる製造方法、ならびにこのような製造方法を実施
することができる溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明は、鋼板表面に、予め、水または有機溶剤
に可溶な硫黄含有物質の1種以上を溶解した溶液を塗布
し、乾燥した後、水素を含む非酸化性雰囲気中で加熱焼
鈍し、その後、0.05〜0.30%のAlを含む溶融
亜鉛浴に浸漬してめっきを行い溶融亜鉛めっき鋼板を製
造するに際し、前記溶液中に界面活性剤を含有させるこ
とを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供す
る。
【0010】第2発明は、鋼板表面に、予め、水または
有機溶剤に可溶な硫黄含有物質の1種以上を溶解した溶
液を塗布し、乾燥した後、水素を含む非酸化性雰囲気中
で加熱焼鈍し、その後、0.05〜0.30%のAlを
含む溶融亜鉛浴に浸漬してめっきを行い溶融亜鉛めっき
鋼板を製造するに際し、溶液が塗布された鋼板を乾燥す
る際に、誘導加熱方式または直接通電方式により鋼板を
前記溶液の溶媒の沸点よりも高い温度に急速加熱するこ
とを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供す
る。
【0011】第3発明は、鋼板表面に、予め、水または
有機溶剤に可溶な硫黄含有物質の1種以上を溶解した溶
液を塗布し、乾燥した後、水素を含む非酸化性雰囲気中
で加熱焼鈍し、その後、0.05〜0.30%のAlを
含む溶融亜鉛浴に浸漬してめっきを行い溶融亜鉛めっき
鋼板を製造するに際し、予め前記溶液の溶媒の沸点より
高い温度に加熱した鋼板上に、前記溶液を噴霧すること
により、溶液の塗布乾燥を同時に行うことを特徴とする
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供する。
【0012】第4発明は、第2発明または第3発明の方
法に従って溶融亜鉛めっきした後、めっき層の合金化熱
処理を行うことを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法を提供する。
【0013】第5発明は、焼鈍炉と溶融亜鉛めっき槽と
を有する連続式の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置であっ
て、焼鈍炉入側において、鋼板の入側から順に、溶液塗
布装置、誘導加熱方式または直接通電加熱方式による鋼
板加熱装置を配してなることを特徴とする溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造装置を提供する。
【0014】第6発明は、焼鈍炉と溶融亜鉛めっき槽と
を有する連続式の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置であっ
て、焼鈍炉入側において、鋼板の入側から順に、鋼板加
熱装置、溶液噴霧装置を配してなることを特徴とする溶
融亜鉛めっき鋼板の製造装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明においては、鋼板表面に、予め、水また
は有機溶剤に可溶な硫黄含有物質の1種以上を溶解した
溶液を塗布し、乾燥した後、水素を含む非酸化性雰囲気
中で加熱焼鈍し、その後、0.05〜0.30%のAl
を含む溶融亜鉛浴に浸漬してめっきを行う。
【0016】本発明において、水または有機溶剤に可溶
硫黄含有物質を塗布した後、非酸化性雰囲気で焼鈍す
ると、鋼板表面に付着した化合物成分が鋼中に含まれる
Si、Mn、Pなどの表面濃化傾向の強い元素の表面濃
化を抑制するため、亜鉛めっき浴により溶融亜鉛めっき
処理を施した際に、不めっきの発生がない溶融亜鉛めっ
き鋼板を製造することができる。また、溶融亜鉛めっき
鋼板の合金化処理過程において、表面濃化元素による合
金化速度の低下も抑制することができる。
【0017】本発明に用いられる水または有機溶剤に可
溶な硫黄含有物質としては、硫黄単体、硫酸ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸ソーダ、亜硫酸ソーダ等
の無機硫酸塩、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン
酸カリ等のチオシアン酸塩類、アルキルメルカプタンや
チオ尿素などの脂肪族系有機物、メルカプトベンゾチア
ゾール等の加硫促進剤等の硫黄化合物、硫酸ニッケル、
硫酸亜鉛、硫酸マンガンなどの各種金属硫酸塩等が挙げ
られる。
【0018】溶融亜鉛浴中に含まれるAl量を0.05
〜0.30%と規定したのは、0.05%未満ではFe
−Al合金の生成量が少ないため、Fe−Zn反応抑制
効果が小さく、耐パウダリング性が劣化し、0.30%
を超えるとFe−Al合金の生成量が多すぎるため、F
e−Zn反応抑制効果が大きすぎ、合金化させることが
できなくなるからである。
【0019】本発明の第1の方法においては、以上のよ
うにして溶融亜鉛めっき鋼を製造するに際し、鋼板表面
に塗布する溶液中に界面活性剤を含有させる。このよう
に界面活性剤を用いるのは、上述のような物質を水や有
機溶剤に溶解した溶液は、一般的に鋼板との濡れ性が悪
く、液ハジキを生じるからである。したがって、鋼板と
の濡れ性を向上するために界面活性剤を添加する。この
ように界面活性剤を添加した溶液を塗布することによ
り、上述の硫黄単体および化合物等の硫黄含有物質の
種または2種以上からなる均一な層が形成される。
【0020】界面活性剤としては、陰イオン活性剤、陽
イオン活性剤、非イオン活性剤、両性イオン活性剤のい
ずれも用いることができる。
【0021】本発明の第2の方法においては、上述のよ
うにして溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに際し、溶液が
塗布された鋼板を乾燥する際に、誘導加熱方式または直
接通電方式により鋼板を前記溶液の溶媒の沸点よりも高
い温度に急速加熱する。
【0022】また、第3の方法においては、同様にして
溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際に、予め前記溶液の溶
媒の沸点より高い温度に加熱した鋼板上に、前記溶液を
噴霧することにより、溶液の塗布乾燥を同時に行う。
【0023】これら第2および第3の方法のように、溶
媒の沸点よりも高い温度で急速加熱することにより、瞬
時に溶媒が蒸発し、表面上には上述の硫黄単体および化
合物等の1種または2種以上からなる均一な層が形成さ
れる。
【0024】以上のように、第2の方法および第3の方
法では、鋼板表面上に均一な層が形成される結果、その
後の溶融亜鉛めっき処理により、表面外観が良好で、線
状マークが生じず、均一性に優れ、さらに密着性に優れ
た溶融亜鉛めっき層を形成することができる。また、こ
のような溶融亜鉛めっき鋼板に合金化処理を施すことに
より、合金化ムラが生じず、耐パウダリング性に優れた
合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
【0025】図1は、本発明の方法を実施するための溶
融亜鉛めっき鋼板の製造装置の一実施形態を示す概略構
成図である。図1に示すように、巻き戻し機1によって
巻き戻され、溶融亜鉛めっき槽9に向かって移動する鋼
板2の移動通路に沿って、鋼板を焼鈍するための焼鈍炉
を構成する、加熱炉5、均熱炉6および冷却炉7がこの
順序で配置されている。冷却炉7と溶融亜鉛めっき槽9
との間には、冷却炉7によって所定温度に冷却された鋼
板2を、亜鉛めっき浴13が収容された溶融亜鉛めっき
槽9に導くためのスナウト8が設けられている。
【0026】溶融亜鉛めっき槽9内には、めっき槽内に
導かれた鋼板2の移動方向を、上方に向かって反転させ
るためのシンクロール12が配置されている。溶融亜鉛
めっき槽9の上方には、めっき槽9に近接して、上方に
向かって実質的に垂直に移動する鋼板2の表面に付着し
た亜鉛めっき浴の付着量を制御するためのガスワイパー
10が設けられ、ガスワイパー10の上方には、合金化
炉11が設けられている。
【0027】巻き戻し機1と加熱炉5との間には、鋼板
2の少なくとも1つの表面上に上記溶液を塗布するため
の溶液塗布装置3と、溶液塗布後の鋼板を急速加熱し乾
燥するための、誘導加熱方式または直接通電方式による
鋼板加熱装置4が設けられている。また、必要に応じ、
鋼板2が溶液塗布装置3を通過する前に、脱脂槽を設置
することも可能である。
【0028】なお、図1においては、加熱炉5、均熱炉
6および冷却炉7が、溶融亜鉛めっき槽9に向かって実
質的に平行に配置され、鋼板2が上記各炉を水平に移動
する、いわゆる横型炉形式になっているが、加熱炉5、
均熱炉6および冷却炉7が、溶融亜鉛めっき槽9に向か
って実質的に垂直に配置され、鋼板が上記各炉を垂直に
移動する、いわゆる縦型炉形式であってもよい。
【0029】このような装置においては、巻き戻し機1
によって巻き戻され、溶融亜鉛めっき槽9に向かって移
動する鋼板2は、溶液塗布装置3によって、鋼板2の少
なくとも1つの表面上に、水または有機溶剤に可溶な物
質の1種または2種以上の溶液層が形成される。続い
て、鋼板2は誘導加熱方式または直接通電方式による鋼
板加熱装置4に導かれ、急速加熱により溶液層が乾燥さ
れ、上述の硫黄単体および化合物等の硫黄含有物質の
種または2種以上からなる均一な層が形成される。この
ようにして均一な層が形成された鋼板2は、加熱炉5、
均熱炉6および冷却炉7を移動する間に、所定温度に加
熱され、その温度に均熱され、その後冷却されて焼鈍さ
れる。
【0030】このようにして焼鈍された鋼板2は、スナ
ウト8を通って溶融亜鉛めっき槽9に導かれ、めっき槽
内のシンクロール12により上方に向かって実質的に垂
直に移動し、めっき槽9から引き出される。めっき槽9
から引き出された鋼板2は、ガスワイパー10によって
その表面の亜鉛付着量が調整された後、合金化炉11に
おいて加熱され、これによって鋼板2の表面上に、合金
化溶融亜鉛めっき層が形成される。
【0031】図2は、本発明の方法を実施するための溶
融亜鉛めっき鋼板の製造装置の他の実施形態を示す概略
構成図である。この装置は上述の第3の方法を実施する
ための装置であり、図1の装置塗布装置3と鋼板加熱装
置4の代わりに、鋼板を所定温度に加熱する鋼板加熱装
置14とスプレー方式などで溶液を塗布する溶液噴霧装
置15が設けられており、他は図1の装置と同様に構成
されている。
【0032】この図2の装置を使用した場合、鋼板加熱
装置14により予め溶媒の沸点よりも高い温度に加熱さ
れた鋼板2は、水または有機溶剤に可溶な物質の中から
選ばれた1種または2種以上を含む溶液が噴霧され、瞬
時に溶媒が蒸発した後、表面上にはこれら物質の1種ま
たは2種以上からなる均一な層が形成される。その後、
図1の装置と同様に、焼鈍、めっき、合金化処理が施さ
れ、合金化溶融亜鉛めっき層が形成される。なお、鋼板
加熱装置の温度については、溶媒の沸点以上であれば特
に制限はない。
【0033】なお、上記焼鈍には、通常用いられている
ラジアントチューブ方式の焼鈍炉を用いることができ
る。また、弱酸化雰囲気で予熱を行う場合には、例えば
直火加熱方式の焼鈍炉を用いればよい。溶融亜鉛めっき
装置全体の効率等を考えると、これらのうち昇温速度を
速くすることができる直火加熱方式のほうが好ましい。
【0034】本発明のめっき鋼板の溶融亜鉛めっきある
いは合金化溶融亜鉛めっき層中には、耐食性向上などを
目的として、主元素であるZn,Fe,Alの他に、A
s,Bi,Cd,Ce,Co,Cr,In,La,L
i,Mg,Mn,Ni,O,P,Pb,S,Sb,S
n,Ti,Zr等のうち1種または2種以上を含有させ
てもよく、これらを含有していても本発明の効果は損な
われない。
【0035】合金化処理工程においては、ガス加熱方
式、誘導加熱方式、直接通電加熱方式などの方法を採用
することができるが、合金化炉加熱方式の相違によって
本発明の効果に変わりはない。
【0036】本発明は、自動車用外板用途への適用を主
目的としているため、下地鋼板は冷延鋼板が主である
が、本発明は自動車の強度部材である骨組み構造部材や
足廻り部品のような熱延鋼板下地の場合にも本発明の効
果は得られる。また、本発明は、自動車部品に限らず、
建材、電機、家電などの用途にも適用することができ
る。
【0037】
【実施例】表1に示す化学成分組成の鋼A〜Fの各50
Tを転炉において溶製し、次いで、スラブに鋳造した。
次いで、スラブを熱間圧延して熱延鋼板とし、得られた
熱延鋼板を酸洗した後、冷間圧延して冷延鋼板とした。
このようにして製造された鋼種A〜Fからなる冷延鋼板
を、図1または図2に示す装置に通し、チオ尿素(CH
S)、または硫酸ニッケル(NiSO)の2%
水溶液を塗布、乾燥した。なお、使用する溶液中に界面
活性剤としてポリエチレングリコールを2%含有するよ
うに調製した溶液も一部使用した。
【0038】
【表1】
【0039】上記冷延鋼板は、加熱炉5および均熱炉6
によって850℃の温度で焼鈍し、次いでスナウト8を
通って溶融亜鉛めっき槽9に導かれ、0.12%Alを
含有する460℃の溶融亜鉛めっき浴13によって、鋼
板2の表面上に溶融亜鉛めっき層を形成した。次いで、
溶融亜鉛めっき層が形成された鋼板2を、誘導加熱方式
の合金化炉11に導き、合金化炉によって板温500℃
に加熱して合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。
【0040】比較のために、鋼種A〜Fからなる冷延鋼
板に対し、図3に示した、巻き戻し機1、溶液塗布装置
3、熱風乾燥炉16、加熱炉5、均熱炉6、冷却炉7、
スナウト8、溶融亜鉛めっき槽9、ガスワイパー10お
よび合金化炉11からなる装置を使用し、溶液塗布後の
冷延鋼板を徐熱乾燥し、焼鈍、溶融亜鉛めっき処理およ
び合金化処理を施すことにより、溶融亜鉛めっき層およ
び合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。
【0041】さらに比較のために、鋼種A〜Fからなる
冷延鋼板に対し、図4に示した、巻き戻し機1、加熱炉
5、均熱炉6、冷却炉7、スナウト8、溶融亜鉛めっき
槽9、ガスワイパー10および合金化炉11からなる装
置を使用し、溶液を塗布することなく、焼鈍、溶融亜鉛
めっき処理および合金化処理を施すことにより、溶融亜
鉛めっき層および合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。
【0042】このようにして得られた溶融亜鉛めっき鋼
板は、不めっき発生状況、初期合金相形態の観察、0T
曲げ試験によるめっき密着性評価を行い、また、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板は、皮膜中の鉄含有率が10±0.
5%の範囲内にあることを基準として合金化度の評価を
行うとともに、合金化ムラの発生状況および90度曲げ
試験による耐パウダリング性の評価を行った。
【0043】以上のようにして製造した溶融亜鉛めっき
鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造条件、なら
びにめっき品質を評価した結果を表2〜4に示す。な
お、これらの表に示しためっき品質に関する評価事項と
評価基準は以下の通りである。
【0044】*1.不めっき(目視判定) ○:良好 ×:不めっきが認められる
【0045】*2.初期合金相(SEM観察) ○:微細なζ相が均一に生成 ×:粗大なζ相がまばらに生成 B:アウトバースト状組織
【0046】*3.めっき密着性 ○:良好 ×:めっき剥離発生
【0047】*4.合金化速度 ●:過合金 ○:良好 △:やや合金化不足 ×:非常に合金化不足
【0048】*5.合金ムラ(目視判定) ○:良好 ×:スジムラが認められる
【0049】*6.耐パウダリング性(90°曲げ) ○:良好 ×:不合格
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】表2〜4に示すように、本発明例では全て
のめっき品質評価事項について良好な結果が得られたの
に対し、溶液に対して界面活性剤を添加しなかった場
合、あるいは溶液塗布後の鋼板を徐熱乾燥した場合、あ
るいは溶液の塗布を行わなかった比較例は、上記めっき
品質評価事項のいずれかが劣っていた。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Si添加および/またはP添加高強度鋼板に特有な合金
化ムラや線上マークを解消し、自動車内外板として用い
た場合に、表面外観が良好で、高強度でかつめっき皮膜
の均一性に優れ、さらに密着性に優れた溶融亜鉛めっき
鋼板、およびさらに合金化ムラが発生せず、耐パウダリ
ング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を容易にしか
も安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための溶融亜鉛めっき
鋼板の製造装置の一実施形態を示す概略構成図。
【図2】本発明の方法を実施するための溶融亜鉛めっき
鋼板の製造装置の他の実施形態を示す概略構成図。
【図3】比較例を実施するための溶融亜鉛めっき鋼板の
製造装置の他の実施形態を示す概略構成図。
【図4】従来方法を実施するための溶融亜鉛めっき鋼板
の製造装置の他の実施形態を示す概略構成図。
【符号の説明】
1; 巻き戻し機 2; 鋼板 3; 溶液塗布装置 4,14; 鋼板加熱装置 5; 加熱炉 6; 均熱炉 7; 冷却炉 8; スナウト 9; 溶融亜鉛めっき槽 10; ガスワイパー 11; 合金化炉 12; シンクロール 13; 亜鉛めっき浴 15; 溶液噴霧装置
フロントページの続き (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−247614(JP,A) 特開 平10−46304(JP,A) 特開 平7−278769(JP,A) 特開 平4−265177(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面に、予め、水または有機溶剤に
    可溶な硫黄含有物質の1種以上を溶解した溶液を塗布
    し、乾燥した後、水素を含む非酸化性雰囲気中で加熱焼
    鈍し、その後、0.05〜0.30%のAlを含む溶融
    亜鉛浴に浸漬してめっきを行い溶融亜鉛めっき鋼板を製
    造するに際し、前記溶液中に界面活性剤を含有させるこ
    とを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼板表面に、予め、水または有機溶剤に
    可溶な硫黄含有物質の1種以上を溶解した溶液を塗布
    し、乾燥した後、水素を含む非酸化性雰囲気中で加熱焼
    鈍し、その後、0.05〜0.30%のAlを含む溶融
    亜鉛浴に浸漬してめっきを行い溶融亜鉛めっき鋼板を製
    造するに際し、溶液が塗布された鋼板を乾燥する際に、
    誘導加熱方式または直接通電方式により鋼板を前記溶液
    の溶媒の沸点よりも高い温度に急速加熱することを特徴
    とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 鋼板表面に、予め、水または有機溶剤に
    可溶な硫黄含有物質の1種以上を溶解した溶液を塗布
    し、乾燥した後、水素を含む非酸化性雰囲気中で加熱焼
    鈍し、その後、0.05〜0.30%のAlを含む溶融
    亜鉛浴に浸漬してめっきを行い溶融亜鉛めっき鋼板を製
    造するに際し、予め前記溶液の溶媒の沸点より高い温度
    に加熱した鋼板上に、前記溶液を噴霧することにより、
    溶液の塗布乾燥を同時に行うことを特徴とする溶融亜鉛
    めっき鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3の方法に従って
    溶融亜鉛めっきした後、めっき層の合金化熱処理を行う
    ことを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 焼鈍炉と溶融亜鉛めっき槽とを有する連
    続式の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置であって、焼鈍炉
    入側において、鋼板の入側から順に、溶液塗布装置、誘
    導加熱方式または直接通電加熱方式による鋼板加熱装置
    を配してなることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製
    造装置。
  6. 【請求項6】 焼鈍炉と溶融亜鉛めっき槽とを有する連
    続式の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置であって、焼鈍炉
    入側において、鋼板の入側から順に、鋼板加熱装置、溶
    液噴霧装置を配してなることを特徴とする溶融亜鉛めっ
    き鋼板の製造装置。
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